JP2010032023A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストッパ機構を備えていても、防振装置の全体サイズの大型化を回避することが出来ると共に、第二の取付部材の固定部位での部材強度や第二の取付部材の固定強度を確保することが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することを、目的とする。
【解決手段】第一の取付部材12の外周側において本体ゴム弾性体16の軸方向中間部分に内部空所84を形成すると共に、かかる内部空所84内に各種方向のストッパ機構を構成するストッパ当接部86を配設するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車用エンジンマウント等に用いられる防振装置に係り、特に、内部に封入された流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体として、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結した防振装置が各種分野に広く採用されている。その一種として、筒状の第二の取付部材における一方の開口側に配設された本体ゴム弾性体と、他方の開口側に配設された蓋部材とのマウント軸方向間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成して、かかる流体室における非圧縮性流体の流動作用による防振効果が発揮されるようにした流体封入式防振装置が知られている(特許文献1参照)。
このような流体封入式防振装置においては、本体ゴム弾性体の防振作用だけでは得られない程の低動ばね効果や高減衰効果をチューニング周波数域で容易に得ることが出来ることから、例えば、特定の周波数域で高度な防振性能が要求される自動車用のエンジンマウント等への適用が検討されている。
ところで、防振装置には、例えば特許文献2等に記載されているように、第一の取付部材と第二の取付部材の相対的な変位を制限するストッパ機構を備えたものが提案されている。
しかしながら、ストッパ機構は、バウンド方向やリバウンド方向、更には、マウント軸方向に対する直交方向(マウント軸直角方向)等に必要となる。また、流体封入式防振装置の場合には、非圧縮性流体が封入された流体室が防振装置内に形成されていることから、防振装置の内部にストッパ機構を配設することが難しい。
従って、流体封入式防振装置の場合には、特許文献2に記載されているように、防振装置の上方で防振装置の全体を覆うように広がる大型の冠状ストッパ金具を組み付ける必要があった。その結果、防振装置そのものが大型化し、大きな配設スペースが必要になると共に、重量が増加するという問題があった。
加えて、特許文献2に記載の如き従来構造のストッパ機構においては、防振装置の上方に突出してストッパ当接部(打ち当たり面)が形成されていることから、第二の取付部材の防振すべき部材への固定位置からストッパ当接部までのマウント軸方向での離隔距離が大きくなる。これにより、ストッパ当接部が当接した際に第二の取付部材の固定部位に及ぼされる当接反力のモーメントが大きくなって、第二の取付部材の固定部位での部材強度や第二の取付部材の固定強度が問題となり易かった。その結果、第二の取付部材の固定部位での部材強度を確保するために、形成材料の選択範囲が制限されたり、固定部位の厚さ寸法を大きくする必要があった。
特開昭57−9340号公報 特開昭62−228726号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ストッパ機構を備えていても、防振装置の全体サイズの大型化を回避することが出来ると共に、ストッパ機構の当接反力による第二の取付部材の固定部位でのモーメントを抑えて部材強度や第二の取付部材の固定強度を確保することが出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明は、第一の取付部材をマウント軸方向に延びる筒状の第二の取付部材における一方の開口部側に離隔配置せしめてそれら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、第二の取付部材における他方の開口部側に蓋部材を配設して本体ゴム弾性体と蓋部材とのマウント軸方向間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成して、流体室における非圧縮性流体の流動作用による防振効果が発揮されるようにした流体封入式防振装置であって、第一の取付部材の外周側において本体ゴム弾性体の軸方向中間部分に内部空所を形成し、内部空所を挟んだマウント軸方向両側においてそれぞれ第一の取付部材を第二の取付部材に対して本体ゴム弾性体で弾性連結せしめると共に、内部空所を挟んだマウント軸方向両側においてそれぞれ第一の取付部材からマウント軸直角方向に突出するバウンドストッパ突部およびリバウンドストッパ突部を設ける一方、第二の取付部材から内部空所に向かって延び出すストッパ当接部を設けて、ストッパ当接部とバウンドストッパ突部とのマウント軸方向での当接によってバウンド方向ストッパ機構を構成すると共に、ストッパ当接部とリバウンドストッパ突部とのマウント軸方向での当接によってリバウンド方向ストッパ機構を構成し、更にストッパ当接部と第一の取付部材とのマウント軸直角方向での当接によって軸直角方向ストッパ機構を構成したことを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、第一の取付部材の外周側において本体ゴム弾性体の軸方向中間部分に形成された内部空所に、各種ストッパ機構を構成するストッパ当接部が設けられていることから、流体封入式防振装置の全体サイズの大型化を回避することが出来る。その結果、流体封入式防振装置の軽量化を図ることが出来ると共に、流体封入式防振装置の配設スペースを小さくすることが出来る。特に、特許文献2に記載の従来構造のように本体ゴム弾性体を外方から覆う大型冠状のストッパ金具に比して、本体ゴムの内方に向かって入り込むように内方に突出するストッパ当接部は、その基本的形状の相違により小型化と軽量化が効果的に図られ得るのである。
また、本発明においては、第二の取付部材の固定位置からストッパ当接部の当接位置までのマウント軸方向での離隔距離を短くすることが可能となる。これにより、ストッパ当接部の当接によって発生する当接反力のモーメントを小さくすることが出来る。その結果、第二の取付部材の固定部位における部材強度や第二の取付部材の固定強度を確保することが可能となる。
更にまた、一つのストッパ当接部によって三方向(バウンド方向,リバウンド方向,マウント軸直角方向)のストッパ機構が構成されていることから、ストッパ機構に必要な部品点数の減少や装置の全体サイズのコンパクト化等を図ることが可能となる。
また、本発明においては、内部空所が周方向に全周に亘って形成されていると共に、ストッパ当接部が内部空所の全周に亘って配設されていることが望ましい。これにより、マウント軸直角方向のストッパ機構を、何れの軸直角方向においても構成することが可能となる。
さらに、本発明においては、本体ゴム弾性体が軸方向に二分割されて内側ゴム弾性体と外側ゴム弾性体から構成されていると共に、第一の取付部材および第二の取付部材もそれぞれ軸方向に二分割されて内側ゴム弾性体と外側ゴム弾性体にそれぞれ固着されており、第一の取付部材の一方の分割体にバウンドストッパ突部が設けられていると共に第一の取付部材の他方の分割体にリバウンドストッパ突部が設けられている一方、内側ゴム弾性体と外側ゴム弾性体の軸方向の対向面間に内部空所が形成されていることが望ましい。これにより、簡単な構造で目的とする流体封入式防振装置を実現することが可能となる。
更にまた、本発明においては、装着前の単体状態においてストッパ当接部が第一の取付部材のリバウンドストッパ突部に対して押し付けられることによって本体ゴム弾性体に予圧縮が及ぼされており、装着状態において載荷重が及ぼされて本体ゴム弾性体が弾性変形することでストッパ当接部がリバウンドストッパ突部から離隔位置せしめられるようになっていることが望ましい。これにより、リバウンド方向に大荷重が入力された際に本体ゴム弾性体に発生する引張応力を軽減することが出来る。
また、本発明においては、第二の取付部材における一方の開口部が本体ゴム弾性体で閉塞されていると共に他方の開口部が蓋部材としての可撓性膜で閉塞されており、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜との対向面間に流体室が形成されていると共に、第二の取付部材で支持された仕切部材によって流体室が仕切られて本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている一方、第二の取付部材における他方の開口部に対して底金具が固着されており、底金具で可撓性膜が外方から覆われて保護されていると共に、第二の取付部材が底金具を介して防振連結すべき振動部材に固定されるようになっていても良い。
すなわち、第二の取付部材が、可撓性膜を外方から覆う底金具を介して、防振連結すべき振動部材に固定される場合、第二の取付部材の防振連結すべき振動部材への固定位置、即ち、底金具の振動部材への固定位置からストッパ当接部の当接位置までのマウント軸方向での離隔距離が一層大きくなることにより、ストッパ当接部の当接に際して発生する当接反力のモーメントが大きくなって、第二の取付部材の固定部位の部材強度、即ち、底金具の固定部位の部材強度が問題となり易い。しかしながら、本発明を適用すれば、底金具の振動部材への固定位置からストッパ当接部の当接位置までのマウント軸方向での離隔距離を短くして、ストッパ当接部の当接に際して発生する当接反力のモーメントを小さくすることにより、底金具の固定部位の部材強度を確保することが可能となる。
従って、第二の取付部材を振動部材に固定するために底金具を用いる場合、即ち、第二の取付部材の振動部材への固定位置からストッパ当接部の当接位置までのマウント軸方向での離隔距離が大きくなり易い場合であっても、第二の取付部材の固定強度を確保することが容易に可能となる。
そこにおいて、上述の如き構成を採用する場合には、可撓性膜と底金具の間に密閉構造の空気室が形成されていると共に、装着前の単体状態においてストッパ当接部が第一の取付部材のリバウンドストッパ突部に対して押し付けられることによって本体ゴム弾性体に予圧縮が及ぼされており、本体ゴム弾性体の予圧縮によって空気室および流体室に対して正予圧が及ぼされていることが望ましい。
この場合、装着前の単体状態においてストッパ当接部が第一の取付部材のリバウンドストッパ突部に対して押し付けられていることによって本体ゴム弾性体に予圧縮が及ぼされていることから、リバウンド方向に大荷重が入力された際に本体ゴム弾性体に発生する引張応力を軽減することが出来る。
また、本体ゴム弾性体の予圧縮によって空気室と流体室のそれぞれに正予圧が及ぼされていることから、第一の取付部材と第二の取付部材の間に過大な振動が入力された場合であっても、流体室にキャビテーションが発生し難いようにすることが出来る。
特に、空気室が密閉構造とされていることから、温度変化によって空気室内の正圧を増大させることが可能となる。これにより、可撓性膜を挟んで空気室と反対側に位置する流体室の正圧を増大させることが可能となる。その結果、第一の取付部材と第二の取付部材の間に過大な振動が入力された際の流体室でのキャビテーションの発生を一層抑えることが出来る。
更にまた、本発明においては、ストッパ当接部が配設された内部空所が密閉構造とされていることが望ましい。これにより、外部からの水や異物の浸入を防止して、ストッパ機構の信頼性や耐久性の向上を図ることが可能となる。また、各ストッパ機構の当接面間への異物の噛み込みを防止することが出来る。
特に、装着前の単体状態においてストッパ当接部が第一の取付部材のリバウンドストッパ突部に対して押し付けられることによる本体ゴム弾性体の予圧縮によって、可撓性膜と底金具の間に形成された密閉構造の空気室と、本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に形成された流体室のそれぞれに対して、正予圧が及ぼされている場合には、温度変化によって内部空所内や空気室内の正圧を増大させることが可能となる。これにより、流体室の正圧を一層増大させ易くなる。その結果、第一の取付部材と第二の取付部材の間に過大な振動が入力された際の流体室でのキャビテーションの発生をより一層防止することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明に係る流体封入式防振装置の一実施形態としての自動車用のエンジンマウント10が示されている。かかるエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされている。そして、第一の取付金具12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付金具14が図示しない車両ボデーに取り付けられることにより、パワーユニットが車両ボデーに対して防振支持せしめられている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、本実施形態では、第一の外側取付金具18と第一の内側取付金具20によって構成されている。第一の外側取付金具18は、鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成されており、全体として中心孔22を備えた厚肉の小径円筒形状とされている。また、第一の外側取付金具18の軸方向上端には、バウンドストッパ突部としての上側ストッパ突部24が設けられている。上側ストッパ突部24は、径方向外方に突出して略一定の断面形状で全周に亘って延びるように形成されており、全体として円環ブロック形状を呈している。
一方、第一の内側取付金具20は、本実施形態では、ロッド金具26とリング金具28によって構成されている。ロッド金具26は、第一の外側取付金具18と同様な金属材によって形成されており、全体として中実ロッド形状を呈している。また、ロッド金具26には、軸方向上端側において、ねじ山が形成されたボルト部30が設けられている一方、軸方向下端側において、径方向外方に突出する係合突部32が設けられている。なお、本実施形態では、係合突部32は、略一定の断面形状で全周に亘って延びるように形成されている。
リング金具28は、第一の外側取付金具18と同様な金属材によって形成されており、全体として円環ブロック形状を呈している。なお、本実施形態では、リング金具28の中央部分には、下面に開口する収容凹所34が形成されている。また、本実施形態では、リング金具28の軸方向上端の外周縁部には、軸方向上方へ行くに従って次第に縮径するテーパ面36が形成されている。
このようなリング金具28の中心孔38にロッド金具26が挿通されて組み付けられる。これにより、第一の内側取付金具20が形成される。なお、この状態で、ロッド金具26の係合突部32は、収容凹所34内に位置せしめられて、中心孔38の開口周縁部に係合せしめられている。
すなわち、本実施形態では、第一の内側取付金具20は、略一定の断面形状で軸方向にストレートに延びる挿通ロッド40の軸方向下端部分において、リバウンドストッパ突部としての下側ストッパ突部42が設けられた構造とされている。特に本実施形態では、下側ストッパ突部42は、径方向外方に突出して略一定の断面形状で全周に亘って延びるように形成されている。因みに、本実施形態では、挿通ロッド40は、ロッド金具26によって構成されており、下側ストッパ突部42は、リング金具28によって構成されている。
このような構造とされた第一の内側取付金具20は、挿通ロッド40が第一の外側取付金具18の中心孔22に挿通されて組み付けられる。これにより、第一の取付金具12が形成される。なお、この状態で、挿通ロッド40のボルト部30は、第一の外側取付金具18の上面から上方に向かって突出している。
すなわち、第一の取付金具12は、全体として円柱ブロック形状を呈しており、軸方向上端部分において軸直角方向外方に突出する上側ストッパ突部24が設けられている一方、軸方向下端部分において軸直角方向外方に突出する下側ストッパ突部42が設けられており、更に、取付ボルト44が上面に突設された構造とされている。なお、本実施形態では、取付ボルト44は、ロッド金具26のボルト部30によって構成されている。
一方、第二の取付金具14は、本実施形態では、第二の外側取付金具46と第二の内側取付金具48によって構成されている。第二の外側取付金具46は、第一の外側取付金具18と同様な金属材によって形成されており、全体として大径の円筒形状を呈している。そこにおいて、本実施形態では、第二の外側取付金具46は、軸方向中間部分に形成された円環板状の段差部50を挟んで軸方向上側が小径部52とされている一方、軸方向下側が大径部54とされている。また、本実施形態では、小径部52の軸方向上側の開口部分には、軸方向上方に向かって次第に拡開するテーパ状部56が設けられていると共に、かかるテーパ状部56の開口周縁部において、径方向外方に向かって広がるフランジ状部58が設けられている。
第二の内側取付金具48は、第一の外側取付金具18と同様な金属材によって形成されており、第二の外側取付金具46と同様に、全体として大径の円筒形状を呈している。そこにおいて、本実施形態では、第二の内側取付金具48は、第二の外側取付金具46と同様に、軸方向中間部分に形成された円環板状の段差部60を挟んで軸方向上側が小径部62とされている一方、軸方向下側が大径部64とされている。また、本実施形態では、第二の外側取付金具46と同様に、小径部62の軸方向上側の開口部分には、軸方向上方に向かって次第に拡開するテーパ状部66が設けられていると共に、かかるテーパ状部66の開口周縁部において、径方向外方に向かって広がるフランジ状部68が設けられている。
因みに、本実施形態では、第二の内側取付金具48の軸方向寸法は、第二の外側取付金具46の軸方向寸法よりも大きくされている。また、第二の外側取付金具46の各部位(フランジ状部68やテーパ状部66,小径部62,段差部60,大径部64)の内外径寸法は、第二の内側取付金具48の各部位(フランジ状部58やテーパ状部56,小径部52,段差部50,大径部54)の内外径寸法よりも大きくされている。
上述の如き構造とされた第二の外側取付金具46と第二の内側取付金具48は、第二の内側取付金具48のフランジ状部68が第二の外側取付金具46の大径部54でかしめ固定されることにより、相互に固定される。これにより、全体として大径の円筒形状を呈する第二の取付金具14が形成される。
このような構造とされた第二の取付金具14は、その軸方向上方の開口部側に離隔して、第一の取付金具12が略同一中心軸線上に配されている。そして、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が配設されており、この本体ゴム弾性体16によって第一の取付金具12と第二の取付金具14が弾性的に連結されている。
そこにおいて、本実施形態では、本体ゴム弾性体16は、外側ゴム弾性体70と内側ゴム弾性体72によって構成されている。外側ゴム弾性体70は、全体として円錐台形状とされている。そして、外側ゴム弾性体70の小径側端部には、第一の外側取付金具18が挿し込まれるように埋設されて加硫接着されている。また、外側ゴム弾性体70の大径側端部外周面には、第二の外側取付金具46の軸方向上側の開口部が重ね合わされて加硫接着されている。即ち、本実施形態では、外側ゴム弾性体70は、第一の外側取付金具18と第二の外側取付金具46を備えた一体加硫成形品74とされている。
そこにおいて、本実施形態では、外側ゴム弾性体70の大径側端面には、下方に向かって開口する凹溝76が全周に亘って形成されている。特に本実施形態では、凹溝76の内周側壁面は、深さ方向の中間部分が、略一定の外径寸法で軸方向にストレートに延びる筒状内周面とされている。換言すれば、本実施形態では、後述する筒状ストッパゴム部94の当接面が筒状面とされているのである。
また、上述の如く、第二の外側取付金具46の開口部が外側ゴム弾性体70の外周面に加硫接着されることにより、第二の外側取付金具46の軸方向上側の開口部が外側ゴム弾性体70で流体密に閉塞されている。
一方、内側ゴム弾性体72は、全体として円錐台形状とされており、その大径側端面には、下方に向かって開口する大径凹所78が形成されている。そして、内側ゴム弾性体72の小径側端部には、第一の内側取付金具20が挿し込まれるように埋設されて加硫接着されている。特に本実施形態では、第一の内側取付金具20を構成するリング金具28に形成されたテーパ面36が内側ゴム弾性体72で覆われている。また、内側ゴム弾性体72の大径側端部外周面には、第二の内側取付金具48の軸方向上側の開口部が重ね合わされて加硫接着されている。即ち、本実施形態では、内側ゴム弾性体72は、第一の内側取付金具20と第二の内側取付金具48を備えた一体加硫成形品80とされている。
また、上述の如く、第二の内側取付金具48の開口部が内側ゴム弾性体72の外周面に加硫接着されることにより、第二の内側取付金具48の軸方向上側の開口部が内側ゴム弾性体72によって流体密に閉塞されている。
更にまた、第二の内側取付金具48の内周面には、シールゴム層82が被着形成されている。このシールゴム層82は、内側ゴム弾性体72と一体形成されており、大径凹所78の開口周縁部から下方に向かって延びる薄肉円筒形状を呈している。特に本実施形態では、小径部62の内周面の全体がシールゴム層82によって覆われている。
また、上述の如く第一の外側取付金具18と第一の内側取付金具20が組み付けられて、第一の取付金具12が構成されると共に、第二の外側取付金具46と第二の内側取付金具48がかしめ固定されて、第二の取付金具14が構成された状態で、外側ゴム弾性体70と内側ゴム弾性体72が軸方向で対向位置せしめられており、外側ゴム弾性体70と内側ゴム弾性体72の軸方向対向面間に内部空所84が形成されている。
すなわち、内部空所84は、本体ゴム弾性体16の軸方向中間部分に形成されているのである。特に本実施形態では、内部空所84は、第一の取付金具12の周りを全周に亘って連続して延びるように形成されている。また、本実施形態では、内部空所84は、外部空間から遮断された密閉構造とされている。
また、第一の取付金具12を構成する第一の外側取付金具18と第二の取付金具14を構成する第二の外側取付金具46は、内部空所84の上側において本体ゴム弾性体16を構成する外側ゴム弾性体70によって弾性連結されている。
更にまた、第一の取付金具12を構成する第一の内側取付金具20と第二の取付金具14を構成する第二の内側取付金具48は、内部空所84の下側において本体ゴム弾性体16を構成する内側ゴム弾性体72によって弾性連結されている。
また、上側ストッパ突部24は、内部空所84の上方に位置せしめられており、下側ストッパ突部42は、内部空所84の下方に位置せしめられている。
そして、上述の如く形成された内部空所84内には、ストッパ当接部としてのストッパ当接リング86が設けられている。このストッパ当接リング86は、鉄やアルミニウム合金等の金属材によって形成されており、全体として円環板形状を呈している。また、ストッパ当接リング86の内周縁部には、軸方向上方へ行くに従って次第に縮径するテーパ状部88が設けられていると共に、かかるテーパ状部88の上端には、軸方向上方に向かって延び出す筒状部90が設けられている。
このようなストッパ当接リング86は、その外周縁部が第二の外側取付金具46の段差部50と第二の内側取付金具48のフランジ状部68に挟まれた状態で、第二の外側取付金具46の大径部54にかしめ加工を施すことにより、第二の内側取付金具48と一緒に、第二の外側取付金具46にかしめ固定されるようになっている。これにより、ストッパ当接リング86は、第二の取付金具14から第一の取付金具12に向かって、内部空所84内に延び出している。
そして、この状態で、ストッパ当接リング86の筒状部90の上端面は、外側ゴム弾性体70のうち上側ストッパ突部24の下面に沿って略一定の厚さ寸法で被着されている部分(以下、上側ストッパゴム部92と称する)と所定の隙間を隔てて軸方向で対向位置せしめられている。
また、上述の如きストッパ当接リング86の配設状態で、ストッパ当接リング86の筒状部90の内周面は、外側ゴム弾性体70のうち第一の取付金具12を構成する第一の外側取付金具18の外周面に沿って略一定の厚さ寸法で被着されている部分(以下、筒状ストッパゴム部94と称する)と所定の隙間を隔てて軸直角方向で対向位置せしめられている。
さらに、上述の如くストッパ当接リング86が配設された状態で、ストッパ当接リング86のテーパ状部88の内周面は、内側ゴム弾性体72のうち下側ストッパ突部42に形成されたテーパ面36に被着されている部分(以下、下側ストッパゴム部96と称する)と所定の隙間を隔てて対向位置せしめられている。なお、下側ストッパゴム部96には、ストッパ当接リング86のテーパ状部88の内周面と対応するテーパ面98が形成されている。また、本実施形態では、ストッパ当接リング86のテーパ状部88の内周面と下側ストッパゴム部96のテーパ面98との軸直角方向での離隔距離は、ストッパ当接リング86の筒状部90の内周面と筒状ストッパゴム部94の外周面との軸直角方向での離隔距離と略同じ大きさとされている。
また、第二の取付金具14には、蓋部材(可撓性膜)としてのダイヤフラム100が組み付けられている。ダイヤフラム100は、薄肉のゴム膜によって形成されており、全体としてドーム形状を呈している。また、ダイヤフラム100の外周縁部には、円環板形状を呈する固定金具102が加硫接着されている。なお、本実施形態では、固定金具102の外周縁部において、軸方向上方に向かって突出する筒状の圧入部103が一体形成されている。
更にまた、固定金具102の上面には、ダイヤフラム100と一体形成された上面シールゴム層104が被着形成されている。この上面シールゴム層104は、固定金具102の上面を略全面に亘って覆うように固着されており、その外周縁部には、軸方向上方に向かって突出するシール突条106が全周に亘って連続的に形成されている。また、固定金具102の下面には、ダイヤフラム100と一体形成された下面シールゴム層108が被着形成されている。
このような構造とされたダイヤフラム100は、固定金具102の圧入部103が第二の取付金具14を構成する第二の内側取付金具48の大径部64に圧入された状態で、第二の内側取付金具48の大径部64にかしめ加工が施されることにより、第二の内側取付金具48の大径部64にかしめ固定される。その際、シール突条106が固定金具102と第二の内側取付金具48の段差部60との間で挟圧されている。これにより、第二の内側取付金具48の下側開口部がダイヤフラム100によって流体密に閉塞されている。
このようにして、第二の取付金具14の下側開口部がダイヤフラム100によって流体密に覆蓋されていることにより、第二の内側取付金具48の内周側には、内側ゴム弾性体72とダイヤフラム100の対向面間において、外部から密閉された流体室110が形成されている。この流体室110には、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されている。なお、流体室110への非圧縮性流体の封入は、第二の内側取付金具48を備えた内側ゴム弾性体72の一体加硫成形品80に対するダイヤフラム100,後述する仕切部材112の組付作業を非圧縮性流体中で行うこと等によって有利に為され得る。
また、流体室110には、仕切部材112が収容配置されている。仕切部材112は、硬質の合成樹脂材料やアルミニウム合金等の硬質材で形成されており、全体として円形ブロック形状を呈している。また、仕切部材112には、外周面に開口する周溝114が周方向に適当な長さで延びるように形成されている。因みに、本実施形態では、周溝114は、周方向に二周弱の長さで延びるように形成されている。また、仕切部材112には、下面に開口する大径の中央凹所116が形成されている。
このような構造とされた仕切部材112は、第二の内側取付金具48の内周側において、内側ゴム弾性体72とダイヤフラム100の対向面間に配設される。
すなわち、ダイヤフラム100が第二の内側取付金具48へ組み付けられる前に、第二の内側取付金具48の軸方向下側開口部から仕切部材112が挿し入れられて、第二の内側取付金具48の内周側に配置される。その際、仕切部材112は、内側ゴム弾性体72に形成された大径凹所78の開口端面に当接されて、軸方向位置が規定されている。
そして、上述の如く仕切部材112が内挿された状態で、ダイヤフラム100が第二の内側取付金具48の大径部64に圧入固定される。この状態で、第二の内側取付金具48の大径部64にかしめ加工を施すことにより、第二の内側取付金具48に対して仕切部材112とダイヤフラム100が固定される。
また、このように仕切部材112が組み付けられた状態で、流体室110が仕切部材112を挟んで上下に二分されている。これにより、仕切部材112を挟んで軸方向一方の側には、壁部の一部が内側ゴム弾性体72で構成されて、振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧室118が形成されている。一方、仕切部材112を挟んで軸方向他方の側には、壁部の一部がダイヤフラム100で構成されて、容積変化が容易に許容される平衡室120が形成されている。
また、仕切部材112に形成された周溝114の外周側開口がシールゴム層82を介して第二の内側取付金具48によって覆蓋されており、周溝114を利用して周方向に所定の長さで延びるトンネル状の流路が形成されている。そして、かかるトンネル状の流路の一方の端部が連通孔122を通じて受圧室118に接続されていると共に、他方の端部が連通孔124を通じて平衡室120に接続されている。これにより、周溝114を利用して、周方向に所定の長さで延びて、受圧室118と平衡室120を相互に連通するオリフィス通路126が形成されている。なお、本実施形態では、オリフィス通路126を通じて流動せしめられる流体の共振周波数(チューニング周波数)が、自動車のエンジンシェイクに相当する10Hz前後の低周波数域にチューニングされている。
更にまた、第二の内側取付金具48には、底金具130が組み付けられている。底金具130は、鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成されており、全体として上方に開口する円形カップ形状を呈している。また、底金具130の底壁の中央部分には、固定用ボルト132が固設されて下方に延びている。更にまた、底金具130の開口部分には、全周に亘って径方向外方に延び出すフランジ状部134が一体形成されている。
このような構造とされた底金具130は、大気中で、第二の取付金具14を構成する第二の内側取付金具48の大径部64に内挿されて、フランジ状部134がダイヤフラム100の固定金具102に対して下側から重ね合わせられる。この状態で、第二の内側取付金具48の大径部64にかしめ加工が施されることにより、底金具130が第二の内側取付金具48の大径部64にかしめ固定される。その結果、ダイヤフラム100と底金具130の間に空気室136が形成されると共に、ダイヤフラム100が底金具130によって外側から覆われて保護されている。特に本実施形態では、空気室136が外部から遮断された密閉構造とされている。
このような構造とされたエンジンマウント10は、第一の取付金具12が、取付ボルト44によって、パワーユニット側に取り付けられるようになっている。一方、第二の取付金具14が、底金具130の固定用ボルト132によって、車両ボデー側に取り付けられるようになっている。これにより、エンジンマウント10が、防振すべき一方の部材である自動車のパワーユニットと防振すべき他方の部材である振動部材としての自動車のボデーの間に介装されて、パワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめるようになっている。
そこにおいて、本実施形態のエンジンマウント10は、上述の如く自動車に装着される前において、図2に示されているように、ストッパ当接リング86のテーパ状部88が下側ストッパゴム部96を介して下側ストッパ突部42に押し付けられている。これにより、内側ゴム弾性体72に予圧縮が及ぼされている。その結果、流体室110に正予圧が及ぼされていると共に、流体室110と空気室136を仕切るダイヤフラム100を介して、空気室136にも正予圧が及ぼされている。
そして、本実施形態のエンジンマウント10が、上述の如く自動車に装着されると、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に、パワーユニットの分担支持荷重が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が所定量だけ弾性変形せしめられる。その結果、ストッパ当接リング86のテーパ状部88が下側ストッパゴム部96から離隔位置せしめられる。
このような構造とされたエンジンマウント10においては、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動が入力されると、オリフィス通路126を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して、有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようになっている。
そこにおいて、自動車が段差を乗り越える等して、エンジンマウント10の軸方向、即ち、バウンド方向やリバウンド方向に大きな荷重が入力された場合、バウンド方向については、ストッパ当接リング86の筒状部90の突出先端面が上側ストッパゴム部92を介して上側ストッパ突部24に当接することにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の接近方向での変位が制限されるようになっている。一方、リバウンド方向については、ストッパ当接リング86のテーパ状部88が下側ストッパゴム部96を介して下側ストッパ突部42に当接することにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の離隔方向での変位が制限されるようになっている。
このことから明らかなように、本実施形態では、ストッパ当接リング86の筒状部90と上側ストッパ突部24の軸方向での当接によってバウンド方向ストッパ機構が構成されており、ストッパ当接リング86のテーパ状部88と下側ストッパ突部42の軸方向での当接によってリバウンド方向のストッパ機構が構成されている。
また、自動車が急加速や急減速,コーナリング等をして、エンジンマウント10の軸直交方向に大きな荷重が入力された場合、ストッパ当接リング86の筒状部90が筒状ストッパゴム部94を介して第一の取付金具12に当接することにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸直角方向での変位が制限されるようになっている。
このことから明らかなように、本実施形態では、ストッパ当接リング86の筒状部90と第一の取付金具12の軸直角方向での当接によって、軸直角方向ストッパ機構が構成されている。
なお、ストッパ当接リング86の筒状部90と筒状ストッパゴム部94との間に形成された円筒形状の隙間の大きさは、ストッパ当接リング86のテーパ状部88と下側ストッパゴム部96の間に形成されたテーパ形状の隙間の軸直角方向での大きさを考慮して適当に設定することが出来る。それによって、ストッパ機構の当接面を適宜に設定することが出来る。例えば、前者の円筒形状の隙間と後者のテーパ形状の隙間とを、軸直角方向で略同じ大きさにすれば、軸直角方向の過大荷重の入力時に、ストッパ当接リング86の筒状部90が筒状ストッパゴム部94と当接するのと略同時に、ストッパ当接リング86のテーパ状部88と下側ストッパゴム部96が当接するようにして、当接荷重の分散を図ること等も可能となる。また、前者の円筒形状の隙間に比して後者のテーパ形状の隙間を所定寸法だけ軸直角方向で大きく設定すれば、通常走行状態下での軸直角方向の過大荷重の入力時にはストッパ当接リング86の筒状部90と筒状ストッパゴム部94との当接でストッパ機能が発揮される一方、軸方向の正荷重が所定量以上入力された状態下で軸直角方向の過大荷重が併せて入力された際には、ストッパ当接リング86の筒状部90と筒状ストッパゴム部94の当接に加えて、ストッパ当接リング86のテーパ状部88と下側ストッパゴム部96も当接して協働的にストッパ機能が発揮されるようにも出来る。特に、ストッパ当接リング86にテーパ状部88を設けたことにより、ストッパ当接リング86の補強効果も発揮される。また、軸方向荷重と軸直角方向荷重が同時に及ぼされる場合には、合力としてマウント中心軸に対する傾斜方向に向けて第一の取付金具12と第二の取付金具14が相対変位することから、テーパ状部88が一層効果的な当接面として機能し得ることとなる。
上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、本体ゴム弾性体16を構成する外側ゴム弾性体70と内側ゴム弾性体72の対向面間にストッパ当接リング86が配設されていることから、エンジンマウント10の全体サイズを小さくすることが出来る。これにより、エンジンマウント10の配設スペースを小さくすることが出来ると共に、エンジンマウント10の軽量化を図ることが出来る。
また、上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、ストッパ当接リング86の第一の取付金具12への当接位置と底金具130の固定用ボルト132の配設位置までのマウント軸方向での離隔距離を短くすることが出来る。これにより、ストッパ当接リング86が第一の取付金具12に当接する際に発生する当接反力のモーメントを小さくすることが可能となる。その結果、第二の取付金具14の固定部位、即ち、底金具130における固定用ボルト132が設けられた部分の部材強度を確保して、第二の取付金具14の固定強度を確保することが出来る。
さらに、各ストッパ機構がストッパ当接リング86を含んで構成されていることから、ストッパ機構に必要な部品点数を少なくすることが可能となる。また、エンジンマウント10の全体サイズのコンパクト化を図ることが可能となる。
更にまた、本実施形態では、第一の外側取付金具18と第二の外側取付金具46を備えた内側ゴム弾性体72の一体加硫成形品74と、第一の内側取付金具20と第二の内側取付金具48を備えた外側ゴム弾性体70の一体加硫成形品80を組み付けることにより、内部空所84が軸方向中間部分に形成された本体ゴム弾性体16によって第一の取付金具12と第二の取付金具14が弾性連結されるようになっていることから、目的とするエンジンマウント10を容易に製造することが出来る。
また、本実施形態では、内部空所84が全周に亘って形成されていると共に、ストッパ当接リング86が内部空所84の全周に亘って配設されていることから、マウント軸直角方向でのストッパ機構を、何れの軸直角方向においても、構成することが出来る。
さらに、本実施形態では、自動車への装着前の単体状態で、ストッパ当接リング86が下側ストッパゴム部96を介して下側ストッパ突部42に押し付けられていることにより、本体ゴム弾性体16に予圧縮が及ぼされていることから、リバウンド方向への大荷重の入力時に本体ゴム弾性体16に発生する引張応力を軽減することが出来る。
更にまた、本実施形態では、自動車への装着前の単体状態で、空気室136と流体室110に正予圧が及ぼされていることから、リバウンド方向に過大な振動が入力された際の受圧室118におけるキャビテーションの発生を抑えることが出来る。
そこにおいて、本実施形態では、内部空所84が密閉構造とされていることから、温度が高くなった場合に、より大きな正予圧が空気室136と流体室110に及ぼされることとなる。その結果、リバウンド方向に過大な振動が入力された際の受圧室118におけるキャビテーションの発生を一層抑えることが出来る。加えて、本実施形態では、空気室136が密閉構造とされていることから、温度が高くなった場合に、より一層大きな正予圧が流体室110に及ぼされることとなる。その結果、リバウンド方向に過大な振動が入力された際の受圧室118におけるキャビテーションの発生をより一層抑えることが出来る。
また、本実施形態では、内部空所84が密閉構造とされていることから、内部空所84内へ外部から水や異物が浸入することを防止することが出来る。これにより、ストッパ当接リング86の当接時における異物の噛み込み防止を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、ストッパ当接リング86の筒状部90が、上側ストッパゴム部92を介して、上側ストッパ突部24に当接すると共に、筒状ストッパゴム部94を介して、第一の取付金具12に当接するようになっており、更に、ストッパ当接リング86のテーパ状部88が、下側ストッパゴム部96を介して、下側ストッパ突部42に当接するようになっていることから、ストッパ当接リング86の当接時に発生する打音を抑えることが出来る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態において、第二の取付金具14の外周面に固定脚部を溶着して、かかる固定脚部によって第二の取付金具14を固定するようにしても良い。或いは、第二の取付金具14に別体の筒状ブラケットを外嵌固定して、かかる筒状ブラケットによって第二の取付金具14を固定するようにしても良い。
また、前記実施形態において、内部空所84は外部空間に開放されていても良い。更に、前記実施形態において、空気室136は外部空間に開放されていても良い。
更にまた、内部空所84やストッパ当接部は全周に亘って連続した環状とされている必要はない。例えば、車両前後方向だけで軸直角方向ストッパ機構が必要な場合には、車両前後方向だけに内部空所やストッパ当接部を設ければ良い。なお、内部空所を全周に亘って連続して環状に形成する一方、ストッパ当接部を周上で部分的に設けても良い。また、ストッパ当接部は、周上で複数に分割されていても良い。
また、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する方法は、第一の取付部材や第二の取付部材に対して本体ゴム弾性体を直接に加硫接着する方法に限定されず、例えば、別体の適当な固定金具を本体ゴム弾性体に加硫接着しておいて、この固定金具を第一の取付部材や第二の取付部材に対してかしめや圧入,溶着等で固定する方法であっても良い。
更にまた、前記実施形態では、受圧室118と平衡室120をオリフィス通路126で相互に連通せしめた構造の流体封入式防振装置に対して、本発明を適用したものの一具体例が示されていたが、例えば、特開2007−85523号公報等に記載の如き受圧室と平衡室の他に中間室を備えた流体封入式防振装置に対しても、本発明を適用することは出来る。また、本発明は、受動型の流体封入式防振装置だけでなく、能動型の流体封入式防振装置に対しても、勿論適用可能である。例えば、特開2004−301248号公報等に記載の如き受圧室だけを備えた能動型の流体封入式防振装置に対しても、本発明を適用することは出来る。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントについて適用した具体例が示されていたが、本発明は、自動車用のボデーマウントやデフマウント,サスペンションメンバマウント等のほか、自動車以外の各種振動体の防振装置に対しても、勿論、適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 同エンジンマウントの装着前の単体状態を示す縦断面図。
符号の説明
10:エンジンマウント,12:第一の取付金具,14第二の取付金具,16:本体ゴム弾性体,24:上側ストッパ突部,42:下側ストッパ突部,84:内部空所,86:ストッパ当接リング,100:ダイヤフラム,110:流体室

Claims (7)

  1. 第一の取付部材をマウント軸方向に延びる筒状の第二の取付部材における一方の開口部側に離隔配置せしめてそれら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該第二の取付部材における他方の開口部側に蓋部材を配設して該本体ゴム弾性体と該蓋部材とのマウント軸方向間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成して、該流体室における非圧縮性流体の流動作用による防振効果が発揮されるようにした流体封入式防振装置であって、
    前記第一の取付部材の外周側において前記本体ゴム弾性体の軸方向中間部分に内部空所を形成し、該内部空所を挟んだマウント軸方向両側においてそれぞれ該第一の取付部材を前記第二の取付部材に対して該本体ゴム弾性体で弾性連結せしめると共に、該内部空所を挟んだマウント軸方向両側においてそれぞれ該第一の取付部材からマウント軸直角方向に突出するバウンドストッパ突部およびリバウンドストッパ突部を設ける一方、該第二の取付部材から該内部空所に向かって延び出すストッパ当接部を設けて、該ストッパ当接部と該バウンドストッパ突部とのマウント軸方向での当接によってバウンド方向ストッパ機構を構成すると共に、該ストッパ当接部と該リバウンドストッパ突部とのマウント軸方向での当接によってリバウンド方向ストッパ機構を構成し、更に該ストッパ当接部と該第一の取付部材とのマウント軸直角方向での当接によって軸直角方向ストッパ機構を構成したことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記内部空所が周方向に全周に亘って形成されていると共に、前記ストッパ当接部が該内部空所の全周に亘って配設されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記本体ゴム弾性体が軸方向に二分割されて内側ゴム弾性体と外側ゴム弾性体から構成されていると共に、前記第一の取付部材および前記第二の取付部材もそれぞれ軸方向に二分割されて該内側ゴム弾性体と該外側ゴム弾性体にそれぞれ固着されており、該第一の取付部材の一方の分割体に前記バウンドストッパ突部が設けられていると共に該第一の取付部材の他方の分割体に前記リバウンドストッパ突部が設けられている一方、該内側ゴム弾性体と該外側ゴム弾性体の軸方向の対向面間に前記内部空所が形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 装着前の単体状態において前記ストッパ当接部が前記第一の取付部材の前記リバウンドストッパ突部に対して押し付けられることによって前記本体ゴム弾性体に予圧縮が及ぼされており、装着状態において載荷重が及ぼされて該本体ゴム弾性体が弾性変形することで該ストッパ当接部が該リバウンドストッパ突部から離隔位置せしめられるようになっている請求項1乃至3の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記第二の取付部材における一方の開口部が前記本体ゴム弾性体で閉塞されていると共に他方の開口部が蓋部材としての可撓性膜で閉塞されており、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜との対向面間に前記流体室が形成されていると共に、該第二の取付部材で支持された仕切部材によって該流体室が仕切られて該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と該可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている一方、該第二の取付部材における該他方の開口部に対して底金具が固着されており、該底金具で該可撓性膜が外方から覆われて保護されていると共に、該第二の取付部材が該底金具を介して防振連結すべき振動部材に固定されるようになっている請求項1乃至4の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記可撓性膜と前記底金具の間に密閉構造の空気室が形成されていると共に、装着前の単体状態において前記ストッパ当接部が前記第一の取付部材の前記リバウンドストッパ突部に対して押し付けられることによって前記本体ゴム弾性体に予圧縮が及ぼされており、該本体ゴム弾性体の予圧縮によって前記空気室および前記流体室に対して正予圧が及ぼされている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記ストッパ当接部が配設された前記内部空所が密閉構造とされている請求項1乃至6の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
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