JP2010094102A - 水中植物定着用ユニットおよび水中植物定着法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリートが有する重量および強度面と特徴を生かしながら、水中植物に悪影響のない特性をコンクリートブロックに付与することによって、水中植物の定着に適したコンクリート製のユニットを得る。
【解決手段】 種苗植え付け部と、この種苗植え付け部を支持するための支持基盤とからなる水中植物定着用ユニットにおいて、植物繊維を配合したモルタルまたはコンクリートの線状体からなり、その線状体同士が部分的に結着し且つ該線状体同士の間に間隙が形成されている立体形状のブロックによって前記の支持基盤を構成し、該線状体の間隙に装填された粉粒物によって前記の種苗植え付け部を構成したことを特徴とする水中植物定着用ユニットである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浮葉植物、抽水植物、あるいは沈水植物のように根が水底にある水生植物(本明細書では、これらの植物を総称して「水中植物」と言う)の定着用ユニットおよびこれを用いた水中植物の定着法に関する。
水中植物の効率的な養・増殖を図るには、種苗の植え付けが効率よく出来るかどうかが鍵となる。水底に種苗を植え付けるには、水流や流砂で種苗が逸失しないように、安定した基盤が必要となり、また、成育においても、根の成長が安定して伸長できなければならない。
従来より、水中植物の増殖を図る様々な試みがなされており、例えばアマモをはじめとする海草類についても、そのモ場の造成は産業上の重要な事業となっている。しかしその事業成果は明確ではない。その原因の一つとして、モ場造成に用いる海草類の増・移植システムが確立されていないことが挙げられる。
海草類の増殖には、栄養株を海底で植栽する方法と、種子を播いて発芽させる方法とが行われている。しかし、前者では十分な根張りが行わる前に、波や流れによって消失することが多く見られ、後者では、発芽したものが魚類などの食害にあうなどして、十分に生長するまでに時間がかかり繁茂しにくいという問題がある。マット状の基盤を用いて海草類の根付けや種子播きを行なうような方法が採用されることが多いが、マット下が還元状態となって硫化水素が発生し、生物の生息環境を悪化させるという問題が付随している。また海草類の増殖には他の漁場との競合で漁具等による人為的な損害も受け易いことも良好なモ場造成の妨げとなっている。
水中植物植栽用のコンクリートブロックを水底に設置し、人工的な管理下で水中植物を成育させる方法も様々に提案されている(例えば特許文献1〜3)。
特開2002−112626号公報 特開2002−330652号公報 特許第3251922号公報
前記の公報類に提案されているように、根部成育のための値付け部をもつコンクリート製の植栽基盤を用いて水中植物を成育させる方法では、コンクリートの重量および強度の利点により水底に安定して設置できるが、反面、コンクリートは保水性を有せずまたアルカリ性であること等から、動植物の生存環境に適応し難いという基本的な問題がある。すなわち、陸上施設でコンクリート基盤に水中植物の種苗を植え、これを水中に運び込み、水中で育った植物の収獲を図るといった一連の作業を行なう場合に、基盤を陸上で取り扱うことが不可欠であるが、コンクリートは保水性を有しないことから陸上にある間に水中植物が枯れたり、コンクリートがアルカリ性であることから水中に設置した基盤に水中生物が寄生するようなことがなく、動植物の自然連鎖が断たれて、十分な生育が図れないといったことが生ずる。
本発明は、このような問題を解決し、コンクリートが有する重量および強度面と特徴を生かしながら、動植物の生存に対して反作用を及ぼさない特性をコンクリートブロックに付与することによって、水中植物の定着に適したコンクリート製のユニットを得ることを目的としたものである。
本発明によれば、種苗植え付け部と、この種苗植え付け部を支持するための支持基盤とからなる水中植物定着用ユニットにおいて、植物繊維を配合したモルタルまたはコンクリートの線状体からなり、その線状体同士が部分的に結着し且つ該線状体同士の間に間隙が形成されている立体形状のブロックによって前記の支持基盤を構成し、該線状体の間隙に装填された粉粒物によって前記の種苗植え付け部を構成したことを特徴とする水中植物定着用ユニットを提供する。このブロックを形成するモルタルまたはコンクリート中への植物繊維の配合量は10Kg/m3以上で、線状体の径が5〜200mmであるのがよく、植物繊維を配合したモルタルまたはコンクリートはMgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを結合材としたものであるのが好ましい。
また、該ブロックの間隙に、水溶性膜状体好ましくは水溶性フイルムや、水溶性糊状物(ジェル)を介在させ、その上または下に前記の粉粒物を載置することによって種苗植え付け部を構成するのが好ましい。支持基盤については、下方ほど縮径した錐体状の外形とすることにより、水底の砂泥質に設置する場合に自然に安定させることができる。
本発明に従う定着用ユニットを用いると、その種苗植え付け部に水中植物の種苗を陸上で植え付け、次いで、これを水底に設置し、該ユニットの支持基盤部分に根部を伸長させながら水中で生育させることができる。そのさい、種苗植え付け部に水中植物の種苗を陸上で植え付けたうえ、その表面を膜状体例えば水溶性フイルムや、糊状物(ジェル)でカバーしながら水底に設置すると、種苗植え付け部の粒状物並びに種苗がユニットから流出するのを防止できる。
本発明によると、水中植物を水底に定着させるのに適したコンクリートのブロックが得られ、このコンクリートブロックは通常のコンクリートブロックと同様の強度を有しながら高い保水性を有するので、陸上と水底間の移動のさいにも、水中植物に対して環境変化が小さくてすみ、しかも、空隙率が大きいので水底への設置作業が簡単に行えるという優れた効果を奏する。このため、アマモ類などの海草類の増・養殖を効率よく実現できるので、モ場造成に大きく貢献することができる。
水中植物の促成・増殖を図ってその養殖効果を高めるには、水中植物の生長挙動に合わせた適切な環境下での移植管理が必要となる。すなわち、水中で発芽→生長→種子生産→発芽と繰り返される水中植物のライフサイクルにおいて、増殖効果を高めるには、水中植物の生育段階と季節とに応じて適切な人工施設に移植したり天然の水底に戻したりする移設処理が欠かせない。水中植物の採種や播種の作業も、これを水中で行うよりは、陸上施設で行う方が作業性がよい。
水中植物の移動には、水中植物を植栽した基盤ごと行うのが合理的である。水中植物の種子を基盤に播種した状態、基盤から発芽した状態、基盤上で成茂した状態など、様々な生育段階であっても、基盤ごとに移動するのが都合がよい。前掲の各種の特許公報にはコンクリート製の水中植物植栽用基盤が種々提案されているが、最も肝要なことは、どの生育段階でも水中植物と共に移動可能であること、そして、それが水中から離れた状態に置かれたときでも、その生育に障害を与えないことである。水中から離れた別環境に置かれるのは短時間であるにしても、大量の養殖では、半日程度となることは覚悟しなければならない。不慮の場合には一層長時間の渇水状態に遭遇する可能性もある。しかも、移動作業並びに撤去・設置作業を考えると、その基盤は強固で半永久的な寿命を有しなければならない。このような要件を全て備えた水中植物用の基盤はこれまでに出現していない。
このような要求を満たす水中植物の定着用基盤として、本発明は、植物繊維を配合した保水性のモルタルまたはコンクリートの線状体からなるブロックであって、該線状体同士が部分的に結着し且つ該線状体同士の間に間隙が形成されている立体形状のブロックを基本材料とする点に特徴がある。このブロックを構成するセメントとして、MgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを用いることができ、これによって生物の生活環境に与える影響も少なくなる。
セメント系モルタルまたはコンクリートに適量の植物繊維を配合すると、硬化した状態では保水機能と強度を具備した硬化体が得られ、未だ固まらない状態では、ノズル口から押し出した場合に、その連続した線状体は線状形状を保持しながら変形できる性質が得られる。すなわち、植物繊維を配合することによってセメントマトリックス中に水が含浸できる硬化体組織が得られると共に、フレッシュ状態では線状体に押し出し成形ができるような粘った混練物を得ることが可能となり、ノズル口から押し出された線状体は変形が自在でありながらその線状の形状を硬化するまで保持し得るので、この線状体を未だ固まらないうちに曲げ絡み合わせると、あたかも即席乾燥麺に見られるような、線状体が捲縮して絡み合った接合組織が得られ、このものは、線状体同士が部分的に結着して硬化しているために適当な間隙をもつ任意形状の立体ブロックとなり得る。
図1は、本発明に従う立体形状のブロックの一つの形状例を示したもので、図2は、図1のX−Y矢視断面を示している。図示のように、植物繊維を配合したセメント系硬化体(モルタルまたはコンクリート)からなる線状体1が曲げ絡み合って立体形状のブロック2を形成している。このブロック2は、硬化した線状体1が部分的に結着し、線状体同士の間に間隙を有した構造を有しており、一見したところ、即席乾燥麺(インスタントラーメン)のような麺の捲縮固化物を拡大したような立体形状を有している。
このようなセメント硬化体のブロック2を作成するには、例えば図3に示したように、植物繊維配合の未だ固まらないモルタルまたはコンクリート3(以下これを略して“植物繊維入り生モルタル”と呼ぶ)の混練物をグラウトポンプ4でノズル5に圧送することにより、ノズル5から植物繊維入り生モルタルの連続した線状体として押し出し、これを型枠6内に曲げ絡み合わせながら打設する。そのさい、植物繊維を適量配合し且つ水セメント比および単位水量を調節すると、ノズル5から押し出された生モルタルの線状体は直角はもとより180o近く曲げても破断することなく、くねくねと自在に曲がる。植物繊維を配合しない場合には、そのような性質を具備させることは困難で、形状保持力をもつような硬練として線状体に押し出した場合には、曲げるとすぐに折れてしまう。
前記の図例では、型枠内に打設するさいに、作業員がノズルを前後・左右に移動させることによって、網の目状のものが積層した立体構造を形成する例を示したが、これを機械化して行なうことも勿論可能である。また、立体形状は、この例に限らず、線状体が部分的に結着し且つ線状体の間には所定の間隙が形成されているのであれば、あらゆる形状のものが可能である。例えば側面が3面体、4面体、5面体、6面体その他の多面体からなる多角形状の立体ブロック、或いは側面が円筒や楕円筒からなる円筒形状等の様々な形状の立体ブロックを作り出すことができる。
ノズルから押し出す生モルタルの線状体の径については、直径が5〜30mm、好ましくは5〜20mm、さらに好ましくは10〜15mmのものが取り扱いやすい。植物繊維入り生モルタルの配合については後述するが、使用する植物繊維としては、長さが2〜12mm、径が0.1〜1.0mm程度のものが好適であり、配合量としては、植物繊維の種類によってその適正な範囲は異なるが、10〜80Kg/m3好ましくは20〜60Kg/m3の範囲とするのがよく、植物繊維の配合量が多いほど硬化した線状体の湿潤性能(保水性能)および生モルタルの線状体の変形性能が高まる。しかし、あまり多いと、骨材表面が植物繊維で覆われるところが増え、骨材・セメント間の接合強度を低下させることにもなるので、80Kg/m3以下、好ましくは60Kg/m3以下とするのがよい。練り混ぜに際しては、セメントペーストに植物繊維を先練りし、この植物繊維入りセメントペーストを骨材と混り混ぜる方法が好ましい。
植物繊維の使用にあたっては、その乾燥体をよくほぐした状態で使用するのがよい。植物繊維の性質上、その繊維一本一本の径や長さ、さらには表面状態や形状(針状か板状かなど)はランダムであるが、要するところ、その植物繊維の性質に応じてコンクリート中によく分散できるような寸法形状とすればよい。綿や麻を用いる場合には、長さがほぼ2〜12mmで、径がほぼ0.2〜0.7mm程度のものを練り混ぜ中の材料に少しずつ投入して分散させればよい。そのさい、水を混入する前の空練りを60秒以上行うことが好ましい。
コンクリート用分散剤を使用して植物繊維の分散を促進させることも好ましい。使用できる分散剤には各種のものがあるが、例えば高性能減水剤(商品名レオビルド8000ESなど)が挙げられる。また、必要に応じて水溶性高分子等の増粘剤を使用することができる。
使用するセメントとしては普通セメントが使用できるが、低pHセメントを使用すると、低pHの植物繊維入り生モルタルが得られ、低pHの本発明に従う二枚貝保護用ブロック基材を作ることができる。低pHセメントとしては、MgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを使用できる。このような低pHセメントとしては、例えば特開2001−200252号公報に記載された軽焼マグネシアを主成分とする土壌硬化剤組成物が挙げられる。またこれに相当する低pHセメントは商品名マグホワイトとして市場で入手できる。さらに、セメントの一部を、必要に応じて高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒュームなどで置換することもできる。
骨材成分としては通常の細骨材および粗骨材を使用できるが、粗骨材を使用する場合には最大寸法がノズル口径より小さいものを使用する必要がある。骨材を使用する場合には最大寸法5mm以下とするのがよい。細骨材としては通常の川砂のほか、土質成分のもの例えば火山灰土、黒土等を使用可能である。また、石灰石粉等の微粉末を配合することもできる。さらに軽量細骨材を使用することもできる。
植物繊維を15Kg/m3以上、好ましくは20Kg/m3以上配合し、水セメント比を従来のポーラスコンクリートの場合と同等もしくはこれよりも高くして(例えばポーラスコンクリートでは水セメントが25〜35%程度である)練り混ぜると、スランプ値は高くても1.0cmまでの混練物が得られ、その硬化体は、透水係数が 1.0〜3.0 cm/secで、単位吸水率が10〜40%の保水性コンクリート(モルタル)を得ることができる。したがって、該混練物をノズルから押し出し、曲げ絡み合わせて立体形状となし、これを硬化してなる本発明のブロックは、単位吸水率が10〜40%の保水性を示す硬化した線状体からなる。このため、線状体そのものが保水性を示すので、生物生活用基材として非常に好適な材料である。
さらに、本発明に従うブロックは、圧縮強度250〜330kgf/cm2、曲げ強度40〜50kgf/cm2を示す硬化体製品となり得る。すなわち、普通コンクリートまたはモルタルと同等の強度特性を得ることか可能である。そして、図1に示したように、硬化した線状体1は曲げ絡み合って部分的に結着した構造の立体形状を有するので、線状体1の間には多くの隙間を有している。この間隙の容積を間隙率として表すと、この間隙率は線状体1の曲げ絡み合いの程度を調節することによって自由に制御ができ、例えば間隙率20〜80%のブロック、好ましくは間隙率30〜60%のブロックとすることができる。
図1の例では、ブロック2の間隙は上面側ではやや大きくし、下面側では小さくなるように意図的に間隙率を変えてある。すなわち、図2の断面に見られるように、上面側では、線状体1同士の間隔を広くとって、その間の空隙を下方のものより大きくしてあり、この比較的大きな上面側の間隙を種子植え付け用の空間に利用する。その状態を図4に示した。
図4は、上面側の間隙に粒状物7を装填し、この粒状物7内に水中植物の種子8を埋めた状態を示している。すなわち、上面側の間隙に装填された粒状物7が水中植物の種苗植え付け部を構成している。すなわち、ブロック2の上面側の空隙が種苗植え付け部9に利用され、この種苗植え付け部9より下方のブロック部分は、間隙を有したままの状態で、種苗植え付け部9を支持するための支持基盤10を構成している。
間隙に装填する粒状物7は、定着させる水中植物に適した土質のものを利用するが、通常はその水中植物が成育する原位置の砂泥材料と同じものを使用することができる。図4の例では、上面側の間隙が比較的大きい(通常は20〜100mmの幅をもつ間隙を形成する)ので、粒状物7を間隙内に安定して装填できるように、膜状体として水溶性フイルム11を間隙内に施設したうえで、粒状物7を装填してある。すなわち、図5に示したように、線状体1の間に形成される間隙に水溶性フイルム11を、その間隙の底部が塞がるように曲げて敷き、この水溶性フイルム11によって形成された容器形状の空間に粒状物7を充填する。
このようにして形成される種苗植え付け部9は、下方の支持基盤10の上方に形成されるが、支持基盤10の部分の空隙に対しては、粒状物を充填しても、しなくてもよい。通常は、粒状物を無充填のままとして種子植え付け部9だけに粒状物7を充填し、この状態で水中に設置することができる。水中への設置にあたっては、水底に達するまでに粒状物7や種子8が流出することもあるので、種苗植え付け部9の表面を膜状体としての水溶性フイルムのカバー12を用いて覆いながら水底に設置するのが好ましい。水溶性フイルム11や水溶性フイルムのカバー12に代えて、水溶性の糊状物(ジェル)を用いることもできる。
空隙内に敷設したり、表面を覆ったりする水溶性のフイルムとしては、数日ないし数週間で水に溶出するような水溶性樹脂からなる環境に無害のものを使用するのがよい。PVAやPVP等のビニル系、ポリアクリル酸NaやMA等のアクリル系、PAA等のアミド系等の各種の合成高分子からなる水溶性のフイルム、デンプン系やセルロース系などの半合成高分子からなる水溶性のフイルム、さらには各種の動物系または植物系などの天然高分子からなる水溶性のフイルムが市場で入手し得るが、これらのうち、数日から数週間で水に溶出するもので且つ生態系に影響を与えないものであれば、本発明に好適に使用できる。
これらのフイルムに代えて糊状物を用いる場合には、水溶性の糊状(ジェル)の高分子水溶液を、ブロック2の間隙や種苗植え付け部9に塗布・乾燥して皮膜とすることにより、水溶性フイルム11やカバー12と同様の水溶性膜状体を形成することができる。このような糊状の高分子水溶液としては、例えば水70〜98重量%に対してポリビニールアルコール(PVA)などのポリマー5〜30重量%を溶解させてなるものがある。ポリマーとしてはPVAに限られず、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアセテートなどの一種または二種以上を使用できる。高分子水溶液の塗布は吹き付け等により行い、一層だけでなく、二度塗り、三度塗りと繰り返して複数層に仕上げてもよい。
図6は、本発明に従う水中植物定着ユニットを用いて、水底に水中植物を定着させる場合の作業手順の例を示したものである。図示のように、まず陸上の施設において、本発明に従うユニット10の種苗植え付け部9に種苗14を植え付け、そのあと、その表面を水溶性フイルム(または糊状物の皮膜)12で覆う。この状態で設置現場に運んで水底15に設置し、水底15に設置したあとは、必要に応じて水溶性フイルム(または皮膜)12を剥がし取る。水流があるところでは水溶性フイルム(または皮膜)12をそのまま付けておき、自然に溶解させる。
水底15にユニット13を設置するさいに、ユニット13の支持基盤10の部分は空隙をもつ線状体のままとしておいても、その線状体の間隙に水底15の泥状物が自然に入り込む。そして、種苗植え付け部を形成するのに使用した水溶性フイルム(または糊状物の皮膜)11はやがて溶解するが、支持基盤10に入り込んだ泥状物と種苗植え付け部の粒状物は一体化するので、水溶性フイルム(または皮膜)11が溶解しても特に支障はない。支持基盤10内に入り込んだ泥状物およびこれと一体化した種苗植え付け部の粒状物は、水中植物の根部を伸長させ且つ根部に養分を補給する基地になると共に、貝や海老その他の水中動物が生活できる生活圏にもなる。
図7は、本発明に従うユニットの種苗植え付け部9に水中植物の苗16を植える場合の一例を示したものである。図示の例では、苗16の基部を、苗の支柱となる線状体の狭い隙間に差し込み、且つストッパー17を用いて根部18が該隙間から抜けないように固定している。ストッパー17は、紙や布または合成樹脂や木材などを用いたスリットをもつ小片であり、そのスリット部分に根部17を差し込んで植え付け、且つこのストッパー17を支柱となる線状体の隙間の下部に位置せしめることによって、苗の抜け出しが抑制される。このようにして、種苗植え付け部9に苗16を植え付けたあとは、その上部を、必要に応じて前述のように水溶性フイルムでカバーして水底に設置する。
図8は、種苗植え付け部9の下方に逆錐状の支持基盤10’を設けた本発明に従う水中植物定着用ユニットの例を示したものである。種苗植え付け部9は実際には前例と同様に種苗を植えるための線状体1の間隙に粒状物を装填することによって構成されるが、図では粒状物は省略してある。支持基盤10’は前記のとおり線状体1が間隙をもって部分的に結着した状態で形成されているが、その外形が全体として下方にゆくほど縮径した逆錐状を有している。このような逆錐状の外形をもつ支持基盤10’を設けておくと、これを水底に設置する作業が非常に楽になる。その状態を図9に示した。
図9の(a)は図8のユニットに種苗を植えたものを、水底15に設置する直前の状態を示している。本来ならば、水底15にユニットを設置ために適切な穴を掘り、その穴にユニットを据えることが必要となるが、本発明のユニット19では支持基盤10' が逆錐状で且つ空隙率が30〜60%の空隙の多い形態を有しているので、水底15にユニットを置いたうえ、図9の(b)に示すように、揺すりながら押し込むと、水底15の砂泥質が支持基盤10' の空隙に入り込みながら簡単に下降してゆき、図9の(c)のようにユニット19を水底15に安定して設置することができる。また、無理に押し込まなくても、水底に置いておくだけでも自然に水底に沈み、適当な深さのところで安定する。このようにして、支持基盤が水底の砂泥に埋まると、この支持基盤の空隙には砂泥中の各種の生物が入り込み、種苗植え付け部から張り出してくる根部と共に動植物の生活域が形成される。
図8〜9のユニットは、支持基盤の錐の形状が円錐の例であるが、特に円錐である必要はなく、要するところ、下方にゆくほど縮径した形状であればよく、多角錐や楕円錐など各種の錐形状とすることができる。支持基盤内に形成されている空隙は、直径10〜30mm程度の小空間の集合であるのが好ましい。
本発明に従う立体形状のブロックを作るための、代表的な植物繊維入り生モルタルの材料配合例を挙げると、例えば、
低pHセメント(商品名マグホワイト):500Kg/m3±50Kg/m3
黒土 :500Kg/m3±50Kg/m3
砂 :400Kg/m3±40Kg/m3
水 :420Kg/m3±40Kg/m3
植物繊維(綿の場合) :20Kg/m3±5Kg/m3
混和剤として、
ソイルセメント用混和剤(商品名レオソイル100A):5Kg/m3±1Kg/m3
ソイルセメント用混和剤(商品名レオソイル100B):3Kg/m3±1Kg/m3
を例示できる。これによって例えば気乾比重=1.5±0.2、湿潤比重=2.1±0.2の硬化体とすることができる。この硬化体(立体形状のブロックを作成するための線状体)は、例えば圧縮強度300kgf/cm2 ±50kg/m3、曲げ強度45kgf/cm2±10kg/m3で、単位吸水率が30%±10%程度の保水性を示す硬化体となる。
本発明に従う立体形状のブロックの一例を示す略平面図である。 図1のX−Y矢視断面図である。 本発明に従う植物繊維入り生モルタルの線状体を型枠内に装填する例を示す略図である。 本発明の立体形状のブロックの空隙に粒状物を充填して種苗植え付け部を形成する例を示す該ブロックの略断面図である。 図4の種苗植え付け部に用いる水溶性フイルムを示す部分斜視図である。 種苗を植えた本発明に従うユニットを水底に定着させる状態を示す略断面図である。 本発明の種苗植え付け部に水中植物の苗を植える例を示す略断面図である。 種苗植え付け部の下方の支持基盤が逆錐状である本発明のユニットの例を示す斜視図である。 図8のユニットを水底に設置する状態を示す略断面図である。
符号の説明
1 植物繊維配合のセメント系硬化体からなる線状体
2 立体形状のブロック
3 植物繊維入り生モルタル
4 グラウトポンプ
5 ノズル
6 型枠
7 粒状物
8 水中植物の種子
9 種苗植え付け部分
10 支持基盤部分
11 水溶性フイルム(または糊状物の皮膜)
12 水溶性フイルム(または糊状物の皮膜)のカバー
13 本発明のユニット
14 水中植物の種子
15 水底
16 水中植物の苗
17 ストッパー
18 根部
19 逆錐部をもつユニット

Claims (7)

  1. 種苗植え付け部と、この種苗植え付け部を支持するための支持基盤とからなる水中植物定着用ユニットにおいて、植物繊維を配合したモルタルまたはコンクリートの線状体からなり、その線状体同士が部分的に結着し且つ該線状体同士の間に間隙が形成されている立体形状のブロックによって前記の支持基盤を構成し、該線状体の間隙に装填された粉粒物によって前記の種苗植え付け部を構成したことを特徴とする水中植物定着用ユニット。
  2. モルタルまたはコンクリート中への植物繊維の配合量が10Kg/m3以上で、線状体の径が5〜200mmである請求項1に記載の水中植物定着用ユニット。
  3. 植物繊維を配合したモルタルまたはコンクリートはMgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを結合材としたものである請求項1または2に記載の水中植物定着用ユニット。
  4. 該ブロックの間隙に水溶性膜状体または糊状物(ジェル)が介在され、その上または下に該粉粒物が載置される請求項1ないし3のいずれかに記載の水中植物定着用ユニット。
  5. 支持基盤は、下方ほど縮径した錐体状の外形を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の水中植物定着用ユニット。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の定着用ユニットの種苗植え付け部に水中植物の種苗を陸上で植え付け、次いで、これを水底に設置し、該ユニットの支持基盤部分に根部を伸長させながら水中で成育させる水中植物の定着法。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の定着用ユニットの種苗植え付け部に水中植物の種苗を陸上で植え付けたうえ、その表面を水溶性膜状体または糊状物でカバーしながら水底に設置し、該ユニットの支持基盤部分に根部を伸長させながら水中で生育させる水中植物の定着法。
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