JP2010083609A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、先端に用紙の先端がはみ出した状態で給紙トレイをハウジング内に押し込んだときに、アーム体と離間アクチュエータの作動体との間に用紙が嵌まり込まないようにする。
【解決手段】上下回動可能なアーム体20cの下端部に給送ローラ20aと、回動可能な作動体56とを備え、アーム体20cの基部側側面に固定したリンク体70と作動体56とは、連結ピン72と案内溝71とにより連結する。また、リンク体70は、その用紙搬送方向上流側における辺のうち少なくとも作動体56の突出部56aに近い側がアーム体20cの下辺よりも下方に位置する。給紙トレイ3内に収容された用紙の先端が傾斜分離板21の上端からはみ出したまま、給紙トレイ3を押し込むとき、リンク体70の用紙搬送方向上流側における辺が傾斜分離板21の上端に近接して、作動体56とアーム体20cとの間の隙間をなくす。
【選択図】図6

Description

本発明は、給紙トレイを備えたプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像記録装置に係り、より詳しくは、画像記録装置の筐体に給紙トレイを装着するときに、給紙トレイ上の被記録媒体(用紙)の迫り出しを防止することの可能な画像記録装置に関するものである。
従来から、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像記録装置において、特許文献1等のように、ハウジング(装置筐体)の下部に給紙カセットを略水平方向に挿抜可能に配置した構成が知られている。この画像記録装置では、給紙カセットの挿入方向下流側には傾斜分離板が設けられ、ハウジングの内部には、上下方向に回動自在にその基端部が軸支されたアーム体を有する、いわゆる振り子型の給紙ローラが備えられている。この構成によれば、アーム体を押圧するばねの付勢力により、上面が開放された給紙トレイに堆積収容された用紙の最上面に給紙ローラが押圧されている。そして、この状態で給紙ローラが回転駆動されることにより、用紙の端部が給紙トレイの給送方向下流側に設けられた傾斜分離板に突き当てられて、最上層のみの用紙が分離されるのである。分離された用紙は、傾斜分離板の上端に隣接して上向きに形成されたU字状の搬送経路に搬送され、更には画像記録部により用紙に画像が記録されるのである。
この特許文献1の構成では、アーム体には、その回動の中心である基端部側に用紙の幅方向(給送方向と直交する方向)に延びるカムフォロア(図示せず)が設けられている。他方、給紙トレイの左右両側板には、当該給紙トレイがハウジングに挿抜されるときに、上記カムフォロアに摺接するとともに高さが変化するカム部(図示せず)が設けられている。このため、給紙トレイが挿抜されるとき、当該給紙トレイの給送方向下流側端の傾斜分離板の上を給紙ローラが乗り越えられるように、アーム体は強制的に昇降させられるのである。これにより、給紙トレイの挿抜時にアーム体及び給紙ローラが傾斜分離板と干渉しないのである。
他方、給紙トレイ内の用紙がなくなったとき、上記給紙ローラが給紙トレイの底板に設けられているコルク板等からなる分離パッドに当接した状態で回転駆動すると、この分離パッドや給紙ローラの周面が過度に摩耗したり、給紙ローラの回転がロックされてしまい、駆動モータが焼けついたりするという問題がある。これらの問題を解消するため、特許文献3及び4に開示されているように、アーム体の先端部下面側に、上下方向に回動可能な作動体からなる離間アクチュエータを設けることが公知となっている。この構成により、アーム体の先端部の給紙ローラが給紙トレイの底板に接近すると、作動体(離間アクチュエータ)が先に底板に当接して、給紙ローラを底板から離間させるように押し上げるのである。
特開2006−8328号公報(図7等参照) 特開2006−225151号公報(図9、図10等参照) 特開2007−062965号公報(図5〜図12参照) 特開2007−223704号公報(図10〜図13参照)
ところで、ハウジングから給紙トレイが抜き出されているときには、特許文献3及び4におけるアーム体が下向きに傾斜した状態となり、離間アクチュエータ(作動体)は、ハウジングの底に当接するようにして停止することとなる。このような状態で、傾斜分離板の上に用紙の先端部が乗りあげたまま給紙トレイを挿入したり、正規の位置に用紙を堆積させた状態の給紙トレイを急激に挿入することにより、傾斜分離板の上から用紙の先端部が飛び出すことがある。この飛び出した用紙の先端部は、アーム体の下面と離間アクチュエータとの間の開放された空間に嵌まり込む。この状態のとき、給紙トレイを挿入しても、上記空間に嵌まった用紙のために、離間アクチュエータが上昇できず、当該離間アクチュエータが傾斜分離板と衝突して、アクチュエータ体や離間アクチュエータが破損するという問題が生じていた。
本発明は、上記の従来の課題を解決すべくなされたものであり、離間アクチュエータとアーム体との間を連結する進入防止手段を設けることにより、給紙トレイの押し込み時に離間アクチュエータとアーム体との間に用紙が入り込まないようにして、これらの部材の破損を防止できるようにした画像記録装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の画像記録装置は、装置筐体内に、被記録媒体を堆積させて収容可能な上面開放状の収容部を有する給紙トレイと、当該給紙トレイに堆積された被記録媒体の最上層から一枚ずつ被記録媒体を分離して所定の搬送方向へと給紙するための給紙手段と、当該給紙手段により給紙された被記録媒体を搬送経路を介して搬送する搬送手段と、当該搬送手段により搬送された被記録媒体上に画像を記録可能な画像記録部と、を有する画像記録装置であって、前記装置筐体に対して挿抜可能な給紙トレイは、被記録媒体を堆積する前記収容部の底板と、挿入方向下流側に傾斜分離板と、を備え、前記給紙手段は、前記給紙トレイの前記収容部に収容されている被記録媒体のうち最上位の被記録媒体に対して、基部を揺動の中心として上下方向に揺動可能なアーム体と、当該アーム体において前記基部とは反対側の先端部に配置されて最上位の被記録媒体に当接しながら回転駆動可能な給紙ローラとを備え、前記アーム体は、前記給紙トレイの底面に接近するにつれて給紙トレイの挿入方向の下流側に延出されているとともに、前記収容部内に前記被記録媒体が収容されていないとき、前記収容部の底板に形成された開放部に嵌まって、前記給紙ローラが前記収容部の底板から離間する方向に当該アーム体を移動させる離間アクチュエータを備え、前記堆積された被記録媒体の給送方向下流側への迫り出しを前記給紙トレイの挿入時に阻止する進入防止手段が、前記アーム体の基部側と前記離間アクチュエータとに連結されているものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記離間アクチュエータは、その基端部が前記アーム体に上下回動可能に装着されて前記給紙ローラよりも給送方向の上流側に延びる作動体と、前記作動体の前記給送方向の上流側の下面に設けられて前記被記録媒体の最上面に当接し、且つ前記被記録媒体が存在しないとき前記開放部に嵌まる検出部と、前記検出部よりも給送方向下流側の作動体に設けられ、前記収容部の底面に当接して給紙ローラを前記収容部の底板から離間させる作動部とを備え、前記進入防止手段は、前記アーム体の基部側にて固定されたリンク体であり、このリンク体に形成された案内溝に、前記作動体に設けられた連結ピンを摺動自在に嵌挿したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、前記リンク体は、その下辺のうち少なくとも前記作動体に近い側が前記アーム体の下辺よりも下方に位置するように配置されているものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記作動体には、前記検出部よりも給送方向上流側に用紙誘い込み用の突出部を設け、この突出部の側面に、前記連結ピンが横向きに突設されているものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の画像記録装置において、前記リンク体における前記下辺には、前記給紙トレイの収容部に補給する被記録媒体の先端を押し戻すための当接部が備えられているものである。
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載の画像記録装置において、前記給紙トレイと前記アーム体とには、当該給紙トレイを挿抜移動させるとき、前記アーム体及び前記作動体を前記給紙トレイの下流側端部から離間させる退避手段を備えたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像記録装置において、前記退避手段の1つは、前記アーム体に設けられたカムフォロアと、前記給紙トレイの側部に形成されたカム部とからなり、前記退避手段の他の1つは、前記給紙トレイの給送方向の下流側部から立設する傾斜分離板であり、前記給紙トレイを挿抜移動させるとき、前記傾斜分離板の上端部が前記作動体の下面に摺接するように構成されているものである。
上述のように、請求項1に記載の発明によれば、基部を揺動の中心として上下方向に揺動可能なアーム体は、前記給紙トレイの底面に接近するにつれて給紙トレイの挿入方向の下流側に延出されているとともに、前記収容部内に前記被記録媒体が収容されていないとき、前記収容部の底板に形成された開放部に嵌まって、前記給紙ローラが前記収容部の底板から離間する方向に当該アーム体を移動させる離間アクチュエータを備えている。
従って、被記録媒体が堆積された給紙トレイをトレイ収納部内に押し込むと、離間アクチュエータにより、アーム体が上向き回動する。そして、前記堆積された被記録媒体の給送方向下流側への迫り出しを前記給紙トレイの挿入時に阻止する進入防止手段が、前記アーム体の基部側と前記離間アクチュエータとに連結されているので、進入防止手段が傾斜分離板の上端に摺接したまま給紙トレイの収容部の上方まで移動するから、その移動により、上記はみ出した被記録媒体の先端部が進入防止手段にて押し戻されることになる。その結果、上記はみ出した被記録媒体の先端部が離間アクチュエータとアーム体との間の隙間に入り込むことがなくなるので、アーム体や離間アクチュエータの破損を確実に防止できるものである。
請求項2に記載の発明によれば、前記離間アクチュエータは、その基端部が前記アーム体に上下回動可能に装着されて前記給紙ローラよりも給送方向の上流側に延びる作動体と、前記作動体の前記給送方向の上流側の下面に設けられて前記被記録媒体の最上面に当接し、且つ前記被記録媒体が存在しないとき前記開放部に嵌まる検出部と、前記検出部よりも給送方向下流側の作動体に設けられ、前記収容部の底面に当接して給紙ローラを前記収容部の底板から離間させる作動部とを備え、前記進入防止手段は、前記アーム体の基部側にて固定されたリンク体であり、このリンク体に形成された案内溝に、前記作動体に設けられた連結ピンを摺動自在に嵌挿したものである。
従って、給紙トレイを押し込んだとき、リンク体の下辺は傾斜分離板の上端に当接しているので、当該傾斜分離板の上端とリンク体の下辺との間には被記録媒体が進入可能な間隙がなくなる。そうすると、被記録媒体の先端部が給紙トレイの傾斜分離板の上端縁からはみ出した(迫り出した)まま、さらに給紙トレイをトレイ収納部内に挿入するときには、リンク体の下辺が傾斜分離板の上端に摺接したまま給紙トレイの収容部の上方まで移動するから、その移動により、上記はみ出した被記録媒体の先端部がリンク体の下辺側の端面(押し戻しの当接部の一例)にて押し戻されることになる。また、リンク体と作動体とは、連結ピンと案内溝とにより連結されているから、アーム体の側方外面からの投影視において、リンク体と作動体との間に隙間空間が存在しないため、上記はみ出した被記録媒体の先端部が作動体とアーム体との間の隙間に入り込むことがなくなる。その結果、アーム体や離間アクチュエータの破損を確実に防止できるものである。
請求項3に記載の発明によれば、リンク体は、その下辺のうち少なくとも前記作動体に近い側が前記アーム体の下辺よりも下方に位置するように配置されているので、リンク体の昇降時には、リンク体の下面のほうが給紙トレイの傾斜分離板の上端縁に先に接離できるから、請求項1及び2の効果を確実ならしめる。
請求項4に記載の発明によれば、前記作動体には、前記検出部よりも給送方向上流側に用紙誘い込み用の突出部を設け、この突出部の側面に、前記連結ピンが横向きに突設されているので、突出部の大きさの分だけ、リンク体が作動体と連結するのに必要とする長さを短くできる結果、構造がコンパクトになる。
請求項5に記載の発明によれば、リンク体における下辺には、前記給紙トレイの収容部に補給する被記録媒体の先端を押し戻すための当接部が備えられているから、被記録媒体の押し戻し作用を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、給紙トレイと前記アーム体とには、当該給紙トレイを挿抜移動させるとき、前記アーム体及び前記作動体を前記給紙トレイの下流側端部から離間させる退避手段を備えたものであるので、給紙トレイの挿抜移動時に、進入防止手段(リンク体)を直接傾斜分離板に当接させてアーム体を昇降させる必要がなくなり、リンク体に無理な外力が作用しないので、剛性の小さなリンク体にすることができるという効果を奏する。
請求項7に記載の発明によれば、退避手段の1つは、前記アーム体に設けられたカムフォロアと、前記給紙トレイの側部に形成されたカム部とからなり、前記退避手段の他の1つは、前記給紙トレイの給送方向の下流側部から立設する傾斜分離板であり、前記給紙トレイを挿抜移動させるとき、前記傾斜分離板の上端部が前記作動体の下面に摺接するように構成されているものである。従って、給紙トレイの構成を利用して、退避手段を設けることができ、小型で、且つ最小構成部品でありながら、必要な機能を充足させることができる。
次に、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態である多機能型の画像記録装置1の全体斜視図、図2は記録部の左右中央部の側断面図、図3は給紙トレイの平面図、図4は給紙トレイの斜視図、図5(A)は駆動軸を除いた状態の給送手段の平面図、図5(B)は駆動軸を除いた状態の給送手段の斜視図、図6(A)〜(D)は進入防止手段の作用説明図、図7は進入防止手段の第2実施形態を示す側面図、図8は第2実施形態の進入防止手段の作用説明図である。
[多機能装置1の基本構造]
図1に示すように、多機能装置1におけるハウジング2(請求項でいう装置筐体に相当)の前側(図1において手前側)には開口部2aが開口されており、その開口部2aには被記録媒体としての用紙を堆積状態で収容する上面開放状の給紙トレイ3がX軸線方向に沿って挿抜可能に装着されている。その給紙トレイ3の上面に排紙トレイ33が装着されている。以下、合成樹脂製のハウジング2の開口部2aがある側を前(手前)とし、これを基準に装置の後(奥、背面)、左右、とする。また、前述したように、多機能装置1の前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向とする。なお、この「挿抜」とは、給紙トレイ3がハウジング2に対して着脱可能なもののみならず、ハウジング2から給紙トレイ3の大部分を引出した状態でも、ハウジング2に対して給紙トレイ3が外れない(着脱不能な)ものも含む趣旨である。
合成樹脂製のハウジング2の上部には、コピー機能やファクシミリ機能における原稿読取などのための画像読取装置5が配置されている。画像読取装置5は図示しない枢軸部を介してハウジング2の一側端に対して上下方向に開閉するように回動可能に構成されている。また、画像読取装置5の上面は原稿載置用のガラス板で構成されており、このガラス板は、画像読取装置5の後端に対して枢軸を中心に上下方向に回動可能な原稿カバー体6で覆われている。原稿カバー体6を上側に開けてガラス板の上に原稿を載置し、ガラス板の下方において主走査方向に往復移動する原稿読取り用のスキャナ(例えばCIS:Contact Image Sensor)によって原稿の画像が読取られる。
ハウジング2の上面であって原稿カバー体6の前方には、各種操作ボタンを備えた操作パネル部7と、操作手順や実行中の処理の状態を表示するための液晶表示装置8とが設けられている。各種操作ボタンとしては、スタートボタンや、ストップボタンなどを含み、これらの操作ボタンを押下することにより、各種の操作が行われる。また、多機能装置1の設定状態や各種の操作メッセージなどが必要に応じて表示される。
また、ハウジング2の前面であって、開口部2aの上方には、外部メモリを挿入するための外部メモリ挿入部11が備えられている。外部メモリとは、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリスティック(登録商標)、SDカード(登録商標)、xD(登録商標)等が該当する。この外部メモリ挿入部11へ挿入された外部メモリに記憶されたデータは、多機能装置1の内部メモリ読み込まれ、記録装置によって用紙に記録される。
次に、図2〜図5等を参照して記録部10及び給紙装置12について説明する。図2は記録部10及び給紙装置12の側断面図である。
[記録部]
記録部10は、上面が開放された箱型のメインフレーム15(図6に示す)とその左右一対の側板にて支持され、図2の紙面に垂直な方向(主走査方向)に延びる横長の板状の第1及び第2ガイド部材15a、16との間に形成される。記録部10における記録ヘッド(図示せず)が下面側に搭載されたキャリッジ13は、用紙搬送方向の上流側の第1ガイド部材15a及び下流側の第2ガイド部材16に跨がって摺動自在に支持(搭載)されており、図2の紙面に垂直な方向に往復移動可能となっている。
キャリッジ13を往復移動させるために、用紙搬送方向(矢印A方向)の下流側に配置された第2ガイド部材16の上面には、主走査方向(Y軸方向)に延びるように配置されたタイミングベルト(図示せず)がプーリ(図示せず)に巻回されており、そのタイミングベルトを駆動するCR(キャリッジ)モータ(図示せず)は第2ガイド部材16の下面に固定されている。
キャリッジ13に搭載されている図示しない記録ヘッドの下面と対峙するようにY軸方向に延びる扁平板状のプラテン17は、前記両ガイド部材15a、16の間であって、メインフレーム15の底板の上方に固定されている。プラテン17とハウジング2の底板2b(図2参照)との間が後述する給紙トレイ3を収納し、且つ挿抜できるトレイ収納部となる。ハウジング2の底板2bは給紙トレイ3の底部3aの少なくとも一部を支持する。
また、プラテン17を挟んで搬送上流側には、用紙を記録ヘッド14の下面に送るためのレジストローラ(搬送ローラ)対18が配置されており、プラテン17の下流側には記録済みの用紙を、給紙トレイ3の上面に設けられた排紙トレイ部33上に搬送するための排紙ローラ対19が配置されている。プラテン17は、レジストローラ(搬送ローラ)対18によって搬送されてきた用紙と記録ヘッドとの間隙を一定にするように用紙を支持するのである。
[給紙装置]
給紙トレイ3に収容される被記録媒体は、以下便宜上用紙と述べることとするが、被記録媒体は普通紙のみならず、はがきや封筒等の厚紙や光沢紙等の特殊紙、さらには樹脂フィルム等も含む概念である。
次に、給紙装置12の構成について詳述する。合成樹脂材の射出成形品である給紙トレイ3の収容部は、前収容部3bとこの前収容部3bに対して進退移動可能に連結された後収容部3dとからなる。前収容部3bに対して後収容部3dを後退させて全長(X方向の長さ)を長くした状態で、給紙トレイ3の収容部に収容可能な用紙の最大サイズはリーガルサイズである。この場合、リーガルサイズの用紙は、その長辺がX方向に沿い、短辺がY方向に沿うように前収容部3bと後収容部3dとにわたって、その内部に堆積収容される(図3及び図4参照、但し、図4は排紙トレイ部33及びサイドガイド41を除去した状態の平面図である)。また、A4サイズの用紙を堆積収容するときには、後収容部3dを前収容部3b内に押し込み、給紙トレイ3の長さ寸法を短くして使用する。給紙トレイ3内の用紙は、後述する給送手段20とUターン状の搬送路体22、23とを介して1枚ずつ記録部10に給送される。
前収容部3bは、底部3aと左右両側板3cと給送方向の下流側端に連結される傾斜分離板21とにより構成されている。同じく底板及び左右両側板(共に図示せず)を有する後収容部3dの後端には把手部3fが設けられている。この給紙トレイ3への用紙の最大堆積量は、実施形態では普通紙で150枚程度、堆積高さはほぼ15mm程度とする。
合成樹脂材の射出成形品である排紙トレイ部33は、後収容部3dの左右側板に対して回動部33aを介して上下回動可能に連結されている。排紙トレイ部33は水平状態(図3参照)にて後収容部3dの左右両側板に載置されて、この後収容部3dと共に開口部2aから引き出して延ばすことができる構成である。
給紙トレイ3における前収容部3bには、給紙トレイ3内の用紙の給送方向と平行な側縁を案内し、且つ位置決めするための一対のサイドガイド41が備えられている(図3参照)。他方、後収容部3dには、用紙の後端縁に当接するようにX方向に沿って移動調節可能なリヤガイド37(図2参照)が設けられている。
一対のサイドガイド41は、給紙トレイ3の左右両側板3cの間の底板3a上にて用紙の給送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に広狭移動(広狭スライド)可能に設けられている。各サイドガイド41は、底板3aと平行状のスライダ43と、このスライダから垂直に立設する当接板44とを備え、片方のサイドガイド41にのみ、位置決めのための摘み付きロック部材(図示せず)が備えられている。
各スライダ43は、底板3aの上面に沿ってスライド可能で、収容される用紙の下面を支持する。各当接板44は用紙の幅方向の側縁に当接するものである。
また、各スライダ43の下面に連接されたラック杆46の片面にはラック歯が形成されている。そして、左右一対のラック杆46は底板3aに凹み形成された左右一対の平行状のガイド溝内に沿って、互いに他方のサイドガイド41に向かうように延びている。そして、左右一対のラック杆46の各ラック歯が給紙トレイ3の底板3aの下面のうち幅方向の中心線位置に配置された回転自在なピニオン47に噛合うように構成されている。その結果、一対のサイドガイド41により、給紙トレイ3の幅方向(用紙の給送方向と直交する方向)の中心線と用紙の幅方向の中心線とを一致させることができる。すなわち、用紙を給紙トレイ3のセンター位置に合わせることができる。
各ロック部材は、スライダ43の下面に設けられ、底板3aの上面に形成された複数の係合歯に対して選択的に係脱可能に変位可能である。
[給送手段]
次に、図2、図5及び図6を参照しながら、給送手段(給紙ローラユニットともいう)20の構造について、詳細に説明する。実施形態では、給送手段20における合成樹脂製のアーム体20cは駆動軸39を中心にして上下回動可能であり、アーム体20cは傾斜分離板21に近づくように延び、アーム体20cの先端部に給紙ローラ20aが配置されている。駆動軸39からアーム体20cに設けられた歯車伝達機構20bを介して給紙ローラ20aを回転駆動する(図2参照)。歯車伝達機構20bは複数個の伝達用の歯車及び遊星歯車を備えている。なお、実施形態における一対の給紙ローラ20aは、給紙トレイ3におけるY方向の中心線を挟んで左右対称位置に設けられている(図5参照)。
給紙トレイ3における底板3aの上面には、上記一対の給紙ローラ20aが給送動作時に用紙Pを押圧する箇所に、コルク板などの高摩擦係数部材からなるベースパッド64が固着(貼着)されている。これにより、給紙トレイ3内の用紙が少数枚になったとき、給紙ローラ20aの回動にて複数枚が同時に給送されるという重送現象を防止している。
アーム体20cの基端側には、駆動軸39を回転可能に軸支するための軸受34が設けられている。アーム体20cの先端側(自由端側)では、従動ギヤ(図示せず)が一体的に設けられた回転軸36が軸孔に回転可能に軸支され、回転軸36の両端に一対の給紙ローラ20aが取付けられている(図2及び図5等参照)。
給紙トレイ3から用紙Pを1枚ずつ分離にして給送するときには、LF(Line Feed)モータ(図示せず)が逆回転して駆動軸39を正回転(図2で時計廻り方向)させ、歯車伝達機構20bを介してアーム体20cは下向き方向に付勢される。従って、アーム体20cの先端部の給紙ローラ20aが給紙トレイ3に堆積された用紙Pの最上面に押圧され、且つアーム体20cに設けられた歯車伝達機構20bを介して給紙ローラ20aは給送方向(図2で反時計廻り方向)に回転される。
次に、給紙トレイ3に堆積収容される用紙Pが全て給送されて無くなった(存在しない)ときに、給紙トレイ3の底板3aに形成された上下貫通孔または上向きに開放された凹部等の開放部63と協働してアーム体20cを持ち上げることにより、給紙ローラ20aが給紙トレイ3の底板3aの表面に接触しないように作動させる離間アクチュエータの構成について説明する。
[離間アクチュエータ]
次に、離間アクチュエータについて詳述する。図2、図5及び図6に示すように、離間アクチュエータは側面視で上下逆「ヘ」字状に形成された合成樹脂製の作動体56を備えている。作動体56の基端部は、アーム体20c先端側の両側面に設けられた軸部54に対して上下回動自在に装着されている(図6(A)〜(D)参照)。この作動体56における給送方向上流側部位や二股状の上向きの突出部56aはその重量が大きく形成されている。アーム体20cの外側面からの投影視において、突出部56aは作動体56から上向きの三角形状を呈しており、突出部56aの上向き先端部は、アーム体20cの基部方向に延伸されている。そのため、トレイ収納部内にセットされた給紙トレイ3の収容部に開口部2a側から用紙Pを補給すると、その用紙Pの先端が側面三角形の突出部56aの傾斜状の(給送下流側に行くに従って、給紙トレイ3上の最上位の用紙Pの表面に近づくように傾斜している)後端面に沿って最上位の用紙Pの上に導かれる。従って、突出部56aは用紙誘い込みの機能も有する。作動体56における給送方向上流の下面には検出部59が形成されている。検出部59と上記軸部54との間には、同じく下面に突出する作動部58が形成されている(図2参照)。
検出部59は、給紙トレイ3の収容部に用紙Pが存在するときには、その最上層の用紙Pに当接する一方、用紙Pが存在しないときには、給紙トレイ3の底板3aに開口孔状若しくは下向き凹状に開放された開放部63(図2、図3参照)に嵌まる。給紙トレイ3の収容部に用紙Pが存在しないとき、作動部58は給紙トレイ3の底板3aに当接して給紙ローラ20aを底板3aから離間させる機能を有する。即ち、検出部59が開放部63に嵌まって下降動するとき作動部58が作動体56の梃子の支点となって、アーム体20cを押し上げることになる。さらに、作動体56における給送方向下流側端部には、上向き湾曲形成された板状の当接片60が解除手段として一体的に形成されている(図2、図6(A)参照)。この当接片60の機能、作用効果については後に詳述する。
[離間アクチュエータの作用]
給紙トレイ3に複数枚の用紙Pが堆積している状態では、堆積収容されている用紙Pの最上面に給紙ローラ20aが当接(押圧)する。そして、作動体56はアーム体20cに対して回動自在であるため、当該作動体56における検出部59も用紙Pの最上面に当接するが、作動部58は用紙Pの最上面に当接しないで、適宜の隙間ができる。この状態で給紙指令があると、駆動軸39が所定方向に回転し、歯車歯車伝動機構20cを介して給紙ローラ20aは図2において反時計回りに回転し、堆積収容されている用紙Pを給紙トレイ3の先端(図2において右側端部)に配置されている用紙分離用の傾斜分離板21に突き当てる。傾斜分離板21における用紙Pの幅方向の中央部位には、分離手段としての弾性分離片21a(図3参照、実施形態ではSUS(ステンレス鋼)製の板バネである)が設けられており、この弾性分離片21aにより最上層の用紙Pのみが分離されて、Uターン搬送路体22、23を介して記録部10に給送されるのである。上記の状態は、底板3a上に用紙Pなくなるまで持続される。
最後の1枚の用紙Pが給紙ローラ20aによって給送され、底板3aの開放部63が現れると、つまり、給紙トレイ3から用紙Pが無くなると、検出部59が開放部63に嵌まり、作動体56の中途部の作動部58が底板3aの上面に当接する。すると、作動体56における給送方向の上流側部位及び/もしくは検出部59の箇所の重量にて給紙ローラ20aを底板3aから若干の隙間だけ離間させるように、作動体56にてアーム体20cを持ち上げるのである。これにより、給紙ローラ20aが給送方向に回転駆動していても、底板3aとの摩擦力が発生しないから、当該給紙ローラ20aの外周面が過度に摩耗したり、LFモータが焼きついたりする不具合を防止できる。LFモータの焼きつきは、底板3aの上面に設けられ、高摩擦係数部材(例えば、コルク等)で構成されているベースパッド64により給紙ローラ20aの回転が止められ、LFモータがいわゆるロック状態になることにより生じるものである。
前述するように、用紙Pが底板3a上から無くなったときに、検出部59が開放部63に嵌まり、そのとき、作動体56にてアーム体20cを押し上げることができる程度に、作動体56における給送方向の上流側部位及び/もしくは検出部58の箇所の重量を大きくする。そのために、作動体56は金属製でも合成樹脂部材であっても良い。また検出部58のみを金属部材にて構成しても良いし、作動体56の検出部58側を下向き付勢するためのねじりバネ等の付勢手段が設けられても良い。更には、重りと付勢手段とが適宜組み合わせられて構成されても良いことは言うまでもない。
[退避手段]
次に、給紙トレイ3をハウジング2に対して、略水平方向に挿抜するときに、アーム体20cと給紙ローラ20a及び離間アクチュエータとしての作動体56が給紙トレイ3の先端部(傾斜分離板21)に衝突(干渉)して挿抜不能にならないようにするための退避手段について説明する。退避手段は、アーム体20cに設けられたカムフォロアと、挿抜する給紙トレイ3の少なくとも一側板3cの上面に形成されて上記カムフォロアが摺接するカム部69とからなる。
図2〜図4に示す実施形態では、アーム体20cの基部寄り部位に、駆動軸39の軸線と平行状に延びるカムフォロアとしてのウイング67がY軸方向に沿って延びるように一体的に設けられている。そして、このウイング67に設けられた複数個(本実施形態では2個)のリング状の軸受68とアーム体に設けられた複数個(本実施形態では2個)の軸受34に駆動軸39が嵌め込まれることによりアーム体20cが回動可能に支持されている(図2、図3など参照)。
他方、上述したとおり、給紙トレイ3の一方の側板3c(上記ウイング67の延びる側に対応する)の上面には、当該給紙トレイ3の挿抜方向に沿って高さが変化するカム部69が形成されている(図4参照)。このカム部69は、給紙トレイ3の傾斜分離板21に近い側での高さは高く且つ実質上水平状の第1部分69aと、この第1部分69aの給送方向上流側に形成されるV型の第2部分69bとからなる。
この構成により、例えば、図2のように、傾斜分離板21がUターン状の搬送経路体22、23の下端の位置に隣接するように給紙トレイ3がハウジング2に押し込まれた状態では、ウイング67はカム部69における第2部分69bの最低高さの個所に対向して配置される。その状態では、給紙ローラ20aが給紙トレイ3の底板3aまたは堆積された用紙Pの最上面に当接し得るように、アーム体20cは先端側が給送方向下流側に向けて下方に傾斜する姿勢となる。
上記の状態から、給紙トレイ3をハウジング2から引き出すとき、まずウイング67がV型の第2部分69bに摺接しながら押し上げられる。これにより、アーム体20c及び作動体56も押し上げられる。次いで作動体56の下面が傾斜分離板21の上端に当接することにより、当該作動体56が更に押し上げられる。次いで、作動体56の先端部分である当接片60がメインフレーム15の底面に当接し、アーム体20cはメインフレーム15の内部に収納されていくため、作動体56はアーム体20cに対して回動し、アーム体20cに近づいていく(図6(C)参照)。更にウイング67の下面がカム部69の高さの高い第1部分69aに摺接され、アーム体20cが実質上水平となるまで持ち上げられる。この状態では、アーム体20cの先端の給紙ローラ20aは分離傾斜板21の上端縁より高い位置にある。従って、作動体56及び給紙ローラ20aは分離傾斜板21の上端縁に引っかかることなく乗り越えることができる。
上記と逆に、給紙トレイ3をハウジング2内に挿入するとき、給紙トレイ3の先端部の分離傾斜板21の上端縁にてアーム体20c及び作動体56を押し上げる。これにより、作動体56もアーム体20cと共に上昇する。作動体56が分離傾斜板21の上端縁を乗り越えると、上向きの突出部56a側の加重が大きいので、当接片60側が上向くように作動体56が傾いた状態となる。給紙トレイ3をハウジング2内に挿入する量が大きくなるにつれて、給紙トレイ3の引出し時の逆の動作で、カムフォロアであるウイング61が給紙トレイ3のカム部69に沿って移動し、カム部69の高さが低くなる箇所では、図2のように、作動体56及びアーム体20cとその給紙ローラ20aが底部3aに近くなるように、下降できるのである。
給紙トレイ3をハウジング2のトレイ収容部から引き出したとき、アーム体20cの先端側が下向きに回動するので、アーム体20cの先端側の給紙ローラ20aが底板2bに当たると、この底板2bに溜まったゴミが給紙ローラ20aの周面に付着する。そうすると、その後の給紙動作時に、汚れた給紙ローラ20aが最上位の用紙Pに接触して、当該用紙Pが汚れてしまう。そのような事態を回避するため、装置筐体2における底板2bには、下向きの当接片60が入り込むことができる開放穴74が形成されているのである(図2参照)。その場合、給紙ローラ20aまたはアーム体20cの下面がハウジング2における底板2bから若干浮き上がった状態を保持できる。
[進入防止手段]
進入防止手段は、給紙トレイ3に堆積された用紙Pの給送方向下流側への迫り出しを、当該給紙トレイ3の挿入時に阻止するためのものであって、アーム体20cの基部側と離間アクチュエータにおける作動体56とに連結されている。本実施形態では、図5(B)、図6(A)〜図6(D)に示すように、作動体56の後端の一対の突出部56aうちの一方(実施形態では、ウイング67から遠い側)の突出部56aに向かって延びて配置されたリンク体70であって、リンク体70の基部はアーム体20cの基部側の外側面に図示しない突軸又はピンにて回動可能に固定されている。
上記突出部56aの側方外面からの投影視において、リンク体70の下部が突出部56aの外面の一部と対面するように重複している。また、上記投影視において、リンク体70は、その下辺のうち少なくとも作動体56の突出部56aに近い側がアーム体20cの下辺よりも下方に位置するように配置されている。
このリンク体70に形成された案内溝71に、上記作動体56の突出部56aの外面に横向きに突設された連結ピン72を摺動自在に嵌挿したものである。
上記の構成により、図6(A)のように、アーム体20cの基部よりも開口部2a側に給紙トレイ3がハウジング2のトレイ収納部から引き出された状態では、アーム体20cの先端側(給紙ローラ20aのある側)が下向きとなり、作動体56の下面がハウジング2の底板2bの開放穴74に嵌まる。この状態では、リンク体70はアーム体20cの基部から下向きに給送方向下流側へ延び、更にリンク体70の下辺のうち少なくとも作動体56の突出部56aに近い側がアーム体20cの下辺よりも下方に位置する。そして、リンク体70における案内溝71の下端に連結ピン72が位置するように、作動体56の姿勢が保持されている(図6(A)参照)。
次いで、用紙Pが堆積された給紙トレイ3をハウジング2内のトレイ収納部内に押し込む。図6(B)のように、アーム体20cの基部のウイング67が一方の側板3cの傾斜分離板21に近い側の上面に突き上げられ、アーム体20cが上向き回動する。この状態では、リンク体70の下辺は傾斜分離板21の上端に当接しているので、当該傾斜分離板21の上端とリンク体70の下辺との間には用紙Pが進入可能な間隙がなくなる。そうすると、用紙Pの先端部が給紙トレイ3の傾斜分離板21の上端縁からはみ出した(迫り出した)まま、さらに給紙トレイ3をトレイ収納部内に挿入するときには、リンク体70の用紙搬送方向上流側における辺が傾斜分離板21の上端に近接した状態で給紙トレイ3の収容部の上方まで移動するから、その移動により、上記はみ出した用紙Pの先端部がリンク体70の用紙搬送方向上流側における端面(押し戻しの当接部の一例)にて押し戻されることになる。また、リンク体70と作動体56とは、連結ピン72と案内溝71とにより連結されているから、アーム体20cの側方外面からの投影視において、リンク体70と突出部56aとの間に隙間空間が存在しないため、上記はみ出した用紙Pの先端部が作動体56とアーム体20cとの間の隙間に入り込むことがなくなる(用紙の進入防止手段となる)。
しかも、リンク体70と作動体56とは、連結ピン72と案内溝71とにより連結されているから、アーム体20cの先端側が上昇するにつれて、作動体56も上昇することができ(図6(B)及び図6(C)参照)、給紙トレイ3をトレイ収納部内に押し込んだときに、作動体56と給紙トレイ3の先端部(傾斜分離板21)とが干渉することが無くなり、作動体56の破損も生じないのである。
アーム体20c、作動体56並びにリンク体70の全体が傾斜分離板21を乗り越えて給紙トレイ3内に位置し、上記カムフォロアであるウイング61と給紙トレイ3のカム部69との協働作用にて、アーム体20cの先端側が下向き回動し、給紙ローラ20aが堆積収容されている用紙Pの最上位に当接し得る。給紙トレイ3の収容部内に用紙Pが堆積されていない場合には、作動体56が給紙トレイ3の底部3aの開放部63に嵌まり、アーム体20cの先端側が押し上げられると、給紙ローラ20aは底部3aから若干離れる(浮き上がる)ことになる(図6(D)参照)。
なお、ハウジング2のトレイ収納部から給紙トレイ3を引き出すときには、最初の状態(図6(D)参照)から、カムフォロアであるウイング61と給紙トレイ3のカム部69との協働作用にて、アーム体20cの先端側が上向き回動し、アーム体20c、リンク体70及び作動体56の下面が傾斜分離板21の上端に近接する程度に位置する(図6(C)参照)。この状態で、さらに給紙トレイ3を引き出すと、アーム体20c、作動体56並びにリンク体70の全体が傾斜分離板21を乗り越えた位置となり、次いで、ウイング61が一方の側板3cの傾斜分離板21に近い側から外れると、アーム体20c、作動体56並びにリンク体70が下向き回動する(図6(B)及び図6(A)参照)。このようにして、給紙トレイ3を引き出すときにも、アーム体20c、リンク体70及び作動体56が傾斜分離板21と干渉せず、各部品の損傷が確実に防止できる。
図7及び図8は、用紙の進入防止手段としてのリンク体70の第2実施形態を示す。この実施形態では、リンク体70の下辺側に、給紙トレイ3の収容部に補給する用紙Pの先端を押し戻すための当接部が備えられているものであり、図7及び図8に示す実施形態では、下辺の端面(傾斜分離板21と対面する面)に、リンク体70の基端側から先端側に沿って複数の鋸歯状の部分が形成されてなる当接部75とする。
図8に示すように、リンク体70の下辺が傾斜分離板21の上端に当接した状態で、押し戻しの当接部75である鋸歯状の部分(鋭い凹角部)と用紙Pの先端とがほぼ90度に近い角度で当接することにより、傾斜分離板21の上端に位置する用紙Pの先端を押し戻しの作用を発揮可能とする程度とする。このように当接部75を構成することにより、リンク体70の下辺が滑らかな辺である場合よりも、用紙Pの先端を押し戻す作用が向上する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、給紙ローラとしての左右一対の給紙ローラ20aのものや片方だけの給紙ローラ20aであっても良い。また、給紙ローラ20aの外周面をゴムなどの摩擦係数の大きい部材にて構成されていても良い。さらに、給紙トレイ3を押し込むとき、ウイング61と給紙トレイ3のカム部69との協働作用でアーム体20cが上昇する以前に、リンク体70の用紙搬送方向上流側における辺が傾斜分離板21の上端に近接することで、リンク体70ひいてはアーム体20cを上昇させるように構成しても良い。
画像記録装置の全体斜視図である。 記録部の側断面図である。 給紙トレイ及び給送手段の平面図である。 排紙トレイ部を除去した給紙トレイの斜視図である。 (A)は給送手段の平面図、(B)は用紙の進入防止手段としてのリンク体70が見える側からの斜視図である。 (A)〜(D)は給紙トレイの引出し時のアーム体20c及びリンク体70の姿勢変化を示す説明図である。 リンク体の第2実施形態を示す側面図である。 第2実施形態におけるリンク体の作用説明図である。
符号の説明
2 装置筐体としてのハウジング
3 給紙トレイ
3a 底部
20 給送手段としての給紙ローラユニット
20a 給紙ローラ
20c アーム体
54 軸部
56 作動体
56a 突出部
58 作動部
59 検出部
60 当接片
67 カムフォロアとしてのウイング
69 カム部
70 用紙の進入防止手段としてのリンク体
71 案内溝
72 連結ピン
75 押し戻しの当接部

Claims (7)

  1. 装置筐体内に、被記録媒体を堆積させて収容可能な上面開放状の収容部を有する給紙トレイと、当該給紙トレイに堆積された被記録媒体の最上層から一枚ずつ被記録媒体を分離して所定の搬送方向へと給紙するための給紙手段と、当該給紙手段により給紙された被記録媒体を搬送経路を介して搬送する搬送手段と、当該搬送手段により搬送された被記録媒体上に画像を記録可能な画像記録部と、を有する画像記録装置であって、
    前記装置筐体に対して挿抜可能な給紙トレイは、被記録媒体を堆積する前記収容部の底板と、挿入方向下流側に傾斜分離板と、を備え、
    前記給紙手段は、前記給紙トレイの前記収容部に収容されている被記録媒体のうち最上位の被記録媒体に対して、基部を揺動の中心として上下方向に揺動可能なアーム体と、当該アーム体において前記基部とは反対側の先端部に配置されて最上位の被記録媒体に当接しながら回転駆動可能な給紙ローラとを備え、
    前記アーム体は、前記給紙トレイの底面に接近するにつれて給紙トレイの挿入方向の下流側に延出されているとともに、前記収容部内に前記被記録媒体が収容されていないとき、前記収容部の底板に形成された開放部に嵌まって、前記給紙ローラが前記収容部の底板から離間する方向に当該アーム体を移動させる離間アクチュエータを備え、
    前記堆積された被記録媒体の給送方向下流側への迫り出しを前記給紙トレイの挿入時に阻止する進入防止手段が、前記アーム体の基部側と前記離間アクチュエータとに連結されていることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記離間アクチュエータは、その基端部が前記アーム体に上下回動可能に装着されて前記給紙ローラよりも給送方向の上流側に延びる作動体と、
    前記作動体の前記給送方向の上流側の下面に設けられて前記被記録媒体の最上面に当接し、且つ前記被記録媒体が存在しないとき前記開放部に嵌まる検出部と、
    前記検出部よりも給送方向下流側の作動体に設けられ、前記収容部の底面に当接して給紙ローラを前記収容部の底板から離間させる作動部とを備え、
    前記進入防止手段は、前記アーム体の基部側にて固定されたリンク体であり、このリンク体に形成された案内溝に、前記作動体に設けられた連結ピンを摺動自在に嵌挿したことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記リンク体は、その下辺のうち少なくとも前記作動体に近い側が前記アーム体の下辺よりも下方に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録装置。
  4. 前記作動体には、前記検出部よりも給送方向上流側に用紙誘い込み用の突出部を設け、この突出部の側面に、前記連結ピンが横向きに突設されていることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 前記リンク体における前記下辺には、前記給紙トレイの収容部に補給する被記録媒体の先端を押し戻すための当接部が備えられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 前記給紙トレイと前記アーム体とには、当該給紙トレイを挿抜移動させるとき、前記アーム体及び前記作動体を前記給紙トレイの下流側端部から離間させる退避手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の画像記録装置。
  7. 前記退避手段の1つは、前記アーム体に設けられたカムフォロアと、前記給紙トレイの側部に形成されたカム部とからなり、
    前記退避手段の他の1つは、前記給紙トレイの給送方向の下流側部から立設する傾斜分離板であり、前記給紙トレイを挿抜移動させるとき、前記傾斜分離板の上端部が前記作動体の下面に摺接するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
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