JP2010094000A - バックライト用インバータとその起動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電圧の直流電源に対応したバックライト用インバータを提供する。
【解決手段】バックライト用インバータは、矩形波を発振する発振回路6と、この発振回路6が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する周波数及びデューティー制御部8と、この矩形波によってオン・オフされるスイッチ回路5を有する。また、スイッチ回路5の入力側に接続された直流電源と、スイッチ回路の出力側に接続されて前記直流電源からの出力電圧が前記スイッチ回路を介して交流電圧として1次端子に印加される圧電トランス2a〜2dと、圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯1a,1bを備える。周波数及びデューティー制御部8は、起動周波数において、発振回路6から出力される矩形波のデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合にまで徐々に増加させる。
【選択図】図1
【解決手段】バックライト用インバータは、矩形波を発振する発振回路6と、この発振回路6が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する周波数及びデューティー制御部8と、この矩形波によってオン・オフされるスイッチ回路5を有する。また、スイッチ回路5の入力側に接続された直流電源と、スイッチ回路の出力側に接続されて前記直流電源からの出力電圧が前記スイッチ回路を介して交流電圧として1次端子に印加される圧電トランス2a〜2dと、圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯1a,1bを備える。周波数及びデューティー制御部8は、起動周波数において、発振回路6から出力される矩形波のデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合にまで徐々に増加させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電トランスを使用したバックライト用インバータと、その起動方法に関するものであって、特に、圧電トランスの起動時において、圧電トランスに供給する発振周波数のデューティーを微細に制御することにより、バックライトの点灯開始電圧を容易に得ることのできる技術に係る。
パソコンの液晶ディスプレイのバックライトとして冷陰極管などの蛍光灯が使用される。この蛍光灯を点灯するためのインバータとして、最近では、圧電トランスを使用したものが広く使用されている。このバックライト用インバータは、圧電トランスの周波数特性(共振特性)を利用して、駆動周波数を可変とすることにより、その出力電流を制御する。
この圧電トランスは、負荷のインピーダンスにより昇圧比が変化する特性があり、蛍光灯が点灯していない無負荷時と点灯後の負荷接続時とでは、異なる周波数−出力電圧特性(周波数−昇圧比特性)を有する。無負荷時と負荷接続時の双方とも、その特性は高周波側から周波数が低下するにつれて出力電圧が上昇し、圧電トランスの共振周波数近傍にて最も高い出力電圧となり、さらに周波数が低下すると再び出力電圧が低くなる。すなわち、共振周波数近傍をピークとした山形の曲線を描くが、負荷接続時の曲線に比べて無負荷時の曲線の方が急峻であり、またそのピークもはるかに高い。
一方、蛍光灯の点灯開始電圧は1KVから3KV程度とかなり高いため、この点灯開始電圧を得られる周波数も共振周波数に近い。しかし、このような共振周波数に近い周波数を起動周波数として圧電トランスにいきなり印加すると、圧電トランスからの高電圧が蛍光灯やその他の回路部分に印加されることになる。
そのため、この種の圧電トランスを使用したバックライトインバータにおいては、圧電トランスに対して高周波側から徐々に低下した周波数を印加させることで、徐々に出力電圧を高くしていき、蛍光灯の点灯開始電圧を得るようにしている。
また、この圧電トランスに印加する周波数としては、定電圧直流電源からの出力を擬似正弦波に変換したものを使用する。すなわち、定電圧直流電源と圧電トランスの1次端子との間にフルブリッジ回路やプッシュプル回路などのスイッチング回路を設けて、このスイッチング回路を別途用意した発振回路からの矩形波によってオン・オフすることで、擬似正弦波を作成する。この場合、発振回路からの矩形波のデューティーを例えば33%とすることで、圧電トランスに印加する擬似正弦波の電圧を決定している。
このような周波数を制御することで圧電トランスの出力電圧を制御する技術、及び定電圧直流電源の出力をスイッチング回路を利用して擬似正弦波を生成する技術としては、例えば、特許文献1から特許文献3に示すものが知られている。
特開2002−233158号公報
特開2003−157990号公報
特開2008−125335号公報
従来、この種の圧電トランスを使用したバックライト用インバータは、パソコンの液晶ディスプレイ用として広く使用されていたが、最近では、家庭用の液晶テレビなど家電製品のバックライト用インバータとしてもその使用が注目されている。
ところで、パソコンのバックライトでは電源電圧が24V程度であるため、FETに加わる電圧が低く、そのため、FETの周波数に対する耐性も高く、ある程度高い周波数を印加することが可能である。そのため、起動時には、無負荷の場合の周波数特性曲線の比較的高い周波数から下降を開始することが可能であり、下降開始周波数と起動周波数との差が大きく、徐々に周波数を減少させながら起動周波数に近付かせることができる。
一方、家電製品のバックライトでは、電源電圧として商用電源を400V程度に昇圧した方が高効率となるため、スイッチング素子であるFETに24Vの電源電圧を使用した場合に比較して、20倍程度の高電圧が印加されることになる。このような高電圧をFETに印加した場合に、スイッチング素子の開閉周波数を高くするとFETが破損する可能性が高い。例えば、400Vを3KVに昇圧すると、パソコンの24Vに比較して20倍程度の高電圧でFETをオン・オフすることになる。このような高電圧で、FETをオン・オフする場合、圧電トランスに印加する周波数(FETでオン・オフする周波数)を高くすると、FETが破損する可能性がある。そのため、65KHz程度の周波数から下降を開始することになる。
しかし、無負荷の周波数特性はカーブの頂点の近傍(64〜66KHzの周波数)で極めて急峻であり、65KHzの周波数に対応する出力電圧はかなり高い。そのため、65KHz程度の周波数から下降を開始すると、蛍光灯やその周囲の回路に高電圧が突然印加されることになる。これは、蛍光灯自体、蛍光灯とその端子間の接続部などの破損を招く。また、圧電トランスにも、急に高電圧の高周波が印加されるため、急激な機械的振動が生じ、破損を招くこともある。
パソコンの液晶ディスプレイのように電源電圧が24Vの場合には、FETに加わる電圧が低いので、下降開始周波数を高くすることができる。そのため、比較的高い周波数(圧電トランスの出力電圧が比較的低い状態)から、下降を開始できるので、蛍光灯には、徐々に高電圧が加わることになり、前記のような問題点は生じない。また、商用電源をいったん24Vにまで降圧してから、圧電トランスにより3KV程度まで昇圧することも考えられる。しかし、その場合には、降圧及び昇圧時のエネルギーロスが大きくなり、好ましい方法とは言えない。
すなわち、起動周波数においていきなり33%のデューティーで圧電トランスに擬似正弦波を印加すると、この起動周波数が無負荷共振点の近傍だと、数十KVの高電圧が発生するため、回路の各所で破壊が発生する。これを避けるため、従来技術では、無負荷共振点より十分高い周波数で起動する必要があった。65KHzが無負荷共振点だとすると、例えば80KHz〜100KHzを起動周波数とすると、起動周波数が共振点からこれだけ離れていれば、33%デューティーとしても、出力電圧(=蛍光管電圧)が十分低く、破壊に至ることはない。
さらに、従来技術では、周波数制御のみにより点灯開始電圧を制御しているため、共振特性の右側(高周波側)で制御する必要がある。仮に、左側だと、制御が反転してしまうためである。しかし、共振特性の右側で、点灯開始電圧が33%デューティーになるのは65KHz以上であり、この周波数で直流電源として400Vを使用すると、スイッチング素子であるFETが破壊する。
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、下降開始周波数として点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数を使用することで、FETが破損するおそれのない低い下降開始周波数でありながら、しかも、圧電トランスからの出力電圧が点灯開始電圧に対して徐々に上昇することで、蛍光管やその周辺回路に急激な高電圧が印加することがないバックライト用インバータの起動方法を提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明のバックライト用インバータの起動方法は、無負荷状態の圧電トランスに対して、蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数のパルスを印加するに当たり、前記起動周波数のパルスのデューティーを低い割合から徐々に増加して行くことにより、圧電トランスからの出力電圧を増加して、蛍光灯の点灯開始電圧を得ることを特徴とする。
本発明のバックライト用インバータは、矩形波を発振する発振回路と、この発振回路が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する周波数及びデューティー制御部と、前記発振回路から出力される矩形波によってオン・オフされる複数のスイッチング素子を有するスイッチ回路と、このスイッチ回路の入力側に接続された直流電源と、前記スイッチ回路の出力側に接続されて前記直流電源からの出力電圧が前記スイッチ回路を介して交流電圧として1次端子に印加される圧電トランスと、この圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯を備えている。
そして、前記周波数及びデューティー制御部は、無負荷状態の圧電トランスに対して、蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数を出力すると共に、この起動周波数において、前記発振回路から出力される矩形波のデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合にまで徐々に増加させるものであることを特徴とする。
また、前記起動方法において、起動周波数でデューティーを増加させた結果、点灯開始電圧に達した後は、起動周波数よりも低い周波数において、再びデューティーを低い割合から徐々に増加させて点灯開始電圧を得ることも、本発明の一態様である。また、そのために、前記周波数及びデューティー制御部として、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧に達した場合に、起動周波数よりも低い周波数を発振回路から出力させ、その低い周波数において、再びデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合まで徐々に増加させるものであることも、本発明の一態様である。
前記のような構成を有する本発明のバックライト用インバータの起動方法では、起動周波数として蛍光灯の点灯開始電圧を得ることができるような低い周波数により、スイッチング素子がオン・オフされるので、FETなどのスイッチング素子に高周波が加わることがなく、その破損が防止される。一方、点灯開始電圧を得ることができるような起動周波数は周波数が低くFETの破壊はないものの、そのままでは、急激な出力電圧が負荷や回路に印加される。しかし、本発明においては、起動周波数においてそのデューティーを徐々に増加させることにより、圧電トランスの出力電圧を徐々に高くしていって点灯開始電圧を得るので、蛍光灯や回路などに急激に高電圧が印加されることがない。
本発明によれば、蛍光管やその周辺回路に急激な高電圧が印加することがなく、しかも出力電圧の制御が容易に実施できるバックライト用インバータ及びバックライト用インバータの起動方法を提供することができる。
また、起動周波数においてデューティーを変化させることで点灯開始電圧を得た後、さらにその周波数を下げて再びデューティーを変化させて点灯開始電圧を得るようにした場合には、点灯開始電圧に達するデューティーの制御幅を大きくすることができ、点灯開始電圧を得るのに最適なデューティーを容易に得ることができる。
[実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図1に従って具体的に説明する。図1において、符号1a,1bは点灯対象である蛍光灯、2a〜2dは蛍光灯1a,1bに対して点灯開始電圧及び点灯維持電圧を供給する圧電トランスである。この圧電トランス2a〜2dは、一対の1次端子3a,3bと一つの2次端子3cを有する。
以下、本発明の実施形態を図1に従って具体的に説明する。図1において、符号1a,1bは点灯対象である蛍光灯、2a〜2dは蛍光灯1a,1bに対して点灯開始電圧及び点灯維持電圧を供給する圧電トランスである。この圧電トランス2a〜2dは、一対の1次端子3a,3bと一つの2次端子3cを有する。
圧電トランス2a〜2dの一対の1次端子3a,3bには、4個のFET4a〜4dを有するフルブリッジ回路で構成されたスイッチング回路5が接続されている。このスイッチング回路5の入力側は定電圧直流電源10に接続され、出力側は、FET4a〜4d及び圧電トランス2a〜2dの1次端子3a,3bを介して、接地されている。
このスイッチング回路5は、交互に開閉する2個のFET4a,4bと、同じく交互に開閉する2個のFET4c,4dとをそれぞれ直列に接続し、さらにこれら直列に接続された2組のFETを並列に接続したものである。このFET4aと4bの中間部分、及びFET4cと4dの中間部分が、前記圧電トランス2a〜2dの1次端子3a,3bに接続されている。
このスイッチング回路5には発振回路6が接続され、この発振回路6からの高周波の矩形波電力により、FET4a,4bとFET4c,4dが交互に開閉する。すなわち、発振回路6の第1の出力端子からは、FET4aに対して図中(1)で示すような矩形波が供給され、FET4bに対して同じ矩形波(1)が反転器7bを介して反転された状態で供給される。発振回路6の第2の出力端子からは、FET4cに対して前記(1)の矩形波から180°位相がずれた図中(2)で示すような矩形波が供給され、FET4dに対して同じ矩形波(2)が反転器7aを介して反転された状態で供給される。
前記発振回路6には、本発明の特徴である周波数及びデューティー制御部8が接続されている。この制御部8は、発振回路6から出力される矩形波(1)(2)の周波数fとデューティーDutyを決定するものである。すなわち、本実施形態において、制御部8は、次のような処理を行うものであり、そのため図2示すような各部を有している。
(a) デューティー増減制御部81
予め定められた起動周波数f0において、矩形波のデューティーDutyを0%から△D(例えば0.1%)ずつ増加させる。
(b) デューティー比較部82
発振回路から出力している矩形波のデューティーDutyと、予め定められた基準値Dth1≧Dth3≧Dth2との比較を行う。
予め定められた起動周波数f0において、矩形波のデューティーDutyを0%から△D(例えば0.1%)ずつ増加させる。
(b) デューティー比較部82
発振回路から出力している矩形波のデューティーDutyと、予め定められた基準値Dth1≧Dth3≧Dth2との比較を行う。
ここで、Dth1は、起動処理が終了したか否かを判定するための起動確認デューティーで、一例として40%である。Dth3は、蛍光灯の点灯状態を確認する点灯確認デューティーで、一例として、40%である。Dth2は点灯電圧制御可能デューティーで、一例として33%である。
(c) 周波数増減制御部83
起動周波数f0から周波数を△f(例えば200Hz)ずつ増減する。
(d) 出力電圧監視部84
圧電トランスの出力電圧を監視し、蛍光灯の点灯開始電圧に達したか否か、蛍光灯の点灯維持(継続)電圧に達したか否かを判定する。
(e) 起動信号入力部85
外部から蛍光灯の点灯開始信号を受け付ける。
(f) タイマ86
点灯開始電圧が一定時間tth維持されているかをカウントする。
起動周波数f0から周波数を△f(例えば200Hz)ずつ増減する。
(d) 出力電圧監視部84
圧電トランスの出力電圧を監視し、蛍光灯の点灯開始電圧に達したか否か、蛍光灯の点灯維持(継続)電圧に達したか否かを判定する。
(e) 起動信号入力部85
外部から蛍光灯の点灯開始信号を受け付ける。
(f) タイマ86
点灯開始電圧が一定時間tth維持されているかをカウントする。
この周波数及びデューティー制御部8の入力側には、圧電トランス2a〜2dの出力電圧を検出する電圧検出部9が接続され、この電圧検出部9の出力が前記出力電圧監視部84に入力されている。
[実施形態の作用]
次に前記のような構成を有する本実施形態の作用を図3のフローチャートに従って説明する。
次に前記のような構成を有する本実施形態の作用を図3のフローチャートに従って説明する。
(1)基本的な動作
周波数及びデューティー制御部8の起動信号入力部85に対して、蛍光灯の点灯開始指令が入力されると、制御部8のデューティー増減制御部81と周波数増減制御部83は、発振回路6に対して、所定の周波数とデューティーを有する矩形波(1)(2)を出力すべき旨の指令を出す。この指令に基づいて、発振回路6からは、スイッチング回路5の各FET4a〜4dを開閉するための矩形波(1)(2)と、これらの矩形波(1)(2)を反転した矩形波が出力され、それによって各FET4a〜4dがオン・オフする。
周波数及びデューティー制御部8の起動信号入力部85に対して、蛍光灯の点灯開始指令が入力されると、制御部8のデューティー増減制御部81と周波数増減制御部83は、発振回路6に対して、所定の周波数とデューティーを有する矩形波(1)(2)を出力すべき旨の指令を出す。この指令に基づいて、発振回路6からは、スイッチング回路5の各FET4a〜4dを開閉するための矩形波(1)(2)と、これらの矩形波(1)(2)を反転した矩形波が出力され、それによって各FET4a〜4dがオン・オフする。
その結果、矩形波(1)がオン、矩形波(2)がオフになった状態では、FET4a,4dがオン、FET4b,4cがオフとなるので、定電圧直流電源10からの出力が、FET4a→圧電トランス2a〜2d→FET4d→接地の順に流れる。一方、矩形波(1)がオフ、矩形波(2)がオンになった状態では、反対にFET4c,4bがオン、FET4a,4dがオフとなるので、定電圧直流電源10からの出力が、FET4c→圧電トランス2a〜2d→FET4b→接地の順に流れる。
このように発振回路6からの矩形波(1)(2)が出力されると、その周波数に応じたタイミングで各FET4a〜4dがオン・オフし、スイッチ回路5からは図1中(a)(b)で示すような交流電圧が出力される。この交流電圧は、図示しないインダクタとコンデンサ、及び圧電トランス入力容量からなる共振回路で共振し、擬似正弦波となって圧電トランス2a〜2dの1次端子3a,3bに供給される(図中(a)(b)の点線の波形を参照)。
前記のような交流電圧が1次端子3a,3bに印加されると、その周波数と負荷インピーダンスで決定される出力電圧が圧電トランス2a〜2dの2次端子3cから出力され、これが蛍光灯1a,1bに印加されることで、蛍光灯が点灯する。一方、圧電トランス2a〜2dの出力電圧は電圧検出部9によって検出され、この検出値は、周波数及びデューティー制御部8の出力電圧監視部84に入力される。
この出力電圧監視部84は、圧電トランス2a〜2dの出力電圧に応じて、発振回路6から圧電トランスに印加される交流電圧の出力周波数を増減する指令をデューティー増減制御部81及び周波数増減制御部83に出力する。デューティー増減制御部81及び周波数増減制御部83は、この指令に基づき、発振回路6に増減指令を出力することで、この増減指令に基づいて発振回路6が所定の周波数とデューティーを有する矩形波を出力することで、スイッチング回路5が開閉し、点灯開始電圧を得たり、点灯継続電圧を維持する。
(2)点灯開始処理
次に、本実施形態に特有の点灯開始処理及びデューティー制御処理を、図3のフローチャートで説明すると次の通りである。なお、これらのフローチャートにおいて、ステップ1の起動周波数の発振、ステップ7の周波数の減少は周波数増減制御部83が行い、ステップ3,12のデューティーの比較はデューティー比較部82が行う。また、ステップ2,6,10,11のデューティーの増減は、デューティー増減制御部81が行い、ステップ8,13の点灯開始電圧の維持時間のカウントは、タイマ86が行う。
次に、本実施形態に特有の点灯開始処理及びデューティー制御処理を、図3のフローチャートで説明すると次の通りである。なお、これらのフローチャートにおいて、ステップ1の起動周波数の発振、ステップ7の周波数の減少は周波数増減制御部83が行い、ステップ3,12のデューティーの比較はデューティー比較部82が行う。また、ステップ2,6,10,11のデューティーの増減は、デューティー増減制御部81が行い、ステップ8,13の点灯開始電圧の維持時間のカウントは、タイマ86が行う。
まず、周波数及びデューティー制御部8からの指令により、発振回路6が起動周波数f0において0%のデューティーDutyで矩形波の発振を開始する(ステップ1)。制御部8は、発振回路6から矩形波のデューティーDutyを0%から△D(例えば0.1%)ずつ徐々に上昇させ(ステップ2)、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧に達していない場合には(ステップ4のN)、ステップ2に戻るという処理を繰り返す。
すなわち、発振回路6からの矩形波のデューティーが小さい場合(例えば0.1%)には、その矩形波によってオン・オフされるスイッチング回路5のオンデューティーが短い。そのため、スイッチング回路5によってオン・オフされる定電圧直流源からの出力も短時間となり、スイッチング回路5からは、図1の(a)の実線で示すようなデューティーの小さい矩形波の交流が出力される。このデューティーの小さい矩形波交流は、共振回路で共振して擬似正弦波となるが、その波形は、図1の(a)の点線で示すように、波高が小さい(電圧が低い)ものとなる。
一方、発振回路6からの矩形波のデューティーが大きい場合(例えば33%)には、スイッチング回路5からの出力は、図1の(b)の実線で示すようなデューティーの大きな矩形波交流となる。そして、この矩形波交流により生成される擬似正弦波は、図1の(b)の点線で示すように、波高が高い(電圧が高い)ものとなる。そのため、前記のように起動周波数において、発振回路6からのデューティーを0%から徐々に増加していくと、圧電トランス2a〜2dには同一周波数(起動周波数)でしかも電圧が徐々に増加する擬似正弦波が印加されることになる。
その結果、起動周波数f0を比較的低い値としても、圧電トランス2a〜2dの入力電圧が低い値から高い値に徐々に増加するので、この圧電トランス2a〜2dによって昇圧された圧電トランスの出力電圧も、デューティーの増加に対応して徐々に増加する。従って、起動周波数における昇圧比(周波数−出力電圧特性)が急峻な曲線を描くとしても、圧電トランスから蛍光灯1a,1bに急激に高電圧が印加されることがない。同時に、起動周波数を比較的低い値としたことにより、定電圧直流源が高電圧であっても、FETを高周波でオン・オフすることがなく、その破損を招く不都合もない。
前記のようにしてデューティーDutyを増加させて行った結果、点灯開始電圧に達する(ステップ4のY)が、その場合のデューティーDutyが点灯継続電圧を制御するのに適したデューティーDth2に達していない場合には(ステップ5のN)、一旦デューティーを0%まで漸次減少させる(ステップ6)。そして、周波数を起動周波数f0から△f(例えば200Hz)下げた後(ステップ7)、ステップ2に戻り、下げた周波数f0−△fに基づいて、デューティーDutyを増加させながら圧電トランスの出力電圧を上昇させる処理を繰り返す。
このようにして、周波数の低下f0−△fとデューティーDutyの増加を繰り返した結果、ステップ4において点灯開始電圧を得られたデューティーDutyが、点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも大きくなった場合(Duty≧Dth2)には、次の点灯開始電圧を一定時間維持する処理に移る(ステッ5のY)。
(3)点灯電圧制御可能デューティーDth2
点灯継続電圧は、蛍光灯の点灯中一定範囲内の値に維持される必要があり、通常(従来)は、圧電トランスの出力電圧を検出して、その検出値を周波数発振器にフィードバックすることで、圧電トランスに印加する周波数を増減する。
点灯継続電圧は、蛍光灯の点灯中一定範囲内の値に維持される必要があり、通常(従来)は、圧電トランスの出力電圧を検出して、その検出値を周波数発振器にフィードバックすることで、圧電トランスに印加する周波数を増減する。
本発明の場合には、周波数を増減する代わりに、周波数(圧電トランスから点灯を継続する出力電圧が得られる周波数)を一定としたまま、デューティーDutyを増減することで、圧電トランスの出力電圧を一定範囲内の値に制御する。この場合に、デューティーの制御幅が小さいと、制御が困難である。そのため、点灯継続電圧制御可能デューティーDth2としては、例えば33%以上のデューティーが好ましい。すなわち、ある周波数でデューティーを増加させて行き点灯開始電圧に達したとしても、その際のデューティーが例えば33%よりも小さい場合は、蛍光灯を継続して点灯させるのには不十分(デューティーDutyが小さ過ぎる)である。
通常、圧電トランスの負荷接続時の周波数−電圧特性の「周波数を低下させると圧電トランスの出力電圧が上昇する」部分で蛍光灯を継続して点灯するので、周波数を低下させる方がデューティーが大きくなる。そこで、ある周波数で点灯開始電圧に達したとしても、その際のデューティーDutyが点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも小さい場合(Duty<Dth2)には、前記ステップ5において、周波数を低下させて、再びデューティーを0%から増加させていくと、より大きなデューティーで点灯開始電圧が得られる。
(4)点灯開始電圧の維持
通常の蛍光灯は、点灯開始電圧が印加されると短時間で点灯するが、暗黒効果蛍光灯と呼ばれる黒中長時間放置し暗黒下で点灯する蛍光灯の場合には、点灯までに時間的遅れが生じる場合がある。このような暗黒効果蛍光灯を確実に点灯させるためには、一定時間以上点灯開始電圧(例えば3KV)を印加する必要がある。
通常の蛍光灯は、点灯開始電圧が印加されると短時間で点灯するが、暗黒効果蛍光灯と呼ばれる黒中長時間放置し暗黒下で点灯する蛍光灯の場合には、点灯までに時間的遅れが生じる場合がある。このような暗黒効果蛍光灯を確実に点灯させるためには、一定時間以上点灯開始電圧(例えば3KV)を印加する必要がある。
そこで、本実施形態では、デューティーDutyが点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも大きい状態(Duty≧Dth2)で点灯開始電圧に達した場合(ステップ4と5が共にY)は、その電圧を所定時間tth(例えば1.5秒)維持する。すなわち、点灯開始電圧に達した時点で、タイマ86の計測時間tを0(t←0)として維持時間の計測を開始する(ステップ8)。
この状態(点灯開始電圧を出力した周波数とデューティーで、電源電圧から圧電トランスに電圧を印加した状態)で、圧電トランスの出力電圧を監視し、出力電圧が点灯開始電圧以上でない場合(ステップ9のN)は、デューティーを増加させることで出力電圧を上昇させ(ステップ10)、出力電圧が点灯開始電圧以上の場合(ステップ9のY)はデューティーを減少させることで出力電圧を上昇させる(ステップ11)。これにより、圧電トランスからの出力電圧を点灯開始電圧に維持する。
この場合、前記ステップ4と5が共にYでデューティーが点灯電圧制御可能デューティーで点灯開始電圧に達しているが、ステップ8においてt←0とした後、ステップ9で点灯開始電圧以上?のチェックを行う必要性は次の理由である。すなわち、ステップ8以降のフローは、一定時間以上点灯開始電圧を維持するためのチェックであって、通常、点灯開始電圧は、様々な要因で変動する。したがって、当該フローに飛び込んできた状態でデューティーを固定しただけでは、点灯開始電圧を維持できない場合がある。
(5)点灯状態の確認
ステップ9において、既に蛍光灯が点灯している場合も、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧よりも大幅に低下するので、点灯した場合にステップ3以降の元のフローに復帰する判断材料の一つにもなっている。すなわち、出力電圧が点灯開始電圧以上でない場合(ステップ9のN)は、デューティーを増加させることで出力電圧を上昇させるが(ステップ10)、出力電圧が点灯開始電圧以下となる原因としては、蛍光灯の点灯によることも考えられる。そこで、本実施形態では、ステップ10で増加させたデューティーDutyが蛍光灯の点灯状態を確認する点灯確認デューティーDth3よりも大きくなったか否かを検出している(ステップ12)。これにより、時間t(例えば1.5秒)経過する前に点灯して、圧電トランスの出力電圧が低下し、かつ、点灯確認デューティーDth3(例えば40%)以上になった場合(ステップ12のY)は、起動処理を終了する(ステップ16)に復帰する。
ステップ9において、既に蛍光灯が点灯している場合も、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧よりも大幅に低下するので、点灯した場合にステップ3以降の元のフローに復帰する判断材料の一つにもなっている。すなわち、出力電圧が点灯開始電圧以上でない場合(ステップ9のN)は、デューティーを増加させることで出力電圧を上昇させるが(ステップ10)、出力電圧が点灯開始電圧以下となる原因としては、蛍光灯の点灯によることも考えられる。そこで、本実施形態では、ステップ10で増加させたデューティーDutyが蛍光灯の点灯状態を確認する点灯確認デューティーDth3よりも大きくなったか否かを検出している(ステップ12)。これにより、時間t(例えば1.5秒)経過する前に点灯して、圧電トランスの出力電圧が低下し、かつ、点灯確認デューティーDth3(例えば40%)以上になった場合(ステップ12のY)は、起動処理を終了する(ステップ16)に復帰する。
この場合、点灯確認デューティーDth3の意義は、次の通りである。ステップ10,11において、点灯開始電圧を維持するために、デューティーを増減させるが、その幅は実際には大体±2%程度である。一方、ステップ10におけるデューティーは、既に点灯電圧制御可能デューティーDth2(例えば、33%)よりも大きくなっているので、蛍光灯が点灯していない状態でデューティーを増加させると、増加後のデューティーが35%程度になる場合があることになる。この点灯していない状態では、起動処理を正常に終了させる(ステップ16)ことは好ましくない。そこで、点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも、点灯確認デューティーDth3を例えば40%程度まで広げて、増加後のデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3よりも大きくなり、しかも点灯開始電圧に達しないときは、蛍光灯が点灯したと判断する。
蛍光灯が維持時間tth以内に正常に点灯した場合は、圧電トランスが無負荷状態ではなく、負荷が接続された状態になるので、点灯開始前と同じ周波数で同じデューティーに基づく疑似正弦波が圧電トランスに加わっていても、その出力電圧は大幅に低下する。そこで、点灯開始電圧以上?というステップ9はNになり、デューティーDutyは増加する。この処理は、ステップ13の経過時間tが維持時間tthに達するまで繰り返されるので、正常に点灯した場には、最終的には増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3を上回り(ステップ12のY)、ステップ3の起動処理終了の確認ステップに移ることができる。
(6)起動異常処理の終了
一方、増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3以下の場合(ステップ12のN)、及び圧電トランスの出力が点灯開始電圧以上でデューティーを減少した場合(ステップ11)には、現在までの経過時間tが予め定めた点灯開始電圧の維持時間tthよりも長時間であるか否かを判定する(ステップ13)。この場合、経過時間tが維持時間tthよりも短い場合には、ステップ9に戻り、圧電トランスの出力電圧を監視する。維持時間tthが経過しても点灯しない場合(ステップ10で増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3以上とならない場合、またはステップ9のYの点灯開始電圧以上の状態が継続した場合)は、コネクタオープンなどの異常が発生したと判定し、デューティーを0%まで漸次減少させ(ステップ14)、起動が異常(点灯不良)として処理を終了する(ステップ15)。
一方、増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3以下の場合(ステップ12のN)、及び圧電トランスの出力が点灯開始電圧以上でデューティーを減少した場合(ステップ11)には、現在までの経過時間tが予め定めた点灯開始電圧の維持時間tthよりも長時間であるか否かを判定する(ステップ13)。この場合、経過時間tが維持時間tthよりも短い場合には、ステップ9に戻り、圧電トランスの出力電圧を監視する。維持時間tthが経過しても点灯しない場合(ステップ10で増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3以上とならない場合、またはステップ9のYの点灯開始電圧以上の状態が継続した場合)は、コネクタオープンなどの異常が発生したと判定し、デューティーを0%まで漸次減少させ(ステップ14)、起動が異常(点灯不良)として処理を終了する(ステップ15)。
(7)起動処理の正常終了
前記のようにしてステップ8から13の点灯確認処理を行った結果、増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3を上回り点灯が確認された場合には、起動が正常に行われたとして、起動処理を終了する。
前記のようにしてステップ8から13の点灯確認処理を行った結果、増加したデューティーDutyが点灯確認デューティーDth3を上回り点灯が確認された場合には、起動が正常に行われたとして、起動処理を終了する。
(8)点灯開始電圧到達以前の点灯
暗黒効果のない蛍光灯の場合には、圧電トランスからの出力が点灯開始電圧に達する以前の低い電圧で点灯することが通常である。すなわち、起動周波数において、デューティーDutyを増加させて行くと(ステップ1,2)、点灯開始電圧に達しない電圧(例えば、図4中実線で示した負荷接続状態の曲線で示す電圧)で点灯すると、その後、圧電トランスに印加する周波数を低下させたとしても出力電圧はこの曲線で示す電圧値よりも高くなることがない。従って、ステップ4における点灯開始電圧以上?の判断は常にNになり、ステップ2に戻ってデューティーDutyの△D分の増加のみが繰り返される。このデューティーの増加が繰り返された結果、デューティーDutyが起動処理が終了したか否かを判定するための起動確認デューティーDth1を越えた場合に(ステップ3のY)、点灯開始電圧に達する以前に点灯が確認されたとして起動処理を終了する(ステップ16)。
暗黒効果のない蛍光灯の場合には、圧電トランスからの出力が点灯開始電圧に達する以前の低い電圧で点灯することが通常である。すなわち、起動周波数において、デューティーDutyを増加させて行くと(ステップ1,2)、点灯開始電圧に達しない電圧(例えば、図4中実線で示した負荷接続状態の曲線で示す電圧)で点灯すると、その後、圧電トランスに印加する周波数を低下させたとしても出力電圧はこの曲線で示す電圧値よりも高くなることがない。従って、ステップ4における点灯開始電圧以上?の判断は常にNになり、ステップ2に戻ってデューティーDutyの△D分の増加のみが繰り返される。このデューティーの増加が繰り返された結果、デューティーDutyが起動処理が終了したか否かを判定するための起動確認デューティーDth1を越えた場合に(ステップ3のY)、点灯開始電圧に達する以前に点灯が確認されたとして起動処理を終了する(ステップ16)。
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、65KHz程度の比較的低い周波数においてFET4a〜4dのオン・オフを行うことが可能であり、例えば400V程度の高電圧の直流電圧をFETがスイッチングしたとしても、FETの損傷を招くことがない。しかも、65KHz程度の周波数の無負荷時における圧電トランスの出力電圧特性は、非常に急峻なものであるが、本実施形態では、400V程度の高電圧をそのままスイッチングして圧電トランスに印加することはなく、デューティーを0%から徐々に増加させながら印加する。そのため、高電圧の直流電源を使用しながら、FET、蛍光灯、圧電トランス、その他の回路部分に負担をかけることなく、蛍光灯を点灯することができる。
本実施形態によれば、65KHz程度の比較的低い周波数においてFET4a〜4dのオン・オフを行うことが可能であり、例えば400V程度の高電圧の直流電圧をFETがスイッチングしたとしても、FETの損傷を招くことがない。しかも、65KHz程度の周波数の無負荷時における圧電トランスの出力電圧特性は、非常に急峻なものであるが、本実施形態では、400V程度の高電圧をそのままスイッチングして圧電トランスに印加することはなく、デューティーを0%から徐々に増加させながら印加する。そのため、高電圧の直流電源を使用しながら、FET、蛍光灯、圧電トランス、その他の回路部分に負担をかけることなく、蛍光灯を点灯することができる。
本実施形態では、単に起動周波数でデューティーを増加させて点灯開始電圧を得るだけでなく、起動周波数で点灯開始電圧が得られた後、周波数を徐々に減少させながら、減少させた周波数においてデューティーを0%から点灯開始電圧が得られるまで増加させる。その結果、点灯開始電圧を得ることのできる周波数を低いものとすると共に、その場合のデューティー制御幅を大きくすることができ、圧電トランスの出力電圧をきめ細かく制御することができる。
特に、点灯開始電圧を得るための周波数とデューティーは、製造上のばらつきなどによりすべての圧電トランスで一定と言うわけではないので、できるだけ低い周波数で、しかも大きな制御幅を持つデューティーを探しながら決定する本実施形態は、圧電トランスの製造上のばらつきにも対応できる優れた技術である。
また、本実施形態では、起動周波数において点灯開始電圧に達しない場合でも、増加していったデューティーDutyが一定値Dth1を越えた場合には点灯したと判断するので、圧電トランスの出力電圧とこれを得るための周波数とデューティーの値を監視するだけで、蛍光灯の点灯を検出することができ、回路構成を単純化できる。また、ステップ12に示したように、点灯開始電圧に達した後も、デューティーDuty>Dth3を監視するだけで一定時間tth内に点灯したことを確認することができ、その点でも有利である。
本実施形態では、デューティーDutyが点灯電圧制御可能デューティーDth2よりも大きくなった状態において、点灯開始電圧を一定時間tth以上継続させるので、暗黒効果のある蛍光灯であっても確実に点灯することができる。特に、この場合、点灯開始電圧の維持は、デューティーの増減によって行うので、従来のように33%のデューティーを維持したまま起動周波数の65KHz近傍で周波数を増減して一定の出力電圧を得る方法に比較して、点灯開始電圧の変動幅をきめ細かく抑制できる利点がある。
[他の実施形態]
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も包含する。
(a) 増加していったデューティーDutyと予め定めた起動確認デューティーDth1や点灯確認デューティーDth3と比較して蛍光灯の点灯を検出する代わりに、蛍光灯や圧電トランスその他の回路部分の電流を検出するなどの手段により、点灯を確認することができる。その場合には、図3のフローチャートのステップ3,12において、他の手段による点灯が確認されたか否かで、ステップ16の起動処理の終了へ移ることができる。
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も包含する。
(a) 増加していったデューティーDutyと予め定めた起動確認デューティーDth1や点灯確認デューティーDth3と比較して蛍光灯の点灯を検出する代わりに、蛍光灯や圧電トランスその他の回路部分の電流を検出するなどの手段により、点灯を確認することができる。その場合には、図3のフローチャートのステップ3,12において、他の手段による点灯が確認されたか否かで、ステップ16の起動処理の終了へ移ることができる。
(b) 暗黒効果を有する蛍光灯対策が必要ない場合には、ステップ8〜15は不要である。また、暗黒効果を有する蛍光灯対策として、点灯開始電圧を一定時間以上維持する代わりに、予め点灯開始電圧を通常よりは高いものとし、その高い電圧が得られるまでデューティーを増加させることもできる。
(c) 点灯開始後は、デューティーの増減を行うことなく、単に周波数を増減するだけで出力電圧を制御することも可能である。もちろん、周波数の制御とデューティーの増減とを併用して、点灯開始後に圧電トランスの出力電圧を一定範囲内に制御することもできる。
(d) 実施形態に記載した起動周波数f0、周波数の減少分△f、定電圧直流電源の電圧値、デューティーDuty、デューティーの増加分△Dなどの値は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。また、テレビなどの高電圧の直流電源を使用するもの以外に、従来のパソコンなどで使用する比較的低い電圧の電源を使用したバックライトにも使用可能である。
1a,1b…蛍光灯
2a〜2d…圧電トランス
3a,3b…圧電トランスの1次端子
3c…圧電トランスの2次端子
4a〜4d…FET
5…スイッチング回路
6…発振回路
7…反転器
8…周波数及びデューティー制御部
81…デューティー増減制御部
82…デューティー比較部
83…周波数増減制御部
84…出力電圧監視部
85…起動信号入力部
86…タイマ
9…電圧検出部
10…定電圧直流電源
2a〜2d…圧電トランス
3a,3b…圧電トランスの1次端子
3c…圧電トランスの2次端子
4a〜4d…FET
5…スイッチング回路
6…発振回路
7…反転器
8…周波数及びデューティー制御部
81…デューティー増減制御部
82…デューティー比較部
83…周波数増減制御部
84…出力電圧監視部
85…起動信号入力部
86…タイマ
9…電圧検出部
10…定電圧直流電源
Claims (9)
- 矩形波を発振する発振回路と、この発振回路が発振する矩形波の周波数及びデューティーを制御する周波数及びデューティー制御部と、前記発振回路から出力される矩形波によってオン・オフされる複数のスイッチング素子を有するスイッチ回路と、このスイッチ回路の入力側に接続された直流電源と、前記スイッチ回路の出力側に接続されて前記直流電源からの出力電圧が前記スイッチ回路を介して交流電圧として1次端子に印加される圧電トランスと、この圧電トランスの2次端子に接続された蛍光灯を備えたバックライト用インバータにおいて、
前記周波数及びデューティー制御部は、無負荷状態の圧電トランスに対して、蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数を出力すると共に、この起動周波数において、前記発振回路から出力される矩形波のデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合にまで徐々に増加させるものであることを特徴とするバックライト用インバータ。 - 前記周波数及びデューティー制御部は、圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧に達した場合に、起動周波数よりも低い周波数を発振回路から出力させ、その低い周波数において、再びデューティーを低い割合から点灯開始電圧が得られる割合まで徐々に増加させるものであることを特徴とする請求項1に記載のバックライト用インバータ。
- 前記周波数及びデューティー制御部は、起動周波数よりも低い周波数において点灯開始電圧が得られたデューティーが、予め定めた点灯電圧制御可能デューティーを越えた場合に、発振回路から出力する周波数の低下を終了させるものであることを特徴とする請求項2に記載のバックライト用インバータ。
- 無負荷状態の圧電トランスに対して、蛍光灯の点灯開始電圧を得ることのできる起動周波数のパルスを印加するに当たり、前記起動周波数のパルスのデューティーを低い割合から徐々に増加して行くことにより、圧電トランスからの出力電圧を増加して、蛍光灯の点灯開始電圧を得ることを特徴とするバックライト用インバータの起動方法。
- 起動周波数でデューティーを増加させた結果、点灯開始電圧に達した後は、起動周波数よりも低い周波数において、再びデューティーを低い割合から徐々に増加させて点灯開始電圧を得ることを特徴とする請求項4に記載のバックライト用インバータの起動方法。
- 起動周波数よりも低い周波数においてデューティーを低い割合から徐々に増加させる処理を繰り返し、起動周波数よりも低い周波数において点灯開始電圧が得られたデューティーが、予め定めた点灯電圧制御可能デューティーを越えた場合に、発振回路から出力する周波数の低下を終了させることを特徴とする請求項5に記載のバックライト用インバータの起動方法。
- 圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧に達した後、一定時間の間、点灯開始電圧に達した時のデューティーを増減させることによって点灯開始電圧を維持し、その間に蛍光灯が点灯しない場合に、起動異常として点灯処理を終了することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のバックライト用インバータの起動方法。
- 圧電トランスの出力電圧が点灯開始電圧に達した後、出力電圧が点灯開始電圧以下の電圧であり、しかも、その電圧を出力した時のデューティーが予め設定された点灯確認デューティを越えた場合、に蛍光灯が点灯したと判定することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載のバックライト用インバータの起動方法。
- 起動周波数において、デューティーを0%から徐々に増加させていった場合に、点灯開始電圧に達しない場合において、増加させたデューティーが予め定めた起動確認デューティーを越えた場合に、蛍光灯が点灯したと判定することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載のバックライト用インバータの起動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264333A JP2010094000A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | バックライト用インバータとその起動方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011250549A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Canon Inc | 圧電トランス式高圧電源装置、及び画像形成装置 |
JP2014032813A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Toki Corporation Kk | 照明装置および給電装置 |
-
2008
- 2008-10-10 JP JP2008264333A patent/JP2010094000A/ja active Pending
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