JP2010086724A - 機能拡張装置及びその製造方法、並びに電子装置システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ソケットへの挿入時における挿入力を緩和しつつ、正常に動作させることが可能な機能拡張装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の接続端子と、第2の接続端子の終端部のみに隣接して形成された保護部材とを備える機能拡張装置により解決され得る。機能拡張装置は、電子装置が有するソケットに挿入することにより当該電子装置と接続され、当該電子装置の機能を拡張する。第1の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される。第2の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される。保護部材は、第2の接続端子のみを覆うようにして形成される。
【選択図】図2
【解決手段】第1及び第2の接続端子と、第2の接続端子の終端部のみに隣接して形成された保護部材とを備える機能拡張装置により解決され得る。機能拡張装置は、電子装置が有するソケットに挿入することにより当該電子装置と接続され、当該電子装置の機能を拡張する。第1の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される。第2の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される。保護部材は、第2の接続端子のみを覆うようにして形成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、機能拡張装置及びその製造方法、並びに電子装置システムに関し、特に、電子装置のソケットに挿入して使用される機能拡張装置の分野に関する。
上述の機能拡張装置の一例として、プリント配線された電子カードが挙げられる。このような電子カードを電子装置に実装する場合、その電子カードの一端にエッジコネクタを設け、当該エッジコネクタを電子装置のソケットに挿入する方法が用いられている。
エッジコネクタは、電子カードの一端に形成された所定のパターンで形成された接続端子を有している。ソケットは、エッジコネクタが挿入された場合における当該エッジコネクタの接続端子に対応する位置に、ワイヤ状の被接続端子を有している。ソケットにエッジコネクタが挿入されると、エッジコネクタの接続端子にソケットの被接続端子が圧着され、プリント配線板と電子装置との間の電気的接続が達成される。
ここで、エッジコネクタのソケットへの挿入時には、エッジコネクタの接続端子がソケットの被接続端子と接触するため、大きな力を必要とする。そのため、無理な挿入によりエッジコネクタ又はソケットの破損を引き起こすことがある。
そこで、エッジコネクタのソケットへの挿入時における挿入力を緩和するため、エッジコネクタの形状や接続端子の形状を加工する技術や、エッジコネクタにおける全ての接続端子の終端部に隣接して保護部材を設けたりする技術が提案されている。
特開2003−142791号公報
特開平9−7709号公報
特開昭57−102086号公報
実開昭57−104478号公報
しかしながら、エッジコネクタの形状や接続端子の形状を加工する場合には、その分の新たな加工作業が必要となる。また、エッジコネクタにおける全ての接続端子の終端部に隣接して保護部材を設けた場合には、エッジコネクタをソケットへ挿入する際に、エッジコネクタの保護部材とソケットの被接続端子とが接触することにより、保護部材の一部が剥離することがある。このような保護部材の一部の剥離は、エッジコネクタの挿入及び除去を2〜3回行っただけでも発生しうる。この場合、保護部材の剥離片が、接続端子に付着して、エッジコネクタの接続端子とソケットの被接続端子との間に挟み込まれることにより、エッジコネクタの接続端子とソケットの被接続端子との間で接触不良が発生して、電子カードが正常に動作しなくなる可能性がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、エッジコネクタのソケットへの挿入時における挿入力を緩和しつつ、正常に動作させることが可能な機能拡張装置を提供することを課題とする。
上記課題は、部品が実装される基板と、第1及び第2の接続端子と、保護部材とを備える機能拡張装置により解決され得る。機能拡張装置は、電子装置が有するソケットに挿入することにより当該電子装置と接続され、当該電子装置の機能を拡張する。第1の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される。第2の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される。保護部材は、第2の接続端子のみを覆うようにして形成される。
上記課題は、部品が実装される基板と、接続端子と、非接続端子と、保護部材とを備える機能拡張装置により解決され得る。機能拡張装置は、電子装置が有するソケットに挿入することにより当該電子装置と接続され、当該電子装置の機能を拡張する。接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を1対1に第1の信号線が接続される。非接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品のいずれとも接続されない。保護部材は、非接続端子のみを覆うようにして形成される。
上記課題は、電子装置と、当該電子装置と接続されることにより当該電子装置の機能を拡張し、基板、保護部材、第1及び第2の接続端子を有する機能拡張装置を備えた電子装置システムにより解決され得る。第1の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される。第2の接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される。保護部材は、第2の接続端子のみを覆うようにして形成される。電子装置は、第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子と、第2の接続端子に対応して設けられた第2の接続端子を備えたソケットを有する。
上記課題は、電子装置と、当該電子装置と接続されることにより当該電子装置の機能を拡張し、基板、保護部材、接続端子、非接続端子を有する機能拡張装置を備えた電子装置システムにより解決され得る。接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される。非接続端子は、基板の端部に形成されるとともに、電子装置と部品のいずれとも接続されない。保護部材は、非接続端子のみを覆うように形成される。電子装置は、第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子を備えたソケットを有する。
上記課題は、電子装置が有するソケットに挿入することにより当該電子装置と接続され、当該電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、以下の工程を有する機能拡張装置の基板の製造方法によって解決され得る。具体的には、機能拡張装置の基板の製造方法は、基板の表面に配線パターンを形成するとともに、基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、レジスト材が塗布された基板の表面の領域のうち、配線パターンが形成された領域に塗布されたレジスト材と、複数の接続端子のうち電子装置との間を冗長に接続する信号線が接続される接続端子の領域のみに塗布されたレジスト材を一括して硬化する工程を有する。
上記課題は、電子装置が有するソケットに挿入することにより当該電子装置と接続され、当該電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、以下の工程を有する機能拡張装置の基板の製造方法によって解決され得る。具体的には、機能拡張装置の基板の製造方法は、基板の表面に配線パターンを形成するとともに、基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、レジスト材が塗布された基板の表面の領域のうち、配線パターンが形成された領域に塗布されたレジスト材と、複数の接続端子のうち電子装置に接続されない非接続端子の領域のみに塗布されたレジスト材を一括して硬化する工程を有する。
以上に説明した機能拡張装置によれば、全く保護部材が形成されない場合の機能拡張装置と比較して、保護部材が形成された分だけ、挿入力を緩和することができる。一方、電子装置と部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される接続端子については、保護部材が設けられないので、保護部材の剥離による接触不良を防ぐことができる。また、保護部材が剥離して、電子装置と部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続された端子(又は、電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子)が接触不良になった場合であっても、機能拡張装置の動作への影響は抑えられる。
また、以上に説明した電子装置システムによっても、上記の同様の効果を得ることができる。
また、以上に説明した機能拡張装置の基板の製造方法によれば、一般的な機能拡張装置の製造方法における製造工程と比較して、製造工程を増やすことなく、上述した機能拡張装置の基板を製造することができる。
以下では、実施形態の一例について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る機能拡張装置10について図1〜図6を参照して説明する。
まず、第1実施形態に係る機能拡張装置10について図1〜図6を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る機能拡張装置と接続される電子装置の好ましい一例を示した斜視図である。
電子装置は、例えば情報処理装置であり、基板31の上に、例えば、LSIチップ32と、複数のソケット20とが搭載されている。ソケット20には、第1実施形態に係る機能拡張装置10が挿入されている。機能拡張装置10は、例えばカード状の形態を有する電子カードである。このような機能拡張装置10の例としては、電源モジュール、メモリモジュール、CPUモジュールやネットワークアダプタ等が挙げられる。機能拡張装置10のコネクタ部をソケット20に挿入することにより、機能拡張装置10と電子装置とが電気的に接続され、電子装置の機能が拡張された電子装置システムが構成される。
図2は、第1実施形態に係る機能拡張装置10及びソケット20の平面図の一例である。
機能拡張装置10は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などの基板11の端部にエッジコネクタであるコネクタ部13を有している。基板11におけるコネクタ部13以外の部分は、回路配線の配線パターンがプリントされており、当該配線パターンは、基板11に塗布された保護レジスト17により覆われている。保護レジスト17により覆われた基板11の面上には、種々のICチップ18が回路配線と接続されている。基板11のコネクタ部13は、ソケット20の開口部23に見合った形状及び寸法に形成されている。基板11におけるコネクタ部13の両面の端部には、接続端子15が所定のパターンで形成されている。接続端子15は、基板11に張り付けられた銅箔をエッチングして形成したものである。具体的には、コネクタ部13の一面を左右の領域に分けて、一方の領域に第1の接続端子15aが形成され、他方の領域に第2の接続端子15bが形成されている。
ソケット20は、ソケット本体21に開口部23が設けられた形状を有している。ソケット20の開口部23内には、複数のワイヤ状の被接続端子22が設けられている。複数の被接続端子22は、ソケット20に挿入されたコネクタ部13の接続端子15と対応する位置にくるように位置決めされている。基板11のコネクタ部13をソケット20の開口部23に挿入すると、コネクタ部13の両側面に形成された接続端子15に被接続端子22が圧着され、接続端子15と被接続端子22との間が電気的に接続される。これにより、機能拡張装置10は、電子装置と接続され、電子装置の機能を拡張することが可能となる。
ここで、図2に示すように、第1の接続端子15aと比較して、第2の接続端子15bは幅が広く形成されている。これにより、コネクタ部13のソケット20への挿入時において、第1の接続端子15aに圧着される被接続端子22の数よりも、第2の接続端子15bに圧着される被接続端子22の数の方が多くなる。例えば、図2の例でいうと、破線矢印Y1で示すように、第1の接続端子15aは1つの被接続端子22により圧着されるのに対し、破線矢印Y2で示すように、第2の接続端子15bは3つの被接続端子22により圧着される。これにより、第1の接続端子15aは、電子装置との接続経路が1本しか形成されないのに対し、第2の接続端子15bは、電子装置との接続経路が3本形成される。このような端子構造を有する機能拡張装置10の例としては、電源モジュールが挙げられる。電源モジュールの場合、例えば、第2の接続端子15bは電源を供給する電源端子又は接地電位の基準となるグランド端子として機能する。
図3は、コネクタ部13の断面図の一例である。図3(a)は、図2における切断線A1−A2に沿った断面図、即ち、コネクタ部13における第1の接続端子15aが形成された部分の断面図を示している。図3(b)は、図2における切断線B1−B2に沿った断面図、即ち、コネクタ部13における第2の接続端子15bが形成された部分の断面図を示している。
図3(a)、(b)に示すように、基板11のコネクタ部13の先端部には、先端部の角を取る面取り加工が施されており、傾斜面11aが形成されている。これにより、コネクタ部13をソケット20に挿入するのが容易になる。
第2の接続端子15bの終端部15bdには、保護部材12が設けられている。具体的には、第2の接続端子15bの終端部15bdに隣接して保護部材12が設けられている。第2の接続端子15bの終端部15bdに隣接して保護部材12を設けることにより、第2の接続端子15bの終端部15bdを衝撃などから保護する作用の他、摩擦係数の低減によりコネクタ部13をソケット20へ挿入する際の挿入力を軽減する作用を得ることが可能となる。ここで、図3(b)に示す例では、第2の接続端子15bに隣接して保護部材12が設けられるだけでなく、さらに、第2の接続端子15bの終端部15bdを覆うようにして保護部材12が設けられている。これにより、コネクタ部13の挿入力の軽減の効果を更に高めることができる。保護部材12は、基板11上の配線パターンにレジスト材を塗布する際に、第2の接続端子15bの終端部15bdにも同様にレジスト材を塗布することにより形成される。一方、第1の接続端子15aの終端部15adには、保護部材12は設けられない。
図4は、コネクタ部13がソケット20へ挿入される様子を示す断面図の一例である。図4(a)は、コネクタ部13における第1の接続端子15aが設けられた部分が挿入される様子を示す断面図である。図4(b)は、コネクタ部13における第2の接続端子15bが設けられた部分が挿入される様子を示す断面図である。図4(c)は、コネクタ部13の断面図である。
図4(c)に示すように、複数のワイヤ状の被接続端子22は、コネクタ部13の接続端子15に圧着可能なように、ソケット本体21からソケット20の開口部23内へ張り出すようにして設けられている。そのため、コネクタ部13をソケット20へ挿入する際には、コネクタ部13と被接続端子22とが接触することとなる。従って、コネクタ部13をソケット20へ完全に挿入するには、コネクタ部13とソケット20との間の接触力に対抗できるだけの挿入力が必要となる。
具体的には、コネクタ部13をソケット20へ挿入する際、図4(a)に示すように、コネクタ部13における第1の接続端子15aが設けられた部分では、第1の接続端子15aの終端部15adと被接続端子22とが接触する。一方、図4(b)に示すように、コネクタ部13における第2の接続端子15bが設けられた部分では、保護部材12と被接続端子22とが接触する。
コネクタ部13における第2の接続端子15bが設けられた部分では、第2の接続端子15bの終端部15bdに隣接して保護部材12が設けられているので、第2の接続端子15bの終端部15bdと被接続端子22とが直接接触しない。従って、コネクタ部13における第2の接続端子15bが設けられた部分では、保護部材12が設けられない場合と比較して、挿入力の軽減が図られる。しかしながら、コネクタ部13における第2の接続端子15bが設けられた部分では、保護部材12と被接続端子22とが接触することにより、例えば破線CA1で囲まれる保護部材12の一部が被接続端子22により削り取られる可能性がある。一方、コネクタ部13における第1の接続端子15aが設けられた部分では、保護部材12自体が設けられていないため、その可能性はない。
図5は、コネクタ部13がソケット20へ完全に挿入された様子を示す断面図の一例である。図5(a)は、コネクタ部13における第1の接続端子15aが設けられた部分が完全に挿入された様子を示す断面図である。図5(b)は、コネクタ部13における第2の接続端子15bが設けられた部分が完全に挿入された様子を示す断面図である。
図5(a)、(b)に示すように、コネクタ部13がソケット20へ完全に挿入された場合、第1の接続端子15a及び第2の接続端子15bがそれぞれ、被接続端子22により圧着される。これにより、第1の接続端子15aと被接続端子22との間、及び、第2の接続端子15bと被接続端子22との間がそれぞれ、電気的に接続される。しかし、ここで、コネクタ部13をソケット20へ挿入する際に、保護部材12の一部が被接続端子22により削り取られた場合には、削り取られた剥離片が、第2の接続端子15bと被接続端子22との間(例えば破線CA2で囲む位置)に挟み込まれる可能性がある。一方、コネクタ部13における第1の接続端子15aが設けられた部分では、保護部材12自体が設けられていない。そのため、コネクタ部13における第1の接続端子15aが設けられた部分では、保護部材12の剥離片が挟み込まれる可能性はゼロである。
図6は、コネクタ部13がソケット20へ完全に挿入された状態を示す透視図の一例である。図6では、ソケット20に設けられた複数の被接続端子22のうち、一部の被接続端子22のみが示されている。
図6に示すように、コネクタ部13がソケット20へ完全に挿入された状態では、第1の接続端子15aには1つの被接続端子22のみが圧着され、第2の接続端子15bには3つの被接続端子22が圧着される。従って、第2の接続端子15bと電子装置との間には3本の接続経路が形成される。そのため、1つ又は2つの被接続端子22と第2の接続端子15bとの間で、保護部材12の剥離片を挟み込むことにより接触不良となった場合であっても、接触不良となった被接続端子22以外の他の被接続端子22と当該第2の接続端子15bとの間で接続は維持される。
一方、第2の接続端子15bよりも幅が狭い第1の接続端子15aには、1つの被接続端子22のみが圧着される。従って、第2の接続端子15bと電子装置との間には1つの接続経路しか形成されない。しかしながら、第1の接続端子15aの終端部には保護部材12自体が設けられていない。そのため、第1の接続端子15aと被接続端子22との間では、保護部材12の剥離片が挟み込まれて接触不良になる可能性はゼロである。
以上に述べた第1実施形態に係る機能拡張装置10では、圧着される被接続端子22の数が1つしかない第1の接続端子15aの終端部には保護部材12を設けず、圧着される被接続端子22の数が複数ある第2の接続端子15bの終端部のみに保護部材12を設けることとしている。これにより、全く保護部材が形成されない機能拡張装置と比較して、保護部材12が形成された分だけ、挿入力を緩和することができる。一方、第1の接続端子15aについては、保護部材を設けないとすることにより、保護部材の剥離による接触不良を防ぐことができる。また、第1実施形態に係る機能拡張装置10によれば、例えば1つの被接続端子22と第2の接続端子15bとの間で、保護部材12の剥離片を挟み込むことにより接触不良となった場合であっても、機能拡張装置の動作への影響は抑えられる。なぜなら、このような場合であっても、当該1つの被接続端子22以外の他の被接続端子22と当該第2の接続端子15bとの間で接続が維持されるからである。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る機能拡張装置10aについて図7、図8を用いて説明する。第2実施形態に係る機能拡張装置10aも、第1実施形態に係る機能拡張装置10aと同様、例えばカード状の形態を有する電子カードである。機能拡張装置10aのエッジコネクタであるコネクタ部をソケット20に挿入することにより、機能拡張装置10aは、電子装置と電気的に接続され、電子装置の機能を拡張することができる。
次に、第2実施形態に係る機能拡張装置10aについて図7、図8を用いて説明する。第2実施形態に係る機能拡張装置10aも、第1実施形態に係る機能拡張装置10aと同様、例えばカード状の形態を有する電子カードである。機能拡張装置10aのエッジコネクタであるコネクタ部をソケット20に挿入することにより、機能拡張装置10aは、電子装置と電気的に接続され、電子装置の機能を拡張することができる。
図7は、第2実施形態に係る機能拡張装置10a及びソケット20の平面図の一例である。図7に示す機能拡張装置10aの構成要素について、図2に示した機能拡張装置10と同じ構成要素については、同じ番号が付与されている。
第1実施形態に係る機能拡張装置10における接続端子15と同様、第2実施形態に係る機能拡張装置10aにおいても、基板11におけるコネクタ部13の両面の端部に、接続端子45が所定のパターンで形成されている。接続端子45も、基板11に張り付けられた銅箔をエッチングして形成したものである。ただし、第1実施形態に係る機能拡張装置10と異なり、第2実施形態に係る機能拡張装置10aでは、コネクタ部13の一面を3つの領域に分けて、真ん中の領域に第1の接続端子45aが形成され、それ以外の2つの領域に第2の接続端子45bが形成されている。また、第1の接続端子45a及び第2の接続端子45bの両方とも同じ幅を有し、破線矢印W1、W2で示すように、第1の接続端子45a及び第2の接続端子45bはそれぞれ1つの被接続端子22により圧着される。
ここで、複数の第2の接続端子45bは、互いに同じ信号線が接続される接続端子より構成されている。言い換えると、第2の接続端子45bは、基板11上に配置されたICチップ18などの部品と電子装置との間を冗長に接続する信号線が接続される。従って、1つの第2の接続端子45bと被接続端子22との間が接触不良になった場合であっても、当該第2の接続端子45bと同じ信号線が接続される他の第2の接続端子45bが被接続端子と正常に接触している限り、機能拡張装置10aの動作への影響はない。このような第2の接続端子45bの例としては、例えば電源を供給する電源端子や接地電位の基準となるグランド端子が挙げられる。例えば、機能拡張装置10aが、第2の接続端子45bとして電源端子やグランド端子を有するものとすると、電源端子やグランド端子はそれぞれ複数設けられることとなる。
一方、第1の接続端子45aは、当該第1の接続端子45a以外の接続端子には接続されない信号線が接続される。即ち、1つの第1の接続端子45aは、他のいずれの接続端子にも割り当てられていない信号線が接続される唯一の接続端子である。言い換えると、第1の接続端子45aは、基板11上に配置されたICチップ18などの部品と電子装置との間を1対1に接続する信号線が接続される。従って1つの第1の接続端子45aが電子装置とやりとりする信号は、他のいずれの接続端子もやりとりすることはない。このような第1の接続端子45aの例としては、例えば、データ信号を送受信する信号端子が挙げられる。従って、第1の接続端子45aと被接続端子22との間が接触不良になると、機能拡張装置10aの動作に重大な影響を及ぼす可能性がある。
第2実施形態に係る機能拡張装置10aでは、コネクタ部13において、第1の接続端子45aの終端部には保護部材42を設けず、第2の接続端子45bの終端部のみに保護部材42を設けることとしている。具体的には、第1実施形態に係る機能拡張装置10の保護部材12と同様、第2の接続端子45bの終端部に隣接して保護部材42が設けられている。コネクタ部13における第1の接続端子45aが形成された部分の断面図は、先に示した図3(a)において、第1の接続端子15aを第1の接続端子45aとしたものと同様の図となる。また、コネクタ部13における第2の接続端子45bが形成された部分の断面図は、先に示した図3(b)において、第2の接続端子15bを第2の接続端子45bとし、保護部材12を保護部材42としたものと同様の図となる。従って、第1実施形態で述べたのと同様、第2の接続端子45bの終端部に隣接して保護部材42を設けることで、第2の接続端子45bの終端部を衝撃などから保護する作用の他、コネクタ部13をソケット20へ挿入する際の挿入力を軽減する作用を得ることが可能となる。
コネクタ部13をソケット20へ挿入する際において、コネクタ部13における第2の接続端子45bが設けられた部分では、保護部材42が設けられているため、挿入力の軽減が図られる。しかしながら、コネクタ部13における第2の接続端子45bが設けられた部分では、保護部材42の一部が被接続端子22により削り取られて剥離して、第2の接続端子45bと被接続端子22との間に挟み込まれる恐れがある。一方、コネクタ部13における第1の接続端子45aが設けられた部分では、保護部材42自体が設けられていない。そのため、コネクタ部13における第1の接続端子45aが設けられた部分では、保護部材42の剥離片が挟み込まれる可能性はゼロである。
図8は、コネクタ部13がソケット20へ完全に挿入された状態を示す透視図の一例である。図8では、複数の被接続端子22のうち、一部の被接続端子22のみが示されている。
コネクタ部13がソケット20へ完全に挿入された場合には、第1の接続端子45a及び第2の接続端子45bにそれぞれ1つの被接続端子22が圧着される。これにより、第1の接続端子45aと被接続端子22との間、及び、第2の接続端子45bと被接続端子22との間がそれぞれ、電気的に接続される。
ここで、第2の接続端子45bと被接続端子22との間に保護部材42の剥離片が挟みこまれて、一つの第2の接続端子45bが接触不良となった場合であっても、機能拡張装置の動作への影響は殆どない。なぜなら、先にも述べたように、接触不良となった当該第2の接続端子45bと同じ信号線が接続される他の第2の接続端子45bにより電子装置との接続が維持されているからである。言い換えると、接触不良となった当該第2の接続端子45bと同じ信号線が接続される他の第2の接続端子45b全てが接触不良となっていない限り、機能拡張装置の動作への影響はない。一方、第1の接続端子45aの終端部には保護部材42自体が設けられていない。そのため、第1の接続端子45aと被接続端子22との間では、保護部材42の剥離片が挟み込まれて接触不良になる可能性はゼロである。
以上に述べた第2実施形態に係る機能拡張装置10aでは、第1の接続端子45aと第2の接続端子45bとが、それぞれ1つの被接続端子により圧着されている。第1の接続端子45aは、他のいずれの接続端子も有しない信号線が接続される唯一の接続端子であり、第2の接続端子45bは、他のいずれかの接続端子にも同じ信号線が接続される接続端子である。そして、機能拡張装置10aでは、第1の接続端子45aの終端部に保護部材42を設けず、第2の接続端子45bの終端部にのみ保護部材42を設けるとしている。これにより、全く保護部材が形成されない場合の機能拡張装置と比較して、保護部材42が形成された分だけ、挿入力を緩和することができる。一方、第1の接続端子45aについては、保護部材を設けないとすることにより、保護部材の剥離による接触不良を防ぐことができる。また、機能拡張装置10aによれば、ある第2の接続端子45bと被接続端子22との間で、保護部材12の剥離片を挟み込むことにより接触不良となった場合であっても、機能拡張装置の動作への影響は抑えられる。なぜなら、このような場合であっても、接触不良となった当該第2の接続端子45bと同じ信号線が接続される他の第2の接続端子45bにより電子装置との接続が維持されるからである。
なお、第2実施形態で述べた方法を第1実施形態に係る機能拡張装置10に適用することしてもよい。即ち、第1実施形態に係る機能拡張装置10において、1つの被接続端子により圧着されている第1の接続端子15aと同じ信号線の接続が他のいずれかの接続端子にも割り当てられている場合には、当該第1の接続端子15aの終端部にも保護部材12を設けるとしてもよい。これにより、機能拡張装置の動作への影響を抑えつつ、挿入力の軽減をより効果的に図ることができる。なお、以下では、説明の便宜上、第1の接続端子は、他のいずれの接続端子にも割り当てられていない信号線が接続される唯一の接続端子であるとして説明する。
以上、第1及び第2実施形態で述べたことをまとめると、実施形態に係る機能拡張装置は、第1の接続端子と第2の接続端子とを有している。第1の接続端子は、電子装置との接続が冗長化されていない信号線が接続される接続端子である。具体的には、第1の接続端子は、ソケットにおける1つの被接続端子と圧着され、かつ、他のいずれの接続端子も接続されない信号線が接続される唯一の接続端子である。一方、第2の接続端子は、電子装置との接続が冗長化された信号線が接続される接続端子である。具体的には、第2の接続端子は、ソケットにおける複数の被接続端子と圧着された接続端子、又は、他のいずれかの接続端子にも同じ信号線が接続される接続端子である。第1及び第2実施形態に係る機能拡張装置では、冗長化された信号線が接続される第2の接続端子の終端部のみに隣接して保護部材が形成されている。
このようにすることで、全く保護部材が形成されない場合の機能拡張装置と比較して、保護部材が形成された分だけ、挿入力を緩和することができる。一方、電子装置との接続が冗長化されていない信号線が接続される第1の接続端子については保護部材の剥離による接触不良を防ぐことができる。また、保護部材が隣接して形成された第2の接続端子は、電子装置との接続において冗長化された信号線が接続されるので、保護部材が剥離して、例えば1つの第2の接続端子と1つの被接続端子との間に接触不良が発生した場合でも、機能拡張装置の動作への影響は抑えられえる。
なお、第1及び第2実施形態に係る機能拡張装置10、10aでは、接続端子15は、基板11におけるコネクタ部13の両側面に形成されるとしているが、これに限られるものではない。代わりに、接続端子15は、コネクタ部13の片方の側面にのみ形成されるとしても良いのは言うまでもない。
また、ここで、第1実施形態に係る機能拡張装置10では、コネクタ部13の一側面を左右の領域に分けて、一方の領域に第1の接続端子15aを形成し、他方の領域に第2の接続端子15bを形成するとしていた。一方、第2実施形態に係る機能拡張装置10aでは、コネクタ部13の一側面を3つの領域に分けて、真ん中の領域に第1の接続端子45aを形成し、それ以外の領域に第2の接続端子45bを形成するとしていた。しかしながら、第1の接続端子と第2の接続端子の配列方法としてはこれらに限られるものではなく、任意の配列方法を用いることができる。例えば、基板11におけるコネクタ部13の一面において、第1の接続端子と第2の接続端子とを交互に配列して形成するとしても良い。第1の接続端子と第2の接続端子の配列方法がどのようなものであっても、第2の接続端子の終端部に保護部材を設けることにより、第1及び第2実施形態で述べたのと同様の効果を得ることができる。
図9(a)は、実施形態の変形例に係る被接続端子22aを示す図である。図9(a)において、左側の図が変形例に係る被接続端子22aの平面図を示し、右側の図が変形例に係る被接続端子22aの断面図を示している。
変形例に係る被接続端子22aでは、接続端子15と圧着する位置に開口部22hが設けられている。そのため被接続端子22aは、2つの接点に枝分かれすることとなり、接続端子15は、被接続端子22aにおける2つの枝分かれ上の接点22L、22Rでそれぞれ圧着されることとなる。従って、先に述べた第1実施形態では、複数の被接続端子22に圧着される第2の接続端子15bは、1つの被接続端子に圧着される第1の接続端子15aよりも広い幅となるように形成されるとしていたが、これに限られるものではない。即ち、1つの被接続端子により圧着される接続端子であっても、図9(a)に示す例のように、当該1つの被接続端子が複数の接点に枝分かれしており、それぞれ枝分かれした接点により圧着される場合には、当該接続端子に保護部材を設けることとしても良い。これにより、第1実施形態で述べたのと同様の効果を得ることができる。
図9(b)は、実施形態の変形例に係る第1の接続端子の断面図を示している。
第1及び第2実施形態では、保護部材が形成されない第1の接続端子15a、45aの終端部については、例えば図3に示したように、何も加工されないとしている。しかしながら、図9(b)に示すように、保護部材が形成されない第1の接続端子15a、45aの終端部に対し、プレス加工又は切削加工などを行うことにより、終端部の角形部を取り除いて、斜面STを形成するとしてもよい。これにより、コネクタ部13における第1の接続端子15a、45aが設けられた部分についても、ソケット20への挿入時における挿入力を緩和することができる。これにより、第2の接続端子15b、45bの終端部に保護部材を設けたことに起因して、コネクタ部のソケットへの挿入時に、コネクタ部における第1の接続端子が設けられた部分に応力が集中したような場合であっても、当該応力を緩和することができる。
(機能拡張装置の製造方法)
上述の各実施形態に係る機能拡張装置の製造方法について図10〜図12を用いて説明する。図10は、実施形態に係る機能拡張装置の製造方法を示すフローチャートの一例である。図11は、製造工程の一部における機能拡張装置の平面図の一例である。図12は、各製造工程における機能拡張装置の断面図の一例である。なお、以下では、第1実施形態に係る機能拡張装置10を製造する工程を例に説明する。
上述の各実施形態に係る機能拡張装置の製造方法について図10〜図12を用いて説明する。図10は、実施形態に係る機能拡張装置の製造方法を示すフローチャートの一例である。図11は、製造工程の一部における機能拡張装置の平面図の一例である。図12は、各製造工程における機能拡張装置の断面図の一例である。なお、以下では、第1実施形態に係る機能拡張装置10を製造する工程を例に説明する。
まず、工程P101において、ガラスエポキシ樹脂などの基板11の両面に、例えば銅箔などの金属膜が張り付けられる。そして、金属膜を所望のパターンでエッチングすることにより、配線パターン16及び接続端子15が基板11の両面に形成される。図11(a)は、配線パターン16及び接続端子15が7基板11の表面上に形成された状態を示す平面図である。また、図12(a)は、図11(a)に示す平面図において切断線C1−C2に沿った断面図である。この後、工程P102へ進む。
工程P102において、図12(b)に示すように、レジスト材61が、スクリーン印刷法などにより基板11の両面に全面塗布される。そして、基板11の両面に塗布されたレジスト材61は、遠赤外炉や熱風炉などを用いて乾燥される。この後、工程P103へ進む。
工程P103において、図12(c)に示すように、基板11の両面に塗布されたレジスト材61の面上にネガマスク62が設置される。その後、レジスト材61は、ネガマスク62上から紫外線などにより露光される。これにより、ネガマスク62のパターンに応じて、レジスト材61の一部が露光されて硬化される。ここで、レジスト材61が塗布された基板11の表面上において、配線パターン16が形成された領域及び第2の接続端子15bの終端部の領域が露光されるように、かつ、それ以外の領域が露光されないように、ネガマスク62はパターン形成されている。図12(c)では、ネガマスク62において、露光される領域を白色で示す領域Area1とし、露光されない領域を黒色で示す領域Area2としている。ネガマスク62を介して露光することにより、配線パターン16が形成された領域及び第2の接続端子15bの終端部の領域にあるレジスト材61のみが一括して硬化される。このようにすることで、配線パターンを保護する保護レジスト17の形成と保護部材12の形成とが一括して行われることとなる。この後、工程P104へ進む。
工程P104において、図12(d)に示すように、基板11の両面に塗布されたレジスト材61における露光されずに硬化しなかった部分が、専用の現像液などによって取り除かれる。これにより、配線パターン16が形成された領域及び第2の接続端子15bの終端部の領域のレジスト材は残り、それ以外の部分、例えば、ソケット20の被接続端子22により圧着される領域のレジスト材は除去される。このようにして、配線パターンを保護する保護レジスト17及び保護部材12が基板11の両面に形成される。図11(b)は、保護レジスト17及び保護部材12が基板11の表面上に形成された状態を示す平面図である。このようにして、機能拡張装置10の基板が完成する。工程104が実施された後、種々のICチップ18が基板11上に搭載され、配線パターンと接続されることで、機能拡張装置10は完成する。
ここで、図11(b)を見ると、工程P103において露光された領域Area1及び露光されなかった領域Area2が破線で示されている。具体的には、領域Area1は、配線パターン16が形成された領域及び第2の接続端子15bの終端部の領域であり、領域Area2は、ソケット20の被接続端子22により圧着される第2の接続端子15bの一部領域、及び、第1の接続端子15aの全領域である。ネガマスク62は、領域Area1が露光されるように、かつ、領域Area2が露光されないように、パターン形成されている。このようにパターン形成されたネガマスク62を用いることにより、配線パターン16が形成された領域と第2の接続端子15bの終端部の領域とに塗布されたレジスト材61のみを一括して硬化することが可能となる。
以上に述べたことから分かるように、実施形態に係る機能拡張装置の製造方法では、配線パターンを保護する保護レジストの形成と保護部材の形成とが一括して行われているため、保護部材を形成するために特別な工程を新たに設ける必要はない。また、保護部材の位置や形状がどのようなものであっても、保護部材の位置や形状に応じてパターン形成されたネガマスクを用いさえすれば、保護部材の位置や形状によって工程が増加する恐れはない。従って、実施形態に係る機能拡張装置の製造方法によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子の配列方法やそれぞれの接続端子の幅がどのようなものであっても、一般的な機能拡張装置の製造方法と比較して、製造工程を増やすことなく、第2の接続端子の終端部のみに保護部材を設けることが可能である。
(適用例)
ここで、上述の各実施形態に係る機能拡張装置の適用例について説明する。先にも述べたが、実施形態に係る機能拡張装置の例としては、例えば、電源モジュール、メモリモジュール、CPUモジュールやネットワークカード等が挙げられる。これらの機能拡張装置においては、電子装置との接続が冗長化された信号線が接続される接続端子(以下、単に「冗長化された接続端子」と称する)の例として、電源端子やグランド端子、電子装置と基板11上の部品のいずれとも接続されない非接続端子(NC(Not Connected)端子)が挙げられる。
ここで、上述の各実施形態に係る機能拡張装置の適用例について説明する。先にも述べたが、実施形態に係る機能拡張装置の例としては、例えば、電源モジュール、メモリモジュール、CPUモジュールやネットワークカード等が挙げられる。これらの機能拡張装置においては、電子装置との接続が冗長化された信号線が接続される接続端子(以下、単に「冗長化された接続端子」と称する)の例として、電源端子やグランド端子、電子装置と基板11上の部品のいずれとも接続されない非接続端子(NC(Not Connected)端子)が挙げられる。
まず、機能拡張装置の一例として、電源モジュールであるDC/DCコンバータに実施形態を適用した例について述べる。
図13は、A Server System Infrastructure Specification(SSI仕様)におけるA−D2D規格に沿ったDC/DCコンバータモジュールの接続端子(Pin)アサイン表の一例を示している。図13において、「48Vin」、「Vout+」で示される接続端子が電源端子であり、「48Vrtn」、「Vout−」で示される接続端子がグランド端子である。また、「Reserved」で示される接続端子がNC端子である。図13に示す接続端子アサイン表においては、これらの接続端子を太枠で囲んで示している。図13に示す例では、総数36個の接続端子のうち、電源端子、グランド端子、NC端子は26個存在する。図13を見ると分かるように、電源端子、グランド端子、NC端子については、それぞれ複数の接続端子が割り当てられている。従って、電源端子、グランド端子、NC端子は、冗長化されているといえる。一方、それ以外の接続端子、即ち、電源端子、グランド端子、NC端子のいずれでもない通常の信号線が接続される接続端子は10個ある。図13に示す例では、通常の信号線が接続される接続端子はそれぞれ、当該接続端子以外の他のいずれの接続端子にも同じ信号線の接続が割り当てられていないため、冗長化されていないといえる。なお、ここで、第1実施形態で述べたような互いに幅の異なる接続端子を形成する場合には、端子番号1〜3、4〜5、13〜14、16〜17などのように同じ信号線が接続されるもの同士で1つの接続端子が形成されることとなる。
従って、SSI仕様におけるA−D2D規格に沿ったDC/DCコンバータモジュールでは、7割程度の接続端子が冗長化された接続端子であるといえる。この場合、これらの冗長化された接続端子の終端部に保護部材を設けることにより、コネクタ部をソケットに挿入する際に必要な挿入力を、全く保護部材を設けないときの3割程度にまで低減することができる。
次に、機能拡張装置の他の例として、メモリモジュールであるメモリモジュールの一例
であるDual Inline Memory Module(DIMM)に実施形態を
適用した例について述べる。
であるDual Inline Memory Module(DIMM)に実施形態を
適用した例について述べる。
図14(a)は、DIMMの平面図の一例であり、図14(b)は、168個の接続端子を有するDIMMの接続端子(Pin)アサイン表の一例を示している。
図14(a)に示すDIMMの一例では、基板51におけるコネクタ部53に、接続端子55が設けられている。第1の接続端子55aは、冗長化されていない接続端子であり、第2の接続端子55bは、冗長化された接続端子である。このDIMMの例においても、第2の接続端子55bの終端部のみに保護部材12を設けるとすることにより、実施形態と同様の効果を得ることができる。
図14(b)において、「VDD」は電源端子を示し、「Vss」はグランド端子を示し、「NC」はNC端子を示している。図14(b)に示す接続端子アサイン表においては、これらの接続端子を太枠で囲んで示している。図14(b)に示す例では、総数168個の接続端子のうち、電源端子、グランド端子、NC端子は48個ある。電源端子、グランド端子、NC端子については、それぞれ複数の接続端子が割り当てられている。従って、電源端子、グランド端子、NC端子は冗長化されているといえる。一方、電源端子、グランド端子、NC端子のいずれでもない接続端子は120個ある。図14に示す例では、電源端子、グランド端子、NC端子のいずれでもない接続端子はそれぞれ、当該接続端子以外の他のいずれの接続端子にも同じ信号線の接続が割り当てられていないため、冗長化されていないといえる。
従って、168個の接続端子を有するDIMMでは、3割程度の接続端子が冗長化された接続端子であるといえる。この場合、これらの冗長化された接続端子の終端部に保護部材12を設けることにより、コネクタ部をソケットに挿入する際に必要な挿入力を、全く保護部材を設けないときの7割程度にまで低減することができる。
なお、上述の実施形態を適用可能な例としては、DC/DCコンバータモジュールやDIMMには限られない。冗長化された接続端子を有する機能拡張装置であれば、上述の実施形態を適用することが可能であるのは言うまでもない。また、例えば、ファイバチャネルアダプタカードやサウンドカードなどの他のPCIカードや、ROMカートリッジなどのように、冗長化された接続端子を有さない機能拡張装置であっても、将来のデータバス拡張に備えて、NC端子を新たに設ける場合がある。この場合には、新たに設けられるNC端子の終端部に保護部材を設けることにより、全く保護部材を設けない場合と比較して、挿入力を軽減することができる。
また、実施形態は、上述した実施形態の例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される第1の接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される第2の接続端子と、
前記第2の接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有することを特徴とする機能拡張装置。
(付記2)
前記第1の接続端子は、前記ソケットが有する1つの被接続端子のみと接続され、
前記第2の接続端子は、前記ソケットが有する複数の被接続端子と接続されることを特徴とする付記1記載の機能拡張装置。
(付記3)
前記第2の接続端子は、前記基板の端部において、前記第1の接続端子の幅よりも広い幅を有していることを特徴とする付記2記載の機能拡張装置。
(付記4)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に第1の信号線が接続される接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子と、
前記非接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有することを特徴とする機能拡張装置。
(付記5)
電子装置と、前記電子装置と接続されることにより前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置を備えた電子装置システムにおいて、
前記機能拡張装置は、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される第1の接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される第2の接続端子と、
前記第2の接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有し、
前記電子装置は、
前記第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子と、前記第2の接続端子に対応して設けられた第2の接続端子を備えたソケットを有することを特徴とする電子装置システム。
(付記6)
前記第1の接続端子は、前記ソケットが有する1つの被接続端子のみと接続され、
前記第2の接続端子は、前記ソケットが有する複数の被接続端子と接続されることを特徴とする付記5記載の電子装置システム。
(付記7)
前記第2の接続端子は、前記基板の端部において、前記第1の接続端子の幅よりも広い幅を有していることを特徴とする付記6記載の電子装置システム。
(付記8)
電子装置と、前記電子装置と接続されることにより前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置を備えた電子装置システムにおいて、
前記機能拡張装置は、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子と、
前記非接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有し、
前記電子装置は、
前記第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子を備えたソケットを有することを特徴とする電子装置システム。
(付記9)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、
前記基板の表面に配線パターンを形成するとともに、前記基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、
前記基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材が塗布された前記基板の表面の領域のうち、前記配線パターンが形成された領域に塗布された前記レジスト材と、前記複数の接続端子のうち前記電子装置との間を冗長に接続する信号線が接続される接続端子の領域のみに塗布された前記レジスト材を一括して硬化する工程を有することを特徴とする機能拡張装置の基板の製造方法。
(付記10)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、
前記基板の表面に配線パターンを形成するとともに、前記基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、
前記基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材が塗布された前記基板の表面の領域のうち、前記配線パターンが形成された領域に塗布された前記レジスト材と、前記複数の接続端子のうち前記電子装置に接続されない非接続端子の領域のみに塗布された前記レジスト材を一括して硬化する工程を有することを特徴とする機能拡張装置の基板の製造方法。
(付記1)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される第1の接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される第2の接続端子と、
前記第2の接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有することを特徴とする機能拡張装置。
(付記2)
前記第1の接続端子は、前記ソケットが有する1つの被接続端子のみと接続され、
前記第2の接続端子は、前記ソケットが有する複数の被接続端子と接続されることを特徴とする付記1記載の機能拡張装置。
(付記3)
前記第2の接続端子は、前記基板の端部において、前記第1の接続端子の幅よりも広い幅を有していることを特徴とする付記2記載の機能拡張装置。
(付記4)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に第1の信号線が接続される接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子と、
前記非接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有することを特徴とする機能拡張装置。
(付記5)
電子装置と、前記電子装置と接続されることにより前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置を備えた電子装置システムにおいて、
前記機能拡張装置は、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される第1の接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される第2の接続端子と、
前記第2の接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有し、
前記電子装置は、
前記第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子と、前記第2の接続端子に対応して設けられた第2の接続端子を備えたソケットを有することを特徴とする電子装置システム。
(付記6)
前記第1の接続端子は、前記ソケットが有する1つの被接続端子のみと接続され、
前記第2の接続端子は、前記ソケットが有する複数の被接続端子と接続されることを特徴とする付記5記載の電子装置システム。
(付記7)
前記第2の接続端子は、前記基板の端部において、前記第1の接続端子の幅よりも広い幅を有していることを特徴とする付記6記載の電子装置システム。
(付記8)
電子装置と、前記電子装置と接続されることにより前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置を備えた電子装置システムにおいて、
前記機能拡張装置は、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子と、
前記非接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有し、
前記電子装置は、
前記第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子を備えたソケットを有することを特徴とする電子装置システム。
(付記9)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、
前記基板の表面に配線パターンを形成するとともに、前記基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、
前記基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材が塗布された前記基板の表面の領域のうち、前記配線パターンが形成された領域に塗布された前記レジスト材と、前記複数の接続端子のうち前記電子装置との間を冗長に接続する信号線が接続される接続端子の領域のみに塗布された前記レジスト材を一括して硬化する工程を有することを特徴とする機能拡張装置の基板の製造方法。
(付記10)
電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、
前記基板の表面に配線パターンを形成するとともに、前記基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、
前記基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材が塗布された前記基板の表面の領域のうち、前記配線パターンが形成された領域に塗布された前記レジスト材と、前記複数の接続端子のうち前記電子装置に接続されない非接続端子の領域のみに塗布された前記レジスト材を一括して硬化する工程を有することを特徴とする機能拡張装置の基板の製造方法。
10、10a 機能拡張装置
11 基板
15a、45a 第1の接続端子
15b、45b 第2の接続端子
20 ソケット
22 接点
12、42 保護部材
11 基板
15a、45a 第1の接続端子
15b、45b 第2の接続端子
20 ソケット
22 接点
12、42 保護部材
Claims (10)
- 電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される第1の接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される第2の接続端子と、
前記第2の接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有することを特徴とする機能拡張装置。 - 前記第1の接続端子は、前記ソケットが有する1つの被接続端子のみと接続され、
前記第2の接続端子は、前記ソケットが有する複数の被接続端子と接続されることを特徴とする請求項1記載の機能拡張装置。 - 前記第2の接続端子は、前記基板の端部において、前記第1の接続端子の幅よりも広い幅を有していることを特徴とする請求項2記載の機能拡張装置。
- 電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置において、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に第1の信号線が接続される接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子と、
前記非接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有することを特徴とする機能拡張装置。 - 電子装置と、前記電子装置と接続されることにより前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置を備えた電子装置システムにおいて、
前記機能拡張装置は、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される第1の接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を冗長に接続する第2の信号線が接続される第2の接続端子と、
前記第2の接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有し、
前記電子装置は、
前記第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子と、前記第2の接続端子に対応して設けられた第2の接続端子を備えたソケットを有することを特徴とする電子装置システム。 - 前記第1の接続端子は、前記ソケットが有する1つの被接続端子のみと接続され、
前記第2の接続端子は、前記ソケットが有する複数の被接続端子と接続されることを特徴とする請求項5記載の電子装置システム。 - 前記第2の接続端子は、前記基板の端部において、前記第1の接続端子の幅よりも広い幅を有していることを特徴とする請求項6記載の電子装置システム。
- 電子装置と、前記電子装置と接続されることにより前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置を備えた電子装置システムにおいて、
前記機能拡張装置は、
部品が実装される基板と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品間を1対1に接続する第1の信号線が接続される接続端子と、
前記基板の端部に形成されるとともに、前記電子装置と前記部品のいずれとも接続されない非接続端子と、
前記非接続端子のみを覆うように形成された保護部材を有し、
前記電子装置は、
前記第1の接続端子に対応して設けられた第1の接続端子を備えたソケットを有することを特徴とする電子装置システム。 - 電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、
前記基板の表面に配線パターンを形成するとともに、前記基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、
前記基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材が塗布された前記基板の表面の領域のうち、前記配線パターンが形成された領域に塗布された前記レジスト材と、前記複数の接続端子のうち前記電子装置との間を冗長に接続する信号線が接続される接続端子の領域のみに塗布された前記レジスト材を一括して硬化する工程を有することを特徴とする機能拡張装置の基板の製造方法。 - 電子装置が有するソケットに挿入することにより前記電子装置と接続され、前記電子装置の機能を拡張する機能拡張装置の基板の製造方法であって、
前記基板の表面に配線パターンを形成するとともに、前記基板の端部に複数の接続端子を形成する工程と、
前記基板の表面にレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材が塗布された前記基板の表面の領域のうち、前記配線パターンが形成された領域に塗布された前記レジスト材と、前記複数の接続端子のうち前記電子装置に接続されない非接続端子の領域のみに塗布された前記レジスト材を一括して硬化する工程を有することを特徴とする機能拡張装置の基板の製造方法。
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