JP2010094497A - 放射線画像撮影方法および装置 - Google Patents

放射線画像撮影方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の画像を繋いで長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影装置において、繋ぎ目の濃度段差が目立たない、品質の高い長尺の放射線画像を容易に取得する。
【解決手段】同一の放射線源10と、同一の放射線像検出器15とを用いて、被写体M中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体Mの全体を表す長尺の放射線画像を得る際に、撮影条件取得部82により、放射線撮影の撮影条件を取得し、撮影可能範囲取得部84により、各放射線撮影における長尺方向の撮影可能幅を上記撮影条件から求め、割付部86により、各放射線撮影における撮影幅が上記撮影可能幅以下となるように撮影対象とする被写体M中の複数の領域の割り付けを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像撮影方法および装置に関し、詳しくは、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成してこの被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影方法および装置に関するものである。
従来より、X線等の放射線を被写体へ通して検出しこの被写体を表す放射線画像を得る装置が知られている。
このような、装置に用いられる放射線検出器として、FPD(Flat Panel Detector)が知られている。このFPDは、被写体を通った放射線を検出して電気信号に変換しその被写体の放射線像を表す画像信号を出力するものである。このFPDを用いた放射線画像撮影装置は、放射線撮影を行った後、直ぐに(数秒後に)被写体の放射線画像を表す画像信号を出力することができる。
また、FPDを被写体中の隣接する複数の領域へ順次移動させて放射線撮影を行い、各放射線撮影で得られた複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像、例えば全脊椎画像や全下肢画像を得る放射線画像撮影装置が知られている。
このような、長尺の放射線画像を得る放射線撮影には、放射線源の位置を固定し、1つのFPDを順次移動させつつ各放射線撮影毎にその放射線源の向きをFPDの方向へ向けるように設定して各放射線撮影を行う方式が知られている。すなわち、放射線源から発せられる放射線の放射範囲中の特定の範囲をFPDに向けて各放射線撮影を行う方式が知られている。
この方式には、例えば、FPDを順次移動させて行う放射線撮影毎に、放射線源の管球から発せられる放射線の放射範囲の中心を通る放射中心軸がFPDの中心部を通るように放射線源の位置と向きを定めて行うものが知られている。
また、被写体の位置に対し、放射線源の位置およびFPDの位置を順次平行移動させつつ、すなわち、放射線源とFPDとの相対的な位置関係を変更することなく各放射線撮影を行う方式も知られている。
ところで、放射線源から発せられる放射線は、管球の陰極側の方が陽極側の方よりも放射線強度が大きくなるため、陰極側と陽極側の境界となる上記放射中心軸に対して非対称な強度分布を有している。このような非対称な強度分布が生じる現象はヒール効果と呼ばれている。
このような強度分布による放射線の照射ムラは、長尺の放射線画像を得るための各放射線撮影で照射する放射線にも認められる。そのため、例えば、上下方向に長尺となる放射線画像を得るときの各放射線撮影で得られる各画像の上縁部から下縁部に亘って濃度分布が生じる。その結果、例えば、放射線撮影で得られる特定の画像の下縁部とこの特定の画像の下方に隣接する他の画像の上縁部との間に濃度差が生じて、特定の画像と隣接する他の画像との境界に濃度の段差(以後、濃度段差という)が生じてしまうことがある。
すなわち、放射線撮影で得られた複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る場合に、合成された画像間の繋ぎ目に濃度段差が生じてしまうことがある。
そのような場合には、例えば、濃度段差を補正するための放射線撮影を別途行って得られた補正データを用いた画像処理によりそのような濃度段差を抑制する方式(特許文献1参照)が知られている。また、例えば、放射線技師等の持つ経験値から、1回の放射線撮影で撮影対象とする領域の上縁部から下縁部までの距離を短くするように、すなわち、被写体中の各領域の長尺方向における幅(撮影幅)を小さくするように設定して放射線撮影を行うことにより濃度段差を抑制することも考えられる。
特開2006−141905号公報
しかしながら、上記濃度段差を画像処理によって補正する方式は、補正用データを得るための放射線撮影を別途行うので撮影の負担が大きくなるという問題がある。また、放射線技師等の持つ経験値に頼って放射線撮影の設定を変更する方式では、画像間の繋ぎ目の濃度段差を所望のレベル以下にすること(繋ぎ目における画像間の濃度差を十分に目立たないようにすること)ができないことがある。
そのため、長尺の放射線画像を取得する際の放射線撮影の負担を増大させることなく上記合成された画像間の繋ぎ目に生じる濃度段差をより確実に目立たないようにしたいという要請がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、繋ぎ目の濃度段差が目立たない、品質の高い長尺の放射線画像を容易に取得することができる放射線画像撮影方法および装置を提供することを目的とするものである。
本発明の放射線画像撮影装置は、同一の放射線源と、同一の放射線像検出器とを用いて、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影装置であって、各放射線撮影を行うときの撮影条件を取得する撮影条件取得手段と、各放射線撮影における長尺方向の撮影可能幅を撮影条件から求める撮影可能範囲取得手段と、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅が撮影可能幅以下となるように、前記放射線撮影の撮影対象とする被写体中の複数の領域の割り付けを行う割付手段とを備えたことを特徴とするものである。
この放射線画像撮影装置は、同一の放射線源と、同一の放射線像検出器とを用いて、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影装置であって、放射線撮影を行うときの撮影条件を取得する撮影条件取得手段と、この撮影条件下での前記順次放射線撮影によって得られる長尺の放射線画像について、この長尺の放射線画像を構成する各画像間の繋ぎ目にヒール効果による濃度段差が現われないようにするための、前記各放射線撮影における長尺方向の撮影可能幅を前記放射線撮影に対応する撮影条件から求める撮影可能範囲取得手段と、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅が前記放射線撮影に対応する前記撮影可能幅以下となるように、前記放射線撮影の撮影対象とする被写体中の複数の領域の割り付けを行う割付手段とを備えたものとすることができる。
前記撮影条件は、撮影距離としたり、放射線源から発せられる放射線の線量としたり、放射線源の管球の焦点サイズとしたり、放射線源の管球ターゲットの材質としたりすることができる。
前記撮影可能範囲取得手段は、放射線源の管球から発せられる放射線束のうちヒール効果による照射ムラの最も小さい放射線束部分が被写体中の各領域へ照射されるときの撮影可能幅を求めるものとすることが望ましい。
前記放射線画像撮影装置は、放射線源の管球の向きを前記長尺方向に変更するための管球首振手段を備えたものとすることが望ましい。
本発明の放射線画像撮影方法は、同一の放射線源と、同一の放射線像検出器とを用いて、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影方法であって、放射線撮影を行うときの撮影条件を取得し、各放射線撮影における長尺方向の撮影可能幅を撮影条件から求め、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅が撮影可能幅以下となるように前記放射線撮影の撮影対象とする被写体中の複数の領域の割り付けを行うことを特徴とするものである。
この放射線画像撮影方法は、同一の放射線源と、同一の放射線像検出器とを用いて、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影方法であって、放射線撮影を行うときの撮影条件を取得し、この撮影条件下での前記順次放射線撮影によって得られる長尺の放射線画像について、この長尺の放射線画像を構成する各画像間の繋ぎ目にヒール効果による濃度段差が現われないようにするための、各放射線撮影における前記長尺方向の撮影可能幅を前記放射線撮影に対応する撮影条件から求め、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅が前記放射線撮影に対応する前記撮影可能幅以下となるように前記放射線撮影の撮影対象とする被写体中の複数の領域の割り付けを行うものとすることができる。
本発明の放射線画像撮影方法および装置によれば、各放射線撮影の撮影条件を取得し、各放射線撮影毎の長尺方向の撮影可能幅を撮影条件から求め、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅が上記撮影可能幅以下となるように撮影対象とする被写体中の複数の領域の割り付けを行うようにしたので、長尺の放射線画像を構成する各画像の繋ぎ目の濃度段差が目立たない、品質の高い長尺の放射線画像を容易に取得することができる。
すなわち、所定の撮影条件から被写体に照射する放射線の強度分布を正確に予想することができ、所定の撮影条件下での順次放射線撮影によって得られる長尺の放射線画像を構成する画像間の繋ぎ目にヒール効果による濃度段差が現われないようにするための各放射線撮影毎の長尺方向の撮影可能幅をその放射線撮影に対応する撮影条件から正確に求めることができる。そして、各放射線撮影における撮影幅がその放射線撮影対応する撮影可能幅以下となるように定めて各放射線撮影を行うことにより、長尺の放射線画像を構成する各画像に対して画像処理等を別途施す等のことなく、各画像の繋ぎ目に生じる濃度段差を所望のレベル以下まで目立たなくすることができる。
また、撮影条件を、撮影距離としたり、放射線源から発せられる放射線の線量としたり、管球の焦点サイズとしたり、あるいは管球ターゲットの材質としたりすれば、各放射線撮影毎の長尺方向の撮影可能幅をより確実に求めることができる。
また、前記撮影可能範囲取得手段を、放射線源の管球から発せられる放射線束のうちヒール効果による照射ムラの最も小さい放射線束部分が被写体中の各領域へ照射される場合の撮影可能幅を求めるものとすれば、より確実に各画像の繋ぎ目の濃度段差が目立たない長尺の放射線画像を取得することができる。
さらに、放射線源の管球の向きを長尺方向に変更するための管球首振手段を備えるようにすれば、より確実に各画像の繋ぎ目の濃度段差が目立たない長尺の放射線画像を取得することができる。
なお、撮影幅を、撮影可能幅の範囲内で最も大きくなるように定めれば、撮影対象とする領域を不要に小さくして長尺の放射線画像を得るための撮影回数を増大させることがなく、上記放射線撮影を効率良く実施することができる。
本発明の実施の形態による放射線画像撮影装置の概略構成を示す図 管球ターゲットから発せられる放射線の様子を示す図 管球ターゲットからの放射線照射を受けた領域の放射線強度分布を示す図 管球の焦点サイズの違いに起因する照射ムラの大きさの差を示す図 管球ターゲットの材質の違いに起因する照射ムラの大きさの差を示す図 4回撮影において放射線検出面上に照射される放射線強度分布を示す図 3回撮影において放射線検出面上に照射される放射線強度分布を示す図 1回の撮影において放射線検出面上に照射される放射線強度分布を示す図 4回の放射線撮影で得た長尺の放射線画像と3回の放射線撮影で得た長尺の放射線画像とを比較した様子を示す図 放射中心軸を検出面に対して直交させた状態で管球から発せられた放射線束を検出したときの強度分布を示す図 放射中心軸を検出面に対して傾斜させた状態で管球から発せられた放射線束を検出したときの強度分布を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態による放射線画像撮影方法を実施するための放射線画像撮影装置の一例を示す概略構成を示す概念図である。
図1に示す本発明の放射線画像撮影装置100は、同一の放射線源10と、同一の放射線像検出器15とを用いて、被写体M中の隣接する複数の領域M1、M2・・・を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して被写体Mの全体を表す長尺の放射線画像を得るものである。
この放射線画像撮影装置100は、放射線撮影の撮影条件を取得する撮影条件取得部82と、この撮影条件下での順次放射線撮影によって得られる長尺の放射線画像について、その長尺の放射線画像を構成する各画像間の繋ぎ目(境界)にヒール効果による濃度段差が現われないようにするための、各放射線撮影毎の長尺方向(図中矢印Y方向)の撮影可能幅をその放射線撮影に対応する撮影条件から求める撮影可能幅取得部84と、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅がその放射線撮影に対応する撮影可能幅以下となるように、放射線撮影の撮影対象とする被写体M中の複数の領域M1、M2・・・の割り付け(フレーム割付け)を行う割付部86とを備えている。
撮影条件取得部82は、放射線撮影の撮影条件として、撮影距離のデータを取得したり、放射線源10から発せられる放射線の線量のデータを取得したり、放射線源10の有する管球10Kの焦点サイズのデータを取得したり、放射線源10に配された管球ターゲットの材質を示すデータを取得したりするものである。
この放射線画像撮影装置100は、放射線Hを発する放射線源10と、放射線Hを検出する放射線像検出器15と、放射線像検出器15を被写体Mに沿って移動させる検出器移動部20と、放射線源10を配置する線源配置部25とを備えている。放射線像検出器15は、放射線源10から発せられ被写体Mを通った放射線Hの照射を受けてこの放射線Hの強度分布を検出する放射線検出面16を有するものである。
放射線像検出器15は、被写体Mを透過した放射線を検出して電気信号に変換しその被写体Mの放射線像を表す画像データを出力するFPD(Flat Panel Detector)を採用することができる。このFPDは、放射線撮影の後、直ぐに(数秒後に)被写体Mの放射線画像を表す画像データを出力することができるものである。
検出器移動部20は、床面5Fから鉛直方向(図中矢印Y方向)に起立する2つの支柱21間に放射線像検出器15を保持するとともに、この放射線像検出器15を長尺方向である支柱21の延びる鉛直方向(上下方向)に移動させる移動機構22を備えている。移動機構22は、放射線像検出器15を従来より知られているリニアスライド機構等で支持しモータ等の駆動源を用いて移動させるものとすることができる。
長尺の放射線画像を取得する放射線撮影を実施するときに、被写体Mは、放射線像検出器15の移動方向に沿って(図中矢印Y方向に沿って)配置される。すなわち、被写体Mを床面に起立させた姿勢にして各放射線撮影が行なわれる。
線源配置部25は、被写体Mを間に挟んで放射線像検出器15の放射線検出面16に対向するように(図中矢印Z方向に対向するように)放射線源10を保持し移動させるものである。この線源配置部25は、天井5Eから鉛直方向に延びる支柱26と、この支柱26を天井5Eに沿って上記対向方向に(図中矢印Z方向に)移動させる天井ベース台27と、支柱26に係合されて、鉛直方向(図中矢印Y方向)へ移動可能であるとともに、紙面に垂直な軸(図中Y-Z平面に垂直なX軸に平行な軸)の回り(自身の回り)に回転可能な回転台28とを有している。
この回転台28上に放射線源10が配置されており、放射線源10は、線源配置部25により、上下方向(図中矢印Y方向)および左右方向(図中矢印Z方向)に移動可能であるとともに、放射線源10の略中心を通る図中のX軸に平行な軸の周りに回転台28を介して回転可能である。
さらに、管球首振部19が、放射線源10に配された管球10Kの向きを長尺方向(図中矢印Y方向)に沿って変更させる。ここで、管球首振部19は、管球10Kの向きを放射線源10本体に対して変更させるものである。
上記線源配置部25や管球首振部19を動作させる機構は、従来より知られているリニアスライド機構や回転機構、およびモータ等の駆動源を用いて形成することができる。
また、この放射線画像撮影装置100は、検出器移動部20により放射線像検出器15を被写体Mの延びる方向(長尺方向)に沿って放射線撮影を行うための各撮影位置P1,P2・・・へ順次移動させるとともに、順次移動させた各位置において、放射線源10から発せられる放射線Hの照射方向が放射線検出面16の方向を向くように線源配置部25により放射線源10を配置させ、各位置毎に被写体M中の隣接する領域M1、M2・・・の放射線撮影が行われるように制御する長尺撮影制御部88と、上記各放射線撮影毎に得られた各画像部分を合成して被写体Mの全体を表す長尺の放射線画像を得る画像合成部35と、画像合成部35で合成された長尺の放射線画像を表示する表示器60とを備えている。
撮影対象とする被写体M中の複数の領域M1、M2・・・の割り付けを行う割付部86には、撮影可能幅取得部84から撮影可能幅を示す撮影幅情報J2が入力されるとともに、撮影条件取得部82から撮影条件を示す撮影条件情報J1が入力され、各画像部分の繋ぎ目が目立たない長尺の放射線画像が得られるように、各放射線撮影の際の撮影幅や撮影位置P1、P2・・・等を割り付けるための割付情報J3を出力する。
なお、割付部86は、撮影可能幅取得部84から、撮影条件情報J1および撮影幅情報J2を入力するものとしてもよい。
ここで割付部86から出力された割付情報J3は、長尺撮影制御部88に入力されて、この長尺撮影制御部88が、割付情報J3に基づいて各放射線撮影毎の放射線源10の位置や姿勢および放射線検出器15の位置等を定めるように各部を制御する。
なお、長尺撮影制御部88は、割付部86から各放射線撮影の際の撮影幅や撮影位置等に関するデータを入力し、その撮影幅や撮影位置等に応じて、放射線源10の管球10Kの向きをも制御するものである。
なお、コンソール70には、被写体Mに関する被写体情報や長尺の放射線画像を得るための撮影条件が入力され、それらの情報は撮影条件取得部82や長尺撮影制御部88等に出力される。
また、長尺の放射線撮影を行う放射線画像撮影装置100の全体の動作および各動作のタイミング等は、コンソール70によってコントロールされる。なお、上記撮影条件取得部82、撮影可能幅取得部84、割付部86、長尺撮影制御部88、画像合成部35等は、コンソール70内に配置するようにしてもよい。
<ヒール効果による放射線の照射ムラについて>
図2は、放射線源10に配置された放射線を発する管球10Kの内部を示すものであり、電子銃Erによる電子の照射を受けた管球ターゲットTrから発せられる放射線の様子を示す図である。図3は、横軸Rに放射線を検出する検出面上の位置、縦軸Eに検出された放射線の強度を定めた座標軸上に、管球ターゲットTrから発せられる放射線の照射を受けた領域の強度分布を示す図である。
図2に示すように、電子銃Erによる電子の照射を受けた管球ターゲットTrから、すなわち放射線源10の管球10Kから発せられる放射線束φHは、この放射線束φHの中心を通る放射中心軸Crを中心に放射状に放射範囲が広がって検出面Sr上を照射する。位置R4は、放射中心軸Crと交わる検出面Sr上の位置である。この位置R4を中心に検出面Sr上の図中矢印−方向の側に放射線が到達する位置R3,R2、R1が等間隔で示されており、図中矢印+方向の側に放射線が到達する位置R5,R6、R7が等間隔で示されている。
検出面Srで検出される放射線の強度の1例として、例えば、放射中心軸Cr上の位置R4において検出される放射線強度を値100(単位は省略)とすると、図中矢印−方向の陰極側の位置R3,R2、R1それぞれにおいて値103,105,95となる。一方、図中矢印+方向の陽極側の位置R5,R6、R7それぞれにおいて値85,73,31となる。
なお、図3は、上記各位置R1〜R7における放射線強度をプロットして、検出面Sr上に照射される放射線の強度分布の概略を示したものである
図2、3に示すように放射線源から放射される放射線束φHは、放射中心軸Crに対して非対称な強度分布を有するものとなる。この放射線束φHの照射ムラはヒール効果によって生じたものである。このヒール効果は、管球の陰極側(図中矢印−方向の側、位置R1の側)の方が、陽極側(図中矢印+方向の側、位置R7の側)の方よりも放射線強度が大きくなる非対称な強度分布を生じさせる。なお、放射中心軸Crは上記陰極側と陽極側の境界に位置している。
ここで、位置R7に到達する放射線は、位置R1に到達する放射線よりも管球ターゲットTr内を通過するときの距離が長く放射線の吸収が大きくなるため、上記位置R1に到達する放射線よりも大きな放射線強度の減衰を示す。
なお、ヒール効果による放射線の照射ムラの大きさは、例えば、照射ムラの検出対象となる範囲が検出面Sr上の位置R1からR7に亘る範囲であるときには、位置R1と位置R7との放射線強度の差(値95−値31=値64)として定めることができる。
<管球の焦点サイズの違いによる撮影可能範囲の差について>
図4は、横軸Rに放射線を検出する検出面上の位置、縦軸Eに検出された放射線の強度を示す座標軸上に、管球の焦点サイズの違いに起因したヒール効果による放射線の照射ムラの大きさの差を示した図である。なお、上記と同様に放射中心軸Crにおける放射線の強度を値100として各位置における放射線強度を示している。
図4に示すように、焦点サイズが大きい管球Kbから発せられる放射線の照射を受けた陽極側(図中矢印+方向の側)の領域における放射線強度の減衰は、焦点サイズが小さい管球Ksから発せられる放射線の照射を受けた陽極側(図中矢印+方向の側)の領域における放射線強度の減衰よりも小さい。一方、陰極側(図中矢印+方向の側)の領域においては焦点サイズの違いにかかわらず放射線強度は略一定である。すなわち、焦点サイズが大きい管球Kbの照射ムラは、焦点サイズが小さい管球Ksの照射ムラよりも小さい。
したがって、撮影条件である管球の焦点サイズに関し、管球の焦点サイズが小さいほどヒール効果による放射線の照射ムラが大きくなるので、撮影可能幅取得部84は、管球の焦点サイズが小さいほど撮影可能幅を小さく定める。
<管球ターゲットの材質の違いによる撮影可能範囲の差について>
図5は、横軸Rに放射線を検出する検出面上の位置、縦軸Eに検出された放射線の強度を示す座標軸上に、管球ターゲットの材質の違いに起因したヒール効果による放射線の照射ムラの大きさの差を示した図である。なお、図5は上記と同様に放射中心軸Crにおける放射線の強度を値100として各位置における放射線強度を示している。
図示のように、モリブデン材料を管球ターゲットに用いた放射線源から発せられる放射線の陽極側(図中矢印+方向の側)における放射線強度Moの減衰は、タングステン材料を管球ターゲットに用いた放射線源から発せられる放射線の陽極側(図中矢印+方向の側)における放射線強度Wの減衰よりも大きい。一方、陰極側(図中矢印+方向の側)においては管球ターゲットの違いにかかわらず放射線強度は略一定である。
したがって、撮影条件である放射線源の管球ターゲットの材質に関し、陽極側の放射線束を使用するときには、撮影可能幅取得部84は、タングステンを管球ターゲットに適用するときの撮影可能幅の大きさをモリブデンを管球ターゲットに適用するときの撮影可能幅の大きさよりも小さく定める。また、陰極側の放射線束を使用するときには、撮影可能幅取得部84は、タングステンを管球ターゲットに適用するときの撮影可能幅の大きさとモリブデンを管球ターゲットに適用するときの撮影可能幅の大きさとを同等の大きさに定める。
<放射線量の違いによる撮影可能範囲の差について>
撮影条件である放射線源から発せられる放射線の線量に関し、放射線の線量が大きいほどヒール効果による放射線の照射ムラの大きさが大きいので、撮影可能幅取得部84は、放射線の線量が大きいほど撮影可能幅を小さく定める。
すなわち、例えば管電圧が変化して放射線源から発せられる放射線の線量の大きさが変動しても、この放射線を放射線検出器で検出したときの放射線強度分布は殆ど変動しない。しかしながら、このような線量の異なる放射線を用いて得られた2種類の画像を目視で比較したときには、線量の大きな放射線の照射を受けて得られた画像のコントラストは高くなり、線量の小さな放射線の照射を受けて得られた画像のコントラストは上記大きな線量を受けて得られた画像のコントラストよりも低くなる。そのため、撮影可能幅取得部84は、放射線源から発せられる放射線の線量が大きいほど撮影可能幅を小さく定める。
<撮影距離の違いによる撮影可能範囲の差について>
撮影条件である撮影距離に関し、撮影可能幅取得部84は、撮影距離が小さいほど撮影可能幅を小さく、撮影距離が大きいほど撮影可能幅を大きく定める。
次に、上記放射線画像撮影装置100の作用について説明する。
ここでは、はじめに、放射線源10の管球10Kから発せられる放射線の放射中心軸Crが、各放射線撮影の際の長尺方向における撮影幅の中心を通るように、管球10Kの向き、すなわち管球10Kから発せられる放射線束φHの向きを定めて放射線撮影を行う場合について説明する。そして、後半において、ヒール効果による照射ムラの大きさが小さくなるように、上記放射中心軸Crの通る位置を、各放射線撮影の際の長尺方向における撮影幅の中心から外すように、管球10Kの向き、すなわち管球10Kから発せられる放射線束φHの向きの定める場合について説明する。
<放射線撮影の初期設定>
コンソール70には、標準的な長尺の放射線画像を取得するための初期設定が予め記憶されている。この初期設定は3回の放射線撮影により長尺の放射線画像を取得するものであり、放射線源10の管球10Kから発せられる放射線の放射中心軸Crが、各放射線撮影の際の長尺方向における撮影幅の中心を通るように、管球10Kの向き定めて放射線撮影を行うものである。
すなわち、この初期設定では、各放射線撮影の際の長尺方向における撮影幅の範囲内において陰極側の放射線束の照射幅が陽極側の放射線束の照射幅と一致するように、管球10Kの向き定めて放射線撮影を行うものである。
<ヒール効果による照射ムラの大きさの変動を考慮した放射線撮影>
コンソール70を操作して、被写体Mに関する情報である被写体情報や長尺の放射線画像を得る放射線撮影における撮影条件等の入力が行われる。コンソール70に入力された被写体情報や撮影条件等は、撮影条件取得部82や長尺撮影制御部88に転送され入力される。
撮影可能幅取得部84は、撮影条件取得部82が取得した上記撮影条件を用い、放射線源10から発せられる放射線を放射線検出面16へ照射するときのヒール効果による放射線の照射ムラの大きさを考慮した長尺方向の撮影可能幅を求める。
より詳しくは、撮影可能幅取得部84は、上記撮影条件下での順次放射線撮影によって得られる長尺の放射線画像について、この長尺の放射線画像を構成する各画像間の繋ぎ目(境界)にヒール効果による濃度段差が現われないようにするための、各放射線撮影毎の長尺方向の撮影可能幅を上記撮影条件から求める。
すなわち、上記撮影条件下での順次放射線撮影によって得られる長尺の放射線画像について、この長尺の放射線画像を構成する各画像間の繋ぎ目(境界)に生じるヒール効果による濃度差が所定以下となるように(目立たないように)、各放射線撮影毎の長尺方向の撮影可能幅を上記撮影条件から求める。
割付部86は、入力された、撮影可能幅取得部84で求められた撮影可能幅を示す情報に基づいて、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅が撮影可能幅以下となるように、放射線撮影の撮影対象とする被写体M中の複数の領域M1、M2、・・・の割り付けを行う。
撮影可能幅取得部84は、上記入力された撮影条件下において管球K10から発せられ被写体M中の各領域に照射される放射線の照射ムラが、上記濃度段差を目立たなくする所定以下の大きさとなるように、各放射線撮影における撮影幅を定める。
ここでは、撮影可能幅取得部84が定めた長尺方向の撮影可能幅が、初期設定のときの長尺方向の撮影可能幅よりも小さくなるので。割付部86は、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅を小さくして4回の放射線撮影により長尺の放射線画像が得られるように被写体M中の各領域に対応する撮影領域の割付け(フレーム割付け)を行うものとする。
長尺撮影制御部88は、割付部86で作成された割付データを入力し、4回の放射線撮影により長尺の放射線画像が得られるように、各放射線撮影における長尺方向の撮影幅や撮影位置を定めるように、各放射線撮影毎の放射線源10および管球10Kの配置、および放射線像検出器15の位置等を制御する。
より具体的には、長尺撮影制御部88は、コンソール70や割付部86から、4回の放射線撮影により長尺の放射線画像を得るときの、長尺方向の撮影幅や撮影位置、撮影領域の割付け、各放射線撮影における陰極側の放射線束と陽極側の放射線束の比率等を入力し、検出器移動部20、線源配置部25、管球首振部19、および画像合成部35等を制御する。
この長尺撮影制御部88の制御によって得られた、被写体M中の各領域M1.M2・・・を示す各画像、および長尺撮影制御部88から出力された上記放射線撮影に関する情報が画像合成部35に入力され、画像合成部35が各画像を合成して長尺の放射線画像を形成する。画像合成部35が合成した長尺の放射線画像は表示器60に表示される。
また、撮影可能幅取得部84によって求められる長尺方向の撮影可能幅については、いくつかの撮影条件下での放射線撮影で得られた画像データ(ヒール効果によって生じた濃度分布を示す画像データ)を保存しておき、これらの画像データを用いて求めるようにしてもよい。例えば、撮影対象とする物体が無い場合に得られる素抜け画像の濃度分布を示す情報を種々の撮影条件下で取得し保存しておき、実際に順次放射線撮影を行って得られるであろう複数の画像中における素抜け画像となる部位(撮影対象とする物体がない画像部位)を対象として、画像の繋ぎ目(画像の境界)を間に挟んで隣り合う画素値のJND値(Just Noticeable Difference index)の差の値が一定値以下となる長尺方向の幅を撮影可能幅として求めるようにしてもよい。ここで、「ある一定値以下」とは、2つの画像の繋ぎ目を間に挟んで隣り合う画素値のJND値の差の値が、例えば0.01以内に収まるように設定することが考えられる。
例えば、管球ターゲットの材質にRe−W(タングステンにレニウムをドープした合金)を用い、管球から発せられる放射線の広がり角(管球の焦点サイズ)を12度とし、撮影距離100cmのときの撮影可能幅を20cm(撮影距離120cmのときには撮影可能幅を30cm)に定めて各放射線撮影を行うことにより、ヒール効果による照射ムラを所望のレベル以下に抑えることができる。
<長尺の放射線撮影における照射ムラについて>
以下、長尺の放射線撮影を行うときのヒール効果による放射線の照射ムラについて説明する。なお、ここでは、放射線透過率が100%の透明な被写体を通して各放射線撮影を行う場合について説明する。
図6は、縦軸Eに放射線強度、横軸Yに長尺方向の位置を示す座標上に4回の放射線撮影で長尺の放射線画像を得るときに被写体全体に照射される放射線の強度分布f1を示す図である。この図は、上記撮影条件の変更に応じて4回の放射線撮影で長尺の放射線画像を得るときの放射線の照射ムラを示すものである。
図7は、縦軸Eに放射線強度、横軸Yに長尺方向の位置を示す座標上に3回の放射線撮影で長尺の放射線画像を得るときに被写体全体に照射される放射線の強度分布f2を示す図である。この図7は、上記撮影条件の変更によりヒール効果による放射線の照射ムラが上記初期設定における照射ムラより大きくなったにもかかわらず、初期設定と同じ3回の放射線撮影で長尺の放射線画像を得ようとしたときの放射線の照射ムラを示すものである。
図8は、縦軸Eに放射線強度、横軸Yに長尺方向の位置を示す座標上に1回の放射線撮影で放射線検出面上に照射される放射線の強度分布feを示す図である。この図は、1回の撮影で照射される放射線の強度分布fe中の使用範囲の設定に応じて放射線の照射ムラの大きさが変化する様子、すなわち各放射線撮影を行うときの撮影幅に応じて放射線の照射ムラの大きさが変動する様子を示すものである。
図7に示すように、3回の放射線撮影での各画像部分G2(後述の図9参照)の取得に用いられる放射線の強度分布は各撮影において略一致しており、ヒール効果による放射線強度分布の非対称性により各画像部分G2の繋ぎ目(境界)に対応する放射線の検出位置K2において強度分布の段差(強度分布の段差の大きさδ2)が生じている。
一方、図6に示すように、4回の放射線撮影での各画像部分G1(後述の図9参照)の取得に用いられる各放射線強度分布も各撮影において略一致しており、ヒール効果による放射線強度分布の非対称性により各画像部分G1の繋ぎ目(境界)に対応する放射線の検出位置K1において強度分布の段差(強度分布の段差の大きさδ1)が僅かに生じている。すなわち、4回の放射線撮影で長尺の放射線画像を得るときに各撮影領域に照射される放射線の強度分布f1中に生じる段差の大きさδ1は、3回の放射線撮影で長尺の放射線画像を得るときに各撮影領域に照射される放射線の強度分布f2中に生じるの段差の大きさδ2よりも小さい(δ1<δ2)。
図8に示すように、上記4回の各放射線撮影毎に放射線源から発せられる放射線と、3回の各放射線撮影毎に放射線源から発せられる放射線とは、両方共に放射線の強度分布feを示す放射線中の一部の領域を使用したものであるが、画像部分(G1、G2)を得るために使用する放射線の強度分布fe中の領域の変更により、ヒール効果による放射線の照射ムラの大きさが変動している。
すなわち、3回の各放射線撮影で使用される放射線強度分布fe中の領域は図中符号W1で示す領域であり、ヒール効果による放射線の照射ムラの大きさはこの領域W1の両端における放射線強度の差の値α1で示される。一方、4回の各放射線撮影で用いられる放射線強度分布fe中の領域は図中符号W2で示すように上記範囲W1より幅の狭い範囲であり、照射ムラの大きさはこの領域W2の両端における放射線強度の差の値α2(α2<α1)で示される。
図9は、4回の放射線撮影で得た長尺の放射線画像と3回の放射線撮影で得た長尺の放射線画像とを比較した様子を示す図である。
図9に示すように、4回の放射線撮影によって得られた幅の狭い4つの画像部分を合成して得た長尺の放射線画像GG1の方が、3回の放射線撮影によって得られた幅の広い3つの画像部分を合成して得られた長尺の放射線画像GG2よりも、隣接する画像部分の繋ぎ目(境界)に生じる濃度段差を小さくすることができる。
なお、図8を参照した上記説明において、放射線撮影で使用する放射線強度分布fe中の領域W1を小さくして領域W2とすることにより(すなわち、長尺方向の撮影幅を小さくすることにより)、ヒール効果による放射線の照射ムラの大きさを小さく(α2<α1)できることを示した。しかしながら、放射線撮影で使用する放射線強度分布fe中の領域の大きさが一致していても(すなわち、長尺方向の撮影幅が一致していても)、放射線強度分布fe中の変動がより少ない領域、例えば領域W3を使用した方が、放射線の照射ムラの大きさをさらに小さく(α3<α2<α1)することができる。ただし、このような場合には、放射中心軸Crの位置は、各放射線撮影の撮影幅の範囲の長尺方向における中心から外れた領域に位置するように、すなわち、各放射線撮影の撮影幅の中心から外れた位置に位置することになる。
より詳しくは、放射線束中の領域W3は、陰極側の放射線束の照射範囲が陽極側の放射線束の照射範囲よりも大きくなるように定めたものであり、陰極側の放射線束の照射範囲を陽極側の放射線束の照射範囲よりも大きくするほど、領域W3におけるヒール効果による放射線の照射ムラを小さくすることができる。
このように、長尺の放射線画像を構成する画像部分の繋ぎ目を目立たなくするには、各放射線撮影の撮影幅の範囲内において、陰極側の放射線束の照射範囲が陽極側の放射線束の照射範囲よりもより大きくなるように管球10Kの向きを定めて各放射線撮影が行われるようにすることが望ましい。
すなわち、放射線画像撮影装置100によって長尺の放射線画像を得る放射線撮影を行う際には、撮影条件取得部82、撮影可能幅取得部84、割付部86、および長尺撮影制御部88等による各動作が、各放射線撮影において放射線が照射される被写体M中の各領域M1,M2・・・は、陰極側の放射線束の照射範囲が陽極側の放射線束の照射範囲よりも大きくなるように管球10Kの向きを定めることを前提とすることが望ましい。
なお、陰極側の放射線束の照射範囲と陽極側の放射線束の照射範囲の比率は、例えば、陰極側の放射線束の比率が最大となるようにコントローラ70が自動的に定めるようにしてもよいし、その比率を操作者がコントローラ70へ入力するようにしてもよい。
以下、陰極側の放射線束の照射範囲と陽極側の放射線束の照射範囲との比率が等しい場合と、陰極側の放射線束の照射範囲が陽極側の放射線束の照射範囲よりも大きくなるように設定した場合とについて比較する。
図10Aは放射中心軸を検出面に対して直交させた状態で管球から発せられた放射線束を検出したときの強度分布を示す図である。すなわち、図10Aは、放射中心軸Crの位置を放射線像検出器15の検出面Srの幅の中心に位置させるようにして管球10Kから放射線束φHを照射したときの様子を示す図である。
図10Bは放射中心軸を検出面に対して傾斜させた状態で管球から発せられた放射線束を検出したときの強度分布を示す図である。すなわち、図10Bは、放射中心軸Crの位置を放射線像検出器15の検出面Srの幅の中心から外れた位置に位置させるように管球10Kの向きを変更して放射線束φHを照射したときの様子を示す図であり、放射線撮影の撮影幅の範囲内において、陰極側の放射線束の照射範囲が陽極側の放射線束の照射範囲よりも大きくなるように放射中心軸Crを位置させたときの様子を示す図である。
図10A、10B中の下部の図は、放射線源10の管球10Kから発せられた放射線束φHが、放射線像検出器15の検出面Srに沿った(放射線像検出器15の移動方向に沿った)領域SSr上に照射される様子を示している。
図10A、10B中の上部のグラフは、横軸Rに放射線像検出器15の検出面Srに沿った領域SSr上の位置、縦軸Eに領域SSr上に照射された放射線の強度を示す座標軸上に、管球10Kから発せられ領域SSr上に照射された放射線束φHの強度分布feを示す図である。
ここで、図10A、10Bそれぞれについて、下部に示す領域SSr上における放射線束φHの照射される領域SSr上の位置は、図10A、10B中の上部のグラフに示す強度分布feにおける横軸R上の位置と対応している。
図10Aに示すように、放射中心軸Crを放射線像検出器15の検出面Srの幅の中心に位置させて放射線束φHを領域SSr上に照射すると、放射線像検出器15の検出面Srには放射線束φHの一部分である放射線束部分φHApが照射される。この放射線束部分φHApにおける放射線の強度分布はヒール効果の影響により一定ではなく、図10Aに示すように偏っている。すなわち、検出面Srの中心(放射中心軸Cr)から陰極側では放射線束の強度分布は略一定であるが、検出面Srの中心(放射中心軸Cr)から陽極側に離れるにしたがって放射線束の強度は単調減少している。
一方、図10Bに示すように、放射中心軸Crの位置を放射線像検出器15の検出面Srの幅の中心から陽極側に外すようにして放射線束φHを検出面Srに沿った領域SSr上に照射すると、検出面Srには放射線束φH中の陰極側の部分である放射線束部分φHBpが照射される。この放射線束部分φHBpにおける放射線の強度分布は、ヒール効果の影響が少ない陰極側に属する放射線束を多く含むので略一定となる。すなわち、管球の陽極側に生じる放射線よりも陰極側に生じる放射線を多く含む放射線束部分φHBpの方が、管球の陽極側に生じる放射線と陰極側に生じる放射線とを等しく含む放射線束部分φHApよりもヒール効果の影響が少ない。
管球首振部19によって管球10Kの向きを変更し、管球10Kから発せられる放射線束φHのうちのヒール効果による照射ムラの小さい放射線束部分φHBpを検出面SSrに照射することができるので、各放射線撮影において被写体M中の各領域へ放射線束部分φHBpを照射することを前提にして撮影幅等を定めることができる。
なお、放射線撮影を行うときには、各放射線撮影で撮影対象とする上記撮影幅に対応する被写体M中の領域以外の領域が被爆しないように、不要な放射線を放射線源10の有するコリメータ12で遮断することが望ましい。
また、被写体M中の各領域を表す互に隣接する画像部分が、被写体M中の同一領域を互に共有するように、上記撮影幅を定めることが望ましい。すなわち、互に隣接する画像部分中の一部が重複するようにして(糊代領域を確保するようにして)各画像部分を得ることにより、複数の画像部分の合成をより容易に行なうことができる。
なお、上記撮影可能幅取得部84は、すでに説明したように、例えば、管球の焦点サイズが小さいほど撮影可能幅を小さく定めるものである。また、陽極側の放射線束を使用する場合には、この撮影可能幅取得部84は、タングステンを管球ターゲットに適用するときの撮影可能幅の大きさを、モリブデンを管球ターゲットに適用するときの撮影可能幅の大きさよりも小さく定める。さらに、撮影可能幅取得部84は、放射線の線量が大きいほど撮影可能幅を小さく定め、撮影距離が小さいほど撮影可能幅を小さく定める。
また、上記実施の形態においては立位で長尺撮影を行う放射線画像撮影装置について説明したが、本発明はこれに限らず臥位で長尺撮影を行う放射線画像撮影装置にも適用できる。
上記のように、本発明によれば、繋ぎ目の濃度段差が目立たない、品質の高い長尺の放射線画像を容易に取得することができる。
10 放射線源
15 放射線像検出器
82 撮影条件取得部
84 撮影可能範囲取得部
86 割付部
M 被写体

Claims (8)

  1. 同一の放射線源と、同一の放射線像検出器とを用いて、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して前記被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影装置であって、
    前記各放射線撮影の撮影条件を取得する撮影条件取得手段と、
    各放射線撮影における前記長尺方向の撮影可能幅を前記撮影条件から求める撮影可能範囲取得手段と、
    各放射線撮影における前記長尺方向の撮影幅が前記撮影可能幅以下となるように、撮影対象とする前記被写体中の複数の領域の割り付けを行う割付手段とを備えたことを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記撮影条件が、撮影距離であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記撮影条件が、放射線源から発せられる放射線の線量であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記撮影条件が、前記放射線源の管球の焦点サイズであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記撮影条件が、前記放射線源の管球ターゲットの材質であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記撮影可能範囲取得手段は、前記放射線源の管球から発せられる放射線束のうちヒール効果による照射ムラの最も小さい放射線束部分が前記被写体中の各領域へ照射されるときの前記撮影可能幅を求めるものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記放射線源の管球の向きを変更するための管球首振手段を備えたものであることを特徴とする請求項6記載の放射線画像撮影装置。
  8. 同一の放射線源と、同一の放射線像検出器とを用いて、被写体中の隣接する複数の領域を順次放射線撮影して得た複数の画像を合成して前記被写体の全体を表す長尺の放射線画像を得る放射線画像撮影方法であって、
    前記放射線撮影の撮影条件を取得し、
    各放射線撮影における前記長尺方向の撮影可能幅を前記撮影条件から求め、
    各放射線撮影における前記長尺方向の撮影幅が前記撮影可能幅以下となるように撮影対象とする前記被写体中の複数の領域の割り付けを行うことを特徴とする放射線画像撮影方法。
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