JP2010082253A - 視標呈示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検者眼に認識されやすいマドックス検査用の固視点視標を呈示可能にし、より正確なマドックス検査を行うことができる視標呈示装置を提供する。
【解決手段】 視力値視標及びマドックス検査用の固視点視標を含む検査視標を呈示する視標呈示手段と、検査視標を選択する視標選択手段と、を備える視標呈示装置において、
視標選択手段により固視点視標が選択されたときに、視標呈示手段により呈示する固視点視標を点滅させる点滅手段を備える。

【選択図】 図1

Description

本発明は、視標を呈示して被検者の視力を検査する視標呈示装置に関する。
被検者の視力や斜位等の視機能を検査する視標を呈示する視標呈示装置としては、筐体内に配置された凹面鏡及びビームスプリッタを介して、呈示窓から検査視標を呈示する省スペースタイプの装置、スクリーンに検査視標と投影する投影タイプの装置及びLCD等のディスプレイに視標を表示するディスプレイタイプの装置が種々使用されている(特許文献1、2、3、4参照)。
ところで、斜位を検査する方法の一つとして、マドックス検査がある。この検査では、視標呈示装置により固視点視標が呈示される。被検者眼の片眼に固視点視標を確認させ、他眼の眼前にはマドックスロッド(マドックス小棹)を介して固視点視標を確認させる。この時、マドックスロッドを介して確認される固視点視標は、被検者には縦又は横方向に線状に伸びる線状光線として確認される。マドックスロッドが配置されていない片眼で確認される固視点視標と、マドックスロッドが配置された他眼で確認される線状光線とを重ね合わせるに必要なプリズム量を求めることにより、斜位量が検査される。
特開平7−236612 特開2002−200042 特開2003−310552 特開2008−023129
しかしながら、多くの眼鏡店及び眼科医院では、蛍光灯などの室内照明や外乱光等が多い明室に視標呈示装置が設置されている。室内照明が点灯された状態でマドックス検査が行われると、照明光や視標呈示装置の外観からの反射光があり、これらの光もマドックスロッドを通過してしまう。この場合には、被検者眼には固視点視標による線状光線以外にも多くの線状光線に見えてしまい、被検者は固視点視標に合わせる線状光線が何れなのか識別が困難になり、回答が曖昧になりやすく、正確なマドックス検査が行われなくなる可能性があった。マドックス検査は、暗室に設置された視標呈示装置を使用して行うしかなかった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、被検者眼に認識されやすいマドックス検査用の固視点視標を呈示可能にし、より正確なマドックス検査を行うことができる視標呈示装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 視力値視標及びマドックス検査用の固視点視標を含む検査視標を呈示する視標呈示手段と、検査視標を選択する視標選択手段と、を備える視標呈示装置において、前記視標選択手段により固視点視標が選択されたときに、前記視標呈示手段により呈示する固視点視標を点滅させる点滅手段を備えることを特徴とする。
(2) (1)の視標呈示装置は、さらに、視力値視標を呈示するときの輝度に対して前記固視点視標の輝度をアップさせる輝度変更手段を備えることを特徴とする。
(3) (1)又は(2)の視標呈示装置は、固視点視標の点滅周期を変更する信号を入力するスイッチを持つ点滅周期変更信号入力手段を備え、前記点滅手段は前記入力信号に基づいて変更された周期で固視点視標を点滅させることを特徴とする。
(4) (2)の視標呈示装置は、固視点視標の輝度レベルを変更する信号を入力するスイッチを持つ輝度変更信号入力手段を備え、前記輝度変更手段は前記変更信号に基づいて前記固視点視標の輝度を変更することを特徴とする。
(5) (1)の視標呈示装置において、前記視標呈示手段は、固視点視標が形成された視標板であって、光路に切り替え配置される視標板及び視標板を背後から照明する照明光源を持つか、又は視標板及び照明光源に加えて光路中に挿脱されるシャッタを備える視標呈示光学系を有するか、あるいは視標を画面上に表示するディスプレイを持つ視標呈示光学系を有し、前記点滅手段は、前記視標呈示光学系に配置された前記照明光源の点灯又は前記シャッタの光路への挿脱を制御する制御手段、又は前記ディスプレイの表示を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
(6) (1)の視標呈示装置において、さらに前記制御手段は、前記光源又は前記ディスプレイの表示を制御し、視力値視標を呈示するときの輝度に対して前記固視点視標の輝度をアップさせることを特徴とする。
(7) (6)の視標呈示装置において、固視点視標の点滅周期を変更する信号を入力するスイッチを持つ点滅周期変更信号入力手段及び固視点視標の輝度レベルを変更する信号を入力するスイッチを持つ輝度変更信号入力手段の少なくとも一方の入力手段を備え、前記制御手段は前記入力手段による信号に基づいて前記光源又は前記ディスプレイの表示を制御することを特徴とする。
本発明によれば、被検者眼に認識されやすいマドックス検査用の固視点視標を呈示することができ、より正確なマドックス検査を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の省スペース型の視標呈示装置の概略構成図である。装置本体1が持つ筐体1aの正面には反射防止膜が施されたアクリル板からなる呈示窓2が配置され、被検者はこの呈示窓2を介し筐体内に視標を見ることができる。筐体1aの内部は黒色に塗装されており、内部構造が見えにくくしている。筐体1aの正面には、後述するワイヤレスのリモコン40に対する光信号の送受信を行う送受信部4が配置されている。
被検者眼の斜位検査が行われる場合には、被検者眼の片眼にマドックス小棹10が配置される。マドックス小棹10には多数の細い円柱(円柱状の光学素子)10aが平行に並べられおり、マドックス小棹10を介して遠方にある点光源(固視点視標)を見ると、円柱の軸に対して垂直な方向に線状光線が見える。つまり、水平斜位の検査にために、円柱10aが被検者眼に対して水平方向(左右方向)に配置された場合には、垂直方向(上下方向)に線状光線が見える。一方、上下斜位の検査のために、円柱10aが被検者眼に対して垂直方向に並べられた場合には、水平方向に線状光線が見える。また、自覚式屈折力測定装置80が使用される場合には、光学素子として用意されたマドック小棹が左右眼の検査窓80Rまたは80Lに配置される。
次に、筐体1aの内部に配置される視標呈示光学系を図2、図3に基づいて説明する。図2は筐体1aの右側面から見たときの透視略図、図3は正面から見たときの透視略図である。ガラス板からなる円盤状の視標ディスク板20の同一円周上には視力値視標等の多数の検査視標がクロム蒸着等により形成されている。視標ディスク板20はモータ21により回転され、被検者眼Eに呈示する視標が検査光路に切換え配置される。呈示視標の一部をマスクするためのマスク板22は、モータ23により回転される。なお、呈示視標を構成するための光学系としては、視標ディスク板20及びマスク板22に変えて液晶等の画像表示パネルを使用することもできる。
また、筐体1aの内部には検査視標を照明する照明光源24、ミラー25、ビームスプリッタ26、凹面鏡27を有する導光光学系が配置されている。なお、照明光源24としては、光源の輝度が変更可能なハロゲンランプ、LED等が使用される。本形態での凹面鏡27は、被検者眼Eと筐体1aの呈示窓2との距離が1.1mのときに、視標と被検者眼Eとの光学距離を5mの検査距離にするようにその焦点距離が設計されている。
照明光源24により照明された検査視標の光束は、ミラー25によって上方に反射され、ビームスプリッタ26を透過した後、凹面鏡27で反射される。凹面鏡27で反射した視標光束はビームスプリッタ26で反射され、呈示窓2を介して被検者眼Eに向かう。
ビームスプリッタ26は、凹面鏡27の光軸L01上に斜設され、光軸L01上で水平方向に延びる回転軸28を中心にして、上下回転モータ29により上下方向に回転される。ビームスプリッタ26が上下方向に回転されることにより、ビームスプリッタ26で反射された視標光束の向かう高さが、被検者眼Eの高さの違いに応じて変えられる。
図4は視標ディスク板20、マスク板22の詳細を示した図である。図4(a)の視標ディスク板20上には、各種の視力値を持つランドルト環視力視標50、ひらがな視力視標51、レッド・グリーン検査等の両眼バランス視標52、が描かれた複数の視標画面が同一円周上に設けられている。各視標画面50は、視標ディスク板20の回転軸Oを中心に回転され、照明光源24の視標光路に選択的に切換え配置されることにより、呈示窓2から筐体1a内に1つの画面として呈示される。
図4(b)のマスク板22には、マスクをかけずに視標面全体を呈示させるための開口部90と、字詰まり視標画面において、横方向の位置の視標を呈示させるための横一列マスク91と、縦方向の位置の視標を呈示させるための縦一列マスク92と、視標を1文字毎に個別に呈示させるための1文字マスク93,94,95と、レッド/グリーンフィルタ96と、が形成されている。1文字マスク93は、横一列に2個配列された視標を個別に呈示するマスクを持ち、1文字マスク94は横一列に3個配列された視標を個別に呈示するマスクを持ち、1文字マスク95は横3列×縦5列に配列された視標を個別に呈示するマスクを持つ。
マドックス検査の場合には、視標ディスク20のウォース4点視標53と、マスク板の1文字マスク95aとが選択され、ウォース4点視標53の白色視標53aが固視点として使われる。なお、ここでは、ウォース4点視標53の白色視標53aが固視点として使用される場合について述べているが、視標ディスク20に固視点が描かれた視標画面が用意されており、選択されるようにしても良い。また、マスク板22に固視点用の開口部97を設け、開口部97が選択されると共に、視標ディスク板20のランドルト環視標で最も視力値の低い視標50aの中央部分50a(白色で呈示される箇所)が光軸L01に配置されることによって、固視点(固視点視標)としても良い。
視標ディスク20及びマスク板22によって呈示される視標は、リモコン40で選択される。図5にリモコン40の外観と視標呈示装置全体の制御ブロック図を示す。リモコン40は、視力検査視標を選択するスイッチ42と、固視点視標を選択するスイッチ43等、各種検査用のスイッチが用意されている。また、リモコン40の表面には呈示視標及び操作情報等を表示する液晶ディスプレイ46が配置されており、リモコン40の側面前部には装置本体1を制御するための信号の送信および装置本体からの信号を受信する通信窓40aが設けられている。
通信窓40aから送信された視標及びマスク情報の信号は、送受信窓4を通して装置本体1内部の制御部35で受信される。そして、制御部35は選択された視標画面50〜53及び選択されたマスクを光路中にセットすべくモータ21、23を駆動させる。一方、制御部35は受信信号に応じて光源24の点灯状態の制御を行う。
ここで、光源24の輝度の設定について説明する。視力値視標等で輝度が変わると検査結果に影響するため、視力値視標の視標光束の輝度(白地背景の輝度)は所定の基準内に入るように設定される(例えば、80〜320cd/m2)。一方、マドックス検査では、固視点視標の視標光束の輝度は高くされていても良い。また、マドックス検査ではマドックス小棹10を通過する光が減衰するので、固視点視標の視標光束の輝度が高く設定されることが好ましい。そこで、視力値視標などの検査視標が選択された場合に、前述の規格に基づいて視標ディスク板20を照明する光源24を点灯させる条件(以下、Lowモード)と、マドックス検査が選択された場合に、光源24の輝度が高く設定される条件(以下、Highモード)とが予めプログラムで決められており、制御部35は光源24の照明光量を制御する。
例えば、Lowモードでの光源24の輝度は、所定の基準内(80〜320cd/m2)で設定される。なお、ここでは、200cd/m2に設定される事とする。一方、Highモードの光源24の輝度は、Lowモードに比べて高い値に設定される。ここでは、320cd/m2(又はそれ以上)に設定される事とする。また、固視点視標の呈示時のHighモードでは、プログラムによって制御部35が光源24を一定の時間間隔で点滅させるように設定される。光源24の点滅の時間間隔は、被検者が点滅状態を認識できる程度の時間間隔とする。
次に、以上のような構成を持つ装置を使用した検査動作について説明する。まず、被検者を筐体1の呈示窓から1.1mの所定位置に位置させることにより、検査距離が所定距離(5m)に設定される。検者はリモコン40を操作して視力検査を行う。呈示したい視標をリモコン40のスイッチ42で選択すると、選択した視標の種類がリモコン40の液晶ディスプレイ46に表示され、同時に送信窓40aから視標選択信号が装置本体1へ送信される。視標選択信号は装置本体1の送受信部4で受信され、視標ディスク20の中で選択した視標が光路中にセットされる。
例えば、スイッチ42によってランドルト環視標が選択されたとすると、制御部35は視標ディスク20の視標画面50から該当する視力値のランドルト環視標を選択して光路L01にセットする。このとき、制御部35は、光源24の点灯状態をLowモードに設定する。
一方、スイッチ43によりマドックス検査用の固視点視標が選択されると、制御部35は、固視点視標の選択信号に基づいてモータ21の駆動により視標ディスク20を回転させ、ウォース4点視標53を光路L01にセットすると共に、モータ23の駆動によりマスク板を回転させて1文字マスク95aを光路L01にセットさせる。また、制御部35は光源24の点灯状態をHighモードに設定して、輝度の設定を行うと共に、一定の時間間隔で点滅させる。これにより、固視点視標の視標光束が点滅される。
図6はマドックス検査についての説明図である。検者は被検者眼の片方の眼前(ここでは、右眼R)にマドックス小棹10を配置させ、マドックス小棹10を介して固視点60を視認させる。なお、ここではマドックス小棹10の円柱10aを水平方向に配置して、水平斜位検査を行う場合について説明する。図6においては、左眼Lのみで呈示窓2を見たときの画面2a、右眼のみで呈示窓2を見たときの画面2b、両眼(左眼Lおよび右眼R)で呈示窓2を見たときの画面2cを示す。
左眼Lには点滅する固視点60が確認される(画面2a)。一方、右眼Rには固視点60からの光が上下方向に伸びる点滅する線状光線60bとして確認される(画面2b)。ここで、検査室を照明する蛍光灯、装置本体1の筐体からの反射光などによる周囲の外乱光がマドックス小棹10に入射すると、右眼Rには上下方向に伸びる複数の線状光線Aとして確認される(画面2b)。しかし、固視点60の視標光束は点滅されているので、右眼Rには、複数の線状光線のうち、固視点60による線状光線60bのみが点滅して見える。そのため、被検者は固視点60による線状光線60bを容易に判断できる。また、固視点60の照明光源24の輝度が、視力値視標の呈示時の輝度よりもアップ(明るく)されているので、被検者は固視点60による線状光線60bを外乱光による線状光線Aと区別しやすくなる。
両眼で見たときに固視点60と線状光線60bとの位置が確認されたら、検者は被検者に対して線状光線60bと固視点60の位置とが一致するか、または左右方向にずれているかを確認する。
図7に斜位検査の判定結果の例について示す。図7(a)は被検者眼が正位の場合の見え方であり、被検者眼には固視点60と光線60aとが一致して見える。図7(b)は被検者眼が内斜視の場合の見え方であり、線状光線60bが固視点60の位置に対して右側にずれて見える。図7(c)は被検者眼が外斜視の場合の見え方であり、線状光線60bが固視点60の位置に対して左側にずれて見える。図7(b)、(c)のように被検者眼に水平斜位がある場合には、検者は左眼Lの眼前にプリズムを配置し、固視点60と線状光線60bとが重なるようにプリズム量の調節を行う。そして、このプリズムの調節量から、被検者眼の斜位の度合いが判定される。
以上のように、マドックス検査が行われる場合に、光源の輝度を上げると共に点滅させることで、マドックス小棹10に外乱光が入射した場合でも、被検者は固視点による線状光線を容易に区別できるようになる。そのため、より正確な斜位検査が行われるようになる。
なお、上記では、視標光束(光源24)の輝度が、LowモードとHighモードの2段階で自動的に切換えられるものとしたが、環境に応じて固視点60の呈示時に視標光束の輝度が変更可能に構成されていると都合が良い。リモコン40のスイッチ45により、輝度の変更モードが選択されると、アップ/ダウンのスイッチ44により、輝度のレベルが、例えば5段階で変更可能にされる。輝度のレベルの設定値は、ディスプレイ46に表示される。アップ/ダウンのスイッチ44により輝度のレベルが設定されると、その設定信号が制御部35に送られ、制御部35は輝度レベルの設定信号に基づいて光源24の輝度を制御する。例えば、眼鏡店舗及び眼科医院で蛍光灯等の室内照明が多い明室に視標呈示装置が設置されている場合、比較的高めの輝度レベルに設定される。一方、視標呈示装置が暗室に設置されている場合には、明室と同じ輝度では、固視点60の視標光束が明るすぎ、被検者眼が眩しさを感じやすくなる。この場合には、スイッチ44による輝度の設定レベルが落とされることにより、被検者眼が眩しさ感じない明るさに調整される。
また、固視点60の呈示時の点滅周期についても変更可能に構成されていると都合が良い。リモコン40のスイッチ45により、点滅周期の変更モードが選択されると、アップ/ダウンのスイッチ44により、点滅周期のレベルが例えば、5段階で変更可能にされる。視標呈示装置が暗室に設置され、他に外乱光となる要因が存在しない場合には、検者は固視点60を連続点灯又は点滅周期が遅いレベル(ゆっくりした点滅)に変更して使用する。これにより、従来の装置と同じ状態で使用できる。一方、視標呈示装置が明室に設置され、他の外乱光となる要因がある場合には、外乱光との区別を容易にするために、検者は点滅周期を比較的に速めに設定する。あるいは、外乱光にも点滅が含まれる状況においては、これとの異なる点滅周期に変更する。これにより、明室の使用においても、より被検者眼に認識されやすい固視点視標を呈示でき、より正確なマドックス検査を行うことができる。
なお、上記の説明では、マドックス小棹10の円柱10aを水平方向に配置することにより、被検者眼の水平斜位検査を行う場合について述べているが、円柱10aを垂直方向に配置することにより、被検者眼の上下斜位検査を行う場合にも本発明が適用される。
また、固視点60の視標光束を点滅させる構成としては、視標呈示光学系の光路中に挿脱されるシャッタを設け、シャッタの挿脱を設定された周期で行うことも可能である。また、固視点60の視標光束の輝度を変更する構成としては、視標呈示光学系の光路中に透過光量を変更可能なフィルタを設け、フィルタを光路中に挿脱する構成とすることが可能である。
上記では視標呈示装置として、省スペース型の視標呈示装置を例にしたが、これに限られるものではない。図8は、被検者が所定の検査距離だけ離されたスクリーンに視標を投影する投影タイプの視標呈示装置100の光学系及び制御系の概略構成図である。
投影式視力検査装置(投影式視標呈示装置)100の視標呈示光学系は、照明光源101、コンデンサレンズ102、投影レンズ108,109を備える。なお、照明光源101としては、第1実施例の場合と同様に輝度の調節が可能な各種のものが使用される。コンデンサレンズ102と投影レンズ108,109との間には視標ディスク板104、マスク板105が配置される。視標板ディスク板104はガラス等の透明材料からなる円盤状の板であり、この視標ディスク板104の同一円周上には、多数の検査視標がクロム蒸着により形成されている(図4の視標ディスク板20の同様)。検査視標はコンデンサレンズ102を介して照明光源101により背後から照明される。視標ディスク板104はモータ106により回転され、検査視標の種類を切換える。また、マスク板105は視力検査で縦列マスク、横列マスク、一文字マスク等のマスクをかけるために用いられる。マスク板105はモータ107により回転され、投影される検査視標にかけるマスクの種類を切換える。スクリーン120は、装置100から3〜6mの間で設置される。
照明光源101を出射した光束は、コンデンサレンズ102により集光され、マスク板105及び視標ディスク板104を照明する。マスク板105を介して照明された視標は投影レンズ108、109により投影スクリーン120に投影され、被検者眼に呈示される。
制御部170には、リモコン140の送信部140aからの信号を受信するための受信部130が接続されている。リモコン140は、検査視標を選択するための各種のスイッチを持つ。リモコン140の構成は、図4のリモコン40と同様であるので、その説明は省略する。リモコン140により視標が選択されると、制御部170は、モータ106,107に信号を送り、視標ディスク板104およびマスク板105を回転させ、光軸L02上に対応する検査視標を配置させる。また、制御部170は選択された検査視標に応じて照明光源101の輝度の設定を行う。
この装置100においても、固視点視標が選択されると、制御部170は、第1実施形態と同様に、光源101を点滅制御し、固視点160を点滅させる。また、制御部170は、光源101の点灯条件として視力値視標が選択された場合のLowモードに対して、視標の輝度を明るくしたHighモードで固視点160を呈示する。さらに、先の例と同様に、リモコン140により固視点160の輝度を変更する設定信号、及び固視点160の点滅周期を変更する設定信号が入力可能に構成されている場合には、制御部170はそれらの設定信号に基づいて光源101の輝度及び点滅周期を制御する。
図9は、第3実施施形態において、ディスプレイタイプの視標呈示装置の概略構成図である。図9(a)は視標呈示装置の外観略図、図9(b)は制御ブロック図である。視標呈示装置の装置本体200には、視標呈示光学系としてのカラーの液晶ディスプレイ(以下、LCD)201と、リモコン220からの光信号を受信する受信部205とが設けられている。LCD201は検査視標を表示する液晶パネルである表示部202と、表示部202を照明するためのバックライト203とから構成される。表示部202およびバックライト203の駆動は制御部215によって制御される。また、制御部215には、受信部205、メモリ216が接続されている。メモリ216には固視点など多数の検査視標が記憶されている。リモコン220は、図4のリモコン40と同様な構成を持つ。
リモコン220からの視標選択信号は、通信窓220aから所定コードの光信号に変換されて送信される。装置本体200の受信部205で受信された信号は、制御部215へ入力される。制御部215は受信信号に基づいて、メモリ216から画像データを呼び出し、LCD201の表示を制御して視標を呈示させる。固視点視標の選択信号が入力されると、制御部215は表示部202の駆動を制御して、黒字背景の中央に白丸が形成された固視点260をディスプレイ202に表示させる。この時、固視点260の箇所はバックライト203の光を透過させるように制御される。一方、固視点260の周辺の背景261はバックライト203からの光を遮断するように制御される。
この装置のおいても、固視点260を持つ固視点視標の呈示時には、固視点260が点滅するようにディスプレイ201(表示部202又はバックライト203)が制御される。また、視力値視標の呈示時に対して、固視点260の輝度が明るくなるようにディスプレイ201(表示部202又はバックライト203)が制御される。さらに、リモコン220により固視点の輝度、点滅周期を変更する設定信号が入力されたときには、その設定信号に基づいてディスプレイ201が制御される。
省スペース型の視標呈示装置の概略構成図である。 筐体の右側面から見たときの透視略図である。 筐体の正面から見たときの透視略図である。 視標ディスク板及びマスク板の詳細を示した図である。 リモコンの外観と視標呈示装置全体の制御ブロック図である。 マドックス検査についての説明図である。 斜位検査の判定結果の例である。 投影タイプの視標呈示装置の光学系及び制御系の概略構成図である。 ディスプレイタイプの視標呈示装置の概略構成図である。
符号の説明
2 呈示窓
20、104 視標ディスク板
24、101 照明光源
35、170、215 制御部
40、140、220 リモコン
60、160、260 固視点
120 スクリーン
201 LCD
203 バックライト

Claims (7)

  1. 視力値視標及びマドックス検査用の固視点視標を含む検査視標を呈示する視標呈示手段と、検査視標を選択する視標選択手段と、を備える視標呈示装置において、
    前記視標選択手段により固視点視標が選択されたときに、前記視標呈示手段により呈示する固視点視標を点滅させる点滅手段を備えることを特徴とする視標呈示装置。
  2. 請求項1の視標呈示装置は、さらに、視力値視標を呈示するときの輝度に対して前記固視点視標の輝度をアップさせる輝度変更手段を備えることを特徴とする視標呈示装置。
  3. 請求項1又は2の視標呈示装置は、固視点視標の点滅周期を変更する信号を入力するスイッチを持つ点滅周期変更信号入力手段を備え、前記点滅手段は前記入力信号に基づいて変更された周期で固視点視標を点滅させることを特徴とする視標呈示装置。
  4. 請求項2の視標呈示装置は、固視点視標の輝度レベルを変更する信号を入力するスイッチを持つ輝度変更信号入力手段を備え、前記輝度変更手段は前記変更信号に基づいて前記固視点視標の輝度を変更することを特徴とする視標呈示装置。
  5. 請求項1の視標呈示装置において、前記視標呈示手段は、固視点視標が形成された視標板であって、光路に切り替え配置される視標板及び視標板を背後から照明する照明光源を持つか、又は視標板及び照明光源に加えて光路中に挿脱されるシャッタを備える視標呈示光学系を有するか、あるいは視標を画面上に表示するディスプレイを持つ視標呈示光学系を有し、
    前記点滅手段は、前記視標呈示光学系に配置された前記照明光源の点灯又は前記シャッタの光路への挿脱を制御する制御手段、又は前記ディスプレイの表示を制御する制御手段を備えることを特徴とする視標呈示装置。
  6. 請求項1の視標呈示装置において、さらに前記制御手段は、前記光源又は前記ディスプレイの表示を制御し、視力値視標を呈示するときの輝度に対して前記固視点視標の輝度をアップさせることを特徴とする視標呈示装置。
  7. 請求項6の視標呈示装置において、固視点視標の点滅周期を変更する信号を入力するスイッチを持つ点滅周期変更信号入力手段及び固視点視標の輝度レベルを変更する信号を入力するスイッチを持つ輝度変更信号入力手段の少なくとも一方の入力手段を備え、
    前記制御手段は前記入力手段による信号に基づいて前記光源又は前記ディスプレイの表示を制御することを特徴とする視標呈示装置。
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