JP2010093434A - 負荷回路の保護装置 - Google Patents

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JP2010093434A JP2008259788A JP2008259788A JP2010093434A JP 2010093434 A JP2010093434 A JP 2010093434A JP 2008259788 A JP2008259788 A JP 2008259788A JP 2008259788 A JP2008259788 A JP 2008259788A JP 2010093434 A JP2010093434 A JP 2010093434A
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Abstract

【課題】アンプAMP1が有するオフセット電圧による測定誤差を低減し、半導体スイッチを小型化することが可能な負荷回路の保護装置を提供する。
【解決手段】アンプAMP1及び抵抗R1を備え、MOSFET(T1)の両端電圧Vdsに比例して変化する参照電流I1を生成する参照電流生成回路11と、アンプAMP1と同一のオフセット電圧を備えたアンプAMP2及び抵抗R2を備え、負荷RLに通常電流が流れているときの、MOSFET(T1)の両端電圧Vdsに比例した参照電流I1よりもやや大きい基準電流I2を生成する基準電流生成回路12を備える。そして、参照電流I1から基準電流I2を差し引いた差分電流(I1−I2)を生成し、この差分電流が正の値である場合にこの差分電流に応じた電圧を生成する。生成した電圧が閾値電圧に達した場合に、MOSFET(T1)を遮断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷回路に過電流が流れた際に、即時に半導体スイッチを遮断して負荷回路を保護する負荷回路の保護装置に係り、特に、半導体スイッチの両端電圧の検出に使用するアンプに生じるオフセット電圧による影響を低減する技術に関する。
例えば、車両に搭載されるランプ、モータ等の各種負荷は、バッテリより供給される直流電圧が印加されて動作する。このような各負荷回路は、回路の故障や動作不良に起因して過電流が流れる場合がある。過電流が流れた場合には、半導体スイッチ、ハーネスの温度が上昇し、半導体スイッチ、ハーネスが破壊されるというトラブルが発生する場合がある。
そこで、このようなトラブルの発生を回避するために、例えば、特開2007−159159号公報(特許文献1)に記載された技術が知られている。該特許文献1では、負荷電流が過電流となり、該過電流による発熱により半導体スイッチのチャネル温度が該半導体スイッチの許容温度に達した場合に、半導体スイッチを遮断して該半導体スイッチを含む負荷回路全体を保護する保護装置が提案されている。
図6は、特許文献1に記載された保護装置を示す回路図である。同図に示すように、バッテリVBと負荷RLとの間に、半導体スイッチとしてのMOSFET(T101)が設けられており、該MOSFET(T101)をオン、オフ操作することにより、負荷RLの駆動、停止を制御する。
また、MOSFET(T101)のドレイン(点P51)は、MOSFET(T104)を介して点P52に接続され、この点P52は抵抗R103、MOSFET(T102)、抵抗R105を介してグランドに接地されている。また、点P52は、抵抗R101、抵抗R102を介してグランドに接地されている。そして、アンプAMP101の2つの入力端子には、MOSFET(T101)のソースの電圧V2と、抵抗R3とMOSFET(T102)との接続点の電圧V3が入力され、該アンプAMP101の出力端子はMOSFET(T102)のゲートに接続されているので、MOSFET(T101)のドレイン・ソース間電圧Vdsと、抵抗R103に生じる電圧が等しくなるように、抵抗R103に流れる電流が制御される。
従って、抵抗R105に生じる電圧V5は、電圧Vdsをβ倍(β=R105/R103)した電圧となり、この電圧V5と、抵抗R101と抵抗R102の接続点の電圧V4(判定電圧)がコンパレータCMP101で比較され、V5>V4となった場合に、過電流の発生を検知してMOSFET(T101)を遮断する。
更に、特許文献1では、半導体スイッチとして使用されるMOSFET(T101)のチャネル温度が許容温度上限(例えば、150℃)のときのオン抵抗値と、負荷に流れる過電流との積で示される電圧を判定電圧として設定し、半導体スイッチの両端に生じる電圧がこの判定電圧以下となるように制御することにより、半導体スイッチが発熱によって損傷することを防止する技術が開示されている。
特開2007−159159号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、半導体スイッチ(MOSFET)の両端に生じる電圧Vdsを検出するためにオペアンプ(AMP101)を用いており、オペアンプにはオフセット電圧が存在するので、このオフセット電圧により両端電圧Vdsの検出精度が低下するという欠点がある。例えば、オペアンプの入力オフセット電圧が10[mV]である場合に、この電圧の増幅率βが100である場合には、測定電圧が1[V]変化してしまいこれが測定誤差となる。
そして、この測定誤差による過電流の誤検出を防止するために、判定電圧V4を上昇させる必要がある。すると、今度は最大の周囲温度で半導体スイッチのチャネル温度が許容上限温度を超えてしまうので、半導体スイッチのオン抵抗Ronを低下させなければならなくなる。
例えば、判定電圧V4を10[V]付近に設定すると、上記の1[V]の測定電圧変化は±10%の誤差となり、周囲温度を25℃とした場合に半導体スイッチのオン抵抗Ronは10[mΩ]で良いものが、±10%の誤差を許容するために6.9[mΩ]とする必要がある。このため、半導体スイッチの面積が増大し、装置規模の大型化、及びコストアップに繋がるという欠点がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、オペアンプが有するオフセット電圧による測定誤差を低減し、半導体スイッチを小型化することが可能な負荷回路の保護装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、直流電源と負荷を含む負荷回路に設けられた半導体スイッチ(T1)を有し、該半導体スイッチをオン、オフ操作することにより、前記負荷の駆動、停止を切り換えると共に、前記半導体スイッチが許容温度に達した場合に前記半導体スイッチを遮断して回路を保護する負荷回路の保護装置において、第1の増幅手段(AMP1)、及び第1の抵抗(R1)を備え、前記半導体スイッチの両端に生じる両端電圧(Vds)に応じて変化する参照電流(I1)を生成する参照電流生成手段と、前記第1の増幅手段と同一のオフセット電圧を備えた第2の増幅手段(AMP2)、及び第2の抵抗(R2)を備え、前記負荷に通常電流が流れているときの、前記両端電圧(Vds)に応じた前記参照電流(I1)よりもやや大きい基準電流(I2)を生成する基準電流生成手段と、前記参照電流(I1)から前記基準電流(I2)を差し引いた差分電流(I1−I2)を生成し、この差分電流が正の値である場合にこの差分電流に応じた電圧を生成する電圧生成手段(Q4、Q5、C1)と、前記電圧生成手段にて生成された電圧が所定の閾値電圧に達した場合に、前記半導体スイッチを遮断する遮断手段(M1)と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記第1の増幅手段、及び前記第2の増幅手段は、同一の集積回路内に搭載されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記第1の抵抗及び第2の抵抗は、同一の集積回路内に搭載されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、入力操作を行う切換スイッチ(SW1)を更に備え、前記参照電流生成手段は、前記第1の増幅手段の出力信号に応じた電流を前記第1の抵抗(R1)に流す第1の半導体素子(Q1)を有し、前記半導体スイッチは、前記切換スイッチ(SW1)がオンとされたときに駆動信号が入力され、前記第1の増幅手段(AMP1)は、前記半導体スイッチがオフとされているときに最大出力となって前記参照電流(I1)を増大させ、且つ、前記切換スイッチがオフとされているときに、この出力端子がグランドに接続されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記電圧生成手段は、前記基準電流(I2)と同一の電流(I2′)を生成するカレントミラー回路を備え、前記参照電流I1から前記同一の電流(I2′)を差し引くことにより、前記差分電流(I1−I2)を生成することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記半導体スイッチの許容温度をTmaxとしたとき、該半導体スイッチの温度Tmaxでのオン抵抗Ron(@Tmax)を、下記の不等式が成立するように設定することを特徴とする。
Ron(@Tmax)≦(Tmax−Tamax)/(Rth*ILlim2
但し、Tamaxは半導体スイッチの周囲温度の最大値、Rthは周囲雰囲気における定常熱抵抗、ILlimは半導体スイッチのチャネル温度が許容温度Tmaxに達する場合の負荷電流。
請求項7に記載の発明は、前記基準電流生成手段は、前記第2の抵抗(R2)と第2の半導体素子(Q2)の直列接続回路、及び、第5の抵抗(R5)と第6の抵抗(R6)の直列接続回路を有し、前記第5の抵抗(R5)と第6の抵抗(R6)の直列接続回路は、前記電源とグランドとの間に設けられ、前記第2の増幅手段(AMP2)は、前記第2の抵抗と第2の半導体素子の接続点の電圧と、前記第5の抵抗と第6の抵抗の接続点の電圧が等しくなるように、前記第2の抵抗に流れる基準電流を制御し、前記第5の抵抗R5と、第6の抵抗R6の比率は、下記の式が成立するように設定されることを特徴とする。
Ron(@Tmax):RLlim=R5:R6
但し、Ron(@Tmax)は半導体スイッチの許容温度Tmaxでのオン抵抗、RLlimは負荷電流ILlimが流れるときの負荷抵抗、ILlimは半導体スイッチのチャネル温度が許容温度Tmaxに達する場合の負荷電流、R5は第5の抵抗の抵抗値、R6は第6の抵抗の抵抗値。
請求項1の発明では、第1の増幅手段(AMP1)及び第1の抵抗(R1)を用いた参照電流生成手段にて半導体スイッチの両端電圧(Vds)に比例した参照電流(I1)を生成し、且つ、第2の増幅手段(AMP2)及び第2の抵抗(R2)を用いた基準電流生成手段にて基準電流(I2)を生成する。そして、参照電流(I1)と基準電流(I2)の差分電流(I1−I2)を求め、この差分電流に応じて電圧生成手段に蓄積された電圧が閾値電圧に達した場合に半導体スイッチを遮断して、半導体スイッチ及び負荷回路を保護する。この際、第1の増幅手段(AMP1)と第2の増幅手段(AMP2)は同一のオフセット電圧を有しているので、差分電流(I1−I2)を演算することにより、オフセット電圧による影響を除去することができる。従って、オフセット電圧が存在することにより生じる測定誤差を許容するために、半導体スイッチのオン抵抗を低く設定する必要が無くなり、半導体スイッチのオン抵抗を高く設定することができ、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
請求項2の発明では、第1の増幅手段(AMP1)及び第2の増幅手段(AMP2)を、同一の集積回路内に搭載するので、各増幅手段のオフセット電圧を一致させることができる。
請求項3の発明では、第1の抵抗(R1)及び第2の抵抗(R2)を同一の集積回路内に搭載するので、各抵抗のばらつきによる影響を回避することができる。
請求項4の発明では、半導体スイッチがオフとされているときに、第1の増幅手段(AMP1)の出力が最大出力となるので、半導体スイッチが一度遮断された場合に、その後遮断状態が継続する。このため、別途にラッチ回路等を設けることなく、半導体スイッチのオフ状態を維持することができる。また、切換スイッチ(SW1)がオフ状態のときには、第1の増幅手段(AMP1)の出力端子がグランドに接続されるので、切換スイッチ(SW1)をオンとした場合に、半導体スイッチをオンとすることができる。
請求項5の発明では、カレントミラー回路を用いて上述の差分電流(I1−I2)を求めるので、差分電流を高精度に検出することができる。
請求項6,7の発明では、上述した条件に適合するように、半導体スイッチのオン抵抗Ron、及び第5の抵抗(R5)、第6の抵抗(R6)が設定されるので、半導体スイッチのチャネル温度が許容温度に達する前に確実半導体スイッチを遮断して、該半導体スイッチ、及び負荷回路全体を保護することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態の構成説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る保護装置が搭載された負荷回路を示す回路図である。図1に示す負荷回路は、例えば、車両に搭載されるランプ、モータ等の負荷RLを駆動する回路であり、バッテリVB(直流電源)、N型MOSFET(T1;半導体スイッチ)、駆動回路14、及びスイッチSW1(切換スイッチ)を備えている。更に、負荷RLに過電流が流れてMOSFET(T1)のチャネル温度が上昇した際に、該MOSFET(T1)を遮断して負荷回路を保護する保護装置が設けられている。
該保護装置は、MOSFET(T1)の両端に生じる電圧Vds(両端電圧)に比例した参照電流I1を生成する参照電流生成回路(参照電流生成手段)11と、基準電流I2を生成する基準電流生成回路(基準電流生成手段)12と、参照電流I1と基準電流I2の差分に生じた電圧を発生する電圧生成回路(電圧生成手段)13と、MOSFET(M1;遮断手段)及びMOSFET(M2)を備えている。
参照電流生成回路11は、抵抗R1(第1の抵抗)とトランジスタQ1(第1の半導体素子)の直列接続回路を備えており、抵抗R1の一端は電源VBのプラス端子に接続され、他端(これを点P1とする)はトランジスタQ1のコレクタに接続されている。また、トランジスタQ1のエミッタは、電圧生成回路13のコンデンサC1及びトランジスタQ5に接続されている。
更に、参照電流生成回路11は、アンプAMP1(第1の増幅手段)を備えており、該アンプAMP1の正転入力端子は点P1に接続され、反転入力端子はMOSFET(T1)のソース(これを点P3とする)に接続されている。また、アンプAMP1の出力端子は、トランジスタQ1のベースに接続され、且つMOSFET(M2)のドレインに接続されている。このMOSFET(M2)のゲートは、スイッチSW1のオン側接点に接続されている。更に、トランジスタQ1のエミッタ(これを点P2とする)は、MOSFET(M1)のゲートに接続されている。
基準電流生成回路12は、抵抗R2(第2の抵抗)とトランジスタQ2(第2の半導体素子)の直列接続回路を備えており、抵抗R2の一端は電源VBのプラス端子に接続され、他端(これを点P4とする)はトランジスタQ2のコレクタに接続されている。また、トランジスタQ2のエミッタは、電圧生成回路13のトランジスタQ4に接続されている。更に、基準電流生成回路12は、抵抗R5(第5の抵抗)とR6(第6の抵抗)の直列接続回路を備え、この直列接続回路は電源VBのプラス端子とグランドとの間に設けられている。なお、抵抗R2と抵抗R1の抵抗値を同一としている。即ち、R1=R2である。
また、基準電流生成回路12は、アンプAMP2(第2の増幅手段)を備えており、該アンプAMP2の正転入力端子は点P4に接続され、反転入力端子は抵抗R5とR6の接続点(これを点P5とする)に接続されている。
ここで、アンプAMP1及びアンプAMP2は、同一の集積回路のシリコンチップ中に近接して配設され、各アンプAMP1,AMP2を構成する各種素子の配向は同一となるように形成されている。また、抵抗R1とR2、及びトランジスタQ1とQ2も同一のシリコンチップ内に近接して配設され、配向が同一となるように形成されている。従って、アンプAMP1とAMP2は、オフセット電圧がほぼ同一の値となる。即ち、入力オフセット電圧は、主として素子の配置のずれと素子を形成するための不純物の濃度がばらつくことにより生じる。このため、互いに近接した位置に、同一配向とすることにより、アンプAMP1とAMP2は同一のオフセット電圧が生じるようになる。また、これと同様に、抵抗R1,R2に生じる抵抗値のばらつきもほぼ一定となる。
電圧生成回路13は、トランジスタQ4、Q5、及びコンデンサC1を備えている。トランジスタQ4、Q5はカレントミラー回路を構成する。従って、トランジスタQ2に流れる電流I2と同一の電流(或いは比例した電流)I2′がトランジスタQ5に流れることになる。
駆動回路14は、MOSFET(T1)のゲートに駆動信号を出力して、該MOSFET(T1)のオン、オフを制御するものであり、チャージポンプ141、MOSFET(M3)、及びその他の要素で構成されている。そして、MOSFET(M3)のゲートはスイッチSW1のオン側接点に接続されている。駆動回路14の出力端子は、抵抗R7を介してMOSFET(T1)のゲートに接続され、且つMOSFET(M1)のドレインに接続されている。該MOSFET(M1)のソースはグランドに接続されている。
[第1実施形態の動作説明]
次に、上述した負荷回路の保護装置の動作について、図2に示す特性図を参照して説明する。なお、図2において電圧VPは点P6の電圧であり、電圧VGはMOSFET(T1)のゲート電圧であり、電圧VSはMOSFET(T1)のソース電圧(点P3の電圧)であり、電流ILは負荷電流であり、電流I1は抵抗R1に流れる電流(参照電流)であり、電圧VC1は、点P2の電圧である。
図1に示す負荷回路において、スイッチSW1がオフ状態のときには、MOSFET(M3)のゲートはHレベルとなってオンとなり、MOSFET(M2)のゲートも同様にHレベルとなってオンとなる。
MOSFET(M3)がオンとなることにより、点P6はグランドに接地されるので、駆動回路14の出力電圧VPはLレベルとなり、MOSFET(T1)はオフとなる。従って、負荷RLは駆動しない。この際、点P3の電圧VSは0[V]であるから、MOSFET(T1)の両端電圧Vds(ドレイン・ソース間電圧)は、電源VBの出力電圧(例えば、13.5[V])となる。このため、参照電流生成回路11のアンプAMP1は、最大出力となるように動作することになる。しかし、MOSFET(M2)がオンとされているので、アンプAMP1の出力端子はグランドに接続され、トランジスタQ1のベース電圧はほぼ0[V]となり、参照電流I1は流れない。
他方、基準電流生成回路12では、抵抗R5の両端に生じる電圧と抵抗R2の両端に生じる電圧が等しくなるように基準電流I2が流れる。ここで、後述するように基準電流I2は、負荷RLに流れる負荷電流ILが通常電流であるときの参照電流I1よりも若干大きくなるように設定されている。
そして、電圧生成回路13は、トランジスタQ4、Q5により構成されるカレントミラー回路により、トランジスタQ5に基準電流I2と同一の電流I2′を流そうとする。しかし、上述したように参照電流I1は流れていないので、トランジスタQ5は飽和して電流I2′は流れない。その結果、コンデンサC1に生じる電圧(点P2に生じる電圧VC1)は0[V]となり、MOSFET(M1)はオフとなる。
次に、図2に示す時刻t1でスイッチSW1をオンとすると、駆動回路14の出力端子(点P6)より駆動信号が出力され、この駆動信号の電圧(電圧VP)はチャージポンプ141により電源電圧VBよりも4.5〜10[V]程度高い電圧となるので、MOSFET(T1)がオンとなる。これにより、負荷RLに負荷電流ILが流れて負荷RLが駆動する。また、MOSFET(M2)がオフとなるので、アンプAMP1の出力端子とグランドとの間の接続状態が遮断される。
アンプAMP1は、点P1の電圧と点P3の電圧の差分に応じた出力信号を出力して、トランジスタQ1のベースに供給するので、MOSFET(T1)の両端電圧Vdsと、抵抗R1の両端に生じる電圧を等しくする参照電流I1が抵抗R1に流れることになる。即ち、参照電流I1は、電圧Vdsに比例した大きさの電流値となる。
スイッチSW1をオンとした直後には、負荷RLに突入電流が流れるので、参照電流I1は通常時よりも大きくなり、基準電流I2を上回る。このため、トランジスタQ5に電流I2′(I2′=I2)が流れ、且つ、これらの差分電流(I1−I2′)がコンデンサC1に供給されることにより、点P2の電圧VC1が増加する。この場合、電圧VC1はMOSFET(M1)の閾値電圧に達することはなく(図2のVC1参照)、MOSFET(M1)はオフ状態を維持する。つまり、MOSFET(T1)は遮断されない。その後、突入電流が収まり負荷電流ILが通常電流となると、I1<I2となるので、コンデンサC1に蓄積された電荷が放電されて、点P2の電圧VC1は減少し、ついには0[V]となる。即ち、突入電流によりMOSFET(T1)が誤遮断されることはなく、且つ、負荷電流ILが通常電流である場合には、I1<I2が維持されてMOSFET(T1)のオン状態が継続される。
次に、負荷RLの抵抗が異常に低下して負荷電流ILが過電流状態になると、この過電流によりMOSFET(T1)のチャネル温度が上昇し、該MOSFET(T1)のオン抵抗Ronが増大する。その結果、MOSFET(T1)の両端電圧Vdsが増大する。このため、電圧Vdsに比例して変化する参照電流I1が増大し、基準電流I2を上回ることになる(I1>I2となる)。従って、電圧生成回路13では、参照電流I1から基準電流I2と同一の電流I2′を減算した差分電流(I1−I2′)がコンデンサC1に供給され、点P2の電圧VC1が徐々に上昇する。
そして、電圧VC1がMOSFET(M1)の閾値電圧に達すると、該MOSFET(M1)がオンとなり、MOSFET(T1)のゲートをグランドに接続して該MOSFET(T1)をオフとする。即ち、過電流の発生により電圧Vdsが上昇し、ある一定の電圧に達した場合には、MOSFET(T1)をオフとして、該MOSFET(T1)及び負荷回路を保護することができる。
また、MOSFET(T1)がオフとなると、電圧Vdsはほぼ電源VBの電圧(例えば、13.5[V])となるので、アンプAMP1は最大出力状態(例えば、5[V])となり、参照電流I1が最大値となるので、MOSFET(M1)のオン状態が維持される。即ち、MOSFET(M1)が一度オンとなって、MOSFET(T1)をオフとした場合には、この状態がラッチされることになる。このため、別途ラッチ回路を設けることなく、負荷回路の遮断状態を維持することができる。また、負荷回路に流れる過電流が大きく電圧Vdsの温度上昇が速いほど、参照電流I1がより早く上昇するので、いち早くMOSFET(M1)がオンとなって、負荷回路を遮断することができる。
次に、アンプAMP1のオフセット電圧の影響を回避する原理について説明する。
MOSFET(T1)の、チャネル温度Tchのときのオン抵抗RonをRon(@Tch)、負荷電流をILとすると、参照電流I1は次の(1)式で示される。
I1=Ron(@Tch)*IL/R1 ・・・(1)
また、基準電流I2は次の(2)式で示される。
I2=VB*R5/{(R5+R6)*R2} ・・・(2)
ここで、アンプAMP1、及びアンプAMP2にそれぞれ同一のオフセット電圧Vosが存在する場合には、上記(1)、(2)式は次の(3)、(4)式となる。
I1={Ron(@Tch)*IL/R1}+{Vos/R1} ・・・(3)
I2=VB*R5/{(R5+R6)*R2}+{Vos/R2} ・・・(4)
そして、本実施形態では上述したように、R1=R2としているので、上記(3)式、(4)式の右辺第二項は等しい値となる。従って、「I1−I2′」を演算した場合に、オフセット電圧成分は打ち消されることになり、アンプAMP1に存在するオフセット電圧Vosによる影響を回避することができる。
つまり、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、電圧生成回路13にて(I1−I2′)で算出される差分電流をコンデンサC1に供給して点P2の電圧VC1を増加させ、この電圧VC1がMOSFET(M1)の閾値電圧に達した場合に、該MOSFET(M1)をオンとして負荷駆動用のMOSFET(T1)を遮断するので、アンプAMP1が有するオフセット電圧Vosの影響を受けることなく、確実にMOSFET(T1)のチャネル温度が許容温度に達する前に負荷回路を遮断することができる。
次に、MOSFET(T1)のオン抵抗Ron、及び抵抗R5、R6の設定方法について説明する。
MOSFET(T1)は、チャネル温度が上昇するとオン抵抗Ronが増大する。そして、チャネル温度Tchにおけるオン抵抗Ron(@Tch)は、室温が25℃におけるオン抵抗Ron(@25)を基準としたオン抵抗温度係数αを用いて、次の(5)式で示すことができる。
Ron(@Tch)=Ron(@25)+Ron(@25)*(Tch−25)*α ・・(5)
そして、MOSFET(T1)のチャネルから周辺雰囲気に熱が伝達する際の定常熱抵抗をRth[℃/W]とし、チャネル温度がTaの状態で、通常の負荷電流を超える負荷電流ILlimが通電されてMOSFET(T1)のチャネル温度が許容温度(Tmax)である150℃になったとすると、次の(6)式が成立する。
Rth*ILlim2*Ron(@150)=150−Ta ・・・(6)
また、負荷回路が使用される最高周囲温度(例えば、80℃)をTamaxとし、次の(7)式が成立するように、MOSFET(T1)のオン抵抗Ronを決定すれば、最高周囲温度Tamax以下の周囲温度で、ILlim以下の負荷電流ではチャネル温度が許容温度を超えることなく、安全に使用することができることになる。
Ron(@150)≦(150−Tamax)/(Rth*ILlim2) ・・・(7)
換言すれば、チャネル温度が、許容温度Tmax(例えば、150℃)となったときのオン抵抗Ron(@150)が、上記(7)式を満足するMOSFET(T1)を用いれば、チャネル温度が許容温度Tmaxに達する前の時点で確実にMOSFET(T1)を遮断して、該MOSFET(T1)及び負荷回路を保護できることになる。
ここで、チャネル温度が150℃のときのMOSFET(T1)のオン抵抗Ron(@150)は、上述した(5)式のTch=150として、次の(8)式で示される。
Ron(@150)=Ron(@25)+Ron(@25)*(150−25)*α
・・・(8)
そして、使用される最大の電源電圧VBmaxで、電流ILlimが流れるように、異常負荷抵抗値RLlimを求めると、RLlimとILlimとの関係は次の(9)式で示される。
ILlim=VBmax/{Ron(@150)+RLlim} ・・・(9)
ここで、最大の電源電圧「VBmax」とは、車両に搭載されるバッテリのように周囲の状況により出力電圧が変動する場合に、その最大となる電圧であり、例えばVBmax=15[V]である。
よって、(1)、(2)、(9)式により、次の(10)式が得られる。
Ron(@150):RLlim = R5:R6 ・・・(10)
従って、上記(10)式が成立するように、抵抗R5と抵抗R6の比率を決定すれば、周囲温度がTamaxで、且つ負荷電流がILlimを超えたときに、参照電流I1が基準電流I2を上回って、MOSFET(T1)が遮断される。
以下、実際に数値を代入した例について説明する。ILlim=10[A]、α=0.5[%/℃]、Rth =50[℃/W]、Tamax=100℃、VBmax=15[V]とすると、上述した(7)式より、次の(11)式が得られる。
Ron(@150)=(150−100)/(50*10*10)
=10[mΩ] ・・・(11)
(8)式より、次の(12)式が得られる。
0.01=Ron(@25)+Ron(@25)*(150−25)*0.005
Ron(@25)=6.15[mΩ] ・・・(12)
(9)式より、次の(13)式が得られる。
10=15/(0.01+RLlim)
RLlim=1.49[Ω] ・・・(13)
従って、(10)式より、例えばR5=100[Ω]、R6=14.9[KΩ]とすればよい。
このように設定して、VB=13.5[V]のときは(2)式より、R2=500[Ω]として、次の(14)式が得られる。
I2=13.5*100/{(100+14900)*500}
=0.18[mA] ・・・(14)
周囲温度が25℃のときはIL=11.63[A]でI1=I2となって、このときのTchは77.5℃、Ron(@77.5)=7.76[mΩ]となった。この時の負荷抵抗は(9)式と同様に計算して1.15[Ω]となり、通常の負荷抵抗がRLlimよりも高い値(例えば、2[Ω])で使用しているので、100℃でも25℃でも正常状態では遮断されることはないことがわかる。このように、正常負荷ではチャネル温度が許容限界を超えることはなく、また不必要に遮断されることもなく、負荷抵抗が異常となって過電流が流れた場合には、MOSFET(T1)のチャネル温度が許容温度(例えば、150℃)を超える前の時点で遮断することができる。
このようにして、第1実施形態に係る負荷回路の保護装置では、オフセット電圧がほぼ等しいアンプAMP1、AMP2、及びばらつきがほぼ等しい抵抗R1、R2を設けている。そして、アンプAMP1と抵抗R1を用いて参照電流I1を生成し、アンプAMP2と抵抗R2を使用して基準電流I2を生成し、これらの差分電流(I1−I2)の大きさに基づいて、コンデンサC1に電圧VC1を発生させ、この電圧VC1が閾値電圧に達した場合にMOSFET(T1)を遮断する。即ち、MOSFET(T1)の両端電圧Vdsが所定値に達した場合に該MOSFET(T1)が遮断される。
この際、MOSFET(T1)の、許容温度Tmax(例えば、150℃)でのオン抵抗Ron(@150)は上記(7)が成立するように設定され、且つ、抵抗R5、R6の抵抗値は上記(10)式が成立するように設定されるので、MOSFET(T1)のチャネル温度が許容温度Tmax(例えば、150℃)に達する前の時点で確実にMOSFET(T1)を遮断して、負荷回路を保護することができる。
また、アンプAMP1にオフセット電圧が存在し、抵抗R1にばらつきが存在する場合であっても、差分電流(I1−I2)を算出することによりアンプAMP1のオフセット電圧、及び抵抗R1のばらつきが相殺されるので、オフセット電圧や抵抗値のばらつきによるチャネル温度の検出誤差を低減することができる。
このため、オフセット電圧による検出誤差を考慮せずにMOSFET(T1)のオン抵抗Ronを設定することができるのでMOSFET(T1)を必要以上に大型化せずに済み、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
更に、コンデンサC1に充電される電圧VC1が閾値電圧に達し、MOSFET(M1)がオンとなって駆動用のMOSFET(T1)が遮断された場合には、アンプAMP1の出力信号が最大値となって、MOSFET(T1)の遮断状態を維持するので、従来のように半導体スイッチのオフ状態を保持するためのラッチ回路、タイマ等が不要となり、回路構成を簡素化することができる。
[第1実施形態の変形例]
次に、図1に示した第1実施形態の変形例について説明する。該変形例では、図1に示したMOSFET(T1)を、過熱遮断機能付きのMOSFETとする点で相違する。即ち、過熱遮断機能付きのMOSFETは図4に示すように、主MOSFET(T1a)と、遮断用MOSFET(T1b)を設け、且つ、比較器CMP1、ダイオードD1、D2、電流源等の素子を設けることにより構成されている。
ダイオードD1、D2は、主MOSFET(T1a)と熱的に結合されており、主MOSFET(T1a)の温度が上昇すると、各ダイオードD1、D2の温度も上昇する。ダイオードの順方向電圧は負の温度特性を有しており、許容限界温度を超えたところで比較器CMP1の出力信号が反転して、主MOSFET(T1a)を遮断する。
そして、図4に示す過熱遮断機能付き回路の遮断温度の設定を主MOSFET(T1a)の両端電圧Vds(ドレイン・ソース間電圧)による遮断温度の設定よりも高くしておけば、通常の遮断は電圧Vdsで判定され、電圧Vdsによる判定に故障が生じたときには、過熱遮断機能により負荷回路が遮断されるので、安全性をより一層向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。同図に示すように、第2実施形態では、半導体スイッチとして、P型MOSFET(T11)を使用している点で、上述した第1実施形態と相違する。
また、P型MOSFET(T11)を使用したことに伴って、駆動回路14に設けられたチャージポンプ141(図1参照)が除去され、MOSFET(M3)のゲートがスイッチSW1のオフ側接点に接続される。更に、MOSFET(M1)のドレインが、抵抗R4、R3を介して電源VBのプラス端子に接続され、更に、抵抗R4とR3の接続点がトランジスタQ3のベースに接続され、該トランジスタQ3のエミッタは電源VBのプラス端子に接続され、コレクタはMOSFET(T11)のゲートに接続されている。
[第2実施形態の動作説明]
次に、上述した第2実施形態に係る負荷回路の保護装置の動作について説明する。図3に示す負荷回路において、スイッチSW1がオフ状態のときには、MOSFET(M3)のゲートはLレベルとなってオフとなり、MOSFET(M2)のゲートはHレベルとなってオンとなる。
MOSFET(M3)がオフとなることにより、点P6は電源VBの電圧レベルとなるので、駆動回路14の出力電圧はHレベルとなり、P型MOSFET(T11)はオフとなる。従って、負荷RLは駆動しない。この際、点P3の電圧VSは0[V]であるから、MOSFET(T11)の両端電圧Vds(ドレイン・ソース間電圧)は、電源VBの出力電圧(例えば、13.5[V])となる。このため、参照電流生成回路11のアンプAMP1は、最大出力となるように動作する。しかし、上記したようにMOSFET(M2)がオンとされているので、アンプAMP1の出力端子はグランドに接続され、トランジスタQ1のベース電圧はほぼ0[V]となり、参照電流I1は流れない。
他方、基準電流生成回路12では、抵抗R5の両端に生じる電圧と抵抗R2の両端に生じる電圧が等しくなるように基準電流I2が流れる。ここで、第1実施形態と同様に基準電流I2は、負荷RLに流れる負荷電流ILが通常電流であるときの参照電流I1よりも若干大きくなるように設定されている。
そして、電圧生成回路13は、トランジスタQ4、Q5により構成されるカレントミラー回路により、トランジスタQ5に基準電流I2と同一の電流I2′を流そうとする。しかし、上述したように参照電流I1は流れていないので、トランジスタQ5は飽和して電流I2′は流れない。その結果、コンデンサC1に生じる電圧VC1は0[V]となり、MOSFET(M1)はオフとなる。従って、トランジスタQ3はオフとなる。
次に、スイッチSW1をオンとすると、MOSFET(M3)がオンとなり、点P6はLレベルとなるので、MOSFET(T11)がオンとなる。これにより、負荷RLに負荷電流ILが流れて負荷RLが駆動する。また、MOSFET(M2)がオフとなるので、アンプAMP1の出力端子とグランドとの間の接続状態が遮断される。
アンプAMP1は、点P1の電圧と点P3の電圧の差分に応じた出力信号を出力して、トランジスタQ1のベースに供給するので、MOSFET(T11)の両端電圧Vdsと、抵抗R1の両端に生じる電圧を等しくする参照電流I1が抵抗R1に流れることになる。即ち、参照電流I1は、電圧Vdsに比例した大きさの電流値となる。
スイッチSW1をオンとした直後には、負荷RLに突入電流が流れるので、参照電流I1は通常時よりも大きくなり、基準電流I2を上回る。このため、トランジスタQ5に電流I2′(I2′=I2)が流れ、且つ、これらの差分電流(I1−I2′)がコンデンサC1に供給されることにより、電圧VC1が増加する。この場合、電圧VC1はMOSFET(M1)の閾値電圧に達することはなく、MOSFET(M1)はオフ状態を維持する。つまり、トランジスタQ3がオンとならず、MOSFET(T11)は遮断されない。その後、突入電流が収まり負荷電流ILが通常電流となると、I1<I2となるので、コンデンサC1に蓄積された電荷が放電されて電圧VC1は減少し、ついには0[V]となる。即ち、突入電流によりMOSFET(T1)が誤遮断されることはなく、且つ、負荷電流ILが通常電流である場合には、I1<I2が維持されてMOSFET(T11)のオン状態が継続される。
次に、負荷RLの抵抗が異常に低下して負荷電流ILが過電流状態になると、この過電流によりMOSFET(T11)のチャネル温度が上昇し、該MOSFET(T11)のオン抵抗Ronが増大する。その結果、電圧Vdsが増大する。このため、電圧Vdsに比例して変化する参照電流I1が増大し、基準電流I2を上回ることになる(I1>I2となる)。従って、電圧生成回路13では、参照電流I1から基準電流I2と同一の電流I2′を減算した差分電流(I1−I2′)がコンデンサC1に供給され、電圧VC1が徐々に上昇する。
そして、電圧VC1がMOSFET(M1)の閾値電圧に達すると、該MOSFET(M1)がオンとなり、トランジスタQ3がオンとなって、MOSFET(T11)のゲートを電源VBに接続して該MOSFET(T11)をオフとする。即ち、MOSFET(T11)の両端電圧Vdsが上昇し一定の温度に達した場合には、MOSFET(T11)をオフとして、負荷回路を保護することができる。
また、MOSFET(T11)がオフとなると、電圧Vdsは電源VBの電圧(例えば、13.5[V])となるので、アンプAMP1は最大出力状態(例えば、5[V])となり、参照電流I1が最大値となるので、MOSFET(T11)のオン状態が維持される。即ち、MOSFET(M1)が一度オンとなり、駆動用のMOSFET(T11)がオフとなった場合には、この状態がラッチされることになる。このため、別途ラッチ回路を設けることなく、負荷回路の遮断状態を維持することができる。更に、負荷回路に流れる過電流が大きく電圧Vdsの温度上昇が速いほど、参照電流I1がより早く上昇するので、いち早くMOSFET(M1)がオンとなって、負荷回路を遮断することができる。
また、アンプAMP1が有するオフセット電圧の影響を回避する原理については、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
このようにして、第2実施形態に係る負荷回路の保護装置においても、前述した第1実施形態と同様に、アンプAMP1が有するオフセット電圧、及び抵抗R1のばらつきによる影響を打ち消すことができるので、電圧Vdsの上昇を高精度に検出することが可能となり、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図5は、第3実施形態に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。同図に示すように、第3実施形態では、図1に示した第1実施形態と対比して、半導体スイッチが負荷のローサイド側(グランド側)に設けられる点で相違する。即ち、電源VBのプラス端子が負荷RLの一端に接続され、該負荷RLの他端はN型MOSFET(T21)のドレインに接続され、該MOSFET(T21)のソースがグランドに接続されている。
また、各MOSFET(M1)、(M2)、(M3)はそれぞれP型MOSFETとされている点、及び、トランジスタQ1、Q2がPNP型となっている点で第1実施形態と相違する。
[第3実施形態の動作説明]
次に、図5を参照して第3実施形態に係る負荷回路の保護装置の動作について説明する。図5に示す負荷回路において、スイッチSW1がオフ状態のときには、MOSFET(M3)のゲートはHレベルとなってオフとなり、MOSFET(M2)のゲートはLレベルとなってオンとなる。
MOSFET(M3)がオフとなることにより、点P6の電圧はグランドレベルとなるので、駆動回路14の出力電圧はLレベルとなり、N型MOSFET(T21)はオフとなる。従って、負荷RLは駆動しない。この際、MOSFET(T21)のドレインの電圧VDは電源VBの出力電圧となるから、MOSFET(T21)の両端電圧Vds(ドレイン・ソース間電圧)は、電源VBの出力電圧(例えば、13.5[V])となる。このため、参照電流生成回路11のアンプAMP1は、マイナス側の最大出力となるように動作する。しかし、上記したようにMOSFET(M2)がオンとされているので、アンプAMP1の出力端子は電源VBのプラス端子に接続され、トランジスタQ1のベース電圧はほぼ電源VBの出力電圧となり、参照電流I1は流れない。
他方、基準電流生成回路12では、抵抗R5の両端に生じる電圧と抵抗R2の両端に生じる電圧が等しくなるように基準電流I2が流れる。ここで、第1実施形態と同様に基準電流I2は、負荷RLに流れる負荷電流ILが通常電流であるときの参照電流I1よりも若干大きくなるように設定されている。
そして、電圧生成回路13は、トランジスタQ4、Q5により構成されるカレントミラー回路により、トランジスタQ5に基準電流I2と同一の電流I2′を流そうとする。しかし、上述したように参照電流I1は流れていないので、トランジスタQ5は飽和して電流I2′は流れない。その結果、コンデンサC1に生じる電圧VC1は電源VBの出力電圧となり、MOSFET(M1)はオフとなる。従って、トランジスタQ3はオフとなる。
次に、スイッチSW1をオンとすると、MOSFET(M3)がオンとなり、点P6がHレベルとなるので、MOSFET(T21)がオンとなる。これにより、負荷RLに負荷電流ILが流れて負荷RLが駆動する。また、MOSFET(M2)がオフとなるので、アンプAMP1の出力端子と電源VBとの間の接続状態が遮断される。
アンプAMP1は、2つの入力電圧の差分に応じた出力信号を出力して、トランジスタQ1のベースに供給するので、MOSFET(T21)の両端電圧Vdsと、抵抗R1の両端に生じる電圧を等しくする参照電流I1が抵抗R1に流れることになる。即ち、参照電流I1は、電圧Vdsに比例した大きさの電流値となる。
スイッチSW1をオンとした直後には、負荷RLに突入電流が流れるので、参照電流I1は通常時よりも大きくなり、基準電流I2を上回る。このため、トランジスタQ5に電流I2′(I2′=I2)が流れ、且つ、これらの差分電流(I1−I2′)がコンデンサC1に供給されることにより、電圧VC1がマイナス側に増加する。この場合、電圧VC1はMOSFET(M1)の閾値電圧まで低下することはなく、MOSFET(M1)はオフ状態を維持する。つまり、トランジスタQ3がオンとならず、MOSFET(T21)は遮断されない。その後、突入電流が収まり負荷電流ILが通常電流となると、I1<I2となるので、コンデンサC1に蓄積された電荷が放電されて電圧VC1は電源VBの電圧となる。即ち、突入電流によりMOSFET(T1)が誤遮断されることはなく、且つ、負荷電流ILが通常電流である場合には、I1<I2が維持されてMOSFET(T21)のオン状態が継続される。
次に、負荷RLの抵抗が異常に低下して負荷電流ILが過電流状態になると、この過電流によりMOSFET(T21)のチャネル温度が上昇し、該MOSFET(T21)のオン抵抗Ronが増大する。その結果、電圧Vdsが増大する。このため、電圧Vdsに比例して変化する参照電流I1が増大し、基準電流I2を上回ることになる(I1>I2となる)。従って、電圧生成回路13では、参照電流I1から基準電流I2と同一の電流I2′を減算した差分電流(I1−I2′)がコンデンサC1に蓄積されていき、電圧VC1がマイナス側に増大する。
そして、電圧VC1がMOSFET(M1)の閾値電圧まで低下すると、該MOSFET(M1)がオンとなり、トランジスタQ3がオンとなって、MOSFET(T21)のゲートをグランドに接続して該MOSFET(T21)をオフとする。即ち、過電流が発生した場合には、MOSFET(T21)をオフとして、負荷回路を保護することができる。
また、MOSFET(T21)がオフとなると、電圧Vdsは電源VBの電圧(例えば、13.5[V])となるので、アンプAMP1は出力信号は、マイナス側の最大値となり、参照電流I1が最大値となるので、MOSFET(T21)のオン状態が維持される。即ち、MOSFET(M1)が一度オンとなって駆動用のMOSFET(T21)がオフとなった場合には、この状態がラッチされることになる。このため、別途ラッチ回路を設けることなく、負荷回路の遮断状態を維持することができる。
また、負荷回路に流れる過電流が大きく電圧Vdsの温度上昇が速いほど、参照電流I1がより早く上昇するので、いち早くMOSFET(M1)がオンとなって、負荷回路を遮断することができる。
また、アンプAMP1が有するオフセット電圧の影響を回避する原理については、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
このようにして、第3実施形態に係る負荷回路の保護装置においても、前述した第1実施形態、第2実施形態と同様に、アンプAMP1が有するオフセット電圧、及び抵抗R1のばらつきによる影響を打ち消すことができるので、MOSFET(T21)のチャネル温度が許容温度に達した場合には、これを高精度に検出して回路を遮断することができる。その結果、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の負荷回路の保護装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
半導体スイッチのチャネル温度が許容温度に達した際に、即時に半導体スイッチを遮断して回路を保護する上で極めて有用である。
本発明の第1実施形態に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る負荷回路の保護装置の、各信号の変化を示す特性図である。 本発明の第2実施形態に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る負荷回路の保護装置の、変形例を示す回路図である。 本発明の第3実施形態に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。 従来例に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。
符号の説明
11 参照電流生成回路(参照電流生成手段)
12 基準電流生成回路(基準電流生成手段)
13 電圧生成回路(電圧生成手段)
14 駆動回路
M1 MOSFET(遮断手段)
VB 電源
T1,T11,T21 MOSFET(電子スイッチ)
RL 負荷
SW1 スイッチ

Claims (7)

  1. 直流電源と負荷を含む負荷回路に設けられた半導体スイッチを有し、該半導体スイッチをオン、オフ操作することにより、前記負荷の駆動、停止を切り換えると共に、前記半導体スイッチが許容温度に達した場合に前記半導体スイッチを遮断して回路を保護する負荷回路の保護装置において、
    第1の増幅手段、及び第1の抵抗を備え、前記半導体スイッチの両端に生じる両端電圧に応じて変化する参照電流を生成する参照電流生成手段と、
    前記第1の増幅手段と同一のオフセット電圧を備えた第2の増幅手段、及び第2の抵抗を備え、前記負荷に通常電流が流れているときの、前記両端電圧に応じた前記参照電流よりもやや大きい基準電流を生成する基準電流生成手段と、
    前記参照電流から前記基準電流を差し引いた差分電流を生成し、この差分電流が正の値である場合にこの差分電流に応じた電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記電圧生成手段にて生成された電圧が所定の閾値電圧に達した場合に、前記半導体スイッチを遮断する遮断手段と、
    を備えたことを特徴とする負荷回路の保護装置。
  2. 前記第1の増幅手段、及び前記第2の増幅手段は、同一の集積回路内に搭載されることを特徴とする請求項1に記載の負荷回路の保護装置。
  3. 前記第1の抵抗及び第2の抵抗は、同一の集積回路内に搭載されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の負荷回路の保護装置。
  4. 入力操作を行う切換スイッチを更に備え、
    前記参照電流生成手段は、前記第1の増幅手段の出力信号に応じた電流を前記第1の抵抗に流す第1の半導体素子を有し、前記半導体スイッチは、前記切換スイッチがオンとされたときに駆動信号が入力され、
    前記第1の増幅手段は、前記半導体スイッチがオフとされているときに最大出力となって前記参照電流を増大させ、且つ、前記切換スイッチがオフとされているときに、この出力端子がグランドに接続されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
  5. 前記電圧生成手段は、前記基準電流と同一の電流を生成するカレントミラー回路を備え、前記参照電流I1から前記同一の電流を差し引くことにより、前記差分電流を生成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
  6. 前記半導体スイッチの許容温度をTmaxとしたとき、該半導体スイッチの温度Tmaxでのオン抵抗Ron(@Tmax)を、下記の不等式が成立するように設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
    Ron(@Tmax)≦(Tmax−Tamax)/(Rth*ILlim2
    但し、Tamaxは半導体スイッチの周囲温度の最大値、Rthは周囲雰囲気における定常熱抵抗、ILlimは半導体スイッチのチャネル温度が許容温度Tmaxに達する場合の負荷電流。
  7. 前記基準電流生成手段は、前記第2の抵抗と第2の半導体素子の直列接続回路、及び、第5の抵抗と第6の抵抗の直列接続回路を有し、前記第5の抵抗と第6の抵抗の直列接続回路は、前記電源とグランドとの間に設けられ、
    前記第2の増幅手段は、前記第2の抵抗と第2の半導体素子の接続点の電圧と、前記第5の抵抗と第6の抵抗の接続点の電圧が等しくなるように、前記第2の抵抗に流れる基準電流を制御し、
    前記第5の抵抗R5と、第6の抵抗R6の比率は、下記の式が成立するように設定されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
    Ron(@Tmax):RLlim=R5:R6
    但し、Ron(@Tmax)は半導体スイッチの許容温度Tmaxでのオン抵抗、RLlimは負荷電流ILlimが流れるときの負荷抵抗、ILlimは半導体スイッチのチャネル温度が許容温度Tmaxに達する場合の負荷電流、R5は第5の抵抗の抵抗値、R6は第6の抵抗の抵抗値。
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