JP2010090630A - 補強部材接合構造 - Google Patents

補強部材接合構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2010090630A
JP2010090630A JP2008262362A JP2008262362A JP2010090630A JP 2010090630 A JP2010090630 A JP 2010090630A JP 2008262362 A JP2008262362 A JP 2008262362A JP 2008262362 A JP2008262362 A JP 2008262362A JP 2010090630 A JP2010090630 A JP 2010090630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shear resistance
reinforcing member
anchor
resistance member
shear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008262362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5368762B2 (ja
Inventor
Takafumi Iizuka
崇文 飯塚
Kazuhiro Kaneda
和浩 金田
Toshitaka Taniguchi
俊恭 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2008262362A priority Critical patent/JP5368762B2/ja
Publication of JP2010090630A publication Critical patent/JP2010090630A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5368762B2 publication Critical patent/JP5368762B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】後施工アンカーの本数を減らして効率的に補強する補強部材接合構造を提供する。
【解決手段】既設構造躯体(既設柱2)に増設補強部材(増設コンクリート柱10)を接合する補強部材接合構造1において、既設構造躯体の、増設補強部材との接合面に打設されるアンカー20と、このアンカー20に係止するように配置されるせん断抵抗部材30とを備えてなり、このせん断抵抗部材30は、既設構造躯体に接着されている。また、せん断抵抗部材30は、鋼材にて構成されており、既設構造躯体の表面3に接合されるプレート状の接合部31と、接合部31に立設されるシャキー部(リブ32)とを備えてなり、接合部31は、アンカー20が挿通される挿通部33を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設構造躯体に増設補強部材を接合する補強部材接合構造に関する。
新耐震設計基準の施工以前に建築された建物で、現行の基準を満たさない建物の耐震補強が様々な方法で実施されている。一般的には、既設構造躯体と、増設するブレース、壁や補強架構材は、後施工アンカーを用いて一体化されることが多く、このような施工を行うことで、建物全体の剛性や耐力が高められている。
その他には、躯体と補強部材との接合部におけるせん断伝達性能を高めるために、鋼棒からなる補強部材を躯体に圧着する構造や、接合面に凹凸を形成する構造や、プレキャストコッターや鋼管コッターを樹脂で躯体に貼り付ける構造も開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2003−49547号公報 特許第3520488号公報
しかしながら、前述した従来の耐震補強構造では、多数のアンカーを打設するために、アンカー打設時に、多くの騒音、振動や粉塵が発生する問題があった。また、鋼棒で補強部材を圧着する場合には、躯体に貫通口をあける必要があるので、騒音、振動や粉塵が発生する上に、施工に多くの時間と手間を要していた。さらに、コッターを貼り付ける場合は、樹脂の接着強度またはコンクリートの引張強度で建物の耐力が決まるので、補強効率が良くなかった。
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、後施工アンカーの本数を減らして効率的に補強する補強部材接合構造を提供する。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、既設構造躯体に増設補強部材を接合する補強部材接合構造において、前記既設構造躯体の、前記増設補強部材との接合面に打設されるアンカーと、該アンカーに係止するように配置されるせん断抵抗部材とを備えてなり、該せん断抵抗部材は、前記既設構造躯体に接着されることを特徴とする補強部材接合構造である。
このような構成によれば、既設構造躯体と増設補強部材との間に作用するせん断力の一部をせん断抵抗部材が負担するので、アンカーによるせん断抵抗負担を減らすことができる。これによって、打設するアンカーの本数を減らすことができ、アンカー打設時に発生する騒音、振動や粉塵を軽減することができる。
請求項2に係る発明は、前記せん断抵抗部材は、鋼材にて構成されており、前記既設構造躯体の表面に接合されるプレート状の接合部と、当該接合部に立設されるシャキー部とを備えてなり、前記接合部は、前記アンカーが挿通される挿通部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の補強部材接合構造である。
このような構成によれば、せん断抵抗部材が負担できるせん断力が大きくなり、せん断抵抗部材のせん断力の負担割合が大きくなるので、打設するアンカーの本数をさらに減らすことができる。
請求項3に係る発明は、前記シャキー部は、リブ状の形態で、地震時に前記既設構造躯体と前記補強部材との接合面に生じる力と直交する方向に延在していることを特徴とする請求項2に記載の補強部材接合構造である。
ここで、前記既設構造躯体と前記補強部材との接合面に生じる力とは、せん断力や捩り力をいう。このような構成によっても、せん断抵抗部材が負担できるせん断力が大きくなり、せん断抵抗部材のせん断力の負担割合が大きくなるので、アンカーの本数をさらに減らすことができる。
請求項4に係る発明は、前記挿通部は、一つの丸孔か、または、丸孔と長孔または切欠きで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の補強部材接合構造である。
このような構成によれば、アンカーを丸孔からなる挿通部に挿通させることでせん断抵抗部材の位置決めを容易に行うことができる。また、挿通部を複数も受ける場合には、他のアンカーは長孔または切欠きからなる挿通部に挿通することになるので、アンカーの取付位置の施工誤差を吸収することができる。
請求項5に係る発明は、前記せん断抵抗部材が接着される既設構造躯体の表面に、接着剤が充填される凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補強部材接合構造である。
ここで、凹部とは、ディスクサンダーで彫った直線や半円状の溝、またはカッターやドリルによる切削穴など、必要な接着強度に応じて長さや深さ、本数、大きさ等を決めれば良く、形状は問わない。凹部に充填された接着剤が硬化してコッターやアンカーとしてせん断や引張に抵抗することで、補強部材と既設構造躯体との一体性がより一層高まる。
本発明によれば、後施工アンカーの本数を減らして効率的に補強することができるといった優れた効果を発揮する。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る補強部材接合構造は、既設柱や既設梁などの既設構造躯体に増設コンクリート柱や増設コンクリート梁などの増設補強部材を接合するための構造である。本実施形態では、図1および図2に示すように、既設構造躯体を構成する既設柱2の表面に増設補強部材を構成する増設コンクリート柱10を固着させる場合を例に挙げて説明する。既設柱2は、鉄筋コンクリート構造からなり、その一面に、鉄筋コンクリート構造からなる増設コンクリート柱10が固着される。
かかる補強部材接合構造1は、既設柱2(既設構造躯体)にアンカー20を打設し、既設柱2の表面3の、アンカー20を打設した位置に、せん断抵抗部材30をアンカー20に係止するように配置して接着することで、アンカー20とせん断抵抗部材30を複合的に併用して、既設構造躯体と増設補強部材との間に作用するせん断力の一部をせん断抵抗部材30が負担するようにしたことを特徴とする。
アンカー20は、後施工タイプのアンカーで、既設柱2の表面3を穿孔して装着孔を形成し、その後、金属系アンカーまたは接着系アンカーを固着することで構成されている。アンカー20は、増設コンクリート柱10が設けられる側の表面3に、所定の間隔を隔てて縦二列で複数配列されている。
せん断抵抗部材30は、図1および図3に示すように、鋼材にて構成されており、既設柱2の表面3に接合される接合部31と、接合部31に立設されたリブ(シャキー部)32とを備えている。そして、接合部は、アンカー20を挿通させる挿通部33を備えている。接合部31は、所定厚さを有する長方形形状のプレート材にて構成されており、アンカー20に直交するように配置されている。本実施形態では、接合部31は、その長手方向の長さが、上下方向に隣接するアンカー20,20間の距離よりも長い寸法になるように形成されている。
リブ32は、接合部31の長手方向に沿って形成されている。リブ32は、接合部31に対して直交するように設けられ、接合部31の周縁部の長辺部分に溶接によって接合されている。本実施形態では、リブ32は、接合部31の長辺部分の中間部に設けられており、長辺部分における両端側が切除された形状となっているが、接合部31の長辺部分の全長に亘って設けてもよい。リブ32は溶接による接合に限定されるものではなく、プレートを折り曲げ加工してせん断抵抗部材30を形成したり、断面L字状のアングル材を適宜切断してせん断抵抗部材30を形成するようにしてもよい。
挿通部33は、本実施形態では、接合部31の長手方向両端部の近傍の二箇所に設けられている。挿通部33は、一方が丸孔33aで構成され、他方が切欠き33bで構成されている。丸孔33aは、アンカー20の外径と略同等の内径を備えており、挿通されたアンカー20と当接するように構成されている。切欠き33bは、接合部31の長手方向に延びて形成されており、一端が接合部31の短辺部分に開口したU字状に形成されている。切欠き33bは、奥側に位置する他端の底部がアンカー20の外径と略同等の内径を備える半円形状に形成されている。なお、挿通部は、必ずしも短辺部分に開口した切欠きである必要はなく、接合部31の長手方向に延びる長孔で形成してもよい。
せん断抵抗部材30は、縦方向で互いに隣り合うアンカー20,20間に架け渡されて既設柱2に取り付けられている。すなわち、地震時に既設柱2(既設構造躯体)とせん断抵抗部材30との接合面に生じる力である地震時せん断力に対して、せん断抵抗部材30の長手方向が直交しており、リブ32も同様に、地震時せん断力と直交する方向に延在している。これによって、せん断抵抗部材30のリブ32が地震時の水平方向にかかる荷重の一部を受けて接合部31に伝達することとなり、せん断抵抗部材30が地震時せん断力にせん断抵抗するようになっている。
せん断抵抗部材30は、切欠き33bの上側に丸孔33aが位置するように配置され、上下に隣り合うアンカー20,20のうち、上側のアンカー20が丸孔33aに挿通され、下側のアンカー20が切欠き33bに挿通される。すなわち、既設柱2の表面3において地震時せん断力と直交する方向(上下方向)に沿って、丸孔33aと切欠き33bが配列されるとともに、切欠き33bがその方向に延びて形成されている。したがって、地震時せん断力がかかる方向(水平方向)においては、丸孔33aおよび切欠き33bがアンカー20とそれぞれ当接して、せん断抵抗部材30がアンカー20と係止することになるので、地震時せん断力を、リブ32、接合部31およびアンカー20を介して既設柱2と増設コンクリート柱10との間で伝達することができる。
せん断抵抗部材30は、要求されるせん断伝達性能に応じて適宜設けられるが、本実施形態においては、上下方向に隣り合うアンカー20,20を連結するように配設されている。また、表面3側から見て、左右に位置するせん断抵抗部材30は、互いに上下方向にオフセットして千鳥配置されている。すなわち、左右一方のせん断抵抗部材30の上側の丸孔33aは、左右他方のせん断抵抗部材30の下側の切欠き33bと同じ高さ位置に配置されている。
せん断抵抗部材30は、エポキシ樹脂系接着剤35によって既設柱2の表面3に接着されている。せん断抵抗部材30を接着するに際しては、接合部31の背面(リブ32の立設方向と反対側の面)にエポキシ樹脂系接着剤35を塗布した状態で、アンカー20を挿通部33に挿通させつつ、せん断抵抗部材30を移動させて既設柱2の表面3に当接させる。そして、所定時間養生してエポキシ樹脂系接着剤35を固化させる。ここで、アンカー20とせん断抵抗部材30とは、アンカー20が挿通部33に係止しているので、地震時せん断力が好適に伝達されることとなる。
図2に示すように、せん断抵抗部材30が接着される既設柱2(既設構造躯体)の表面3には、エポキシ樹脂系接着剤35が充填される凹部5が形成されている。凹部5は断面半円状の溝や穴などで構成されているが、形状は限定されるものではなく、必要な強度に応じて所定の深さや大きさを有していればよい。このような構成によれば、凹部5に充填されたエポキシ樹脂系接着剤35が硬化してコッターやアンカーとしてせん断や引張に抵抗し、補強部材と既設構造躯体との一体性を高めることができる。
増設コンクリート柱10は、図2に示すように、コンクリートからなる柱本体11と、柱本体11の内部に複数配筋された主筋12と、主筋12を取り囲むフープ筋13とを具備している。柱本体11の断面積や、主筋12およびフープ筋13の径および配筋ピッチは、要求される耐震性能に応じて適宜算出されて決定される。
以上のような構成によれば、アンカー20を打設した既設柱2の表面3にせん断抵抗部材30を接着するとともに、アンカー20にせん断抵抗部材30を係止したり、ナットや溶接で完全に固定することで、アンカー20とせん断抵抗部材30とを併用した複合的な接合構造とすることができる。特に、せん断抵抗部材30を、地震時せん断力と直交する方向に配置した上で、既設柱2と増設コンクリート柱10とを一体化しているので、地震時せん断力を、せん断抵抗部材30によって効率的に負担することができる。よって、アンカー20によるせん断伝達の負担を減らし、その本数も減らすことができる。
さらに、せん断抵抗部材30が上下方向に隣り合うアンカー20,20間に架け渡されているので、アンカー20,20とせん断抵抗部材30とが一体化される。したがって、アンカー20とせん断抵抗部材30とが複合して協働し、打設するアンカー20の本数をさらに減らすことができる。また、せん断抵抗部材30のリブ32が既設柱2にかかる地震時せん断力と直交する方向(上下方向)に延出するように配置されているので、地震時せん断力に対する強度が大きくなり、地震時せん断力にさらに効率的に抵抗することができる。したがって、アンカー20の本数をより一層減らすことができる。
また、せん断抵抗部材30の挿通部33は、丸孔33aと切欠き33bで構成されているので、アンカー20を丸孔33aからなる挿通部33に挿通させることでせん断抵抗部材30の位置決めを容易に行うことができる。また、丸孔33aに挿通されたアンカー20とは他のアンカー20は切欠き33bからなる挿通部33に挿通することになるので、アンカー20の取付位置の施工誤差を切欠き33bによって吸収することができる。
以下に、本実施形態の補強部材接合構造1を適用して既設柱2に増設コンクリート柱10を接合した場合に、何本のアンカー20を低減させることができるかについて、試検討した内容を説明する。
補強部材接合構造1を適用して既設柱2に増設コンクリート柱10を接合した補強構造における負担せん断力Qapは、下記の(1)式のように表される。
Figure 2010090630
ここで、Qaはアンカー1本当たりの負担せん断力、naはアンカーの本数、Qpはせん断抵抗部材1つ当たりの負担せん断力、npはせん断抵抗部材の個数をそれぞれ示している。
アンカー1本当たりの負担せん断力Qaは、下記の(2)式のように表される。
Figure 2010090630
ここで、τaはアンカーの負担せん断強度を示し、アンカー筋のせん断強度τa1と支圧破壊によるせん断強度τa2のうち小さい方の値となる。sAeはアンカーの断面積を示す。
アンカー筋のせん断強度τa1は、下記の(3)式のように表される。
Figure 2010090630
支圧破壊によるせん断強度τa2は、下記の(4)式のように表される。
Figure 2010090630
せん断抵抗部材1つ当たりの負担せん断力Qpは、下記の(5)式のように表される。
Figure 2010090630
Qp1はせん断抵抗部材のせん断耐力、Qp2は支圧破壊によるせん断耐力、Qp3はせん断抵抗部材と既設柱との固着耐力をそれぞれ示しており、これらの値のうち最も小さい値が、せん断抵抗部材1つ当たりの負担せん断力Qpとなる。
せん断抵抗部材のせん断耐力Qp1は、下記の(6)式のように表される。
Figure 2010090630
σyはせん断抵抗部材の降伏強度(N/mm)、Apはせん断抵抗部材のリブの断面積をそれぞれ示している。
支圧破壊によるせん断耐力Qp2は、下記の(7)式のように表される。
Figure 2010090630
αは支圧耐力係数を示し、α=1とおく。σはコンクリートの圧縮強度、pxはリブの高さ、pwはリブの幅をそれぞれ示している。px・pwはリブの面積を示している。
せん断抵抗部材と既設柱との固着耐力Qp3は、下記の(8)式のように表される。
Figure 2010090630
τp3はせん断抵抗部材と既設柱とのせん断滑り強度を示し、τp3=3とおく。pw1は固着部分の長辺部分の長さ、pw2は固着部分の短辺部分の長さをそれぞれ示しており、pw1・pw2は固着部分の面積を示している。
ここで、図4に示すように、既設柱2に、D22のアンカー20を縦二列で、それぞれ400mm間隔で8本ずつ合計16本設置し、せん断抵抗部材30を千鳥状に全部で8枚配置することを想定したところ、負担せん断力Qapは、下記の計算式((9)式)に示すように、269tのせん断力を負担できることが分かった。
Figure 2010090630
ここで、アンカー20のみで、296tのせん断力を負担するには、296を9.29で割ることによって、29本必要であることが分かる。このように、アンカー20のみでは29本必要な所を、せん断抵抗部材30を効率的に配置したことで、アンカー20を16本に低減することができ、略65%に低減可能である。なお、アンカー20やせん断抵抗部材30の形状や個数は一例であって適宜変更可能であるので、アンカーの低減率をさらに大きくすることも可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態で示したせん断抵抗部材30の形状は以下に示すように、種々の形状がある。
図5に示したせん断抵抗部材36は、リブ32が、接合部31の短手方向(幅方向)中央部に設けられている。リブ32は、丸孔33aと切欠き33bとの間に配置されており、接合部31の表面に溶接にて接合されている。このような構成によれば、リブ32の位置がアンカー20と一列に並ぶので、増設コンクリート柱10の鉄筋と干渉しにくく、配筋を容易に行える。また、リブ32が接合部31の幅方向中央部になるので、せん断抵抗部材30が左右対称となり、力伝達のバランスがよくなる。
図6に示したせん断抵抗部材37は、挿通部33が接合部31の中間部に1箇所だけ設けられており、1本のアンカー20で接合されるようになっている。挿通部33は丸孔33aにて構成されている。リブ32は、接合部31の表面で丸孔33aに接するように配置されており、溶接にて接合されている。このような構成によれば、アンカー20とリブ32が当接するので、せん断伝達能力をさらに高めることが可能となる。
図7に示したせん断抵抗部材38は、せん断抵抗部材37(図6参照)と同様に、丸孔33aにて構成された挿通部33が接合部31の中間に1箇所だけ設けられ、1本のアンカー20で接合されている。せん断抵抗部材38は、リブ32が、接合部31の幅方向両側で挿通部33を両側から囲むように2枚設けられ、接合部31の長辺部分に溶接にて接合されている。このような構成によれば、リブが1つの場合と比べて、さらにせん断伝達能力を高めることができる。また、リブ32が接合部31の幅方向両側に対称配置されているので、地震時せん断力の左右の揺れに対して均等に抵抗することができる。
図8に示したせん断抵抗部材39は、接合部31とリブ32が、断面コ字状の溝型鋼材によって構成されており、一体的に形成されている。挿通部33は、丸孔33aと切欠き33bにて構成されており、2本のアンカー20に架け渡して配置される。このような構成によれば、溝型鋼材を用いて接合部31とリブ32を形成しているので、製造を容易に行うことができる。また、せん断抵抗部材38(図7参照)と同様に、リブ32が複数設けられており、せん断伝達能力を高めることが可能であるとともに、リブ32は接合部31の幅方向両側に対称配置されているので、地震時せん断力の左右の揺れに対して均等に抵抗することができるといった作用効果を得られる。
前記のせん断抵抗部材30,36,37,38,39は、一つあるいは二つのアンカー20に接続されているが、これに限定されるものではなく、さらに多数のアンカーに架け渡すように設けてもよい。
さらに、前記実施形態では、せん断抵抗部材30は、既設柱2の表面3において、縦方向で互いに隣り合うアンカー20,20間に架け渡されて既設柱2に取り付けられて配置されているが、これに限定されるものではない。図9に示すように、既設柱2と既設梁6との接合部分では、せん断抵抗部材30を放射状に配置することで、既設柱2(既設構造躯体)とせん断抵抗部材30との接合面に生じる力の一つである捩り力Pに対して、せん断抵抗部材30の長手方向が直交し、リブ32も同様に、捩り力Pと直交する方向に延在する。これによって、せん断抵抗部材30が、地震時に既設柱2と既設梁6との接合部分に生じる変形に効率的に抵抗できる。
本発明に係る補強部材接合構造を実施するための最良の形態を示した斜視図である。 本発明に係る補強部材接合構造を実施するための最良の形態を示した水平方向断面図である。 本発明に係る補強部材接合構造のせん断抵抗部材を示した斜視図である。 本発明に係る補強部材接合構造のアンカーとせん断抵抗部材の配置例を示した側面図である。 せん断抵抗部材の他の形態を示した斜視図である。 せん断抵抗部材の他の形態を示した斜視図である。 せん断抵抗部材の他の形態を示した斜視図である。 せん断抵抗部材の他の形態を示した斜視図である。 本発明に係る補強部材接合構造のアンカーとせん断抵抗部材の他の配置例を示した側面図である。
符号の説明
1 補強部材接合構造
2 既設柱(既設構造躯体)
10 増設コンクリート柱(増設補強部材)
20 アンカー
30 せん断抵抗部材
31 接合部
32 リブ(シャキー部)
33 挿通部
33a 丸孔
33b 切欠き

Claims (5)

  1. 既設構造躯体に増設補強部材を接合する補強部材接合構造において、
    前記既設構造躯体の、前記増設補強部材との接合面に打設されるアンカーと、該アンカーに係止するように配置されるせん断抵抗部材とを備えてなり、
    該せん断抵抗部材は、前記既設構造躯体に接着される
    ことを特徴とする補強部材接合構造。
  2. 前記せん断抵抗部材は、鋼材にて構成されており、前記既設構造躯体の表面に接合されるプレート状の接合部と、当該接合部に立設されるシャキー部とを備えてなり、前記接合部は、前記アンカーが挿通される挿通部を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の補強部材接合構造。
  3. 前記シャキー部は、リブ状の形態で、地震時に前記既設構造躯体と前記せん断抵抗部材との接合面に生じる力と直交する方向に延在している
    ことを特徴とする請求項2に記載の補強部材接合構造。
  4. 前記挿通部は、一つの丸孔か、または、丸孔と長孔または切欠きで構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の補強部材接合構造。
  5. 前記せん断抵抗部材が接着される既設構造躯体の表面に、接着剤が充填される凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補強部材接合構造。
JP2008262362A 2008-10-09 2008-10-09 補強部材接合構造 Expired - Fee Related JP5368762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008262362A JP5368762B2 (ja) 2008-10-09 2008-10-09 補強部材接合構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008262362A JP5368762B2 (ja) 2008-10-09 2008-10-09 補強部材接合構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010090630A true JP2010090630A (ja) 2010-04-22
JP5368762B2 JP5368762B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=42253603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008262362A Expired - Fee Related JP5368762B2 (ja) 2008-10-09 2008-10-09 補強部材接合構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5368762B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101257752B1 (ko) 2012-11-21 2013-04-24 윤태호 현장 비용접 고력볼트 접합방식의 cft기둥을 이용한 기둥의 내진보강구조 및 내진보강방법
JP2013159976A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd アンカーボルト施工方法
KR101441404B1 (ko) * 2013-12-23 2014-09-24 비코비엔주식회사 3점 앵커홀이 형성된 연결판을 이용한 앵커시공방법
JP2014177780A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Penta Ocean Construction Co Ltd 接合構造
JP2015010345A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 株式会社長谷工コーポレーション 既存柱の増し打ち補強構造

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006028812A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Yasutoshi Yamamoto 既設柱の補強構造
JP2008138411A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kumagai Gumi Co Ltd 既存建物の躯体と耐震補強材との接合部材及び接合構造
JP2008150776A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Taisei Corp 躯体の補強構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006028812A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Yasutoshi Yamamoto 既設柱の補強構造
JP2008138411A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kumagai Gumi Co Ltd 既存建物の躯体と耐震補強材との接合部材及び接合構造
JP2008150776A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Taisei Corp 躯体の補強構造

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013159976A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd アンカーボルト施工方法
KR101257752B1 (ko) 2012-11-21 2013-04-24 윤태호 현장 비용접 고력볼트 접합방식의 cft기둥을 이용한 기둥의 내진보강구조 및 내진보강방법
JP2014177780A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Penta Ocean Construction Co Ltd 接合構造
JP2015010345A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 株式会社長谷工コーポレーション 既存柱の増し打ち補強構造
KR101441404B1 (ko) * 2013-12-23 2014-09-24 비코비엔주식회사 3점 앵커홀이 형성된 연결판을 이용한 앵커시공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5368762B2 (ja) 2013-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007138472A (ja) 鉄筋コンクリート造ラーメン構造の既存建物の耐震補強工法
JP4917168B1 (ja) 圧縮ブレースによる耐震補強構造および補強方法
KR101880490B1 (ko) 딥데크 슬래브용 합성 보를 이용한 기둥 보 접합부 구조
JP5368762B2 (ja) 補強部材接合構造
JP5744582B2 (ja) 鋼管併用孔あき鋼板ジベル
JP2006226054A (ja) 鉄筋コンクリート造ラーメン構造の既存建物の耐震補強工法
JP2018178466A (ja) ダンパー、及びダンパーの製作方法
JP2007092354A (ja) プレキャストコンクリート造柱梁の接合方法
JP6046932B2 (ja) 有孔梁の補強構造
JP5658966B2 (ja) 複合梁、複合梁の接合構造、及び複合梁の接合方法
JP6429652B2 (ja) コンクリート製柱梁架構における耐震壁と下方梁との応力伝達構造
JP5144182B2 (ja) 既存建物の耐震補強構造並びに耐震補強方法
JP4945428B2 (ja) 補強構造
JP5934033B2 (ja) 圧縮ブレースによる耐震補強構造および補強方法
KR101736594B1 (ko) 기둥부재와 보부재의 접합구조
JP2016089549A (ja) 鉄筋コンクリート梁と鉄骨の柱又は鉄骨を備える柱との接合構造及び方法
JP5562685B2 (ja) 鋼製部材の接合構造、構造物、及び鋼製部材の接合方法
JP5329908B2 (ja) 既存建物の耐震補強構造及びその工法
JP6478832B2 (ja) 耐震補強構造
JP6240426B2 (ja) 鉄骨部材固定構造
JP2007040049A (ja) 既設建物の耐震補強構造
JP6099128B2 (ja) Rc架構と筋かいとの接合構造及び筋かい付rc架構
JP2011127279A (ja) 波形鋼板耐震壁、及び該波形鋼板耐震壁を有する建物
JP2015063889A (ja) 柱接合構造
KR100660524B1 (ko) 내부보강판을 이용한 콘크리트 충전강관 기둥과 보접합부의 보강구조

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5368762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees