JP2010090856A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、トルク変動を抑制するためにEGRガス供給量の調節を行う際にトルク変動が却って悪化してしまう事態が発生するのを抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】内燃機関10が、トルク変動量算出部52と、EGR過不足判定部54と、EGRバルブ開度補正量算出部56とを備える。EGR過不足判定部54が、EGRガス供給量の変化に応じたトルク変動量の増減を検知する。EGR過不足判定部54の判定結果に基づいて、トルク変動量が減少するようにEGRガス供給量を増加または減少する。
【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば、下記の特許文献1に開示されているように、内燃機関のトルク変動を抑制するように排気ガス循環量を調節する機能を備えた内燃機関が知られている。排気ガス循環量、すなわちEGR(Exhaust Gas Recirculation)量が多いほど、燃焼状態は悪化する傾向にある。燃焼状態の悪化に起因して、トルク変動量が増加することになる。特許文献1の発明によれば、トルク変動量が所定値を超えて増大した場合に、EGRガスの供給量を低減してトルク変動を抑制することができる。
実公平3−30601号公報 特開平10−153146号公報 特開平6−288303号公報 特表WO98/26169号国際公開パンフレット
しかしながら、本願発明者は、鋭意研究を進めた結果、次のような問題点を見出した。従来は、特許文献1にも開示されているように、EGRガスの供給量が多いほど燃焼状態が悪化することに着目し、トルク変動を抑制したい場合にはEGRガス供給量を低減している。一方、本願発明者が研究を進める中で、EGRガス供給量を低減した時にトルク変動量が増加してしまう場合があることが見出された。このトルク変動量の増大は、EGRガス供給量の低減によるノッキングの発生に起因すると考えられる。従来の技術では、この点が考慮に入れられていない。その結果、従来の技術では、EGRガス供給量低減によりトルク変動量が増加してしまう環境下にも係らず、一律に、EGRガス供給量が低減されてしまうおそれがある。そのような場合、トルク変動抑制用の制御が、本来果たすべき役割に反してトルク変動量を増加させてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、トルク変動を抑制するためにEGRガス供給量の調節を行う際に、トルク変動が却って悪化してしまう事態が発生するのを抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
EGRガスを供給するためのEGR機構を備えた内燃機関を制御する装置であって、
前記内燃機関のトルク変動量を検知するトルク変動量検知手段と、
前記EGR機構のEGRガス供給量の変化に応じた前記内燃機関のトルク変動量の増減の方向を検知する増減方向検知手段と、
前記増減方向検知手段の検知結果に基づいて、前記内燃機関のトルク変動を抑制するように前記EGR機構を制御するEGR制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記EGR制御手段は、EGRガス供給量が多いほどトルク変動量が大きくなる増減方向を前記増減方向検知手段の検知結果が示した場合に、EGRガス供給量が低減されるように前記EGR機構を制御することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記EGR制御手段は、EGRガス供給量が少ないほどトルク変動量が大きくなる増減方向を前記増減方向検知手段の検知結果が示した場合に、EGRガス供給量が増加されるように前記EGR機構を制御することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれか1つにおいて、
前記EGR機構は、EGRガス供給量を調節するためのEGRバルブを含み、
前記EGR制御手段が、
前記内燃機関のトルク変動量を所定値以下にするように、或いは、前記内燃機関のトルク変動量を特定のトルク変動量に近づけるように、EGRガス供給量の目標変化量を決定する目標変化量決定手段と、
前記目標変化量決定手段が決定した目標変化量に基づいて、前記EGR機構を制御するEGR機構制御手段と、
前記目標変化量決定手段において目標とされたトルク変動量と、前記EGR機構制御手段が制御を行った後のトルク変動量と、の間の乖離を抑制するように、前記増減方向検知手段の検知結果に基づいて、前記EGRバルブの開度を補正するバルブ開度補正手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至4の発明のいずれか1つにおいて、
前記増減方向決定手段が、EGRガス供給量を所定の第1の割合で変化させたときのトルク変動量の増減を検出することにより、前記EGR機構のEGRガス供給量の変化に応じた前記内燃機関のトルク変動量の増減の方向を検知するものであり、
前記EGR制御手段が、前記内燃機関のトルク変動を抑制するように前記EGR機構を制御するときに、前記第1の割合に比して大きな第2の割合でEGRガス供給量を変化させることを特徴とする。
第1の発明によれば、EGRガス供給量を変化させた場合にトルク変動が増加するのか或いは減少するのかを、増減方向検知手段によって検知することができる。増減方向検知手段の検知結果に基づいてEGR機構を制御することにより、トルク変動を抑制するためにEGRガス供給量の調節を行う際に、トルク変動が却って悪化してしまう事態が発生するのを抑制することができる。
第2の発明によれば、EGRガス供給量が多いほどトルク変動量が大きくなることが確認された上で、EGRガス供給量を低減することができる。これにより、EGR制御手段がトルク変動を抑制するようにEGR機構を制御した時に、所期の効果を得ることができる。
第3の発明によれば、EGRガス供給量が少ないほどトルク変動量が大きくなることが検知された場合に、EGRガス供給量を増加することができる。これにより、EGRガス供給量に応じたトルク変動の増減方向が、通常の場合(EGRガス供給量が多いほどトルク変動量が大きくなる場合)とは逆の方向を示す状況でも、EGRガス供給量の調節によってトルク変動の抑制を実現することができる。
第4の発明によれば、製品公差や経年変化などに起因するEGRガス流量バラツキに対処することを目的としたEGRバルブの開度補正を、トルク変動の悪化を抑制しながら行うことができる。
第5の発明によれば、EGR機構を調節すべき方向を特定する際には、内燃機関への燃焼影響を極力抑えることができる。また、EGR機構を調節すべき方向が特定された後は、EGRガス供給量の調節を高速に行うことができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の構成を示す。図1には、EGR機構14を備えた内燃機関10と、この内燃機関10を制御するためのECU(Electronic Control Unit)50とが記載されている。内燃機関10の気筒数や方式には限定は無い。
内燃機関10は、前述したように、EGRを行うためのEGR機構14を備えている。EGR機構14は、内燃機関10の排気ガスを、内燃機関10の吸気系(図示せず)へと供給(循環)させることができる、いわゆる外部EGRシステムである。EGR機構14は、排気ガスの循環量を調節するためのEGRバルブ16を備えている。以下、EGR機構14を介して循環されるガスを、「EGRガス」とも呼称する。また、内燃機関10は、クランク角センサ12を備えている。
ECU50は、トルク変動量算出部52と、EGR過不足判定部54と、EGRバルブ開度補正量算出部56と、を備えている。
トルク変動量算出部52へは、クランク角センサ12の出力信号が入力される。トルク変動量算出部52は、クランク角センサ12の出力信号から得られるエンジン回転角の情報に基づいて、内燃機関10のトルク変動量を算出する。具体的な計算内容などは、後述する「実施の形態1の具体的制御」において述べる。但し、トルク変動量の算出手法は、既に各種の手法が公知となっており新規な事項ではない。この実施の形態で例示する算出手法に限定されず、各種の公知の手法で代替してもよい。
EGR過不足判定部54は、内燃機関10のトルク変動が大きすぎる場合に、EGRガス供給量を増加させるべきか或いは低減するべきかを、判定する。EGRバルブ開度補正量算出部56は、EGR過不足判定部54の判定結果に従って、EGRガスの量が所望量まで増加或いは低減されるように、EGRバルブ16を制御する。EGR過不足判定部54とEGRバルブ開度補正量算出部56の詳細な内容については、後述する。
[実施の形態1の動作]
以下、図2乃至4を用いて、実施の形態1の内燃機関の制御装置の動作を説明する。以下の説明では、先ず、実施の形態1において想定される課題を述べる。その後、この課題を解決するための、実施の形態1の特徴動作を説明する。
(実施の形態1において想定される課題)
トルク変動が大きすぎることは好ましくないため、通常、トルク変動が抑制されるように内燃機関の制御が行われる。具体的には、例えば、特定のトルク変動目標値に収束するように、或いは、トルク変動が所定範囲内に収まるように、内燃機関の運転条件が随時修正される。
一般的に、排気ガス循環量、すなわちEGRガス供給量が多いほど、燃焼状態は悪化する傾向にある。この燃焼状態の悪化に起因して、トルク変動量が増加することになる。そこで、EGRを行っている際にトルク変動を抑制したい場合には、EGRガス供給量を低減するという方針を採用することが考えられる。具体的には、EGRを行っている際にトルク変動量が過大になった場合には、EGRガス供給量を低減するようにEGRバルブ16の開度を絞り気味に制御することが考えられる。
しかしながら、本願発明者が研究を進める中で、上記の場合とは逆に、EGRガス供給量を低減するほどトルク変動量が増加してしまう場合があることが見出された。このトルク変動量の増大は、EGRガス供給量の低減によるノッキングの発生に起因すると考えられる。本願発明者の知見によれば、1つの具体的状況として、次の状況が考えられる。例えば燃費向上効果を享受すべく、中負荷域から高負荷域まで広くEGRを行っている場合が考えられる。この場合においてEGRガス供給量が減らされた際に、ノッキングの発生が懸念される。このノッキングによって、トルク変動量の増大を招来してしまう。このような状況下においてトルク変動抑制を目的として一律にEGRバルブ16を絞る制御が行われると、トルク変動抑制用の制御が、本来果たすべき役割に反してトルク変動量を増加させてしまう。
以上の事項が考慮されていないと、EGRガス供給量の調節によってトルク変動を適切に抑制できない場合が生じてしまう。
具体的には、本願発明者は、一例として次のような不具合の発生を想定する。図2は、実施の形態1において想定する課題を説明するための図である。図2では、トルク変動の検出値が図示されている。ここでは、トルク変動がこの検出値以下に収まるように、内燃機関10が制御される場合を考える。
EGR機構14の製品公差・経年変化などに起因して、実際のEGR率がばらついてしまうことが予想される。つまり、中央品の設定値或いは初期設定値によるEGR率が図2のAである場合に、製品公差・経年変化などに起因して、実際のEGR率がAやAにずれてしまうことが想定される。その結果、図2の点Pや点Pに示すように、トルク変動量が検出値に達するまで大きくなってしまう場合がある。ここで、点Pは、EGRガス供給量が多いほど燃焼状態が悪化する状況下で、トルク変動量が過大になっている場合を示している。逆に、点Pは、EGRガス供給量が少ないほど燃焼状態が悪化する状況下で、トルク変動量が過大になっている場合を示している。
点Pの場合には、現在のEGR率(図2のA)からEGR率がより少な目に調節されるように、EGRバルブ16を絞ることが適切である。言い換えれば、点Pの場合には、EGRガス供給量が、本来供給されるべき量に比して多い側にずれている、すなわちEGR過多であると考えることができる。
一方、点PのようにEGRガス供給量を低減するほどトルク変動量が増加してしまう状況下では、点Pと同じようにEGRバルブ16を絞ると、却ってトルク変動量が増加してしまう。つまり、点Pでは、点Pとは異なり、当該時点のEGR率(図2のA)よりも、さらにEGR率を増加すべきである。言い換えれば、点Pの場合には、EGRガス供給量が、本来供給されるべき量に比して少ない側にずれている、すなわちEGR過少と判断すべきである。なお、ノックコントロールシステム(Knock Control System)がノッキングの発生を感知し、点火時期が遅角させられると、EGRガス供給量の増加が困難になってしまう。
以上述べた2つの状況が生じうるにも係らず一律にトルク変動抑制のためにEGRバルブ16を絞ってしまうと、トルク変動抑制用の制御が、本来果たすべき役割に反してトルク変動量を増加させてしまう。すなわち、トルク変動を抑制しようとする際にEGRガス供給量を増加すべきか低減すべきかが不明であっては、EGRガス供給量の調節によってトルク変動抑制を実現することができない。
(実施の形態1の特徴動作)
そこで、実施の形態1では、EGRガス供給量を増加させた場合にこれに応じてトルク変動量が増加するのか或いは減少するのかを、検知することとした。この検知によって、EGRバルブ16を閉と開の何れの方向に調節すればよいのかを、判別することとした。実施の形態1では、EGR過不足判定部54に、この役割を担わせることにした。そして、EGRバルブ16を調節すべき方向が既知となった状態で、EGRバルブ16の開度の補正量を、EGRバルブ開度補正量算出部56に算出させることとした。
(i)EGR過不足判定部54による動作
図3は、実施の形態1において行われる制御動作の内容を模式的に示す図であって、EGRガス供給量に応じたトルク変動の増減方向の判別手法を模式的に示す図である。実施の形態1では、先ず、EGRバルブ16の開度が第1の開度に設定された状態で、トルク変動量算出部52がこのときのトルク変動量を算出する。このトルク変動量をTFとする。続いて、第1の開度に所定の微小ゲインαを増じた第2の開度において、トルク変動量算出部52が再びトルク変動量を算出する。このトルク変動量をTFとする。微小ゲインαは、内燃機関10の燃焼状態への影響をできるだけ少なくするように、微小な値に設定することが望ましい。図3(a)に示すように、TFからTFへとトルク変動量が増加していれば、EGR過不足判定部54は、EGRガス供給量を低減することでトルク変動抑制が可能であると判断する。逆に、図3(b)に示すように、TFからTFへとトルク変動量が減少しているならば、EGR過不足判定部54は、EGRガス供給量を増加することでトルク変動抑制が可能であると判断する。
(ii)EGRバルブ開度補正量算出部56による動作
図4は、実施の形態1において行われる制御動作の内容を模式的に示す図であって、トルク変動を抑制するようにEGR機構14を制御する動作を模式的に示す図である。上述したように、図3に示した判別手法によって、トルク変動を抑制可能なEGRガス供給量の調節方向(増加と減少のどちらか)が既知となる。ここで既知となった調節方向に、EGRバルブ16の開度が制御される。その結果、図4に示すように、点Pの場合には矢印60のようにトルク変動量を点Pまで低下させることができ、かつ、点Pの場合には矢印62のようにトルク変動量を点Pまで低下させることができる。従って、トルク変動量の増減方向が変化しうる環境下にあっても、確実にトルク変動量を減少させることができる。
なお、実施の形態1では、点Pから点PまでのEGRバルブ16の開度補正を行った際に、EGRバルブ16の開度の補正量を、内燃機関10の運転条件に関連づけて記録する。実施の形態1では、機関回転数と吸入空気量のマップ(図4のマップ70)に対して、随時、EGRバルブ16の開度の補正量を記録していく。同様に、点Pから点PまでのEGRバルブ16の開度補正を行った際にも、EGRバルブ16の開度の補正量をマップ70に記録する。これにより、例えば、同じ運転条件にて2回目以降の補正が行われる際には、前回の記録値を参照して活用することができる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、EGRガス供給量を変化させた場合にトルク変動が増加するのか或いは減少するのかを検知することができる。この検知結果に基づいてEGR機構14を制御することにより、トルク変動を抑制するためにEGRガス供給量の調節を行う際に、トルク変動が却って悪化してしまう事態が発生するのを抑制することができる。
[実施の形態1の具体的処理]
以下、図5を用いて、実施の形態1にかかる具体的処理を説明する。図5は、実施の形態1においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、実施の形態1では、トルク変動量算出部52の算出値(言い換えれば、トルク変動の計測値)が所定値(図2の検出値)以上になった場合に、下記のルーチンが実行されるものとする。
図5に示すルーチンでは、先ず、エンジン回転角速度を検出する処理が実行される(ステップS100)。このステップでは、先ず、クランク角センサ12の出力を利用して、内燃機関10のエンジン回転角速度が検出される。次いで、このエンジン回転角速度から角加速度が算出され、エンジンイナーシャ(設計値)を積算することにより、最終的にトルクが算出される。なお、下記に、ここでの計算の基礎式である、回転角の運動方程式を記載しておく。
Figure 2010090856
上記の式において、ωは回転角速度、Jはイナーシャ、Tは筒内ガス圧トルク、Tは往復質量慣性トルク、Tはフリクショントルク、Tleはエンジン以降負荷トルクである。
ステップS100に引き続いて、エンジントルクを算出する処理が実行され(ステップS102)、更に、BPF(Band Pass Filter)によるフィルタリングが施される(ステップS104)。実施の形態1では、ここで得られるフィルタリング後のデータとトルク変動量との統計的な関係を予め求めておき、この統計的な関係をECU50に記憶しておく。毎回のルーチン実行時に、ステップS104において、ECU50からトルク変動量が読み出され、トルク変動量が算出される。
なお、トルク変動量を求める手法は、ステップS100〜S106までの一連の処理で行われた手法に限られない。トルク変動量を把握するための各種の手法が既に公知となっている。ステップS100〜S106の内容に代えて、他の公知のトルク変動量取得手法を用いてもよい。
なお、便宜上図示を省略しているが、実施の形態1では、ステップS100〜S106までの処理が先ず1回行われ、ここで算出されたトルク変動値がTFに設定される。続いて、1回目の処理時のEGRバルブ開度16から微小ゲインα分だけEGRバルブ16が開き側に制御される。その後、再度、ステップS100〜S106の処理が行われ、この2回目のトルク変動値の算出により得られたトルク変動値がTFに設定される。
次に、TFからTFを減じた値であるΔTFが、ゼロであるか否かが判定される(ステップS108)。このステップの条件が成立している場合には、TFとTFが同じ値である。よって、図3を用いて述べたEGRバルブ16の調節方向判別を行うための情報、すなわちΔTFの正負の情報が得られていない。この場合には、EGRバルブ16の開度がさらに微小変更され(ステップS120)、その後、ステップS100からS106までの処理が実行されて、TFが更新される。
ステップS108の条件が否定された場合には、TFとTFが相違しているから、TFとTFの差分ΔTFに基づいて、図3を用いて述べたEGRバルブ16の調節方向判別を行うことができる。この場合には、ステップS110へと進む。
ステップS110では、ΔTFがゼロよりも大きいか否かが判定される。この条件が成立している場合には、EGRバルブ16の開度の増大に伴ってトルク変動量が増大したと判断できる。つまり、現在の内燃機関10の状態が、図2でいうところの点P1の場合に該当すると判断できる。言い換えれば、この場合には、EGRガス供給量が過多であるためにトルク変動量が過大になっていると考えることができる。この場合には、EGRバルブ16を閉じる方向への補正用ゲインがセットされる(ステップS112)。
ステップS110の条件が不成立の場合には、EGRバルブ16の開度の増大に伴ってトルク変動量が減少したと判断できる。つまり、現在の内燃機関10の状態が、図2でいうところの点P2の場合に該当すると判断できる。言い換えれば、この場合には、EGRガス供給量が過少であるためにトルク変動量が過大になっていると考えることができる。よって、EGRバルブ16を開く方向への補正用ゲインがセットされる(ステップS122)。実施の形態1では、ステップS112およびS122で設定される補正用ゲインは、大きさが同じで正負が逆とし、以下、+βあるいは−βと示す。
続いて、EGRバルブ16の開度の補正量を算出する処理が実行される(ステップS114)。このステップでは、先ず、セットされた補正用ゲイン(+βまたは−β)に従って、EGRバルブ16の目標開度が算出される。次いで、この目標開度を実現するためのEGRバルブ16の開き側(或いは閉き側)操作量が算出される。なお、ステップS114から分岐して、マップ70に補正量が記憶される(ステップS124)。その後、バルブ開度制御(ステップS116)、目標トルク変動量と現在のトルク変動量との間の乖離(偏差)が許容範囲内かの判定(ステップS118)が、順次行われる。ステップS118の「検出TF」は、制御ステップがステップS118に達した段階で、前出のステップS100〜S106を行うことで取得される値である。これらステップS114〜S118のフィードバック制御が繰り返し行われることで、最終的に、トルク変動量が目標トルク変動量へと収束する。その後、今回のルーチンが終了する。
なお、実施の形態1では、補正用ゲインβの大きさを、微小ゲインαに比して、大きめの値にしておく。微小ゲインαを相対的に小さくすることで、内燃機関10への燃焼影響を極力抑えつつEGRバルブ16を調節すべき方向を特定できる。また、EGRバルブ16を調節すべき方向が特定された後は、相対的に大きな補正用ゲインβを用いて、EGRバルブ16の開度補正を高速に行うことができる。これにより、速やかに目標のトルク変動量へと収束させることができる。
以上の処理によれば、トルク変動を抑制するためにEGRガス供給量の調節を行う際に、トルク変動が却って悪化してしまう事態が発生するのを抑制することができる。
尚、図5のルーチンのステップS100〜S106の処理が、トルク変動量算出部52において、図5のルーチンのステップS108、S110、S120の処理が、EGR過不足判定部54において、図5のルーチンのステップS112〜S118、S122およびS124の処理が、EGRバルブ開度補正量算出部56において、それぞれ実行される。
なお、図5のルーチンでは、ステップS118の条件が否定された場合にはステップS112にループしたが、本発明はこれに限られない。図5のルーチンにおいて、ステップS118の条件が否定された場合に、ステップS100へとループしてもよい。この場合には、複数のEGRバルブ16開度補正処理について、毎回、EGRガス供給量の変化に応じたトルク変動量の増減方向が、検知される。
尚、上述した実施の形態1では、EGR機構14が前記第1の発明における「EGR機構」に、トルク変動量算出部52が前記第1の発明における「トルク変動量検知手段」に、EGR過不足判定部54が前記第1の発明における「増減方向検知手段」に、EGRバルブ開度補正量算出部56が前記第1の発明における「EGR制御手段」に、それぞれ相当している。
なお、上述した実施の形態1では、EGRバルブ16が、前記第4の発明における「EGRバルブ」に相当している。また、実施の形態1では、図5のルーチンのステップS112,S122,S114の処理が実行されることにより、前記第4の発明における「目標変化量決定手段」が、図5のルーチンのステップS116の処理が実行されることにより、前記第4の発明における「EGR機構制御手段」が、図5のルーチンのステップS118以降のフィードバック制御が実行されることにより、前記第4の発明における「バルブ開度補正手段」が、それぞれ実現されている。
[実施の形態1の変形例]
(第1変形例)
実施の形態1では、EGR過不足の判定の際、微小ゲインαを正の値としてEGRバルブ16を開き気味に微小量だけ変更している。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。実施の形態1とは逆に、微小ゲインαを負の値として、EGRバルブ16を閉じ気味にしてもよい。つまり、EGRガス供給量を微小量だけ減少させてもよい。この場合にも、トルク変動TFとTFとの差分が正か負かを判別すれば、実施の形態1と同様に、EGRガス供給量に応じたトルク変動の増減方向を特定できる。
(第2変形例)
実施の形態1では、微小ゲインαを用いてEGR過不足判定が行われ、微小ゲインαより大きく設定された補正用ゲインβを用いてEGRバルブ開度の補正が行われている。しかしながら、本発明は、必ずしもこれに限られるものではない。EGR過不足判定用のゲインと、EGRバルブ開度補正用のゲインとが、同じ値に設定されても良い。
(第3変形例)
実施の形態1では、EGRガス供給量が多いほどトルク変動量が大きくなることが特定された場合には(点Pの場合)、EGRガス供給量を低減することにより内燃機関10のトルク変動が抑制される。尚且つ、実施の形態1では、EGRガス供給量が少ないほどトルク変動量が大きくなることが特定された場合には(点Pの場合)、EGRガス供給量を増加することにより内燃機関10のトルク変動が抑制される。これにより、実施の形態1では、継続的に、EGRガス供給量の変化に応じたトルク変動量の増減の方向を検知しつつ、トルク変動量を小さくするようにEGRガス供給量が最適化される。
しかしながら、内燃機関10のトルク変動を抑制するようにEGR機構14を制御する場合、次のような変形も採用できる。
例えば、EGRガス供給量が多いほどトルク変動量が大きくなる場合には(点Pの場合)、実施の形態1と同様に、EGRガス供給量を低減する。一方、EGRガス供給量が少ないほどトルク変動量が大きくなることが特定された場合には(点Pの場合)、EGRガス供給量の低減を禁止したうえで他の運転条件の変更によりトルク変動の抑制を行ってもよい。これにより、少なくとも、トルク変動を悪化させるような、EGRガス供給量の誤った調節を防止できる。
また、前段落で述べた変形例とは対称的に、点Pの場合にEGRガス供給量を増大し、点Pの場合にEGRガス供給量の増大を禁止したうえで他の運転条件の変更によりトルク変動の抑制を行ってもよい。いずれにせよ、実施の形態1のようにEGRガス供給量に応じたトルク変動量の増減の方向を特定した上で、EGR機構14に与える制御内容を、トルク変動量をできるだけ増加させないような制御内容に変更・補正すればよい。
なお、実施の形態1では、図5のルーチンを実行する運転領域は、特に限定していない。しかしながら、例えば、図2を用いて述べた点Pのようなトルク変動量増減挙動が発生しうる状況下でのみ、図5のルーチンを実行させてもよい。前述したように、本願発明者の知見によれば、内燃機関が中負荷域から高負荷域で運転されていて、EGRを行っておりかつEGRガス供給量を低減するような場合、ノッキングに起因したトルク変動増大が予想される。これを踏まえて、点Pの状況が発生しうるか否かを確認しつつ、必要に応じて図5のルーチンを実行させることができる。
本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の制御装置の構成を示す図である。 実施の形態1において想定する課題を説明するための図である。 実施の形態1において行われる制御動作の内容を模式的に示す図である。 実施の形態1において行われる制御動作の内容を模式的に示す図である。 実施の形態1においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関 12 クランク角センサ
14 EGR機構 16 EGRバルブ
52 トルク変動量算出部 54 EGR過不足判定部
56 バルブ開度補正量算出部 70 マップ

Claims (5)

  1. EGRガスを供給するためのEGR機構を備えた内燃機関を制御する装置であって、
    前記内燃機関のトルク変動量を検知するトルク変動量検知手段と、
    前記EGR機構のEGRガス供給量の変化に応じた前記内燃機関のトルク変動量の増減の方向を検知する増減方向検知手段と、
    前記増減方向検知手段の検知結果に基づいて、前記内燃機関のトルク変動を抑制するように前記EGR機構を制御するEGR制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記EGR制御手段は、EGRガス供給量が多いほどトルク変動量が大きくなる増減方向を前記増減方向検知手段の検知結果が示した場合に、EGRガス供給量が低減されるように前記EGR機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記EGR制御手段は、EGRガス供給量が少ないほどトルク変動量が大きくなる増減方向を前記増減方向検知手段の検知結果が示した場合に、EGRガス供給量が増加されるように前記EGR機構を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記EGR機構は、EGRガス供給量を調節するためのEGRバルブを含み、
    前記EGR制御手段が、
    前記内燃機関のトルク変動量を所定値以下にするように、或いは、前記内燃機関のトルク変動量を特定のトルク変動量に近づけるように、EGRガス供給量の目標変化量を決定する目標変化量決定手段と、
    前記目標変化量決定手段が決定した目標変化量に基づいて、前記EGR機構を制御するEGR機構制御手段と、
    前記目標変化量決定手段において目標とされたトルク変動量と、前記EGR機構制御手段が制御を行った後のトルク変動量と、の間の乖離を抑制するように、前記増減方向検知手段の検知結果に基づいて、前記EGRバルブの開度を補正するバルブ開度補正手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記増減方向決定手段が、EGRガス供給量を所定の第1の割合で変化させたときのトルク変動量の増減を検出することにより、前記EGR機構のEGRガス供給量の変化に応じた前記内燃機関のトルク変動量の増減の方向を検知するものであり、
    前記EGR制御手段が、前記内燃機関のトルク変動を抑制するように前記EGR機構を制御するときに、前記第1の割合に比して大きな第2の割合でEGRガス供給量を変化させることを特徴とする請求項1乃至4に記載の内燃機関の制御装置。
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