JP2010086638A - 抵抗変化型メモリデバイス、および、その動作方法 - Google Patents

抵抗変化型メモリデバイス、および、その動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路素子のバラツキを、抵抗変化検出の結果でキャンセル可能にする。
【解決手段】トンネル磁気抵抗素子TMRを含むメモリセルMCと、駆動回路5Aを有する。駆動回路5Aは、異なる第1抵抗R1および第2抵抗R2を含み、給電ノードNdに印加する駆動電圧Vbiasを、第1抵抗R1または第2抵抗R2に一定電流Icを流すことによって発生させる。駆動回路5Aは、駆動電圧Vbiasが発生する電圧発生抵抗と、セル電流に応じて低下する給電ノードNdの電位を補償するプルアップ抵抗とを、第1抵抗R1と第2抵抗R2で差動的に切り替える。
【選択図】図8

Description

本発明は、抵抗変化型のメモリセルと、当該メモリセルの駆動回路と、駆動時に前記メモリセルに流れるセル電流に応じた電圧をセンスするセンス回路とを有する抵抗変化型メモリデバイスに関する。また、本発明は、データ読み出しやデータ書き込み後のベリファイ読み出しに適した抵抗変化型メモリデバイスの動作方法に関する。
抵抗変化型メモリとして、例えばMRAM(Magneto-resistive Random Access Memory)やスピン注入メモリ(Spin RAM(Random Access Memory)とも呼ぶ)が挙げられる。
抵抗変化型メモリは、記憶素子の抵抗をスレッショルド値と比較して論理値を読み出す方法が一般的である。
しかし、抵抗変化が小さい場合や、素子バラツキにより、とり得る抵抗値の範囲が広い場合、これらの要因によるノイズ成分が大きい。このため、抵抗変化型メモリは、記憶データの論理(“1”と“0”)を十分なマージンを持って読み出すことが難しい。
対策の一つとして、読み出し動作のS/N比を上げるために、高めのバイアス電圧を印加して記憶素子を流れる電流を測定することが考えられる。
しかし、MRAMやスピン注入メモリ、あるいは、RRAM(Resistance Random Access Memory)に用いられるような薄膜絶縁体の透過電流に依存する抵抗記憶素子の場合、一般にはバイアス電圧が高すぎると、記憶データの論理の違い(“1”と“0”)に応じた電流差が小さくなる。このため、バイアス電圧を高くすることは、S/N比改善の解決策にならない。
そこで、抵抗記憶素子に既知のデータを書き込んで、読み出す方法が知られている(例えば、特許文献1の[従来の技術]参照)。この方法は、破壊読出しとして知られ、少なくとも以下の4つのステップを含む。
(1)ステップ1:印加電圧に応答して、メモリセル内のセンス電流の大きさを測定する。
(2)ステップ2:ある既知の状態をメモリセルに書き込む。
(3)ステップ3:ステップ1と同じ印加電圧に応答して流れるセンス電流の大きさを測定する。
(4)ステップ4:最初の測定と2度目の測定におけるセンス電流の大きさの比較に基づいて、当該ビットの本来の論理状態を判定する。
ステップ4で判定されるメモリセルの本来の状態が、ステップ2においてセルに書き込まれる状態と異なる場合、さらなる書き込み動作を行って、メモリセルをその本来の状態に戻す、書き直し動作を行う。
さらに、特許文献1には、このような場合にも安定して読み出しを行う方法として、大小の2つの電圧で電流をセンスして、その電流比から論理値判定をする方法が開示されている。この方法は、特許文献1の第8図と、関連する明細書の記載に開示されている。
特許文献1には、この方法によれば、電流比に対してスレッショルド値を設けて、論理値を読み出すので、高いバイアス電圧で読み出した場合にもS/N比を高くして読み出しができると記述されている。
特開2003−228993号公報
破壊読出しの欠点は、書き戻し動作が必要であり、書き込み回数制限がある場合には読み出し回数も制限を受けることになることである。また、破壊読出しでは高速読み出しの要請に応えることができない。
特許文献1は、その第8図に開示された方法を実現するための具体的な回路の開示がない。
一般に、電圧V1と電圧V2を正確な電圧比で発生させ、かつ、電流I1と電流I2を正確に読み出す回路を、メモリ駆動回路という、設置場所が限られた用途向けに実現することは困難である。また、この回路を簡素な構成で実現できたとしても、回路素子のバラツキに起因するS/N比は、記憶素子の抵抗変化を読み出すには不十分となる懸念がある。
本発明は、異なる第1電圧と第2電圧を発生するときの回路素子のバラツキを、抵抗変化検出の結果においてキャンセル可能な回路構成を有する抵抗変化型メモリデバイスを提供する。
また、本発明は、回路素子のバラツキを、抵抗変化検出の結果においてキャンセル可能な手順を含む、抵抗変化型メモリの駆動方法を提供する。
本発明に関わる抵抗変化型メモリデバイスは、抵抗変化型のメモリセルと、駆動回路と、センス回路と、を有する。
前記駆動回路は、抵抗値が異なる第1抵抗および第2抵抗を含み、当該第1抵抗または第2抵抗に一定電流を流すことによって、前記メモリセルの給電ノードに印加する駆動電圧を発生させる。また前記駆動回路は、駆動電圧が発生する電圧発生抵抗と、前記メモリセルに流れるセル電流に応じて低下する前記給電ノードの電位を補償するプルアップ抵抗とを、前記第1抵抗と前記第2抵抗で差動的に切り替える。
前記センス回路は、一方端が電源電圧にプルアップされた前記プルアップ抵抗の他方端側で電圧をセンスする。ここで「他方端側」はプルアップ抵抗の端子そのものに限定されない。プルアップ抵抗の他方端に対し、他の素子(種類、個数に制限なし)を介して接続される所定ノードを、この「他方端側」とすることが許容される。
かかる構成の抵抗変化型メモリデバイスでは、センス回路の検出電圧は、電源電圧からプルアップ抵抗に電流が流れたときの電圧ドロップに依存する。そのプルアップ抵抗に流れる電流は、一定に制御される駆動電圧の駆動力によりメモリセルに流れたセル電流である。そして、駆動電圧は、その発生時に第1抵抗または第2抵抗に依存した値を有する。
駆動回路は、この駆動電圧を発生するときに用いる電圧発生抵抗と、プルアップ抵抗とを第1抵抗と第2抵抗で差動的に切り替えている。したがって、第1抵抗を電圧発生抵抗とする場合と、逆に、第2抵抗を電圧発生抵抗とする場合とで、得られる2つの出力は、共に、第1抵抗と第2抵抗の両方に依存した値となる。
抵抗変化型のメモリセルは、記憶データの論理に応じてセル抵抗が違うため、駆動電圧の大きさを第1電圧と第2電圧で変えた場合にセンス回路の入力で得られる2つの電圧の差が、記憶データの論理の違いによって変化する。
しかし、本発明の駆動回路による差動的な駆動によって、このときの電圧差においては第1抵抗の影響と第2抵抗の影響が共にキャンセルされる。
本発明に関わる抵抗変化型メモリデバイスの動作方法は、以下の、5つのステップを含む。
(1)第1ステップ:第1抵抗に一定電流を流すことにより第1駆動電圧を発生し、発生した前記第1駆動電圧を抵抗変化型のメモリセルに印加する。
(2)第2ステップ:前記第1抵抗と異なる抵抗値の第2抵抗に、前記第1ステップで前記第1駆動電圧の印加によって生じるセル電流を流し、当該第2抵抗の電圧ドロップから第1検出電圧を得る。
(3)第3ステップ:前記第2抵抗に前記一定電流を流すことにより第2駆動電圧を発生し、発生した前記第2駆動電圧を前記メモリセルに印加する。
(4)第4ステップ:前記第3ステップで前記第2駆動電圧の印加によって生じるセル電流を前記第1抵抗に流し、当該第1抵抗の電圧ドロップから第2検出電圧を得る。
(5)第5ステップ:得られた前記第1検出電圧と前記第2検出電圧の差電圧の大きさから、前記メモリセルの記憶ビットの論理を判定する。
本発明に関わる抵抗変化型メモリデバイスと、その動作方法によれば、異なる第1電圧と第2電圧を発生するときの回路素子のバラツキを、抵抗変化検出の結果においてキャンセルすることができる。
本発明のデバイス構成、特に駆動回路の構成や動作方法は、主として記憶データの読み出しに関係する。したがって、以下に説明する記憶データの読み出しの基本は、スピン注入メモリに限らず、MRAMやARAMなど、可変抵抗型のメモリデバイス一般に、広く適用可能である。
以下、本発明の実施形態を、スピン注入メモリを例として図面を参照して説明する。
スピン注入メモリは、磁性体に注入されたスピン偏極した伝導電子と、磁性体で磁化を担っている電子スピンとの相互作用によって、磁性体の磁化状態が変化する現象を応用したメモリである。この現象は、スピントランスファ磁化反転と呼ばれている。
メモリ素子であるトンネル磁気抵抗素子(以下、TMRと記す)について説明する。
トンネル磁気抵抗素子TMRは、図1に示すように、トンネルバリア層101で隔たれた2枚の磁性体層からなる積層体が基本構造である。
磁性体層は、磁化状態が変化しないように設計された磁化固定層102、および、磁化固定層102の磁化方向に対して平行もしくは非平行が安定な磁化状態となるように設計された自由層103からなる。
2枚の磁性体層(磁化固定層102および自由層103)を持つ積層膜は、それらの磁化のなす角度によって導電率が変化する磁気抵抗効果(MR効果)を示す。
メモリデータの書き込みは、ある方向に磁化が固定された磁化固定層102を通過するスピン偏極電子が、自由層103に進入する際にその磁性層(自由層103)にトルクを与えることを利用したものである。このとき、あるしきい値以上の書き込み電流を流せば自由層103の磁化が反転する。異なる論理(“1”と“0”)のデータ書き込みは、書き込み電流の極性を変えることにより達成される。
この反転のための書き込み電流の絶対値は、0.1[μm]程度のスケールのサイズを有する素子で数[mA]以下である。しかも、書き込み電流は、素子体積に比例して減少するため素子をスケーリングしても書き込み電流が増えることがなく、むしろ減少するため有利である。
メモリデータの読み出しは、MRAMと同様、図1に示す積層体の両端子に所定の読み出し電圧を印加し、MR効果によって自由層103の磁化方向に応じて変化した抵抗に依存する電流を出力することで行われる。このときトンネル磁気抵抗素子TMR内で流れるトンネル電流によるMR効果をTMR効果と言う。
図2に、トンネル磁気抵抗素子TMRを応用したスピン注入メモリのセル構成を示す。また、図3に、メモリセルの等価回路図を示す。
図2および図3に図解されているメモリセルMCは、1つのトンネル磁気抵抗素子TMRと、1つのセレクトトランジスタSTとを有する。
トンネル磁気抵抗素子TMRの一端がビット線BLに接続され、他端がセレクトトランジスタSTのドレインに接続され、セレクトトランジスタSTのソースがソース線SLに、ゲートがワード線WLにそれぞれ接続されている。
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気的特性について説明する。
トンネル磁気抵抗素子TMRは、トンネル電流が流れることによりスピントランスファ磁化反転が生じ、これにより電気的メモリ特性、即ち抵抗値のヒステリシス特性が変化する。
図4(A1)〜図4(A3)は、素子の電流−電圧特性(ヒステリシス特性)を示すグラフである。図4(A1)がTMR単体の特性、図4(A2)がセレクトトランジスタST(MOSトランジスタ)単体の特性、図4(A3)が、両者が直列接続されたメモリセルMCの特性を示す。
また、図4(B1)〜(B3)は、それぞれTMR単体、ST単体、MCの場合において、上記ヒステリシス特性を抵抗と電圧の関係で示すグラフである。
さらに、図5には、図4(A1)に示すグラフの一部を拡大し、かつ、模式的に示す図である
図1を参照すると、磁化固定層102から自由層103に電流を流す方向が図4(A1)〜図4(A3)および図5の縦軸に示す電流Iの正方向である。自由層103の電位を基準に磁化固定層102に正または負の電圧を与えたのが、図4および図5の横軸に示す印加電圧Vである。
I−V特性は、例えば図5に拡大して示すように、ゼロクロスして傾きが相対的に大きな低抵抗状態と、ゼロクロスして傾きが相対的に小さい高抵抗状態とが存在する。低抵抗状態にあるときに印加電圧Vを増加すると、例えば印加電圧Vが+0.5〜+1[V]の間のある電圧で、図5に示す矢印Ahのように状態変化(高抵抗遷移)が生じる。
また、高抵抗状態にあるとき印加電圧Vを減らすと、例えばセル電圧が−0.5〜−1.0[V]の間のある電圧で、図5に示す矢印Alのようにもう一つの状態変化(低抵抗遷移)が生じる。
セル動作では、印加電圧印加電圧Vを+1.0[V]にすることで高抵抗遷移、−1[V]にすることで低抵抗遷移を制御する。
以上の電気的特性から、2つの状態を2値データに対応させると、データ反転が可能であるため、メモリデータの書き込み動作が可能なことが分かる。具体的には、例えば印加電圧Vを+1.0[V]にすることにより“0”データの書き込み(Write0)が可能であり、逆に、印加電圧を−1.0[V]にすることにより“1”データの書き込み(Write1)が可能である。
図4(A1)や図5のI−V特性から、図4(B1)のR−V特性が得られる。
R−V特性で分かるように、抵抗変化の割合はV=0[V]で最大である。ただし、V=0[V]では電流が流れないため、印加電圧Vをゼロ点から少しずらしたバイアス点(例えばV=10[mV])で読み出し動作を行うとする。
このとき素子抵抗が[kΩ]オーダーであるため、読み出し電流の絶対値が[μA]オードとなり、極めて小さい。その結果、検出結果でS/N比がとれず誤動作の危険がある。
そこで、メモリデータの読み出し動作では、通常、磁気抵抗比(MR比)がある程度小さくてもS/N比が十分に高くなる電圧、例えば0.3[V]程度をメモリセルに印加する。そして、このとき、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値が書き込み状態によって違いがあるため、この抵抗値を読み出すことにより、高抵抗状態(“0”データの書き込み状態)か、低抵抗状態(“1”データの書き込み状態)かの判別が可能である。
以上は、Write0(高抵抗遷移)側で読み出しを行う場合であるが、Write1(低抵抗遷移)でも同様に、例えば−0.3[V]の印加電圧で読み出しが可能である。
その際、読み出す抵抗値の差が大きければ、それだけデータ判別の容易性が高いため、読み出し時の印加電圧(読み出し電圧)が絶対値で大きいほど好ましい。
読み出し電圧の絶対値を大きくすると、状態遷移を生じさせる遷移電圧とのマージンが取れなくなり、同一ビット線に接続されているメモリセルで誤書込みが生じる可能性がある(リードディスターブ)。リードディスターブ防止のためには、読み出し時に印加電圧を精密に制御する必要がある。また、MR比に印加電圧依存性がある場合、最適なMR比を確保した条件で読み出し動作を行う必要がある。
図4(A2)のようなMOSトランジスタのI−V特性が、図4(B2)のようにR−V特性に影響する。したがって、図4(B3)のように低抵抗側の抵抗値が電圧依存性をもつ特性となる。
このことから、TMR単体のMR比より、メモリセルMCのMR比はさらに小さいものとなる。
ここでセレクトトランジスタSTやトンネル磁気抵抗素子TMRなどの素子はセルごとに特性がばらつく。検出結果にノイズが重畳することもある。
このような素子特性のバラツキやノイズを抑制する最も簡単な方法は、異なるバイアス設定で2回の測定を行い、その測定結果の比をとることである。測定結果の比をとると、その比の分子と分母で上記素子特性のバラツキやノイズがキャンセルされ、得られた比は、それらの影響が除去されたものとなる。
そのような観点から、測定結果の比をとる読み出し方法は既に知られている。
つぎに、この方法を<比較例>として説明する。
<比較例>
図6は、比較例の読み出し方法を示すフローチャートである。
ステップST100において、図5の(Read)付近の第1電圧V1をメモリセルMCのビット線BLに与えて、ワード線WLの電圧を活性レベル(“H”)にする(図3参照)。
ステップST101では、第1電圧V1で駆動されたメモリセルMCを流れるセル電流I1を測定する。この測定は、例えば、電流を電圧に変換して、クランプ回路等でそのDCレベルを保持する。
ステップST102では、図5の(Read)付近で第1電圧V1と異なる値の第2電圧V2を、ステップST100で第1電圧V1を与えたと同じビット線BLに与え、同様に、同じワード線WLを再度オン(“H”に)する。
ステップST103では、第2電圧V2で駆動されたメモリセルMCに流れる電流I2を、ステップST101と同様な回路で測定する。
ステップST104では、測定し終えた電流I2と、保持している電流I1とを同時に演算器、その他の回路手段に入力し、電流比(I1/I2)を求める。
ステップST105では、求めた電流比(I1/I2)を、所定のスレッショルド値Tと比較する。そして、この電流比がTより大きければ記憶データの論理が“1”、電流比がT以下なら当該論理が“0”であると判断する。
しかしながら、この方法では、第1電圧V1と第2電圧V2の大きさのバラツキが、電流比(I1/I2)のバラツキとなって現れる。第1電圧V1と第2電圧V2は、一般に、メモリ周辺回路において、入力される電源電圧から発生する。しかし、メモリ周辺回路は、その設置スペース等に制約があり、精密な電圧発生回路とならない場合も多い。
よって、単に図6のような手順の開示だけでは、このような電圧発生の誤差要因が、読み出し動作で排除できないという改善点が解決されていない。
本発明の実施形態は、このような電圧発生回路の誤差要因を読み出し動作で排除する手法と、その実現回路を提示する。
以下、この解決策を含む、より詳細な実施形態を、図面に沿って説明する。
《第1実施形態》
図7に、読み出し方法のフローチャートを示す。
図7に示すように、第1実施形態に関わる動作方法は、以下の5つのステップを含む。
(1)第1ステップST1:
第1抵抗R1に一定電流Icを流すことにより第1駆動電圧Vbias1を発生する。発生した第1駆動電圧Vbias1を抵抗変化型のメモリセルMCに印加する。
(2)第2ステップST2:
第1ステップST1で第1駆動電圧Vbias1の印加によって生じるセル電流I1を、第1抵抗R1と異なる抵抗値の第2抵抗R2に流す。このとき発生する第2抵抗R2の電圧ドロップ(R2*I1)から第1検出電圧Vout_aを得る。
(3)第3ステップST3:
第2抵抗R2に一定電流Icを流すことにより第2駆動電圧Vbias2を発生する。発生した第2駆動電圧Vbias2をメモリセルMCに印加する。
(4)第4ステップST4:
第3ステップST3で第1駆動電圧Vbias_aの印加によって生じる電流I2を、第1抵抗R1に流す。当該第1抵抗の電圧ドロップから第2検出電圧Vout_bを得る。
(5A)第5ステップST5(前半):
ステップST5aにおいて、得られた第1検出電圧Vout_aと第2検出電圧Vout_bの差電圧を計算する。この差電圧の計算では、例えば、大きい検出電圧から小さい検出電圧を引く。
ここで、第1検出電圧Vout_aと第2検出電圧Vout_bを、単一の電源電圧でバイアスさせた状態で得るとする。そのときの差電圧は、電圧ドロップの差、即ち“(R2*I1)−(R1*I2)”と同じである。つまり、本実施形態では、バイアス点が異なる2つの検出電圧を得るのに、単一の電源電圧が使用可能である。
また、電流I1を得たときにメモリセルMCに印加した第1駆動電圧Vbias1が第1抵抗R1に比例したものであるため、電流I1は第1抵抗R1の変動成分を含んでいる。同様に、電流I2を得たときにメモリセルMCに印加した第2駆動電圧Vbias2が第2抵抗R2に比例したものであるため、電流I2は第2抵抗R2の変動成分を含んでいる。
よって、電圧ドロップの差“(R2*I1)−(R1*I2)”において、第1抵抗R1の変動成分と、第2抵抗R2の変動成分が、共にキャンセルされる。
(5B)第5ステップST5(後半):
得られた電圧ドロップの差を、所定のスレッショルド値Tと比較する。スレッショルド値Tは、マージンに相当するものであり、
2つの電圧ドロップがマージン(T)より大きく離れていたら、例えば、記憶データの論理が“1”であると判断する。一方、2つの電圧ドロップの差がマージン(T)以下なら、抵抗差なしとして記憶データの論理が“0”と判断する。
なお、スレッショルド値T=0でマージン無しとすると、2つの電圧ドロップの大小関係を純粋に比較することになる。スレッショルド値Tの設定は任意である。
以上のようにして、差電圧から、メモリセルMCの記憶ビットの論理が判定されると、処理が終了する。
この方法によるバラツキ成分のキャンセルは、後述の、より具体的な実施形態で第1抵抗R1と第2抵抗R2のバラツキ成分のキャンセルを例として説明する。ただし、例えば一定電流Icにバラツキ成分があっても、差電圧の演算ならキャンセルされる。
この方法によれば、符号Ic、R1、R2で示す設計値からばらついたとしても判定結果に与える影響はわずかである。
その結果、図6に示す比較例の方法に比べて安定した動作が可能である。この方法を回路的に実現すると、回路のバラツキの影響を受けにくい回路設計が可能である。
《第2実施形態》
図8は、図3のフローチャートの動作を実証するため駆動回路の一例を示すものである。また、図9は、メモリセルアレイに対する駆動回路の実装や配置の例を示す、デバイスの全体図である。
図9に図解する抵抗変化型メモリデバイス1は、メモリセルアレイ2と、その周辺回路とを有する。
メモリセルアレイ2は、図3に示すメモリセルMCをマトリクス状に配置している。図9では、簡略化のためソース線SLを省いている。メモリセルアレイ2における行(ロウ)方向と列(カラム)方向のセル数は任意である。メモリセルアレイ2の各行(ロウ)はワード線WLを介して選択され、各列(カラム)は、例えば、列ごとの駆動回路5Aに電源を接続して活性化するか、列ごとに駆動回路5Aをビット線BLに接続するかによって選択される。
ロウ選択のためのロウデコーダ(R.DEC)3と、カラム選択のためのカラムデコーダ(C.DEC)4とを周辺回路に含む。
ロウデコーダ3とカラムデコーダ4にはアドレス信号ADRが入力され、その数ビットによってメモリセルアレイ2の選択行が指定され、残りの数ビットによってメモリセルアレイ2の選択列が指定される。
ロウデコーダ3は、アドレス信号ADRによって指定された行のワード線WLを活性化(ここでは“H”)レベルにする。
カラムデコーダ4は、デコード後の結果に基づいて駆動回路5Aを電源に接続する。あるいは、カラムデコーダ4は、不図示のスイッチをオンして、所定のビット線BLを対応する駆動回路5Aに接続する。
この駆動回路5Aは、周辺回路内の駆動回路ブロック5の基本単位として設けられている。駆動回路5Aは1本のビット線BLに対して同じ構成を有し、駆動とデータ出力の機能を併せ持つ回路である。
駆動回路5Aの出力を、ここでは「検出電圧」とよぶ。検出電圧に対して、周辺回路内、または、メモリチップの外部に設けられている手段、例えばマイクロコントローラ(μCON)等によってデータの論理判定がされる。この手段がマイクロコンピュータやCPUなどの場合、プログラムに従って当該手段内で、電圧差を演算し、所定の値と比較するなどの演算が実行される。この手段が回路手段の場合、図9に示すように、遅延部(またはホールド部)61、電圧差の演算を行うオペアンプ62、さらに、所定のスレッショルド値Tと比較する比較器63を含んで、駆動回路5Aが構成される。
このようにプログラム上で記述され、あるいは、回路で実現される記憶データ判別のための構成を、本発明では“センス回路”と呼ぶ。センス回路は、セル電流に応じた出力を電流または電圧としてセンシングする回路である。以下は、電圧センスの場合を例とするため、“電圧センス回路”の呼称を用いる。
駆動回路5Aは、図8に示すように、異なる2つの第1抵抗R1と第2抵抗R2を有する。また、駆動回路5Aは、トランジスタ51、オペアンプ52、キャパシタ53、電流源54、そして、幾つかのスイッチSW1〜SW7を有する。
なお、図解したスイッチは、導通と遮断が制御されるべき配線箇所を示すためのものであり、複数切片のスイッチなどによって自由に組み合わせることで物理的なスイッチ数は削減可能である。
トランジスタ51は、そのソースがビット線BLに接続されている。トランジスタ51のドレインは第1スイッチSW1を介して、図9の電圧センス回路6Aの入力が接続される検出ノードNsに対し接続が制御される。
検出ノードNsと電源線との間に第2スイッチSW2と電流源54が直列に接続されている。
検出ノードNsとGND電位との間に、第3スイッチSW3と「電圧保持部」としてのキャパシタ53が直列接続されている。
オペアンプ52の非反転入力「+」は、第3スイッチSW3とキャパシタ53の接続中点である、電圧保持ノードNvに接続されている。オペアンプ52の反転入力「−」は、トランジスタ51のソースに接続されている。
トランジスタ51のソース、言い換えるとビット線BLの端は、トランジスタ51とオペアンプ52による定電圧制御が行われるノードであり、以下、給電ノードNdと呼ぶ。
オペアンプ52の出力はトランジスタ51のゲートに接続されている。
オペアンプ52は、トランジスタ51のソースに接続された給電ノードNdの電位が、電圧保持ノードNvの電位と等しくなるように、トランジスタ51のソースとゲート間の電圧を制御する。制御終了時には、このソースとゲート間の電圧がトランジスタ51の閾値電圧Vthと等しくなり、トランジスタ51がカットオフ状態に遷移する。
この状態でトランジスタ51が定電圧制御を行うには、トランジスタ51のドレイン側に電荷補償経路が確立されていなければならない。給電ノードNdから電荷が吸い出されると、トランジスタ51が瞬時にオンして、ドレインから電荷を補給し、給電ノードNdの電位を電圧保持ノードNvの電位に戻す制御が実行される。
この定電圧制御では、ビット線BLに流れる電流に応じてトランジスタ51のドレイン電位が決まる。よって、電流−電圧変換が行われ、この電圧が検出ノードNsで電圧センスされる。
第1抵抗R1と第2抵抗R2は、電圧保持ノードNvに与える制御の基準電圧を発生する電圧発生抵抗としての役目と、トランジスタ51のドレインを電源電圧Vddでプルアップして上記電荷補償経路を確保するプルアップ抵抗としての役目がある。
第1抵抗R1と第2抵抗R2の両端に接続された4つのスイッチSW41、SW42、SW51、SW52は、電圧発生抵抗とプルアップ抵抗とを差動的に選択するスイッチ回路を形成している。4つのスイッチSW41、SW42、SW51、SW52で、本発明の「第1の抵抗スイッチ回路」と「第2の抵抗スイッチ回路」が形成されている。「第1の抵抗スイッチ回路」は電圧発生抵抗を切り替える回路であり、「第2の抵抗スイッチ回路」はプルアップ抵抗を切り替える回路である。これら抵抗スイッチ回路の制御は、図9では不図示の制御回路、または、外部のマイクロコンピュータ等の指令に基づいて行われる。
スイッチSW41は検出ノードNsと第1抵抗R1との間に接続され、スイッチSW42は検出ノードNsと第2抵抗R2との間に接続されている。
スイッチSW51は、第1抵抗R1および第2抵抗R2の反検出端側のノードNSxと電源電圧Vddの供給線との間に接続され、スイッチSW52は、反検出端側のノードNSxとGND電位との間に接続されている。
図10(A)〜図10(D)に、具体的な数値を挙げて、駆動回路の動作を示している。
ここで電流源54が流す一定電流Ic=100[μA]、第1抵抗R1:1[k_ohm]、第2抵抗R2:4[k_ohm]とする。
図9(A)に示すように、第1抵抗R1に一定電流Icを流して第1電圧V1=100[μA]*1[k_ohm]=100[mV]の電位をキャパシタ53に蓄積する。この処理は、図7においては、ステップST1での「V1の発生」に相当する。
続いて、第1の読み出しを行う。
図10(B)に示すように、キャパシタ53の保持電圧:V1と等しくなるように、メモリセルMCの給電ノードNdの電位がトランジスタ51およびオペアンプ52によって定電圧制御される。
また、上記定電圧制御の開始と同時に、あるいは、若干前に、プルアップ抵抗が第1抵抗R1から第2抵抗R2に切り替えられる。
このときの給電ノードNdの電圧を“第1駆動電圧Vbias_a”と表す。このときの定電圧制御は、図7のステップST1における“V1の印加”に相当する。
第1駆動電圧Vbias_aでメモリセルMCにセル電流が流れたときの抵抗を符号“Rcell_a”により表す。
検出ノードNsの電位が安定したときに、その値を、第1検出電圧Vout_aと呼ぶ。
第1検出電圧Vout_aは、例えば図9に示す電圧センス回路6A内の遅延部61に入力される。
第1検出電圧Vout_aは、メモリセルMCの抵抗をRx(=Rcell_a)とすると、Vout_a=Vdd−R1*Ic/Rx*R2=Vdd−400/Rxとなる。この第1検出電圧Vout_aの遅延部61への入力は、実質的に“電圧センス”の実行に該当し、図7のステップST2に相当する。
続いて、図10(C)に示すように、電圧発生抵抗を第1抵抗R1から第2抵抗R2に切り替えて、第2抵抗R2に一定電流Icを流す。これにより、第2電圧V2=100[μA]*4[k_ohm]=400[mV]がキャパシタ53に蓄積される。この処理は、図7のステップST3における“V2の発生に”に相当する。
続いて、第2の読み出しを行う。
図10(D)に示すように、キャパシタ53の保持電圧:V2と等しくなるように、メモリセルMCの給電ノードNdの電位がトランジスタ51およびオペアンプ52によって定電圧制御される。
また、上記定電圧制御の開始と同時に、あるいは、若干前に、プルアップ抵抗が第2抵抗R2から第1抵抗R1に切り替えられる。
このときの給電ノードNdの電圧を“第2駆動電圧Vbias_b”と表す。このときの定電圧制御は、図7のステップST3における“V2の印加”に相当する。
第2駆動電圧Vbias_bでメモリセルMCにセル電流が流れたときの抵抗を符号“Rcell_b”により表す。
検出ノードNsの電位が安定したときに、その値を、第2検出電圧Vout_bと呼ぶ。
第2検出電圧Vout_bは、例えば図9に示す電圧センス回路6A内のオペアンプ62に入力される。
第2検出電圧Vout_bは、メモリセルMCの抵抗をRy(=Rcell_b)とすると、Vout_b=Vdd−R2*Ic/Ry*R1=Vdd−400/Ryとなる。この第2検出電圧Vout_bのオペアンプ62への入力は、実質的に“電圧センス”の実行に該当し、図7のステップST4に相当する。
オペアンプ62の入力に、第1検出電圧Vout_aと第2検出電圧Vout_bが揃うと、オペアンプ62が両者の大きい方から小さい法を引いて、差電圧を出力する。この演算は、図7のステップST5aに該当する。
続いて、図9の比較器63が、オペアンプ62の出力である差電圧を、所定のスレッショルド値Tと比較する。
この比較の結果、たとえば、第2検出電圧Vout_bが第1検出電圧Vout_aよりスレッショルド値T以上(たとえば10[mV]以上)小さい場合にトンネル磁気抵抗素子TMRが高抵抗状態にあるため、記憶データが“1”であると判定する。また、第2検出電圧Vout_bと第1検出電圧Vout_aの差がスレッショルド値T未満のときは、トンネル磁気抵抗素子TMRが低抵抗状態にあるため、記憶データが“0”であると判定する。この判定は、図7におけるステップST5bに相当する。
図11に、第1検出電圧Vout_aと第2検出電圧Vout_bを、約200[nsec]の周期で読み出したときの、オシロスコープの観測波形を示す。
観測波形の電圧レベルが、V1(=100[mV])(ST1)→Vout_a(ST2)→V2(=200[mV])(ST3)→Vout_b(ST4)と推移している。
ここで、抵抗R1およびR2を種々変えたときに、第1および第2検出電圧Vout_a,Vout_bの波高値に変化が観測される。この電位差を電圧センスすると、記憶論理の判定が可能なことが分かる。これにより、狙い通りの読み出し動作が確認できた。
図10に示す駆動回路は、一定電流Ic、第1抵抗R1、第2抵抗R2が狙い値からずれてしまったとしても2つの読み出し動作の相対関係は保たれる(式中の定数400が同時に変化する)ので、正しく読み出しできる。
図4(A2)や図4(B2)のように、セレクトトランジスタST(MOSトランジスタ)の直列接続で構成されている場合、高抵抗状態では電圧上昇とともにセル抵抗が低下し、低抵抗状態では逆に上昇する。そのため、第2検出電圧Vout_bが第1検出電圧Vout_aより高い場合に低抵抗状態、第2検出電圧Vout_bが第1検出電圧Vout_aより低い場合に、高抵抗状態と判定すれば十分である。これは、スレッショルド値Tが0であることと同意である。スレッショルド値Tを0とできる場合、スレッショルド発生回路が不要になるので、スレッショルド発生回路のバラツキを考慮する必要が無くなり、より理想的である。
《第3実施形態》
第2実施形態ではオペアンプ52を使って電圧保持ノードNvの電位と給電ノードの電位が等しくなるようにトランジスタを制御している。
しかしながら、オペアンプ52の差動入力対をなすペアトランジスタに閾値電圧、その他のバラツキがある場合は、非反転入力電圧と反転入力電圧が等しくならず、ゼロではないオフセットΔを持つようになる。このため、電圧保持ノードNvと給電ノードに電位差が発生し、定電圧制御が正確でなくなる。
図12は、オペアンプ52のオフセットΔをキャンセルして回路バラツキの影響を受けないようにした回路を示す。
また、図13(A)〜図13(D)に、駆動回路の動作を示す。
基本的な動作は、図9と同じであるため重複説明は割愛する。ここでは図13(A)と図13(C)の第1電圧V1または第2電圧V2の発生と充電の最中は、インバータINVの出力と電圧保持ノードNvとの間に新たに設けたオフセット補正スイッチSW6を閉じる。それにより新しい(キャパシタ電圧)負帰還ループが接続状態となる。このとき、不要な(給電ノード電圧)負帰還ループを開放(遮断)するためにループスイッチSW7を開状態とする。新しい(キャパシタ電圧)負帰還ループには第1電圧V1または第2電圧V2にオフセットΔを加えた電圧が発生し、この電圧が電圧保持ノードNvに保持される。第2実施形態では、電圧保持ノードNvに第1電圧V1または第2電圧V2が保持される点で、本実施形態と異なる。
そして、図13(B)や図13(D)の読み出し時には、オフセット補正スイッチSW6とループスイッチSW7を反転動作させることによって第2実施形態と同じ回路構成とする。
前述のように電圧保持ノードNvには予め第1電圧V1または第2電圧V2よりもオフセットΔだけ高い電圧が保持されている。このため、負帰還ループには第1電圧V1または第2電圧V2と等しい電圧が現れる。
本実施形態によれば、キャンセルできるオフセットΔの値に拘らず常に、給電ノードNdの電位が第1電圧V1または第2電圧V2に正確に制御され、その分、誤差が小さい読み出しが可能となる。
以下の変形例は、スピン注入メモリなどの電流書き込み方式のメモリに適用できる、状況によっては考慮したほうがよい観点を提示する。
<変形例1>
図7における第1の読み出しは、誤書き込み確率が十分低い低電圧で行う必要がある。
しかし、第2の読み出しでは万一誤書き込みが起きても、第1検出電圧Vout_aを保存しているため正しく読み出しできる。このため、第1の読み出し電圧は第2の読み出し電圧より低いほうが望ましい。
ただし、誤書き込みが起こった場合は破壊読出しとなるため書き直しが必要になる。
この点を回避するには第2の読み出しでも誤書き込みしない十分低い電圧条件で行うのが、より理想的である。
<変形例2>
図7に示す方法を、書き込みベリファイ動作に用いることもできる。
書き込みと読み出しを独立にエラーがなくなるまで行うのが通常の方法であるが、本方法の読み出しを用いる場合は効率のよい方法がとれる。
それは、書き込み電流を遮断せずに第1の読み出しに移行する方法である。さらには書き込み条件と第1の読み出し条件を等しくして、書き込みと第1の読み出しを同時に行う方法である。
こうすることで全体の処理時間を短縮することができる。
以上述べてきた第1〜第3実施形態および変形例1と2によれば、一定電流Ic、第1抵抗R1、第2抵抗R2が設計値からばらついたとしても判定結果に与える影響はわずかであり、結果的に正常動作する製品を生産できる。
大量生産時の製品バラツキの影響が少ないため正常品をより簡単に製造でき、歩留まりを改善することができる。
また、図8あるいは図12に示す駆動回路を使用すれば、このような信頼性が高い読み出し回路を、簡易な回路で実現可能である。
上記方法を、ベリファイ時の読み出しに適用すれば、従来技術より高速、正確にベリファイを行うことができるため、メモリのスピードを下げずにエラー率を改善でき、商品の付加価値を向上することができる。
実施形態に関わる、トンネル磁気抵抗素子の積層体構造図である。 実施形態に関わる、スピン注入メモリのセル構成を示す立体図である。 実施形態に関わる、スピン注入メモリのセル等価回路図である。 (A1)〜(B3)は、実施形態に関わる抵抗変化型メモリをセル内素子の模式的な特性図である。 図4(A1)を拡大して示すスケール付きのグラフである。 比較例の読み出し制御のフローチャートである。 第1実施形態に関わる読み出し制御のフローチャートである。 第2実施形態に関わる駆動回路をメモリセルMCと共に示す回路図である。 第2および第3実施形態に関わるメモリデバイス全体の構成図である。 (A)〜(D)は、第2実施形態に関わる駆動回路の動作を示す図である。 検出電圧の観測波形図である。 第3実施形態に関わる駆動回路をメモリセルMCと共に示す回路図である。 (A)〜(D)は、第3実施形態に関わる駆動回路の動作を示す図である。
符号の説明
1…抵抗変化型メモリデバイス、2…メモリセルアレイ、3…ロウデコーダ、4…カラムデコーダ、5…駆動回路ブロック、5A…駆動回路、6…電圧センス回路ブロック、6A…電圧センス回路、51…トランジスタ、52…オペアンプ、53…キャパシタ、54…電流源、R1…第1抵抗、R2…第2抵抗、ST…セレクトトランジスタ、TMR…トンネル磁気抵抗素子、V1…第1電圧、V2…第2電圧、Nd…給電ノード、Ns…検出ノード、Nv…電圧保持ノード、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ、Vdd…電源電圧、Ic…一定電流

Claims (11)

  1. 抵抗変化型のメモリセルと、
    抵抗値が異なる第1抵抗および第2抵抗を含み、当該第1抵抗または第2抵抗に一定電流を流すことによって、前記メモリセルの給電ノードに印加する駆動電圧を発生させる電圧発生抵抗と、前記メモリセルに流れるセル電流に応じて低下する前記給電ノードの電位を補償するプルアップ抵抗とを、前記第1抵抗と前記第2抵抗で差動的に切り替える駆動回路と、
    一方端が電源電圧にプルアップされた前記プルアップ抵抗の他方端側で電圧をセンスするセンス回路と、
    を有する抵抗変化型メモリデバイス。
  2. 前記駆動回路は、
    前記第1抵抗と前記第2抵抗を含み、前記第1抵抗の値に比例した第1電圧と前記第2抵抗の値に比例した第2電圧とを発生する電圧発生部と、
    前記給電ノードを前記第1電圧または前記第2電圧に定電圧制御するトランジスタを含み、前記トランジスタに対し前記プルアップ抵抗を介して給電し、前記給電ノードが前記第1電圧に制御されるときは前記プルアップ抵抗を前記第2抵抗に、前記給電ノードが前記第2電圧に制御されるときは前記プルアップ抵抗を前記第1抵抗に切り替える給電制御部と、
    を有し、
    前記センス回路が、前記プルアップ抵抗と前記トランジスタとの接続点の電圧をセンスする
    請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  3. 前記電圧発生部は、
    前記一定電流を発生する電流源と、
    前記第1抵抗および前記第2抵抗と、
    前記電圧発生抵抗を前記第1抵抗と前記第2抵抗で切り替えることにより、前記第1電圧と前記第2電圧を発生する第1の抵抗スイッチ回路と、
    を有する請求項2に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  4. 前記トランジスタのゲートを制御する前記第1電圧または前記第2電圧を保持するキャパシタと、
    前記トランジスタのドレインに接続され、前記キャパシタを前記第1電圧または前記第2電圧で充電するときにオフし、充電完了後にオンする第1スイッチと、
    前記電流源の出力ノードと前記第1スイッチとの間に接続され、前記第1スイッチと差動動作する第2スイッチと、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続ノードである、前記センス回路の検出ノードと、前記キャパシタの電圧保持ノードとの間に接続され、前記第1スイッチと差動動作する第3スイッチと、
    前記検出ノードに接続する前記電圧発生抵抗が前記第1抵抗に切り替わった後に前記プルアップ抵抗を前記第2抵抗に切り替え、前記電圧発生抵抗が前記第2抵抗に切り替わった後に前記プルアップ抵抗を前記第1抵抗に切り替える第2の抵抗スイッチ回路と、
    前記第1の抵抗スイッチ回路、前記第1〜第3スイッチ、前記第2の抵抗スイッチ回路および前記センス回路を制御する制御回路と、
    を有する請求項3に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  5. 前記制御回路は、
    前記第1の抵抗スイッチ回路を制御して前記第1抵抗に前記一定電流を流して前記第1電圧を発生させ、
    前記第1スイッチをオフ、前記第2および第3スイッチをオンして前記第1電圧を前記キャパシタに充電し、
    当該充電の後に前記第1スイッチをオン、前記第2および第3スイッチをオフし、かつ、前記第2の抵抗スイッチ回路を制御して前記第2抵抗を介した前記給電ノードの電荷補償経路を確保し、
    前記センス回路を制御して前記検出ノードの第1検出電圧を測定し、
    前記第1の抵抗スイッチ回路を制御して前記第2抵抗に前記一定電流を流して前記第2電圧を発生させ、
    前記第1スイッチをオフ、前記第2および第3スイッチをオンして前記第2電圧を前記キャパシタに充電し、
    当該充電の後に前記第1スイッチをオン、前記第2および第3スイッチをオフし、かつ、前記第2の抵抗スイッチ回路を制御して前記電荷補償経路内の前記プルアップ抵抗を前記第2抵抗から前記第1抵抗に切り替え、
    前記センス回路を制御して前記検出ノードの第2検出電圧を測定し、
    前記第1検出電圧と前記第2検出電圧の差電圧の大きさに基づいて、前記抵抗変化型メモリセルの記憶ビットの論理を判別する
    請求項4に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  6. 前記第1電圧または前記第2電圧を保持するキャパシタと、
    反転入力と前記給電ノードとの間に給電ノード電圧負帰還ループを備え、非反転入力に前記キャパシタの電圧保持ノードが接続され、出力が前記トランジスタの入力に接続されているオペアンプと、
    を有する請求項2に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  7. 前記オペアンプの非反転入力と出力との間に、インバータを有するキャパシタ電圧負帰還ループを備え、
    前記キャパシタへの前記第1電圧または前記第2電圧の充電時にオフして前記給電ノード電圧負帰還ループを遮断し、前記メモリセルに前記セル電流を流すときにオンして前記給電ノード電圧負帰還ループを接続するスイッチと、
    前記キャパシタへの前記第1電圧または前記第2電圧の充電時にオンして前記キャパシタ電圧負帰還ループを接続し、前記メモリセルに前記セル電流を流すときにオフして前記キャパシタ電圧負帰還ループを遮断するオフセット補正スイッチと、
    前記プルアップ抵抗と前記トランジスタとの接続点と前記オペアンプの反転入力との間に接続され、前記オフセット補正スイッチと同相でオンまたはオフするスイッチと、
    を有する請求項6に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
  8. 第1抵抗に一定電流を流すことにより第1駆動電圧を発生し、発生した前記第1駆動電圧を抵抗変化型のメモリセルに印加する第1ステップと、
    前記第1抵抗と異なる抵抗値の第2抵抗に、前記第1ステップで前記第1駆動電圧の印加によって生じるセル電流を流し、当該第2抵抗の電圧ドロップから第1検出電圧を得る第2ステップと、
    前記第2抵抗に前記一定電流を流すことにより第2駆動電圧を発生し、発生した前記第2駆動電圧を前記メモリセルに印加する第3ステップと、
    前記第3ステップで前記第2駆動電圧の印加によって生じるセル電流を前記第1抵抗に流し、当該第1抵抗の電圧ドロップから第2検出電圧を得る第4ステップと、
    得られた前記第1検出電圧と前記第2検出電圧の差電圧の大きさから、前記メモリセルの記憶ビットの論理を判定する第5ステップと、
    を含む抵抗変化型メモリデバイスの動作方法。
  9. 前記第5ステップでは、差電圧がゼロより大きいか否かによって前記論理の判定を行う
    請求項8に記載の抵抗変化型メモリデバイスの動作方法。
  10. 前記第1ステップに先立って、前記第1駆動電圧と前記第2駆動電圧の何れよりも大きな書き込み電圧を前記メモリセルに印加する書き込みのステップを有し、
    書き込み時に前記メモリセルを流れる書き込みセル電流を遮断することなく、当該メモリセルに印加する電圧を前記書き込み電圧から前記第1駆動電圧に切り替えて前記第1ステップを実行し、前記第2〜第5ステップを実行することによってベリファイ読み出し動作を行う
    請求項8に記載の抵抗変化型メモリデバイスの動作方法。
  11. 前記第1ステップでは、前記第1駆動電圧を、前記メモリセルにデータが書き込まれる大きさの書き込み電圧とすることによって書き込み動作を実行し、
    前記第2または第4ステップでは、前記書き込み動作によって前記メモリセルに書き込みセル電流が流れたときに前記第2抵抗または前記第1抵抗の電流流出側に出現する電圧を電圧センスすることによって前記第1または第2検出電圧を取得する
    請求項8に記載の抵抗変化型メモリデバイスの動作方法。
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