JP2010081119A - 折畳み式携帯端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】3つの回転軸を有する折畳み式携帯端末において、横開き状態で第2の筐体の表面の全体が露出するようにして操作性及び視認性を向上させる。
【解決手段】第1の筐体3にヒンジ部6に対して表裏反転自在に回転させる第1回転軸10を設ける。第2の筐体5の第2回転軸収容部5bに第2の筐体5の長手方向に延び、ヒンジ部6を第2の筐体5の長手方向を中心に回転させる第2回転軸11を設ける。ヒンジ部6に第1回転軸10に直交する第3回転軸12を設ける。第1の筐体3と第2の筐体5とが折り畳まれて重合する閉じ状態と、第1の筐体3が、第2の筐体5に対して第3回転軸12を中心に開かれた縦開き状態と、第1の筐体3が、ヒンジ部6と共に第2の筐体5に対して第2回転軸11を中心に開かれた横開き状態とに切換可能に構成する。横開き状態で第1の筐体3の右側面3aを第2の筐体5の右側面5dよりも下方に位置させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、第1の筐体と第2の筐体とが3つの回転軸を有するヒンジ部で連結された折畳み式携帯端末に関するものである。
従来より、第1の筐体と第2の筐体とが3つの回転軸を有するヒンジ部で連結された折畳み式携帯端末は知られている。
例えば、特許文献1では、下筐体に対して上筐体をヒンジユニットにより折り畳み可能に支持する折畳み式携帯電話装置において、ヒンジユニットに互いに直交する3つの回転軸を設け、3つの回転軸方向の回転を組み合わせることにより、上筐体を複数の開閉方向に開閉できるよう構成している。具体的には、ヒンジユニットを第一のヒンジユニットと第二のヒンジユニットに分けて構成し、第一のヒンジユニットには、第一のヒンジユニット自体を下筐体に対して回転自在に支持する第一の回転軸と、第一のヒンジユニットに対して第二のヒンジユニットを回転自在に支持する第二の回転軸とを互いに直交して設け、また、第二のヒンジユニットには、第二のヒンジユニットに対して上筐体を回転自在に支持する第三の回転軸を第二の回転軸と互いに直交して設けている。
特開2005−198062号公報
しかしながら、上記特許文献1の折畳み式携帯端末では、横開き状態としたときに、上筐体の一部と、ヒンジユニットとが下筐体の一部に覆い被さっているので、下筐体の操作キーを設ける範囲が狭まり、操作がしにくいという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3つの回転軸を有する折畳み式携帯端末において、横開き状態で第2の筐体の表面の全体が露出するようにして操作性及び視認性を向上させることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、横開き状態では、第1の筐体の長手方向に延びる一辺が、第2の筐体の長手方向に延びる一辺よりも下方に位置するようにした。
具体的には、第1の発明では、第1の筐体と第2の筐体とが3つの回転軸を有するヒンジ部で連結された折畳み式携帯端末を対象とし、
上記3つの回転軸は、
上記第1の筐体のヒンジ部側端部に設けられ、該第1の筐体を該ヒンジ部に対して表裏反転自在に回転させる第1回転軸と、
上記第2の筐体の上記ヒンジ側端部における角部に設けられ、第2の筐体の長手方向に延び、上記ヒンジ部を該第2の筐体の長手方向を中心に回転させる第2回転軸と、
上記ヒンジ部に設けられ、上記第1回転軸に直交する第3回転軸と、
からなり、
上記第1の筐体と上記第2の筐体とが折り畳まれて重合する閉じ状態と、
上記第1の筐体が、上記第2の筐体に対して上記第3回転軸を中心に開かれた縦開き状態と、
上記第1の筐体が、上記ヒンジ部と共に上記第2の筐体に対して上記第2回転軸を中心に開かれた横開き状態とに切換可能に構成され、
上記横開き状態では、上記第1の筐体の長手方向に延びる一辺が、上記第2の筐体の長手方向に延びる一辺よりも下方に位置している。
上記の構成によると、第1の筐体と第2の筐体とが折り畳まれて重合する閉じ状態から、第2回転軸のみを回転させることで、第1の筐体の長手方向と、第2の筐体の長手方向とが平行になる横開き状態となる。この横開き状態では、第1の筐体の長手方向に延びる一辺が、第2の筐体の長手方向に延びる一辺よりも下方に位置し、また、ヒンジ部も第1の筐体と共に回転するので、第2の筐体の表面の全体が露出する。このため、第2の筐体5の視認性及び操作性が向上する。この第1の筐体が第2の筐体の裏側に配置された状態で折畳み式携帯端末を机上等に載置すれば、第1の筐体の長手方向に延びる他辺と、上記第2の筐体の長手方向に延びる一辺とが載置面に当接し、第2の筐体がユーザーの側に適度に傾斜し、視認性及び操作性が向上する。また、閉じ状態から、第3回転軸のみを回転させると、第1の筐体と第2の筐体とが開いて縦開き状態となる。この状態で、第1回転軸のみを回転させれば、第1の筐体の表裏が反転する。第1の筐体を反転させた状態で第3回転軸を中心に第2の筐体側へ回転させると、表裏が反転された状態で閉じ状態となる。このように、3つの回転軸によって閉じ状態、縦開き状態及び横開き状態に切換が自在となる。
第2の発明では、第1の発明において、
上記第1回転軸と上記第1の筐体とを連結する第1取付部と、
上記第2回転軸と上記第2の筐体とを連結する第2取付部と、
上記第1回転軸に直交し、該第1回転軸と上記第3回転軸とを連結する第1連結部と、
上記第2回転軸に直交し、該第2回転軸と上記第3回転軸とを連結する第2連結部とを備えている。
上記の構成によると、第1取付部を第1の筐体に取り付け、第2取付部を第2の筐体に取り付ければ、簡単な構成で折畳み式携帯端末が、3つの回転軸を中心に閉じ状態、縦開き状態及び横開き状態に切換自在となる。
第3の発明では、第2の発明において、
上記第1回転軸、第2回転軸、第3回転軸、第1取付部、第2取付部、第1連結部及び第2連結部は、1つの金属製品ヒンジユニットで構成され、
上記第1取付部が上記第1の筐体に覆われ、
上記第2取付部が上記第2の筐体に覆われ、
上記第1回転軸と、上記第1連結部とが縦開き側ヒンジカバーで覆われ、
上記第2回転軸と、上記第2連結部と、上記第3回転軸とが横開き側ヒンジカバーで覆われており、
上記第2の筐体の上記ヒンジ部側端部における上記第2回転軸が設けられた部分は、切り欠かれて第2回転軸収容部が形成され、該ヒンジ部側端部の残りの部分は凹陥されてヒンジ収容凹部が形成され、
上記閉じ状態で上記第2回転軸収容部及び上記ヒンジ収容凹部に上記横開き側ヒンジカバーの一部が収容されている。
上記の構成によると、閉じ状態での折畳み式携帯端末の厚さが抑えられるので、外観及び携帯性が向上し、商品性が高まる。また、カバーが互いに回転する境界で分割されているので、各回転軸の回転を阻害することはない。
第4の発明では、第3の発明において、
上記第2の筐体の上記ヒンジ側端部における上記角部の反対側角部には、上記ヒンジ部を該第2の筐体にロックして、上記横開き状態になるのを防ぐ横開きロック機構が設けられ、
上記横開きロック機構は、
上記横開き側ヒンジカバーに形成した係止用孔と、
上記第2の筐体の反対側角部の内部に内蔵され、先端が上記係止用孔に係止される係止部材と、
上記係止部材を上記係止用孔に向かって付勢する付勢部材と、
上記係止部材に連結され、上記第2の筐体の側面から露出し、上記係止部材を上記付勢部材の付勢力に抗してスライドさせる指掛部とを備えている。
上記の構成によると、横開きロック機構によるロック状態では、横開き側ヒンジカバーの係止用孔に第2の筐体に内蔵した係止部材の先端が係止する。このとき、付勢部材が係止部材を係止用孔に向かって付勢するので、ヒンジ部が第2の筐体に確実にロックされて横開き状態になるのが防止される。一方、係止部材の指掛部に指を掛けて付勢部材の付勢力に抗して係止部材の先端を係止用孔から抜き出すことで、ロック状態が解除される。
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記第1の筐体には、表示部が形成され、
上記第2の筐体には、操作部が形成されている。
上記の構成によると、横開き状態では、第2の筐体の表面の全体が露出するので、操作部を第2の筐体の表面全体に設けることができる。このため、視認性及び操作性が向上する。また、横開き状態で机上等に載置すれば、表示部に横長の画面を表示して第2の筐体がユーザーの側に適度に傾斜した状態で横長の操作部を操作できるので、視認性及び操作性が格段に向上する。
第6の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記第1の筐体及び第2の筐体の少なくとも一方には、タッチパネルが設けられる構成とする。
上記の構成によると、タッチパネルであれば、第1の筐体及び第2の筐体の縦長又は横長の状態にかかわらず、ユーザーが操作しやすい方向にキーを配置できるので、操作性及び視認性が向上する。
第7の発明では、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、
上記第1回転軸と第2回転軸と第3回転軸とは、それぞれ回転させるための回転トルクの値が異なっている。
上記の構成によると、第1回転軸と第2回転軸と第3回転軸とで回転トルクの値にそれぞれ差を設けることで、横開き状態にしたいときに、第2回転軸が優先的に動き、動いて欲しくない第1及び第3回転軸が回転しないようにしたり、縦開き状態したいときに、第3回転軸が優先的に動き、動いて欲しくない第1及び第2回転軸が回転しなくなるようにしたりすることができるので、切換が極めてスムーズに行われる。
以上説明したように、本発明の折畳み式携帯端末によれば、3つの回転軸を設けて、閉じ状態と縦開き状態と横開き状態とに切換可能に構成し、横開き状態で第1の筐体の長手方向に延びる一辺を第2の筐体の長手方向に延びる一辺よりも下方に位置するようにしたことにより、横開き状態で第2の筐体の表面の全体が露出するようにして操作性及び視認性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の実施形態の折畳み式携帯端末としての折畳み式携帯電話機1を示し、この折畳み式携帯電話機1は、表示部2を表面に有する第1の筐体3と、操作部4を表面に有する第2の筐体5とを備えている。これら第1の筐体3と第2の筐体5とは、いずれも矩形板形状を有し、ヒンジ部6で連結されている。表示部2は、液晶ディスプレイでも有機ELディスプレイでもよい。操作部4のキー4aの配置は特に限定されない。第2の筐体5のヒンジ部6側の端部は、第1の筐体3と第2の筐体5とを閉じたときにヒンジ部6の一部が収容されるように凹陥されてヒンジ収容凹部5aが形成されている。
図6〜図10に示すように、ヒンジ部6は、第1〜第3の3つの回転軸10,11,12を備えている。
第1回転軸10は、第1の筐体3のヒンジ部6側の端部の左右中央に第1の筐体3の長手方向に延びている。第1回転軸10は、第1の筐体3をヒンジ部6に対して表裏反転自在に回転させる役割を有している。第1回転軸10と第1の筐体3とは、第1の筐体3の幅方向に延びる第1取付部13で連結されている。第1取付部13は、第1の筐体3の幅方向に延びる第1取付部本体13aを有し、この第1取付部本体13aの両端が第1の筐体3の長手方向に折り曲げられて折曲部13bが形成されている。各折曲部13bに一対の第1ネジ挿通孔13cが形成され、第1取付部本体13aの幅方向中央に第1軸挿通孔13dが形成されている。この第1軸挿通孔13dに、中空の第1回転軸10がカシメや嵌合により回転不能に連結されている。第1回転軸10の外周は、樹脂製の第1スリーブ10aで覆われている。第1取付部13は、第1スリーブ10aと共に第1の筐体3に覆われている。第1回転軸10の第1取付部13と反対側の端部は、鍔状に形成され、この鍔状部分の外周に回転範囲を規制する第1規制用突起10b(図7及び図10に示す)が突設されている。第1ネジ挿通孔13cに図示しないネジを挿通して締結することで、第1の筐体3が第1回転軸10を介してヒンジ部6に回転自在に(表裏反転自在に)連結されている。
第2の筐体5のヒンジ部6側の端部における右上角部は、切り欠かれて第2回転軸収容部5bが形成されている。第2回転軸11は、この第2回転軸収容部5bに設けられ、第2の筐体5の長手方向に延びている。第2回転軸11は、ヒンジ部6を第1の筐体3と共に第2の筐体5の長手方向を中心に回転させる役割を有している。第2回転軸11は、第2取付部14を介して第2の筐体5と回転自在に連結されている。第2取付部14は、第2の筐体5の長手方向に延びる第2取付部本体14aを有し、この第2取付部本体14aは、一対の第2ネジ挿通孔14bを有している。この第2取付部本体14aから第2の筐体5の裏面側へ垂直に折り曲げられた後、右方に延びる延長部14cが形成されている。この延長部14cは第2軸挿通孔14dを有し、この第2軸挿通孔14dに、中空の第2回転軸11が連結されている。第2回転軸11の外周は、樹脂製の第2スリーブ11aで覆われている。第2取付部14は、第2スリーブ11aと共に第2の筐体5に覆われている。第2ネジ挿通孔14bに図示しないネジを挿通して締結することで、第2の筐体5に第2回転軸11が連結されている。
第3回転軸12は、ヒンジ部6に設けられ、第1の筐体3の幅方向に延び、一対のものが間隔をあけて配置されている。一対の第3回転軸12の中央で第1回転軸10が直交している。具体的には、この一対の第3回転軸12と第1回転軸10とは、第1回転軸10に直交する方向に延びる第1連結部15を介して連結されている。第1連結部15は、第1の筐体3の幅方向中央に第3軸挿通孔15aを有し、この第3軸挿通孔15aに第1回転軸10が回転自在に挿通されている。第1連結部15には、上記第1規制用突起10bに当接し、第1回転軸10(第1の筐体3)の回転範囲を180°に規制する第1規制用当接部15bがビス15cで締結されている。第1連結部15の両端は、垂直(第1の筐体3の長手方向)にそれぞれ折り曲げられた脚部15dを有し、各脚部15dに第3軸挿通孔15eが形成されている。第2回転軸11と反対側の第3回転軸12は、中実のヒンジ軸で構成され、内部に節度と付勢力とを持って回転する機構を有している。第2回転軸11側の第3回転軸12は、中空に形成されている。
第3回転軸12と第2回転軸11とは、第2連結部16で連結されている。図10に示すように、第2連結部16は、第2回転軸11に直交し、第2の筐体5の表面側へ突出して延びる第2連結部本体16aを有し、この第2連結部本体16aに第2回転軸11が挿通される連結部側第2軸挿通孔16bが形成されている。第2連結部本体16aの第2の筐体5の表面よりも突出した部分が第2の筐体5の長手方向に折り曲げられて折曲部16cが形成され、この折曲部16cに第3軸挿通孔16dが形成されている。この第3軸挿通孔16dに中空の第3回転軸12がカシメ等により連結されている。中空の第3回転軸12の外周は、樹脂製の第3スリーブ12aで覆われている。折曲部16cの第2の筐体5よりも下方は、第3回転軸12と平行に延びる第3回転軸連結板16eに連結され、図9に示すように、この第3回転軸連結板16eの先端のヒンジ軸取付部16fにヒンジ軸よりなる第3回転軸12が連結されている。
なお、第2回転軸11に第1回転軸10の第1規制用突起10bのような突起を設けて回転範囲を規制するようにしてもよい。
これら第1回転軸10、第2回転軸11及び第3回転軸12を設けることで、簡単な構成により、図1に示すような第1の筐体3と第2の筐体5とが折り畳まれて重合する閉じ状態と、図2に示すような第1の筐体3が、第2の筐体5に対して第3回転軸12を中心に開かれた縦開き状態と、図5に示すような第1の筐体3が、ヒンジ部6と共に第2の筐体5に対して第2回転軸11を中心に開かれた横開き状態とに切換可能に構成されている。この横開き状態では、第1の筐体3の長手方向に延びる一辺(右側面3a)が、第2の筐体5の長手方向に延びる一辺(右側面5d)よりも下方に位置している。なお、キー4aに付する文字は縦長状態のときと横長状態のときとのいずれのときに見やすいようにしてもよい。
なお、図示しないが、第1回転軸10、第2回転軸11及び第2回転軸11側の第3回転軸12の中心には、第1の筐体3内の基板と、第2の筐体5内の基板とを電気的に接続する信号線が挿通されている。
また、上記第1回転軸10、第2回転軸11、第3回転軸12、第1取付部13、第2取付部14、第1連結部15及び第2連結部16は、1つの金属製品のヒンジユニット7で構成されている。このため、折畳み式携帯電話機1の組立において、第1取付部13を第1の筐体3に締結し、第2取付部14を第2の筐体5に締結すればよいので、組立が容易となっている。
第1回転軸10と第1連結部15とは、略直方体形状の縦開き側ヒンジカバーとしての第1ヒンジカバー6aで覆われている。第1ヒンジカバー6aは、第3回転軸12を中心に回動可能なように、第1の筐体3と反対側は、丸みを帯びている。
第2回転軸11と、第2連結部16の第2連結部本体16aと折曲部16cと、中空の第3回転軸12とが第2ヒンジカバー6bで覆われている。第3スリーブ12aは、第2ヒンジカバー6bで覆われている。
ヒンジ軸よりなる第3回転軸12は、第3ヒンジカバー6cで覆われている。第3回転軸連結板16eは、長細い第4ヒンジカバー6dで覆われている。これら第2ヒンジカバー6b、第3ヒンジカバー6c及び第4ヒンジカバー6dは、横開き側ヒンジカバーを構成し、閉じ状態で一部がヒンジ収容凹部5aに収容可能なようにヒンジ収容凹部5aに合わせて段形状を有している。これら第2ヒンジカバー6b、第3ヒンジカバー6c及び第4ヒンジカバー6dは、それぞれ分割して構成しているが、厚さ方向で2分割したものを嵌合させて一体としてもよい。また、第1〜第3スリーブ10a,11a,12aにより、第1〜第3回転軸10,11,12の回転が阻害されないようになっている。このように、簡単な構成でヒンジ部6が、第1回転軸10、第2回転軸11及び第3回転軸12の回転を阻害することなく、見映えよく覆われている。
そして、第2の筐体5のヒンジ部6側の端部における第2回転軸収容部5bと反対側の左上角部には、横開きロック機構20が設けられている。具体的には、図5に示すように、上記第3ヒンジカバー6cのヒンジ収容凹部5aに収容される段部の第2の筐体5の表面に垂直な壁には、矩形状の係止用孔21が開口されている。また、図11及び図12に示すように、第2の筐体5の左上角部の内部には、係止部材22が内蔵され、この係止部材22の先端22aが係止用孔21に係止可能となっている。先端22aが係止用孔21に係止することで、ヒンジ部6を第2の筐体5にロックして、横開き状態になるのを防ぐように構成されている。
ヒンジ収容凹部5aの係止用孔21に対応する壁には、係止部材出入用開口23が形成されている。係止部材22の先端22aは、第2の筐体5(第2回転軸11)の長手方向に延び、係止部材出入用開口23から出入り可能となっている。また、先端22aには、先端に向かって第2の筐体5の表面側から裏面側へ傾斜するテーパ面22eが形成されている。
係止部材22の基端側は幅広になったバネ当接部22bが形成されている。第2の筐体5の内部には、係止部材22のスライド方向に沿って付勢部材としての圧縮コイルバネ24が内蔵されている。この圧縮コイルバネ24は、一端がバネ当接部22bに当接し、他端が図示しない第2の筐体5の一部に当接し、係止部材22を係止用孔21(係止部材出入用開口23)に向かって付勢している。
第2の筐体5の左側面5eには、指掛用開口5cが第2の筐体5の長手方向に延びている。バネ当接部22bには、左方に延びて指掛用開口5cから露出する指掛部22cが設けられている。指掛部22cは、ヒンジ収容凹部5aから離れる方向に向かって左側に傾斜し、左方に突出する突起22dを有することで、係止部材22をスライドさせやすいようになっている。この指掛部22cを圧縮コイルバネ24の付勢力に抗してヒンジ収容凹部5aから離れる方向にスライドさせると係止用孔21に係止していた係止部材22の先端22aが係止用孔21から抜け出すようになっている。
例えば、第2回転軸11の周辺にバネなどの弾性部材を設けることで、指掛部22cをスライドさせると、自動的に第1の筐体3が開いて横開き状態になるようにしてもよい。
−作動−
次に、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1が第1回転軸10、第2回転軸11及び第3回転軸12を中心に2つの閉じ状態、縦開き状態及び横開き状態に切換が行われる手順について説明する。
携帯時や不使用時には、図1に示すように、折畳み式携帯端末1は、第1の筐体3と第2の筐体5とが折り畳まれて重合する閉じ状態にある。このとき、ヒンジユニット7は、図6及び図10に示す状態にある。この状態では、第2ヒンジカバー6b、第3ヒンジカバー6c及び第4ヒンジカバー6dは、その一部がヒンジ収容凹部5a及び第2回転軸収容部5bに収容されている。このため、閉じ状態での折畳み式携帯電話機1の厚さが抑えられるので、外観及び携帯性が向上し、商品性が高い。
閉じ状態における横開きロック機構20によるロック状態では、図12(a)に示すように、第3ヒンジカバー6cの係止用孔21に第2の筐体5に内蔵した係止部材22の先端22aが係止している。このとき、圧縮コイルバネ24が係止部材22を係止用孔21に向かって付勢するので、ヒンジ部6が第2の筐体5に確実にロックされて横開き状態になるのが防止される。
次いで、通話したり、電子メールを送受信したりなど、表示部2を縦長状態で使用したい場合には、縦開き状態に切り換えられる。このときは、図2及び図7に示すように、閉じ状態から、ロック機構20をロックしたままで第3回転軸12のみを回転させると、第1の筐体3と第2の筐体5とが開いて縦開き状態となる。このとき、第2ヒンジカバー6b、第3ヒンジカバー6c及び第4ヒンジカバー6dは、その一部がヒンジ収容凹部5a及び第2回転軸収容部5bに収容されたままであり、第1ヒンジカバー6aのみが第1の筐体3と共に回動する。
次いで、図3及び図8に示すように、縦開き状態で、第1回転軸10のみを回転させれば、第1の筐体3の表裏が反転する。この場合は、第1の筐体3のみが回転する。
さらに、図示しないが、第1の筐体3を表裏反転した状態で、第3回転軸12を中心に第2の筐体5側へ回転させると、表裏が反転された状態で閉じ状態となる。この状態では、閉じたコンパクトな状態となり、持ち方を変えれば縦長又は横長の表示部2を見ることができる。
次いで、折畳み式携帯電話機1でTV視聴したり、電子メールを打ち込んだり、インターネットを使用したりなど、表示部2及び操作部4を横長で使用したいときには、横開き状態に切り換えられる。まず、図12(b)に示すように、係止部材22の指掛部22cに指を掛けて圧縮コイルバネ24の付勢力に抗して係止部材22の先端22aを係止用孔21から抜き出すことで、ロック状態を解除する。すると、図4、図5及び図9に示すように、第2回転軸11のみを回転させることで、第1の筐体3の長手方向と、第2の筐体5の長手方向とが平行になる横開き状態となる。この横開き状態では、第1の筐体3の右側面3aが、第2の筐体5の右側面5dよりも下方に位置する。また、ヒンジ部6も第1の筐体3と共に回転するので、第2の筐体5の表面の全体が露出する。このため、操作部4を第2の筐体5の表面全体に設けることができる。また、横開き状態で机上等に載置すれば、第2の筐体5の左側面5eと第1の筐体3の右側面3aとが載置面に当接して第2の筐体5がユーザーの側に適度に傾斜する。このため、表示部2に横長の画面を表示して第2の筐体5がユーザーの側に適度に傾斜した状態で横長の操作部4を操作できる。
また、先端22aには、第2の筐体5の表面側から裏面側に向けて先細となるようにテーパ面22eが形成されているので、横長状態から第1の筐体3を第2回転軸11を中心に回動させて閉じ状態に戻すときに係止用孔21の周縁がテーパ面22eに当接して圧縮コイルバネ24を押し戻し、再び先端22aが係止用孔21に到ると、圧縮コイルバネ24が係止部材22を押圧して先端22aが係止用孔21に自動的に係止されてロック状態となる。
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1によると、第1回転軸10、第2回転軸11及び第3回転軸12を設けて、閉じ状態と縦開き状態と横開き状態とに切換可能に構成し、横開き状態で第1の筐体3の右側面3aを第2の筐体5の右側面5dよりも下方に位置するようにしたことにより、横開き状態で第2の筐体5の表面の全体が露出するようにして操作性及び視認性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、実施形態では、第1の筐体3に表示部2を設け、第2の筐体5に操作部4を設けたが、第2の筐体5の一部にも表示部を設け、第1の筐体3の一部にも操作部を設けてもよい。
また、第1の筐体3及び第2の筐体5の少なくとも一方にタッチパネルを設けてもよい。タッチパネルであれば、第1の筐体3及び第2の筐体5の縦長又は横長の状態にかかわらず、ユーザーが操作しやすい方向にキーを配置できるので、操作性及び視認性が向上する。
また、第1回転軸10と第2回転軸11と第3回転軸12とで、それぞれ回転させるための回転トルクの値が異なるようにしてもよい。こうすることで、横開き状態にしたいときに、ロック機構20のロックが解除された後でも、第2回転軸11が優先的に動き、動いて欲しくない第1及び第3回転軸12が回転しないようにすることができるので、切換が極めてスムーズに行われる。
さらに、上記実施形態では、第2の筐体5のヒンジ部6側の端部における右上角部に第2回転軸収容部5bを設けて、この第2回転軸収容部5bに第2回転軸11を設けたが、左上角部に設けてもよい。この場合には、ロック機構20を右上角部に設け、左右対称のヒンジユニット7を設ければよい。
上記実施形態では、折畳み式携帯端末は、折畳み式携帯電話機1としたが、PHS、PDA、PC、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機の閉じ状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機の縦開きの状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機の縦開きの状態から第1の筐体のみを回転させる様子を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機の横開きの状態を第1の筐体側から見た斜視図である。 本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機の横開きの状態を正面側から見た斜視図である。 図1の状態のときのヒンジユニットを拡大して示す斜視図である。 図2の状態のときのヒンジユニットを拡大して示す斜視図である。 図3の状態のときのヒンジユニットを拡大して示す斜視図である。 図4の状態のときのヒンジユニットを拡大して示す斜視図である。 図6のヒンジユニットを別の方向から見た斜視図である。 第2の筐体を一部破断してロック機構及びその周辺を拡大して示す斜視図である。 ロック機構及びその周辺を示す側方断面図であり、(a)がロック状態を示し、(b)がロック解除状態を示す。
符号の説明
1 折畳み式携帯電話機(折畳み式携帯端末)
2 表示部
3 第1の筐体
3a 右側面(長手方向に延びる一辺)
4 操作部
5 第2の筐体
5a ヒンジ収容凹部
5b 第2回転軸収容部(角部)
5c 指掛用開口
5d 右側面(長手方向に延びる一辺)
5e 左側面
6 ヒンジ部
6a 第1ヒンジカバー(縦開き側ヒンジカバー)
6b 第2ヒンジカバー(横開き側ヒンジカバー)
6c 第3ヒンジカバー(横開き側ヒンジカバー)
6d 第4ヒンジカバー(横開き側ヒンジカバー)
7 ヒンジユニット
10 第1回転軸
11 第2回転軸
12 第3回転軸
13 第1取付部
14 第2取付部
15 第1連結部
16 第2連結部
20 ロック機構
21 係止用孔
22 係止部材
22a 先端
22b バネ当接部
22c 指掛部
24 圧縮コイルバネ(付勢部材)

Claims (7)

  1. 第1の筐体と第2の筐体とが3つの回転軸を有するヒンジ部で連結された折畳み式携帯端末において、
    上記3つの回転軸は、
    上記第1の筐体のヒンジ部側端部に設けられ、該第1の筐体を該ヒンジ部に対して表裏反転自在に回転させる第1回転軸と、
    上記第2の筐体の上記ヒンジ側端部における角部に設けられ、第2の筐体の長手方向に延び、上記ヒンジ部を該第2の筐体の長手方向を中心に回転させる第2回転軸と、
    上記ヒンジ部に設けられ、上記第1回転軸に直交する第3回転軸と、
    からなり、
    上記第1の筐体と上記第2の筐体とが折り畳まれて重合する閉じ状態と、
    上記第1の筐体が、上記第2の筐体に対して上記第3回転軸を中心に開かれた縦開き状態と、
    上記第1の筐体が、上記ヒンジ部と共に上記第2の筐体に対して上記第2回転軸を中心に開かれた横開き状態とに切換可能に構成され、
    上記横開き状態では、上記第1の筐体の長手方向に延びる一辺が、上記第2の筐体の長手方向に延びる一辺よりも下方に位置している
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  2. 請求項1に記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第1回転軸と上記第1の筐体とを連結する第1取付部と、
    上記第2回転軸と上記第2の筐体とを連結する第2取付部と、
    上記第1回転軸に直交し、該第1回転軸と上記第3回転軸とを連結する第1連結部と、
    上記第2回転軸に直交し、該第2回転軸と上記第3回転軸とを連結する第2連結部とを備えている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  3. 請求項2に記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第1回転軸、第2回転軸、第3回転軸、第1取付部、第2取付部、第1連結部及び第2連結部は、1つの金属製品ヒンジユニットで構成され、
    上記第1取付部が上記第1の筐体に覆われ、
    上記第2取付部が上記第2の筐体に覆われ、
    上記第1回転軸と、上記第1連結部とが縦開き側ヒンジカバーで覆われ、
    上記第2回転軸と、上記第2連結部と、上記第3回転軸とが横開き側ヒンジカバーで覆われており、
    上記第2の筐体の上記ヒンジ部側端部における上記第2回転軸が設けられた部分は、切り欠かれて第2回転軸収容部が形成され、該ヒンジ部側端部の残りの部分は凹陥されてヒンジ収容凹部が形成され、
    上記閉じ状態で上記第2回転軸収容部及び上記ヒンジ収容凹部に上記横開き側ヒンジカバーの一部が収容されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  4. 請求項3に記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第2の筐体の上記ヒンジ側端部における上記角部の反対側角部には、上記ヒンジ部を該第2の筐体にロックして、上記横開き状態になるのを防ぐ横開きロック機構が設けられ、
    上記横開きロック機構は、
    上記横開き側ヒンジカバーに形成した係止用孔と、
    上記第2の筐体の反対側角部の内部に内蔵され、先端が上記係止用孔に係止される係止部材と、
    上記係止部材を上記係止用孔に向かって付勢する付勢部材と、
    上記係止部材に連結され、上記第2の筐体の側面から露出し、上記係止部材を上記付勢部材の付勢力に抗してスライドさせる指掛部と、
    を備えている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第1の筐体には、表示部が形成され、
    上記第2の筐体には、操作部が形成されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第1の筐体及び第2の筐体の少なくとも一方には、タッチパネルが設けられている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第1回転軸と第2回転軸と第3回転軸とは、それぞれ回転させるための回転トルクの値が異なっている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
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