JP2010090063A - 崩壊遅延を防止したポリフェノール類または/及び還元糖含有ソフトカプセル - Google Patents
崩壊遅延を防止したポリフェノール類または/及び還元糖含有ソフトカプセル Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、「医薬品」、「特定保健用食品」、「いわゆる健康食品」および食品に広く汎用されているソフトカプセルに関するものであり、ポリフェノール類または/及び還元糖を含有するソフトカプセルにおいて、内容物成分のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応により生じる崩壊遅延を防止または抑制することを課題とする。
【解決手段】ソフトカプセル内容物としてポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、ソフトカプセル皮膜部にゼラチンとともに、澱粉分解物を配合する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、「医薬品」、「特定保健用食品」、「いわゆる健康食品」および食品に広く汎用されているソフトカプセルに関するものであり、ソフトカプセル皮膜としてゼラチン、澱粉分解物、可塑剤、及び水を配合し、その内容物としてポリフェノール類または/及び還元糖を配合して形成されることを特徴とし、崩壊遅延を防止または抑制したソフトカプセルに係るものである。
従来からソフトカプセルの皮膜部は、牛、豚、魚などの骨や皮などより製されているゼラチンを主成分とし、可塑剤としてグリセリンや糖アルコールなどを用いることで「医薬品」や「いわゆる健康食品」分野で広く使用されている。
しかしながら、ゼラチンを皮膜部の成分とするソフトカプセルは、皮膜部ゼラチン分子と充填内容物との相互作用により、有効成分のバイオアベイラビリティーに繋がる皮膜の溶解性が経時的に低下するという崩壊遅延の問題を起こしやすいことが知られている。
上記問題を解消するべく、(1)ゼラチン皮膜へのアミノ酸、クエン酸、酒石酸、又はフマール酸の添加(特許文献1及び2)、(2)ゼラチン皮膜へのプルランの添加(特許文献3)、(3)ゼラチン皮膜へのイノシトール6リン酸(フィチン酸)の添加(特許文献4)等が提案されている。
だが上記先行技術では、ソフトカプセル内容物としてポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延の問題を充分に抑制するには至っていない。
また、上記先行技術(3)のようにフィチン酸を用いると、フィチン酸がカルシウム、鉄、銅、亜鉛などの重要なミネラルに対して強いキレート作用を示すため、これら重要なミネラルの吸収が阻害されてしまうことが知られている。
特公昭57−30088号公報
特開昭59−39834号公報
特開平05−65222号公報
特開2006−328038
上記問題を解消するべく、(1)ゼラチン皮膜へのアミノ酸、クエン酸、酒石酸、又はフマール酸の添加(特許文献1及び2)、(2)ゼラチン皮膜へのプルランの添加(特許文献3)、(3)ゼラチン皮膜へのイノシトール6リン酸(フィチン酸)の添加(特許文献4)等が提案されている。
だが上記先行技術では、ソフトカプセル内容物としてポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延の問題を充分に抑制するには至っていない。
また、上記先行技術(3)のようにフィチン酸を用いると、フィチン酸がカルシウム、鉄、銅、亜鉛などの重要なミネラルに対して強いキレート作用を示すため、これら重要なミネラルの吸収が阻害されてしまうことが知られている。
本発明は、このような背景を認識してなされたものである。すなわち、本発明の課題は、ポリフェノール類または/及び還元糖を含有するソフトカプセルにおいて、内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延を防止または抑制することにある。
まず請求項1の、ソフトカプセルは、内容物をソフトな皮膜で被覆してなるソフトカプセルにおいて、
前記ソフトカプセル皮膜部は、ゼラチン、澱粉分解物、可塑剤、及び水を配合しており、
前記ソフトカプセル内容物を調整するにあたり、内容物成分として、ポリフェノール類または/及び還元糖を含有して形成されることを特徴として成るものである。
前記ソフトカプセル皮膜部は、ゼラチン、澱粉分解物、可塑剤、及び水を配合しており、
前記ソフトカプセル内容物を調整するにあたり、内容物成分として、ポリフェノール類または/及び還元糖を含有して形成されることを特徴として成るものである。
また請求項2の、ソフトカプセルは、前記請求項1記載の要件に加え、前記澱粉分解物が、デキストリン、マルトデキストリン、還元デキストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖、ポリデキストロースからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせであることを特徴として成るものである。
また請求項3の、ソフトカプセルは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記澱粉分解物のDEが4〜19であることを特徴として成るものである。
また請求項4の、ソフトカプセルは、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記澱粉分解物の配合量が、ゼラチン100重量部に対して、1〜50重量部であることを特徴として成るものである。
また請求項5の、ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記ポリフェノール類が、イソフラボン、フラボノール、フラバノン、アントシアニン、フラバノール、フラボン、カテキン、タンニン、フラボノイド、クロロゲン酸、フェニルカルボン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリン、ルチン、カカオマスからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせであることを特徴として成るものである。
また請求項6の、ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、前記還元糖が、ブドウ糖、果糖、リボースなどの単糖類、麦芽糖、乳糖などの二糖類、三糖類、オリゴ糖、ブドウ糖シロップからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせであることを特徴として成るものである。
また請求項7の、ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、前記ソフトカプセル内容物を調整するにあたり、内容物成分として、ポリフェノール類または/及び還元糖を配合した時の崩壊遅延を防止または抑制したことを特徴として成るものである。
本発明者らは、ソフトカプセル内容物としてポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、ソフトカプセル皮膜部にゼラチンとともに、澱粉分解物を配合することにより、内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子との反応により生じる崩壊遅延を防止または抑制できることを見出した。そして、これら各請求項記載の発明の構成を手段として、より簡便でより安定な品質を維持したソフトカプセルを得ることができる。
<カプセル皮膜として澱粉分解物を添加する作用効果>
カプセル内容物にポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、内容物のポリポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子との反応が起こることにより、カプセルの崩壊遅延が起きることが知られている。
本発明の澱粉分解物添加の作用効果は必ずしも明らかではないが、澱粉分解物の物性により、その作用がなされるものと推察される。
デキストリンに代表される澱粉分解物は、澱粉の加水分解により得られ、その構造中に多数のヒドロキシ基を持つため水溶性である。澱粉分解物は、加水分解の程度を示すDE(Dextrose Equivalent)によって分類され、DEが高い澱粉分解物ほど分解が進んだものであることを示すが、一般にDEが高い澱粉分解物ほど水への溶解速度が速い。
本発明では、カプセル皮膜中に溶解性が高いDE4〜19の澱粉分解物を配合することにより、カプセル皮膜中で、溶解性が高い澱粉分解物が占有する立体空間が生じる。そのため、カプセル皮膜が一定条件下(例えば日本薬局方 14局改正 試験液 イオン交換水)で、溶解性が高い澱粉分解物が占有する立体空間を起点として崩壊しやすくなると考えられる。
そのような作用の結果、カプセル内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子との反応で生じていた経時的な崩壊遅延を防止または抑制できると考えられる。
また、澱粉分解物は、糊作用があるためシール性が良い。そのため、ゼラチンを主成分とするカプセル皮膜中に澱粉分解物を配合しても、カプセル形成を阻害せず、他の成分にはない利点がある。
本発明は、本事例に限定されるものではなく、澱粉分解物とともにカラメル色素など他の成分がカプセル皮膜として含まれていても、澱粉分解物添加による、経時的な崩壊遅延を防止または抑制する作用効果を阻害するものではないことは言うまでもない。
また本発明はカプセル内容物として本事例に限定されるものではなく、植物油、動物油、植物油と動物油の組み合わせ、さらには各油脂類に動植物エキス類、エキス類粉末などありとあらゆる油脂との混合物でカプセル化が可能なもの全てに適用できるものである。
カプセル内容物にポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、内容物のポリポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子との反応が起こることにより、カプセルの崩壊遅延が起きることが知られている。
本発明の澱粉分解物添加の作用効果は必ずしも明らかではないが、澱粉分解物の物性により、その作用がなされるものと推察される。
デキストリンに代表される澱粉分解物は、澱粉の加水分解により得られ、その構造中に多数のヒドロキシ基を持つため水溶性である。澱粉分解物は、加水分解の程度を示すDE(Dextrose Equivalent)によって分類され、DEが高い澱粉分解物ほど分解が進んだものであることを示すが、一般にDEが高い澱粉分解物ほど水への溶解速度が速い。
本発明では、カプセル皮膜中に溶解性が高いDE4〜19の澱粉分解物を配合することにより、カプセル皮膜中で、溶解性が高い澱粉分解物が占有する立体空間が生じる。そのため、カプセル皮膜が一定条件下(例えば日本薬局方 14局改正 試験液 イオン交換水)で、溶解性が高い澱粉分解物が占有する立体空間を起点として崩壊しやすくなると考えられる。
そのような作用の結果、カプセル内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子との反応で生じていた経時的な崩壊遅延を防止または抑制できると考えられる。
また、澱粉分解物は、糊作用があるためシール性が良い。そのため、ゼラチンを主成分とするカプセル皮膜中に澱粉分解物を配合しても、カプセル形成を阻害せず、他の成分にはない利点がある。
本発明は、本事例に限定されるものではなく、澱粉分解物とともにカラメル色素など他の成分がカプセル皮膜として含まれていても、澱粉分解物添加による、経時的な崩壊遅延を防止または抑制する作用効果を阻害するものではないことは言うまでもない。
また本発明はカプセル内容物として本事例に限定されるものではなく、植物油、動物油、植物油と動物油の組み合わせ、さらには各油脂類に動植物エキス類、エキス類粉末などありとあらゆる油脂との混合物でカプセル化が可能なもの全てに適用できるものである。
本発明に使用できる澱粉分解物は、デキストリン、マルトデキストリン、還元デキストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖、ポリデキストロースからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、デキストリン、マルトデキストリン、還元デキストリンが好適に用いられる。
本発明に好適に用いられる還元デキストリンは、デキストリンが持つカルボニル基を還元(水素を付加)して得られ、水素が付加されているためカルボニル基が存在せず、非還元糖に分類される。そのため、崩壊遅延防止または抑制効果だけでなく、ソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子とのメイラード反応によるカプセル皮膜の褐変変化が起こらないという効果もある。
本発明に好適に用いられる還元デキストリンは、デキストリンが持つカルボニル基を還元(水素を付加)して得られ、水素が付加されているためカルボニル基が存在せず、非還元糖に分類される。そのため、崩壊遅延防止または抑制効果だけでなく、ソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子とのメイラード反応によるカプセル皮膜の褐変変化が起こらないという効果もある。
本発明に使用される澱粉分解物のDEは、4から19が好ましく、8から15がより好ましい。澱粉分解物のDEが4以下だと、崩壊遅延防止または抑制効果が発現しにくい。一方、澱粉分解物のDEが19以上だと、澱粉分解物とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子とのメイラード反応によるカプセル皮膜の褐変変化が起こる可能性が上がるため好ましくない。
なお、DEとは、Dextrose Equivalentの略称で澱粉分解物の加水分解率を示す指標である。DEの取り得る最大値は100で、グルコースと等価である。
本発明に使用される澱粉分解物は、市場に販売されている澱粉分解物であればいずれのものでも使用することが出来る。例えば、松谷化学工業株式会社製の商品名 パインデックス♯1(デキストリン、DE7〜9)、松谷化学工業社製の商品名 パインデックス#2(マルトデキストリン DE10〜12)、松谷化学工業株式会社製の商品名 H−PDX(還元デキストリン)、が使用できる。
なお、DEとは、Dextrose Equivalentの略称で澱粉分解物の加水分解率を示す指標である。DEの取り得る最大値は100で、グルコースと等価である。
本発明に使用される澱粉分解物は、市場に販売されている澱粉分解物であればいずれのものでも使用することが出来る。例えば、松谷化学工業株式会社製の商品名 パインデックス♯1(デキストリン、DE7〜9)、松谷化学工業社製の商品名 パインデックス#2(マルトデキストリン DE10〜12)、松谷化学工業株式会社製の商品名 H−PDX(還元デキストリン)、が使用できる。
また本発明のカプセル皮膜における澱粉分解物の配合比率は、ゼラチン100重量部に対して、1〜50重量部で好適に用いられる。さらに好ましくは、5〜40重量部、とりわけ好ましくは、10〜30重量部である。
澱粉分解物の配合比率が、ゼラチン100重量部に対して、1重量%部以下だと効果が発現しにくい。一方澱粉分解物の配合比率が50重量部以上だと、ゼラチンのヒートシール性に支障をきたす可能性もでてきて好ましくない。
澱粉分解物の配合比率が、ゼラチン100重量部に対して、1重量%部以下だと効果が発現しにくい。一方澱粉分解物の配合比率が50重量部以上だと、ゼラチンのヒートシール性に支障をきたす可能性もでてきて好ましくない。
ポリフェノール類とは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)をもつ植物成分の総称であり、ほとんどの植物に含有され、その数は、5000種以上に及ぶ。
本発明に使用できるポリフェノール類は、イソフラボン、フラボノール、フラバノン、アントシアニン、フラバノール、フラボン、カテキン、タンニン、フラボノイド、クロロゲン酸、フェニルカルボン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリン、ルチン、カカオマスからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、ブルーベリーに多く含まれているアントシアニン、松の樹皮より抽出された天然の抗酸化物質ピクノジェノールに多く含まれているフラボノイドが好適に用いられる。
ポリフェノール類の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、ポリフェノール類が、1〜70重量%で好適に用いられる。さらに好ましくはポリフェノール類が5〜60重量%、とりわけ好ましくは10〜50重量%である。
本発明に使用できるポリフェノール類は、イソフラボン、フラボノール、フラバノン、アントシアニン、フラバノール、フラボン、カテキン、タンニン、フラボノイド、クロロゲン酸、フェニルカルボン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリン、ルチン、カカオマスからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、ブルーベリーに多く含まれているアントシアニン、松の樹皮より抽出された天然の抗酸化物質ピクノジェノールに多く含まれているフラボノイドが好適に用いられる。
ポリフェノール類の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、ポリフェノール類が、1〜70重量%で好適に用いられる。さらに好ましくはポリフェノール類が5〜60重量%、とりわけ好ましくは10〜50重量%である。
本発明に使用できるソフトカプセル内容物としての還元糖は、ブドウ糖、果糖、リボースなどの単糖類、麦芽糖、乳糖などの二糖類、三糖類、オリゴ糖、ブドウ糖シロップからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、ブドウ糖、果糖、リボースなどの単糖類が好適に用いられる。
還元糖の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、還元糖が、1〜70重量%で好適に用いられる。さらに好ましくは還元糖が5〜60重量%、とりわけ好ましくは10〜50重量%である。
還元糖の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、還元糖が、1〜70重量%で好適に用いられる。さらに好ましくは還元糖が5〜60重量%、とりわけ好ましくは10〜50重量%である。
また、本発明では、ソフトカプセル内容物として、酢のように還元糖を成分として含むものを使用することができる。
酢は、食品に酸味を付与または増強し、味を調え、清涼感を増すために用いられる液体調味料のひとつであり、一般的には、原料になる穀物又は果実からアルコールを醸造し、そこへ酢酸菌を添加し、酢酸発酵させて製造する。酢成分は、酢酸が主成分であり、その他に乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸類や還元糖などの糖類、アミノ酸、エステル類、アルコール類などを含む。農林水産省が定めた「食酢品質表示基準」によれば、食品用の酢は、醸造酢と合成酢の2つに大別され、また醸造酢はさらに穀物酢と果実酢に分類されている。本発明においては、この分類例に限らず食品用の酢であれば、酢主成分で液体の酢酸をナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンと反応させて、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウムのように粉末化、エキス化したもの、及び澱粉、澱粉分解物などの賦形剤とともに粉末化、エキス化したものを含め、いずれも使用することができる。
農林水産省が定めた「食酢品質表示基準」による分類を例として挙げれば、本発明に使用できる酢は、穀類、果実、アルコールを原料としたものを酢酸発酵させた液体調味料であって、かつ、氷酢酸及び酢酸を使用していない醸造酢、あるいは、氷酢酸又は酢酸の希釈液に砂糖類、酸味料、調味料、食塩等を加えた合成酢、あるいは、氷酢酸又は酢酸の希釈液に砂糖類、酸味料、調味料、食塩等を加えたものに醸造酢を加えた合成酢、からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。
また別の例として挙げれば、本発明に使用できる酢は、米酢、米黒酢、玄米酢、玄米黒酢、大麦黒酢、ハトムギ酢、小麦酢などからなる穀物酢、又はりんご酢、ぶどう酢、柿酢、梅酢などからなる果実酢、又はトマト酢などからなる野菜酢、又は加工酢、又はもろみ酢からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、米酢、米黒酢が好適に用いられる。
酢の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、酢が、1〜70重量%で好適に用いられる。さらに好ましくは5〜60重量%であり、とりわけ好ましくは10〜50重量%である。
酢は、食品に酸味を付与または増強し、味を調え、清涼感を増すために用いられる液体調味料のひとつであり、一般的には、原料になる穀物又は果実からアルコールを醸造し、そこへ酢酸菌を添加し、酢酸発酵させて製造する。酢成分は、酢酸が主成分であり、その他に乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸類や還元糖などの糖類、アミノ酸、エステル類、アルコール類などを含む。農林水産省が定めた「食酢品質表示基準」によれば、食品用の酢は、醸造酢と合成酢の2つに大別され、また醸造酢はさらに穀物酢と果実酢に分類されている。本発明においては、この分類例に限らず食品用の酢であれば、酢主成分で液体の酢酸をナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンと反応させて、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウムのように粉末化、エキス化したもの、及び澱粉、澱粉分解物などの賦形剤とともに粉末化、エキス化したものを含め、いずれも使用することができる。
農林水産省が定めた「食酢品質表示基準」による分類を例として挙げれば、本発明に使用できる酢は、穀類、果実、アルコールを原料としたものを酢酸発酵させた液体調味料であって、かつ、氷酢酸及び酢酸を使用していない醸造酢、あるいは、氷酢酸又は酢酸の希釈液に砂糖類、酸味料、調味料、食塩等を加えた合成酢、あるいは、氷酢酸又は酢酸の希釈液に砂糖類、酸味料、調味料、食塩等を加えたものに醸造酢を加えた合成酢、からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。
また別の例として挙げれば、本発明に使用できる酢は、米酢、米黒酢、玄米酢、玄米黒酢、大麦黒酢、ハトムギ酢、小麦酢などからなる穀物酢、又はりんご酢、ぶどう酢、柿酢、梅酢などからなる果実酢、又はトマト酢などからなる野菜酢、又は加工酢、又はもろみ酢からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、米酢、米黒酢が好適に用いられる。
酢の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、酢が、1〜70重量%で好適に用いられる。さらに好ましくは5〜60重量%であり、とりわけ好ましくは10〜50重量%である。
本発明では、ソフトカプセル内容物としてポリフェノール類または/及び還元糖を含有する場合、ソフトカプセル皮膜部にゼラチンとともに、澱粉分解物を配合するだけでなく、ソフトカプセルの内容物に抗酸化剤を配合することで崩壊遅延を防止または抑制する効果を高めることが可能である。これら抗酸化剤の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、抗酸化剤が、1〜60重量%で好適に用いられる。さらに好ましくは抗酸化剤が、10〜40重量%である。ここで抗酸化剤としては、ビタミンE類及びその誘導体、ビタミンB2及びその誘導体などの抗酸化ビタミン、多価不飽和脂肪酸、スクワレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明に使用できるビタミンE類とは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールである。ビタミンE誘導体としては、酢酸トコフェロールなどが挙げられ、ビタミンB2誘導体としては、ビタミンB2酪酸エステルなどが挙げられる。
また本発明のソフトカプセルの内容物には、ポリフェノール類または/及び還元糖のほか、抗酸化剤または抗酸化剤及びマスキング剤または更に賦形剤を配合することが可能であり、これらの配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、カプセル内容物の総和に対して、これらの総和は1〜60重量%で好適に用いられる。ここでマスキング剤としては、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、真珠カルシウム、乳酸カルシウム、ミルクカルシウム、貝カルシウム等のカルシウム誘導体、賦形剤としては、デキストリン、サイクロデキストリン、セルロース、ポリサッカライドなどが挙げることができる。しかしこれらに限定されるものではないことは、言うまでもない。
本発明に使用できる可塑剤は、グリセリン、糖アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、単糖類、二糖類などである。また可塑剤の配合比率は、ゼラチン100重量部に対して、20〜300重量部で好適に用いられる。さらに好ましくは、30〜200重量部、とりわけ好ましくは35〜45重量部である。
本発明により、ポリフェノール類または/及び還元糖を含有するソフトカプセルにおいて、内容物のポリフェノール類または/及び還元糖とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延を防止または抑制し、生産性、コスト面、品質性に優れた従来にないソフトカプセルを得ることができる。
本発明を実施するには、定法に従ってソフトカプセルを製造すればよく、例えばロータリー式、シームレス式または平板式などの方法を使用することができる。ロータリー式の例であるロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機によるソフトカプセル製造方法は、本出願人が既に特許出願に及んでいる特開2004−351007の段落番号0024〜0031に開示している方法を用いることができる。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カプセル内容物として、植物油、動物油、植物油と動物油の組み合わせ、さらには各油脂類に動植物エキス類およびエキス類粉末を含有する懸濁油などありとあらゆる油脂との混合物でカプセル化が可能なもの全てに適用できるものである。
<崩壊遅延防止または抑制に対する試験方法及び効果>
表1のソフトカプセル皮膜処方で常法に従い、豚ゼラチン(ヴアイスハルト社製の商品名 Weishardt GXAS−7)と、澱粉分解物と、グリセリン(研光通商株式会社製)と、RO水とを混合後、約70℃で加温溶解して真空脱泡を行い、実施例1乃至4に係るカプセル皮膜剤を各10kgずつ製造した。なお、RO水のROは、(Reverse Osmosis)の略である。
また実施例1乃至4で用いた澱粉分解物は、下記の通りである。
実施例1、3:松谷化学工業社製の商品名 パインデックス#1 デキストリンDE8
実施例2、4:松谷化学工業社製の商品名 パインデックス#4 マルトデキストリンDE19
澱粉分解物を配合しないこと以外は同様に表1に示す重量部で、比較例1、2に係るカプセル皮膜剤を各10kgずつ製造した。
具体的には下記の通りである。
表1のソフトカプセル皮膜処方で常法に従い、豚ゼラチン(ヴアイスハルト社製の商品名 Weishardt GXAS−7)と、澱粉分解物と、グリセリン(研光通商株式会社製)と、RO水とを混合後、約70℃で加温溶解して真空脱泡を行い、実施例1乃至4に係るカプセル皮膜剤を各10kgずつ製造した。なお、RO水のROは、(Reverse Osmosis)の略である。
また実施例1乃至4で用いた澱粉分解物は、下記の通りである。
実施例1、3:松谷化学工業社製の商品名 パインデックス#1 デキストリンDE8
実施例2、4:松谷化学工業社製の商品名 パインデックス#4 マルトデキストリンDE19
澱粉分解物を配合しないこと以外は同様に表1に示す重量部で、比較例1、2に係るカプセル皮膜剤を各10kgずつ製造した。
具体的には下記の通りである。
ブルーベリーは、一般に目の網膜に良いとされるポリフェノール類のアントシアニンが豊富に含まれている。比較例1、実施例1、2のブルーベリーは、インディナジャパン株式会社製の商品名 VACCINIUM MYRTILLUS DRY ALCOHOLIC EXTRACT を用いる。
比較例2、実施例3、4のブドウ糖は、日本食品化工株式会社製の商品名 日食無水結晶ぶどう糖#300を用いる。
表1のソフトカプセル内容物処方で常法に従い、比較例1、2及び実施例1乃至4のソフトカプセル内容物を製造した。具体的には、次のとおり。
まずサフラワー油の配合処方量の1/4 量に、配合処方量のミツロウを加え、温度40〜70℃で加熱溶解後、冷却し、サフラワー油とミツロウのペーストを作成する。次にこの作成したサフラワー油とミツロウのペーストに、残りのサフラワー油を加え、適当な高速攪拌機で攪拌均一化する。このときの攪拌速度は、サフラワー油の温度が上昇しない程度のものとする(3000rpm以下)。更に均一化したサフラワー油とミツロウの混合物(ペースト状態)に配合処方量のブルーベリー(比較例1、実施例1、2)またはブドウ糖(比較例2、実施例3、4)を加え、温度40〜60℃の状態を保ちながら、高速攪拌機を、3000rpm〜6000rpmの回転速度で約15分間攪拌して均一な配合薬液とする。
まずサフラワー油の配合処方量の1/4 量に、配合処方量のミツロウを加え、温度40〜70℃で加熱溶解後、冷却し、サフラワー油とミツロウのペーストを作成する。次にこの作成したサフラワー油とミツロウのペーストに、残りのサフラワー油を加え、適当な高速攪拌機で攪拌均一化する。このときの攪拌速度は、サフラワー油の温度が上昇しない程度のものとする(3000rpm以下)。更に均一化したサフラワー油とミツロウの混合物(ペースト状態)に配合処方量のブルーベリー(比較例1、実施例1、2)またはブドウ糖(比較例2、実施例3、4)を加え、温度40〜60℃の状態を保ちながら、高速攪拌機を、3000rpm〜6000rpmの回転速度で約15分間攪拌して均一な配合薬液とする。
次に高圧ホモジナイザーもしくは石臼式粉砕機(マスコロイダー、マイコロイダーなど)を用いて温度上昇がないようにして(入口温度と出口温度の差が20℃以下)配合薬液を粉砕し、60メッシュの篩で篩過する。更に720mmHg/cm2以下の真空下で脱泡してソフトカプセル内容物を製造した。
表1のソフトカプセル皮膜処方及び内容物処方に従い上記手法で得たソフトカプセル皮膜及び内容物を、従来のカプセルの充填製造方法であるロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用いてカプセル化した。
<評価項目と評価基準>
<評価項目と評価基準>
表1の処方で上記手法によって得た実施例1乃至4及び比較例1、2のソフトカプセルを、温度40℃、湿度75%RHの条件下で1ヶ月保存後及び2ヶ月保存後、比較評価した。
なお、上記条件で1ヶ月保存することは、一般の流通市場で半年間保存されることに相当し、2ヶ月保存することは、一般の流通市場で1年間保存されることに相当する。
なお、上記条件で1ヶ月保存することは、一般の流通市場で半年間保存されることに相当し、2ヶ月保存することは、一般の流通市場で1年間保存されることに相当する。
評価項目及び評価基準を以下に示す。
(1)崩壊性評価(日本薬局方 14局改正 試験液 イオン交換水)
日本薬局方14局改正崩壊試験法に準拠して試験評価した。試験液はイオン交換水である。
崩壊時間は、20分以内であればカプセル化に適していると評価できる。
<評価結果>
(1)崩壊性評価(日本薬局方 14局改正 試験液 イオン交換水)
日本薬局方14局改正崩壊試験法に準拠して試験評価した。試験液はイオン交換水である。
崩壊時間は、20分以内であればカプセル化に適していると評価できる。
<評価結果>
表1の処方で上記手法によって得たソフトカプセルを、温度40℃、湿度75%RHの条件下で1ヶ月保存後及び2ヶ月保存後、比較評価した結果を表2に示す。
まず表2で、澱粉分解物を配合していない比較例1、比較例2では、1ヵ月保存後及び2ヶ月保存後に、崩壊時間が20分間という規定時間を越えて崩壊遅延が起きていた。すなわち、本発明の課題としてあるように、ソフトカプセル内容物としてポリフェノール類または還元糖を含有する場合、内容物成分とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延が起きていることが確認された。
一方、澱粉分解物を配合した実施例1乃至4では、1ヶ月保存後及び2ヶ月保存後においても比較例1、比較例2のような崩壊遅延が起きておらず、20分間という規定時間内に崩壊していた。すなわち、本発明の澱粉分解物添加の作用効果により、内容物成分とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延が防止または抑制されていることが確認された。
一方、澱粉分解物を配合した実施例1乃至4では、1ヶ月保存後及び2ヶ月保存後においても比較例1、比較例2のような崩壊遅延が起きておらず、20分間という規定時間内に崩壊していた。すなわち、本発明の澱粉分解物添加の作用効果により、内容物成分とソフトカプセル皮膜部ゼラチン分子との反応に起因するソフトカプセルの崩壊遅延が防止または抑制されていることが確認された。
本発明は、「医薬品」、「特定保健用食品」、「いわゆる健康食品」および食品の分野のほか、内容物の選択により、例えば工業用調剤を内包したものなど工業の分野において利用することができる。
Claims (7)
- 内容物をソフトな皮膜で被覆してなるソフトカプセルにおいて、
前記ソフトカプセル皮膜部は、ゼラチン、澱粉分解物、可塑剤、及び水を配合しており、
前記ソフトカプセル内容物を調整するにあたり、内容物成分として、ポリフェノール類または/及び還元糖を含有して形成されることを特徴とするソフトカプセル。 - 前記澱粉分解物が、デキストリン、マルトデキストリン、還元デキストリン、シクロデキストリン、オリゴ糖、ポリデキストロースからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである請求項1記載のソフトカプセル。
- 前記澱粉分解物のDEが4〜19である請求項1または2記載のソフトカプセル。
- 前記澱粉分解物の配合量が、ゼラチン100重量部に対して、1〜50重量部である請求項1、2または3記載のソフトカプセル。
- 前記ポリフェノール類が、イソフラボン、フラボノール、フラバノン、アントシアニン、フラバノール、フラボン、カテキン、タンニン、フラボノイド、クロロゲン酸、フェニルカルボン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリン、ルチン、カカオマスからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである請求項1、2、3または4記載のソフトカプセル。
- 前記還元糖が、ブドウ糖、果糖、リボースなどの単糖類、麦芽糖、乳糖などの二糖類、三糖類、オリゴ糖、ブドウ糖シロップからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである請求項1、2、3、4または5記載のソフトカプセル。
- 前記ソフトカプセル内容物を調整するにあたり、内容物成分として、ポリフェノール類または/及び還元糖を配合した時の崩壊遅延を防止または抑制したことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5または6記載のソフトカプセル。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103349275A (zh) * | 2013-02-01 | 2013-10-16 | 福建省汉堂生物制药股份有限公司 | 一种绿茶保健品及其制备方法 |
JP2014047189A (ja) * | 2012-09-03 | 2014-03-17 | Sansho Pharmaceutical Co Ltd | 超微粉末含有カプセル剤 |
KR101608019B1 (ko) | 2015-01-06 | 2016-03-31 | 인하대학교 산학협력단 | 갈변 효과를 이용한 시간 경과 온도 감지 캡슐 |
JP2017105767A (ja) * | 2015-12-03 | 2017-06-15 | 大正製薬株式会社 | カプセル組成物 |
WO2021221135A1 (ja) * | 2020-04-28 | 2021-11-04 | アリメント工業株式会社 | 経口用軟性組成物 |
-
2008
- 2008-10-08 JP JP2008261652A patent/JP2010090063A/ja active Pending
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