JP2010083117A - タイヤ成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生タイヤの成形時に、カーカスバンドをビードコアとの間に挟んで確実に保持し、拡径時のカーカスバンドのずれを抑制する。
【解決手段】タイヤ成形装置1の成形ドラム10に筒状のカーカスバンド70を配置し、ビードロック部30のセグメント31を拡径させてビードコア71を固定するとともに、セグメント31とビードコア71との間にカーカスバンド70を挟み込む。セグメント31のカーカスバンド70との接触面に、カーカスバンド70に対する摩擦力が大きい弾性体からなる滑り止め部材40を設け、カーカスバンド70の両側部をそれぞれ確実に保持する。その状態で、両ビードロック部30を接近させて、ビードコア71及びカーカスバンド70の保持部を互いに接近させつつ、ビードコア71間のカーカスバンド70を拡径させる。
【選択図】 図1
【解決手段】タイヤ成形装置1の成形ドラム10に筒状のカーカスバンド70を配置し、ビードロック部30のセグメント31を拡径させてビードコア71を固定するとともに、セグメント31とビードコア71との間にカーカスバンド70を挟み込む。セグメント31のカーカスバンド70との接触面に、カーカスバンド70に対する摩擦力が大きい弾性体からなる滑り止め部材40を設け、カーカスバンド70の両側部をそれぞれ確実に保持する。その状態で、両ビードロック部30を接近させて、ビードコア71及びカーカスバンド70の保持部を互いに接近させつつ、ビードコア71間のカーカスバンド70を拡径させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、成形ドラムの周りにカーカスプライやビードコア等を配置して生タイヤ(グリーンタイヤ)を成形するタイヤ成形装置に関する。
空気入りタイヤは、一般に、一対のビードコアや、その間に亘って延びるカーカスプライ等の複数のタイヤ構成部材からなり、それらを組み合わせて生タイヤを成形し、加硫成型して製造される。また、この生タイヤの成形装置として、従来、タイヤ構成部材が配置される成形ドラムと、成形ドラムに設けられたビードコアを固定するビードロック部及び、タイヤ構成部材の中央部を拡径(膨出)させる手段と、を備えたタイヤ成形装置が知られている(特許文献1参照)。
この従来のタイヤ成形装置は、成形ドラムの外周にカーカスプライ等からなる円筒状のカーカスバンドを配置し、その内側のビードロック部を拡径させて、カーカスバンドの外周に配置した一対のビードコアを半径方向内側から固定する。続いて、ビードロック部を接近させてビードコアを互いに接近させ、同時に、ビードコア間のカーカスバンドに内圧を付加して拡径させる等して生タイヤを成形する。その際、このタイヤ成形装置では、カーカスバンドの両側部を、ビードロック部によりビードコアとの間に挟んで保持した状態で互いに接近させつつ、カーカスバンドの中央部を拡径させており、ビードロック部によりカーカスバンドの保持体(保持手段)を構成している。
図6は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来のビードロック部の例を模式的に示す要部断面図である。
ビードロック部100は、図示のように、複数の円弧状のセグメント101(図では円周方向から見た1つの断面を示す)を有し、それらが組み合わされて全体として略環状に形成されている。また、ビードロック部100は、これらセグメント101を同期して半径方向(図では上下方向)に移動させて拡径及び縮径し、半径方向外側(図では上側)の接触面101Sをカーカスバンド(図示せず)に接触させて、その外周側のビードコアとの間に挟み込んで保持する。
ビードロック部100は、図示のように、複数の円弧状のセグメント101(図では円周方向から見た1つの断面を示す)を有し、それらが組み合わされて全体として略環状に形成されている。また、ビードロック部100は、これらセグメント101を同期して半径方向(図では上下方向)に移動させて拡径及び縮径し、半径方向外側(図では上側)の接触面101Sをカーカスバンド(図示せず)に接触させて、その外周側のビードコアとの間に挟み込んで保持する。
ところが、このセグメント101は、従来、それぞれ接触面101Sを含む全体を金属により一体に形成するのが一般的であり、接触面101Sのカーカスバンドに対する摩擦力が比較的小さくなる傾向がある。そのため、カーカスバンドの保持体としての機能も充分に発揮されず、上記したカーカスバンドの拡径時に作用する中央部側への引張力により、ビードコアとの間のカーカスバンドが同方向に引っ張られて、その位置がずれ易くなる恐れがある。また、ずれの発生に伴い、カーカスプライ内のコードが長くなってタイヤ内で折れ曲がる等して、その付近に皺ができ、いわゆるコードクリス(cord crease)が生じる恐れもある。
本発明は、これら従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、保持体によりカーカスバンドをビードコアとの間に挟んでより確実に保持し、拡径時のカーカスバンドのずれやコードクリスの発生を抑制することである。
本発明は、カーカスバンドが配置される成形ドラムと、成形ドラム上のカーカスバンドを外周側に配置される一対のビードコアとの間に挟んで各々保持する一対の保持体とを備え、ビードコアとともに両保持体を互いに接近させつつビードコア間のカーカスバンドを拡径させて生タイヤを成形するタイヤ成形装置であって、保持体が、カーカスバンドとの接触面に弾性体からなる滑り止め部材を有することを特徴とする。
本発明によれば、保持体によりカーカスバンドをビードコアとの間に挟んでより確実に保持でき、拡径時のカーカスバンドのずれやコードクリスの発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ成形装置は、上記した従来のタイヤ成形装置と同様に、タイヤ構成部材を組み合わせて生タイヤを成形する、例えば成形ドラム上で生タイヤを直接成形して空気入りラジアルタイヤ等を製造するシングル成形装置である。
本実施形態のタイヤ成形装置は、上記した従来のタイヤ成形装置と同様に、タイヤ構成部材を組み合わせて生タイヤを成形する、例えば成形ドラム上で生タイヤを直接成形して空気入りラジアルタイヤ等を製造するシングル成形装置である。
図1は、本実施形態のタイヤ成形装置の概略構成を示す要部模式図であり、その軸線を含む面で切断して一方側(図では上方側)を示す半断面図である。
タイヤ成形装置1は、図示のように、軸線周りに回転可能な略円筒状の成形ドラム10と、成形ドラム10を軸線周りに所定速度で回転等させる成形ドラム10の駆動装置(図示せず)と、を備えている。
タイヤ成形装置1は、図示のように、軸線周りに回転可能な略円筒状の成形ドラム10と、成形ドラム10を軸線周りに所定速度で回転等させる成形ドラム10の駆動装置(図示せず)と、を備えている。
成形ドラム10は、中央面CLを挟んで左右対称に構成され、その外周側(図では上側)に配置される各タイヤ構成部材を支持して同芯状に保持する。その際、成形ドラム10には、少なくともカーカスプライを含む筒状のカーカスバンド70、例えば半径方向に重なり合うインナーライナとカーカスプライ、又は、それらと両側部に貼り付けられたサイドウォールゴム等からなるカーカスバンド70が配置される。加えて、一対の環状のビードコア71(ここでは、ビードフィラ72が半径方向外側に向かって設けられたビードコア71)が、カーカスバンド70の外周側の両側部に配置される。また、成形ドラム10には、その中央部に配置された膨張変形可能な袋状のブラダ11と、その内側の中央面CL上に配置された拡縮径可能な環状のコア体12と、それらを挟んで軸線方向の両側に各々配置された一対の折り返し手段20及びビードロック部30とが、それぞれカーカスバンド70の内側となる所定位置に設けられている。
折り返し手段20は、ビードロック部30に隣接して軸線方向外側に配置され、後述するように、ビードロック部30とともに軸線方向の内側に移動して、その外面上のカーカスバンド70の側部を各々ビードコア71周りに折り返す。また、折り返し手段20は、例えば縮閉状態から同期して放射状に拡開してカーカスバンド70の側部を折り返し方向に変形させる複数の折り返しフィンガや、成形ドラム10の外周面位置から膨張してカーカスバンド70の側部を同様に変形させる折り返しブラダからなる。ここでは、折り返し手段20は、それぞれ膨張可能な2つの折り返しブラダ21、22により構成され、それらが縮小して半径方向に重なり合った円筒状の状態から各々環状に膨張することで、カーカスバンド70の側部を持ち上げるようにして、周方向の全体に亘って折り返す。
ビードロック部30は、上記した従来のビードロック部(図6参照)と同様に、全体として略環状をなす複数の円弧状のセグメント31を有し、それらが同期して半径方向(図では上下方向)に移動して拡径及び縮径し、それぞれビードコア71を半径方向内側から固定して支持する。また、両ビードロック部30は、成形ドラム10の軸線方向(図では左右方向)に中央面CLを挟んで対称に移動して互いに接近及び離間するようになっており、一対のビードコア71を固定した状態で、それらを中央面CL側へ移動させて互いに接近させる。
更に、このビードロック部30のセグメント31は、上記と同様に、成形ドラム10上のカーカスバンド70を、それぞれ外周側に配置されるビードコア71との間に挟んで各ビードコア71とともに保持する保持体でもある。ここでは、ビードロック部30は、各セグメント31を拡径変位させて、その半径方向外側の接触面(図では上側の外周面)を対向するカーカスバンド70の内周面に接触させ、ビードコア71の内周部との間に挟み込んで拘束し、カーカスバンド70の側部を各々固定する。ただし、本実施形態では、これら一対のビードロック部30に滑り止め部材40を設けて、カーカスバンド70の拡径時のずれ等を抑制している。
図2は、このビードロック部30を拡大して模式的に示す要部断面図であり、円周方向から見た1つのセグメント31の断面形状を示している。
ビードロック部30は、図示のように、カーカスバンド70との接触面30Sに設けられた滑り止め部材40と、滑り止め部材40が取り付けられた本体部32とを有し、それらが全体として断面矩形状のセグメント31を構成している。
ビードロック部30は、図示のように、カーカスバンド70との接触面30Sに設けられた滑り止め部材40と、滑り止め部材40が取り付けられた本体部32とを有し、それらが全体として断面矩形状のセグメント31を構成している。
滑り止め部材40は、カーカスバンド70に対する摩擦力や摩擦係数が比較的大きく、その滑り止め機能を有するとともに、カーカスバンド70との接触により弾性変形可能なゴムや合成樹脂等の弾性体からなる。具体的には、ここでは、滑り止め部材40として、ゴムにより所定断面形状に形成したゴムバンドを使用し、各セグメント31のそれぞれに分割して取り付け、又は、環状に形成して複数のセグメント31の全体を囲んで取り付けている。また、この滑り止め部材40は、少なくとも接触面30S側の外周面が、滑らかな平面状に、かつ、セグメント31のカーカスバンド70を挟み込む領域の全体を含む幅に形成されている。更に、滑り止め部材40は、それぞれ断面矩形状をなす接触面30S側の外側部41と逆側の内側部42及び、それらの間の相対的に幅狭な中間部43からなり、これにより、両側部に長手方向に延びる断面矩形凹状の側溝44が形成される。
これに対し、本体部32は、金属等の剛体からなり、滑り止め部材40が取り付けられる接触面30S側の外周部に、滑り止め部材40を収容して保持する収容溝33が、周方向の全体に亘って形成されている。この収容溝33は、滑り止め部材40を収容及び取り外し可能な、その断面形状に対応した断面形状に形成されており、内部に、2つの断面矩形状の凸条33Tが、両側の溝壁から突出して互いに対向するように、周方向の全体に亘って形成されている。この収容溝33内の凸条33Tは、それぞれ滑り止め部材40の側溝44に対応する位置に配置され、その中に挿入されて互いに係合することで、滑り止め部材40を両側から係合・保持して溝内から外れるのを防止する係合部として機能する。
次に、このタイヤ成形装置1により、生タイヤを成形する手順や動作等について説明する。なお、以下の手順等は、タイヤ成形装置1が備える制御装置(図示せず)により制御され、装置各部を予め設定されたタイミングや条件で関連動作させる等、連動して作動させて実行される。この制御装置は、例えばマイクロプロセッサ(MPU)、各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、及び、MPUが直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータから構成され、接続手段を介して装置各部が接続されている。これにより、制御装置は、装置各部と制御信号を含む各種データを送受信し、生タイヤの成形に関する各動作を各々実行させる。
図3は、この生タイヤの成形手順を示す要部模式図であり、各成形時の状態を、図1に対応する半断面図により概略的に順に示している。
生タイヤの成形時には、上記したように、成形ドラム10(図1参照)の外周に、筒状のカーカスバンド70と、その外周側の両側部に位置する一対のビードコア71(ここでは、ビードフィラ72付きのビードコア71)とを配置する。続いて、図示のように、各ビードロック部30の複数のセグメント31を半径方向外側に移動させて拡径(図3A参照)し、カーカスバンド70を挟んで、ビードコア71の内周部に押し付けて、その周方向の全体に亘って固定して支持する。また、この各セグメント31により、それぞれカーカスバンド70をビードコア71との間に挟んで保持し、その両側部を拘束して位置を固定する。
生タイヤの成形時には、上記したように、成形ドラム10(図1参照)の外周に、筒状のカーカスバンド70と、その外周側の両側部に位置する一対のビードコア71(ここでは、ビードフィラ72付きのビードコア71)とを配置する。続いて、図示のように、各ビードロック部30の複数のセグメント31を半径方向外側に移動させて拡径(図3A参照)し、カーカスバンド70を挟んで、ビードコア71の内周部に押し付けて、その周方向の全体に亘って固定して支持する。また、この各セグメント31により、それぞれカーカスバンド70をビードコア71との間に挟んで保持し、その両側部を拘束して位置を固定する。
次に、両側のビードロック部30(図3B参照)を、固定した各ビードコア71及び折り返し手段20とともに、カーカスバンド70を保持した状態で、成形ドラム10の中央面CLに向かって軸線方向内側に移動させて接近させる。同時に、ビードロック部30の移動と同期して、その移動速度に応じた速度でコア体12を拡径させるとともに、ブラダ11を、内側のコア体12の拡径に追従するように膨張変形させる。このように、両側のビードコア71等を互いに接近させつつ、コア体12とブラダ11により、ビードコア71間のカーカスバンド70を半径方向外側に膨出させて拡径させる。
続いて、両側の折り返し手段20の各折り返しブラダ21、22を連動して膨張(図3C参照)させ、その外面上に位置するカーカスバンド70の側部(ビードコア71よりも軸線方向外側部分)をビードコア71周りに半径方向外側に折り返す。これにより、カーカスバンド70の両側部を、それぞれビードコア71とビードフィラ72、及び、拡径させたカーカスバンド70の側面に沿って配置して貼り付け、ベルトやトレッド等の他のタイヤ構成部材を更に配置する等して、所定形状及び構造の生タイヤを成形する。その後、コア体12とブラダ11を縮径させて、ビードロック部30によるビードコア71とカーカスバンド70の保持を解除等し、生タイヤを成形ドラム10から取り外して成形工程を終了させる。
以上説明した生タイヤの成形時に、このタイヤ成形装置1では、ビードロック部30のセグメント31の接触面30Sに弾性体からなる滑り止め部材40を設け、滑り止め部材40をカーカスバンド70に当接させて、その側部をビードコア71との間に挟んで保持する。その際、滑り止め部材40は、カーカスバンド70に対する摩擦力や摩擦係数が大きく、カーカスバンド70の滑りを防止できるため、セグメント31の摩擦による係止力や保持体としての機能を高めて、ビードコア71との間のカーカスバンド70を強力かつ確実に保持することができる。これに伴い、カーカスバンド70の拡径時に中央部側への引張力が作用しても、ビードコア71との間のカーカスバンド70が同方向へ引っ張られて位置がずれるのを抑制することができる。その結果、カーカスプライ内のコードの折れ曲がりや、それらに起因する皺及び、上記したコードクリスの発生を抑制して、タイヤ不良の発生を低減することができる。
また、例えば金属製のセグメント31に表面を粗くする加工を施すことで、カーカスバンド70との摩擦力を大きくしたときには、接触するカーカスバンド70を傷つけて摩耗等させる恐れがある。これに対し、本実施形態では、滑り止め部材40をゴムバンド等の弾性体で形成しており、カーカスバンド70との接触で接触面30Sが弾性変形するため、カーカスバンド70を傷つけることなく充分な摩擦力を確保することができる。併せて、セグメント31をカーカスバンド70に、より強く押し付けて、カーカスバンド70をビードコア71との間に強固に挟み込むこともでき、カーカスバンド70の保持力を必要に応じて調整して確実に保持することもできる。
更に、セグメント31の本体部32に、滑り止め部材40を収容して保持する収容溝33を設けることで、滑り止め部材40をセグメント31の所定位置に確実に保持して位置ずれ等を防止でき、滑り止め部材40をカーカスバンド70と確実に接触させて、繰り返し同じ状態で保持することができる。また、この収容溝33内に、滑り止め部材40と係合して溝から外れるのを防止する係合部(ここでは、両側の凸条33T)を設けたときには、滑り止め部材40を溝内に一層確実に保持することができる。
ここで、このタイヤ成形装置1では、滑り止め部材40の表面を平面状に形成したが、滑り止め部材40は、例えばビードコア71の形状に合わせて表面が凹んだ形状のセグメント31では同様に凹状の表面形状に形成する等、各装置のセグメント31の形状に応じて形成すればよい。ただし、この滑り止め部材40は、カーカスバンド70に対する摩擦力がより低くなる傾向がある表面が平らなセグメント31に設けた場合に、特に大きな効果を発揮して有効である。
なお、滑り止め部材40の断面等の形状は、セグメント31の本体部32に取り付け可能な上記と異なる形状に形成してもよく、それに合わせて、本体部32の収容溝33も形成すればよい。以下、このような他の断面形状の滑り止め部材40を有するビードロック部30のセグメント31について説明する。
図4は、このようなビードロック部30のセグメント31の例を拡大して模式的に示す要部断面図である。
このビードロック部30では、図示のように、本体部32の表面に浅い収容溝33を形成し、その中に薄く形成した滑り止め部材40を収容している。このように、セグメント31の表面(接触面30S)だけに滑り止め部材40を設けても、使用中に滑り止め部材40を収容溝33に保持する効果は小さくなるものの、カーカスバンド70を確実に保持して傷の発生を抑制する充分な効果が得られる。
このビードロック部30では、図示のように、本体部32の表面に浅い収容溝33を形成し、その中に薄く形成した滑り止め部材40を収容している。このように、セグメント31の表面(接触面30S)だけに滑り止め部材40を設けても、使用中に滑り止め部材40を収容溝33に保持する効果は小さくなるものの、カーカスバンド70を確実に保持して傷の発生を抑制する充分な効果が得られる。
図5は、他のビードロック部30のセグメント31の例を拡大して模式的に示す要部断面図である。
このビードロック部30では、図示のように、収容溝33が、溝底へ向かって次第に縮小して断面V字状や台形状(ここでは、台形状)に形成され、滑り止め部材40が、収容溝33に合わせて溝底に向かって先細り状(断面台形状)に形成されている。このようにすることで、カーカスバンド70に対する摩擦力等を損なうことなく、上記(図2参照)に比べて、滑り止め部材40の収容溝33への収容と取り外しとが容易に行え、その着脱性が向上して、例えば劣化時の交換も一層容易に行うことができる。
このビードロック部30では、図示のように、収容溝33が、溝底へ向かって次第に縮小して断面V字状や台形状(ここでは、台形状)に形成され、滑り止め部材40が、収容溝33に合わせて溝底に向かって先細り状(断面台形状)に形成されている。このようにすることで、カーカスバンド70に対する摩擦力等を損なうことなく、上記(図2参照)に比べて、滑り止め部材40の収容溝33への収容と取り外しとが容易に行え、その着脱性が向上して、例えば劣化時の交換も一層容易に行うことができる。
(生タイヤの成形試験)
本発明の効果を確認するため、実際に、以上説明したビードロック部30(図5参照)を備えたタイヤ成形装置1により生タイヤを成形し、その生タイヤ(以下、実施品という)に発生した不良の種類と不良の発生率とを調査した。また、従来と同様に、滑り止め部材40が設けられていないビードロック部100(図6参照)を備えたタイヤ成形装置により生タイヤを成形し、その生タイヤ(以下、従来品という)に発生した不良の種類と不良の発生率も調査して実施品と比較した。ただし、実施品と従来品の成形条件は、ビードロック部以外は全て同じ条件である。表1に、この調査と比較の結果を示す。
本発明の効果を確認するため、実際に、以上説明したビードロック部30(図5参照)を備えたタイヤ成形装置1により生タイヤを成形し、その生タイヤ(以下、実施品という)に発生した不良の種類と不良の発生率とを調査した。また、従来と同様に、滑り止め部材40が設けられていないビードロック部100(図6参照)を備えたタイヤ成形装置により生タイヤを成形し、その生タイヤ(以下、従来品という)に発生した不良の種類と不良の発生率も調査して実施品と比較した。ただし、実施品と従来品の成形条件は、ビードロック部以外は全て同じ条件である。表1に、この調査と比較の結果を示す。
その結果、表1に示すように、従来品では、カーカスバンド70のずれによりコードクリスが発生し、それによる不良発生率は10%であった。これに対し、実施品では、不良発生率は0%であり、カーカスバンド70をビードコア71との間に挟んでより確実に保持でき、拡径時のカーカスバンド70のずれやコードクリスの発生を抑制できることが分かった。
1・・・タイヤ成形装置、10・・・成形ドラム、11・・・ブラダ、12・・・コア体、20・・・折り返し手段、21・・・折り返しブラダ、22・・・折り返しブラダ、30・・・ビードロック部、30S・・・接触面、31・・・セグメント、32・・・本体部、33・・・収容溝、33T・・・凸条、40・・・滑り止め部材、70・・・カーカスバンド、71・・・ビードコア。
Claims (5)
- カーカスバンドが配置される成形ドラムと、成形ドラム上のカーカスバンドを外周側に配置される一対のビードコアとの間に挟んで各々保持する一対の保持体とを備え、ビードコアとともに両保持体を互いに接近させつつビードコア間のカーカスバンドを拡径させて生タイヤを成形するタイヤ成形装置であって、
保持体が、カーカスバンドとの接触面に弾性体からなる滑り止め部材を有することを特徴とするタイヤ成形装置。 - 請求項1に記載されたタイヤ成形装置において、
滑り止め部材が、ゴムバンドであることを特徴とするタイヤ成形装置。 - 請求項1又は2に記載されたタイヤ成形装置において、
保持体が、滑り止め部材を収容して保持する収容溝を有することを特徴とするタイヤ成形装置。 - 請求項3に記載されたタイヤ成形装置において、
収容溝が、溝底へ向かって次第に縮小して形成され、
滑り止め部材が、収容溝に合わせて溝底に向かって先細り状に形成されていることを特徴とするタイヤ成形装置。 - 請求項3又は4に記載されたタイヤ成形装置において、
保持体が、収容溝内に滑り止め部材と係合して溝から外れるのを防止する係合部を有することを特徴とするタイヤ成形装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9193122B2 (en) | 2011-09-26 | 2015-11-24 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Solid deck bead lock drum |
CN105711120A (zh) * | 2014-12-17 | 2016-06-29 | 东洋橡胶工业株式会社 | 生轮胎的成型方法 |
JP2017121793A (ja) * | 2016-01-08 | 2017-07-13 | 住友ゴム工業株式会社 | ビードクランプリング |
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