JP2010081543A - 無線通信端末及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信電力の大小によりハンドオーバーを行う場合に、セルエッジに位置する等で基地局間のハンドオーバーが頻発する状況にあっても、ハンドオーバーを適切に制御する無線通信端末及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】受信した信号の受信電力レベルに関する所定条件に基づき、複数の基地局間で接続すべき基地局を選択して通常のハンドオーバーを行う無線通信端末(100)は、複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを第1所定時間ごとに測定する測定部(120)と、ハンドオーバーの履歴を格納するハンドオーバー履歴記憶部(142)と、第1の基地局と第2の基地局との間で第2所定時間以内のハンドオーバーが繰返されていると判定されると、第1の基地局の受信電力レベルと第2の基地局の受信電力レベルとの間で所定条件を満足する場合に、第1の基地局及び第2の基地局のうち、受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御する制御部(130)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信端末及び無線通信方法に関し、特に、基地局からの受信電力レベルの大小によりハンドオーバーを行う場合に、セルエッジに位置する等で基地局間のハンドオーバーが頻発する状況にあっても、ハンドオーバーを適切に制御する無線通信端末及び無線通信方法に関する。
携帯電話のような移動体通信システムでは、移動通信端末(無線通信端末)の移動に応じて通信相手となる基地局(セル)を切り換えるハンドオーバーが行われている。この際、移動通信端末は、基地局からの受信電力、受信チャネルの伝播損又は信号干渉波電力比等に基づいて、通信品質の良い基地局を判定しハンドオーバーを行うのが一般的である。すなわち、移動通信端末側は、移動に伴い基地局からのパイロットチャネルの受信電力レベルが所定の閾値以上となったセルと現在通信中のセルとで同時に通信を行い、通信中のセルの受信レベルが低下すると、当該セルとの通信を切断する制御を行っている。しかしながら、上述のようなハンドオーバーを行う場合に、多くのセルが互いにオーバーラップしている領域においてハンドオーバーのばたつき(セルの接続及び切断)が頻発する。この課題を解決するために、例えば、従来技術に、送信電力を制御してハンドオーバーのばたつきを低減することが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−298333号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、端末側で受信した受信レベルのみを参照してハンドオーバーを行う。従って、端末がセルエッジに位置し、エッジとなる基地局からの受信電力レベルが端末の移動によって変動する不安定な状態にあっても、受信電力レベルが所定の閾値以上になればハンドオーバーを行ってしまい、基地局間でのハンドオーバーが頻発してしまうという問題がある。さらに、基地局及び端末でのハンドオーバー処理による負荷のために、通信システム全体のスループットが低下してしまう。
従って、本発明の目的は、上述の問題を解消し、受信電力の大小によりハンドオーバーを行う場合に、セルエッジに位置する等で基地局間のハンドオーバーが頻発する状況にあっても、ハンドオーバーを適切に制御して通信システム全体のスループットの低下を防止する技法(無線通信端末及び通信制御方法)を提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、本発明による、受信した信号の受信電力レベルに関する所定条件に基づき、複数の基地局間で接続すべき基地局を選択して通常のハンドオーバーを行う(受信電力レベルが最大の信号を送信する基地局へハンドオーバーする)無線通信端末は、
前記複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを(第1所定時間ごとに)測定する測定部と、
前記ハンドオーバーの履歴(測定した複数の基地局の受信電力レベル、ハンドオーバーの実行時刻、実行回数、ハンドオーバー先及びハンドオーバー元の基地局)を格納するハンドオーバー履歴記憶部と、
前記ハンドオーバーの履歴に基づき、第1の基地局と第2の基地局との間で(第2所定時間以内の)ハンドオーバーが繰返されていると判定されると、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間で前記所定条件を満足する場合に、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御する制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施態様による無線通信端末は、
前記測定部により測定された受信電力レベルを前記複数の基地局ごとに格納する受信電力レベル記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記受信電力レベル記憶部に格納されている受信電力レベルに基づき、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御することを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施態様による無線通信端末は、
前記第1の基地局と前記第2の基地局との間で(前記第2所定時間以内の)ハンドオーバーが繰返されていると判定されると起動するタイマーと、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局についての情報を格納する基地局情報記憶部とをさらに備え、
前記制御部が、
前記タイマーの起動中は、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間で前記所定条件を満足する場合に、前記基地局情報記憶部に格納されている基地局へ接続するように制御することを特徴とする。
さらに、本発明の別の実施態様による無線通信端末は、
前記第1の基地局と前記第2の基地局との間で(前記第2所定時間以内の)ハンドオーバーが繰返されていると判定されると起動するタイマーをさらに備え、
前記制御部が、
前記タイマーの起動中は、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間の差が所定の閾値以上である場合に、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち受信電力レベルが大きい基地局へ接続するように制御することを特徴とする。
さらに、本発明の別の実施態様による無線通信端末は、
前記第1の基地局と前記第2の基地局との間で(前記第2所定時間以内の)ハンドオーバーが繰返されていると判定されると起動するタイマーをさらに備え、
前記測定部は、
前記タイマーの起動中は、前記複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを測定する間隔(第1所定時間)を、前記タイマーが起動中でない場合よりも大きくすることを特徴とする。
さらに、本発明の別の実施態様による無線通信端末は、
前記タイマーは、
前記測定部により測定された前記第1の基地局及び前記第2の基地局の受信電力レベルの変動が所定範囲内となった場合に停止されることを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどをHDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
例えば、本発明を方法として実現した、受信した信号の受信電力レベルに関する所定条件に基づき、複数の基地局間で接続すべき基地局を選択して通常のハンドオーバーを行う(受信電力レベルが最大の信号を送信する基地局へハンドオーバーする)無線通信端末の無線通信方法は、
前記複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを(第1所定時間ごとに)測定するステップと、
前記ハンドオーバーの履歴(測定した複数の基地局の受信電力レベル、ハンドオーバーの実行時刻、実行回数、ハンドオーバー先及びハンドオーバー元の基地局)を格納するステップと、
前記ハンドオーバーの履歴に基づき、第1の基地局と第2の基地局との間で(第2所定時間以内の)ハンドオーバーが繰返されていると判定されると、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間で前記所定条件を満足する場合に、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御するステップとを含むことを特徴とする。
このように、本発明によれば、受信電力の大小によりハンドオーバーを行う場合に、セルエッジに位置する等で基地局間のハンドオーバーが頻発する状況にあっても、ハンドオーバーを適切に制御して通信システム全体のスループットの低下を防止することが可能となる。
以下に、諸図面を参照しながら、本発明の一実施態様による無線通信端末を詳細に説明する。なお、無線通信端末としては、携帯電話端末、ノートパソコン、PDA(パーソナルデジタルアシスタンス)、携帯ゲーム機、携帯オーディオプレーヤー、携帯ビデオプレイヤー、携帯電子辞書、携帯電子書籍ビューワーなどの携帯電子機器等に本発明を適用することができる。
図1は、本発明の一実施例による無線通信端末の概略ブロック図である。無線通信端末100は、無線通信部110、測定部120、ハンドオーバー制御部130、記憶部140、タイマー150、制御部160、アンテナANT及びシステムバスSBを備える。また、記憶部140は、ハンドオーバー履歴記憶部142、受信電力レベル記憶部144及び基地局情報記憶部146を備える。タイマー150は、電力レベル判定タイマー152及びハンドオーバー頻発地帯タイマー154を備える。
まず、各部の機能を簡単に説明する。無線通信部110は、アンテナANTを介して複数の基地局と信号の送受信を行う。測定部120は、複数の基地局から受信する報知チャネル(Broadcast Channel: BCH)等の信号の受信電力レベルを、所定時間(第1所定時間)ごとに測定する。なお、第1所定時間は、電力レベル判定タイマー152によって計測される。ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバーを行うか否かといった制御や、同一基地局間でのハンドオーバーが頻発しているか否かの判定を行う。ハンドオーバー履歴記憶部142は、測定した複数の基地局の受信電力レベル、ハンドオーバーの実行時刻、実行回数、ハンドオーバー先及びハンドオーバー元の基地局といったハンドオーバーの履歴を格納する。受信電力レベル記憶部144は、測定部120で測定された基地局ごとの受信電力レベルを格納する。基地局情報記憶部146は、同一基地局間でハンドオーバーが頻発している場合に、それらの基地局のうちハンドオーバーすべき基地局に関する情報を格納する。ハンドオーバー頻発地帯タイマー154は、ハンドオーバー制御部130によってハンドオーバーが頻発していると判定された場合に起動され、同一基地局間のハンドオーバーが頻発している期間中は時間の計測を継続する。また、制御部160は、各部の制御を司る。
次に、フローチャートを用いて、本発明による無線通信端末100の処理について説明する。図2は、本発明による無線通信端末100の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、無線通信端末100は、基地局から受信した信号の受信電力レベルの大小による通常のハンドオーバーを行うために、測定部120にて、複数の基地局から受信する報知チャネル(BCH)の受信電力レベルを所定時間(第1所定時間)ごとに測定している。測定部120により測定された受信電力レベルは、受信電力レベル記憶部144に、基地局ごとに格納される。そして、ハンドオーバー制御部130は、測定部120により測定された受信電力レベルが通常ハンドオーバー条件(所定条件)に合致するか否かを判定する(ステップS11)。ここで、通常ハンドオーバーとは、受信電力レベルが最大の信号を送信する基地局へのハンドオーバーを指し、通常ハンドオーバー条件とは、現在通信中(接続中)の基地局よりも受信電力レベルが大きい基地局が存在することを指す。すなわち、ステップS11にて、ハンドオーバー制御部130は、現在通信中の基地局からの受信電力レベルよりも大きい受信電力レベルが測定された基地局が存在するか否かを判定する。
通常ハンドオーバー条件に合致する基地局が存在しない場合は、ステップS20へ進み、ハンドオーバーを行わず、現在通信中の基地局との通信を継続する(通常動作)。ステップS11にて、通常ハンドオーバー条件に合致すると判定された場合は、ステップS12へ進み、ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバー履歴記憶部142にハンドオーバー履歴を格納する。ハンドオーバー履歴とは、通常のハンドオーバー条件への合致回数、合致時刻、合致時の各基地局の受信電力レベル(BCH受信電力レベル)、ハンドオーバー先基地局及びハンドオーバー元基地局等である。なお、ハンドオーバー履歴記憶部142に格納されるハンドオーバー履歴は、1日(24時間)ごとにクリアしてもよいし、通常のハンドオーバー条件への合致頻度が低くなった場合にクリアしてもよい。
次に、ステップS13にて、タイマーが起動中であるか否かを判定する。詳細は後述するが、ここでのタイマーとは、同一基地局間(2つの基地局間)のハンドオーバーが頻発する地帯に無線通信端末100が位置する場合に起動するタイマーである。ステップS13にてタイマーが起動していない場合は、ステップS14へ進み、ハンドオーバー制御部130は、現在通常ハンドオーバー条件を満たす2つの基地局間が、ハンドオーバー頻発地帯であるか否か(すなわち、無線通信端末100が位置する場所が、2つの基地局のセルエッジであるか否か)を判定する。ハンドオーバー頻発地帯であるか否かは、ハンドオーバー履歴記憶部142に格納されているハンドオーバー履歴を参照することで判定する。すなわち、通常のハンドオーバー合致時刻とハンドオーバーすべき基地局間(ハンドオーバー先及びハンドオーバー元の基地局)とを参照して、ある2つの基地局間にて所定時間(第2所定時間)以内にハンドオーバーが繰返されている場合は、その2つの基地局間を、ハンドオーバー頻発地帯として判定する。ハンドオーバー頻発地帯でないと判定された場合は、ステップS19へ進み、ハンドオーバー制御部130がハンドオーバーを実行する。ハンドオーバー頻発地帯であると判定された場合は、ステップS15へ進み、ハンドオーバー頻発地帯タイマー154が起動される。さらに、基地局情報記憶部146に、ハンドオーバー頻発地帯と判定された2つの基地局が格納される。
次に、ステップS16にて、ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバー頻発地帯と判定された2つの基地局のうち、どちらが受信電力レベルの変動が小さいか否か、すなわち、どちらの基地局がより安定しているかを判定する。これは、測定部120により測定され、受信電力レベル記憶部144に格納されている基地局ごとの受信電力レベルを参照して判定することができる。そして、受信電力レベルの変動が小さいと判定された基地局を、ハンドオーバー頻発地帯においてハンドオーバーすべき基地局(ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件)として設定し、基地局情報記憶部146に、ハンドオーバーすべき基地局に関する情報を格納する。その後、ステップS17にて、ハンドオーバー制御部130は、現在通信中の基地局(ハンドオーバー元)の受信電力レベルが、ハンドオーバー先の受信電力レベルよりも安定しているか否かを判定する。ハンドオーバー元が安定していると判定された場合は、ステップS18の通常動作へ進む。逆に、ハンドオーバー先が安定していると判定された場合は、ステップS19へ進み、ハンドオーバー先と判定された基地局へのハンドオーバーを実行する。
次に、ある2つの基地局間がハンドオーバー頻発地帯として設定されている場合に、それら2つの基地局間で通常のハンドオーバー条件が満足された場合の、本発明によるハンドオーバー処理について説明する。
ある2つの基地局間がハンドオーバー頻発地帯として設定されている場合は、ステップS13にて、ハンドオーバー頻発地帯タイマー154が起動中であると判定され、ステップS21へ進む。ステップS21にて、ハンドオーバー制御部130は、基地局情報記憶部146を参照して、ハンドオーバー先及びハンドオーバー元の基地局がハンドオーバー頻発地帯の基地局であるか否かを判定する。どちらか一方でもハンドオーバー頻発地帯の基地局でなければ、ステップS24へ進み、ハンドオーバー制御部130によって通常のハンドオーバーが実行される。ハンドオーバー先及びハンドオーバー元の基地局がハンドオーバー頻発地帯の基地局である場合は、ステップS22へ進み、ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバー先の基地局が、ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件に合致するか否かを判定する。すなわち、基地局情報記憶部146を参照して、ハンドオーバー先の基地局が、ステップS16にて、受信電力レベルの変動が小さくハンドオーバー頻発地帯においてハンドオーバーすべき基地局(ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件)として設定された基地局であるか否かを判定する。
ハンドオーバー先の基地局が、ハンドオーバー条件に合致し、2つの基地局のうち受信電力レベルの変動が小さい基地局である場合は、ステップS23にて、ハンドオーバーが実行される。逆に、ハンドオーバー先の基地局が、ハンドオーバー条件に一致せず、現在通信中の基地局(ハンドオーバー元)の方がハンドオーバー先の基地局よりも受信電力レベルの変動が小さくより安定している場合は、ステップS25へ進み、ハンドオーバーを実行せず、現在通信中の基地局との通信を継続する。
次に、図を用いて、本発明によるハンドオーバーの具体例を説明する。なおこれ以降の説明では、基地局Aと基地局Bとの間でハンドオーバーが頻発しており、さらに、基地局Aの受信電力レベルが、基地局Bの受信電力レベルよりも変動が小さい(安定している)ものとする。
図3(a)は、測定部120で測定された、基地局A及び基地局Bの受信電力レベルを示すグラフである。図において、横軸は時間、縦軸は受信電力レベルを表し、基地局A及び基地局Bの受信電力レベルのグラフに、それぞれBCH−A及びBCH−Bの符号を付してある。また、時間軸において破線で示すタイミングは、測定部120による受信電力レベルの測定が行われているタイミングを示し、太線は、通常のハンドオーバー条件に合致したタイミングを示す。すなわち、太線のタイミングでは、前回受信電力レベルを測定した時点よりも、基地局Aと基地局Bの受信電力レベルの大小が反転している。まず、図3(a)のように、ハンドオーバー条件一致回数K回目において、通常のハンドオーバー条件を満足した基地局Aと基地局Bとの間で、ハンドオーバーが実行される。このとき、ハンドオーバー履歴記憶部142には、図3(b)のように、通常のハンドオーバー条件の一致(合致)回数(K)、一致時刻(T(K))、一致時のそれぞれの基地局の受信電力レベル(P(K),P(K),P(K)…)とともに、ハンドオーバー元及びハンドオーバー先の基地局(A(ハンドオーバー元)→B(ハンドオーバー先))が格納される(ステップS12)。
次に、ハンドオーバー条件一致回数K+1回目において、基地局Aと基地局Bとが通常のハンドオーバー条件を満足する。この場合、ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバー履歴記憶部142に格納されているハンドオーバー履歴を参照して、通常のハンドオーバー条件一致時刻から、直前のハンドオーバー条件一致時刻との差分(T(K+1)−T(K))を求め、基地局Aと基地局Bとの間で、所定時間(第2所定時間)以内にハンドオーバーが繰返されていると判定する(ステップS14)。そして、ハンドオーバー頻発地帯タイマー154が起動され、基地局A,Bを、ハンドオーバー頻発基地局として基地局情報記憶部146に格納する(ステップS15)。
次に、ハンドオーバー制御部130は、受信電力レベル記憶部144を参照して、基地局Aと基地局Bのどちらが受信電力レベルの変動が小さいかを判定する。図3(a)の例の場合は、基地局Aが、受信電力の変動が小さい基地局として、基地局Aと基地局Bとの間で通常のハンドオーバー条件が満足された場合にハンドオーバーすべき基地局(ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件)として設定される(ステップ16)。そして、図3(a)の例の場合、ハンドオーバー条件一致回数K+1回目では、ハンドオーバー先の基地局(基地局A)の方が安定しているため、基地局B→基地局Aへのハンドオーバーが実行される(ステップS19)。
次に、ハンドオーバー条件一致回数K+2回目において、基地局Aと基地局Bとが通常のハンドオーバー条件を満足する。このとき、ステップS13にてハンドオーバー頻発地帯タイマー154が起動中と判定され、ステップS21へと進む。基地局A及び基地局Bは、ハンドオーバー頻発基地局として基地局情報記憶部146に格納されているため、ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバー頻発基地局間のハンドオーバーと判定して、ステップS22へ進む。ステップS22にて、ハンドオーバー制御部130は、ハンドオーバー先の基地局が、ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件に合致するか否かを判定する。この場合、ハンドオーバー先の基地局は基地局Bであるが、ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー先として設定されている基地局は受信電力レベルの変動が小さい基地局Aであるため、ハンドオーバー先の基地局がハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件に合致しないとして、ステップS25へ進み、現在通信中の基地局Aとの通信が継続される。
その後、通常のハンドオーバー条件一致回数がK+3,…K+5回目等でも、基地局Aと基地局Bとの間で通常のハンドオーバー条件が満足されることになるが、上述の処理により、受信電力レベルの変動が小さくより安定している基地局Aとの通信が継続される。
なお、上述の実施例では、ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件として、「受信電力レベルの変動がより小さい基地局にハンドオーバーする」としたが、本発明はこれに限られるものではない。別の実施例として、ハンドオーバー頻発地帯でのハンドオーバー条件を、「ハンドオーバー先とハンドオーバー元との受信電力レベルの差が所定の閾値以上である場合に、ハンドオーバー先にハンドオーバーする」とすることもできる。図3(a)を用いて説明すると、基地局A及び基地局Bがハンドオーバー頻発基地局と既に設定されているハンドオーバー条件一致回数K+2回目以降において、ハンドオーバー制御部130は、基地局Aと基地局Bとの間の受信電力レベル差が所定の閾値以上となった場合に、基地局Bへハンドオーバーする。このようにすれば、ハンドオーバー頻発基地局のいずれか一方へのハンドオーバーが発生しにくくなり、ハンドオーバーの頻発を防止することができる。
さらなる実施例として、ハンドオーバー頻発地帯においては、測定部120が複数の基地局の受信電力レベルを測定する間隔を、ハンドオーバー頻発地帯でない場合と比べて大きくすることもできる。図3(a)を用いて説明すると、基地局A及び基地局Bがハンドオーバー頻発基地局と既に設定されているハンドオーバー条件一致回数K+2回目以降で、ハンドオーバー頻発地帯タイマー154が起動している間は、図において破線で示すタイミングで行われる測定部120による複数の基地局電力レベルの測定間隔をより大きくする。このように、予めハンドオーバーが頻発することが判明している場合には、受信電力レベルの大小によるハンドオーバーの頻度を減らすことで、より安定した基地局への通信を維持することができる。
なお、上述の実施例において、ハンドオーバー頻発地帯タイマー154は、測定部120により測定された、ハンドオーバー頻発基地局からの受信電力レベルの変動が所定範囲内となった場合に停止することが好適である。
本発明の利点を再度述べる。上述したように、本発明による無線通信端末によれば、受信電力の大小によりハンドオーバーを行う場合にセルエッジに位置する等で基地局間のハンドオーバーが頻発する条件にあっても、ハンドオーバーを適切に制御して、より安定している基地局への接続が維持されるため、ハンドオーバーを頻発させることなく、基地局や端末の処理負荷を低減し、通信システム全体のスループットを向上することが可能となる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各手段等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。例えば、上述の実施例では、ハンドオーバー頻発地帯と判定する所定時間(第2所定時間)を求めるのに、ハンドオーバー履歴を参照してハンドオーバー合致時刻を差分することで求めたが、本発明はこれに限られるものではなく、第2所定時間を計時するタイマーを設けてもよい。また、受信電力レベルを測定する信号としては、報知チャネルだけでなく、ページングチャネル等を用いてもよい。
本発明の一実施例による無線通信端末の概略ブロック図である。 本発明による無線通信端末100の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明によるハンドオーバーの具体例を説明する図である。
符号の説明
100 無線通信端末
110 無線通信部
120 測定部
130 ハンドオーバー制御部
140 記憶部
142 ハンドオーバー履歴記憶部
144 受信電力レベル記憶部
146 基地局情報記憶部
150 タイマー
152 電力レベル判定タイマー
154 ハンドオーバー頻発地帯タイマー
160 制御部
ANT アンテナ
BCH−A 基地局Aの受信電力レベル
BCH−B 基地局Bの受信電力レベル

Claims (7)

  1. 受信した信号の受信電力レベルに関する所定条件に基づき、複数の基地局間で接続すべき基地局を選択して通常のハンドオーバーを行う無線通信端末であって、
    前記複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを測定する測定部と、
    前記ハンドオーバーの履歴を格納するハンドオーバー履歴記憶部と、
    前記ハンドオーバーの履歴に基づき、第1の基地局と第2の基地局との間でハンドオーバーが繰返されていると判定されると、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間で前記所定条件を満足する場合に、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする無線通信端末。
  2. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記測定部により測定された受信電力レベルを前記複数の基地局ごとに格納する受信電力レベル記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記受信電力レベル記憶部に格納されている受信電力レベルに基づき、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御する、
    ことを特徴とする無線通信端末。
  3. 請求項1または2に記載の無線通信端末において、
    前記第1の基地局と前記第2の基地局との間でハンドオーバーが繰返されていると判定されると起動するタイマーと、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局についての情報を格納する基地局情報記憶部とをさらに備え、
    前記制御部が、
    前記タイマーの起動中は、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間で前記所定条件を満足する場合に、前記基地局情報記憶部に格納されている基地局へ接続するように制御する、
    ことを特徴とする無線通信端末。
  4. 請求項1または2に記載の無線通信端末において、
    前記第1の基地局と前記第2の基地局との間でハンドオーバーが繰返されていると判定されると起動するタイマーをさらに備え、
    前記制御部が、
    前記タイマーの起動中は、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間の差が所定の閾値以上である場合に、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち受信電力レベルが大きい基地局へ接続するように制御する、
    ことを特徴とする無線通信端末。
  5. 請求項3または4に記載の無線通信端末において、
    前記測定部は、
    前記タイマーの起動中は、前記複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを測定する間隔を、前記タイマーの起動中でない場合よりも大きくする、
    ことを特徴とする無線通信端末。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の無線通信端末において、
    前記タイマーは、
    前記測定部により測定された前記第1の基地局及び前記第2の基地局の受信電力レベルの変動が所定範囲内となった場合に停止される、
    ことを特徴とする無線通信端末。
  7. 受信した信号の受信電力レベルに関する所定条件に基づき、複数の基地局間で接続すべき基地局を選択して通常のハンドオーバーを行う無線通信端末の無線通信方法であって、
    前記複数の基地局から受信する信号の受信電力レベルを測定するステップと、
    前記ハンドオーバーの履歴を格納するステップと、
    前記ハンドオーバーの履歴に基づき、第1の基地局と第2の基地局との間で第2所定時間以内のハンドオーバーが繰返されていると判定されると、前記第1の基地局の受信電力レベルと前記第2の基地局の受信電力レベルとの間で前記所定条件を満足する場合に、前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうち、前記受信電力レベルの変動が小さい基地局へ接続するように制御するステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
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