JP2010083152A - サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ばね上相対速度の絶対値が小さい領域であっても減衰係数が可変制御されるとともに、ダンパの減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて可変制御されるサスペンション装置を提供すること。
【解決手段】 ばね上速度vとばね上相対速度Vとの積が正または0であるときに、下記式(1)に基づいて前記要求減衰係数を算出する。
【数1】
Figure 2010083152

(ここで、Cは要求減衰係数、Cはスカイフック減衰係数、vはばね上速度、Vはばね上相対速度、Cは予め設定された基準減衰係数である。)
【選択図】 図2

Description

本発明は、減衰係数が可変制御される減衰力発生手段を備えるサスペンション装置に関する。
車両のサスペンション装置は、一般にコイルスプリングおよびダンパを備えている。コイルスプリングは路面からの振動を吸収し、ダンパはこの振動を減衰する。
ダンパによる振動の減衰特性、具体的にはばね上相対速度(ばね下部材に対するばね上部材の振動の上下方向の相対速度)に対する減衰力の大きさを表す減衰係数が、車両の走行状況に応じて変更可能とされたサスペンション装置が知られている。特許文献1や特許文献2には、非線形H∞制御理論に従って減衰係数を可変制御したサスペンション装置が記載されている。非線形H∞制御理論に基づいて減衰係数を可変制御することにより、F−V特性(F:減衰力、V:ばね上相対速度)を表すリサージュ波形図上で、第一象限内および第三象限内に滑らかなリサージュ曲線が描かれる。このためダンパの減衰係数が制御可能な実用範囲内で理想的な減衰力制御が実現される。
特開2000−148208号公報(第5図(A)) 特開2001−001736号公報(第14図(A))
非線形H∞制御理論に従って減衰係数を可変制御した場合、上記特許文献に記載のF−Vリサージュ波形図からもわかるように、ばね上相対速度Vの絶対値が大きい領域では、ばね上相対速度Vに対する減衰力の制御幅(変化幅)が大きくなる。このため減衰力の制御性能が良好になり、広い範囲での減衰係数の可変制御が可能になる。しかし、非線形H∞制御理論では非線形重みによりリサージュ波形を調整しているために、ばね上相対速度Vの絶対値が小さい領域では減衰特性がほぼ線形になる。このような線形減衰である場合は、状況に応じて減衰力が変更されるような減衰係数の可変制御を行うことができない。ばね上相対速度Vの絶対値が小さい領域では、減衰力の大きさの違いによって乗り心地が大きく異なる。したがって、この領域において減衰特性が線形になってしまうと、乗り心地を良好にするための制御を十分に行うことができない。
また、ダンパの減衰係数の可変制御をスカイフック制御理論に基づいて行うサスペンション装置も提案されている。スカイフック制御理論に基づいて減衰係数を可変制御することにより、ばね上相対速度Vの絶対値が小さい領域であっても広い制御幅を持って減衰力が制御される。このため乗り心地を向上させることができる。
しかし、スカイフック制御理論に従って所望の減衰力を表す減衰係数である要求減衰係数を算出した場合に、ダンパの減衰係数の制御範囲を越えた要求減衰係数(たとえば負の減衰係数や極めて小さい(または極めて大きい)減衰係数)が算出されることもある。このためスカイフック制御理論が実用上の減衰制御に適用できる範囲がおのずと限られてしまうといった問題があった。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、ばね上相対速度の絶対値が小さい領域であっても減衰係数が可変制御されるとともに、ダンパの減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて可変制御されるサスペンション装置を提供することを目的とする。
本発明の特徴は、車両のばね下部材とばね上部材との間に介装され、ばね下部材に対するばね上部材の振動を減衰するための減衰力を発生する減衰力発生手段と、前記減衰力発生手段の減衰係数を変更する減衰係数変更手段と、要求減衰係数を算出する要求減衰係数算出手段と、前記減衰力発生手段の減衰係数が前記要求減衰係数算出手段により算出された要求減衰係数となるように、前記減衰係数変更手段を制御する減衰係数制御手段と、を備えるサスペンション装置において、前記要求減衰係数算出手段が、スカイフック制御理論により計算された減衰係数と予め設定された基準減衰係数との和により前記要求減衰係数を算出することにある。
上記発明によれば、要求減衰係数算出手段によって、スカイフック制御理論により計算された減衰係数に予め設定された基準減衰係数を加えたものが要求減衰係数として算出される。つまり、スカイフック制御理論に従って求めた減衰係数が基準減衰係数により補正され、このように補正された減衰係数が要求減衰係数として算出される。したがって、基準減衰係数を適切な値に設定することによって、スカイフック制御理論をより現実の減衰力発生手段の減衰性能に即した形として適用することができる。これにより、より実現可能な減衰係数の範囲内で要求減衰係数が算出され、減衰係数発生手段の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて減衰係数を可変制御することができる。また、本発明は、減衰係数を基準減衰係数により補正しているとはいえ、基本的な減衰制御理論はスカイフック制御理論であるため、ばね上相対速度が低速度の領域においても減衰係数が可変制御される。つまり、ばね上相対速度が低速度の領域においても、減衰力の制御幅に広がりを持たせることができる。このため低速度領域にて減衰係数の可変制御を行うことにより、乗り心地の向上を図ることができる。
上記減衰力発生手段は、ばね下部材に対するばね上部材の上下振動を減衰する機能、つまり、ばね下部材を介して路面から入力された上下振動を減衰する機能を有するものであり、サスペンション装置においては一般にダンパあるいはショックアブソーバと呼ばれるものである。
上記減衰係数変更手段は、減衰力発生手段の減衰係数、具体的には、ばね下部材に対するばね上部材の上下振動の速度(ばね上相対速度)に対する減衰力の大きさを表す係数を変更する。この減衰係数変更手段は、例えば減衰力発生手段としてのダンパ内部に粘性流体の流通路が形成されている場合において、この流通路の流路断面積の大きさを変更するバルブおよびこのバルブを作動させるモータなどのアクチュエータを備えた可変絞り機構等により構成することができる。
上記減衰係数算出手段は要求減衰係数を算出する。本発明では、要求減衰係数は、スカイフック制御理論により計算された減衰係数と予め設定された基準減衰係数との和により算出される。この減衰係数算出手段は、たとえば車両に搭載された減衰力制御用のマイクロコンピュータ(具体的にはマイクロコンピュータ中の要求減衰係数を算出する部分)により構成することができる。基準減衰係数は正の値であるのがよい。さらに、基準減衰係数は、減衰力発生手段および減衰係数変更手段により実現可能な最低の減衰係数またはその近傍の値(例えば900N・s/m〜1100N・s/m)に設定するのが好ましい。このように設定すれば、スカイフック制御理論に基づいて算出された減衰係数が0付近である場合でも、その減衰係数に基準減衰係数を加算することにより、要求減衰係数を減衰力発生手段により実現可能な減衰係数にすることができる。
上記減衰係数制御手段は、減衰力発生手段の減衰係数が要求減衰係数となるように、減衰係数変更手段を制御するものである。この減衰係数制御手段は、減衰係数変更手段の作動を制御する駆動回路や、減衰力制御用のマイクロコンピュータのうち駆動回路に制御信号を出力する部分により構成することができる。
また、本発明のサスペンション装置は、ばね上部材の上下方向の絶対速度をばね上速度として取得するばね上速度取得手段と、ばね下部材に対するばね上部材の上下方向の相対速度をばね上相対速度として取得するばね上相対速度取得手段と、をさらに備え、前記要求減衰係数算出手段は、前記ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度と前記ばね上相対速度取得手段により取得されたばね上相対速度との積が正または0であるときに、下記式(1)に基づいて前記要求減衰係数を算出するものであるのがよい。
Figure 2010083152
(ここで、Cは要求減衰係数、Cはスカイフック減衰係数、vはばね上速度、Vはばね上相対速度、Cは予め設定された基準減衰係数である。)
これによれば、ばね上相対速度とばね上速度との積が正あるいは0である場合、つまり、ばね上相対速度とばね上速度とが同符号である場合、あるいは一方の速度が0である場合に上記式(1)により要求減衰係数が決定される。式(1)の右辺の第一項はスカイフック制御理論に従って算出される減衰係数を表し、右辺の第二項は基準減衰係数を表わす。要求減衰係数Cは、この第一項の値と第二項の値との和により算出される。したがって、第二項により表わされる基準減衰係数Cを減衰力発生手段および減衰係数変更手段により実現可能な減衰係数に設定しておくことによって、第一項の値、すなわちスカイフック制御理論に従って算出される減衰係数が0または0近傍の非常に小さい値であっても、要求減衰係数は減衰力発生手段および減衰係数変更手段により制御可能な範囲内の減衰係数として算出される。これにより、減衰係数発生手段の減衰係数の実用制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて減衰係数を可変制御することができる。
上記ばね上速度取得手段は、ばね上部材の上下方向の絶対速度を取得するものであれば、どのようなものでもよい。たとえば、ばね上部材の上下方向の加速度を検出する加速度センサと、この加速度センサにより検出された上下方向の加速度を積分して上下方向の速度を算出する積分器とにより、ばね上速度取得手段を構成してもよい。また、ばね上部材の上下方向の変位を検出する変位検出センサと、この変位検出センサにより検出された変位を微分して上下方向の速度を算出する微分器とにより、ばね上速度取得手段を構成してもよい。また、直接ばね上部材の上下方向の速度を検出する速度センサによりばね上速度取得手段を構成してもよい。
上記ばね上相対速度取得手段は、ばね上部材のばね下部材に対する速度を取得するものであれば、どのようなものでもよい。たとえば、ばね上部材のばね下部材に対する変位を検出する変位検出センサ(ストロークセンサ)と、この変位検出センサにより検出された変位を微分してばね上相対速度を算出する微分器とにより、ばね上相対速度取得手段を構成してもよい。また、ばね上部材の上下方向の絶対速度を取得するばね上速度取得手段と、ばね下部材の上下方向の絶対速度を取得するばね下速度取得手段と、ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度とばね下速度取得手段により取得されたばね下速度との差を計算し、その計算結果からばね上相対速度を算出するばね上相対速度算出手段により、ばね上相対速度取得手段を構成してもよい。
また、前記要求減衰係数算出手段は、前記ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度と前記ばね上相対速度取得手段により取得されたばね上相対速度との積が負であるときに、下記式(2)に基づいて前記要求減衰係数を算出するものであるとよい。
Figure 2010083152
上記発明によれば、ばね上相対速度とばね上速度との積が負である場合、つまり、ばね上相対速度とばね上速度とが異符号である場合に上記式(2)により要求減衰係数が決定される。上記式(2)によれば、要求減衰係数が基準減衰係数とされる。ここで、ばね上相対速度とばね上速度が異符号である場合にスカイフック制御理論にしたがって減衰係数を算出すると、算出される減衰係数は負の値となる。この場合には減衰力が0となるように制御することもあるが、実際の減衰力発生手段において減衰力を0とすること、すなわち減衰係数を0に設定することは不可能である。この場合に本発明では、要求減衰係数が基準減衰係数Cとされる。したがって、基準減衰係数Cを減衰力発生手段および減衰係数変更手段により実現可能な減衰係数に予め設定しておくことにより、要求減衰係数は減衰力発生手段および減衰係数変更手段により制御可能な範囲内の減衰係数として算出される。これにより、減衰係数発生手段の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて、上下振動が減衰される。
また、本発明の他の特徴は、前記ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度と前記ばね上相対速度取得手段により取得されたばね上相対速度との積が正または0であり、且つ前記ばね上相対速度の絶対値が予め設定された基準速度V未満であるときに、前記要求減衰係数算出手段が、下記式(3)に基づいて前記要求減衰係数を計算することにある。
Figure 2010083152
先に述べたように、ばね上相対速度とばね上速度との積が正または0である場合は、要求減衰係数算出手段は基本的には上記式(1)式に基づいて要求減衰係数を算出する。式(1)の右辺の第一項の分母はばね上相対速度Vである。このため、Vが非常に小さい場合には算出される要求減衰係数が大きくなり、場合によっては減衰力発生手段および減衰係数変更手段により実現可能な減衰係数よりも大きくなってしまう。この点につき、本発明では、ばね上相対速度の絶対値が予め設定された基準速度V未満のときには、上記式(1)ではなく、上記式(3)に基づいて要求減衰係数が算出される。上記式(3)は、上記式(1)における右辺の第一項の分母をばね上相対速度ではなく、予め設定された基準速度Vとした式である。つまり、上記(3)式によれば、ばね上相対速度の絶対値が基準速度V未満であるときは、式(1)におけるばね上相対速度を基準速度Vであるとして要求減衰係数が計算される。このため、基準速度Vを減衰力発生手段および減衰係数変更手段の性能に合わせた所望の値に設定しておくことにより、VがV未満の非常に小さい値である場合でも、式(3)により算出された要求減衰係数は実現可能な範囲内の減衰係数となる。これにより、減衰力発生手段の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて減衰係数の可変制御を行うことができる。基準速度Vは、式(3)により算出される要求減衰係数が制御可能な範囲となるような値に設定することができるが、例えば0.05〜0.15m/sとすることができる。
なお、上記発明の趣旨から、ばね上相対速度Vが基準速度V未満である場合には、下記式(4)に基づいて要求減衰係数を計算することも考えられる。
Figure 2010083152
上記式(4)により要求減衰係数を算出した場合でも、要求減衰係数を、減衰力発生手段および減衰係数変更手段により実現可能な範囲内の減衰係数に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態のサスペンション装置の全体概略図である。このサスペンション装置1は、サスペンション機構SPと電気制御装置ELを備えている。
サスペンション機構SPは、コイルスプリング10とダンパ20を備えている。コイルスプリング10およびダンパ20の一端(下端)は、ばね下部材LAに接続され、他端(上端)はばね上部材HAに接続されている。コイルスプリング10は、路面からばね下部材LAを介して伝達される振動を吸収する。ダンパ20はコイルスプリング10と並行に配置されており、上記振動を減衰する。なお、本実施形態において、ばね下部材LAは、コイルスプリング10およびダンパ20と車輪との間に配設された連結部材であり、たとえば車輪に連結されたナックルや、一端がナックルに連結されたロアアーム等がばね下部材LAに相当する。このロアアームにコイルスプリング10やダンパ20の一端が連結される。また、ばね上部材HAは、コイルスプリング10およびダンパ20に支持される部材であり、車体もばね上部材HAに含まれる。
ダンパ20は、シリンダ21と、ピストン22と、ピストンロッド23とを備える。シリンダ21は内部にオイルなどの粘性流体が封入された筒状部材であり、その下端がばね下部材LAであるロアアームに連結されている。ピストン22はシリンダ21内に配設され、シリンダ21の内部空間を軸方向に移動可能に構成されている。ピストンロッド23は棒状の部材であって、その一端がピストン22に接続され、その接続端からシリンダ21の軸方向に延設されてシリンダ21の上端から外部に突き出ている。そして、他端がばね上部材HAである車体に連結されている。
また、図に示されるように、シリンダ21の内部に配設されたピストン22によって、シリンダ21の内部空間が上部空間21aと下部空間21bとに分けられている。さらに、ピストン22には、上部空間21aに面している上面22aと下部空間21bに面している下面22bとを連通する連通路22cが内部に形成されている。
上記構造のダンパ20において、車両走行中に路面凹凸などによってばね下部材LAが上下に振動した場合に、この上下振動がばね下部材LAからダンパ20のシリンダ21に伝達され、シリンダ21も上下に振動する。ピストン22はシリンダ21内に配設されているから、このピストン22はシリンダ21の上下振動によって上下方向に相対変位する。この相対変位により連通路22c内を粘性流体が流通する。このときの粘性抵抗により振動に対する減衰力が発生する。この減衰力によって振動が減衰する。このように、本実施形態のダンパ20は、車両のばね下部材LAとばね上部材である車体との間に介装され、ばね下部材LAに対するばね上部材HAの振動を減衰するための減衰力を発生する減衰力発生手段に相当する。
また、サスペンション機構SPは、可変絞り機構30を備える。この可変絞り機構30は、バルブ31およびアクチュエータ32を有する。バルブ31はピストン22に形成された連通路22cに設けられており、公知の絞り機構によって、連通路22cの少なくとも一部の流路断面積を変化させる。バルブ31は、例えばピストン22の上面22a側から連通路22c内に進退可能に構成された円錐状のニードルバルブにより構成することができる。連通路22cへのニードルバルブの進入長さを変化させることにより、流路断面積を変化させることができる。また、アクチュエータ32はバルブ31に接続されており、このアクチュエータ32の駆動によってバルブ31が作動する。アクチュエータ32は、例えばバルブ31が上記のようにニードルバルブである場合に、このニードルバルブを連通路22cに進退駆動させるためのモータにより構成することができる。
アクチュエータ32の駆動に伴うバルブ31の作動によって連通路22cの流路断面積の大きさが変更された場合、ダンパ20により発生される減衰力の大きさを表す減衰係数も変更される。したがって、可変絞り機構30(バルブ31およびアクチュエータ32)は、ダンパ20の減衰係数を変更する減衰係数変更手段に相当する。
電気制御装置ELは、マイクロコンピュータ41と、ばね上加速度センサ42と、ストロークセンサ43と、積分器44と、微分器45と、駆動回路46を備えて構成されている。ばね上加速度センサ42は車体に組み付けられていて、絶対空間に対するばね上部材HAの上下方向の加速度であるばね上加速度αを検出し、検出したばね上加速度αに応じた信号を出力する。ストロークセンサ43は、車体とばね下部材LAとの間に配設されており、ばね上部材HAのばね下部材LAに対する上下変位(ストローク変位)xを検出し、検出した変位xに応じた信号を出力する。なお、ばね上加速度センサ42は上方向に向かう加速度を正の加速度として検出し、下方向に向かう加速度を負の加速度として検出する。
積分器44は、ばね上加速度センサ42から出力された信号を入力し、入力信号から得られるばね上加速度αを積分してばね上部材HAの上下方向の絶対速度であるばね上速度vを計算し、計算したばね上速度vに応じた信号を出力する。積分器44は、上方向に向かうばね上速度を正の速度として計算し、下方向に向かうばね上速度を負の速度として計算する。微分器45は、ストロークセンサ43から出力された信号を入力し、入力信号から得られる上下変位xを微分してばね下部材LAに対するばね上部材の相対速度であるばね上相対速度V、すなわちピストン22のシリンダ21における相対速度を計算し、計算したばね上相対速度Vに応じた信号を出力する。微分器45は、ばね上相対速度Vがばね上部材HAとばね下部材LAとの間隔を広げる方向に向かう速度、すなわちばね上部材HAがばね下部材LAに対して上方に相対移動する速度であるときに、その速度を正の速度として計算し、ばね上部材HAとばね下部材LAとの間隔を狭める方向に向かう速度、すなわちばね上部材HAがばね下部材LAに対して下方に相対移動する速度であるときに、その速度を負の速度として計算する。なお、ばね上相対速度Vは、v−vにより表すこともできる(vは、ばね下部材LAの上下方向の絶対速度であって、上方向に向かう速度が正の速度、下方向に向かう速度が負の速度である)。
マイクロコンピュータ41は、積分器44、微分器45および駆動回路46に電気的に接続されている。そして、積分器44および微分器45から出力された信号を入力し、これらの信号を用いて要求減衰係数を算出する。したがって、このマイクロコンピュータ41において要求減衰係数を計算する部分が、本発明の要求減衰係数計算手段に相当する。また、マイクロコンピュータ41は、ダンパ20の減衰係数が、計算した要求減衰係数となるようにバルブ31を制御するための制御信号を駆動回路46に出力する。駆動回路46は、入力した制御信号に基づいてアクチュエータ32を駆動制御する。この駆動制御によって、ダンパ20の減衰係数が要求減衰係数となるようにバルブ31の作動が制御される。したがって、マイクロコンピュータ41において制御信号を計算して出力する部分および駆動回路46は、算出された要求減衰係数に基づいて可変絞り機構30を制御する減衰係数制御手段に相当する。
次に、上記のように構成された本実施形態のサスペンション装置1の作動について説明する。乗員がイグニッションキーを操作することによりイグニッションがONとなると、マイクロコンピュータ41は、図2の減衰力変更制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。
この減衰力変更制御プログラムはステップ100(以下、ステップ番号をSと略記する。)にて開始され、S102にて、積分器44から出力されるばね上速度vと、微分器45から出力されるばね上相対速度Vが入力される。次に、S104にて、ばね上相対速度Vとばね上速度vとの積が0以上であるか、つまりV・vが正または0であるか否かについて判定される。V・vが正または0であると判定された場合(S104:Yes)はS106に進む。S106では、Vの絶対値が基準速度V未満であるか否かについて判定される。基準速度Vは予め所定の微低速に設定されており、たとえば0.1m/sとすることができるが、好ましくは0.05〜0.15m/sの範囲内で設定するとよい。
Vの絶対値が基準速度V以上であると判定された場合(S106:No)はS108に進み、下記の式(1)を用いて要求減衰係数Cが計算される。
Figure 2010083152
式(1)において、Cはスカイフック減衰係数であり、サスペンション装置がスカイフック制御理論に基づいて制御されるように予め設定されている値である。Cは基準減衰係数である。この基準減衰係数Cも予め設定されている。基準減衰係数Cは減衰係数として小さな正の値であるのがよい。また、基準減衰係数Cは、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な範囲内の減衰係数に設定されるとよい。より好ましくは、基準減衰係数Cは、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な範囲内の減衰係数の下限値に設定されるとよい。Cは、たとえば、1000N・s/mに設定することができるが、好ましくは900〜1100N・s/mの範囲内で設定するとよい。
また、S104にてV・vが0未満であると判定された場合(S104:No)、つまりV・vが負である場合はS112に進み、下記の式(2)を用いて要求減衰係数Cが計算される。
Figure 2010083152
また、S106にてVの絶対値が基準速度V未満であると判定された場合(S106:Yes)はS110に進み、下記の式(3)を用いて要求減衰係数Cが計算される。
Figure 2010083152
S108,S110またはS112にて要求減衰係数Cが計算された後は、S114に進み、ダンパ20の減衰係数が要求減衰係数Cとなるように、駆動回路46に制御信号が出力される。これにより駆動回路46からアクチュエータ32に必要な電流が供給されてアクチュエータ32が駆動される。アクチュエータ32の駆動によって、ダンパ20の減衰係数が、算出された要求減衰係数Cとなるようにバルブ31が制御される。その後、S116に進み、このプログラムが終了される。
ここで、スカイフック制御理論に基づいたダンパの減衰力制御について説明する。図3は、ばね上部材HAが地上のある点からスカイフックダンパSDにより吊り下げられた仮想のサスペンション装置のモデル(スカイフックモデル)を表わす図である。この仮想モデルにおいて、スカイフックダンパSDの減衰係数をC、ばね上部材HAの質量をM、ばね下部材LAの質量をm、コイルスプリング10の弾性係数をK、ばね上部材HAの上下方向の変位量をx、ばね下部材LAの上下方向の変位量をx(x,xともに、基準位置からの上方変位を正の変位、下方変位を負の変位とする)とすると、このモデルの運動方程式は、下記式(5)により表わされる。
Figure 2010083152
また、図4は、図1に示される実際のサスペンション装置1のモデルを表わす図である。このモデルにおいて、ダンパ20の実減衰係数をCとすると、運動方程式は下記式(6)により表わされる。
Figure 2010083152
実際のサスペンション装置1をスカイフックモデルにより表わす場合には、上記式(5)と上記式(6)が共に成立するようにすればよい。この場合、式(5)の左辺と式(6)の左辺を等号でつなぎ、実減衰係数Cを求めると、下記式(7)のようになる。
Figure 2010083152
ここで、vはばね上速度、vはばね下速度、Vはばね上相対速度である。
上記式(7)において、ばね上相対速度Vとばね上速度vとの積が負である場合は、実減衰係数Cが負となる。実際のダンパ20では減衰係数を負とすることができない。よって、上記式(7)は、ばね上相対速度Vとばね上速度vとの積が正または0である場合にのみ用いるものとし、上記積が負である場合は、実減衰係数Cは下記の式(8)により計算される。
Figure 2010083152
式(7)および式(8)に従って求めた実減衰係数Cを要求減衰係数として、ダンパ20の減衰係数がこの要求減衰係数となるように可変絞り機構30を制御することにより、スカイフック制御理論に基づいた減衰力制御が行われる。
図5は、上記式(7)および式(8)に従って要求減衰係数Cを定めた場合、すなわちスカイフック制御理論に従って要求減衰係数Cを求めた場合における、F−V(減衰力−ばね上相対速度)特性を表すリサージュ波形の概略図である。図において灰色に塗り潰した部分が、減衰力の制御領域である。図に示されるように、スカイフック制御理論に基づき減衰力を制御することにより、ばね上相対速度Vの絶対値が小さい領域においても減衰力の制御幅が広く、減衰係数が可変制御されることがわかる。
しかし、スカイフック制御理論に基づいて減衰力を制御した場合には、減衰係数の制御幅が広すぎるために、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数の範囲内では制御しきれない場合も生ずる。たとえば、ばね上速度vが0であるときに式(7)あるいは式(8)により要求減衰係数Cを計算すると、C=0となる。したがって、減衰力F(=C・V)も0となる。この場合、減衰力Fは図5においてV軸上に表わされる。減衰力Fが0となるようにダンパ20の減衰係数を変更することはできない。また、V・vが正である場合において、Vが非常に小さいときに式(7)に基づいて要求減衰係数Cを計算すると、計算された要求減衰係数Cが、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数の範囲を越えた減衰係数となることもある。Vは式(7)の右辺の分母の値であるので、要求減衰係数Cが非常に大きくなる場合もあるからである。また、Vが非常に小さい場合は、Vのわずかな誤差がCの計算結果に大きな影響を与える。つまり、Cの計算誤差が大きくなる。
このように、スカイフック制御理論により要求減衰係数Cを求めた場合、その要求減衰係数Cが、ダンパ20および可変絞り機構30により制御可能な減衰係数の範囲を越えた減衰係数である場合もある。この場合には要求減衰係数Cに沿ってダンパ20の減衰係数を変更することができない。
これに対し、本実施形態のサスペンション装置1においては、上記式(1),(2)および(3)に従って要求減衰係数Cが算出される。このようにして要求減衰係数Cを算出することにより、スカイフック制御理論に基づいて要求減衰係数を算出した場合に起こり得る上記不具合が改善されている。
本実施形態にて要求減衰係数算出の際に用いられる上記式(1)は、ばね上相対速度Vの絶対値|V|がV以上の場合にスカイフック制御理論に基づいて導かれる式(7)に対応している。式(1)の右辺の第一項はスカイフック制御理論に従って算出される減衰係数、すなわち式(7)により算出される減衰係数により表わされ、式(1)の右辺の第二項は基準減衰係数Cにより表わされる。すなわち、式(1)によれば、要求減衰係数Cは、スカイフック制御理論に基づいて算出された減衰係数に基準減衰係数Cを加算することにより求められる。従って、式(1)により算出される要求減衰係数Cは必ず基準減衰係数Cよりも大きな値となる。これに対し、ばね上速度vが0または0近傍の非常に小さな値である場合に式(7)により要求減衰係数Cを算出すると、要求減衰係数Cは0または0に近い小さな値となる。よって、基準減衰係数Cを少なくともダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数、例えば実現可能な最小の減衰係数に設定しておくことにより、算出される要求減衰係数Cが、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数を下回ることはない。このため、ダンパ20の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて減衰係数の可変制御を行うことができる。
また、本実施形態にて要求減衰係数算出の際に用いられる上記式(2)は、スカイフック制御理論に基づいて導かれる式(8)に対応している。式(2)により算出される要求減衰係数は、基準減衰係数Cに等しい。よって、上述のように基準減衰係数Cを少なくともダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数、例えば実現可能な最小の減衰係数に設定しておくことにより、式(2)により算出される要求減衰係数C(すなわち基準減衰係数C)は、ダンパ20の可変制御範囲内の減衰係数となる。したがって、この場合においても、ダンパ20の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて、上下振動が減衰される。
また、本実施形態にて要求減衰係数算出の際に用いられる上記式(3)は、ばね上相対速度Vの絶対値|V|がV未満の場合にスカイフック制御理論に基づいて導かれる式(7)に対応している。この式(3)は式(1)に類似しているが、右辺の第一項の分母が式(1)のようにばね上相対速度Vではなく、基準速度Vとされている。つまり、|V|がV未満の場合は、Vが一定値Vであるとして要求減衰係数が計算される。したがって、Vが非常に小さい場合であってもその小ささの影響が要求減衰係数Cの計算から除外され、Vが非常に小さい値であることによって要求減衰係数Cの計算値が大きくなることはない。このため、Vをダンパ20および可変絞り機構30の性能に合わせた所望の値に設定しておくことにより、|V|がV未満の非常に小さい値である場合でも、式(3)により算出された要求減衰係数Cが、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な範囲内の減衰係数となる。よって、ダンパ20の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて減衰係数の可変制御を行うことができる。
図6は、本実施形態に係る減衰力制御、すなわち上記式(1),(2)および(3)に従って要求減衰係数を定めた場合における、F−V特性を表すリサージュ波形の概略図である。図において灰色に塗り潰した部分が減衰力の制御領域である。図に示されるように、本実施形態に係る減衰力制御においても図5に示されるスカイフック制御理論に基づいた減衰力制御と同様に、ばね上相対速度Vの絶対値が小さい領域、たとえばVの絶対値がV未満の領域において減衰力の制御幅が広く、減衰係数が可変制御されることがわかる。
また、図5と異なり、図6のリサージュ波形により表わされる減衰力の制御領域は、ダンパ20および可変絞り機構30により実現不可能な減衰係数により表わされる減衰制御領域を除外したリサージュ波形として描かれている。具体的には、要求減衰係数CがCよりも小さい減衰係数により制御される領域(領域A)と、Vの絶対値がV未満である領域中であって要求減衰係数Cが上記式(3)により求められる値以上となる減衰係数により制御される領域(領域B)が、除外されている。したがって、ダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数の範囲に見合った要求減衰係数に基づいて、減衰係数の可変制御を行うことができるのである。なお、上記式(1)により算出された要求減衰係数により減衰制御される範囲は図中の領域Cにより表わされている。また、上記式(2)により算出された要求減衰係数により減衰制御される部分は図中の直線Dにより、上記式(3)により算出された要求減衰係数により減衰制御される範囲は図中の領域Eにより表わされている。
以上のように、本実施形態のサスペンション装置1によれば、スカイフック制御理論をベースとして減衰力が制御されるため、ばね上相対速度Vが微低速の領域においても減衰力が所定の制御幅の範囲内で変化し得る。したがって、Vが微低速である場合にも状況に応じた減衰係数の可変制御を行うことができ、車両の乗り心地を良好にすることができる。また、本実施形態によれば、スカイフック制御理論に基づいて算出される減衰係数に基準減衰係数Cを加えて要求減衰係数が算出されるので、要求減衰係数は最低でも基準減衰係数Cとなる。このためこの基準減衰係数Cをダンパ20および可変絞り機構30による制御可能範囲内の減衰係数に設定することによって、要求減衰係数がダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な減衰係数を下回ることを防止することができる。よって、要求減衰係数が小さすぎるためのその要求減衰係数に見合った制御ができなくなるといった不具合が防止される。また、相対速度Vが小さい範囲、具体的には相対速度Vの絶対値が基準速度Vよりも小さい範囲では、相対速度Vの値の代わりに基準速度Vを用いて要求減衰係数Cが計算される。したがって、ダンパ20および可変絞り機構30の性能に合わせて基準速度Vを設定することにより、Vの値にかかわらずに要求減衰係数がダンパ20および可変絞り機構30により実現可能な範囲内の減衰係数として算出される。よって、Vの値が極小であるがために要求減衰係数が大きくなって、その要求減衰係数に見合った制御ができなくなるといった不具合も防止される。すなわち、本実施形態のサスペンション装置1によれば、ダンパ20の減衰係数の制御範囲に見合った要求減衰係数に基づいて、減衰係数の可変制御を行うことができる。
本実施形態に係るサスペンション装置の全体概略図である。 減衰力変更制御プログラムのフローチャートである。 スカイフックモデルを表す図である。 現実のサスペンション装置のモデルを表す図である。 スカイフック制御理論に基づいて要求減衰係数を定めた場合における、F−V特性を表すリサージュ波形の概略図である。 本実施形態により要求減衰係数を定めた場合における、F−V特性を表すリサージュ波形の概略図である。
符号の説明
1…サスペンション装置、10…コイルスプリング、20…ダンパ(減衰力発生手段)、21…シリンダ、21a…上部空間、21b…下部空間、22…ピストン、22c…連通路、30…可変絞り機構(減衰係数変更手段)、31…バルブ、32…アクチュエータ(減衰係数変更手段)、41…マイクロコンピュータ(要求減衰係数算出手段、減衰係数制御手段)、42…ばね上加速度センサ(ばね上速度取得手段)、43…ストロークセンサ(ばね上相対速度取得手段)、44…積分器(ばね上速度取得手段)、45…微分器(ばね上相対速度取得手段)、46…駆動回路(減衰係数制御手段)、SP…サスペンション機構、EL…電気制御装置、HA…ばね上部材、LA…ばね下部材、C…要求減衰係数、C…基準減衰係数、V…ばね上相対速度、v…ばね上速度、V…基準速度

Claims (4)

  1. 車両のばね下部材とばね上部材との間に介装され、ばね下部材に対するばね上部材の振動を減衰するための減衰力を発生する減衰力発生手段と、前記減衰力発生手段の減衰係数を変更する減衰係数変更手段と、要求減衰係数を算出する要求減衰係数算出手段と、前記減衰力発生手段の減衰係数が前記要求減衰係数算出手段により算出された要求減衰係数となるように、前記減衰係数変更手段を制御する減衰係数制御手段と、を備えるサスペンション装置において、
    前記要求減衰係数算出手段は、スカイフック制御理論により計算された減衰係数と予め設定された基準減衰係数との和により前記要求減衰係数を算出することを特徴とする、サスペンション装置。
  2. 請求項1に記載のサスペンション装置において、
    ばね上部材の上下方向の絶対速度をばね上速度として取得するばね上速度取得手段と、
    ばね下部材に対するばね上部材の上下方向の相対速度をばね上相対速度として取得するばね上相対速度取得手段と、を備え、
    前記要求減衰係数算出手段は、前記ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度と前記ばね上相対速度取得手段により取得されたばね上相対速度との積が正または0であるときに、下記式(1)に基づいて前記要求減衰係数を算出することを特徴とする、サスペンション装置。
    Figure 2010083152
    (ここで、Cは要求減衰係数、Cはスカイフック減衰係数、vはばね上速度、Vはばね上相対速度、Cは予め設定された基準減衰係数である。)
  3. 請求項2に記載のサスペンション装置において、
    前記要求減衰係数算出手段は、前記ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度と前記ばね上相対速度取得手段により取得されたばね上相対速度との積が負であるときに、下記式(2)に基づいて前記要求減衰係数を算出することを特徴とする、サスペンション装置。
    Figure 2010083152
  4. 請求項2または3に記載のサスペンション装置において、
    前記ばね上速度取得手段により取得されたばね上速度と前記ばね上相対速度取得手段により取得されたばね上相対速度との積が正または0であり、且つ前記ばね上相対速度の絶対値が予め設定された基準速度V未満であるときには、前記要求減衰係数算出手段は、下記式(3)に基づいて前記要求減衰係数を計算することを特徴とする、サスペンション装置。
    Figure 2010083152
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012111328A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Kyb Co Ltd サスペンション装置
JP2015229416A (ja) * 2014-06-05 2015-12-21 トヨタ自動車株式会社 ショックアブソーバシステム

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