JP2010083872A - 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法 - Google Patents
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また、非特許文献1の方法では、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸を単離するという煩雑な操作や高い反応温度が必要であり、加えてニトリル基の分解を逐次反応的に起こす懸念があるため、4−シアノテトラヒドロピランの工業的に好適な製法としては満足するものではなかった。そのため、工業的により好適な4−シアノテトラヒドロピランの製造方法の開発が望まれていた。
で示される4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸アルカリ金属塩を、有機酸存在下反応させることを特徴とする、4−シアノテトラヒドロピランの製造方法によって解決される。
カラム:TC−FFAP 30m×1.5μm
キャリアガス:ヘリウム
流速:10ml/min.
注入口温度:200℃
カラム温度;100℃(保持時間0min)→10℃/min昇温→200℃(保持時間25min)
検出器;FID
検出口温度:200℃
注入量:0.2μL
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積500mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド217ml及びナトリウムメトキシド81.0g(1.50mol)を入れ、内温5℃まで冷却した。次に、シアノ酢酸メチル148.64g(1.50mol)を内温35℃以下で滴下し、2時間攪拌した。別途、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積1000mlのガラス製四ツ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド43ml及びビス(2−クロロエチル)エーテル85.8g(0.60mol)を入れ、内温75℃に加熱し、先に合成したシアノ酢酸メチル液を滴下し、7時間反応させた。反応終了後、0℃に冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液を107g滴下し、内温30℃で3時間攪拌した。次に、内温15℃に冷却し、35%塩酸23.63gでpH6.5〜7.0に調整後、トルエン260mlを加え減圧濃縮した。さらに、トルエンを加え減圧濃縮する操作を3回行い、DMF230mlを加え、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩を含む溶液672g(4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩93.1g含有)を得た(ビス(2−クロロエチル)エーテル基準の取得収率;87.6%)。
なお、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩をCNAP−Naと略記することもある。
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99.7%の酢酸4.01g(66.6mmol)を加え、内温120℃まで加熱した。次に参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.72g(26.6mmol)を含む溶液34.1g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.8ml含有)を内温120℃で滴下し、滴下開始から合計3.5時間加熱攪拌した。この溶液を室温まで冷却後、ガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.92g生成していた(反応収率;98.6%)。
なお、4−シアノテトラヒドロピランは、CNPと略記することもある。
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99.5%の安息香酸8.18g(66.7mmol)を加え、内温120℃まで加熱した。次に参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.72g(26.6mmol)を含む溶液34.1g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.9ml含有)を内温120℃で滴下し、滴下開始から合計3.5時間加熱攪拌した。この溶液を室温まで冷却後、ガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.58g生成していた(反応収率;87.1%)。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.72g(26.6mmol)を含む溶液34.2g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.9ml含有)、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度98%のプロピオン酸5.04g(66.7mmol)を加え、内温120℃で3.5時間加熱攪拌した。この溶液を20℃まで冷却し、40分攪拌後、減圧濾過により無機塩を除去した。濾液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.87g生成していた(反応収率;96.9%)。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.73g(26.7mmol)を含む溶液34.2g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.9ml含有)、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99%のアジピン酸4.93g(33.4mmol)を加え、内温120℃で3.5時間加熱攪拌した。この溶液を20℃まで冷却し、40分攪拌後、減圧濾過により無機塩を除去した。濾液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが2.89g生成していた(反応収率;97.4%)。
滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積500mlのガラス製四ツ口フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド217ml及びナトリウムメトキシド81.0g(1.50mol)を入れ、内温5℃まで冷却後、シアノ酢酸メチル148.64g(1.50mol)を内温35℃以下で滴下し2時間攪拌した。別途滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備えた内容積1000mlのガラス製四ツ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド43ml及びビス(2−クロロエチル)エーテル85.8g(0.60mol)を入れ、内温75℃に加熱し、先に合成したシアノ酢酸メチル液を滴下し7時間攪拌した。反応終了後0℃に冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液を107g滴下し、内温30℃で3時間攪拌した。次に、内温15℃に冷却し、35%塩酸23.55gでpH6.5〜7.0に調整後、トルエン260mlを加え減圧濃縮した。トルエンを加え、減圧濃縮する操作を計4回行ったあと、N,N−ジメチルホルムアミド590ml及び純度99.5%のアジピン酸110g(0.75mol)を加え、内温120℃に昇温、5時間加熱攪拌した。反応終了後、20℃まで冷却し減圧濾過により無機塩を除去、無機塩をアセトン172mlで洗浄し、濾液と洗液とを合わせて減圧濃縮によりアセトンを除去した。この溶液にトリエチレングリコール87mlを加え、蒸留により純度82.3%の4−シアノテトラヒドロピラン51.3gを取得した(ビス(2−クロロエチル)エーテル基準の取得収率;63.3%)。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製四ツ口フラスコに、参考例1と同様の方法で合成した4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩4.68g(26.4mmol))を含む溶液33.8g(N,N−ジメチルホルムアミドを24.6ml含有)、N,N−ジメチルホルムアミド29ml及び純度99%のアジピン酸4.87g(33.0mmol)を加え、内温80℃で5時間加熱攪拌した。この反応溶液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが0.087g生成していた(反応収率;3.0%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸3.11g(20mmol)、ナトリウムメトキシド1.08g(20mmol)及びメタノール50mlを加え、攪拌しながら室温にて1時間反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、白色固体として純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩3.89gを得た(取得収率99.7%)。
なお、4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩の物性値は以下の通りであった。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩389.3mg(2.0mmol)、酢酸120mg(2mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド4mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが214.1mg生成していた(反応収率;96.3%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが107.7mg生成していた(反応収率;96.9%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びジメチルスルホキシド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが91.4mg生成していた(反応収率;82.2%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが81.0mg生成していた(反応収率;72.9%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4−シアノテトラヒドロピランが94.7mg生成していた(反応収率;85.2%)。
反応温度を変え、実施例6に準じて同様の反応を行った。
その結果を表1に示した。
原料4−シアノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸ナトリウム塩1gに対する溶媒(今回はN,N−ジメチルホルムアミド)の使用量を変え、実施例4に準じて同様の反応を行った。その結果を表2に示した。
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