JP2010094691A - パネルチルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パネルをチルトさせてもパネルの水平移動量が小さく水平シフト動作がほとんど不要であり、パネルを水平移動(フィード)する際の加減速による負荷(慣性モーメント)が小さく、同一重量のパネルに対して、従来より小さい駆動トルクでチルトさせることができるパネルチルト装置を提供する。
【解決手段】細長いクロスバー2の下方にパネル1を吊り下げ、クロスバーの軸線に直交する平面内でパネルを傾動させるパネルチルト装置10。パネルの上方に位置しパネルを把持するパネル把持具3を有するクロスバー2が固定されたスライダ12と、搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する移動部材に固定されスライダを前記平面内でパネル上端より下方に位置するチルト中心11のまわりに傾動可能に案内するベース部材14と、ベース部材に固定されスライダをチルト中心のまわりに傾動させる傾動駆動装置16とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、トランスファプレスやプレス間搬送装置において、搬送中のパネルを傾動(チルト)させるパネルチルト装置に関する。
トランスファプレスやプレス間搬送装置において、成形中のパネルを搬送するために、パネルを把持するパネル把持具と、パネル把持具を吊り下げてプレス間を移動するクロスバーが用いられる。パネルは、ワークとも呼ばれる。
かかるパネル把持具およびクロスバーは、例えば、特許文献1、2に開示されている。
図3に示すように、特許文献1において、プレス本体51内には、ワーク搬送方向に金型を挟んで対向配置された一対のリフトビーム53が配置されている。リフトビーム53は、アプライト52に取り付けられたACサーボモータ54と、昇降用ロッド55とで昇降自在となっている。更に、リフトビーム53は、金型の配列間隔に配置されワーク搬送方向と直交するワーク把持具59を備えたクロスバー50と、クロスバー50を保持してリフトビーム53の両側面に設けたレール部56と、レール部56の上下面を挟んで走行する複数の走行可能なカムフォロワ57を取り付けたフィードビーム58をワーク搬送方向へ移動自在に吊り下げている。
図4に示すように、特許文献2において、トランスファフィーダ60は、ワーク搬送方向に平行で、かつアプライト64に支持された一対のリフトバー61と、これら一対のリフトバー61間に横架され、リフトバー61に沿って移動可能に支持された複数のクロスバー62と、このクロスバー62に取り付けられワークWを保持するバキュームカップ装置63とを備えて構成されている。
リフトバー61は、アプライト64の側面に固定されたリフト装置に取り付けられており、このリフト装置をサーボモータ等で駆動することにより、リフトバー61およびクロスバー62の全体が、上下動するようになっている。
特開平11−309532号明細書、「トランスファプレスのワーク搬送駆動装置」 特開2004−223606号明細書、「プレス間またはトランスファプレスのスライド間のワーク受け装置」
上述した従来のトランスファプレスやプレス間搬送装置において、搬送中のパネルをクロスバーに直交する面内で傾動(チルト)させるパネルチルト装置が設けられることがある。
図5は、従来のパネルチルト装置の模式図であり、(A)はチルト前、(B)はチルト後を示している。
この図において、1は成形中のパネル、1aはパネルの重心、2はクロスバー、3はパネル把持ツールである。この例でパネル1は中央部が上方に膨らんだ深絞り形状である。
従来のパネルチルト装置では、パネルとの干渉を避けるために、クロスバー2と同軸またはこれより高い位置にクロスバーのチルト中心4を設けていた。
そのため、従来のパネルチルト装置では、パネル重心1aとクロスバーのチルト中心4との距離L(以下、「重心距離」と呼ぶ)が相対的に大きく、以下の問題点があった。
(1) クロスバーのチルト中心高さが高く、重心距離Lが大きいため、パネル1をある角度(チルト角θ)チルトさせると、パネルの水平移動量(=Lsinθ)が大きくなり、重心位置又はパネル位置を保持するためには水平シフト動作が必要となる。
(2) 重心距離Lが大きいため、パネルを水平移動(フィード)する際の加減速(加速度α)による負荷(慣性モーメント=MαL)が大きい。
(3) 重心距離Lが大きいため、パネルの重量Mが同一でも、大きな駆動トルク(=MgLsinθ)を必要とする。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、パネルをチルトさせてもパネルの水平移動量が小さく水平シフト動作がほとんど不要であり、パネルを水平移動(フィード)する際の加減速による負荷(慣性モーメント)が小さく、同一重量のパネルに対して、従来より大幅に小さい駆動トルクでチルトさせることができるパネルチルト装置を提供することにある。
本発明によれば、細長いクロスバーの下方にパネルを吊り下げ、クロスバーの軸線に直交する平面内でパネルを傾動させるパネルチルト装置であって、
パネルの上方に位置しパネルを把持するパネル把持具を有するクロスバーが固定されたスライダと、
搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する移動部材に固定され、前記スライダを前記平面内でパネル上端より下方に位置するチルト中心のまわりに傾動可能に案内するベース部材と、
前記ベース部材に固定されスライダを前記チルト中心のまわりに傾動させる傾動駆動装置とを備える、ことを特徴とするパネルチルト装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記スライダとベース部材間に位置し、前記スライダを前記チルト中心のまわりに傾動可能に案内する円弧ガイドを備える。
また、前記傾動駆動装置は、前記チルト中心を中心とする周方向にスライダを駆動する空圧シリンダ、直動サーボシリンダ、サーボモータでピニオンを駆動するラックとピニオン、またはウォームギヤとウォームホイールの一部である。
上記本発明の構成によれば、パネル把持具を有するクロスバーが固定されたスライダがパネルの上方に位置し、搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する移動部材に固定されたベース部材が、前記スライダを前記平面内でパネル上端より下方に位置するチルト中心のまわりに傾動可能に案内するので、パネル重心とチルト中心との距離L’(重心距離)を従来と比較して大幅に短縮できる。
従って、重心距離L’が重心距離Lよりも大幅に小さい(L’≪L)ので、
パネル(ワーク)をチルトさせてもパネルの水平移動量(=L’sinθ)が小さく水平シフト動作がほとんど不要であり、パネルを水平移動(フィード)する際の加減速による負荷(慣性モーメント=MαL’)が小さく、同一重量のパネルに対して、従来より大幅に小さい駆動トルク(=MgL’sinθ)でチルトさせることができる。
また、チルトに必要な駆動トルク(=MgL’sinθ)が従来より大幅に小さく、かつチルト中心と駆動位置間の距離R(以下、「駆動距離」という)が従来より大幅に大きくできるので、傾動駆動装置の必要推力を大幅に小さくでき、かつその必要速度を大幅に遅くできる。
従って、傾動駆動装置として、空圧シリンダ、直動サーボシリンダ、またはサーボモータでピニオンを駆動するラックとピニオンを用いることができ、従来の減速器付の電動機と比較して、傾動駆動装置を小型化し、かつ低コストにできる。
さらに、円弧ガイドを使うことにより上下方向寸法が小さい機構で課題を解決できる。すなわち、干渉回避のためにプレス機が大型化、生産速度が低下、等の別の弊害を発生させない効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明によるパネルチルト装置の模式図であり、(A)はチルト前、(B)はチルト後を示している。
本発明のパネルチルト装置10は、細長いクロスバー2の下方にパネル1を吊り下げ、クロスバー2の軸線に直交する平面内でパネル1を傾動させる装置である。
図1(A)において、本発明のパネルチルト装置10は、スライダ12、ベース部材14、および傾動駆動装置16(図示せず:図2参照)を備える。
スライダ12には、パネル1の上方に位置しパネル1を把持するパネル把持具3を有するクロスバー2が固定されている。パネル把持具3の下端には、例えばパネル1を保持するバキュームカップ装置が取り付けられている。
ベース部材14は、搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する移動部材20の下面に固定され、スライダ12をクロスバー2の軸線に直交する平面内でパネル上端より下方に位置するチルト中心11のまわりに傾動可能に案内する。
なお、搬送方向に対し上下動及び又は水平移動する移動部材20は、例えば特許文献1のフィードビーム58又は、特許文献2のリフトバー61である。なお、本発明において、移動部材20は、フィードビーム又はリフトバーに限定されず、搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する限りで、その他の部材(例えば新型搬送装置の中間支持部材)であってもよい。
傾動駆動装置16(図示せず:図2参照)は、ベース部材14に固定され、スライダ12をチルト中心11のまわりに傾動させるようになっている。
図2は、本発明によるパネルチルト装置の全体構成図である。この図において(A)は両端支持の例、(B)は中間支持の例を示している。
これらの図に示すように、本発明のパネルチルト装置10は、従来のトランスファープレスにおけるクロスバーの両端支持であっても、新型搬送装置のように中間支持でも可能である。
図2(A)(B)において、3はパネル把持具であり、クロスバー2に上端部が固定されている。スライダ12は、このパネル把持具3の上部にクロスバー2とツール連結部13を介して一体的に固定され、スライダ12の傾動(チルト)がそのままパネル把持具3の動きになるようになっている。ツール連結部13は、着脱可能であるのが好ましい。
ベース部材14は、搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する図示しない移動部材20の下面に固定された平板状部材であり、移動部材20と一体的に移動するようになっている。なお、固定位置は移動部材20の下面に限定されず、その側面でもよい。
この例において、傾動駆動装置16は、ベース部材14にシリンダ側が回転可能に固定され、ベース部材14にロッド側が回転可能に固定された空圧シリンダである。
なお、傾動駆動装置16は、空圧シリンダに限定されず、スライダ12をチルト中心11のまわりに傾動できる限りで、直動サーボシリンダ、サーボモータでピニオンを駆動するラックとピニオン、またはウォームギヤとウォームホイールの一部であってもよい。
特に、チルト角の位置制御を必要とする場合には、直動サーボシリンダやNCモータ駆動のピニオンを用いるのがよい。
本発明のパネルチルト装置10は、スライダ12とベース部材14との間に円弧ガイド18を備える。
この円弧ガイド18は、ベース部材14に固定された固定側円弧レール18aと、スライダ12に固定された移動側円弧レール18bと、固定側円弧レール18aと移動側円弧レール18bの間に把持されたクロスローラ(図示せず)とからなり、スライダ12をチルト中心11(図示せず:図1参照)のまわりに傾動可能に案内する。
なお、円弧ガイド18は、この例に限定されず、スライダ12をチルト中心11のまわりに傾動可能に案内できる限りで、その他のガイド、例えばVローラとVレール、カムフォロアと円弧レール、ベアリング式円弧ガイド、等であってもよい。
上述した本発明の構成によれば、図1(A)に示すように、パネル把持具3を有するクロスバーが固定されたスライダ12がパネル1の上方に位置し、搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する移動部材20に固定されたベース部材14が、スライダ12をクロスバーの軸線に直交する平面内でパネル上端より下方に位置するチルト中心11のまわりに傾動可能に案内するので、パネル重心1aとチルト中心11との距離L’(重心距離)を従来と比較して大幅に短縮できる。
従って、重心距離L’が従来の重心距離Lよりも大幅に小さい(L’≪L)ので、図1(B)に示すように、パネル1をチルト(チルト角:θ)させてもパネル1の水平移動量(=L’sinθ)が小さく水平シフト動作がほとんど不要である。
また、パネル1を水平移動(フィード)する際の加減速(加速度:α)による負荷(慣性モーメント=MαL’)が小さく、同一重量Mgのパネル1に対して、従来より大幅に小さい駆動トルク(=MgL’sinθ)でチルトさせることができる。
また、チルトに必要な駆動トルク(=MgL’sinθ)が従来より大幅に小さく、かつチルト中心と駆動位置間の距離R(以下、「駆動距離」という)が従来より大幅に大きくできるので、傾動駆動装置16の必要推力を大幅に小さくでき、かつその必要速度を大幅に遅くできる。
従って、傾動駆動装置16として、空圧シリンダ、直動サーボシリンダ、またはサーボモータでピニオンを駆動するラックとピニオンを用いることができ、従来の減速器付の電動機と比較して、傾動駆動装置を小型化し、かつ低コストにできる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明によるパネルチルト装置の模式図である。 本発明によるパネルチルト装置の全体構成図である。 特許文献1のワーク把持具およびクロスバーを示す図である。 特許文献2のワーク把持具およびクロスバーを示す図である。 従来のパネルチルト装置の模式図である。
符号の説明
1 パネル、1a パネル重心、2 クロスバー、
3 パネル把持具、4 クロスバーのチルト中心、
10 パネルチルト装置、11 チルト中心、
12 スライダ、13 ツール連結部、14 ベース部材、
16 傾動駆動装置、18 円弧ガイド、
18a 固定側円弧レール、18b 移動側円弧レール、
20 移動部材

Claims (3)

  1. 細長いクロスバーの下方にパネルを吊り下げ、クロスバーの軸線に直交する平面内でパネルを傾動させるパネルチルト装置であって、
    パネルの上方に位置しパネルを把持するパネル把持具を有するクロスバーが固定されたスライダと、
    搬送方向に対し上下動及び/又は水平移動する移動部材に固定され、前記スライダを前記平面内でパネル上端より下方に位置するチルト中心のまわりに傾動可能に案内するベース部材と、
    前記ベース部材に固定されスライダを前記チルト中心のまわりに傾動させる傾動駆動装置とを備える、ことを特徴とするパネルチルト装置。
  2. 前記スライダとベース部材間に位置し、前記スライダを前記チルト中心のまわりに傾動可能に案内する円弧ガイドを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のパネルチルト装置。
  3. 前記傾動駆動装置は、前記チルト中心を中心とする周方向にスライダを駆動する空圧シリンダ、直動サーボシリンダ、サーボモータでピニオンを駆動するラックとピニオン、またはウォームギヤとウォームホイールの一部である、ことを特徴とする請求項1に記載のパネルチルト装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62142431U (ja) * 1986-02-28 1987-09-08
JPS62238032A (ja) * 1986-04-07 1987-10-19 Mazda Motor Corp トランスフアプレスの段取り換え装置

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