JP2010094616A - 基材のクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な凹凸を有する基材の表面の異物を除去する際、微細な凹凸にも追従して異物を除去することが出来るクリーニング方法の提供。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層の粘着剤層を有する粘着性フィルムを用いて表面に微細な凹凸を有する基材のクリーニング方法において、前記粘着剤層に膨潤性ゲルを使用し、予め前記粘着剤層に水分を付与し膨潤させた後、前記基材の表面に前記粘着性フィルムを貼合し、前記粘着剤層の含水率を5%から500%にした後、前記粘着性フィルムを剥離することを特徴とする基材のクリーニング方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント基板や導電性パターン材料等の微細な凹凸を有する基材のクリーニング方法に関する。
液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、電子ペーパー等に使用されるプリント基板や導電性パターン材料などの加工時に残存したオイル、異物などの付着物は、その後の工程で重要な汚染を誘発したり、最終製品の性能劣化や耐久性の低下を招いたりする。従って、表面の汚染物の除去のために、必要に応じてフロン(登録商標)洗浄、超純水を用いた超音波洗浄、活性剤溶液洗浄、酸・アルカリ洗浄等を複数組み合わせたり、複数回繰り返して十分なクリーニングが施される。
しかし、これらのウェットクリーニングは処理時間が長く、大量の水を使用する、装置のスペースが大きい等の問題があるだけでなく、近年の高精細化に伴って水残りや被クリーニング物の損傷が顕在化してきている。
これらのウェットクリーニングの問題点を解決するために、種々の粘着クリーニングローラーやクリーニングシートによるドライプロセスが検討されている。例えば、物品の表面付着物が存在する部分に、付着物と粘着剤成分が一体化して硬化可能な硬化型粘着剤が支持体上に設けられてなるクリーニングシートを貼着し、付着物と粘着剤成分を一体化して硬化させ、硬化したクリーニングシートを物品から剥離することにより、シートと表面付着物とを一体に物品から除去する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載のクリーニングシートを微細な凹凸が多く存在するプリント基板のクリーニングに使用した場合、微細な凹凸部への追従に劣り十分なクリーニング性が得られていない、又剥離する際プリント基板を損傷する危険があることが判った。
凹凸表面を持つ除塵対象物のクリーニングに、除塵対象物の凹凸表面への追従性が良好である基材上に発泡剤を含んだ粘着剤層を有する粘着除塵クリーナーを使用する方法が知られている(例えば特許文献2参照。)。薄肉状の粘着剤層と内層の軟質弾性層を厚肉層の二層構造としたクリーニングローラーで、凹凸のある電子基板など表面のゴミ、埃などの汚れを取り除く方法が知られている(例えば特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献2に記載の粘着除塵クリーナー、特許文献3に記載のクリーニングローラーは、何れも更なる高精細化に対しては十分なクリーニング性が得られていないことが判った。
これらの状況から、微細な凹凸を有する基材の表面の異物を除去する際、微細な凹凸に追従し異物を除去することが出来るクリーニング方法の開発が望まれている。
特開平7−155704号公報 特開2006−75502号公報 特開2007−175473号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細な凹凸を有する基材の表面の異物を除去する際、微細な凹凸にも追従して異物を除去することが出来るクリーニング方法を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する過程において、特にプリント基板のような凹凸のある表面のクリーニングにおいて、膨潤性ゲルを含有した粘着剤層が重要であることを見出した。これは、膨潤した粘着剤層自身が微細な凹凸に追従し、異物を覆い絡めとることが出来るだけでなく、表面にわずかな水分が残り皮膜状になることで、長時間貼り付けたままにしていても、プリント基板表面上に糊残りが生じないことを見出し本発明に至った。本発明の上記目的は下記の構成により達成された。
本発明の上記目的は下記の構成により達成された。
1.支持体上に少なくとも1層の粘着剤層を有する粘着性フィルムを用いて表面に微細な凹凸を有する基材のクリーニング方法において、前記粘着剤層に膨潤性ゲルを使用し、予め前記粘着剤層に水分を付与し膨潤させた後、前記基材の表面に前記粘着性フィルムを貼合し、前記粘着剤層の含水率を5%から500%にした後、前記粘着性フィルムを剥離することを特徴とする基材のクリーニング方法。
2.前記粘着剤層に膨潤性ゲルを、50質量部以上含有することを特徴とする前記1に記載の基材のクリーニング方法。
3.前記膨潤性ゲルがヒドロゲルであることを特徴とする前記1又は2に記載の基材のクリーニング方法。
4.前記粘着剤層の膨潤前の厚さが、0.05μmから10μmであることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
5.前記粘着剤層に付与する水分の量が0.1ml/gから3.0ml/gであることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
6.前記粘着剤層に水分を付与した後、該粘着剤層を40℃から80℃に加熱し、基材に貼り合わせることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
7.前記粘着性フィルムを基材に貼り合わせた後、該粘着性フィルムを剥離する直前に5℃から20℃にすることを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
8.前記基材がプリント基板であることを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
微細な凹凸を有する基材の表面の異物を除去する際、微細な凹凸にも追従して異物を除去することが出来る基材のクリーニング方法を提供することが出来た。
本発明の実施の形態を図1から図4を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は粘着性フィルムを使用したクリーニング装置の概略図である。図1(a)は粘着性フィルムを使用したクリーニング装置の概略斜視図である。図1(b)は図1(a)の概略断面図である。
図中、1はクリーニング装置を示す。クリーニング装置1は、第1供給部2と、第2供給部3と、水分付与部4と、加熱部5と、貼合部6と、冷却部7と、剥離部8とを有している。
第1供給部2からは、繰り出し装置(不図示)により帯状の粘着性フィルム201が繰り出される様になっている。
水分付与部4は、水分付与装置401を有しており、第1供給部2から送られてくる帯状の粘着性フィルム201に水分を付与する様になっている。402は水の給水管を示し、403は水分付与装置401の中に貯まった水の排水管を示す。
404は給水ロールを示す。給水ロール404は円筒状で胴部に細孔を有し、表面は水分保持部材、例えばスポンジ、フェルト等で被覆された構造となっている。給水管402から給水された水は細孔から表面に浸みだし水分保持部材に保持された状態となる。
第1供給部2から送られてくる帯状の粘着性フィルム201は粘着剤層201a2(図2を参照)の表面と給水ロールの表面とが接触することで粘着剤層へ水分が付与される様になっている。本図は給水ロールを使用した水分付与の方法を示したが、粘着性フィルム201への水分付与の方法は特に限定はなく、例えば、水中に浸漬する方法、刷毛やバーコーターで塗布噴霧による方法、スプレーや蒸気等の吹付けによる方法等が挙げられ適宜選択することが可能である。
水分付与装置401により粘着性フィルム201の粘着剤層201a2(図2を参照)に付与する水分の量は、粘着剤層の膨潤度、異物除去性等を考慮し、0.1ml/gから3.0ml/gが好ましい。
付与する水分としては超純水を用いることが好ましい。又、フィルム基板貼り付け時の密着性を向上させるために、ある程度の温水を用いることも好ましい。用いられる温水の温度は、粘着剤層の溶解性、膨潤性等を考慮し、25℃から50℃が好ましい。
更に、付与する水分には、ゼラチン等の硬膜剤やpH調整剤、界面活性剤等を含有しても良い。
水分を含有させ粘着層を膨潤させ、使用時の粘着層の粘着力は、異物の除去性と糊残り防止の両立等を考慮し、0.01N/25mmから5.0N/25mmが好ましく、更に0.03N/25mmから2.0N/25mmが好ましいい。尚、粘着力はJISZ1528に準じて測定した値を示す。
加熱部5は水分付与装置401により水分を付与された粘着剤層201a2(図2を参照)の膨潤の促進及び硬度を下げる様になっている。これにより、第2供給部3から供給される表面に微細な凹凸を有する基材301と、粘着性フィルム201とを貼合させる時、粘着性フィルム201の粘着剤が基材301の凹部への密着を良くすることが可能となる。
501は加熱装置を示し、502は加熱風の供給管を示し、503は排風管を示す。加熱する方法は特に限定はなく、例えば加熱装置501の内部にヒーター、赤外線ランプ等を配設する方法が挙げられ適宜選択することが可能である。
加熱装置501により粘着性フィルム201を加熱する温度は、粘着性フィルムの粘着層の膨潤度、基材301の凹部への密着性等を考慮し、40℃から80℃が好ましい。
温度は、非接触温度測定器((株)キーエンス製 FT−H20)で測定した値を示す。
第2供給部3からは、表面に微細な凹凸を有する基材301が表面を上側にして繰り出し装置(不図示)から繰り出される様になっている。
貼合部6は第2供給部3から搬送されてくる基材301の微細な凹凸を有する表面と、加熱部5から搬送されてくる粘着性フィルム201の粘着層とを貼合させた後、粘着性フィルム201が貼合した基材301の水分調整を行う様になっている。これにより、剥離部8での粘着性フィルム201の剥離が容易になる。
貼合部6は、貼合ロール601と、水分調整装置602とを有している。貼合ロール601は、1対のロール601aと、ロール601bとから構成されており、ロール601aと、ロール601bとの間に第2供給部3から送られてくる基材301の表面と、第1供給部2から送られてくる粘着性フィルム201の粘着剤層201a2(図2を参照)とを貼合させる様になっている。
水分調整装置602は、圧着ロール603と、乾燥風供給管604と、排気管605とを有している。圧着ロール603により、基材301の表面と、第1供給部2から送られてくる粘着性フィルム201の粘着剤層201a2(図2を参照)との密着度を上げ粘着剤層201a2(図2を参照)の粘着剤が基材301の表面の凹部に入り込み易くすることで、凹部のゴミを除去することが可能となる。尚、圧着ロール603は必要に応じて適宜使用することが可能となっている。圧着ロール603を使用しない時は、支持ロール(不図示)を使用する。
基材301の表面と、第1供給部2から送られてくる粘着性フィルム201の粘着剤層201a2(図2を参照)との密着度を上げる方法は、貼合ロール501を構成している1対のロール501aと、ロール501bとに圧を掛けても良いし、貼合した後に減圧する方法であっても良い。
本図に示される貼合ロール601及び水分調整装置602の圧着ロール603の圧着時の温度、減圧度は、使用する接着剤の種類、基材の種類により変わるため一義的に決めることは困難であるが、粘着性フィルムを剥離する時、粘着剤層の含水率が5%から500%の範囲になるように先行実験で適宜決めることが好ましい。
冷却部7は、貼合部6の水分調整装置602で水分量が調整された粘着性フィルム201を冷却することで粘着性フィルム201の剥離を容易にする様になっている。701は冷却装置を示し、冷却装置701は、冷却風の供給管702と、排気管703と、支持ロール704とを有している。
冷却部7で冷却する粘着性フィルム201を貼合した基材301の温度は、粘着性フィルムの剥離性、粘着性フィルムの粘着剤層の硬さ等を考慮し、5℃から20℃が好ましい。温度は、非接触温度測定器((株)キーエンス製 FT−H20)で測定した値を示す。
剥離部8は、冷却部7で冷却された粘着性フィルム201を貼合した基材301から粘着性フィルム201を基材301から剥離ロール801で剥離し、粘着性フィルム201を巻き芯802へ巻き取り、基材301を巻き芯803に巻き取り回収する様になっている。剥離部8を終了することで基材301のクリーニングが終了する。
粘着性フィルムを剥離する時、粘着剤層の含水率は5%から500%である。含水量が5%未満の場合は、膨潤性ゲルが十分に膨潤せず、基板との接着性が悪くなるため好ましくない。含水率が500%を超える場合は、膨潤性ゲルの剥離残りや水分による基板の劣化が生じてしまうため好ましくない。
粘着剤層の含水率は、次の方法により測定した値を示す。
含水率の測定方法
剥離した粘着性フィルムの一部を切り取り、80℃、20%RHの恒温槽で24時間乾燥した前後の質量を測定し、その差を含水量とした。さらに乾燥後の粘着性フィルムから支持体を剥離した残りの質量を測定し、粘着剤層の質量とした。そして、この含水量を粘着剤層の質量で除した値を含水率として求めた。
剥離する時の粘着性フィルム201と、基材301との張力は、使用する粘着剤の種類、基材301の表面の凹凸の状態から一義的に決めることは出来ないが、基材301の表面の凹凸部を壊すことなく、且つ、凹部へ粘着剤が残らないように適宜予備試験を行い決めることが好ましい。
本図に示す加熱部5と、冷却部7とは使用する粘着性フィルムの種類によって適宜使用することが可能となっている。
尚、本図は帯状の基材と帯状の粘着性フィルムとを使用して連続的にクリーニングする場合を示したが、勿論シート状の基材と、シート状の粘着性フィルムとを使用し本図に示す方法をバッチ式に変えることで対応は可能である。
図2は本発明に使用する粘着性フィルムの概略断面図である。
(a)に示される粘着性フィルムに付き説明する。
図中、201aは粘着性フィルムを示す。粘着性フィルム201aは支持体201a1と、膨潤性ゲルを含有する粘着剤層201a2とを有する構成となっている。
(b)に示される粘着性フィルムに付き説明する。
図中、201bは粘着性フィルムを示す。粘着性フィルム201bは支持体201b1と、膨潤性ゲルを含有する粘着剤層201b2と、易接着層201b3とを有する構成となっている。
(c)に示される粘着性フィルムに付き説明する。
図中、201cは粘着性フィルムを示す。粘着性フィルム201cは支持体201c1と、膨潤性ゲルを含有する粘着剤層201c2と、易接着層201c3と、機能層201c4とを有する構成となっている。機能層201c4としては、帯電防止層、保湿剤層等が挙げられる。
次に、(a)から(c)に示される粘着性フィルムの粘着剤層に付き説明する。
(a)から(c)に示される粘着性フィルムの粘着剤層の構成例を以下に示す。
1.膨潤性ゲルが単一で構成
2.複数の膨潤性ゲルで構成
3.膨潤性ゲルと非膨潤性ゲルの混合物で構成
4.多層で構成:少なくとも2層から構成され、以下に構成例を示す。
1)上下層で異なる膨潤性ゲル単一を使用して構成する。
2)上下層で異なる膨潤性ゲルを複数使用して構成する。
3)上層が単一の膨潤性ゲルで、下層が複数の膨潤性ゲルを使用して構成する。
4)上層が複数の膨潤性ゲルで、下層が膨潤性ゲルと非膨潤性ゲルの混合物とで構成する。
5)上層が単一の膨潤性ゲルで、下層が膨潤性ゲルと非膨潤性ゲルの混合物とで構成する。
粘着剤層は膨潤性ゲルが含まれて入れば良く、膨潤性ゲル以外に界面活性剤等やpH調整剤、ラテックス等の添加剤を必要に応じて添加しても良い。粘着剤層の膨潤前の厚さとしては、異物除去性、微細な凹凸への追随性、基材への貼り付け易さ等を考慮し、0.05μmから10μmが好ましく、更には0.1μmから5μmが好ましい。
粘着剤層の膨潤前の厚さは、作製した粘着性フィルムをミクロトームで切断し、その切断面を透過型電子顕微鏡で観察し、求めた値を示す。
粘着剤層201a2(図2を参照)に含まれる膨潤性ゲルは、膨潤性、粘着性、水分保持性能等を考慮し、50質量部から100質量部が好ましく、更には70質量部から100質量部が好ましい。
図3は微細な凹凸を有する基材の一例としてのプリント基板の模式図である。図3(a)は微細な凹凸を有する基材の一例としてのプリント基板の概略平面図である。図3(b)は図3(a)のPで示される部分の拡大模式図である。図3(c)は図3(b)のA−A′に沿った拡大概略断面図である。
図中、9はプリント基板を示す。902aは支持体201の上に形成された横ラインを示し、902bは支持体901の上に形成された縦ラインを示す。通常、横ライン902a、縦ライン902bは複数のラインから構成されており、本図では共に10本のラインから構成されている場合を示している。
E1は、横ライン902aを構成しているライン間の距離を示す。距離E1は1μmから30μmが好ましい。E2は、縦ライン902bを構成しているライン間の距離を示す。距離E2は1μmから30μmが好ましい。
Fは縦ライン902bを構成しているラインの幅を示す。幅Fは1μmから30μmが好ましい。横ライン902aを構成しているラインの幅も同様に1μmから30μmが好ましい。
Gは支持体901からのラインの厚みを示す。厚みGは所望の導電性とラインの断面積、長さから求められ、1μmから100μmが好ましい。尚、プリント基板においては近年の微細化要望で、ライン幅、ライン間隔としては20μm以下、特に10μm以下の要望が増えており、この時必要な厚みは5μmから15μmとなる。
本発明において、微細な凹凸を有する基材とは、本図に示す様な凹凸構造を有する基材が挙げられる。
本発明において、膨潤性ゲルを含有するとは、粘着剤層が膨潤性ゲルから構成されている状態、膨潤性ゲルと非膨潤性ゲルが混合している状態を含めて言う。
本発明で使用する膨潤性ゲルはヒドロゲルが好ましい。分散質としては、ゼラチン、寒天等が挙げられる。これらの中で、ゼラチンが好ましい。ゼラチンとしては、豚皮や牛骨等から抽出したものが好ましく、酸処理ゼラチンでもアルカリ処理ゼラチンでも良く、フタル酸等で変性させたゼラチンを用いても良い。これらの分散質は単独で使用しても、複数を混ぜて使用することも可能である。又、分散質にゼラチンを使用する場合には、硬膜剤を添加しておいても良い。硬膜剤としては、ビニルスルホン型やエポキシ型、アクリルアミド型等が用いられるが、ビニルスルホンタイプがより好ましい。
又、上記の膨潤性ゲルと吸水性樹脂とを混合して使用することも可能である。吸水性樹脂としては特に限定はなく、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム系樹脂、上市品(例えば、住友精化(株)製 SSゲル、高吸水性樹脂アクアキープ、アドバンスト・ソフトマテリアルス(株)製 スライドリングゲルWA−GEL、トピー工業(株)製 膨潤性マイカ)等が挙げられる。
図4は、図1で示されるクリーニング装置の各工程における粘着性フィルムと微細な凹凸を有する基材との状態を示す模式図である。
(a)は、第1供給部2から、繰り出し装置(不図示)により繰り出された帯状の粘着性フィルム201の状態を示す。
(b)は、水分付与部4で粘着剤層201a2に水分が付与され膨潤した状態を示す。加熱部5では更に粘着剤層201a2の膨潤を促進させるために加熱することも可能である。
(c)は、第2供給部3から、繰り出し装置(不図示)により繰り出された表面に微細な凹凸を有する基材301の状態を示す。
(d)は、貼合部6で粘着性フィルム201と基材301とが貼合され、粘着性フィルム201の粘着剤が基材301の凹部にまで進入した状態を示す。凹部にまでの進入を促進させるために、加熱部5での加熱、貼合部6での圧着、減圧等を行うことが好ましい。
(e)は、剥離部8で基材301の凹凸部に貼合された粘着性フィルム201を剥離する状態を示す。凹部に進入した粘着剤を引き出すために剥離する前に粘着性フィルム201を冷却することが好ましい。
図1から図4に示す様に、支持体上に少なくとも1層の粘着剤層を有する粘着性フィルムを用いて表面に微細な凹凸を有する基材をクリーニングする時、予め粘着剤層に水分を付与し膨潤させた後、基材の表面に粘着性フィルムを貼合させ、粘着性フィルムを剥離する時、粘着剤層の含水率が5%から500%にすることで次の効果が挙げられる。
1.粘着性フィルムを基材の表面から剥離する際、粘着性フィルムの粘着剤が基材の表面の凹部に残らずに抜け、凹部のクリーニングが容易になった。
2.粘着性フィルムの粘着層が柔らかい間に、基材の表面から剥離されるため、基材の表面に形成された構造物を壊すことなく、クリーニングすることが容易になった。
3.精度良く、安定したクリーニングが可能となった。
次に本発明に使用する粘着性フィルムに使用する膨潤性ゲル以外の素材、粘着性フィルムの作製方法及び微細な凹凸を有する基材に付き説明する。
(粘着性フィルムの支持体)
支持体としては、樹脂板や樹脂フィルムなどが好適に挙げられる。樹脂には特に限定はなく、公知のものの中から適宜選択することが出来る。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などの単層あるいは複数層からなる基板やフィルムが好適に用いられる。更にガラス基板や紙類を用いることも出来る。中でも取り扱い易さ及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルムであることが好ましい。
支持体の厚みは、微細な凹凸への追随性、取り扱い易さ、コスト等を考慮し、10から500μmが好ましく、更には30から100μmが好ましい。
フィルム支持体は塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施す又は易接着層を設けることが好ましい。表面処理を施す方法や易接着層を設ける方法については従来公知の技術を使用出来る。易接着層は単層でも良いが、接着性を向上させるために2層以上の構成にしても良い。又、易接着層の上に帯電防止層、クッション層、保湿層等を積層することも可能である。
表面処理の方法としては、例えば大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理、エッチング処理等が挙げられ。
易接着層としては、例えばラテックス系のアンカーコート剤を塗布し形成することが可能である。
帯電防止層は、帯電防止剤や導電性微粒子等を含有した層であれば良く、帯電防止剤としては、例えば4級アンモニウム塩やイミダゾリン、スルホニウム塩等のカチオン性帯電防止剤やアルキルサルフェート、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、ソルビタン、アミン、アミド等の非イオン系帯電防止剤、スルホベタイン、アミンオキシド、ホスフェート等のの両性系帯電防止剤を用いることが出来、導電性微粒子としては、例えば酸化錫等の金属微粒子を使用することが可能である。
保湿層としては、水分を保持出来れば良く、例えば上記の吸水性樹脂を含有したり、グリセリンやエチレングリコールを使用しても良い。
(粘着性フィルムの作製方法)
本発明の粘着性フィルムは、膨潤性ゲルを含有する粘着剤層形成用塗布液(以下、塗布液と言う)を、塗布面を表面処理した支持体上に塗布、又は易接着層を設けた支持体の易接着層上に塗布、又は易接着層/機能層を設けた支持体の機能層の上に塗布した後、乾燥することで作製することが可能である。
塗布液を支持体上に塗布する方法としては特に限定はないが、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などの塗布法や、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法が挙げられる。
塗布性を向上させるために、塗布液中に界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、一般に知られているアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを挙げることが可能で、これらを必要に応じて用いることが可能である。尚、本発明では基材に貼り合わせた粘着性フィルムを剥離した後、基材上に活性剤等の添加剤が転写することを防止するために、粘着性フィルム作製後、又は、基材に貼り合わせ使用する前に、予め超純水等で洗浄することが好ましい。
(表面に微細な凹凸を有する基材)
対象となる基材としては特に限定はなく、例えば液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、電子ペーパー等に使用されるプリント基板、ダイオード、トランジスタ、磁気ヘッド、セラミック応用素子等の電子部品等の表面に微細な凹凸を有する基材、フィルム、プラスチック成型品、金属板等が挙げられる。
本発明に使用する粘着性フィルムは、基材の表面保護用としても使用することが可能である。例えばプリント基板の表面に本発明の粘着性フィルムを貼合させた後、貼合させた状態で次工程に移送した後、粘着性フィルムを剥離することでプリント基板の清掃と、移送時の異物の付着や表面に傷が付くことを防止することが可能となる。
貼合させた状態で次工程に移送した後、剥離するまでの期間は、粘着剤層の基材への転写付着による故障防止を考慮し、概ね数時間から1ヶ月程度で基材の種類により適宜選択することが好ましい。粘着性フィルムを剥離するまでの保管条件も任意で良いが、粘着剤の基材への転写を防止する目的の他に、基板そのものの性能を維持するためにも、ある程度低温低湿状態で保存することが好ましい。
特に、貼合した後、剥離するまで一定期間保管する様な方法で使用する場合、粘着剤層の転写を防止するために、硬膜剤を添加しておくことが好ましい。硬膜剤としては、ビニルスルホン型やエポキシ型、アクリルアミド型等が用いられるが、ビニルスルホンタイプがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
実施例1
(支持体の準備)
10W/(m・min)でコロナ放電処理した厚さ50μm、幅180mm、長さ10mのポリエステルフィルムを準備した。
(易接着層の形成)
準備した支持体の上に、下記の下引き塗布液を乾燥膜厚0.4μmになるようにダイコート法で塗布し、乾燥し易接着層を形成した。
(下引き塗布液)
ブチルアクリレート30質量%、t−ブチルアクリレート20質量%、スチレン25質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 50g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.05g
水で1000mlに仕上げる
粘着剤層形成用塗布液の調製
表1に示す様に分散質を変えた粘着剤層形成用塗布液を調製しNo.aからNo.eとした。
Figure 2010094616
粘着剤層形成用塗布液No.aの調製
アルカリ処理牛骨ゼラチン(新田ゼラチン(株)製) 2.0質量部
界面活性剤(S−1)4%水溶液 1.0質量部
硬膜剤(H−1)0.5%水溶液 2.5質量部
超純水 94.5質量部
粘着剤層形成用塗布液No.bの調製
酸処理豚皮ゼラチン(新田ゼラチン(株)製) 3.0質量部
界面活性剤(S−1)4%水溶液 1.0質量部
硬膜剤(H−1)0.5%水溶液 4.0質量部
超純水 92.0質量部
粘着剤層形成用塗布液No.cの調製
寒天 2.5質量部
界面活性剤(S−1)4%水溶液 1.0質量部
超純水 96.5質量部
粘着剤層形成用塗布液No.dの調製
酸処理豚皮ゼラチン(新田ゼラチン(株)製) 2.0質量部
寒天 1.0質量部
界面活性剤(S−1)4%水溶液 1.0質量部
硬膜剤(H−1)0.5%水溶液 2.5質量部
超純水 93.5質量部
粘着剤層形成用塗布液No.eの調製
酸処理豚皮ゼラチン(新田ゼラチン(株)製) 2.0質量部
高吸水性樹脂アクアキープ(住友精化(株)製) 0.5質量部
界面活性剤(S−1)4%水溶液 1.0質量部
硬膜剤(H−1)0.5%水溶液 2.5質量部
超純水 94.0質量部
Figure 2010094616
(粘着性フィルム1の作製)
準備した易接着層を形成した支持体の易接着層の上に、準備した粘着剤層形成用塗布液No.aからeをダイコート法で塗布し、乾燥した後、25℃の超純水の流水中で15分間洗浄した後、乾燥して、厚さ0.2μmの粘着剤層を有する粘着性フィルムを作製しNo.1−aから1−eとした。厚さは、粘着性フィルムをミクロトームで切断し、その切断面を透過型電子顕微鏡で観察し求めた値を示す。
(粘着性フィルム2の準備)
サンエー化研製のサニテクトPAC−3−50THKを比較の粘着性フィルムNo.fとした。
(クリーニング用基材の準備)
厚さ50μm、幅180mm、長さ10mのポリエチレンテレフタレート上にITO(Indium Tin Oxide)をスパッタリングにより作製し、図2に示す様な深さ、ライン幅、ライン間隔共に10μmの10本の線を1つの塊りとし、3mm間隔の格子状にエッチング加工したプリント基板を、幅方向に30mm間隔、長さ方向に50mm間隔で作製しクリーニング用基板とした。
(クリーニング)
準備した粘着性フィルムNo.1−aから1−fを用いて、図1に示すクリーニング装置を使用し、準備したクリーニング用基材の表面に貼合し、剥離する時の粘着剤層の含水率を表1に示す様に変化して、クリーニングを行い試料No.101から131とした。
準備した粘着性フィルムNo.1−aから1−eを用いて、図1に示すクリーニング装置を使用し粘着剤層に水を付与せず準備したクリーニング用基材の表面に貼合しクリーニングを行い比較試料No.132から136とした。
貼合は、圧力ロールの設定を、圧力30×10Pa、温度70℃、3minで行った。剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度は15℃であった。
剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度は、非接触温度測定器(株)キーエンス製 FT−H20で測定した値を示す。
評価
クリーニングを行った各試料No.101から136について異物除去性、粘着剤残り性を以下に示す方法で試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
異物除去性の試験方法
クリーニングを終えた基材の巻き終わりから1m、5m、9mの3箇所から100m×100mを切り取り、超純水500mlを入れたガラスビーカーに浸し、超音波洗浄器で10分間洗浄を行い、この液をリオン(株)製パーティクルカウンター(KS−42)で0.2μm粒子の個数を測定することで洗浄性の評価を行った。尚、粘着性フィルム貼り付け前のクリーニング用プリント基板で同様の評価を行ったところ、粒子数は概ね1500個だった。
異物除去性の評価ランク
◎:粒子数100個未満
○:粒子数300個未満、100個以下
△:粒子数500個未満、300個以下
×:粒子数500個以上
粘着剤残り試験方法
粘着性フィルムを剥離した後のクリーニング用プリント基板の表面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S−5000H)を用い、倍率2000倍で任意の5箇所の撮影を行い、粘着剤残りの状態を調べた。
粘着剤残り評価ランク
◎:観察した5箇所中、粘着剤の残りがない
○:観察した5箇所中、1箇所でわずかに粘着剤が残っている
△:観察した5箇所中、2箇所から4箇所で粘着剤が残っている
×:観察した5箇所中、5箇所で粘着剤が転写している
Figure 2010094616
粘着性フィルムを剥離する時、粘着剤層の含水量を5%から500%として作製した試料No.102から105、108から111、114から117、120から123、126から129は粘着剤の残りもなく、優れた異物除去性を示した。
粘着性フィルムを剥離する時、粘着剤層の含水率を3%として作製した試料No.101、107、113、119、125は異物除去性が劣る結果を示した。
粘着性フィルムを剥離する時、粘着剤層の含水率を600%として作製した試料No.106、112、118、124、130は粘着剤の残りが多発する結果を示した。
粘着剤層に膨潤性ゲルをしない粘着性フィルムを使用して作製した試料No.131は、粘着剤の残り、異物除去性共に劣る結果を示した。本発明の有効性が確認された。
試料No.132から136は粘着剤層に水を付与しなかったため、粘着剤層としての機能が発現せずクリーニング用プリント基板に接着しないため異物除去は出来なかった。
実施例2
(支持体の準備)
実施例1と同じ支持体を準備した。
(粘着剤層形成用塗布液の調製)
表3に示す様に、高吸水性樹脂アクアキープ(住友精化(株)製)と酸処理豚皮ゼラチン(新田ゼラチン(株)製)との比率を変えた以外は実施例1で作製した粘着性フィルムNo.1−eと全て同じ方法で粘着性フィルムを作製しNo.2−1から2−3とした。
Figure 2010094616
(クリーニング用基材の準備)
実施例1と同じクリーニング用基材を準備した。
(クリーニング)
準備した粘着性フィルムNo.2−1から2−3を用いて、図1に示すクリーニング装置を使用し、準備したクリーニング用基材の表面に圧力30×10Pa、温度70℃、3minで貼合し、剥離する時の粘着剤層の含水率を100%、剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度を15℃として、クリーニングを行い試料No.201から203とした。尚、粘着性フィルムNo.2−1から2−3の粘着剤層には純水1ml/gを付与した。
圧力、含水量、剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
評価
クリーニングを行い作製した各試料No.201から203について異物除去性、粘着剤残り性を実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2010094616
粘着性フィルムの粘着剤層のヒドロゲルの分散質の含有量が、50質量部以上であれば、微細な凹凸を有する基材に対して粘着剤の残りもなく、優れた異物除去性を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例3
(支持体の準備)
実施例1と同じ支持体を準備した。
(粘着性フィルムの作製)
表5に示す様に粘着剤層の膨潤前の厚さを変えた他は全て同じ方法で実施例1で作製した粘着性フィルムNo.1−aと同じ粘着性フィルムを作製しNo.3−1から3−7とした。尚、粘着剤層の膨潤前の厚さは、実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
Figure 2010094616
(クリーニング用基材の準備)
実施例1と同じクリーニング用基材を準備した。
(クリーニング)
準備した粘着性フィルムNo.3−1から3−7を用いて、実施例2と同じ方法でクリーニングを行い試料No.301から307とした。
評価
準備した各粘着性フィルムNo.301から307の異物除去性、粘着剤残り性を実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2010094616
粘着性フィルムの粘着剤層の厚さが0.05μmから10.0μmの範囲であれば、微細な凹凸を有する基材に対して粘着剤の残りもなく、優れた異物除去性を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例4
(支持体の準備)
実施例1と同じ支持体を準備した。
(易接着層の形成)
準備した支持体の上に、実施例1と同じ易接着層を形成した。
(粘着性フィルムの作製)
実施例1の粘着性フィルムNo.1−1を実施例1と同じ方法で作製した。
(クリーニング用プリント基板の準備)
実施例1と同じクリーニング用プリント基板を実施例1と同じ方法で準備した。
(クリーニング)
準備した粘着性フィルムを用いて、図1に示すクリーニング装置を使用し、表7に示す様に粘着剤層に付与する純水の量を変化した以外は実施例2と同じ方法でクリーニングを行い試料No.401から406とした。
評価
作製した各試料No.401から406について異物除去性、粘着剤残り性を実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
Figure 2010094616
粘着性フィルムの粘着剤層への水り付与量が0.1ml/gから3.0ml/gの範囲であれば、微細な凹凸を有する基材に対して粘着剤の残りもなく、優れた異物除去性を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例5
(支持体の準備)
実施例1と同じ支持体を準備した。
(易接着層の形成)
準備した支持体の上に、実施例1と同じ易接着層を形成した。
(粘着性フィルムの作製)
実施例1の粘着性フィルムNo.1−1を実施例1と同じ方法で作製した。
(クリーニング用プリント基板の準備)
実施例1と同じクリーニング用プリント基板を実施例1と同じ方法で準備した。
(クリーニング)
準備した粘着性フィルムを用いて、図1に示すクリーニング装置を使用し、粘着剤層に純水を1ml/g付与した後、表8に示す様に粘着剤層の温度を変化し、準備したクリーニング用基材の表面に圧力30×10Paで3min貼合し、剥離する時の粘着剤層の含水率を100%、剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度は15℃として、クリーニングを行い試料No.501から505とした。圧力、含水率、剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
評価
クリーニングを行い作製した各試料No.501から505について異物除去性、粘着剤残り性を実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2010094616
粘着性フィルムの粘着剤層への水付与した後に加熱する温度が、40℃から80℃の範囲であれば、微細な凹凸を有する基材に対して粘着剤の残りもなく、優れた異物除去性を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例6
(支持体の準備)
実施例1と同じ支持体を準備した。
(易接着層の形成)
準備した支持体の上に、実施例1と同じ易接着層を形成した。
(粘着性フィルムの作製)
実施例1の粘着性フィルムNo.1−aを実施例1と同じ方法で作製した。
(クリーニング用プリント基板の準備)
実施例1と同じクリーニング用プリント基板を実施例1と同じ方法で準備した。
(クリーニング)
準備した粘着性フィルムを用いて、図1に示すクリーニング装置を使用し、粘着剤層に純水を1ml/g付与した後、準備したクリーニング用基材の表面に圧力30×10Pa、温度70℃、3minで貼合し、剥離する時の粘着剤層の含水率を100%とし、表9に示す様に剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度を変化しクリーニングを行い試料No.601から605とした。圧力、含水量、剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
評価
クリーニングを行い作製した各試料No.601から605について異物除去性、粘着剤残り性を実施例1と同じ方法で試験し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表9に示す。
Figure 2010094616
剥離時の粘着性フィルムの粘着剤層の温度を5℃から20℃にすることで、微細な凹凸を有する基材に対して粘着剤の残りもなく、優れた異物除去性を示した。本発明の有効性が確認された。
粘着性フィルムを使用したクリーニング装置の概略図である。 本発明に使用する粘着性フィルムの概略断面図である。 微細な凹凸を有する基材の一例としてのプリント基板の模式図である。 図1で示されるクリーニング装置の各工程における粘着性フィルムと微細な凹凸を有する基材との状態を示す模式図である。
符号の説明
1 クリーニング装置
2 第1供給部
201、201aから201c 粘着性フィルム
201a1 支持体
201a2 粘着剤層
3 第2供給部
301 基材
4 水分付与部
401 水分付与装置
404 給水ロール
5 加熱部
501 加熱装置
6 貼合部
601 貼合ロール
602 水分調整装置
7 冷却部
8 剥離部
801 剥離ロール
9 プリント基板

Claims (8)

  1. 支持体上に少なくとも1層の粘着剤層を有する粘着性フィルムを用いて表面に微細な凹凸を有する基材のクリーニング方法において、
    前記粘着剤層に膨潤性ゲルを使用し、予め前記粘着剤層に水分を付与し膨潤させた後、前記基材の表面に前記粘着性フィルムを貼合し、
    前記粘着剤層の含水率を5%から500%にした後、
    前記粘着性フィルムを剥離することを特徴とする基材のクリーニング方法。
  2. 前記粘着剤層に膨潤性ゲルを、50質量部以上含有することを特徴とする請求項1に記載の基材のクリーニング方法。
  3. 前記膨潤性ゲルがヒドロゲルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の基材のクリーニング方法。
  4. 前記粘着剤層の膨潤前の厚さが、0.05μmから10μmであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
  5. 前記粘着剤層に付与する水分の量が0.1ml/gから3.0ml/gであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
  6. 前記粘着剤層に水分を付与した後、該粘着剤層を40℃から80℃に加熱し、基材に貼り合わせることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
  7. 前記粘着性フィルムを基材に貼り合わせた後、該粘着性フィルムを剥離する直前に5℃から20℃にすることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
  8. 前記基材がプリント基板であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の基材のクリーニング方法。
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