JP2010088466A - 保育器 - Google Patents

Abstract

【課題】手以外の例えば肘等による操作によって手入窓を容易に開放することができるにも拘らず、新生児の体調が変調をきたしにくい、保育器を提供する。
【解決手段】新生児収容室の側面に沿う回動軸４４の周りの少なくとも一部に延びている螺旋面４６を掛け金機構３５の掛け金４１が備えており、新生児収容室の側面に沿う移動によって掛け金４１の螺旋面４６を押圧して手入扉の保持位置から解除位置へ掛け金機構３５の保持解除部材４３が掛け金４１を回動させる。また、手入扉の保持位置と解除位置との間で掛け金機構３５の掛け金４１が回動軸４４の周りで回動しても保持解除部材４３は回動しない。
【選択図】図１

Description

本発明は、新生児収容室の側面に設けられている手入窓と、回動によって手入窓を開放及び閉鎖する手入扉と、閉鎖位置に手入扉を保持する掛け金機構とを備える、保育器に関する。

保育器には、自らの力では体温調節等をできない新生児に対して適切な生理的環境を提供する新生児収容室が設けられている。そして、新生児収容室内の新生児を外部から視認することができる様に新生児収容室の側面及び天面の略全域が透明材料によって形成されており、新生児収容室内では温度のみならず湿度や酸素濃度等も制御される。しかし、新生児収容室内の新生児に対して医師や看護士等の処置者が処置を施す必要のある場合もある。そこで、比較的簡単な処置のために、新生児収容室の幾つかの側面に手入窓が設けられており、更に、回動によって手入窓を開放及び閉鎖する手入扉と閉鎖位置に手入扉を保持する掛け金機構とが設けられている。

新生児収容室内を新生児に対して適切な生理的環境に維持するために、通常は、手入扉によって手入窓が閉鎖されており且つ手入扉が掛け金機構で閉鎖位置に保持されている。しかし、新生児に処置を施すためには手入扉を閉鎖位置から開放位置へ回動させて、手入窓を開放する必要がある。一方、処置者は新生児に処置を施すための医療機器や医薬品等を両手で持っている場合があり、消毒済の両手の汚染を防止する必要のある場合もある。そこで、従来の保育器（例えば、特許文献１、２）は、手以外の例えば肘等によって新生児収容室の側面に垂直な方向へ押圧するだけで手入窓を容易に開放することのできる、掛け金機構による保持を解除するための保持解除部材を備えている。
特開２００１−７０３７３号公報 特開平２−１９８５５４号公報

しかし、上述の従来の保育器では、新生児収容室の側面に垂直な方向へ保持解除部材を押圧するだけで手入窓を開放することができるので、処置者等が保持解除部材に寄り掛かったり、保育器の搬送中に保持解除部材が壁面に接触したりして、手入窓が意図に反して開放されてしまうことがあった。また、上述の従来の保育器では、手入扉が掛け金機構との接触に近い状態にあるが閉鎖位置に保持はされておらず手入窓が不完全にしか閉鎖されていない状態が生じることがあった。新生児の収容中に手入窓が開放されたり不完全にしか閉鎖されていなかったりすると、新生児収容室内が新生児に対して適切な生理的環境から逸脱してしまい、新生児の体調が変調をきたすおそれがある。

更に、上述の従来の保育器では、掛け金機構によって閉鎖位置に保持されていない手入扉は自由に回動可能であり、掛け金機構も手入扉を閉鎖位置に保持する時は付勢力によって急激に作動する。このため、手入扉や掛け金機構が保育器の他の部分に衝突することがあり、この衝突の際の衝撃による音や振動によって新生児収容室内の新生児にストレスを与え、このことによっても新生児の体調が変調をきたすおそれがある。従って、本発明は、手以外の例えば肘等による操作によって手入窓を容易に開放することができるにも拘らず、新生児の体調が変調をきたしにくい、保育器を提供することを目的としている。

請求項１に係る保育器では、新生児収容室の側面に沿う回動軸の周りの少なくとも一部に延びている螺旋面を掛け金機構の掛け金が備えており、掛け金機構の保持解除部材が、新生児収容室の側面に沿う移動によって、掛け金の螺旋面を押圧して、手入扉の保持位置から解除位置への回動軸の周りの回動を掛け金に生じさせる。このため、新生児収容室の側面に沿う方向へ掛け金機構の保持解除部材を押圧して移動させるだけで手入窓を開放することができる。

しかも、手入窓を開放するためには新生児収容室の側面に沿う方向へ掛け金機構の保持解除部材を押圧する必要があるので、処置者等が保持解除部材に寄り掛かったり、保育器の搬送中に保持解除部材が壁面に接触したりしても、手入窓が開放されない。また、手入扉の保持位置と解除位置との間で掛け金機構の掛け金が回動しても保持解除部材は回動しないので、掛け金機構の作動に伴う衝撃が発生しにくい。

請求項２に係る保育器では、手入窓を閉鎖する方向への手入扉の回動中に、閉鎖よりも前から、開放機構が手入扉と当接して手入窓を開放する方向への手入扉の回動を付勢する。このため、手入窓の閉鎖時に閉鎖操作が完全には行われないと、手入窓が開放されて、手入窓が閉鎖されていないことが認識され易く、手入窓の閉鎖操作が再び行われる可能性が高い。

請求項３に係る保育器では、手入扉の回動によって押圧される掛け金機構の掛け金における被押圧部が衝撃吸収材料で形成されている。このため、手入扉を回動させて手入窓を閉鎖する時に手入扉が掛け金に衝突しても衝撃が発生しにくい。

請求項４に係る保育器では、手入窓を開放する方向への手入扉の回動中に、開放の途中から、制動機構が手入扉の回動を制動する。このため、手入窓の開放の完了時に手入扉が急激には停止しなくて、手入窓の開放の完了時に衝撃が発生しにくい。

請求項５に係る保育器では、解除位置から保持位置へ掛け金機構の付勢部材が掛け金の回動を付勢しているので、掛け金を解除位置まで回動させさえすれば、解除位置から保持位置へ掛け金を回動させる操作を行わなくても、掛け金が解除位置から保持位置まで自動的に回動して手入扉を保持する。そして、それにも拘らず、掛け金の回動を掛け金機構の制動部材が制動するので、掛け金が解除位置から保持位置まで自動的に回動しても保持位置で衝撃が発生しにくい。

請求項１に係る保育器では、新生児収容室の側面に沿う方向へ掛け金機構の保持解除部材を押圧して移動させるだけで手入窓を開放することができるので、手以外の例えば肘等による操作によって手入窓を容易に開放することができる。しかも、処置者等が保持解除部材に寄り掛かったり、保育器の搬送中に保持解除部材が壁面に接触したりしても、手入窓が開放されないので、新生児収容室内が新生児に対して適切な生理的環境から逸脱しにくい。また、掛け金機構の作動に伴う衝撃が発生しにくいので、掛け金機構の作動時に新生児収容室内の新生児に与えるストレスが少ない。従って、新生児の体調が変調をきたしにくい。

請求項２に係る保育器では、手入窓の閉鎖時に閉鎖操作が完全には行われないと、手入窓が開放されて、手入窓が閉鎖されていないことが認識され易く、手入窓の閉鎖操作が再び行われる可能性が高い。従って、新生児収容室内が新生児に対して適切な生理的環境から逸脱しにくくて、新生児の体調が変調をきたしにくい。

請求項３に係る保育器では、手入扉を回動させて手入窓を閉鎖する時に手入扉が掛け金に衝突しても衝撃が発生しにくい。従って、手入窓の閉鎖時に新生児収容室内の新生児に与えるストレスが少なくて、新生児の体調が変調をきたしにくい。

請求項４に係る保育器では、手入窓の開放の完了時に手入扉が急激には停止しなくて、手入窓の開放の完了時に衝撃が発生しにくい。従って、手入窓の開放時に新生児収容室内の新生児に与えるストレスが少なくて、新生児の体調が変調をきたしにくい。

請求項５に係る保育器では、掛け金機構の掛け金を解除位置まで回動させさえすれば、解除位置から保持位置へ掛け金を回動させる操作を行わなくても、掛け金が解除位置から保持位置まで自動的に回動して手入扉を保持するので、手入扉で手入窓を閉鎖する操作が容易である。そして、それにも拘らず、掛け金が解除位置から保持位置まで自動的に回動しても保持位置で衝撃が発生しにくい。従って、手入窓の閉鎖時に新生児収容室内の新生児に与えるストレスが少なくて、新生児の体調が変調をきたしにくい。

以下、新生児収容室の天蓋を下降及び上昇させることによって閉鎖型と開放型とに随時に切り換えることのできる切換型の保育器に適用した本発明の一実施形態を、図１〜１１を参照しながら説明する。以下においては、
（１）全体の概要
（２）手入窓の開放及び閉鎖操作
（３）手入窓の非閉鎖状態の認識
（４）手入窓の開放及び閉鎖操作の静粛化
に分けて本実施形態を説明する。

（１）全体の概要
図１１が、閉鎖型の状態にある本実施形態の保育器を示している。この保育器１１では、架台１２に車輪１３と支柱１４とが取り付けられており、この支柱１４に基部１５が支持されている。基部１５内には温度や湿度等の制御機構（図示せず）が設けられており、基部１５上に新生児収容室１６が設けられており、基部１５下に収納用の引き出し１７が取り付けられている。架台１２には支柱１４に沿って基部１５等の高さを調節するためのペダル１８も設けられている。

新生児収容室１６内には臥床台（図示せず）が配置されており、この臥床台上に臥床する新生児（図示せず）の左側及び右側に位置する一対の左右側処置扉２１と足側に位置する足側処置扉２２と頭側に位置する頭側処置壁２３とが新生児収容室１６の側面に設けられている。架台１２には左右一対の支柱２４も取り付けられている。支柱２４内には別の支柱（図示せず）が入れ子状に配置されており、この別の支柱が支柱２４内を摺動することができる。

新生児収容室１６の天蓋２５と赤外線加熱器２６とが支柱２４内の別の左右一対の支柱の一方及び他方に夫々支持されており、これらの別の支柱が支柱２４内を摺動することによって天蓋２５と赤外線加熱器２６とは互いに独立に昇降することができる。天蓋２５も透明材料によって形成されている。支柱２４には、赤外線加熱器２６が部屋の壁面（図示せず）に衝突することを防止する保護具２７も取り付けられている。

（２）手入窓の開放及び閉鎖操作
左右側処置扉２１には、二重壁構造の透明な外壁３１及び内壁３２（図９）が備えられている。これらの外壁３１及び内壁３２には、左右一対の手入窓３３（図９）と、これらの手入窓３３を開放及び閉鎖する左右一対の手入扉３４と、手入窓３３を閉鎖するための閉鎖位置に手入扉３４を保持する掛け金機構３５とが備えられている。図１０は、左右一対の手入扉３４及び掛け金機構３５のうちの一方を示している。

新生児収容室１６の手入窓３３における外壁３１の内縁に、透明な硬質合成樹脂製で環状の手入扉基板３６が嵌合及びねじ止めされている。手入扉３４は、透明な硬質合成樹脂製であって皿に近い形状を有しており、手入扉基板３６の直径上の掛け金機構３５とは反対側の部分に支持されている。手入扉３４は、図９、１０に示されている様に手入窓３３を閉鎖している閉鎖位置と、図５に示されている様に手入窓３３を開放している開放位置との間で、回動軸３７の周りに回動可能である。上述の閉鎖位置から開放位置へ、回動軸３７に外挿されているねじりコイルばね３８によって手入扉３４が付勢されている。

図１は図１０、１１中の掛け金機構３５を示しており、掛け金機構３５には掛け金４１、掛け金基板４２及び保持解除部材４３が備えられている。掛け金基板４２は手入扉基板３６に固定されており、掛け金４１及び保持解除部材４３は掛け金基板４２に支持されている。掛け金４１は、図９、１０に示されている様に手入扉３４を閉鎖位置に保持している保持位置と、図８に示されている様にこの保持を解除する解除位置との間で、回動軸４４の周りに回動可能である。

回動軸４４に外挿されているねじりコイルばね４５が掛け金４１と掛け金基板４２との間に介装されており、上述の解除位置から保持位置へねじりコイルばね４５によって掛け金４１が付勢されている。図２に示されている様に、回動軸４４の周りの一部に延びている螺旋面４６が掛け金４１に設けられている。

一方、図１に示されている様に、保持解除部材４３と掛け金基板４２との間に柱体４７と圧縮コイルばね５１とが介装されており、基部１５から天蓋２５へ向かう方向つまり新生児収容室１６の外壁３１に沿う上方へ圧縮コイルばね５１によって保持解除部材４３が付勢されている。また、柱体４７及び圧縮コイルばね５１と平行な突出部５２が保持解除部材４３に一体に設けられており、この突出部５２が掛け金基板４２の開口５３内を通過して螺旋面４６の上方まで延びている。

図５に示されている様に手入扉３４が手入窓３３を開放している状態から図９、１０に示されている様に閉鎖している状態へ移行させるためには、ねじりコイルばね３８による付勢に抗して手入扉３４を回動させて、図７に示されている様に、手入扉３４の回動先端部である舌片部５４で、保持位置にある掛け金４１の被押圧部５５を押圧する。舌片部５４による押圧によって、ねじりコイルばね４５による付勢に抗して、図８に示されている様に掛け金４１が回動軸４４の周りを解除位置まで回動される。

図８に示されている解除位置から手入扉３４を更に回動させると、図９、１０に示されている様に、手入扉３４の舌片部５４が掛け金４１の被押圧部５５よりも回動軸４４側へ入り込み、ねじりコイルばね４５による付勢によって掛け金４１が保持位置まで回動される。この結果、手入扉３４が掛け金４１に保持されて、手入扉３４が手入窓３３を閉鎖している状態になる。

逆に、図９、１０に示されている様に手入扉３４が手入窓３３を閉鎖している状態から図５に示されている様に開放している状態へ移行させるためには、基部１５から天蓋２５へ向かう方向つまり新生児収容室１６の外壁３１に沿う上方への圧縮コイルばね５１による保持解除部材４３の付勢に抗して、天蓋２５から基部１５へ向かう方向つまり新生児収容室１６の外壁３１に沿う下方へ保持解除部材４３を押し下げる。保持解除部材４３を押し下げると、この保持解除部材４３の突出部５２が開口５３内を下降して掛け金４１の螺旋面４６を押圧する。

この押圧によって、ねじりコイルばね４５による付勢に抗して、掛け金４１が回動軸４４の周りを保持位置から解除位置まで回動する。この結果、手入扉３４の舌片部５４が掛け金４１による保持から解除され、ねじりコイルばね３８による付勢によって手入扉３４が回動されて、手入扉３４が手入窓３３を開放する。保持解除部材４３の押し下げを解除すると、圧縮コイルばね５１の付勢によって保持解除部材４３の突出部５２が開口５３内を上昇する。この上昇によって突出部５２が掛け金４１の螺旋面４６から離隔し、ねじりコイルばね４５による付勢によって掛け金４１が解除位置から保持位置へ復帰する。

（３）手入窓の非閉鎖状態の認識
図１０（ｂ）に示されている様に、手入扉基板３６の内縁に、シリコーンゴム製で環状のパッキン５６が嵌合されている。図３に示されている様に、パッキン５６のうちで手入窓３３を閉鎖している状態にある手入扉３４との当接部の大部分はひれ状部５７になっているが、パッキン５６のうちで手入扉３４の回動軸３７の近傍部は肉厚部６１になっている。更に、この肉厚部６１上に、パッキン５６の誤装着防止用の凸部６２が設けられている。また、図４に示されている様に、手入扉３４のうちで回動軸３７の近傍部に、凸部６２の嵌入用の凹部６３が設けられている。

手入扉３４が手入窓３３を開放している状態から閉鎖する状態へ手入扉３４を回動させてゆくと、手入扉３４が手入窓３３を閉鎖するよりも前から、手入扉３４がパッキン５６と当接する。そして、手入扉３４を更に回動させると、掛け金４１が手入扉３４を保持するよりも前に、手入扉３４がパッキン５６を押圧して弾性変形させる。この弾性変形によって、パッキン５６による気密状態が確保されると共にパッキン５６の特に肉厚部６１及び凸部６２に弾性反発力が生じ、この弾性反発力によって、手入窓３３を開放する方向へ手入扉３４が付勢される。

このため、手入扉３４が手入窓３３を完全には閉鎖していないにも拘らず閉鎖したと処置者が誤認したり、その他の何らかの理由が生じたりして、手入扉３４による手入窓３３の閉鎖操作が完全には行われないと、手入窓３３を開放する方向へ手入扉３４が回動される。このため、手入窓３３が閉鎖されていないことが認識され易く、手入窓３３の閉鎖操作が再び行われる可能性が高い。なお、閉鎖位置から開放位置へねじりコイルばね３８によっても手入扉３４が付勢されているが、この付勢力が強いと手入扉３４が急激に回動するので、ねじりコイルばね３８による付勢力はあまり強くない。

（４）手入窓の開放及び閉鎖操作の静粛化
掛け金４１の被押圧部５５はシリコーンゴムで形成されている。また、図１に示されている様に、掛け金４１と掛け金基板４２との間であって且つ回動軸４４の周囲にスペーサ６４が介装されており、ねじりコイルばね４５の付勢による掛け金４１の回動がスペーサ６４によって制動されている。一方、図５、６に示されている様に、合成樹脂製の制動機構６５が手入扉基板３６に取り付けられており、傾斜面６６の低位側端部６７はこの制動機構６５の他の部分と一体になっているが、傾斜面６６の高位側端部６８は自由端になっている。

更に、図５に示されている様に、手入扉３４における回動軸３７の周囲部のうちで制動機構６５の近傍部は、真円断面ではなく、手入扉３４が手入窓３３を閉鎖している状態では制動機構６５の傾斜面６６と離隔しているが、手入扉３４が手入窓３３を開放するに連れて傾斜面６６に接近し、開放の途中から傾斜面６６と接触してこの傾斜面６６を押圧する様な、断面半径を有している。傾斜面６６が押圧されると、高位側端部６８が低位側端部６７から離隔すると共に傾斜面６６の高さが低下する様に制動機構６５が弾性変形して、押圧力が吸収される。

図５に示されている様に手入窓３３を開放している状態から閉鎖する状態へ手入扉３４を回動させていくと、図７に示されている様に手入扉３４の舌片部５４が掛け金４１の被押圧部５５にまず当接する。しかし、被押圧部５５がシリコーンゴムで形成されているので、舌片部５４が被押圧部５５に勢いよく当接されても、衝撃が発生しにくい。図７の状態から手入扉３４が更に回動されると、被押圧部５５が押圧されることによって、図８に示されている様に掛け金４１が解除位置まで回動する。そして、手入扉３４が更に回動されると、図９に示されている様に舌片部５４が掛け金４１内へ入り込む。

舌片部５４が掛け金４１内へ入り込むことによって被押圧部５５が舌片部５４に押圧されなくなると、ねじりコイルばね４５による付勢力によって掛け金４１が解除位置から保持位置へ回動して舌片部５４を保持する。しかし、ねじりコイルばね４５の付勢による掛け金４１の回動がスペーサ６４によって制動されているので、掛け金４１が勢いよくは回動せず、回動の完了時に衝撃が発生しにくい。

逆に、保持解除部材４３を操作することによって掛け金４１による手入扉３４の舌片部５４の保持を解除すると、パッキン５６の特に肉厚部６１及び凸部６２の弾性反発力による付勢力とねじりコイルばね３８による付勢力とによって、図９、１０に示されている様に手入窓３３を閉鎖している状態から、図８に示されている状態を経て、図５に示されている様に手入窓３３を開放している状態へ、手入扉３４が回動していく。しかし、この開放の途中から制動機構６５によって手入扉３４の回動が制動されるので、回動の完了時に衝撃が発生しにくい。

なお、以上の実施形態では、掛け金４１の被押圧部５５が、シリコーンゴムで形成されているが、衝撃を吸収できる材料であればシリコーンゴム以外の材料で形成されていてもよい。また、パッキン５６も、シリコーンゴムで形成されているが、弾性反発力を有する材料であればシリコーンゴム以外の材料で形成されていてもよい。更に、以上の実施形態は切換型の保育器に本発明を適用したものであるが、本発明は閉鎖型の保育器にも適用することができる。

本発明は、新生児収容室の側面の手入窓とこの手入窓を開放及び閉鎖する手入扉と閉鎖位置に手入扉を保持する掛け金機構とを備える保育器の製造等に利用することができる。

本発明の一実施形態の保育器における掛け金機構の断面図である。 本発明の一実施形態の保育器における掛け金機構中の掛け金の斜視図である。 本発明の一実施形態の保育器における手入窓のパッキンの部分斜視図である。 本発明の一実施形態の保育器における手入扉の部分斜視図である。 本発明の一実施形態の保育器における手入窓の部分断面図であり、手入扉が開放位置にある状態を示している。 本発明の一実施形態の保育器における制動機構の斜視図である。 本発明の一実施形態の保育器における掛け金機構の断面図であり、手入扉が掛け金に当接している状態を示している。 本発明の一実施形態の保育器における掛け金機構の断面図であり、掛け金が解除位置まで回動している状態を示している。 本発明の一実施形態の保育器における掛け金機構の断面図であり、手入扉が掛け金に保持されている状態を示している。 本発明の一実施形態の保育器における左右一対の手入扉及び掛け金機構のうちの一方を示しており、（ａ）は正面図、（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ線に沿う位置における断面図である。 閉鎖型の状態にある本発明の一実施形態の保育器の側面図である。

符号の説明

１１ 保育器
１６ 新生児収容室
３３ 手入窓
３４ 手入扉
３５ 掛け金機構
４１ 掛け金
４３ 保持解除部材
４４ 回動軸
４５ ねじりコイルばね（付勢部材）
４６ 螺旋面
５５ 被押圧部
６１ 肉厚部（開放機構）
６４ スペーサ（制動部材）
６５ 制動機構

Claims (5)

1. 新生児収容室の側面に設けられている手入窓と、回動によって前記手入窓を開放及び閉鎖する手入扉と、前記閉鎖のための閉鎖位置に前記手入扉を保持する掛け金機構とを備える保育器において、
   前記側面に沿っており前記保持を行う保持位置と前記保持を解除する解除位置との間の回動を可能にしている回動軸と、この回動軸の周りの少なくとも一部に延びている螺旋面とを、備える掛け金と、
   前記側面に沿って移動可能であり、この移動によって前記螺旋面を押圧して前記保持位置から前記解除位置へ前記掛け金に前記回動を生じさせる、保持解除部材と
   を前記掛け金機構が具備することを特徴とする保育器。
2. 前記閉鎖の方向への前記手入扉の前記回動中に前記閉鎖よりも前から前記手入扉と当接して前記開放の方向への前記手入扉の前記回動を付勢する開放機構を具備することを特徴とする請求項１に記載の保育器。
3. 前記手入扉の前記回動による押圧によって前記保持位置から前記解除位置への前記回動を行うための被押圧部を前記掛け金が備えており、
   衝撃吸収材料で前記被押圧部が形成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の保育器。
4. 前記開放の方向への前記手入扉の前記回動中に前記開放の途中から前記手入扉の前記回動を制動する制動機構を具備することを特徴とする請求項１に記載の保育器。
5. 前記解除位置から前記保持位置への前記掛け金の前記回動を付勢している付勢部材と、
   前記掛け金の前記回動を制動する制動部材と
   を前記掛け金機構が具備することを特徴とする請求項１に記載の保育器。

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