JP2010083872A - 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法 - Google Patents

4−シアノテトラヒドロピランの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010083872A
JP2010083872A JP2009202152A JP2009202152A JP2010083872A JP 2010083872 A JP2010083872 A JP 2010083872A JP 2009202152 A JP2009202152 A JP 2009202152A JP 2009202152 A JP2009202152 A JP 2009202152A JP 2010083872 A JP2010083872 A JP 2010083872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyanotetrahydropyran
acid
carboxylic acid
reaction
alkali metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009202152A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5499572B2 (ja
Inventor
Kenji Hirotsu
健二 弘津
Shoji Shikita
庄司 敷田
Shinobu Suzuki
忍 鈴木
Takashi Harada
崇司 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2009202152A priority Critical patent/JP5499572B2/ja
Publication of JP2010083872A publication Critical patent/JP2010083872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5499572B2 publication Critical patent/JP5499572B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
本発明の課題は、温和な条件下、簡便な方法によって、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩から、4−シアノテトラヒドロピランを高収率で製造出来る、工業的に好適な4−シアノテトラヒドロピランの製造方法を提供することにある。
【解決手段】
一般式(1)
【化1】
Figure 2010083872

(式中、Mは、アルカリ金属原子を示す。)
で示される4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩を、有機酸存在下反応させることを特徴とする、4−シアノテトラヒドロピランの製造方法によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩から、4−シアノテトラヒドロピランを製造する方法に関する。4−シアノテトラヒドロピランは、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である(例えば、特許文献1参照)。
従来、シアノカルボン酸金属塩からシアノ化合物を製造する方法としては、例えば、α−シアノ−α−ヘキシル−3,4,5−トリメトキシフェニル酢酸エチルのメタノール溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え2時間還流し、単離収率84.6%でα−ヘキシル−3,4,5−トリメトキシフェニルアセトニトリルを得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、4−シアノテトラヒドロピランを製造する方法としては、例えば、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸エステルを加水分解させて得られた4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸を、180〜200℃に加熱して、単離収率66%で4−シアノテトラヒドロピランを得る方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
国際公開第2005/514389号パンフレット 特開昭62−59250号公報
J.Chem.Soc.,1930,2525
4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩から4−シアノテトラヒドロピランを製造するには、少なくとも80℃以上の反応温度が必要である。したがって、特許文献2の方法では、反応温度が低いため長時間かけても反応が完結せず、更にニトリル基の加水分解による逐次反応も懸念されるという問題点を有している。
また、非特許文献1の方法では、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸を単離するという煩雑な操作や高い反応温度が必要であり、加えてニトリル基の分解を逐次反応的に起こす懸念があるため、4−シアノテトラヒドロピランの工業的に好適な製法としては満足するものではなかった。そのため、工業的により好適な4−シアノテトラヒドロピランの製造方法の開発が望まれていた。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、温和な条件下、簡便な方法によって、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩から、4−シアノテトラヒドロピランを高収率で製造出来る、工業的に好適な4−シアノテトラヒドロピランの製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、一般式(1)
Figure 2010083872
(式中、Mは、アルカリ金属原子を示す。)
で示される4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩を、有機酸存在下反応させることを特徴とする、4−シアノテトラヒドロピランの製造方法によって解決される。
本発明により、温和な条件下、簡便な方法によって、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩から、4−シアノテトラヒドロピランを高収率で製造出来、工業的に好適な4−シアノテトラヒドロピランの製造方法を提供することが出来る。
本発明の反応において使用する4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Mは、アルカリ金属であり、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられるが、好ましくはナトリウム原子、カリウム原子である。
なお、原料となる4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩は、市販されているものを使用することも可能であるが、ビス(2−クロロエチル)エーテルとシアノ酢酸エステル(好ましくはシアノ酢酸メチル)とを塩基の存在下に反応させ、4−シアノ−4−アルコキシカルボニルテトラヒドロピランを合成し、アルカリ金属の水酸化物で加水分解することによっても得ることができる。
本発明で使用する有機酸としては、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩が4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸に遊離されない酸であり、更に好ましくはpKa値が3.0以上10.0以下の有機酸である。より好ましくは有機スルホン酸、有機リン酸、有機ホウ酸、有機カルボン酸が挙げられ、特に好ましくは、有機カルボン酸が挙げられる。具体的な有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、1−ナフタレンカルボン酸(1−ナフトエ酸とも称する)、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の有機酸類が挙げられるが、好ましくは酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アジピン酸が挙げられる。なお、これらの有機酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記有機酸の使用量は、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩1モルに対して、1塩基酸の場合、好ましくは0.1〜10モル、更に好ましくは0.5〜5モル、特に好ましくは0.7〜3モルである。n塩基酸(有機酸1モル中nモルのプロトンを有する)の場合、好ましくは0.1/n〜10/nモル、更に好ましくは0.5/n〜5/nモル、特に好ましくは0.7/n〜3/nモルである。ただし、nは2以上の整数とする。
本発明の反応は、無溶媒でも実施は可能であるが、好ましくは溶媒中で行われる。使用される溶媒としては、反応に関与しない物ならば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMFと略記することもある。)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAと略記することもある。)、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの尿素類、ジメチルスルホキシド(DMSOと略記することもある。)などのスルホキシド類及びスルホシランなどのスルホン類が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、更に好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩1gに対して、好ましくは0.1〜100ml、更に好ましくは1〜50ml、特に好ましくは5〜30mlである。
本発明の反応は、例えば、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩、有機酸及び溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは80〜180℃、更に好ましくは100〜170℃であり、より好ましくは110〜160℃であり、特に好ましくは120〜150℃である。反応圧力は特に制限されない。反応温度が低いと、反応が完結するまでに長時間を要し、反応温度が高いと反応の制御が難しくなるために工業的には上記条件で行うのが望ましい。
本発明によって4−シアノテトラヒドロピランが得られるが、これは、例えば、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩の収率は、ヨウ化メチルを用いて4−シアノテトラヒドロピランカルボン酸メチルに誘導した後に、ガスクロマトグラフィーによる分析(内部標準法)により求めた。
ガスクロマトグラフィー:GC−2014型(島津製作所社製)
カラム:TC−FFAP 30m×1.5μm
キャリアガス:ヘリウム
流速:10ml/min.
注入口温度:200℃
カラム温度;100℃(保持時間0min)→10℃/min昇温→200℃(保持時間25min)
検出器;FID
検出口温度:200℃
注入量:0.2μL
参考例1(4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩を含む溶液の合成法)
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積500mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド217ml及びナトリウムメトキシド81.0g(1.50mol)を入れ、内温5℃まで冷却した。次に、シアノ酢酸メチル148.64g(1.50mol)を内温35℃以下で滴下し、2時間攪拌した。別途、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積1000mlのガラス製四ツ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド43ml及びビス(2−クロロエチル)エーテル85.8g(0.60mol)を入れ、内温75℃に加熱し、先に合成したシアノ酢酸メチル液を滴下し、7時間反応させた。反応終了後、0℃に冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液を107g滴下し、内温30℃で3時間攪拌した。次に、内温15℃に冷却し、35%塩酸23.63gでpH6.5〜7.0に調整後、トルエン260mlを加え減圧濃縮した。さらに、トルエンを加え減圧濃縮する操作を3回行い、DMF230mlを加え、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩を含む溶液672g(4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩93.1g含有)を得た(ビス(2−クロロエチル)エーテル基準の取得収率;87.6%)。
なお、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩をCNAP−Naと略記することもある。
実施例1(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99.7%の酢酸4.01g(66.6mmol)を加え、内温120℃まで加熱した。次に参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.72g(26.6mmol)を含む溶液34.1g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.8ml含有)を内温120℃で滴下し、滴下開始から合計3.5時間加熱攪拌した。この溶液を室温まで冷却後、ガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.92g生成していた(反応収率;98.6%)。
なお、4−シアノテトラヒドロピランは、CNPと略記することもある。
実施例2(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99.5%の安息香酸8.18g(66.7mmol)を加え、内温120℃まで加熱した。次に参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.72g(26.6mmol)を含む溶液34.1g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.9ml含有)を内温120℃で滴下し、滴下開始から合計3.5時間加熱攪拌した。この溶液を室温まで冷却後、ガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.58g生成していた(反応収率;87.1%)。
実施例3(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.72g(26.6mmol)を含む溶液34.2g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.9ml含有)、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度98%のプロピオン酸5.04g(66.7mmol)を加え、内温120℃で3.5時間加熱攪拌した。この溶液を20℃まで冷却し、40分攪拌後、減圧濾過により無機塩を除去した。濾液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.87g生成していた(反応収率;96.9%)。
実施例4(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.73g(26.7mmol)を含む溶液34.2g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.9ml含有)、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99%のアジピン酸4.93g(33.4mmol)を加え、内温120℃で3.5時間加熱攪拌した。この溶液を20℃まで冷却し、40分攪拌後、減圧濾過により無機塩を除去した。濾液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.89g生成していた(反応収率;97.4%)。
実施例5(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積500mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド217ml及びナトリウムメトキシド81.0g(1.50mol)を入れ、内温5℃まで冷却後、シアノ酢酸メチル148.64g(1.50mol)を内温35℃以下で滴下し2時間攪拌した。別途滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積1000mlのガラス製四ツ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド43ml及びビス(2−クロロエチル)エーテル85.8g(0.60mol)を入れ、内温75℃に加熱し、先に合成したシアノ酢酸メチル液を滴下し7時間攪拌した。反応終了後0℃に冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液を107g滴下し、内温30℃で3時間攪拌した。次に、内温15℃に冷却し、35%塩酸23.55gでpH6.5〜7.0に調整後、トルエン260mlを加え減圧濃縮した。トルエンを加え、減圧濃縮する操作を計4回行ったあと、N,N−ジメチルホルムアミド590ml及び純度99.5%のアジピン酸110g(0.75mol)を加え、内温120℃に昇温、5時間加熱攪拌した。反応終了後、20℃まで冷却し減圧濾過により無機塩を除去、無機塩をアセトン172mlで洗浄し、濾液と洗液とを合わせて減圧濃縮によりアセトンを除去した。この溶液にトリエチレングリコール87mlを加え、蒸留により純度82.3%の4−シアノテトラヒドロピラン51.3gを取得した(ビス(2−クロロエチル)エーテル基準の取得収率;63.3%)。
実施例6(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.68g(26.4mmol))を含む溶液33.8g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.6ml含有)、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99%のアジピン酸4.87g(33.0mmol)を加え、内温80℃で5時間加熱攪拌した。この反応溶液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが0.087g生成していた(反応収率;3.0%)。
参考例2(4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸3.11g(20mmol)、ナトリウムメトキシド1.08g(20mmol)及びメタノール50mlを加え、攪拌しながら室温にて1時間反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、白色固体として純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩3.89gを得た(取得収率99.7%)。
なお、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d,δ(ppm));1.70〜1.95(4H,m)、3.41〜3.81(4H,m)
実施例7(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩389.3mg(2.0mmol)、酢酸120mg(2mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド4mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが214.1mg生成していた(反応収率;96.3%)。
実施例8(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが107.7mg生成していた(反応収率;96.9%)。
実施例9(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びジメチルスルホキシド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが91.4mg生成していた(反応収率;82.2%)。
比較例1(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが81.0mg生成していた(反応収率;72.9%)。
比較例2(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが94.7mg生成していた(反応収率;85.2%)。
実施例10〜13(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
反応温度を変え、実施例6に準じて同様の反応を行った。
その結果を表1に示した。
Figure 2010083872
実施例14〜16(4−シアノテトラヒドロピランの合成)
原料4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩1gに対する溶媒(今回はN,N−ジメチルホルムアミド)の使用量を変え、実施例4に準じて同様の反応を行った。その結果を表2に示した。
Figure 2010083872
本発明により、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩から、4−シアノテトラヒドロピランを高い収率で製造することが可能となった。得られる4−シアノテトラヒドロピランは、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 2010083872
    (式中、Mは、アルカリ金属原子を示す。)
    で示される4−シアノ−4−カルボン酸アルカリ金属塩を有機酸存在下、反応させることを特徴とする、4−シアノテトラヒドロピランの製造方法。
  2. 有機酸がpKa値3.0以上10.0以下の酸である請求項1に記載の4−シアノテトラヒドロピランの製造方法。
  3. 有機酸が、有機カルボン酸である請求項1乃至2のいずれかに記載の4−シアノテトラヒドロピランの製造方法。
  4. 有機カルボン酸が、酢酸、プロピオン酸、安息香酸及びアジピン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項3に記載の4−シアノテトラヒドロピランの製造方法。
JP2009202152A 2008-09-02 2009-09-02 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法 Expired - Fee Related JP5499572B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009202152A JP5499572B2 (ja) 2008-09-02 2009-09-02 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008224552 2008-09-02
JP2008224552 2008-09-02
JP2009202152A JP5499572B2 (ja) 2008-09-02 2009-09-02 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010083872A true JP2010083872A (ja) 2010-04-15
JP5499572B2 JP5499572B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=42248177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009202152A Expired - Fee Related JP5499572B2 (ja) 2008-09-02 2009-09-02 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5499572B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230942A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Ube Ind Ltd 4−置換テトラヒドロピランの製造方法
JP2008239531A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Ube Ind Ltd 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230942A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Ube Ind Ltd 4−置換テトラヒドロピランの製造方法
JP2008239531A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Ube Ind Ltd 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5499572B2 (ja) 2014-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5853957B2 (ja) 2−ブロモ−4,5−ジアルコキシ安息香酸の製造法
JP5642067B2 (ja) 1−(2−ハロビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸の誘導体を調製する方法
KR20110124766A (ko) 페닐아세트아미드 화합물의 제조 방법
JP6001112B2 (ja) 1−(2−ハロビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸の誘導体の調製方法
JP5649971B2 (ja) 2‐ヒドロキシ‐5‐フェニルアルキルアミノ安息香酸誘導体及びその塩の製造方法
KR20170002681A (ko) N-아실비페닐 알라닌의 제조 방법
JP5499572B2 (ja) 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法
JP2011051904A (ja) 第3級アルコールの製造方法
JP4899385B2 (ja) 3−アミノメチルオキセタン化合物の製法
JPH0615514B2 (ja) 飽和脂肪族α,ω−ジアミノモノカルボン酸のN,ωトリフルオロアセチル化方法
JP4032861B2 (ja) β−オキソニトリル誘導体又はそのアルカリ金属塩の製法
JP5205971B2 (ja) テトラヒドロピラン化合物の製造方法
JP2008239531A (ja) 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法
JP2007230941A (ja) ニトリル化合物又はカルボン酸化合物の製法
JP4876690B2 (ja) キナゾリン−4−オン誘導体の製造法
JP6782632B2 (ja) アセト酢酸エステルアルカリ塩の製造方法および脂肪族ジケトンの製造方法
JP2015518014A (ja) アミノ酸のデーン塩を使用することによるジアミドゲル化剤の合成
JP2004244417A (ja) 5−ホルミル−2−メトキシ安息香酸及びそのエステルの製造方法、及びその製造中間体
JP4495670B2 (ja) メルカプトアルキルホスホニウム化合物の製造法
JP2008297228A (ja) ハイドロキノン誘導体の製造方法
JP2007230942A (ja) 4−置換テトラヒドロピランの製造方法
JP2012176965A (ja) 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法
JP2008069089A (ja) 4−アミノ−2−メルカプト−5−ピリミジンカルバルデヒドの製法
JPS5933583B2 (ja) 1,4−ナフトジニトリルの製法
JPS63233967A (ja) p−シアノ安息香酸塩の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5499572

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees