JP2010090417A - ハニカム構造体成形用金型及びその製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体成形用金型及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工によって生じる幅広い範囲の大きさのバリ等を十分に除去することができるハニカム構造体成形用金型の製造方法及びそれによって得られるハニカム構造体成形用金型を提供すること。
【解決手段】材料を供給するための供給穴と、供給穴に連通して設けられ、材料をハニカム形状に成形するための格子状のスリット溝13とを有するハニカム構造体成形用金型の製造方法は、金型素材11の穴形成面に供給穴を形成する穴加工工程と、金型素材11の穴形成面とは反対側の面である溝形成面130にスリット溝13を形成する溝加工工程と、金型素材11をエッチング液3に浸漬させた後、エッチング液3を循環撹拌しながら超音波4を印加し、少なくとも、穴加工工程及び溝加工工程を行うことによって生じた供給穴とスリット溝13との交差部分のバリを除去するためのエッチングを行うエッチング工程とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ハニカム構造体を押出成形するためのハニカム構造体成形用金型及びその製造方法に関する。
ハニカム構造体を押出成形するためのハニカム構造体成形用金型としては、材料を供給するための供給穴と、該供給穴に連通して設けられ、材料をハニカム形状に成形するための格子状のスリット溝とを有するものが知られている。
このハニカム構造体成形用金型を製造するに当たっては、供給穴の加工後にスリット溝を加工するが、このとき供給穴の加工部分に交差するようにスリット溝の加工を行うため、特に供給穴とスリット溝との交差部分には大小のバリが生じる。このようなバリは、材料を押し出す際には、直接的に流動抵抗として働く。そのため、スリット溝から押し出されるセル壁の形状が均一にならず、ハニカム構造体の形状悪化につながる。それ故、理想的には、バリをすべて除去しておくことが望ましい。
そこで、従来から、ウェットエッチング、ショットブラスト、流体研磨等の方法を用いて、ハニカム構造体成形用金型の製造過程において生じたバリ等を除去することが知られている。
例えば、特許文献1では、セラミックス坏土を部分的に供給穴及びスリット溝に通して流動抵抗の大きい部分の抵抗を下げて、均一化する方法が開示されている。また、特許文献2では、供給穴加工を電界エッチング加工によって行う方法が開示されている。また、特許文献3では、シリコンプロセスにおけるハーフミクロン以下のバリを除去する方法が開示されている。
特開平2−248208号公報 特開平11−138354号公報 特開2006−62148号公報
しかしながら、ウェットエッチングでは、単純に対象物を表面から深さ方向に同じ深さで侵食加工していくため、幅広い範囲の大きさ(数十μm〜0.1mm程度)のバリが存在する場合には、それらを適切に除去することが困難であった。また、ショットブラストや流体研磨では、供給穴とスリット溝との交差部分に存在するサイズの大きなバリを良好に除去することができなかった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、加工によって生じる幅広い範囲の大きさのバリ等を十分に除去することができるハニカム構造体成形用金型の製造方法及びそれによって得られるハニカム構造体成形用金型を提供しようとするものである。
第1の発明は、材料を供給するための供給穴と、該供給穴に連通して設けられ、材料をハニカム形状に成形するための格子状のスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法であって、
金型素材の穴形成面に上記供給穴を形成する穴加工工程と、
上記金型素材の上記穴形成面とは反対側の面である溝形成面に上記スリット溝を形成する溝加工工程と、
上記金型素材をエッチング液に浸漬させた後、該エッチング液を循環撹拌しながら超音波を印加し、少なくとも、上記穴加工工程及び上記溝加工工程を行うことによって生じた上記供給穴と上記スリット溝との交差部分のバリを除去するためのエッチングを行うエッチング工程とを有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法にある(請求項1)。
本発明のハニカム構造体成形用金型の製造方法において、上記穴加工工程及び上記溝加工工程では、上記金型素材に対して上記供給穴及び上記スリット溝を加工する。これにより、上記供給穴と上記スリット溝との交差部分には、大小のバリが生じる。
そして、上記エッチング工程では、上記金型素材をエッチング液に浸漬させ、該エッチング液を循環撹拌しながら超音波を印加し、エッチングを行う。これにより、上記供給穴及び上記スリット溝の内側面等の加工部分全体がエッチングされる。
ここで、本発明では、上記エッチング液を循環撹拌しながら超音波を印加してエッチングを行うため、上記供給穴と上記スリット溝との交差部分に生じるサイズの大きなバリ(0.1〜0.2mm程度)に対しては、面積が大きい分だけ超音波による振動が起こり易くなる。そして、バリの根元では、振動応力による折損と上記エッチング液による侵食との両方によって加工が進む。つまり、大きなバリを超音波によって特に選択的に振動させることにより、他の部分よりもバリの除去を促進することができる。これにより、上記供給穴と上記スリット溝との交差部分に生じるサイズの大きなバリでも、十分に除去することができる。
また、上記供給穴と上記スリット溝との交差部分に生じるサイズの小さなバリ(数十μm〜0.1mm程度)に対しては、通常通り上記エッチング液によって表面から深さ方向に侵食加工が進み、そのバリを十分に除去することができる。
また、もちろんのこと、上記供給穴と上記スリット溝との交差部分以外の部分、例えば上記供給穴及び上記スリット溝の内側面等の加工部分における微細な凹凸(凸部の高さが0.1mm以下)に対しても、通常通り上記エッチング液によって表面から深さ方向に侵食加工が進み、その凸部を十分に除去して平滑にすることができる。
このように、本発明によれば、加工によって生じる幅広い範囲の大きさのバリ等を十分に除去することができるハニカム構造体成形用金型の製造方法を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明のハニカム構造体成形用金型の製造方法により製造されてなることを特徴とするハニカム構造体成形用金型にある(請求項9)。
本発明のハニカム構造体成形用金型は、上記第1の発明のハニカム構造体成形用金型の製造方法により製造されたものであり、上記金型素材における加工によって生じる幅広い範囲の大きさのバリ等を十分に除去し、材料が通過する上記供給穴及び上記スリット溝の内側面を平滑にしたものである。そのため、押出成形時に起こり易い材料の押出速度の不均一を抑制することができる。これにより、ハニカム構造体の曲がりや反り等の変形や欠損を抑制することができ、形状精度の優れたハニカム構造体を押出成形することができる。
上記第1の発明において、上記エッチング工程では、上記エッチング液に超音波を印加する。このとき、超音波によって上記エッチング液中に圧力差が生じ、その圧力差によって短時間に気泡(キャビティ)の発生と消滅が起きるキャビテーションという物理現象が起こる。そして、上記のごとく、サイズの大きなバリは、面積も比較的大きいため、キャビティにより大きな振動を受ける。そして、バリの根元では、振動応力による折損と上記エッチングによる侵食との両方で加工が進む。これにより、サイズの大きなバリも十分に除去することができる。
また、上記エッチング工程では、上記エッチング液を撹拌しながらエッチングを行うことにより、隙間に入る上記エッチング液の劣化を防ぎ、部分的な未処理部を作らないことが大切である。上記金型素材の内部(例えば、上記供給穴と上記スリット溝との交差部分周辺)では、上記エッチング液が動き難いため、該エッチング液の循環あるいは温度調節器の配置による対流の発生等で液対流に注意を払う必要がある。
また、上記エッチング工程では、上記エッチング液に対して複数の周波数の超音波を印加することが好ましい(請求項2)。
この場合には、加工によって生じる幅広い範囲の大きさのバリ等の除去効果を向上させることができる。
また、上記エッチング工程では、上記エッチング液を循環させる方向と超音波を印加する方向とを同じとすることが好ましい(請求項3)。
例えば、上記エッチング液を循環させる方向を超音波を印加する方向に対して鉛直方向とした場合、上記エッチング液の循環が偏ることでバリの除去に偏りが生じる。そのため、上記エッチング液を循環させる方向と超音波を印加する方向とを同じとすることにより、均質なバリの除去を実現することができる。
また、上記エッチング工程では、上記エッチング液に対して印加する超音波の周波数を18〜100kHzとすることが好ましい(請求項4)。
また、上記エッチング工程では、上記エッチング液に対して印加する超音波によって上記金型素材が受ける音圧を0.5〜3.0kg/cm2とすることが好ましい(請求項5)。
特に、18〜45kHzの低い周波数の超音波を1.5〜3.0kg/cm2程度の音圧で印加することが、サイズの大きいバリ等の除去に有効である。また、100kHzの高い周波数の超音波を0.5〜2.0kg/cm2程度の音圧で印加することが、サイズの小さいバリ等の除去に有効である。また、200kHz近くの高い周波数でも、多少処理時間を要し、一部バリの残留が認められる場合があるものの、バリをほぼきれいに除去することができる。
また、上記エッチング工程では、上記エッチング液を50℃以上にしておくことが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記金型素材の内部における加工によって生じるバリ等に対する上記エッチング液の反応促進だけではなく、水溶液中に含まれる空気が最初に超音波をかけたときに追い出され、音圧を伝えにくくする気泡の発生を防ぐことができるからである。
一方、温度を高くしすぎると沸点に近づいて逆に水蒸気による気泡が発生しやすくなるので、高くても85℃程度に、音圧が高いときには80℃以下に抑えることが好ましい。
また、上記エッチング液は、塩酸の希釈物又はこれに界面活性剤を添加したものであることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記金型素材の内部における加工によって生じるバリ等に対するエッチング効果を有効に発揮することができる。
また、塩酸の希釈物が好ましい理由としては、一般的に、上記金型素材の主成分が鉄であることから、不動体化しないものを用いないとエッチングの効果が現れにくいこと、希釈によるpHの調整が容易なこと、加熱分解しにくいこと、処理後の洗浄、除去、廃液処理が容易なこと、安価でコストを抑えることができること、環境に配慮することができること等が挙げられる。また、この観点からすれば、塩酸濃度10%程度が好ましく、扱いが容易である。
また、界面活性剤が添加されていることにより、上記エッチング液中に浸漬した時に上記金型素材の上記供給穴及び上記スリット溝に入っている空気を排除しやすくすることができ、脱脂効果、対象物表面の濡れ性改善効果があり、均一なエッチングが促進される。
また、上記界面活性剤は、アルキルスルホン酸を含有することが好ましい(請求項8)。
例えば、アルキルスルホン酸を主成分とする直鎖型アルキルスルホン酸ナトリウムは、廃液処理が容易であり、安価である。また、側鎖型アルキルスルホン酸カリウム等も同様の効果が得られる。
また、上記界面活性剤としては、加熱してもすぐには分解せず、希薄な酸に対して反応しないものであれば、上記に関わらず安価なものを使用することができる。
また、上記スリット溝の溝幅は、0.05〜0.12mmであるが、これらに限定されない。また、上記スリット溝は、研削砥石による加工、放電加工、その他加工法等の加工バリが発生する手法を用いた加工を行ったものであれば、本発明の適用が可能である。
上記スリット溝の溝幅が狭い場合には、上記金型素材の内部におけるエッチング処理が困難となるが、本発明では、超音波を同時に印加しているため、溝深さ/溝幅の比が21以上となるような高いアスペクト比の上記金型素材の内部においても十分にエッチング処理を行うことができ、バリ等を十分に除去することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるハニカム構造体成形用金型(以下、適宜、単に金型という)の製造方法について、図1〜図5を用いて説明する。
本例において製造する金型1は、図3、4に示すごとく、セラミックス原料等を含む材料を押出成形して、ハニカム状のセル壁と該セル壁に囲まれたセルとを有するハニカム構造体を成形するためのものである。
そして、本例の金型1の製造方法は、図1〜図5に示すごとく、少なくとも、金型素材11の穴形成面120に供給穴12を形成する穴加工工程と、金型素材11の穴形成面120とは反対側の面である溝形成面130にスリット溝13を形成する溝加工工程と、金型素材11をエッチング液3に浸漬させた後、エッチング液3に対して超音波4を印加しながら、供給穴12の内側面121及びスリット溝13の内側面131のエッチングを行うエッチング工程とを有する。
以下、これを詳説する。
金型1を製造するに当たっては、まず、図1に示すごとく、金型1の材料となる金型素材11を準備した。金型素材11は、SKD(合金工具鋼)材よりなる金属板を加工したものである。金型素材11としては、金型用鋼材として市販されている材料を用いることもできる。
金型素材11は、供給穴12を形成する面である供給穴形成面120と、スリット溝13を形成する面であるスリット溝形成面130とを有する。金型素材11は、スリット溝形成面130が周囲よりも突出するように円形状に加工されている。なお、金型素材11は、スリット溝形成面130が周囲よりも突出するように方形状に加工してもよい。
次いで、穴加工工程においては、図2(a)に示すごとく、金型素材11の供給穴形成面120に、所定深さの供給穴12を形成した。
次いで、溝加工工程においては、図2(b)に示すごとく、金型素材11のスリット溝形成面130に、供給穴12に連通するようにスリット溝13を形成した。本例では、周囲よりも突出するように四角形状に加工したスリット溝形成面130に、研削砥石を用いて四角形格子状のスリット溝13を形成した。
これにより、図3、図4に示すごとく、材料を供給するための供給穴12と、供給穴12に連通して設けられ、材料をハニカム形状に成形するための格子状のスリット溝13とを有する金型素材11を得た。スリット溝13は、図3(a)、(b)に示すごとく、四角形格子状に設けられており、供給穴12は、図3(b)に示すごとく、スリット溝13同士が交差する部分に縦横方向において1つおきに設けられている。スリット溝13の溝幅wは0.06mmであり、スリット溝13間のピッチpは0.8mmである。
次いで、エッチング工程においては、図5に示すごとく、容器21と容器21内に設けられたヒータ22と超音波4を発生させる発振機23とを有する装置2を用いて、金型素材11のエッチングを行った。
具体的には、まず、金型素材11を市販のNSクリーン100(洗浄剤)で超音波洗浄(37kHz、5分)し、脱脂した。次いで、10%塩酸に界面活性剤としてのアルキルスルホン酸ナトリウムを数%添加したエッチング液3を容器21内に投入し、そのエッチング液3に金型素材11を浸漬させた。そして、エッチング液3をヒータ22により約80℃に加熱した。
その後、エッチング液3の温度が安定した状態で、発振機23からエッチング液3に対して超音波4を印加し、金型素材11の供給穴12の内側面121及びスリット溝13の内側面131のエッチングを行った。このとき、エッチング液3を循環撹拌しながらエッチングを行った。このとき、エッチング液3を循環させる方向と超音波4を印加する方向とを同じとした。
本例では、超音波4の周波数28kHz、超音波4によって金型素材11が受ける音圧3.0kg/cm2の条件でエッチング処理を5分間行った後、周波数100kHz、音圧1.5kg/cm2の条件でエッチング処理を5分間行った。なお、音圧は、市販の超音波メータ(SM−1000)を用いて測定した。
次いで、金型素材11をエッチング液3から引き上げ、金型素材11の表面に残留したエッチング液3を水で洗い流した。そして、金型素材11を乾燥させた後、金型素材11の表面(供給穴12の内側面121及びスリット溝13の内側面131を含む)に防錆処理を施した。
以上により、図3、図4に示すごとく、金型1を製造した。
次に、本例のハニカム構造体成形用金型1の製造方法における作用効果について説明する。
本例のハニカム構造体成形用金型1の製造方法において、穴加工工程及び溝加工工程では、金型素材11に対して供給穴12及びスリット溝13を加工する。これにより、供給穴12とスリット溝13との交差部分19には、大小のバリが生じる。
そして、エッチング工程では、金型素材11をエッチング液3に浸漬させ、エッチング液3を循環撹拌しながら超音波4を印加し、エッチングを行う。これにより、供給穴12及びスリット溝13の内側面121、131等の加工部分全体がエッチングされる。
ここで、本例では、エッチング液3を循環撹拌しながら超音波4を印加してエッチングを行うため、供給穴12とスリット溝13との交差部分19に生じるサイズの大きなバリ(0.1〜0.2mm程度)に対しては、面積が大きい分だけ超音波4による振動が起こり易くなる。そして、バリの根元では、振動応力による折損とエッチング液3による侵食との両方によって加工が進む。つまり、大きなバリを超音波4によって特に選択的に振動させることにより、他の部分よりもバリの除去を促進することができる。これにより、供給穴12とスリット溝13との交差部分19に生じるサイズの大きなバリでも、十分に除去することができる。
また、供給穴12とスリット溝13との交差部分19に生じるサイズの小さなバリ(数十μm〜0.1mm程度)に対しては、通常通りエッチング液3によって表面から深さ方向に侵食加工が進み、そのバリを十分に除去することができる。
また、もちろんのこと、供給穴12とスリット溝13との交差部分19以外の部分、例えば供給穴12及びスリット溝13の内側面121、131等の加工部分における微細な凹凸(凸部の高さが0.1mm以下)に対しても、通常通りエッチング液3によって表面から深さ方向に侵食加工が進み、その凸部を十分に除去して平滑にすることができる。
ここで、エッチング工程前後における供給穴12とスリット溝13との交差部分19周辺の状態の写真を図6に示す。図6(a)はエッチング工程前、図6(b)はエッチング工程後である。
この写真から見て取れるように、エッチング工程前には、供給穴12とスリット溝13との交差部分19に大きなバリ191があるが、エッチング工程後には、そのバリ191がきれいに除去され、交差部分19が平滑となっている。また、供給穴12の内側面121も平滑となっており、面粗さの均一化が図られている。つまり、微細な凹凸についても、その凸部を除去して平滑にすることができることがわかる。
このように、本例の製造方法によれば、加工によって生じる幅広い範囲の大きさのバリ等を十分に除去したハニカム構造体成形用金型1を得ることができる。また、このハニカム構造体成形用金型1を用いることにより、押出成形されるハニカム構造体の曲がりや反り等の変形や欠損を抑制することができる。これにより、形状精度の優れたハニカム構造体を押出成形することができる。
(実施例2)
本例では、エッチング工程において、様々な条件でエッチングを行った場合におけるバリの状態を評価した。
具体的には、実施例1と同様の金型素材(試料E1〜E6)を作製した後、エッチング液の温度、超音波印加条件等の条件(下記の表1参照)を変更してエッチング処理を行った。そして、金型素材のスリット溝内部(特に、供給穴とスリット溝との交差部分)のバリが除去されているかどうかを評価した。
なお、試料E1〜E6において、エッチング液は、実施例1と同様であり、10%塩酸に界面活性剤としてのアルキルスルホン酸ナトリウムを添加したものである。また、試料E3は、その他の条件も実施例1と同様である。
結果を表1に示す。試料E2、E3、E6では、スリット溝内部のバリの残留はなく、バリがきれいに除去されている。また、試料E1、E4、E5でも、スリット溝内部に少しバリの残留が認められるものの、バリがほぼきれいに除去されている。
以上の結果から、本発明のエッチング工程を行うことにより、加工によって生じるバリを十分に除去できることがわかる。特に、大小のバリが生じ易い供給穴とスリット溝との交差部分においても、その幅広い範囲の大きさのバリを十分に除去できることがわかる。
実施例1における、金型素材を示す説明図。 実施例1における、(a)穴加工工程を示す説明図、(b)溝加工工程を示す説明図。 実施例1における、(a)金型素材(金型)を示す平面図、(b)金型素材(金型)の供給穴とスリット溝との位置関係を示す説明図。 実施例1における、図3(a)のA−A断面図。 実施例1における、エッチング工程を示す説明図。 実施例1における、供給穴とスリット溝との交差部分の(a)エッチング工程前の状態を示す写真、(b)エッチング工程後の状態を示す写真。
符号の説明
1 ハニカム構造体成形用金型
11 金型素材
13 スリット溝
30 溝形成面
3 エッチング液
4 超音波

Claims (9)

  1. 材料を供給するための供給穴と、該供給穴に連通して設けられ、材料をハニカム形状に成形するための格子状のスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法であって、
    金型素材の穴形成面に上記供給穴を形成する穴加工工程と、
    上記金型素材の上記穴形成面とは反対側の面である溝形成面に上記スリット溝を形成する溝加工工程と、
    上記金型素材をエッチング液に浸漬させた後、該エッチング液を循環撹拌しながら超音波を印加し、少なくとも、上記穴加工工程及び上記溝加工工程を行うことによって生じた上記供給穴と上記スリット溝との交差部分のバリを除去するためのエッチングを行うエッチング工程とを有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  2. 請求項1において、上記エッチング工程では、上記エッチング液に対して複数の周波数の超音波を印加することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記エッチング工程では、上記エッチング液を循環させる方向と超音波を印加する方向とを同じとすることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記エッチング工程では、上記エッチング液に対して印加する超音波の周波数を18〜100kHzとすることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記エッチング工程では、上記エッチング液に対して印加する超音波によって上記金型素材が受ける音圧を0.5〜3.0kg/cm2とすることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記エッチング工程では、上記エッチング液を50℃以上にしておくことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記エッチング液は、塩酸の希釈物又はこれに界面活性剤を添加したものであることを特徴するハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  8. 請求項7において、上記界面活性剤は、アルキルスルホン酸を含有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用金型の製造方法により製造されてなることを特徴とするハニカム構造体成形用金型。
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