JP2010090861A - 真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプカバー18に形成された排気口18aに、真空タンク内の圧力が通常の使用圧力帯域まで低減した際に、排気口18aの開口面積を狭めるチェックバルブ40を設けた。
【選択図】図1
Description
ところで、真空ポンプは、吸気口から吸い込まれた気体を圧縮して排気口から排出する際に大きな騒音を発生することが従来から知られており、電気自動車のような元来騒音レベルの低い車両の負圧供給装置に真空ポンプを搭載するような場合には、真空ポンプ作動時の排気音が耳障りな音となって聞こえるおそれがあった。このため、この騒音を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、近年、圧縮要素の吸気圧力(例えば、真空ポンプの吸気口に接続される真空タンク内の圧力)が所定の使用圧力まで低減した際に排気口付近に発生する騒音が確認されており、この騒音対策が問題となっている。
この構成によれば、絞り弁機構が排気口の開口量を狭めるため、この開口を通じて排出される排気量が低減されることにより、排気音による騒音が低減される。また、絞り弁機構は、圧縮要素の吸気圧力が少なくとも所定の使用圧力まで低減した際に、排気口の開口量を狭めるため、この開口を通じて、負圧となったケーシング内への逆流が抑制されるため、この逆流による騒音を低減することができる。
負圧供給装置1は、図1に示すように、右下部に位置するベーン型の真空ポンプ10と、この真空ポンプ10の左側に配置された電動モータ20と、真空ポンプ10の上方に配置された真空吸込ニップル30と、電動モータ20の下側に取付部を有するアーム部50とを備えている。
この構成では、シリンダ本体11とポンプカバー18とを備えてケーシングが構成されている。また、ポンプカバー18は、右側のサイドプレート14との間に空間を設けて取り付けられており、この空間が膨張室19として機能する。この膨張室19には、不図示のサイレンサが配置されている。
本構成では、ポンプカバー18の略中央部には、膨張室19に流入した空気を機外に排出するための排気口18aが設けられており、この排気口18aには、機外からポンプ内(膨張室19内)への逆流を防止するためのチェックバルブ(絞り弁機構)40が取り付けられている。
シリンダ本体11は、図1に示すように、左右に開口を有する円筒形状をなしており、左右に延びる中心軸X1(図2参照)に沿って内周壁面11aが形成されている。また、シリンダ本体11には、図1に示すように、上側に位置してシリンダ本体11内に空気を吸い込む吸入口16と、下側に位置してシリンダ本体11から膨張室19内に空気を吐出する吐出口17とが形成されている。
サイドプレート13、14は、図1に示すように、シリンダ本体11の両端の開口を塞いでおり、かつ、ロータ12の両端部との隙間が空かないように組み立てられている。
吸込管部31の右側端部に位置する吸込口31aには、外部(例えば、真空タンク(図示略))から負圧空気を供給するための管またはチューブを接続可能にするための突部31bが形成されている。詳細には、この突部31bは、吸込口31aの外周縁部から吸込管部31の外側に向けて突出しており、円周方向に連続して膨らんだ形状になっている。
供給管部32の終端部は、管部33を介して真空ポンプ10の吸入口16に連結されており、吸込管部31を通過する負圧空気を真空ポンプ10に供給するようになっている。
取付アーム51は、板金を折り曲げ加工して形成され、図1に示すように、水平な底面部51aと、この底面部51aの左側端部から上方に向けて延びる壁部51bと、当該底面部51aの右側において、底面部51aを挟んだ幅方向の両側から上方に向けて延びる腕部51cとがそれぞれ形成されている。
壁部51bの上部は、ダンパ55を介して支持ピン52によってブラケット24の起立面部24aに取り付けられている。この支持ピン52は、図1に示すように、負圧供給装置1の長手方向に沿って挿入されており、従って、ダンパ55は負圧供給装置1の長手方向における振動を吸収するようになっている。
また、腕部51cの上部は、ダンパ56、56を介して支持ピン53によって電動モータ20の取付座23にそれぞれ取り付けられている。この支持ピン53は、図2に示すように、負圧供給装置1の幅方向に沿って挿入されており、従って、ダンパ56、56は、負圧供給装置1の幅方向における振動を吸収するようになっている。
これら図3乃至図5に示すように、チェックバルブ40は、円筒状に形成された本体部40aと、この本体部40aの先端に形成された弁体部40bとを備え、シリコンゴム等の弾性部材によって一体に形成されている。
本体部40aは、弁体部40bとは反対側に位置する基端部の周囲に、排気口18aと略同一径に形成されて当該排気口18aに嵌る嵌合部41と、この嵌合部41の上下にそれぞれ形成され、当該嵌合部41よりも拡径した第1拡径部42及び第2拡径部43とを備える。弁体部40b側に形成された第1拡径部42は、第2拡径部43よりも大径に形成されており、嵌合部41の高さは、ポンプカバー18の板厚よりもわずかに低く形成されている。
チェックバルブ40を排気口18aに取り付ける場合には、弁体部40bを、ポンプカバー18の内側(膨張室19側)から機外に向けて排気口18aを貫通させ、ポンプカバー18の外側に第1拡径部42を延在させる。これにより、第1拡径部42及び第2拡径部43の弾性力によって、チェックバルブ40が排気口18aに気密性及び水密性が高い状態で取り付けられる。
一方、チェックバルブ40内を膨張室19側から機外に向けて気体が通過すると、この気体が弁部材45a、45bの内面にぶつかって風圧として作用する。このため、この風圧が開口部46における弁部材45a、45bの付勢力に抗って、この開口部46を開放することにより、膨張室19内の気体が機外に排出される。
通風量が多くなれば風圧は大きくなるため、この風圧に応じて開口部46の開口面積(開口量)が変化する。本構成では、機外に排出される排気量が大きくなれば開口部46の開口面積が徐々に大きくなり、排気量が少なくなれば開口部46の開口面積が徐々に小さくなるようになっている。
また、弁体部40bは、図4及び図5に示すように、本体部40a側から開口部46に向けて開口面積が小さくなるように形成されている。これにより、チェックバルブ40を通過する風量が低減した場合であっても、弁部材45a、45bの内面にある程度の風圧をかけることができ、機外への排気を確実に行うことができる。
図6は、ブレーキ動作、真空タンク内の圧力変化、及び真空ポンプの動作状態を示すタイムチャートであり、図7は、真空タンク内の圧力変化と真空ポンプの排気口付近での騒音値との関係を示すグラフである。
上述したように、本実施形態の負圧供給装置1は、車両に搭載されたブレーキ倍力装置の負圧源として用いられるものである。このため、ブレーキが動作するたびに、真空タンク内の負圧が使用されることにより、この真空タンク内の圧力は上昇する。
一方、真空タンク内の圧力が所定の上限値(本実施形態では−50kPa)まで上昇すると、負圧供給装置1の真空ポンプ10が作動することにより、この真空タンク内の圧力は低下し、この圧力が所定の下限値(本実施形態では−80kPa)に至ると真空ポンプ10の動作を停止するようになっている。
このように、本実施形態では、負圧供給装置1の真空ポンプ10は、真空タンク内の圧力(圧縮要素の吸気圧力)が通常の使用圧力帯域(−80kPa〜−50kPa)となるように使用されている。また、本明細書において、所定の使用圧力とは、通常の使用圧力帯域の上限値をいう。
本実施形態では、上述したように、真空ポンプ10の排気口18aに、排気量が低減するのに伴い、開口部46の開口面積を狭めるチェックバルブ40を設けているため、真空タンク内の圧力が通常の使用圧力帯域にある状態では、チェックバルブ40の開口部46の開口面積は狭められている。これによれば、排気量の低減により、排気音による騒音が低減されるとともに、開口面積を狭められた開口部46を通じて、負圧となった真空ポンプ10内への気体の逆流が抑制されるため、この逆流による騒音を低減することができる。
本実施の形態では、本実施の形態では、排気口18aにチェックバルブ40を設ける構成について説明したが、排気口18aの開口面積を狭めることができるのであれば、例えば、排気口18aに開度の調整が可能な電動弁を設け、この電動弁の開度を真空タンク内の圧力に応じて調整する構成としても良い。
また、本実施形態では、圧縮要素の吸気圧力として、真空タンク内の圧力を用いているが、これに限るものではなく、負圧供給装置1が接続される吸引対象物に応じて変更可能であることは勿論である。
また、本実施形態では、通常の使用圧力帯域として、真空タンク内の圧力を−80kPa〜−50kPaの範囲で使用する構成について説明したが、負圧の範囲内であればどのような圧力帯域を用いても良い。
また、本実施形態では、真空ポンプとして、ベーン型の真空ポンプを用いているが、圧縮要素を備えるものであれば、例えば、スクロール型のものを用いても良い。
10 真空ポンプ
11 シリンダ本体(ケーシング)
12 ロータ(圧縮要素)
15 ベーン(圧縮要素)
18 ポンプカバー(ケーシング)
18a 排気口
19 膨張室
20 電動モータ
40 チェックバルブ
40a 本体部
40b 弁体部
41 嵌合部
42 第1拡径部
43 第2拡径部
45a、45b 弁部材
46 開口部
Claims (4)
- 圧縮要素を有するケーシングを備えた真空ポンプにおいて、
前記ケーシングに形成された排気口に、前記圧縮要素の吸気圧力が少なくとも所定の使用圧力まで低減した際に、前記排気口の開口量を狭める絞り弁機構を設けたことを特徴とする真空ポンプ。 - 前記絞り弁機構は、前記排気口を流れる排気量が低減するのに伴い、前記開口量を狭めることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
- 前記絞り弁機構は、前記排気口から気体の流入を防止するチェックバルブであることを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポンプ。
- 前記絞り弁機構は、弾性部材で一体に形成された弁体部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空ポンプ。
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2008
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