JP2010091361A - 画像検査方法および画像検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な欠陥を含む可能性がある検査対象であっても、高精度の検査を実現する。
【解決手段】画像検査装置は、検査対象を撮影するCCDカメラ3と、検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出部403と、輪郭抽出部403によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理部404と、ラベリング処理部404で抽出された連結した輪郭の数を数える計測部405と、計測部405で得られた輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定部406とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばセンサチップなどの微細チップの表面に形成された回路パターンのような検査対象の欠陥(クラック、割れ等)を画像で検査する画像検査方法および画像検査装置に関するものである。
マイクロマシニング技術を応用して作成されるセンサチップなどの微細チップは、例えば1〜2mm程度の角辺で、一枚のウェハ上に多数のチップが作成される。各チップ上には、様々な回路パターンが形成され、そのパターンは高集積化と微細化の傾向にある。チップの良否を判定するためには、チップの欠陥を検出する必要がある。このような欠陥の1つとして、シリコン等の半導体基板の一部に生じた傷(クラック)や割れがあるが、検査対象のチップが微小であり数も多いため、目視では欠陥の検出が困難である。したがって、このような欠陥を自動的に検出する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された従来の検査装置では、半導体基板の裏面側から平行光線をシュリ−レン顕微鏡を介して半導体基板面上に集光させ、半導体基板面で反射した光をカメラで取り込み、撮影した画像の濃淡分布デ−タを微分したときの不連続部分の有無を検出し、検出した不連続部分の大きさに基づいてクラックか汚れかを判別するようにしている。
特開2005−098773号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の検査装置では、クラックや割れ以外の他の異常(例えばチップ上の付着物など)も検出することがあり、この異常が付着物の規格内の大きさであったとしても、付着物がクラックの規格よりも大きい場合には規格外のクラックや割れであると判定してしまうことがあるので、欠陥を過剰に抽出する原因となり、誤判定が発生する可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、様々な欠陥を含む可能性がある検査対象であっても、高精度の検査を実現することができる画像検査方法および画像検査装置を提供することを目的とする。
本発明の画像検査方法は、検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手順と、この輪郭抽出手順によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手順と、このラベリング処理手順で抽出された連結した輪郭の数を数える計測手順と、この計測手順で得られた輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法は、検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手順と、この輪郭抽出手順によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手順と、このラベリング処理手順で抽出された連結した輪郭の寸法を計測する計測手順と、この計測手順で得られた輪郭の寸法と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の寸法とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法の1構成例において、前記輪郭抽出手順は、検査画像の微分処理によってパターンの輪郭を抽出することを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法の1構成例は、さらに、検査対象を撮影して得られた検査画像と予め用意された背景画像の輝度平均値との差を抽出する背景差分処理手順と、前記輪郭抽出手順によって得られた2値化画像と前記背景差分処理手順によって得られた2値化画像とを合成する合成処理手順とを備え、前記ラベリング処理手順は、前記輪郭抽出手順によって得られた2値化画像の代わりに、前記合成処理手順によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行うことを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置は、検査対象を撮影する撮影手段と、検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、この輪郭抽出手段によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手段と、このラベリング処理手段で抽出された連結した輪郭の数を数える計測手段と、この計測手段で得られた輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置は、検査対象を撮影する撮影手段と、検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、この輪郭抽出手段によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手段と、このラベリング処理手段で抽出された連結した輪郭の寸法を計測する計測手段と、この計測手段で得られた輪郭の寸法と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の寸法とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置の1構成例において、前記輪郭抽出手段は、検査画像の微分処理によってパターンの輪郭を抽出することを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置の1構成例は、さらに、検査対象を撮影して得られた検査画像と予め用意された背景画像の輝度平均値との差を抽出する背景差分処理手段と、前記輪郭抽出手段によって得られた2値化画像と前記背景差分処理手段によって得られた2値化画像とを合成する合成処理手段とを備え、前記ラベリング処理手段は、前記輪郭抽出手段によって得られた2値化画像の代わりに、前記合成処理手段によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出し、輪郭抽出によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行い、ラベリング処理で抽出した連結した輪郭の数を数え、この輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較することにより、検査対象の欠陥、特にクラックや割れを過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。
また、本発明によれば、検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出し、輪郭抽出によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行い、ラベリング処理で抽出された連結した輪郭の寸法を計測し、この輪郭の寸法と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の寸法とを比較することにより、検査対象の欠陥、特にクラックや割れを過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。
また、本発明では、検査画像と予め用意された背景画像の輝度平均値との差を抽出し、輪郭抽出処理によって得られた2値化画像と背景差分処理によって得られた2値化画像とを合成し、この合成処理によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行うことにより、輪郭抽出処理で抽出しきれなかった箇所を補うようにして、クラックを抽出することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
画像検査装置は、検査対象のウェハ1を載せるXYZテーブル2と、ウェハ1のチップを撮像する撮影手段となるCCDカメラ3と、CCDカメラ3で撮影された検査画像を処理してチップの良否判定を行う画像処理装置4と、検査結果等を表示する表示装置5と、キーボードやマウス等の入力装置6とから構成される。
画像処理装置4は、A/D変換器400と、記憶部401と、検査画像作成部402と、輪郭抽出部403と、ラベリング処理部404と、計測部405と、判定部406と、撮像制御部407と、表示制御部408と、操作入力部409とを有する。
以下、図1の画像検査装置の動作を説明する。図2は図1の画像検査装置の動作を示すフローチャートである。
検査画像作成部402は、撮像制御部407を介してXYZテーブル2とCCDカメラ3を制御し、CCDカメラ3にウェハ1のチップの画像を撮影させる(図2ステップS1)。CCDカメラ3によって得られた画像信号は、A/D変換器400によって検査画像の画像データに変換され、記憶部401に格納される。こうして、検査画像が作成される。
図3は検査画像の1例を示す図である。ここでは、ウェハ1に形成されたチップである場合について示している。図3において、31は半導体基板の上面に薄膜状に形成されたダイアフラム、32はダイアフラム31を貫通するスリット(溝)、33はダイアフラム31の上に形成された金属薄膜である。
続いて、輪郭抽出部403は、検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する(図2ステップS2)。ここで、検査画像に存在するパターンとしては、図3で説明したスリットや金属薄膜、電極パッド、ダイアフラムに発生したクラックや割れ、チップ上の付着物などがある。図4は輪郭抽出処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、輪郭抽出部403は、検査画像に対して前処理を行う(図4ステップS100)。本手法では前処理として、微分処理と背景差分を施したが、輪郭が強調される処理であれば何でも構わない。微分処理の手法としては、エッジ(境界線)検出で一般的に用いられるプレヴィット(Prewitt)法を用いた。図5は微分処理を説明するための図である。図5の枡目は画素を表し、枡目中のg0〜g8は画素の輝度を表している。プレヴィット法は、図5に示す注目画素50を中心とした上下左右の9つの画素の輝度値に対して、以下に示すような係数をそれぞれ乗算し、結果を合計するようにした方法である。
HSは水平方向の係数行列、gVSは垂直方向の係数行列である。図5に示す9つの画素の輝度値に対して係数行列gHSを乗算して乗算結果を合計する積和演算を行うと、合計値gallHS=g0×0+g1×(−1)+g2×0+g3×1+g4×(−1)+g5×1+g6×(−1)+g7×0+g8×1となる。同様に、垂直方向の係数行列gVSを用いて積和演算を行い、合計値gallVSを求める。そして、微分処理後の注目画素の輝度値gは以下の式で求められる。
g=(gallHS 2+gallVS 21/2 ・・・(3)
輪郭抽出部403は、以上のような微分処理を注目画素を1つずつずらしながら、検査画像の全画素に対して行えばよい。微分処理によれば、輝度ムラ等の緩やかな変動は抽出せずに、パターンの輪郭を精度よく抽出することができる。
続いて、輪郭抽出部403は、検査画像を微分処理したグレースケール画像に対して予め設定された閾値で2値化処理を施し、2値化画像を生成する(ステップS101)。この2値化画像においては、検査画像に存在したパターンの輪郭が例えば「1」(白色)となり、輪郭以外の箇所が「0」(黒色)となる。生成された2値化画像は、記憶部401に格納される。以上で、輪郭抽出処理が終了する。
図6は検査画像と輪郭抽出処理で得られた2値化画像の例を示す図である。図6(A)、図6(B)、図6(C)は検査画像、図6(D)、図6(E)、図6(F)はそれぞれ図6(A)、図6(B)、図6(C)の検査画像を輪郭抽出処理した結果得られた2値化画像を示している。図6(A)〜図6(C)の検査画像では、ダイアフラム31に微小クラック60〜62が発生しているが、図6(D)〜図6(F)に示した2値化画像によると、これらの微小クラックを抽出できていることが分かる。
次に、ラベリング処理部404は、ステップS2の輪郭抽出処理によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す白色画素のうち、連結した白色画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各白色画素に同一のラベル(番号又は名前)を与えることにより、連結した輪郭線を抽出するラベリング処理を行う(図2ステップS3)。
図7は検査画像とラベリング処理の結果の例を示す図である。図7(A)、図7(B)は検査画像、図7(C)、図7(D)はそれぞれ図7(A)、図7(B)の検査画像を輪郭抽出処理した後にラベリング処理した結果を示している。図7(C)の結果では、図7(A)の検査画像の金属膜33a,33bとスリット32a〜33cの輪郭が全て区別され、それぞれの輪郭に「1」〜「5」のラベルが付与されている。
一方、図7(B)の検査画像では、ダイアフラム31に微小クラック70が発生している。このため、輪郭抽出した際に金属膜33aの輪郭とスリット32aの輪郭とがクラック70で連結された2値化画像が得られるので、図7(D)の結果では、金属膜33aの輪郭とスリット32aの輪郭とが連結した輪郭として認識され、ラベル「1」が付与されている。
次に、計測部405は、ステップS3のラベリング処理で得られた、連結した輪郭の数を数える(図2ステップS4)。図7(C)の例では連結した輪郭の数は5個、図7(D)の例では連結した輪郭の数は4個である。
判定部406は、ステップS4の計測結果を予め記憶部401に格納されている良品の計測結果と比較し、ステップS4の計測結果が良品の計測結果と一致するかどうかを判定する(ステップS5)。記憶部401には、良品の検査画像から求めた、連結した輪郭の数が予め設定されている。判定部406は、計測結果が一致する場合は、検査画像のチップを良品として判定し、計測結果が一致せず、ステップS4の計測結果の方が良品の計測結果よりも輪郭の数が少ない場合は、検査画像のチップを不良品として判定する。
続いて、判定部406は、結果画像を生成する。表示制御部408は、判定部406の指示により、結果画像を表示装置5に表示させる(図2ステップS6)。結果画像は、欠陥箇所を目視で容易に把握できるように、検査画像上に欠陥箇所を例えば円で囲んで表示すると同時に、判定結果(良品/不良品)を表示するものである。
そして、判定部406は、ウェハ1の全てのチップを検査したかどうかを判定する(ステップS7)。ウェハ1に検査していないチップが存在する場合には、ステップS1に戻る。全てのチップについてステップS1〜S6の処理が終わった時点で、検査が終了する。
以上説明したとおり、微小クラックは、スリットを起点として発生する。そして、図7(C)、図7(D)の結果から明らかなように、クラックがない検査画像の連結した輪郭の数と、クラックが発生している検査画像の連結した輪郭の数は異なる。スリット間にクラックが発生した場合は、2つのスリットの輪郭がクラックを介して連結され、スリットと金属膜間にスリットが発生した場合は、スリットと金属膜の輪郭がクラックを介して連結される。したがって、クラックが発生している検査画像の計測結果は、良品の計測結果よりも必ず輪郭の数が少なくなる。
こうして、本実施の形態では、検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出し、輪郭抽出によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行い、ラベリング処理で抽出した連結した輪郭の数を数え、この輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較することにより、検査対象の欠陥、特にクラックや割れを過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。
チップ上に付着物があったとしても、計測部405で数える輪郭の数が増えるだけなので、ステップS5で判定部406が不良品と判定することはない。チップ上の付着物については、例えば後述する第2の実施の形態の手法により、規格内の大きさの付着物かどうかを判定することができ、付着物の大きさが規格外の場合のみ不良品として検出することができる。したがって、本実施の形態では、特許文献1に開示された従来の検査装置に比べて、クラックや割れ以外の他の異常を過剰に検出することはなくなる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は本発明の第2の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の画像処理装置4aは、第1の実施の形態の画像処理装置4の記憶部401、計測部405、判定部406の代わりに、記憶部401a、計測部405a、判定部406aを有するものである。記憶部401aには、第1の実施の形態の記憶部401の情報に加えて、良品の検査画像から予め求めたパターンの輪郭の寸法とその寸法に対する閾値とが予め格納されている。
以下、図8の画像検査装置の動作を説明する。図9は図8の画像検査装置の動作を示すフローチャートである。ステップS1〜S3の処理は第1の実施の形態と同じなので、説明は省略する。
計測部405aは、ステップS3のラベリング処理で得られた、連結した輪郭の寸法を計測する(図9ステップS8)。図10は計測処理を説明するための図である。図10は、金属膜の輪郭100とスリットの輪郭101とがクラックの輪郭102を介して連結されたラベリング処理結果を示している。Xrefはスリットの輪郭101の水平方向の本来の幅、Yrefは輪郭101の垂直方向の本来の幅である。これに対して、計測部405aが図10のラベリング処理結果で計測すると、上記のように輪郭が連結しているために、スリットの輪郭の水平方向の幅はXとなり、垂直方向の幅はYとなる。
判定部406aは、ステップS8の計測結果を予め記憶部401aに格納されている良品の計測結果と比較し、ステップS8の計測結果が良品の計測結果に対して閾値範囲内に入るかどうかを判定する(図9ステップS9)。記憶部401aには、良品の検査画像から予め求めたパターンの輪郭の寸法(水平方向および垂直方向の幅)とその寸法に対する閾値範囲とが、検査画像の場所毎に予め設定されている。判定部406aは、ステップS8で計測された輪郭の寸法が良品の輪郭の寸法を中心値とする閾値範囲内に入る場合は、検査画像のチップを良品として判定し、閾値範囲を超える場合は、検査画像のチップを不良品として判定する。
図10の例の場合、金属膜の輪郭100の水平方向の寸法Xは良品の寸法に対して閾値範囲内に入るため、判定OKとなる。しかしながら、輪郭100の垂直方向の寸法Yは良品の寸法に対して閾値範囲を超過し、、スリットの輪郭101の水平方向の寸法Xも良品の寸法Xrefに対して閾値範囲を超過し、輪郭101の垂直方向の寸法Yも良品の寸法Yrefに対して閾値範囲を超過している。したがって、図10の検査画像は、不良品と判定される。
図9のステップS6,S7の処理は第1の実施の形態と同じである。こうして、本実施の形態では、ラベリング処理で抽出された連結した輪郭の寸法を計測し、この輪郭の寸法と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の寸法とを比較することにより、検査対象の欠陥、特にクラックや割れを過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。
金属膜やスリット以外の背景の部分については付着物等を検出できればよいので、検査画像の背景の部分については規格外の付着物を検出するための閾値を記憶部401aに設定しておけばよい。これにより、付着物の大きさが閾値範囲内であれば、良品と判定し、付着物の大きさが閾値範囲を超える場合には、不良品と判定することができる。
また、第1の実施の形態では、クラックがパターン間を連結せず、1つのパターン(金属膜またはスリット)のみを起点として発生している場合、クラックを検出することができないが、本実施の形態では、クラックが1つのパターンのみを起点として発生している場合でも、パターンの輪郭の寸法の違いからクラックを検出することができる。
なお、記憶部401aに予め設定しておく閾値は、検査画像の全ての位置で同じにする必要はなく、スリットの寸法に関して閾値を厳しくするようにしてもよい。これにより、微小クラックをより高精度に検出することができる。
また、本実施の形態を第1の実施の形態と組み合わせてもよい。この場合は、第1の実施の形態と本実施の形態の判定の少なくとも一方が正常という判定結果の場合に不良品と判定し、両方の判定結果が正常の場合に良品と判定すればよい。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は本発明の第3の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の画像処理装置4bは、第1の実施の形態の画像処理装置4に対して、背景差分処理部410と、合成処理部411とを追加したものである。記憶部401bには、第1の実施の形態の記憶部401の情報に加えて、検査対象の背景画像が予め格納されている。
図12は図11の画像検査装置の動作を示すフローチャートである。ステップS1,S2の処理は第1の実施の形態と同じなので、説明は省略する。
背景差分処理部410は、ステップS1で記憶部401bに格納された検査画像に対して背景差分処理を施し、2値化画像を抽出する(図12ステップS10)。本実施の形態の記憶部401bには、予め検査画像の背景画像(検査対象がセンサチップの場合は、半導体基板とダイアフラムのみの画像)が格納されている。背景差分処理部410は、検査画像の各画素の輝度値と背景画像の輝度平均値との差を画素毎に抽出し、抽出した差を所定の閾値で2値化することにより、2値化画像を抽出する。
続いて、合成処理部411は、ステップS2の輪郭抽出処理で生成された2値化画像とステップS10の背景差分処理で生成された2値化画像とを対応する画素毎に合成する(ステップS11)。この合成処理では、2枚の2値化画像の画素が共に「0」であれば合成処理後の画素は「0」となり、少なくとも一方の2値化画像の画素が「1」であれば合成処理後の画素は「1」となることは言うまでもない。
本実施の形態の場合、ラベリング処理部404は、ステップS11の合成処理によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行えばよい(ステップS3)。ステップS4〜S7の処理は第1の実施の形態と同じである。
第1の実施の形態で説明した輪郭抽出処理(微分処理)では、輝度の変動が緩やかな箇所の輪郭を十分に抽出できないという欠点がある。例えば図6(F)の例では、微小クラック62を抽出しきれておらず、クラックの輪郭が途中で断続している。そこで、本実施の形態では、背景の輝度平均値との差を抽出する背景差分処理部410を追加し、背景差分処理部410の抽出結果と輪郭抽出処理の抽出結果の和をとるようにした。本実施の形態によれば、輪郭抽出処理で抽出しきれなかった箇所を補うようにして、連続した微小クラックを抽出することができる。
本実施の形態を第2の実施の形態に適用してもよいことは言うまでもない。
なお、第1〜第3の実施の形態では、チップの画像を1枚ずつ撮影しているが、これに限るものではなく、複数枚のチップの検査画像を同時に撮影し、これらの検査画像を順番にもしくは並行して検査してもよいことは言うまでもない。
また、第1〜第3の実施の形態では、ウェハに形成されたセンサチップを検査対象としているが、これに限るものではなく、クラックがスリット等のパターンを起点として発生し得る可能性のあるものであれば様々な検査対象に適用可能である。本発明は、検出すべきクラックの最小サイズが他の不良の規格サイズより小さい場合に、大きい効果が見込まれる。
また、第1〜第3の実施の形態では、欠陥の例としてクラックや割れを挙げているが、これに限るものではなく、本発明はパターンを起点とするあらゆる欠陥に適用することができる。
また、第1〜第3の実施の形態の画像処理装置4,4a,4bは、CPU、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータによって実現することができる。このようなコンピュータにおいて本発明の画像検査方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、記録媒体から読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、プログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明したような処理を実行する。
本発明は、微細な検査対象の欠陥を画像で検査する技術に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における検査画像の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における輪郭抽出処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における微分処理を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態における検査画像と輪郭抽出処理で得られた2値化画像の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における検査画像とラベリング処理の結果の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像検査装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における計測処理を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像検査装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ウェハ、2…XYZテーブル、3…CCDカメラ、4,4a,4b…画像処理装置、5…表示装置、6…入力装置、400…A/D変換器、401,401a,401b…記憶部、402…検査画像作成部、403…輪郭抽出部、404…ラベリング処理部、405,405a…計測部、406,406a…判定部、407…撮像制御部、408…表示制御部、409…操作入力部、410…背景差分処理部、411…合成処理部。

Claims (8)

  1. 検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手順と、
    この輪郭抽出手順によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手順と、
    このラベリング処理手順で抽出された連結した輪郭の数を数える計測手順と、
    この計測手順で得られた輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手順とを備えることを特徴とする画像検査方法。
  2. 検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手順と、
    この輪郭抽出手順によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手順と、
    このラベリング処理手順で抽出された連結した輪郭の寸法を計測する計測手順と、
    この計測手順で得られた輪郭の寸法と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の寸法とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手順とを備えることを特徴とする画像検査方法。
  3. 請求項1又は2記載の画像検査方法において、
    前記輪郭抽出手順は、検査画像の微分処理によってパターンの輪郭を抽出することを特徴とする画像検査方法。
  4. 請求項1又は2記載の画像検査方法において、
    さらに、検査対象を撮影して得られた検査画像と予め用意された背景画像の輝度平均値との差を抽出する背景差分処理手順と、
    前記輪郭抽出手順によって得られた2値化画像と前記背景差分処理手順によって得られた2値化画像とを合成する合成処理手順とを備え、
    前記ラベリング処理手順は、前記輪郭抽出手順によって得られた2値化画像の代わりに、前記合成処理手順によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行うことを特徴とする画像検査方法。
  5. 検査対象を撮影する撮影手段と、
    検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
    この輪郭抽出手段によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手段と、
    このラベリング処理手段で抽出された連結した輪郭の数を数える計測手段と、
    この計測手段で得られた輪郭の数と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の数とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手段とを備えることを特徴とする画像検査装置。
  6. 検査対象を撮影する撮影手段と、
    検査対象を撮影して得られた検査画像に存在するパターンの輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
    この輪郭抽出手段によって得られた2値化画像においてパターンの輪郭を表す画素のうち、連結した画素の集まりを1つの連結成分とみなし、同一の連結成分の各画素に同一のラベルを与えることにより、連結した輪郭を抽出するラベリング処理手段と、
    このラベリング処理手段で抽出された連結した輪郭の寸法を計測する計測手段と、
    この計測手段で得られた輪郭の寸法と予め良品と判定された検査画像から求めた連結した輪郭の寸法とを比較して、検査対象の良否判定を行う判定手段とを備えることを特徴とする画像検査装置。
  7. 請求項5又は6記載の画像検査装置において、
    前記輪郭抽出手段は、検査画像の微分処理によってパターンの輪郭を抽出することを特徴とする画像検査装置。
  8. 請求項5又は6記載の画像検査装置において、
    さらに、検査対象を撮影して得られた検査画像と予め用意された背景画像の輝度平均値との差を抽出する背景差分処理手段と、
    前記輪郭抽出手段によって得られた2値化画像と前記背景差分処理手段によって得られた2値化画像とを合成する合成処理手段とを備え、
    前記ラベリング処理手段は、前記輪郭抽出手段によって得られた2値化画像の代わりに、前記合成処理手段によって得られた2値化画像に対してラベリング処理を行うことを特徴とする画像検査装置。
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