JP2010088983A - 排ガス中の金属水銀の酸化処理方法及びその触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】SO2酸化率を上昇させる原因となるバナジウムに代わり、金属水銀の酸化活性成分としてマンガン成分を用いて、SO2酸化率を低く維持したまま、高い水銀酸化率を得ることのできる触媒を提供する。
【解決手段】排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒を用いて反応させ、金属水銀を酸化する方法であって、前記触媒は、一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有する排ガス中の金属水銀の酸化処理方法。
【選択図】 なし
【解決手段】排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒を用いて反応させ、金属水銀を酸化する方法であって、前記触媒は、一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有する排ガス中の金属水銀の酸化処理方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は排ガス中の金属水銀の酸化処理方法に係り、特に石炭火力発電所等から排出される金属水銀の酸化処理方法及びその触媒に関する。
近年、石油の枯渇が懸念されており、今後の長期的なエネルギーの安定供給源として、可採埋蔵量が豊富で、且つ地域的偏在性の少ない石炭を燃料とした火力発電が重要な役割を担っていくものと期待されている。
一方、石炭の燃焼に伴い発生する石炭中に含まれる濃度0.1%以下の微量元素(水銀(Hg)、セレン(Se)、ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、鉛(Pd)等)については、環境中での許容濃度を超えた場合に、生物に対し毒性を示すことが分かっている。特に蒸気圧の高い元素水銀は大気に放出され易く、微量であっても人体に暴露されると、神経障害や腎臓障害、心臓血管疾患を引き起こす。また、大気に放出された無機水銀が湖や海に吸収されると、無機水銀が有機水銀(メチル水銀)へと変化し、魚介類を経て人体に催奇障害をもたらす。このため、米国を中心に世界各国で水銀の排出に対して厳しい規制が課せられようとしている。
火力発電所からの排出される水銀は、金属形態と酸化形態が存在しており、これらのうち、金属形態の水銀は、煤煙及び他の粒子には固着せず、大気温度に近い温度であっても、気相中に残留するため、電気集塵装置やバグフィルタなどの除塵装置で除去することは困難である。一方、酸化形態の水銀、特に排ガス中の塩化水素または塩素と反応して生成される塩化水銀は、蒸気圧が低く、可溶性であり、灰中や脱硫装置の吸収液中に容易に固定化されるため、比較的容易に電気集塵機等の除塵装置や脱硫装置などで回収・除去することができる。
そのため、水銀の酸化機能を有する固体触媒を用いて、金属態水銀を固体触媒に接触させることにより、蒸気圧の低い酸化態水銀に酸化し、後流の除塵装置や脱硫装置などで除去する実用研究が進められている。このような固体触媒としては、例えば、チタン(Ti)を主成分とし、これにバナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などの酸化物を添加した一般的な脱硝触媒(Ti-Mo-V系触媒またはTi-W-V系触媒)が良く知られている。これらの触媒は、ハロゲン化合物の存在下において、金属態水銀を酸化態水銀へ効率的に酸化することができる(特許文献1及び2)。また、Mo、W、V以外にも銅(Cu)やマンガン(Mn)、鉄(Fe)などが金属態水銀の酸化触媒成分として働くことが知られている(特許文献3及び4)。
特開2005-125211号公報
特開2003-53142号公報
特開平10-230137号公報
特開2006-29673号公報
上記したようなTi-Mo-V触媒またはTi-W-V触媒を用いる金属水銀の酸化方法においては、排ガスの温度が高い場合、排ガス中のハロゲン化合物濃度が低い場合、またはNH3やSO2などの還元性ガスが存在する場合には、金属水銀の酸化効率が低下することが問題となる。この問題の一般的な解決手段として、脱硝装置内の触媒充填量または活性成分であるバナジウムの担持量を増加させ、金属水銀の酸化反応に寄与する触媒活性点の総数を増加させる方法が挙げられる。しかしながら、この方法では、脱硝装置における金属水銀の酸化活性を向上させることができる一方、触媒活性点の増加に伴ってSO2の酸化活性をも増大させてしまうことが大きな問題となる。
また、バナジウムの代わりにマンガンや鉄等を金属水銀の酸化活性の代替成分として用いた場合でも、排ガス中NH3の共存による金属水銀の酸化効率の低下が問題であった。
また、バナジウムの代わりにマンガンや鉄等を金属水銀の酸化活性の代替成分として用いた場合でも、排ガス中NH3の共存による金属水銀の酸化効率の低下が問題であった。
本発明の課題は、SO2酸化率を上昇させる原因となるバナジウムに代わり、金属水銀の酸化活性成分としてマンガン成分を用いて、SO2酸化率を低く維持したまま、高い水銀酸化率を得ることのできる触媒を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、NOとNH3の反応活性を有する触媒中にマンガン化合物を含有させた触媒を用いることによって、SO2酸化率を上昇させること無く、金属水銀の酸化率のみを向上させることができることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒を用いて反応させ、金属水銀を酸化する方法であって、前記触媒は、一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有することを特徴とする、排ガス中の金属水銀の酸化処理方法。
(2)排ガス中のNH3濃度が5ppm以下である(1)に記載の方法。
(3)前記排ガスが、NOとNH3の反応活性を有する触媒で予めNO濃度とNH3濃度を低減した後の排ガスであることを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
(4)排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒の存在下に反応させ、酸化水銀を生成させる触媒であって、該触媒は、NOとNH3の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有することを特徴とする排ガス中の金属水銀の酸化触媒。
(5)触媒中のマンガンの含有量がチタンに対して0.5〜5モル%であることを特徴とする(4)に記載の触媒。
(6)前記NOとNH3の反応活性を有する触媒は、酸化チタンを主成分とする金属酸化物担体にバナジウムを添加したTi-V系触媒、該Ti-V系触媒にさらにWまたはMoを添加したTi-W-V系触媒またはTi-Mo-V系触媒である(4)または(5)に記載の触媒。
(2)排ガス中のNH3濃度が5ppm以下である(1)に記載の方法。
(3)前記排ガスが、NOとNH3の反応活性を有する触媒で予めNO濃度とNH3濃度を低減した後の排ガスであることを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
(4)排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒の存在下に反応させ、酸化水銀を生成させる触媒であって、該触媒は、NOとNH3の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有することを特徴とする排ガス中の金属水銀の酸化触媒。
(5)触媒中のマンガンの含有量がチタンに対して0.5〜5モル%であることを特徴とする(4)に記載の触媒。
(6)前記NOとNH3の反応活性を有する触媒は、酸化チタンを主成分とする金属酸化物担体にバナジウムを添加したTi-V系触媒、該Ti-V系触媒にさらにWまたはMoを添加したTi-W-V系触媒またはTi-Mo-V系触媒である(4)または(5)に記載の触媒。
下記(1)式は、HCl共存下における水銀酸化反応の一般的な平衡式である。
Hg + 2HCl + 1/2O2 ⇔ HgCl2 + H2O (1)
(1)式の平衡反応は、触媒を用いることにより平衡を右へ移動させることができ、金属水銀を酸化することが可能となる。ところが、ガス中にNH3が共存すると、触媒中の活性点にNH3が吸着し、HgとHClとが反応できる活性点が減少するため、触媒上で起こる(1)式の水銀酸化の反応速度は遅くなり、反応率は低下する。
Hg + 2HCl + 1/2O2 ⇔ HgCl2 + H2O (1)
(1)式の平衡反応は、触媒を用いることにより平衡を右へ移動させることができ、金属水銀を酸化することが可能となる。ところが、ガス中にNH3が共存すると、触媒中の活性点にNH3が吸着し、HgとHClとが反応できる活性点が減少するため、触媒上で起こる(1)式の水銀酸化の反応速度は遅くなり、反応率は低下する。
この場合、従来は一般的に触媒中に存在する活性成分であるバナジウム化合物の含有量を高めたり、排ガス量あたりの触媒充填量を増加させることによって、活性点の総数を増やし、NH3の共存下でもHg酸化反応速度を高く維持する方法が採られていた。
しかしながら、バナジウム化合物の含有量や排ガス量あたりの触媒充填量を増加する方法では、(2)式に示すようなSO2の酸化反応(副反応)も促進してしまい、紫煙発生や配管類の腐食の原因となるSO3が大量に生成するという欠点がある。
SO2+ 1/2O2 → SO3 (2)
しかしながら、バナジウム化合物の含有量や排ガス量あたりの触媒充填量を増加する方法では、(2)式に示すようなSO2の酸化反応(副反応)も促進してしまい、紫煙発生や配管類の腐食の原因となるSO3が大量に生成するという欠点がある。
SO2+ 1/2O2 → SO3 (2)
また、バナジウム化合物の代わりにマンガン化合物や鉄化合物等を金属水銀の酸化活性成分として用いた場合も、排ガス中NH3の活性点への吸着による金属水銀の酸化反応阻害により、金属水銀の酸化率が低下する。このため、NH3濃度が高い排ガス中では、バナジウム化合物同様、マンガン化合物を金属水銀の酸化活性成分として用いても大きな効果を得られ難いことが問題であった。
そこで、本発明者らは、SO2に対する酸化活性が低く、効率よく排ガス中の水銀を酸化できる触媒または方法の探索を行った結果、NOとNH3の反応活性を有する触媒中にマンガン化合物を添加した触媒が、排ガス中の金属水銀の酸化反応に有効であり、特に排ガス中のNH3濃度が低い場合において、非常に高い活性を示すことが明らかとなった。
バナジウム系触媒(例えばTi/W/VやTi/Mo/V)やマンガン系触媒(例えばTi/W/MnやTi/Mo/Mn)は、排ガス中のNH3により金属水銀の酸化活性は低下するが、本発明によれば、バナジウム化合物にマンガン化合物を混合した触媒(Ti/W/V/MnやTi/Mo/V/Mn)とすることにより、上記のバナジウム系触媒(Ti/W/V,Ti/Mo/V),マンガン系触媒(Ti/W/Mn,Ti/Mo/Mn)に比べ、金属水銀の酸化活性を高くすることが可能となる。また排ガス中のNH3濃度が低下するにしたがって、本発明の触媒の金属水銀の酸化活性は飛躍的に高くなることが分かった。このため、例えば石炭焚きボイラから排出されるNOをNH3と接触反応させてNOを還元する触媒(脱硝触媒;Ti/W/V系触媒,Ti/Mo/V系触媒)で、予めNO濃度とNH3濃度を低減した後に、本発明の触媒と接触させることにより、金属水銀の酸化率を大きく向上させることができる。
また、マンガン化合物自体のSO2の酸化活性は、バナジウム化合物に比べて低いので、触媒中のマンガン濃度を高くしてもSO2酸化率はほとんど上昇しない。このため、高濃度のSO2を含有する排ガスに対しても使用でき、触媒中のマンガン濃度を増加することによって、より高い水銀酸化率を達成することが可能となる。
さらに、本発明の触媒は、高温の排ガス中であっても使用することができる。このため、350℃〜400℃付近で使用される脱硝装置内に該触媒を組み込むことができ、排ガス温度が低い煙道途中に新たに触媒塔を設置する必要が無くなるため、ユーティリティコストの増加を抑えることができる。
本発明の触媒を用いれば、脱硝装置内において、触媒充填量または触媒中のバナジウム量を増加させること無く、SO2酸化率を低く維持したまま、高い水銀酸化率を得ることができる。さらに、触媒中のマンガン濃度を増加することにより、より高い水銀酸化率を達成することが可能となる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはない。
本発明に用いられる触媒は、下記(3)式のNOとNH3の反応活性を有する触媒、
3NO+2NH3 → 2/5N2+3H2O (3)
すなわち、TiO2を主成分とする金属酸化物担体に、バナジウムを添加したTi-V系触媒中にマンガン化合物を含有させた触媒が好ましい。TiO2以外にもSiO2、ZrO2、SnO2、Al2O3などの金属酸化物担体を適宜用いたり、これらを、前記Ti-V系触媒に少量添加した触媒を用いても、本発明の基本的な効果は損なわれない。また、前記のTi-V系触媒にWまたはMoを添加すると、熱履歴や触媒毒に対する耐久性が大きく向上するため、良い結果が得られやすい。すなわち、Ti-W-V系触媒またはTi-Mo-V系触媒にMnを添加することによって、本発明の効果を最大に引き出すことができる。
本発明に用いられる触媒は、下記(3)式のNOとNH3の反応活性を有する触媒、
3NO+2NH3 → 2/5N2+3H2O (3)
すなわち、TiO2を主成分とする金属酸化物担体に、バナジウムを添加したTi-V系触媒中にマンガン化合物を含有させた触媒が好ましい。TiO2以外にもSiO2、ZrO2、SnO2、Al2O3などの金属酸化物担体を適宜用いたり、これらを、前記Ti-V系触媒に少量添加した触媒を用いても、本発明の基本的な効果は損なわれない。また、前記のTi-V系触媒にWまたはMoを添加すると、熱履歴や触媒毒に対する耐久性が大きく向上するため、良い結果が得られやすい。すなわち、Ti-W-V系触媒またはTi-Mo-V系触媒にMnを添加することによって、本発明の効果を最大に引き出すことができる。
本発明の触媒の調製に用いられるマンガン源は、酸化マンガンの他、硝酸マンガン、蓚酸マンガン、硫酸マンガンなどの塩類を用いることができる。また、TiO2などの上記金属酸化物担体の場合、各種の酸化物、水酸化物、アルコキシドなどを用いることができる。また、バナジウム源には、メタバナジン酸アンモニウムやシュウ酸バナジル、バナジウム酸化物等、モリブデン源には、モリブデン酸アンモニウムやモリブデン酸、モリブデン酸化物等、タングステン源の場合には、タングステン酸、タングステン酸化物、メタタングステン酸アンモニウムやパラタングステン酸アンモニウム等をそれぞれ適宜選んで用いることができる。
前記触媒の調製方法は、上記原料から担体源、マンガン源、バナジウム源、モリブデン源、タングステン源をそれぞれ選び、これらの粉末または溶液を混合・混練し、ペースト状にしたものを金網やメタルラスなどの網状物に塗布後、乾燥及び焼成する方法や、上記原料の混合スラリを、板状またはハニカム状の不活性担体、例えば、無機繊維シートをコルゲート加工したハニカム状担体、無機繊維製不織布シート、コーディエライトやアルミナなどのセラミックハニカム担体、Eガラス繊維などの無機繊維ヤーンを網状に織った網状物、金網やメタルラスなどの網状物に無機繊維物を担持したものにコーティングした後、乾燥及び焼成する方法、または、各種成分を溶解した溶液を、上記の板状或いはハニカム状の金属酸化物担体に含浸して、活性成分を担持し、これを乾燥及び焼成する方法、さらには、予め、Ti-Mo-V系触媒やTi-W-V系触媒の板状またはハニカム状触媒を調製しておき、これらの触媒を、Mnを含む溶液やスラリに含浸後、乾燥・焼成する方法などが挙げられる。これらの調製方法における焼成温度は、いずれの場合でも400〜600℃に設定すればよい。
上記調製方法のうち、それぞれの触媒原料の粉末または溶液を混合・混練し、ペースト状にしたものを金網やメタルラスなどの網状物に塗布後、乾燥及び焼成する方法は、ペーストの水分量を変えるだけで、触媒の細孔容積を自由に選択できるため、他の方法に比べ、触媒性能の確保が比較的容易になる。また、含浸法に比べて活性成分の分散度が良くなるため、好結果を得やすい。さらに、上記混練調製の際、マンガン源にMnSO4を選んでおくと、排ガス中のSO2によるMnの硫酸塩化がなくなるため、硫酸塩化による触媒細孔の閉塞の心配がなくなるので好ましい。
本発明の触媒中に添加するマンガン量は、触媒中のTiに対し、0.5〜5mol%までの範囲に設定しておくと好結果が得られる。マンガン量が少なすぎると十分な活性が得られにくく、多すぎても、SO2酸化率の急増を招いたり、Mnの分散度の悪化や触媒細孔容積の確保が困難になる。
ダストが多い排ガスに対しては、磨耗や目詰まりを防止するために、触媒の形状を板状にした方が良く、逆にダストが少ない場合は、ハニカム状にした方が板状よりも表面積を大きく取れるので好結果を与え易い。
以下、具体例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例1
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、パラタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、二酸化マンガンと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成が原子比でTi/W/V/Mn=94/5/0.5/0.5である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。この板状物を150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、板状触媒(1)を得た。
実施例2
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、モリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、硝酸マンガンと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成が原子比でTi/Mo/V/Mn=94/5/0.5/0.5である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。この板状物を150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、板状触媒(2)を得た。
実施例1
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、パラタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、二酸化マンガンと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成が原子比でTi/W/V/Mn=94/5/0.5/0.5である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。この板状物を150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、板状触媒(1)を得た。
実施例2
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、モリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、硝酸マンガンと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成が原子比でTi/Mo/V/Mn=94/5/0.5/0.5である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。この板状物を150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、板状触媒(2)を得た。
実施例3
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、パラタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。その後、前記板状物を既定濃度の硫酸マンガン溶液に含浸後、150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、Ti/W/V/Mn=94/5/0.5/0.5の板状触媒(3)を得た。
実施例4
実施例2と同様の調製方法で、触媒組成をTi/Mo/V/Mn=92/5/0.5/2.5に変えた触媒(4)を調製した。
実施例5
実施例2と同様の調製方法で、触媒組成をTi/Mo/V/Mn=89.5/5/0.5/5に変えた触媒(5)を調製した。
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、パラタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。その後、前記板状物を既定濃度の硫酸マンガン溶液に含浸後、150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、Ti/W/V/Mn=94/5/0.5/0.5の板状触媒(3)を得た。
実施例4
実施例2と同様の調製方法で、触媒組成をTi/Mo/V/Mn=92/5/0.5/2.5に変えた触媒(4)を調製した。
実施例5
実施例2と同様の調製方法で、触媒組成をTi/Mo/V/Mn=89.5/5/0.5/5に変えた触媒(5)を調製した。
比較例1
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、パラタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成が原子比でTi/W/V=94.5/5/0.5である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。その後150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、Ti/W/V/Mn=94/5/0.5/0.5の板状触媒(6)を得た。
比較例2
比較例1のパラタングステン酸アンモニウムをモリブデン酸アンモニウムに変え、以下同様にして、組成Ti/Mo/V=94.5/5/0.5である板状触媒(7)
比較例3
比較例1と同様の調製方法で、触媒組成をTi/W/V=93/5/2に変えた触媒(8)を調製した。
比較例4
実施例2と同様の調製方法で、触媒組成をTi/Mo/V/Mn=87.5/5/0.5/7に変えた触媒(9)を調製した。
チタニア粉末(BET比表面積=約130m2/g)、パラタングステン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムと水及びシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成が原子比でTi/W/V=94.5/5/0.5である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記のペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状に成型した。その後150℃で2時間乾燥後、大気中500℃で2時間焼成し、Ti/W/V/Mn=94/5/0.5/0.5の板状触媒(6)を得た。
比較例2
比較例1のパラタングステン酸アンモニウムをモリブデン酸アンモニウムに変え、以下同様にして、組成Ti/Mo/V=94.5/5/0.5である板状触媒(7)
比較例3
比較例1と同様の調製方法で、触媒組成をTi/W/V=93/5/2に変えた触媒(8)を調製した。
比較例4
実施例2と同様の調製方法で、触媒組成をTi/Mo/V/Mn=87.5/5/0.5/7に変えた触媒(9)を調製した。
実施例1〜5及び比較例1〜4の触媒について、触媒性能を確認するため、表1に示す試験条件で水銀酸化率及び脱硝率,また表2に示す試験条件でSO2酸化率をそれぞれ測定した。その結果を表3に纏めて示した。本表から明らかなように、Mnの添加によってHg酸化率が向上することが分かる。さらに、これらMn添加触媒は、バナジウム単独系触媒(比較例1〜3)よりもSO2酸化率の上昇は低く抑えられており、Hgが選択的に酸化されていることが分かる。また、NH3ほとんど無い(5ppm)条件になると、その効果がより顕著になっている。しかし、Mnの添加量を増加しすぎると、比較例4に示したように、SO2酸化率が高くなりすぎてしまい、バナジウム単独系触媒よりも低い性能になる。このため、本発明で用いるマンガンの添加量は触媒中のチタンに対して5mol%以下にすることが望ましい。
Claims (6)
- 排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒を用いて反応させ、金属水銀を酸化する方法であって、前記触媒は、一酸化窒素(NO)とアンモニア(NH3)の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有することを特徴とする、排ガス中の金属水銀の酸化処理方法。
- 排ガス中のNH3濃度が5ppm以下である請求項1に記載の方法。
- 前記排ガスが、NOとNH3の反応活性を有する触媒で予めNO濃度とNH3濃度を低減した後の排ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 排ガス中に含まれる金属水銀と、酸素またはハロゲン化合物とを触媒の存在下に反応させ、酸化水銀を生成させる触媒であって、該触媒は、NOとNH3の反応活性を有する触媒であり、かつ該触媒中にマンガン化合物を含有することを特徴とする排ガス中の金属水銀の酸化触媒。
- 触媒中のマンガンの含有量がチタンに対して0.5〜5モル%であることを特徴とする請求項4に記載の触媒。
- 前記NOとNH3の反応活性を有する触媒は、酸化チタンを主成分とする金属酸化物担体にバナジウムを添加したTi-V系触媒、該Ti-V系触媒にさらにWまたはMoを添加したTi-W-V系触媒またはTi-Mo-V系触媒である請求項4または5に記載の触媒。
Priority Applications (1)
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JP2008259534A JP2010088983A (ja) | 2008-10-06 | 2008-10-06 | 排ガス中の金属水銀の酸化処理方法及びその触媒 |
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