JP2010092800A - バックライト用インバータ及びその放電判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光灯の起動点灯時において、断線による放電を精度良く検出する。
【解決手段】周波数及びデューティー制御部8は、発振回路6が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する。スイッチング回路5の出力側に圧電トランス2a〜2dと、圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯1a,1bを設ける。圧電トランス2a〜2dの出力電圧を検出する電圧検出部9を設ける。2回微分値積分処理部10は、蛍光灯の起動時において電圧検出部9によって検出された圧電トランスの出力電圧Vを2回微分して2回微分値V”を算出し、得られた2回微分値V”の絶対値の総和計算値Σ|V”|を算出する。総和計算値Σ|V”|と、予め放電判定部11に記憶されている放電閾値Sthとを比較し、総和計算値Σが放電閾値Sthを上回った場合に断線による放電が発生したと判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電トランスを使用したバックライト用インバータ及びその放電判定方法に関するものであって、特に、インバータの起動時にコネクタなどの接続不良などが原因で発生する放電を検出して、バックライトに対する給電を停止する技術に係るものである。
パソコンの液晶ディスプレイのバックライトとして冷陰極管などの蛍光灯が使用される。この蛍光灯を点灯するためのインバータとして、最近では、圧電トランスを使用したものが広く使用されている。このバックライト用インバータは、圧電トランスの周波数特性(共振特性)を利用して、駆動周波数を可変とすることにより、その出力電流を制御する。
この圧電トランスは、負荷のインピーダンスにより昇圧比が変化する特性があり、蛍光灯が点灯していない無負荷時と点灯後の負荷接続時とでは、異なる周波数−出力電圧特性(周波数−昇圧比特性)を有する。無負荷時と負荷接続時の双方とも、その特性は高周波側から周波数が低下するにつれて出力電圧が上昇し、圧電トランスの共振周波数近傍にて最も高い出力電圧となり、さらに周波数が低下すると再び出力電圧が低くなる。すなわち、共振周波数近傍をピークとした山形の曲線を描くが、負荷接続時の曲線に比べて無負荷時の曲線の方が急峻であり、またそのピークもはるかに高い。
一方、蛍光灯の点灯開始電圧は1KVから3KV程度とかなり高いため、この点灯開始電圧を得られる周波数も共振周波数に近い。しかし、このような共振周波数に近い周波数を起動周波数として圧電トランスにいきなり印加すると、圧電トランスからの高電圧が蛍光灯やその他の回路部分に印加されることになる。
そのため、この種の圧電トランスを使用したバックライトインバータにおいては、圧電トランスに対して高周波側から徐々に低下した周波数を印加させることで、徐々に出力電圧を高くしていき、蛍光灯の点灯開始電圧を得るようにしている。
また、この圧電トランスに印加する周波数としては、定電圧直流電源からの出力を擬似正弦波に変換したものを使用する。すなわち、定電圧直流電源と圧電トランスの1次端子との間にフルブリッジ回路やプッシュプル回路などのスイッチング回路を設けて、このスイッチング回路を別途用意した発振回路からの矩形波によってオン・オフすることで、擬似正弦波を生成する。この場合、発振回路からの矩形波のデューティーを例えば33%とすることで、圧電トランスに印加する擬似正弦波の電圧を決定している。
このような周波数を制御することで圧電トランスの出力電圧を制御する技術、及び定電圧直流電源の出力をスイッチング回路を利用して擬似正弦波を生成する技術としては、例えば、特許文献1から特許文献3に示すものが知られている。
特開2002−233158号公報 特開2003−157990号公報 特開2008−125335号公報 特開平5−168230号公報 特開2006−141146号公報
ところで、前記のようなバックライト用インバータから交流出力が供給される蛍光灯に至る回路は、圧電トランスの2次端子(高圧側の端子)から蛍光灯までの配線区間であり、トランスの端子、プリント配線基板上の導体パターン、コネクタ、配線等、多数の部材を経由している。このような回路にコネクタの緩みや配線の切断などの原因で断線が生じると、その断線で電流が遮断される。
しかし、この電流は、前記のように高電圧であるため、断線箇所で放電が生起し、これによって電流ルートが維持されるおそれがある。電流ルートが維持されると、点灯開始電圧が印加されて蛍光灯が点灯すると共に、その後も管電流が流れて点灯が維持される。そのため、蛍光灯の点灯状態からは断線部分の放電を発見することはできず、断線部分の放電が継続し、機器の異常が進行するおそれがある。このような問題点を解決するため、従来から、特許文献4や特許文献5の技術が提案されている。
特許文献4の技術は、インバータの負荷に生じた断線に起因して放電が生じると、インバータの負荷に異常電圧が印加されるので、この異常電圧によって、検出回路に設けられたツェナーダイオードとトランジスタを導通させ、この検出回路に流れる電流により、定電圧直流電源と圧電トランス間に設けられたスイッチング回路をオフとして、インバータ回路を保護する。しかし、この従来技術は、放電等による異常電圧を検出回路で検出し、その検出回路に流れる電流で直流入力を遮断するため、専用の検出回路が必要になり、インバータの回路が複雑になるといった問題があった。
また、特許文献5の技術は、放電に起因して生ずる出力電流のスパイクノイズによる異常電圧を検出するものである。確かに、この技術は特許文献4の技術に比較すると、回路構成が簡単になる利点はあるものの、スパイクノイズによる異常電圧が検出される場合には有効であっても、断線部に生じた放電が安定して継続し、スパイクノイズが検出できない状態を検出することはできない。
その上、これらの従来技術はいずれも蛍光灯が点灯しその回路が導通していることを前提としたものであるから、蛍光灯の点灯後における断線や、その断線部分の放電を検出することは可能でも、蛍光灯の点灯前に断線を検出して点灯処理自体を中断するものではなかった。
すなわち、断線部分の放電開始電圧が蛍光灯の点灯開始電圧よりも高いと、インバータは点灯開始電圧以上の電圧を印加することがないので、断線部分が放電して通電することもなく、蛍光灯も点灯しない。そのため、断線異常の発見は可能である。しかし、暗黒効果を持たない通常の蛍光灯は、比較的低い電圧が印加されると、その電圧が点灯開始電圧や点灯維持電圧に達していなくても、蛍光灯の端子間の導通が確保される。このような蛍光灯にあっては、点灯後(導通後)も周波数を低下したり、デューティーを増加することでより高い出力電圧(点灯維持電圧)を得るようにする必要がある。この場合も、蛍光灯の導通後に断線部分が放電して導通するので、蛍光灯の点灯不良により断線による放電を発見することはできない。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、蛍光灯の点灯処理時に断線部分による放電を検出して、放電に伴う発熱、発煙、その他蛍光灯やその周辺回路に深刻な故障が発生することを未然に防止することができるバックライト用インバータ及びその放電検出方法を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明のバックライト用インバータは、矩形波を発振する発振回路と、この発振回路が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する周波数及びデューティー制御部と、前記発振回路から出力される矩形波によってオン・オフされる複数のスイッチング素子を有するスイッチング回路と、このスイッチング回路の入力側に接続された直流電源と、前記スイッチング回路の出力側に接続されて前記直流電源からの出力電圧が前記スイッチング回路を介して交流電圧として1次端子に印加される圧電トランスと、この圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯を備えている。
本発明は、このようなバックライト用インバータにおいて、前記圧電トランスの出力電圧を検出する電圧検出部と、圧電トランスの起動時においてこの電圧検出部が検出した出力電圧を2回微分して、その絶対値の総和計算値を算出する2回微分値積分処理部と、前記2回微分値積分処理部によって算出された前記総和計算値が、予め設定された放電閾値を上回った場合に、断線による放電が発生したと判定する放電判定部とを有することを特徴とする。
前記放電判定部が、前記総和計算値が予め設定された放電閾値を、予め設定されたリトライ回数上回った場合に、断線による放電が発生したと判定するものであることも、本発明の一態様である。
前記周波数及びデューティー制御部は、圧電トランスの無負荷状態において、前記発振回路から蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数を出力させると共に、この起動周波数において、前記発振回路から出力される矩形波のデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合にまで徐々に増加させるもので、前記2回微分値積分処理部が、起動周波数において矩形波のデューティーが徐々に増加するのに伴って変化する前記圧電トランスからの出力電圧を、2回微分してその絶対値の総和計算値を算出するものであることも、本発明の一態様である。
また、本発明において、前記2回微分値積分処理部が、起動周波数において矩形波のデューティーを増加させるごとに前記総和計算値を算出し、総和計算値の算出後におけるデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えない場合には、再び起動周波数におけるデューティーの増加と総和計算値の算出を行うものであり、前記放電判定部は、前記総和計算値の算出後におけるデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えた場合に、前記総和計算値と放電閾値とを比較するものであっても良い。
更に、これらのバックライト用インバータにおいて実現される放電判定方法も本発明の一態様である。また、本発明においては、蛍光管の不具合、部品の劣化、プリントパターンクラック、半田浮き、コネクタの勘合不具合などにより発生する接続不良を総称して、断線という。
前記のような構成を有する本発明のバックライト用インバータ及び放電判定方法によれば、蛍光灯の点灯時における断線部分の放電の有無を、圧電トランスの出力電圧の変化に基づいて判定することができる。特に、出力電圧を2回微分することにより、通常時や低温時のように出力電圧が直線的に変化する場合と、断線による放電時のように出力電圧が山形の曲線で変化する場合とを的確に区別することができる。
本発明によれば、蛍光灯の起動点灯時において、圧電トランスからの出力電圧の変化を監視し、断線が存在しない場合における圧電トランスの出力電圧特性と、断線による放電が生じた場合の圧電トランスの出力電圧特性とを比較することで、断線による放電を精度良く検出し、蛍光灯の起動処理を中断することが可能になる。その結果、蛍光灯が点灯後に放電が継続し、発煙、加熱などの事故が発生することを未然に防止できる。
[実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図1に従って具体的に説明する。図1において、符号1a,1bは点灯対象である蛍光灯、2a〜2dは蛍光灯1a,1bに対して点灯開始電圧及び点灯維持電圧を供給する圧電トランスである。この圧電トランス2a〜2dは、一対の1次端子3a,3bと一つの2次端子3cを有する。
圧電トランス2a〜2dの一対の1次端子3a,3bには、4個のFET4a〜4dを有するフルブリッジ回路で構成されたスイッチング回路5が接続されている。このスイッチング回路5の入力側は定電圧直流電源15に接続され、出力側は、FET4a〜4d及び圧電トランス2a〜2dの1次端子3a,3bを介して、接地されている。
このスイッチング回路5は、交互に開閉する2個のFET4a,4bと、同じく交互に開閉する2個のFET4c,4dとをそれぞれ直列に接続し、さらにこれら直列に接続された2組のFETを並列に接続したものである。このFET4aと4bの中間部分、及びFET4cと4dの中間部分が、前記圧電トランス2a〜2dの1次端子3a,3bに接続されている。
このスイッチング回路5には発振回路6が接続され、この発振回路6からの高周波の矩形波により、FET4a,4bとFET4c,4dが交互に開閉する。すなわち、発振回路6の第1の出力端子からは、FET4aに対して図中(1)で示すような矩形波が供給され、FET4bに対して同じ矩形波(1)が反転器7bを介して反転された状態で供給される。発振回路6の第2の出力端子からは、FET4cに対して前記(1)の矩形波と180°位相がずれた図中(2)で示すような矩形波が供給され、FET4d対して同じ矩形波(2)が反転器7aを介して反転された状態で供給される。
前記発振回路6には、本発明の特徴である周波数及びデューティー制御部8が接続されている。この制御部8は、発振回路6から出力される矩形波(1)(2)の周波数fとデューティーDutyを決定するものである。すなわち、本実施形態において、発振回路6は、次のような処理を行うものであり、そのために図2に示すような各部を有している。
(a) デューティー増減制御部81
予め定められた起動周波数f0において、矩形波のデューティーDutyを0%から△D(例えば0.1%)ずつ増加させる。
(b) デューティー比較部82
発振回路から出力している矩形波のデューティーDutyと、予め定められた基準値Dth1≧Dth3≧Dth2との比較を行う。
(c) 周波数増減制御部83
起動周波数f0から周波数を△f(例えば200Hz)ずつ増減する。
(d) 出力電圧監視部84
圧電トランスの出力電圧を監視し、蛍光灯の点灯開始電圧に達したか否か、蛍光灯の点灯維持(継続)電圧に達したか否かを判定する。
(e) 起動信号入力部85
外部から蛍光灯の点灯開始信号を受け付ける。
この周波数及びデューティー制御部8の入力側には、圧電トランス2a〜2dの出力電圧を検出する電圧検出部9が接続され、この電圧検出部9の出力が前記出力電圧監視部84に入力されている。また、この電圧検出部9の出力は、2回微分値積分処理部10に接続されている。この2回微分値積分処理部10は、蛍光灯の起動時において電圧検出部9によって検出された圧電トランスの出力電圧Vを2回微分して2回微分値V”を算出し、得られた2回微分値V”の絶対値の総和計算値Σ|V”|を算出する。
2回微分値積分処理部10の出力側には、放電判定部11が接続されている。この放電判定部11は、前記2回微分値積分処理部10によって得られた総和計算値Σ|V”|と、予め放電判定部11に記憶されている放電閾値Sthとを比較し、総和計算値Σが放電閾値Sthを上回った場合に断線による放電が発生したと判定するものである。
[実施形態の作用]
次に前記のような構成を有する本実施形態の作用を図3に示す圧電トランスの周波数−出力電圧特性図及び図7のフローチャートに従って説明する。
(1)基本的な動作
周波数及びデューティー制御部8の起動信号入力部85に対して、蛍光灯の点灯開始指令が入力されると、制御部8のデューティー増減制御部81と周波数増減制御部83は、発振回路6に対して、所定の周波数とデューティーを有する矩形波(1)(2)を出力すべき旨の指令を出す。この指令に基づいて、発振回路6からは、スイッチング回路5の各FET4a〜4dを開閉するための矩形波(1)(2)と、これらの矩形波(1)(2)を反転した矩形波が出力され、それによって各FET4a〜4dがオン・オフする。
その結果、矩形波(1)がオン、矩形波(2)がオフになった状態では、FET4a,4dがオン、FET4b,4cがオフとなるので、定電圧直流電源10からの出力が、FET4a→圧電トランス2a〜2d→FET4d→接地の順に流れる。一方、矩形波(1)がオフ、矩形波(2)がオンになった状態では、反対にFET4a,4dがオフ、FET4b,4cがオンとなるので、定電圧直流電源10からの出力が、FET4c→圧電トランス2a〜2d→FET4b→接地の順に流れる。
このように発振回路6からの矩形波(1)(2)が出力されると、その周波数に応じたタイミングで各FET4a〜4dがオン・オフし、スイッチング回路5からは図1中(a)(b)で示すような交流電圧が出力される。この交流電圧は、図示しないインダクタとコンデンサ、及び圧電トランス入力容量からなる共振回路で共振し、擬似正弦波となって圧電トランス2a〜2dの1次端子3a,3bに供給される(図中(a)(b)の点線の波形を参照)。
前記のような交流電圧が1次端子3a,3bに印加されると、その周波数と負荷インピーダンスで決定される出力電圧が圧電トランス2a〜2dの2次端子3cから出力され、これが蛍光灯1a,1bに印加されることで、蛍光灯が点灯する。この場合、本実施形態では、起動周波数において、デューティーを0%から徐々に増加することで、点灯開始電圧を得るようにする。なお、この点については、後述するフローチャートによって具体的に説明する。
一方、圧電トランス2a〜2dの出力電圧は電圧検出部9によって検出され、この検出値は、周波数及びデューティー制御部8の出力電圧監視部84に入力される。この出力電圧監視部84は、圧電トランス2a〜2dの出力電圧に応じて、発振回路6から圧電トランスに印加される交流電圧の出力周波数を増減する指令をデューティー増減制御部81及び周波数増減制御部83に出力する。デューティー増減制御部81及び周波数増減制御部83は、この指令に基づき、発振回路6に増減指令を出力することで、この増減指令に基づいて発振回路6が所定の周波数とデューティーを有する矩形波を出力することで、スイッチング回路5が開閉し、点灯開始電圧を得たり、点灯継続電圧を維持する。
(2)断線による放電検出の原理
本実施形態のバックライト用インバータは、前記のようにして起動周波数において発振回路6から出力される矩形波のデューティーを0%から徐々に増加させることで、点灯開始電圧を得るものである。ところが、前記のように、暗黒効果のない蛍光灯では、起動開始電圧に達する前(例えば、図3に示すような負荷接続時の周波数−出力電圧特性に相当する電圧)に達した場合で点灯することも多い。この場合、断線による放電がなく、正常に蛍光灯が点灯すると、圧電トランスからの出力電圧は起動周波数でデューティーを増加させることにより、図3に示すように垂直に上昇する。
そして、起動周波数で蛍光灯が点灯すると、その後、周波数を低下するに従って、特性曲線に沿ってより低い周波数で、しかもより大きな割合(%)のデューティーで出力電圧も上昇し、最終的には、所定の周波数とデューティーにおいて点灯維持電圧が得られる(図3の点線参照)。この場合の圧電トランスの出力電圧の増加傾向を示すと、図4(A)の通り、電圧「0」から右肩上がりの直線aを示す。
一方、断線が存在する場合は、次のような現象が生じる。すなわち、図3の実線で示すように、起動周波数でデューティーを徐々に増加させていくと、それに伴って圧電トランスの出力電圧も上昇する。暗黒効果のない通常の蛍光灯であれば、起動周波数のデューティーが図3の特性曲線の電圧に達すると点灯するが、断線がある場合にはその電圧では回路は導通しない。そこで、起動周波数において、更にデューティーを増加させ、より高い出力電圧を印加していくと、ある時点で断線間に放電が発生し、回路が導通する。なお、どの程度の電圧を印加した場合に断線部分が放電するかは、断線のギャップ長に依存する。
断線に生じた放電によって回路が導通すると、圧電トランスに接続された負荷インピーダンスが変化するため、圧電トランスの周波数−出力電圧特性(昇圧比)が変化し、起動周波数の同じデューティーであっても、圧電トランスからの出力電圧は急激に低下する(図3の下向きの実線矢印参照)。この状態で、再びデューティーを増加させていくと、出力電圧は再び増加し、特性曲線の起動周波数に対応する電圧値に達する。その後は、周波数を起動周波数から徐々に低下させることで、蛍光灯の点灯維持電圧に達するまで出力電圧を上昇させる。この場合の圧電トランスの出力電圧の増加傾向を示すと、図4(C)の通り、電圧「0」から一度電圧が山形に上下した後、右肩上がりの直線cを示す。
なお、暗黒効果のある蛍光灯の場合には、起動周波数においてデューティーを増大させた結果、断線部分の放電が生じても、点灯開始電圧に達していないため、蛍光灯は点灯できない。その結果、断線部分の放電があった後も、起動周波数において点灯開始電圧に達するまで更にデューティーを増加させる。その場合、圧電トランスの出力電圧のグラフは、図4(C)の点線で示すものと同様な右肩上がりの直線(若しくは点線とは異なる角度の右肩上がりの直線)を描き、前記のような蛍光灯が点灯後に断線部分の放電が発生した山形に上下するグラフを描くことはない。
このような現象を解析した結果、本実施形態においては、図4(C)のグラフにおける右肩上がりの出力電圧特性(点線)と、山形に上下する曲線部分を有する出力電圧特性(実線)とを判別することで、断線部分の放電、すなわち断線部分の存在を判定する。この場合、圧電トランスの出力電圧は、断線がない場合でも、図4(A)に示す常温時aと、(B)に示す低温時bとでは異なる特性を示す。従って、図4(A)(B)の正常時と、図4(C)の断線発生時cとを区別する必要がある。そこで、本実施形態で、出力電圧の変化を2回微分して、その2回微分値の絶対値の総和を計算する。
すなわち、図5(A)は1回微分後の各電圧特性を示すグラフであり、このグラフでは、常温時a’と低温時b’の特性が区別されている。図5(B)は2回微分後のグラフであり、このグラフでは、常温時a”と低温時b”の特性は非常に近いグラフを描くのに対して、断線による放電発生時c”の特性は波形状のカーブを描いている。そこで、この2回微分値の絶対値の総和、すなわち、各特性曲線で囲まれる部分の面積を求めることにより、常温時または低温時と、断線による放電発生時との電圧特性を明確に区別できる。
図6は、この2回微分値を求めるための回路の一例を示すものである。図6において、31は圧電トランスの出力電圧の入力部、32は並列に接続された抵抗と加算器から成る1回目の微分回路、33は同じく2回目の微分回路、34は2回微分値の絶対値を算出する絶対値回路、35は積分回路、36は2回微分値の絶対値の総和を出力する出力端子である。この回路では、回路上部に記載したグラフのように、所定時間経過するごとに出力電圧値を入力部31から入力し、その2回微分値の絶対値を前記微分回路32,33及び絶対値回路34により算出し、全計測時間が経過するまで各絶対値を時間ごとに加算していくことで、最終的に2回微分値の絶対値の総和Σ|V”|を得ている。
(3)異常放電の検出処理
次に、この断線部分の放電検出の処理を図7のフローチャートによって説明する。なお図7において符号Sで示す各ステップで、後述する図8に示す蛍光灯の起動処理のフローチャートと共通のステップについては、同一の符号を付けて説明する。
本実施形態において、蛍光灯の点灯時には、起動周波数f0で0%のデューティーで発振を開始し(ステップ1)、周波数はf0のままのでデューティーを0%から△D(デューティーの増加分で、例えば0.1%)ずつ徐々に上昇させる(ステップ2)。なお、デューティーが0%の場合、圧電トランスからの出力は出ない。
デューティーの増加に伴い、圧電トランスの出力電圧Vは、図3のグラフに示すように増加していくので、その2回微分を計算し、その絶対値の総和を算出する(ステップ20)。この算出の手法は、前記(2)及び図4から図6に示す通りである。デューティーが所定の値Dth1(例えば40%)に達するまで、この処理を繰り返し(ステップ3のN)、所定の値に達した場合には(ステップ3のY)、絶対値の総和計算値が放電閾値(Sth)より大きいか否かを判定する(ステップ31)。絶対値の総和計算値が放電閾値(Sth)より大きい場合は、放電が発生と判定する(ステップ31のY)。
本実施形態では、放電誤検出防止のため、放電検出の判定処理を所定回数(例えばリトライ回数を4回)繰り返す。すなわち、ステップ31において、絶対値の総和計算値が放電閾値(Sth)より大きい場合は、この放電検出処理がリトライ回数以内であるか否かを判定し(ステップ32)、リトライ回数以内である場合には、デューティーを0%まで漸次減少させた後(ステップ33)、ステップ2に戻り、再びデューティーの増加と出力電圧の2回微分の絶対値の総和を計算する。そして、リトライ回数に達した場合には(ステップ32のN)、放電が発生したとして、放電検出処理を終了し、蛍光灯の点灯を中止するする(ステップ34)。一方、絶対値の総和計算値が放電閾値(Sth)以下の場合(ステップ31のN)は、放電発生無しと判定し、起動処理を終了する(ステップ16)。
(4)点灯開始処理
次に、本実施形態に特有の点灯開始処理及びデューティー制御処理を、図8のフローチャートで説明すると次の通りである。なお、前記図7で示したステップ20は、図8のステップ2とステップ3の間で実行される。また、図7のステップ31から34は、図8においてステップ30と示す通り、図8のステップ3とステップ16の間で実行される。
また、これらのフローチャートにおいて、ステップ1の起動周波数の発振、ステップ7の周波数の減少は周波数増減制御部83が行い、ステップ3,12のデューティーの比較はデューティー比較部82が行う。また、ステップ2,6,10,11のデューティーの増減は、デューティー増減制御部81が行い、ステップ8,13の点灯開始電圧の維持時間のカウントは、タイマ86が行う。
まず、周波数及びデューティー制御部8からの指令により、発振回路6が起動周波数f0において0%のデューティーDutyで矩形波の発振を開始する(ステップ1)。制御部8は、発振回路6から矩形波のデューティーDutyを0%から△D(例えば0.1%)ずつ徐々に上昇させ(ステップ2)、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧に達していない場合には(ステップ4のN)、ステップ2に戻るという処理を繰り返す。
すなわち、発振回路6からの矩形波のデューティーが小さい場合(例えば0.1%)には、その矩形波によってオン・オフされるスイッチング回路5のオンデューティーが短い。そのため、スイッチング回路5によってオン・オフされる定電圧直流源からの出力も短時間となり、スイッチング回路5からは、図1の(a)の実線で示すようなデューティーの小さい矩形波の交流が出力される。このデューティーの小さい矩形波交流は、共振回路で共振して擬似正弦波となるが、その波形は、図1の(a)の点線で示すように、波高が小さい(電圧が低い)ものとなる。
一方、発振回路6からの矩形波のデューティーが大きい場合(例えば33%)には、スイッチング回路5からの出力は、図1の(b)の実線で示すようなデューティーの大きな矩形波交流となる。そして、この矩形波交流により生成される擬似正弦波は、図1の(b)の点線で示すように、波高が高い(電圧が高い)ものとなる。そのため、前記のように起動周波数において、発振回路6からのデューティーを0%から徐々に増加していくと、圧電トランス2a〜2dには同一周波数(起動周波数)でしかも電圧が徐々に増加する擬似正弦波が印加されることになる。
その結果、起動周波数f0を比較的低い値としても、圧電トランス2a〜2dの入力電圧が低い値から高い値に徐々に増加するので、この圧電トランス2a〜2dによって昇圧された圧電トランスの出力電圧も、デューティーの増加に対応して徐々に増加する(図9の点線の上向きの矢印参照)。従って、起動周波数における昇圧比(周波数−出力電圧特性)が急峻な曲線を描くとしても、圧電トランスから蛍光灯1a,1bに急激に高電圧が印加されることがない。同時に、起動周波数を比較的低い値としたことにより、定電圧直流源が高電圧であっても、FETを高周波でオン・オフすることがなく、その破損を招く不都合もない。
前記のようにしてデューティーDutyを増加させて行った結果、点灯開始電圧に達する(ステップ4のY)が、その場合のデューティーDutyが点灯継続電圧を制御するのに適したデューティーDth2に達していない場合には(ステップ5のN)、一旦デューティーを0%まで漸次減少させる(ステップ6)。そして、周波数を起動周波数f0から△f(例えば200Hz)下げた後(ステップ7)、ステップ2に戻り、下げた周波数f0−△fに基づいて、デューティーDutyを増加させながら圧電トランスの出力電圧を上昇させる処理を繰り返す。
このようにして、周波数の低下f0−△fとデューティーDutyの増加を繰り返した結果、ステップ4において点灯開始電圧を得られたデューティーDutyが、点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも大きくなった場合(Duty≧Dth2)には、次の点灯開始電圧を一定時間維持する処理に移る(ステッ5のY)。
(5)点灯電圧制御可能デューティーDth2
点灯継続電圧は、蛍光灯の点灯中一定範囲内の値に維持される必要があり、通常(従来)は、圧電トランスの出力電圧を検出して、その検出値を周波数発振器にフィードバックすることで、圧電トランスに印加する周波数を増減する。
本発明の場合には、周波数を増減する代わりに、周波数(圧電トランスから点灯を継続する出力電圧が得られる周波数)を一定としたまま、デューティーDutyを増減することで、圧電トランスの出力電圧を一定範囲内の値に制御する。この場合に、デューティーの制御幅が小さいと、制御が困難である。そのため、点灯継続電圧制御可能デューティーDth2としては、例えば33%以上のデューティーが好ましい。すなわち、ある周波数でデューティーを増加させて行き点灯開始電圧に達したとしても、その際のデューティーが例えば33%よりも小さい場合は、蛍光灯を継続して点灯させるのには不十分(デューティーDutyが小さ過ぎる)である。
通常、図9に示すとおり、圧電トランスの負荷接続時の周波数−電圧特性の「周波数を低下させると圧電トランスの出力電圧が上昇する」部分で蛍光灯を継続して点灯するので、周波数を低下させる方がデューティーが大きくなる。そこで、ある周波数で点灯開始電圧に達したとしても、その際のデューティーDutyが点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも小さい場合(Duty<Dth2)には、前記ステップ5において、周波数を低下させて、再びデューティーを0%から増加させていくと、より大きなデューティーで点灯開始電圧が得られる。
(6)点灯開始電圧の維持
通常の蛍光灯は、点灯開始電圧が印加されると短時間で点灯するが、暗黒効果蛍光灯と呼ばれる黒中長時間放置し暗黒下で点灯する蛍光灯の場合には、点灯までに時間的遅れが生じる場合がある。このような暗黒効果蛍光灯を確実に点灯させるためには、一定時間以上点灯開始電圧(3KV)を印加する必要がある。
そこで、本実施形態では、デューティーDutyが点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも大きい状態(Duty≧Dth2)で点灯開始電圧に達した場合(ステップ4と5が共にY)は、その電圧を所定時間tth(例えば1.5秒)維持する。すなわち、点灯開始電圧に達した時点で、タイマtを0(t←0)として維持時間の計測を開始する(ステップ8)。
この状態(点灯開始電圧を出力した周波数とデューティーで、電源電圧から圧電トランスに電圧を印加た状態)で、圧電トランスの出力電圧を監視し、出力電圧が点灯開始電圧以上でない場合(ステップ9のN)は、デューティーを増加させることで出力電圧を上昇させ(ステップ10)、出力電圧が点灯開始電圧以上の場合(ステップ9のY)はデューティーを減少させることで出力電圧を減少させる(ステップ11)。これにより、圧電トランスからの出力電圧を点灯開始電圧に維持する。
この場合、前記ステップ4と5が共にYでデューティーが点灯電圧制御可能デューティーで点灯開始電圧に達しているが、ステップ8においてt←0とした後、ステップ9で点灯開始電圧以上?のチェックを行う必要性は次の理由である。すなわち、ステップ8以降のフローは、一定時間以上点灯開始電圧を維持するためのチェックであって、通常、点灯開始電圧は、様々な要因で変動する。したがって、当該フローに飛び込んできた状態でデューティーを固定しただけでは、点灯開始電圧を維持できない場合がある。
(7)点灯状態の確認
ステップ9において、既に蛍光灯が点灯している場合も、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧よりも大幅に低下するので(図9の下向きの矢印参照)、点灯した場合にステップ3以降の元のフローに復帰する判断材料の一つにもなっている。すなわち、出力電圧が点灯開始電圧以上でない場合(ステップ9のN)は、デューティーを増加させることで出力電圧を上昇させるが(ステップ10)、出力電圧が点灯開始電圧以下となる原因としては、蛍光灯の点灯によることも考えられる。そこで、本実施形態では、ステップ10で増加させたデューティーDutyが蛍光灯の点灯状態を確認する点灯確認デューティーDth3よりも大きくなったか否かを検出している(ステップ12)。これにより、時間t(例えば1.5秒)経過する前に点灯して、圧電トランスの出力電圧が低下し、かつ、点灯確認デューティーDth3(例えば40%)以上になった場合(ステップ12のY)は、起動処理を終了する(ステップ16)に復帰する。
この場合、点灯確認デューティーDth3の意義は、次の通りである。ステップ10,11において、点灯開始電圧を維持するために、デューティーを増減させるが、その幅は実際には大体±2%程度である。一方、ステップ10におけるデューティーは、既に点灯電圧制御可能デューティーDth2(例えば、33%)よりも大きくなっているので、蛍光灯が点灯していない状態でデューティーを増加させると、増加後のデューティーが35%程度になる場合があることになる。この点灯していない状態では、起動処理を正常に終了させる(ステップ16)ことは好ましくない。そこで、点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも、点灯確認デューティーDth3を例えば40%程度まで広げて、増加後のデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3よりも大きくなり、しかも点灯開始電圧に達しないときは、蛍光灯が点灯したと判断する。
蛍光灯が維持時間tth以内に正常に点灯した場合は、圧電トランスが無負荷状態ではなく、負荷が接続された状態になるので、点灯開始前と同じ周波数で同じデューティーに基づく疑似正弦波が圧電トランスに加わっていても、その出力電圧は大幅に低下する。そこで、点灯開始電圧以上?というステップ9はNになり、デューティーDutyは増加する。この処理は、ステップ13の経過時間tが維持時間tthに達するまで繰り返されるので、正常に点灯した場には、最終的には増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3を上回り(ステップ12のY)、ステップ3の起動処理終了の確認ステップに移ることができる。
(8)起動異常処理の終了
一方、増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3以下の場合(ステップ12のN)、及び圧電トランスの出力が点灯開始電圧以上でデューティーを減少した場合(ステップ11)には、現在までの経過時間tが予め定めた点灯開始電圧の維持時間tthよりも長時間であるか否かを判定する(ステップ13)。この場合、経過時間tが維持時間tthよりも短い場合には、ステップ9に戻り、圧電トランスの出力電圧を監視する。維持時間tthが経過しても点灯しない場合(ステップ10で増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3以上とならない場合、またはステップ9のYの点灯開始電圧以上の状態が継続した場合)は、コネクタオープンなどの異常が発生したと判定し、デューティーを0%まで漸次減少させ(ステップ14)、起動が異常(点灯不良)として処理を終了する(ステップ15)。
(9)起動処理の正常終了
前記のようにしてステップ8から13の点灯確認処理を行った結果、増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3を上回り点灯が確認された場合には、起動が正常に行われたとして、起動処理を終了する。
(10)点灯開始電圧到達以前の点灯
暗黒効果のない蛍光灯の場合には、圧電トランスからの出力が点灯開始電圧に達する以前の低い電圧で点灯することが通常である。すなわち、起動周波数において、デューティーDutyを増加させて行くと(ステップ1,2)、点灯開始電圧に達しない電圧(例えば、図3中実線で示した負荷接続状態の曲線で示す電圧)で点灯すると、その後、圧電トランスに印加する周波数を低下させたとしても出力電圧はこの曲線で示す電圧値よりも高くなることがない(図3の点線矢印参照)。
従って、ステップ4における点灯開始電圧以上?の判断は常にNになり、ステップ2に戻ってデューティーDutyの△D分の増加のみが繰り返される。このデューティーの増加が繰り返された結果、デューティーDutyが起動処理が終了したか否かを判定するための起動確認デューティーDth1を越えた場合に(ステップ3のY)、点灯開始電圧に達する以前に点灯が確認されたとして起動処理を終了する(ステップ16)。
[実施形態の効果]
前記のような構成を有する本実施形態によれば、起動周波数においてデューティーを徐々に増加させることで、圧電トランスからの出力電圧を上昇させ、点灯開始電圧を得ることができる。その結果、65KHz程度の比較的低い周波数においてFET4a〜4dのオン・オフを行うことが可能であり、例えば400V程度の高電圧の直流電圧をFETがスイッチングしたとしても、FETの損傷を招くことがない。しかも、65KHz程度の周波数の無負荷時における圧電トランスの出力電圧特性は、非常に急峻なものであるが、本実施形態では、400V程度の高電圧をそのままスイッチングして圧電トランスに印加することはなく、デューティーを0%から徐々に増加させながら印加する。そのため、高電圧の直流電源を使用しながら、FET、蛍光灯、圧電トランス、その他の回路部分に負担をかけることなく、蛍光灯を点灯することができる。
そして、このような比較的低い起動周波数において、圧電トランスの出力電圧を徐々に増加させながら、断線部分の放電の発生を判定するので、圧電トランスやFETなどの部品に負担を掛けることなく断線を検出して蛍光灯の点灯を中止することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も包含する。
(a) 前記の実施形態は、起動周波数においてデューティーを0%から徐々に増加させて蛍光灯を点灯するものであるが、蛍光灯の点灯方法としては、必ずしもこれに限らない。従来から汎用されている高い周波数から徐々に周波数を下げて行き、それによって圧電トランスからの出力電圧を徐々に上昇させて、点灯開始電圧を得るタイプのインバータにも本発明を適用することができる。その場合でも、暗黒効果の無い通常の蛍光灯では、比較的高い周波数、すなわち比較的低い出力電圧でも点灯するが、断線が存在する場合には断線から放電が発生するまで出力電圧が上昇し、その後、蛍光灯が点灯するので、前記実施形態と同様な出力特性を示す。そのため、出力電圧の2回微分の絶対値の総和を取ることで、断線による放電を検出することができる。
(b) 前記実施形態は、総和計算値が放電閾値よりも予め設定した回数(リトライ回数)を上回った場合に放電が発生したと判定したが、1回上回っただけでも放電と判定することは可能である。
(c) 図1では、各圧電トランスの出力電圧を検出しているが、この場合、すべての出力電圧について、その2回微分値の絶対値の総和を計算し、その1つでも放電閾値を上回った場合に放電と判定しても良い。また、各圧電トランスの出力電圧の最大値、最小値、平均値のいずれかを放電閾値と比較しても良い。更に、複数の圧電トランスのいずれかの出力電圧のみを検出し、その総和計算値と放電閾値とを比較することもできる。
(d) 実施形態に記載した起動周波数f0、周波数の減少分△f、定電圧直流電源の電圧値、デューティーDuty、デューティーの増加分△Dなどの値は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。また、テレビなどの高電圧の直流電源を使用するもの以外に、従来のパソコンなどで使用する比較低い電圧の電源を使用したバックライトにも使用可能である。
本発明の実施形態の構成を示すブロック図。 図1の実施形態における周波数及びデューティー制御部の詳細を示すブロック図。 本実施形態における断線による放電時と正常時の出力電圧特性を示すグラフ。 圧電トランスの常温時、低温、及び断線時の出力電圧と時間との関係を示すグラフ。 図4のグラフの1回微分値及び2回微分値を示すグラフ。 本発明における断線時の出力電圧を示すグラフと、出力電圧から2回微分値の絶対値の総和を求める回路の一例を示す回路図。 本発明の一実施形態の作用を示すフローチャート。 図7の実施形態を蛍光灯の起動処理に組み込んだ場合の処理を示すフローチャート。 圧電トランスの無負荷時と負荷接続時における周波数−出力電圧特性を示すグラフ。
符号の説明
1a,1b…蛍光灯
2a〜2d…圧電トランス
3a,3b…圧電トランスの1次端子
3c…圧電トランスの2次端子
4a〜4d…FET
5…スイッチング回路
6…発振回路
7…反転器
8…周波数及びデューティー制御部
81…デューティー増減制御部
82…デューティー比較部
83…周波数増減制御部
84…出力電圧監視部
85…起動信号入力部
86…タイマ
9…電圧検出部
10…2回微分値積分処理部
11…放電判定部
15…定電圧直流電源

Claims (8)

  1. 矩形波を発振する発振回路と、この発振回路が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する周波数及びデューティー制御部と、前記発振回路から出力される矩形波によってオン・オフされる複数のスイッチング素子を有するスイッチング回路と、このスイッチング回路の入力側に接続された直流電源と、前記スイッチング回路の出力側に接続されて前記直流電源からの出力電圧が前記スイッチング回路を介して交流電圧として1次端子に印加される圧電トランスと、この圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯を備えたバックライト用インバータにおいて、
    前記圧電トランスの出力電圧を検出する電圧検出部と、
    圧電トランスの起動時においてこの電圧検出部が検出した出力電圧を2回微分して、その絶対値の総和計算値を算出する2回微分値積分処理部と、
    前記2回微分値積分処理部によって算出された前記総和計算値が、予め設定された放電閾値を上回った場合に、断線による放電が発生したと判定する放電判定部とを有することを特徴とするバックライト用インバータ。
  2. 前記放電判定部が、前記総和計算値が予め設定された放電閾値を、予め設定されたリトライ回数上回った場合に、断線による放電が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載のバックライト用インバータ。
  3. 前記周波数及びデューティー制御部は、圧電トランスの無負荷状態において、前記発振回路から蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数を出力させると共に、この起動周波数において、前記発振回路から出力される矩形波のデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合にまで徐々に増加させるもので、
    前記2回微分値積分処理部が、起動周波数において矩形波のデューティーが徐々に増加するのに伴って変化する前記圧電トランスからの出力電圧を、2回微分してその絶対値の総和計算値を算出するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバックライト用インバータ。
  4. 前記2回微分値積分処理部が、起動周波数において矩形波のデューティーを増加させるごとに前記総和計算値を算出し、総和計算値の算出後におけるデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えない場合には、再び起動周波数におけるデューティーの増加と総和計算値の算出を行うものであり、
    前記放電判定部は、前記総和計算値の算出後におけるデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えた場合に、前記総和計算値と放電閾値とを比較するものであることを特徴とする請求項3に記載のバックライト用インバータ。
  5. 圧電トランスの起動時において検出した出力電圧を2回微分して、その絶対値の総和計算値を算出し、
    前記総和計算値が、予め設定された放電閾値を上回った場合に、断線による放電が発生したと判定することを特徴とするバックライト用インバータの放電判定方法。
  6. 前記総和計算値が予め設定された放電閾値を、予め設定されたリトライ回数上回った場合に、断線による放電が発生したと判定することを特徴とする請求項5に記載のバックライト用インバータの放電判定方法。
  7. 圧電トランスの無負荷状態において、圧電トランスに蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数のパルスを印加するに当たり、前記起動周波数のパルスのデューティーを低い割合から徐々に増加して行くことにより、圧電トランスからの出力電圧を増加させ、
    前記起動周波数のパルスのデューティーが徐々に増加するのに伴って変化する前記圧電トランスからの出力電圧を、2回微分してその絶対値の総和計算値を算出するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のバックライト用インバータの放電判定方法。
  8. 起動周波数においてデューティーを増加させるごとに前記総和計算値を算出し、総和計算値の算出後におけるデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えない場合には、再び起動周波数におけるデューティーの増加と総和計算値の算出を行い、
    前記総和計算値の算出後におけるデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えた場合に、前記総和計算値と放電閾値とを比較するものであることを特徴とする請求項7に記載のバックライト用インバータの放電判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112688739A (zh) * 2020-12-16 2021-04-20 武汉永鼎光通科技有限公司 一种自适应背光的apc控制电路

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