JP2010091104A - 等速ジョイント - Google Patents

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Abstract

【課題】等速ジョイントのローラとトラックとの間に発生するすべり摩擦を低減し、等速ジョイントの円滑なプランジング運動を助長し、車両の振動を減らして乗車感を向上させることができる等速ジョイントを提供する。
【解決手段】本発明は、トラックに沿ってガイド移動するローラの一側面に前記トラックの内周面に向かって前記一側面よりさらに突出するように取り付けられると共に、円周方向に所定角度をおいて配置された複数のベアリングを備え、前記ベアリングは、前記ローラの一側面に形成されたベアリングトラックに設けられ、前記ローラの一側面に取り付けられたキャップに埋め込まれる形態で設けられ、また前記キャップに円周方向に１８０°の角度をおいて２つ取り付けられることを特徴とする。
【選択図】図５

Description

本発明は等速ジョイントに係り、より詳しくは、ジョイントハウジングのトラック内部においてトラックに沿って移動するローラのキャップにベアリングが取り付けられた等速ジョイントに関する。
一般に、等速ジョイントは前輪駆動車両において減速装置に連結された駆動車軸に設けられて車輪に動力を等速で伝える装置である。図１に従来の等速ジョイントがドライブシャフトに適用された状態を概略的に示す。
図１に示す通り、エンジン１の回転動力を変速する変速機２に左側車輪を駆動するための左側ドライブシャフト３が等速ジョイント４を介して連結され、右側車輪を駆動するための右側ドライブシャフト５にも等速ジョイント４が同様に適用されている。
車両が滑らかではない路面を走行中する場合、あるいは、車両が旋回する場合には車輪がバンプあるいはリバウンドする。等速ジョイントを用い、変速機にドライブシャフトが連結された状態では、車輪のバンプあるいはリバウンド運動が各ドライブシャフトを介して等速ジョイントに伝えられ、等速ジョイントには図１にて矢印で示すように左右軸方向に外力が作用する。
上記のように等速ジョイントに作用する軸方向外力を適切に吸収するために、従来の等速ジョイントには、図２に示すように、等速ジョイントハウジング４ａの内部に複数のトラック４ｂを形成されている。各トラック４ｂにはトライポッド（４ｃ；ｔｒｉｐｏｄ）の先端部に取付けられたローラ４ｄが挿入され、トラック４ｂに沿ってローラ４ｄが回転移動しながら、等速ジョイントに加えられた軸方向外力を適切に吸収するようになっている。
トライポッド４ｃの軸方向運動をプランジング（ｐｌｕｎｇｉｎｇ）運動と言う。ローラがトラックに沿って軸方向に移動する時に、図３に示すように、ローラ４ｄの側面がトラックの内周面と接する状態でローラが移動することにより、ローラの側面とトラックの内周面との間にはすべり摩擦が発生する。このようなすべり摩擦運動はプランジング運動を阻害し、車両の停車時にアイドル状態で車両の振動を悪化させるという欠点があった。
また、車両の発進時にドライブシャフトと変速機の形成する角が大きくなり、それによって等速ジョイントのプランジング運動も同時に大きくなり、等速ジョイントのローラとトラックとの間に発生するすべり摩擦も増大して、車両が左右に激しく揺れるシャダー（ｓｈｕｄｄｅｒ）が発生して乗り心地が悪くなるという欠点があった。
特開２００７−１７７９９４号公報
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、等速ジョイントのローラとトラックとの間に発生するすべり摩擦を最小限に低減させ、等速ジョイントの円滑なプランジング運動を助長し、車両の振動を減らして乗車感を向上させることができる等速ジョイントの提供をその目的とする。
前記のような目的を達成するために、本発明は、トラックに沿ってガイド移動するローラの一側面に前記トラックの内周面に向かって前記一側面よりさらに突出するように取り付けられると共に、円周方向に所定角度をおいて配置された複数のベアリングを備えることを特徴とする。
前記ベアリングは、前記ローラの一側面に形成されたベアリングトラックに設けられることを特徴とする。
前記ベアリングは、前記ローラの一側面に取り付けられたキャップに埋め込まれる形態で設けられることを特徴とする。
前記ベアリングは、前記キャップに円周方向に１８０°の角度をおいて２つ取り付けられることを特徴とする。
前記トラックはハウジングの内部に円周方向に所定間隔をおいて複数形成され、前記ローラは前記ハウジングの内部に挿入されハウジングの軸方向に沿って移動可能に挿入されるトライポッドの３つの先端部に回転可能に取り付けられることを特徴とする。
本発明の等速ジョイントによれば、トライポッドの各先端部に取り付けられたローラのキャップにベアリングが埋め込まれる形態で取り付けられ、ローラが等速ジョイントハウジングに形成されたトラックに沿って移動する時に、ベアリングがローラの側面とトラックの直接的な摩擦接触を防止する。
また、トラックに沿ってローラの円滑な回転移動を助長して等速ジョイントのプランジング運動が円滑になり、それによって等速ジョイントのジョイント機能が向上するだけでなく、ローラとトラックのすべり摩擦運動による車両の振動を低減させて乗車感も向上するなどの効果がある。
以下、添付した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図４は、本発明に係る等速ジョイントを用いて、ドライブシャフトが連結された状態の斜視図である。すなわち、一側が開放された円筒形状をなすハウジング１１には円周方向に１２０°の角度をおいて３つのトラック１１ａがハウジングの長さ方向に沿って形成される。ハウジング１１の内部にはトライポッド１２がハウジングの長さ方向に沿って移動可能に挿入され、トライポッド１２にドライブシャフト１３の一端が嵌められて連結される。
トライポッド１２の３つの先端部には各々ローラ１４が回転可能に取り付けられ、ローラ１４はトラックに沿って回転運動できるようにトラック１１ａの内部に挿入されている。
図５には本発明のローラの組み立て斜視図および分解斜視図を各々示す。
ローラ１４は、中央に組み立て孔が形成され、円周方向に凹んでいるベアリングトラック１４ａａを備えた円形のローラボディー１４ａと、ローラボディー１４ａの一側面を覆うように取り付けられたキャップ１４ｂ、およびキャップ１４ｂに埋め込まれる形態で取り付けられ、円周方向に１８０°の角度をおいて配置された２つのベアリング１４ｃを各々備えている。
ベアリング１４ｃはローラの一側面とキャップより外側にさらに突出するように設けられる。
ベアリング１４ｃは、本発明の実施形態では２つ備えると説明したが、それ以上備えてもよい。
上記のようにベアリングを備えたローラがトラックに沿って回転移動しながら等速ジョイントがプランジング運動をする際には、図６に断面で示すように、キャップに取り付けられたベアリング１４ｃがローラのベアリングトラック１４ａａに沿って移動しながらトラック１１ａの内周面と接触し、ローラの側面とトラックの内周面との間の直接的な接触およびそれに伴うすべり摩擦を効果的に防止する。このため、ローラがトラックに沿って円滑にガイド移動し、等速ジョイントのプランジング運動が円満になってドライブシャフトに動力を円滑に伝えることができる。その結果、車両のアイドル状態や、発進時に、ローラの側面とトラックとのすべり摩擦による車両の揺れや震えのような振動を防止して車両の乗車感を向上させることができる。
従来技術に係る等速ジョイントを用いてドライブシャフトが連結された状態図である。 従来技術に係る等速ジョイントの切開斜視図である。 従来技術に係る等速ジョイントの内部断面図である。 本発明に係る等速ジョイントを用いてドライブシャフトが連結された状態の斜視図である。 （ａ）は本発明に係る等速ジョイントの組み立て斜視図、（ｂ）はその分解斜視図である。 本発明に係る等速ジョイントの作動を説明する断面図である。
符号の説明
１ エンジン
２ 変速機
３ 左側ドライブシャフト
４ 等速ジョイント
４ａ 等速ジョイントハウジング
４ｂ、１１ａ トラック
４ｃ トライポッド
４ｄ ローラ
５ 右側ドライブシャフト
１１ ハウジング
１２ トライポッド
１３ ドライブシャフト
１４ ローラ
１４ａ ローラボディー
１４ａａ ベアリングトラック
１４ｂ キャップ
１４ｃ ベアリング

Claims (5)

  1. トラックに沿ってガイド移動するローラの一側面に前記トラックの内周面に向かって前記一側面よりさらに突出するように取り付けられると共に、円周方向に所定角度をおいて配置された複数のベアリングを備えることを特徴とする等速ジョイント。
  2. 前記ベアリングは、前記ローラの一側面に形成されたベアリングトラックに設けられることを特徴とする請求項１に記載の等速ジョイント。
  3. 前記ベアリングは、前記ローラの一側面に取り付けられたキャップに埋め込まれる形態で設けられることを特徴とする請求項１に記載の等速ジョイント。
  4. 前記ベアリングは、前記キャップに円周方向に１８０°の角度をおいて２つ取り付けられることを特徴とする請求項３に記載の等速ジョイント。
  5. 前記トラックはハウジングの内部に円周方向に所定間隔をおいて複数形成され、前記ローラは前記ハウジングの内部に挿入されハウジングの軸方向に沿って移動可能に挿入されるトライポッドの３つの先端部に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項４に記載の等速ジョイント。
JP2008297927A 2008-10-13 2008-11-21 等速ジョイント Pending JP2010091104A (ja)

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