JP2010094010A - 振動モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率、高トルクで、かつ、薄くて小型の振動モータを提供する。
【解決手段】外筒1の内周面には永久磁石3が隣同士が互いに異極となるように固着されている。そして、この永久磁石3は、1極当たり60度の範囲を覆うように設定され、周状に6極の固定子4が構成されている。一方、回転軸5には電機子鉄心7が取り付けられ、この電機子鉄心7からは放射状に3本の鉄心7a、7b、7cが突設されて回転子8が形成されている。また、この鉄心7a、7b、7cの先端には、それぞれ対峙する永久磁石3と周方向幅が一致した寸法となるように周方向に拡開された鉄心を有する歯頭部9a、9b、9cが形成されている。鉄心7a、7b、7c同士の間隔はそれぞれの間が80度ずつに設定され、それぞれ巻線11a、11b、11cが同じターン数で捲回されている。
【選択図】図1

Description

本発明は振動モータに係わり、特に高効率、高トルクで、かつ、薄くて小型の振動モータに関する。
従来、携帯電話のマナーモード時に振動を発する小型の振動モータが知られている。この振動モータには、例えば、回転軸の先端にアンバランスな重りを取り付けることでモータ回転時に振動を発するものがある。あるいは、固定子側には軸方向に着磁された複数の永久磁石を備え、一方、回転子側には軸方向に磁束を生ずることでこの永久磁石との間で回転トルクを生ずる電磁石を備え、分銅によりこの回転子のアンバランス化を図ったアキシャルモータが開示されている(特許文献1参照)。
特開2002−28569号公報
ところで、従来の振動モータでは重りの取り付け分だけ軸方向に長くなったり、永久磁石と電磁石とをアキシャル方向に配置した分厚くなるおそれがあった。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、高効率、高トルクで、かつ、薄くて小型の振動モータを提供することを目的とする。
このため本発明(請求項1)は、2n(nは2以上の整数)極となるように永久磁石が周状に配置された固定子と、該永久磁石と同じ弧の角度の歯頭部を有する回転子と、該回転子に径方向の磁束を発生させ、デルタ結線にて接続されるU相、V相、W相の接続端を有する電機子巻線と、該U相、V相、W相の接続端と接続された3n個の整流子と、前記回転子の回転に連れて60/n度毎に永久磁石と歯頭部とが一致した時点で整流子を切り替えるブラシとを備えて構成した。
振動モータは2n極で構成され、3n個の整流子を備える。回転子は永久磁石と同じ弧の角度の歯頭部を有し、また、ブラシが60/n度毎に永久磁石と歯頭部とが一致した時点で整流子を切り替えることで逆トルクを生じ難くできる。このため、高トルク、高効率にできる。
また、本発明(請求項2)は、前記ブラシの一極が、隣接する整流子の間に形成されたギャップに位置されたときに、ブラシの他極が回転軸を挟んで前記ブラシの一極とは180度隔て、かつ前記整流子の配設角の中間に位置されることを特徴とする。
ブラシの一極が、隣接する整流子の間に形成されたギャップに位置されたときに、ブラシの他極が回転軸を挟んでブラシの一極とは180度隔て、かつ整流子の配設角の中間に位置される。また、永久磁石と歯頭部とが丁度一致した時点で整流子を切り替えることにする。このため、永久磁石と電磁石間の吸引力と反発力とが円滑に切り替えられ、最も効率がよい。
以上説明したように本発明によれば、永久磁石と同じ弧の角度の歯頭部を有する回転子を有し、この回転子に径方向の磁束を発生させブラシは60/n度毎に永久磁石と歯頭部とが丁度一致した時点で整流子を切り替えるように構成したので逆トルクを生じ難く、かつ薄くできる。このため、高トルク、高効率で小型にできる。
本発明の実施形態の構成図 UVW接続点間でのデルタ結線 回転角度が0度のときの整流子及びブラシの配置 通電パターン 電流パターン 電流ピーク時の回転角度 有限要素法に基づく解析結果(回転角度に対するトルク特性) 有限要素法に基づく解析結果(トルクの最大値、平均値、最小値、リプル)
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の構成図を図1に示す。図1は6極三相のインナーロータ型の振動モータ10の構成を示し、回転角度が0度の場合を示している。但し、アウターロータであっても同様に構成可能である。図1において、鉄からなる円筒状の外筒1の内周面には永久磁石3が隣同士が互いに異極となるように固着されている。そして、この永久磁石3は、1極当たり60度の範囲を覆うように設定され、周状に6極(3A、3B、3C、3D、3E、3Fの合計6つの永久磁石)の固定子4が構成されている。
一方、回転軸5には電機子鉄心7が取り付けられ、この電機子鉄心7からは放射状に3本の鉄心7a、7b、7cが突設されて回転子8が形成されている。また、この鉄心7a、7b、7cの先端には、それぞれ対峙する永久磁石3と弧の角度が一致するように円弧状の鉄心を有する歯頭部9a、9b、9cが形成されている。即ち、この歯頭部9a、9b、9cの表面の角度も永久磁石3に合わせて60度に設定されている。
鉄心7a、7b、7c同士の間隔はそれぞれの間が80度ずつに設定され、それぞれ巻線11a、11b、11cが図1中に示す方向に同じターン数で捲回されている。そして、接続点Uは巻線11aの巻き始め端、及び巻線11bの巻き始め端とに接続され、接続点Vは巻線11cの巻き始め端、及び巻線11bの巻き終わり端とに接続され、接続点Wは巻線11cの巻き終わり端、及び巻線11aの巻き終わり端とに接続されることで、図2に示すようなUVW接続点間でデルタ結線構成されている。図1中の回転子8の下側には空間が存在するが、この空間には図示しない重りが配設され、この重りは回転子8に対し固着されている。
また、図3に回転角度が0度のときの整流子及びブラシの配置を示すが、この整流子13はUVW相の組み合わせを3組備え、合計9個の整流子13が周状に40度ずつ隔てて配置されている。この整流子13は周状に時計方向にU、V、W、U、V、W・・・のように順に規則的に配置されている。ここに、U相の整流子同士は互いに接続され、接続点Uと結ばれている。V相の整流子同士は互いに接続され、接続点Vと結ばれている。W相の整流子同士は互いに接続され、接続点Wと結ばれている。そして、隣接する整流子13の間には電流切り換えを滑らかにするため筋状のギャップ15が形成されている。ブラシ17は径方向より9.3度程斜めに形成されている。但し、この傾斜の度合いは9.3度に限りものではない。
更に、この図3には、回転角度が0度のときにギャップ15がブラシ17の負極と接触している状態が例示されている。ブラシ17はこのギャップ15の境界においてU相、W相のいずれかと接触している状態に位置されているが、この回転角度0度のときにはわずかにW相に接触している。ブラシ17の大きさは隣接する相間の切り換えが瞬時に行われるようにギャップ15の幅に丁度一致するように設計されている。そして、このブラシ17の負極とは180度隔てた位置にブラシ17の正極が配置されている。回転角度が0度のとき、このブラシ17の正極は、整流子13の周方向幅の丁度中間に位置されており、図3では、整流子13の周方向幅が40度であることから20度の位置に設置されている。
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
回転角度が0度のとき、ブラシ17の正極はV相に接続し、一方、負極はW相に接続している。このブラシ17の正極及び負極間に直流電圧を印加すると、ブラシ17及び整流子13を介して、例えば回転角度が0度のときにはV相からW相に向かって直流電流が流される。このV相とW相とが結ばれる状態は回転角度が0度から20度まで続く。図4にこのときの通電パターンを示す。
このとき、図2に示すように巻線11cと、巻線11a及び巻線11bとが並列に接続された形になるが、それぞれの巻数が同じターン数なので、巻線11cを経るルート(V−W)に比べて巻線11a及び巻線11bの2つが直列されたルート(V−U−W)の方が抵抗値は倍になっている。このため、巻線11cの方が巻線11a及び巻線11bの直列巻線を通る電流の倍流れる。
この間の電流パターンを図5に示す。回転角度が0度から20度でV相からW相に向かって直流電流が流れた場合には、巻線11cには正方向に電流が流れているため、例えば+0.06Aが流れる。また、このときには、巻線11bには負方向に電流が流れ、かつ、電流値も0.06Aの半分が流れるため、−0.03Aが流れることになる。更に、巻線11aには正方向に電流が流れ、かつ、電流値も0.06Aの半分が流れるため、+0.03Aが流れることになる。
次に、回転子8が時計回りに回転角度20度回転したときには、歯頭部9bの幅が丁度永久磁石3Fの幅に一致する。このときに、ブラシ17と接触する整流子13は切り替えられ、ブラシ17の正極はU相に接続が切り替わり、一方、負極はW相にそのまま継続して接続する。U相からW相に向かって電流が流されるときには、巻線11aには正方向に+0.06Aが流れる。また、このときには、巻線11bにも正方向に電流が流れるが、電流値は0.06Aの半分が流れるため、+0.03Aが流れることになる。更に、巻線11cにも正方向に電流が流れ、かつ、電流値が0.06Aの半分が流れるため、+0.03Aが流れることになる。
次に、回転子8が更に時計回りに回転角度20度回転し、合計40度にまで回転したときには、歯頭部9cの幅が丁度永久磁石3Cの幅に一致する。このときに、ブラシ17と接触する整流子13は切り替えられ、ブラシ17の正極はU相にそのまま継続して接続し、一方、負極はV相に接続が切り替わる。U相からV相に向かって電流が流されるときには、巻線11bには正方向に+0.06Aが流れる。また、このときには、巻線11aにも正方向に電流が流れるが、電流値は0.06Aの半分が流れるため、+0.03Aが流れることになる。更に、巻線11cには負方向に電流が流れ、かつ、電流値が0.06Aの半分が流れるため、−0.03Aが流れることになる。回転角度が60度以降も上記と同様に整流子13の切り替えが行われる。
以上の通電パターンを図4に示す通り回転角度20度毎に切り替えることで、振動モータを回転させることができる。歯頭部の幅が丁度永久磁石の幅に一致したときに整流子の切り替えを行うため、逆トルクを生ぜずに効率のよい回転を行うことができる。ちなみに歯頭部の幅が永久磁石の幅に一致しない箇所で整流子の切り替えを行うと逆トルクを生じ、その分効率が悪くなる。
例えば、図3において、ブラシ17をギャップ15の位置ではなく、回転軸を通り図3の紙面において水平な正極及び負極が互いに180度を隔てた位置に配設したと仮定する。この場合、歯頭部の幅が永久磁石の幅に一致する少し手前で整流子が切り替わることになるため、歯頭部の幅が永久磁石の幅に一致するまでの少しの期間逆トルクを生じ、その分効率が悪くなる。
かかる弊害を改善するため、本実施形態では、永久磁石と歯頭部とが丁度一致した時点で整流子を切り替え、図6の断面図に示すように、歯頭部の中間が永久磁石の極間に位置したとき、その鉄心に巻かれた巻線に流す電流がピーク(即ち、波形振幅の中間)になるように電流パターンを決定する(図5の電流パターンを参照)。
次に、本実施形態の振動モータの設計に必要な整流子の個数、切り替えの角度、極数の関係について説明する。今、UVW相の組み合わせをn(n=2、3、4・・・)組み備えるとすると整流子の個数は3nとなる。このときの整流子1個当たりの角度は360度/3nで120度/nとなる。この整流子1個当たりの角度の中間にて整流子の切り替えを行うため、(120度/n)×(1/2)=60度/n毎に整流子を切り替えればよい。図5及び図1に示すように、この整流子切り替え角度が3つ分で一つの永久磁石の配設角度に相当するため、1極当たりの角度は(60度/n)×3=180度/nとなる。このため、極数は360度÷(180度/n)=2n極となる。なお、回転子鉄心の間隔は永久磁石1極当たりの角度180度/nと、整流子の切り替え間隔60度/nの和、即ち、180度/n+60度/n=240度/nになる。このことから、具体的にはn=3のとき6極モータ、n=4のとき8極モータで構成可能である。
図7及び図8には有限要素法に基づく解析結果を示す。このときの回転数は12,000r/minである。リプルは、(Max−Min)×100/Aveパーセントで求めている。その結果、従来の振動モータの厚みが5mm程度であったのに対し、本実施形態の振動モータが2.2mmの厚みで大幅に小型構成された一方で、トルクの最小値、平均値は従来と同等かそれ以上の値が得られた。また、リプルも小さい。
1 外筒
3 永久磁石
4 固定子
5 回転軸
7 電機子鉄心
8 回転子
9a、9b、9c 歯頭部
10 振動モータ
11a、11b、11c 巻線
13 整流子
15 ギャップ
17 ブラシ
U、V、W 接続点

Claims (2)

  1. 2n(nは2以上の整数)極となるように永久磁石が周状に配置された固定子と、
    該永久磁石と同じ弧の角度の歯頭部を有する回転子と、
    該回転子に径方向の磁束を発生させ、デルタ結線にて接続されるU相、V相、W相の接続端を有する電機子巻線と、
    該U相、V相、W相の接続端と接続された3n個の整流子と、
    前記回転子の回転に連れて60/n度毎に永久磁石と歯頭部とが一致した時点で整流子を切り替えるブラシとを備えたことを特徴とする振動モータ。
  2. 前記ブラシの一極が、隣接する整流子の間に形成されたギャップに位置されたときに、ブラシの他極が回転軸を挟んで前記ブラシの一極とは180度隔て、かつ前記整流子の配設角の中間に位置されることを特徴とする請求項1記載の振動モータ。
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