JP2010094979A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のカラーインクジェットプリンタは、複数色のインクの温度を均一化又は制御するための構成が複雑である。
【解決手段】熱交換器が設けられたインク経路を有するインクジェットプリンタであり、インクの冷却及び加熱による温度調整を行う熱交換器は、設定温度に応じてヒートシンクを熱交換部から離間する接離機構を備えて、インク冷却時には、ヒートシンクを熱交換部に密着させて冷却ファンにより冷却し、インク加熱時には、ヒートシンクを熱交換部から離間させてヒータにより加熱を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクジェットプリンタに関する。
従来、記録ヘッドにインクを供給するインク供給経路を有するインクジェットプリンタや、車輌の内燃機関における冷却水や潤滑油、加工食品製造ラインにおける液状調味料、あるいは血液や輸液を身体に供給する例えば、透析装置などの液体供給装置においては、特性の安定化や身体の冷却化のために供給する液体の温度を制御する必要がある。
液体の温度調整手段に関する発明として、例えば、特許文献1には、熱交換用容器が開示されている。
この熱交換用容器は、液体を流入させる入口部、液体を流通させる空間を内部に有する金属製シェルからなる本体部、及び本体部の内部を通過した液体を流出させる出口部を有している。シェルの内側方向には、畝状に突出する、1つ又はそれ以上の流路案内壁が設けられ、本体部の内部には、流路案内壁により液体の流れを導く液体流路が形成されている。液体流路の全体としての長さは、金属性シェルの最も長い辺の長さよりも長く設定されている。そして、熱交換用容器は、平面的に広がった流路の片面若しくは両面に、ヒートシンクやペルチェ素子等の温度調整部を設けることで、液体の温度調整が可能な構成である。
ここで、カラーインクジェットプリンタの場合は、複数色のインク、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクが用いられている。これらの4色のインクは、似通った物性を持つため、インクジェットヘッドから均一に噴射させるためには、4色のインクは略同一温度であることが望ましい。
特開2001−231853号公報
しかし、複数色のインクを使用するカラーインクジェットプリンタにおいて、インク温度を均一化するために、前述した特許文献1に記載される技術を適用した場合、インクの色数分、典型的には4つの色分の熱交換用容器、及びこの熱交換用容器に対応した分のヒートシンクやペルチェ素子が必要となるので部品点数が多くなり高価となる。また、各色のインクそれぞれの温度を制御するため構成が複雑となっている。
そこで本発明は、コンパクトで簡易な構成で、複数色のインク経路のインクを略同一温度に調整可能となり、装置を大型化することなく、簡易な構成で、省電力でインク温度の調整が可能なインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のインクジェットプリンタは、複数色のインクによって画像記録を行うインクジェットプリンタであって、内部にインクの色毎に独立して形成したインク流路を有する熱交換部と、熱交換部を加熱する加熱部と、熱交換部に対して接離可能に設けられた放熱部と、放熱部による熱交換部の放熱時は、放熱部を熱交換部に密接させ、熱交換部の熱を放熱させ、加熱部による熱交換部の加熱時は、放熱部を熱交換部から離間させ、放熱部と熱交換部との間に熱の伝導を遮断する空間を形成する接離機構と、で構成される熱交換器を具備することを特徴とする。
また、本発明のインクジェットプリンタは、複数色のインクによって画像記録を行うインクジェットプリンタであって、内部にインクの色毎に独立して形成したインク流路を有する熱交換部と、熱交換部と密接し、該熱交換部を加熱する加熱部と、熱交換部と離間して配置され、熱交換部の熱を放熱する放熱部と、熱交換部と放熱部との間に密閉空間を形成するための密閉用部材と、密閉空間と連通し、熱伝達率の高い流体を収容する容器と、を有し、放熱部による熱交換部の放熱時は、容器内の流体を密閉空間内に満たし、加熱部による熱交換部の加熱時は、密閉空間内の流体を容器に戻す熱交換器を具備することを特徴とする。
さらに、本発明のインクジェットプリンタは、複数色のインクによって画像記録を行うインクジェットプリンタであって、内部にインクの色毎に独立して形成したインク流路を有する熱交換部と、熱交換部に密接し、各色のインク流路を横断する方向に延設した複数のフィンを有するヒートシンクと、で構成される熱交換器を具備することを特徴とする。
本発明によれば、コンパクトで簡易な構成で、複数色のインク経路のインクを略同一温度に調整可能となり、装置を大型化することなく、簡易な構成で、省電力でインク温度の調整が可能なインクジェットプリンタを提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る熱交換器を搭載したインクジェットプリンタのインク経路の概念的な構成例を示すブロック図である。 図2(a)は、熱交換器の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)からカバーを取り外した熱交換器の外観構成を示す図である。 図3は、熱交換器のインク流入部材の周辺の外観構成を拡大して示す図である。 図4は、熱交換部の内部のインク流路を示した断面構成を図である。 図5は、第2の実施形態による熱交換器の外観構成を示す図である。 図6(a),(b)は、第2の実施形態による接離機構の構成例を示す図である。 図7(a),(b)は、第2の実施形態の変形例に係る熱交換器の構成を示す図である。 図8(a),(b)は、第3の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図9(a),(b)は、第4の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図10(a),(b)は、第5の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図11(a),(b)は、第6の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図12(a),(b)は、第7の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図13(a),(b)は、第7の実施形態の変形例に係る熱交換器の構成を示す図である。 図14(a),(b)は、第8の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図15(a),(b)は、第9の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。 図16(a)乃至(c)は、第10の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る熱交換器を搭載したインクジェットプリンタのインク経路の概念的な構成例を示すブロック図である。このインクジェットプリンタは、4色[以下、各色をシアン:C、マゼンタ:M、イエロー:Y、ブラック:Kとする]のインクを用いて画像を形成する画像記録装置である。従って、4色のインク毎に独立した4つのインク経路を有している。尚、詳細は後述するが、熱交換器21については、4色のインクに対して共用している。図1では、ある1色のインクにおけるインク経路の構成を示している。
図1に示すように、インクジェットプリンタのインク経路は、インク循環部1と、インク補充部5と、を有している。
まず、インク循環部1について説明する。
インク循環部1は、インク供給部2と、インク排出部3と、インク帰還部4と、記録部11と、を有している。
インク供給部2は、第1のタンク12と、供給チューブ13と、で構成され、第1のタンク12内のインクを、供給チューブ13を介して記録部11へと供給する。この第1のタンク12には、該第1のタンク12内を大気に対して開放、または遮断可能とする大気開放部(電磁弁)23と、第1のタンク12内に貯留されたインクのインク量を検出するための不図示の液面検出器が設けられている。なお、本実施形態では、第1のタンク12は、記録部11より重力方向上方に配置されている。
記録部11は、インクを吐出するインクヘッドを有している。記録部11は、入力された画像信号(画像データ)に基づきインクヘッドを駆動する。そして、インクヘッドは、搬送機構16により搬送される記録媒体15に向けて滴状のインク14を吐出する。これにより、記録媒体15上に画像が記録される。
インク排出部3は、第2のタンク17と、排出チューブ18と、で構成され、記録部11で吐出されなかったインクを、排出チューブ18を介して第2のタンク17で回収する。この第2のタンク17は、該第2のタンク17内を大気に対して開放、または遮断可能とする大気開放部(電磁弁)19と、第2のタンク17内に貯留されたインクのインク量を検出するための不図示の液面検出器が設けられている。なお、本実施形態では、第2のタンク17は、記録部11より重力方向下方に配置されている。
インク帰還部4は、帰還チューブ20と、熱交換器21と、ポンプ22と、で構成されている。帰還チューブ20は、第1のタンク12と第2のタンク17とを接続する経路である。この帰還チューブ20の経路中に、熱交換器21とポンプ22とが配置されている。熱交換器21は、4色のインクに対して兼用しているため、詳細は後述するが、インク色毎にインク流路が設けられている。本実施形態のように4色のインクを用いる場合には、熱交換器21には、4つの独立したインク流路が設けられている。ポンプ22は、第2のタンク17内のインクを第1のタンク12へと送液(帰還)させる。
次に、インク補充部5について説明する。
インク補充部5は、メインタンク(又は、着脱可能なインクカートリッジ)24と、補充チューブ26と、で構成されている。メインタンク24には、所定色のインクが貯留されており、該メインタンク24内を大気に対して開放、または遮断可能とする大気開放部(電磁弁)27が設けられている。補充チューブ26は、メインタンク24から電磁バルブ25を経て、第1のタンク12に接続される。インク循環部1内のインク量が予め定めた規定量以下になった場合には、メインタンク24から第1のタンク12へインクを補充する。なお、本実施形態では、インク補充部5が第1のタンク12と接続されているが、インク補充部5を第2のタンク17と接続してもよい。
このようなインクジェットプリンタにおいて、インク循環部1は、少なくとも画像記録時はインクを循環させている。つまり、インクは、第1のタンク12から記録部11にインクが供給される。そして、記録部11で吐出されなかったインクは、第2のタンク17、熱交換器21及びポンプ22を通り第1のタンク12に戻る。この時、電磁弁23は開放され、電磁弁19は閉塞されている。非画像記録時は、電磁弁23を閉塞され、電磁弁19は開放されている。
また、インク吐出によって、インク循環部1内のインク量が減少した場合には、メインタンク24に設けられた電磁弁27と電磁バルブ25を適宜開閉する。これにより、インクは、メインタンク24から第1のタンク12へと補充される。
なお、本実施形態では、インクは、第1のタンク12から第2のタンク17までの経路を重力による自重で流れている。このため、インク循環部1上で、低い位置から、第2のタンク17、記録部11及び第1のタンク12の順に配置されている。熱交換器21及びポンプ22については、インクの汲み上げが可能な範囲で任意の高さ位置に配置すればよい。
ここで、本実施形態のように4色のインクを用いるイジェットプリンタの場合において、4色のインクは、似通った物性を持つ。そのため、各色のインクヘッドから均一にインクを噴射させるためには、4色のインクは略同一温度であることが望ましい。そこで、本実施形態では、1つの熱交換器21によって4色のインクの温度を略同一温度にしている。尚、インク循環部1内には、インクの温度を検出する温度センサが設けられている。この温度センサは、最適にはインクヘッド内、又はインクヘッドの近傍に設けられていることが望ましい。
次に、本実施形態における熱交換器21について説明する。
図2(a)は、熱交換器21の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)からカバーを取り外した熱交換器の外観構成を示す図である。図3は、熱交換器の下部に設けられたインク流入口の周辺の外観構成を拡大して示す図である。図4は、熱交換部の内部のインク流路を示した断面構成を図である。なお、インク循環部1では、インクヘッドの駆動等により発生した熱によって循環しているインクの温度が上昇する場合がある。そこで、本実施形態の熱交換器21は、インク温度を低下させる冷却機能を有している。
図2(a)、(b)に示すように、熱交換器21は、熱交換部32と、放熱部としてのヒートシンク35と、冷却ファン36とで構成されている。なお、この熱交換器21には、カバー30が取り付けられている。
熱交換部32には、インク色毎にインクを流入するためのインク流入部材33(33K,33C,33M,33Y)と、インク色毎にインクを流出するためのインク流出口部材34(34K,34C,34M,34Y)が取り付けられている。なお、インク流入部材33及びインク流出部材34は、熱交換部32と一体的に成型してもよい。
また、図3及び図4に示すように、熱交換部32内部にはインク色毎に分離したインク流路38(38K、38C、38M、38Y)が形成されている。この熱交換部32は、金属で形成され、例えば、アルミニウムや銅等の熱伝導性のよい素材により形成されている。このように熱伝導性のよい素材で熱交換部32を形成することで、熱交換部32のそれぞれのインク流路38を流れるインクによる熱交換の効率を向上させることができる。
図4は、1色のインク流入部材33K及びインク流路38Kを代表的に示した図である。尚、図4においては、インク流入部材33Kから流入したインクの経路を示しているが、その他の色のインク流路についても同様な構成である。
熱交換部32のインク流路38Kは、インク流入部材33Kからインク流出部材34Kに向かって平行に延びる複数の壁39Kにより仕切られている。この熱交換部32の一方の面には、ヒートシンク35が密着して取り付けられている。
本実施形態のインク流路38は、複数の壁39により平行に延びる小流路に分割されている。これにより、インク流路38は、インクと触れる面積が大きくなり、熱を伝達しやすくなっている。なお、インク流路38は、インクと触れる面積が大きくなるような形状であれば、これに限定されるものではない。
この構成において、インクはインク流入部材33Kの流入口から流入して広がり、複数の壁39で仕切られた各小流路を通過する。そしてインクは、インク流出部材34Kで漏斗状にまとまり、流出口から流れ出る。このインク流出部材34Kから流れ出たインクは、ポンプ22に吸い込まれ、第1のタンク12に送出される。尚、インク流出部材34Kは、インク流入部材33Kと同様な構成である。
ヒートシンク35は、基材35aと、基材35aに形成された複数のフィン35bによって構成されている。基材35aは、熱交換部32の一方の面に密着している。また、複数のフィン35bは、図2(b)及び図3に示すように、熱交換部32における各色のインク流路を横断する方向に延びている。これは、例えば、インク流路38Kのインクが他のインク流路38C,38M,38Yのインクより温度が高くなった場合、複数のフィン35bを介して他のインク流路38C,38M,38Yのインクによって、インク流路38Kのインクの温度をさらに効率よく下げるためである。すなわち、フィン35bを熱交換部32における各色のインク流路38を横断する方向に延設することで、各色のインク流路38の熱交換を効率よく行うことができる。
尚、図示しないが熱交換部32とヒートシンク35(基材35a)との接触部には、熱伝導率を良くするために、シリコン等の熱伝導性のよい部材等を介在させてもよい。さらには、別体の熱交換部32とヒートシンク35とを組み付けるのではなく、熱交換部32とヒートシンク35とを1つの部材として一体的に成型してもよい。この一体化により、熱交換部32とヒートシンク35との接触箇所が無くなり、熱交換効率が向上する。すなわち、冷却の効率がさらによくなる。
ヒートシンク35のフィン35bの先端側には、冷却ファン36が設けられている。この冷却ファン36は、各フィン35bに向けて空気を吹き付け、ヒートシンク35の冷却を行う。そして、冷却ファン36は、前述した温度センサによりインクの温度が設定温度以上に上昇した場合に駆動され、インクの温度が設定温度となった時に停止する。このように、インクを冷却する場合は、各色のインクの熱が熱交換部32のインク流路38からヒートシンク35へ熱伝導され、冷却ファン36によって、空気中に排熱される。なお、冷却ファン36は、カバー30に取り付けられている。
以上説明したように、本実施形態による熱交換器は、ヒートシンク35の複数のフィン35bを熱交換部32の各色のインク流路38を横断する方向に延設した。これにより、4色のインク流路の熱交換を効率よく行うことが可能となる。すなわち、簡易な構造、且つ省電力で4色のインクの温度を略同一温度に保つことができ、最適なインク温度での画像記録が可能となる。尚、本実施形態では、インクを循環させるタイプのインクジェットプリンタについて説明したが、インクを循環させないタイプのインクジェットプリンタにおいても適用でき、同等の効果を得ることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態に係る熱交換器の外観構成を示す図であり、図6(a),(b)は、接離機構の動作状態を示す図である。
インクジェットプリンタは、例えば、長時間の停止状態から起動させた際、インクの温度が画像記録に適正な温度以下になっている場合がある。そのため、前述した第1の実施形態の熱交換器では、インクを冷却する機能のみであったが、本実施形態の熱交換器では、インクを加熱するための機能をさらに追加した。
本実施形態の熱交換器41は、図5及び図6(a),(b)に示すように、熱交換部32における放熱部としてのヒートシンク35が設けられた側面とは逆側の面に加熱部としてのヒータ42と、接離機構43と、が設けられている。これら以外の構成部位は、前述した第1の実施形態と同等である。図示しないが、熱交換部32とヒータ42の接触部には、熱伝導率を良くするために、シリコン等の熱伝導性のよい部材等を介在させている。
本実施形態の熱交換器41において、ヒートシンク35は、熱交換部32に対して接離可能に設けられている。具体的には、基材35aの一端側は、支持部材40に回動可能に軸支されている。これにより、基材35aは、熱交換部32と接触した接触位置(図6(a))、又は熱交換部32から離間した非接触位置(図6(b))に回動する。なお、本実施形態では、支持部材40は、カバー30に設けられている。
接離機構43は、バネ受け部44と、介在部材48と、付勢バネ46と、接離部材47と、で構成されている。
バネ受け部44は、基材35aの他端側に設けられている。このバネ受け部44には、バネ46の一端側が当接している。バネ46の他端側は、例えば、カバー30に取り付けられ、バネ受け部44を熱交換部32に押し付けている。すなわち、バネ46は、バネ受け部44を介して基材35aを熱交換部32に密接する方向に付勢する付勢部材である。
バネ受け部44の裏面側(ばねが当接する面とは反対側)には、介在部材48が設けられている。この介在部材48は、後述する接離部材47側に延出している。すなわち、介在部材48の一端側は、バネ受け部44の裏面側に固定され、介在部材48の他端側は、接離部材47と当接している。
接離部材47は、温度によって形状が変わる変位部材であり、例えば、形状記憶合金やバイメタルにより形成されている。この接離部材47の一端側は、介在部材48に当接し、他端側は、ヒータ42、又は熱交換部32の少なくとも一方に直接、又は熱伝導部材を介して接触している。本実施形態では、接離部材47はヒータ42に接触するように設けられている。
熱交換器21がインク冷却として機能する場合には、ヒータ42の電源をオフ、冷却ファン36の電源をオンとし、冷却ファン36による冷却を行う。この時、接離部材47は、図6(a)に示すように、ヒータ42の温度が低いため、直線形状に延伸している。この時の接離部材47の状態を第1の状態とする。そのため、バネ受け部44は、バネ46の付勢により熱交換部32に押し付けられて、基材35aと熱交換部32とは密接されている。このため、高温のインクの熱が熱交換部32をからヒートシンク35に伝導され、放熱される。この放熱により、インクの温度が低下し、所望するインク温度まで冷却される。
また、熱交換器21がインク加熱として機能する場合には、ヒータ42の電源をオン、冷却ファン36の電源をオフとし、ヒータ42による加熱を行う。この時、接離部材47は、図6(b)に示すように、ヒータ42の加熱により湾曲する。この時の接離部材47の状態を第2の状態とする。この接離部材47の湾曲する方向は、介在部材48を押進して、基材35aが熱交換部32から離間する方向である。
このように接離部材47が形状変化することにより、基材35aは、一端側を回動中心として回動し、熱交換部32から離間する。これにより基材35aと熱交換部32との間には、スペースAが形成される。このスペースAは、空気層のため熱の伝導を遮断でき、ヒータ42の熱がヒートシンク35から放熱されることを防止できる。これにより、インクは、ヒータ42によって効率よく加熱される。なお、ヒータ42の電源をオフにすると、接離部材47は、再び図6(a)に示す状態に戻る。
以上のように、ヒータ42による加熱が行われていない時には、接離部材47は変形せず、基材35aは、バネ46の付勢により熱交換部32に押し付けられて密接した冷却状態となる。この冷却状態において、ヒートシンク35は、熱交換部32から伝導したインクの熱を放熱できる。また、ヒータ42による加熱を行う場合には、ヒータ42の熱により、接離部材47が変形し、基材35aは、バネ46の付勢に抗して熱交換部32から離間した加熱状態となる。この加熱状態では、基材35aと熱交換部32との間に断熱効果を有する空気層を含むスペースが形成されるため、ヒータ42による加熱は、ヒートシンク35には伝導されない。そのため、効率よく熱交換部32を加熱して、インクの温度を高めることができる。このように、本実施形態のインクジェットプリンタは、簡易な構成、且つ省電力で効率よく4色のインクの温度を略同一温度に保つことが可能となる。
尚、本実施形態では、インクの冷却方法としてヒートシンク35とファン36の組み合わせを例として説明したが、これに限定されず、例えば、水冷冷却してもよいし、水の代わりに、エアコン等に使用する冷媒を用いてもよい。
また、本実施形態では、介在部材48は、バネ受け部44に固定され、接離部材47に当接する構成であったが、反対に介在部材48は、接離部材47に固定され、バネ受け部44に当接する構成であってもよい。さらに、介在部材48は、バネ受け部44及び接離部材47の両方に固定される構成であってもよい。
また、本実施形態では、接離部材47は、直線形状からL字形状に変化する形状であったが、これ以外にも、例えば、通常はZ形状で熱変形時に延伸する形状であってもよい。
また、本実施形態では、簡易な構成を提案するために、ヒートシンク35を離間させる機構として、形状記憶合金(又は、バイメタル構造)からなる接離部材を用いたが、勿論これに限定されることはない。例えば、圧電体により形成された接離部材を電気的に湾曲させる接離部材、電磁石を用いて磁力で介在部材を押進させる接離部材、モータと楕円形プーリーとを組み合わせてプーリーを回転させて介在部材を押進させる接離部材等、種々の機構が考えられる。
さらに、本実施形態では、4色のインクが流れる1つの熱交換部32の1つのヒートシンク35、及び1つのヒータ42を設けた構成例について説明したが、インクの色毎に個別にヒートシンク35、及びヒータ42を設けてもよい。例えば、4色のインクのうち、1色のインクの温度が低く、そのインクのみ加温する時、接離部材47により対応する色のヒートシンク35を熱交換部32から離間させることができる。
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。
図7(a),(b)は、第2の実施形態の変形例に係る熱交換器の構成を示す図であり、図7(a)は、放熱時の動作状態を示し、図7(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本変形例の構成部材において、前述した第2の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。また、図7(a),(b)において、バネ受け部44及びバネ46は、図示を省略している。
この変形例は、熱交換器41は、熱交換部32の一方の面上にヒートシンク35と、接離部材47と、ヒータ42とを配置した構成である。接離部材47は、前述した第2の実施形態と同様である。従って、高温のインクが流入した場合、冷却ファン36の電源をオンし、ヒータ42の電源をオフすることで、図7(a)に示すように、ヒートシンク35の基材35aが熱交換部32に密着する。一方、低温のインクが流入した場合、冷却ファン36の電源をオフし、ヒータ42の電源をオンすることで、接離部材47が湾曲して基材35aを裏面側から押し上げている。この押し上げにより、加熱時にはヒートシンク35による放熱がなくなり、インクは効率的に加熱されて温度上昇する。
次に、第3の実施形態について説明する。
図8(a),(b)は、第3の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図8(a)は、放熱時の動作状態を示し、図8(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第2の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の接離機構は、バランサ37と冷却ファン36とで構成した。
図8(a)に示すように熱交換部32の一方の面にヒータ42を配置し、その反対側の面にヒートシンク35が配置されている。基材35aの一端側は、回動可能に支持部材40に軸支され、他端側には、バランサ37が設けられている。このバランサ37を設けたことにより、通常の状態では、ヒートシンク35(基材35a)は、図8(b)に示すように、熱交換部32から離間するように、斜めに倒れている。
図8(a)に示すように、インク冷却時は、ヒータ42の電源がオフ、ファン36の電源がオンになる。ヒートシンク35は、ファン36の送風による風力を受けて、熱交換部32と密接される。そして、高温のインクの熱が熱交換部32からヒートシンク35に伝導され、放熱される。この放熱により、所望するインク温度まで冷却される。
図8(b)に示すように、インク加熱時は、ヒータ42の電源がオン、冷却ファンの電源がオフになる。ヒートシンク35は、ファン36が停止しているため、熱交換部32から離れた状態となる。これにより、ヒータ42により発生した熱が熱交換部32を通じて、低温のインクに伝導されて加熱される。この加熱により、所望するインク温度まで加温される。この時、ヒートシンク35は、熱交換部32から離間されているため、間にできた空気層により断熱され、ヒートシンク35による放熱を防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、冷却ファン36の電源のオン/オフによって、ヒートシンク35と熱交換部32の接離が行われる。これにより、インクの温度調整が効率よく行われる。
次に、第4の実施形態について説明する。
図9(a),(b)は、第4の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図9(a)は、放熱時の動作状態を示し、図9(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第2の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の接離機構は、図9(a)に示すように、密閉容器52と、膨張部53と、移動壁54と、バネ受け部44と、介在部材48と、付勢バネ46と、接離部材47と、で構成されている。なお、膨張部53は、温度によって形状が変わる変位部材である。
密閉容器52は、ヒータ42に直接、又は熱伝導部材を介して接触している。この密閉容器52は、熱伝導率の良い材料からなる。密閉容器52の中には、膨張部53が収容されている。膨張部53は、気体を密閉する弾性部材から構成されている。すなわち、膨張部53は、気体の熱膨張によって膨張、又は収縮する。移動壁54は、密閉容器52内に移動可能に収容されている。この移動壁54は、一方の面が介在部材44と当接している。そのため、移動壁54は、バネ46によって膨張部53を押圧している。
図9(a)に示すように、インク冷却時は、ヒータ42の電源がオフ、ファン36の電源がオンになる。この時、ヒートシンク35は、熱交換部32と密接している。そのため、高温のインクの熱が熱交換部32からヒートシンク35に伝導され、放熱される。この放熱により、所望するインク温度まで冷却される。
図9(b)に示すように、インク加熱時は、ヒータ42の電源がオン、冷却ファンの電源がオフになる。この時、膨張部53は、ヒータ42の熱で密閉容器52が加熱されることによって膨張する。この膨張により、移動壁54は、図面の右側方向に移動して、介在部材55を押し出す。この時の膨張部53の状態を第2の状態とする。この押し出しにより、ヒートシンク35は、熱交換部32から離れた状態となり、ヒートシンク35と熱交換部31との間に空気層を形成する。ヒータ42により発生した熱は、ヒートシンク35で放熱されることなく、効率よくインクを加熱する。この加熱により、所望するインク温度まで加温される。
なお、ヒータ42の電源がオフになると、温度が低下するため、膨張部53は収縮されるため、図9(a)の状態に戻る。この時の膨張部53の状態を第1の状態とする。
以上のように本実施形態によれば、ヒータ42の電源のオン/オフによって、ヒートシンク35と熱交換部32の接離が行われて、インクの温度調整が効率よく行われる。
次に、第5の実施形態について説明する。
図10(a),(b)は、第5の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図10(a)は、放熱時の動作状態を示し、図10(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第2の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の接離機構は、図10(a)に示すように、係止部62と、金属ピン63と、バネ受け部44と、付勢バネ46と、接離部材47と、で構成されている。
係止部62は、ヒータ42に直接、又は熱伝導部材を介して接触している。この係止部62は、熱伝導率の良い材料からなる。金属ピン63は、係止部62に植立され、バネ受け部44の裏面に当接する。なお、金属ピン63は、温度によって形状が変わる変位部材である。
図10(a)に示すように、インク冷却時は、ヒータ42の電源がオフ、ファン36の電源がオンになる。この時、ヒートシンク35は、熱交換部32と密接している。そのため、高温のインクの熱が熱交換部32からヒートシンク35に伝導され、放熱される。この放熱により、所望するインク温度まで冷却される。
図10(b)に示すように、インク加熱時は、ヒータ42の電源がオン、冷却ファンの電源がオフになる。この時、金属ピン63は、ヒータ42の熱によって延伸する。この時の金属ピン63の状態を第2の状態とする。この延伸により、金属ピン63は、バネ受け部44を押し出す。この押し出しにより、ヒートシンク35は、熱交換部32から離れた状態となり、ヒートシンク35と熱交換部31との間に空気層を形成する。ヒータ42により発生した熱は、ヒートシンク35で放熱されることなく、効率よくインクを加熱する。この加熱により、所望するインク温度まで加温される。
なお、ヒータ42の電源がオフになると、温度が低くなるため金属ピン63は収縮されるため、図10(a)の状態に戻る。この時の金属ピン63の状態を第1の状態とする。
以上のように本実施形態によれば、金属ピン63は、ヒータ42の熱又は別の熱源からの温度影響によって延伸して、ヒートシンク35を熱交換部32から離間する。これにより、インクの温度調整が効率よく行われる。
なお、図10(a)では、1本の金属ピン63を示しているが、勿論、複数個設けてもよい。さらに、金属ピン63は、ヒートシンク35の回動支点となる支持部材40の近傍に配置してもよい。
次に、第6の実施形態について説明する。
図11(a),(b)は、第6の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図11(a)は、放熱時の動作状態を示し、図11(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第2の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の接離機構は、図11(a)に示すように、モータ72を駆動源とするラック&ピニオン機構73と、ラック&ピニオン機構73と接続されるシリンダ74と、バネ受け部44と、介在部材48と、付勢バネ46と、接離部材47と、で構成されている。なお、介在部材48を設けず、シリンダ74で直接、バネ受け部44を押してもよい。
モータ72は、ヒータ42の電源の状態に応じて駆動する。つまり、ヒータ42がオンされた際、モータ72は、時計回り回転し、ラック&ピニオン機構73がシリンダ74を押し出す。これによりシリンダ74は、バネ受け部44を裏面側から押し上げて、熱交換部32からヒートシンク35を離間させる。(図11(b)参照)
一方、ヒータ42がオンされた際、モータ72は、反時計回り回転し、ラック&ピニオン機構73がシリンダ74を引き戻す。これにより、熱交換部32とヒートシンク35とが密接される。(図11(a)参照)
以上のように本実施形態によれば、ラック&ピニオン機構73及びシリンダ74によってヒートシンク35を熱交換部32から離間する。これにより、インクの温度調整が効率よく行われる。
なお、シリンダ74を押し出す駆動源は、他にも、コイルと磁石を用いた電磁駆動源や油圧シリンダ源等、種々のものを用いることができる。
次に、第7の実施形態について説明する。
図12(a),(b)は、第7の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図12(a)は、放熱時の動作状態を示し、図12(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第2の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
前述した各実施形態で提案している熱交換器において、熱交換部32とヒートシンク35は、それぞれの平面度の影響で、密着時に互いが平行になるように取り付け調整したとしても、2部品の間には、わずかながら隙間が発生する。この隙間には、気体(空気)が介在して断熱の影響を与えている。
本実施形態では、前述した第2の実施形態における熱交換器を一例として、さらに、熱交換部32と基材35aとの隙間を埋めて、熱交換の効率を高めるようにした。そのため、本実施形態では、熱交換部32と基材35aとの間に熱伝達率の高い弾性体からなるシート75を設けた構成である。
図12(b)に示すように、ヒートシンク35の基材35aにシート75を取り付ける。インクの冷却時には、図12(a)に示すように、ヒートシンク35と熱交換部32とによってシート75が押し潰される。これにより、2部品の隙間を埋めて気体の層を無くして、熱交換の効率を高める。
以上説明したように、本実施形態によれば、熱交換部32とヒートシンク35との密着時に発生する隙間を埋めて、介在する気体を排除することができる。これにより、熱交換の効率を高めて、放熱によるインク冷却の効率を高めることができる。
次に、第7の実施形態における変形例について説明する。
図13(a),(b)は、第7の実施形態の変形例に係る熱交換器の構成を示す図であり、図13(a)は、放熱時の動作状態を示し、図13(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第7の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本変形例は、前述したシート75の形状を変形した例である。図13(b)に示すように、シート76を4つの分割シート76a,76b,76c,76dに分割する。これらの分割シートは、通常状態の形状は、少なくとも熱交換部32の面と接触する箇所が、点接触又は線接触する形状である。例えば、三角柱、三角錐、円柱又は球体が好適する。
冷却時は、図13(a)に示すように、ヒートシンク35によりシート間で隙間ができないように各分割シート76を押し潰す。
以上説明したように、本変形例によれば、熱交換部32とヒートシンク35との密着時に発生する隙間を埋めて、介在する気体を排除することができる。これにより、熱交換の効率を高めて、放熱によるインク冷却の効率を高めることができる。また、シートを複数に分割しているため、不具合が発生した分割シートを個々に交換することができる。
次に、第8の実施形態について説明する。
図14(a),(b)は、第8の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図14(a)は、放熱時の動作状態を示し、図14(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第7の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態は、弾性部材からなるシートに代わって、外装が軟性の高い部材からなる容器78に熱伝達率の高い流体79を包含させた例である。図14(a)に示す放熱時は、容器78及び流体79を介して熱交換部32とヒートシンク35とが密着する。この時、容器78及び流体79は、2部品の隙間を埋めて気体の層を無くす。よって、インクの熱交換の効率を高めることができる。
図14(b)に示す加熱時は、熱交換部32からヒートシンク35が離間する。この時、容器78は重力により下方に沈み込み、熱交換部32とヒートシンク35に接触する面積が放熱時よりも減少する。
以上説明したように、本実施形態によれば、熱交換部32とヒートシンク35との密着時に発生する隙間を埋めて、介在する気体を排除することができる。これにより、熱交換の効率を高めて、放熱によるインク冷却の効率を高めることができる。また、加熱時には、熱交換部32とヒートシンク35に接触する面積が放熱時よりも減少することにより、インクの加熱を効率よく行うことができる。
次に、第9の実施形態について説明する。
図15(a),(b)は、第9の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図15(a)は、放熱時の動作状態を示し、図15(b)は、加熱時の動作状態を示している。尚、本実施形態の構成部材において、前述した第1の実施形態と同等の構成部位には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態は、ヒートシンク35と熱交換部32との間に設けられた、一定間隔のスペース(空洞)に2次媒体を流入・流出することにより、熱交換部32からヒートシンク35への熱伝達率を増減させる。この実施形態においては、2次媒体は、熱伝達率の高い流体(又は液体)87である。
図15(a)に示すように、ヒートシンク35の基材35aの背面と、熱交換部32と、
密閉用部材86と、により基材35aの背面と熱交換部32との間に密閉されたスペース87を形成する。なお、密閉用部材86は、三方向(図15においては、上辺側及び両側方側)から基材35a及び熱交換部32を塞いでいる。
このスペース87の下側には、流体83が収容された容器82が水密に設けられている。この容器82の底板84は、不図示の駆動源によって水密で上下に移動可能となっている。
図15(a)は、冷却時には、不図示の駆動源により底板84を押し上げる。これにより容器82内部の流体83が押し出されて、スペース87内を満たす。スペース87内に満たされた流体83により、熱交換部32からヒートシンク35への熱伝導を高めて放熱する。
また図15(b)に示すように、インク加熱時には、底板84を押し下げる。これにより、スペース87内部の流体83が容器82に戻される。つまり、スペース87を空にすることで、熱交換部32からヒートシンク35への熱伝導を遮断する。なお、本実施形態では、容器82、流体83、及びスペース87を形成するための密閉用部材86によって接離機構が構成されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、熱交換部32とヒートシンク35の間に設けたスペース87に2次媒体(流体)83を流入流出させる構造により、インク冷却を行うための放熱時には、2次媒体83を介在させて熱伝導を高めて、インク加熱を行うための加熱時には、熱交換部32とヒートシンク35の間に空間を形成して熱伝導を遮断することができる。
次に、第10の実施形態について説明する。
図16(a)乃至(c)は、第10の実施形態に係る熱交換器の構成を示す図であり、図16(a)は、放熱時の動作状態を示し、図16(b)は、加熱時の動作状態を示している。図16(c)は、熱交換器の外観構成を示す図である。
本実施形態は、2次媒体(流体)を流入流出させる構造を有し、インク冷却時の放熱を装置フレーム又は外装板を利用した構成である。
図16(a),(c)に示すように、熱交換部32を装置フレーム91とは、一定間隔のスペース98を空け、その三方(図16(a)における上辺側及び両側方側)を密閉用部材92でコの字型に囲むように水密に熱交換部32が取り付けられている。
スペース98の下側には、2次媒体(流体)97が収容された容器94が水密に設けられている。この容器94の側板96は、水密で水平方向に不図示の駆動源によって移動可能となっている。
図15(a)に示すインクの冷却時には、不図示の駆動源によって側板96を押し込むと、内部の流体97が上方に押し出される。これにより、流体97は、スペース98内を満たす。スペース98内に満たされた流体97を通じて、熱交換部32から装置フレーム91への熱伝導を高めて放熱する。
また、図15(b)に示すインクの加熱時には、不図示の駆動源によって側板96を引き出して、元の位置に戻す。スペース98内を満たしていた流体97が引き戻されて、容器94内に収容される。この回収により、スペース98内が空(気体)になり、熱交換部32から装置フレーム91への熱伝導を遮断する。尚、放熱を行う構成部位は、装置フレーム又は外装板だけではなく、熱交換部を覆うカバーを備えているならば、そのカバーであってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、放熱と同じ機能を装置フレーム又は外装板を利用することにより、別途の放熱用部材が省略できるため、コストが安価にすることができる。また、熱交換部32と装置フレーム91の間に設けたスペース98に2次媒体(流体)97を流入流出させる構造により、インク冷却を行うための放熱時には、2次媒体97を介在させて熱伝導を高めて、インク加熱を行うための加熱時には、熱交換部32と装置フレーム91の間にスペース98を形成して熱伝導を遮断することができる。
1…インク循環部、2…インク供給部、3…インク排出部、4…インク帰還部、5…インク補充部、11…記録部、12…第1のタンク、13…供給チューブ、14…インク、15…記録媒体、16…媒体搬送機構、17…第2のタンク、18…排出チューブ、19,23…大気開放部(電磁弁)、20…帰還チューブ、21,41…熱交換器、22…ポンプ、24…メインタンク、25…電磁バルブ、26…補充チューブ、30…カバー、32…熱交換部、33,33K,33C,33M,33Y…インク流入部材、34,34K,34C,34M,34Y…インク流出部材、35…ヒートシンク、35a…基材、35b…フィン、36…冷却ファン、38,38K…インク流路、39,39K…壁、40…支持部材、42…ヒータ、44…バネ受け部、46…バネ、47…接離部材、48…介在部材。

Claims (13)

  1. 複数色のインクによって画像記録を行うインクジェットプリンタであって、
    内部に前記インクの色毎に独立して形成したインク流路を有する熱交換部と、
    前記熱交換部を加熱する加熱部と、
    前記熱交換部に対して接離可能に設けられた放熱部と、
    前記放熱部による前記熱交換部の放熱時は、前記放熱部を前記熱交換部に密接させ、前記熱交換部の熱を放熱させ、前記加熱部による前記熱交換部の加熱時は、前記放熱部を前記熱交換部から離間させ、前記放熱部と前記熱交換部との間に熱の伝導を遮断する空間を形成する接離機構と、で構成される熱交換器を具備することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記接離機構は、
    前記放熱部を前記熱交換部に密接するように付勢する付勢部材と、
    温度によって形状が変位する変位部材と、を有し、
    前記変位部材は、前記加熱時において前記加熱部の熱によって前記形状を変え、前記付勢部材の付勢力に抗して前記放熱部を前記熱交換部から離間させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記接離機構は、
    前記放熱部を前記熱交換部に密接するように付勢する付勢部材と、
    温度が上がることで形状が第1の状態から第2の状態に変位する変位部材と、を有し、
    前記加熱時では、前記加熱部の熱によって前記変位部材の前記形状が前記第1の状態から前記第2の状態に変位することで前記付勢部材の付勢力に抗して前記放熱部が前記熱交換部から離間し、前記放熱時では、前記変位部材の前記形状が前記第2の状態から前記第1の状態に戻ることで前記付勢部材の付勢力によって前記放熱部が前記熱交換部に密接することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記変位部材は、前記加熱部の熱に応じて湾曲するバイメタルで構成され、
    前記バイメタルが湾曲することで前記付勢部材の付勢力に抗して前記放熱部を前記熱交換部から離間させることを特徴とする請求項2、又は3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記変位部材は、前記加熱部の熱に応じて膨張、又は収縮する気体を密閉する弾性部材で構成され、
    前記気体によって前記弾性部材が膨張することで前記付勢部材の付勢力に抗して前記放熱部を前記熱交換部から離間させることを特徴とする請求項2、又は3に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記接離機構は、
    前記放熱部に向けて空気を吹き付ける冷却ファンを有し、
    前記放熱時では、前記冷却ファンを駆動し、該冷却ファンの風力によって前記放熱部を前記熱交換部に密接し、前記加熱時では、前記冷却ファンの駆動を停止し、前記放熱部を前記熱交換部から離間させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記放熱部は、複数のフィンを有するヒートシンクで構成され、
    前記ヒートシンクの一端側は、前記熱交換部に対して回動可能に支持され、他端側は、前記熱交換部に密接する方向に付勢する付勢部材が当接していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項にインクジェットプリンタ。
  8. 前記放熱時において、前記熱交換部と前記放熱部との間に熱伝達率の高い弾性体を介在させることを特徴とする1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記弾性体は、前記放熱部に取り付けられ、前記加熱時において、前記熱交換部と点接触又は線接触していることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記放熱時において、前記熱交換部と前記放熱部との間に流体を介在させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  11. 前記放熱部は、複数のフィンを有するヒートシンクで構成され、
    前記フィンは、各色の前記インク流路を横断する方向に延設されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  12. 複数色のインクによって画像記録を行うインクジェットプリンタであって、
    内部に前記インクの色毎に独立して形成したインク流路を有する熱交換部と、
    前記熱交換部と密接し、該熱交換部を加熱する加熱部と、
    前記熱交換部と離間して配置され、前記熱交換部の熱を放熱する放熱部と、
    前記熱交換部と前記放熱部との間に密閉空間を形成するための密閉用部材と、
    前記密閉空間と連通し、熱伝達率の高い流体を収容する容器と、を有し、
    前記放熱部による前記熱交換部の放熱時は、前記容器内の前記流体を前記密閉空間内に満たし、前記加熱部による前記熱交換部の加熱時は、前記密閉空間内の前記流体を前記容器に戻す熱交換器を具備することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  13. 複数色のインクによって画像記録を行うインクジェットプリンタであって、
    内部に前記インクの色毎に独立して形成したインク流路を有する熱交換部と、
    前記熱交換部に密接し、各色の前記インク流路を横断する方向に延設した複数のフィンを有するヒートシンクと、で構成される熱交換器を具備することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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