JP2010080531A - 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被洗浄物にダメージを与えるのを抑制して超音波洗浄し、被洗浄物から異物を除去することができる超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 超音波洗浄装置であって、少なくとも、被洗浄物を載置して保持するテーブルと、該テーブルによって保持された前記被洗浄物にガス雰囲気下で圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段の圧電振動子に高周波電圧を印加する超音波発振器とを具備し、前記超音波伝搬体の前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成され、前記洗浄手段で前記被洗浄物の表面に超音波振動を伝搬させて無接触でドライ洗浄するものであることを特徴とする超音波洗浄装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 超音波洗浄装置であって、少なくとも、被洗浄物を載置して保持するテーブルと、該テーブルによって保持された前記被洗浄物にガス雰囲気下で圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段の圧電振動子に高周波電圧を印加する超音波発振器とを具備し、前記超音波伝搬体の前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成され、前記洗浄手段で前記被洗浄物の表面に超音波振動を伝搬させて無接触でドライ洗浄するものであることを特徴とする超音波洗浄装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体ウェーハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク用の基板など(以下、単に「基板」と称する)の被洗浄物に超音波振動を付与しながら洗浄処理を行う超音波洗浄装置に関するものである。
従来、半導体ウェーハ、フォトマスク基板、液晶基板等の基板(被洗浄物)の表面を洗浄してパーティクル等の異物を除去する方法として超音波を用いた方法がある。例えば、洗浄槽の底部に超音波振動子を設け、洗浄液に超音波を付与して複数枚の被洗浄物を同時に洗浄するバッチ式の超音波洗浄装置と、ノズルに超音波振動子を接着し、ノズル内に供給した洗浄液に超音波を印加した上で洗浄液を被洗浄物へ噴射して被洗浄物を1枚ずつ洗浄する枚葉式の超音波洗浄装置などがある。
バッチ式洗浄装置は、近年における半導体基板の大口型化に伴い、複数枚の半導体基板を取り扱うことが困難となってきている上、装置自体も大型化する必要があるため、枚葉式洗浄装置が広く使用されるようになってきた(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
このように、従来の超音波による洗浄においては、洗浄液に超音波を印加して被洗浄物に伝搬する方法が用いられている。
このように、従来の超音波による洗浄においては、洗浄液に超音波を印加して被洗浄物に伝搬する方法が用いられている。
図6は従来の洗浄液を用いた枚様式洗浄装置の一例を示す概略図である。この枚葉式洗浄装置31は、回転可能なテーブル32と、該テーブル32をその中心軸で回転させるための回転駆動部33と、被洗浄物35の表面を洗浄するための表面用ノズル39と、被洗浄物35の裏面を洗浄するための裏面用ノズル34とを具備している。そして、この表面用ノズル39には超音波振動子が内蔵されていて、ノズル39から吐出される洗浄液に超音波を印加させるようになっている。
テーブル32は、被洗浄物35を保持するために、アーム36上に被洗浄物35を引っ掛けるためのピン37が複数本取り付けられている。また、裏面用ノズル34は、アーム36の中心から突出するように設置され、非回転である。
このような枚葉式洗浄装置31を使用して被洗浄物35の表面を洗浄するには、テーブル32で被洗浄物35を保持し、回転駆動部33によりテーブル32を回転させることにより被洗浄物35を回転させ、表面用ノズル39から超音波が印加された洗浄液を吐出させて被洗浄物35に供給して超音波洗浄し、被洗浄物35上の異物を除去する。
このような枚葉式洗浄装置31を使用して被洗浄物35の表面を洗浄するには、テーブル32で被洗浄物35を保持し、回転駆動部33によりテーブル32を回転させることにより被洗浄物35を回転させ、表面用ノズル39から超音波が印加された洗浄液を吐出させて被洗浄物35に供給して超音波洗浄し、被洗浄物35上の異物を除去する。
しかし、このような洗浄液を用いた被洗浄物の超音波洗浄では、ノズルより噴射された洗浄液中において超音波のエネルギーが高密度で集束するため、近年パターンの微細化が進む半導体基板に対しては、パターン倒壊等のダメージを引き起こす原因となってしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば、棒状の超音波伝播体を斜めに切断して超音波放射面とし、切断面とは逆の端に圧電振動子を取り付けて、放射面を被洗浄物に対向して微小間隔を保って装着させて側部から洗浄液を流入させて被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置が開示されている(特許文献3参照)。
しかしこのような形状でも放射面内における音圧均一性に欠け、特定部位の音波の強度が大きく、被洗浄物にダメージを与えてしまう。
しかしこのような形状でも放射面内における音圧均一性に欠け、特定部位の音波の強度が大きく、被洗浄物にダメージを与えてしまう。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、被洗浄物に基板パターン倒壊等のダメージを与えるのを抑制して超音波洗浄し、被洗浄物から効率的に異物を除去することができる超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、超音波洗浄装置であって、少なくとも、被洗浄物を載置して保持するテーブルと、該テーブルによって保持された前記被洗浄物にガス雰囲気下で圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段の圧電振動子に高周波電圧を印加する超音波発振器とを具備し、前記超音波伝搬体の前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成され、前記洗浄手段で前記被洗浄物の表面に超音波振動を伝搬させて無接触でドライ洗浄するものであることを特徴とする超音波洗浄装置を提供する(請求項1)。
このように、少なくとも、被洗浄物を載置して保持するテーブルと、該テーブルによって保持された前記被洗浄物にガス雰囲気下で圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段の圧電振動子に高周波電圧を印加する超音波発振器とを具備し、前記超音波伝搬体の前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成され、前記洗浄手段で前記被洗浄物の表面に超音波振動を伝搬させて無接触でドライ洗浄するものであれば、洗浄薬液を用いることなく被洗浄物上の異物を簡便かつ効果的に除去することができる。また、除去した異物を浮上させ異物が被洗浄物に再付着するのを抑制することができる。さらに、ガス雰囲気下で超音波を伝搬するので被洗浄物への超音波によるダメージを抑制することができる。
このとき、前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスはクリーンエアーまたは不活性ガスであることが好ましい(請求項2)。
このように、前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスがクリーンエアーまたは不活性ガスであれば、被洗浄物を雰囲気ガスで汚染することなく超音波を伝搬して効果的に洗浄することができる。
このように、前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスがクリーンエアーまたは不活性ガスであれば、被洗浄物を雰囲気ガスで汚染することなく超音波を伝搬して効果的に洗浄することができる。
またこのとき、前記被洗浄物にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段を具備するものであることが好ましい(請求項3)。
このように、前記被洗浄物にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段を具備するものであれば、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。
このように、前記被洗浄物にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段を具備するものであれば、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。
またこのとき、前記超音波伝搬体はガスを噴射するための貫通孔を有するものであることができる(請求項4)。
このように、前記超音波伝搬体はガスを噴射するための貫通孔を有するものであれば、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。また、ガスを噴射するための別途独立した機構を設ける必要もなく、簡単な構成の装置とすることができる。
このように、前記超音波伝搬体はガスを噴射するための貫通孔を有するものであれば、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。また、ガスを噴射するための別途独立した機構を設ける必要もなく、簡単な構成の装置とすることができる。
またこのとき、前記テーブルは軸周りに回転可能であり、前記洗浄手段は、少なくとも前記被洗浄物の外周部から中心部まで往復移動可能なものであることが好ましい(請求項5)。
このように、前記テーブルは軸周りに回転可能であり、前記洗浄手段は、少なくとも前記被洗浄物の外周部から中心部まで往復移動可能なものであれば、簡単な構成で被洗浄物の全面を洗浄することができる。
このように、前記テーブルは軸周りに回転可能であり、前記洗浄手段は、少なくとも前記被洗浄物の外周部から中心部まで往復移動可能なものであれば、簡単な構成で被洗浄物の全面を洗浄することができる。
またこのとき、前記テーブルは水平面内でXY方向に移動可能なXYテーブルであり、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記テーブルの位置決めを行うことができるものであることが好ましい(請求項6)。
このように、前記テーブルは水平面内でXY方向に移動可能なXYテーブルであり、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記テーブルの位置決めを行うことができるものであれば、洗浄する位置を限定して洗浄時間を短縮したり、特定の位置での洗浄を集中して行うことにより効果的に洗浄することができるものとすることができる。
このように、前記テーブルは水平面内でXY方向に移動可能なXYテーブルであり、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記テーブルの位置決めを行うことができるものであれば、洗浄する位置を限定して洗浄時間を短縮したり、特定の位置での洗浄を集中して行うことにより効果的に洗浄することができるものとすることができる。
またこのとき、前記洗浄手段は水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアームを有し、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記洗浄手段の位置決めを行うことができるものであることが好ましい(請求項7)。
このように、前記洗浄手段は水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアームを有し、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記洗浄手段の位置決めを行うことができるものであれば、洗浄位置を予め特定して洗浄工程を自動化することができ、工程時間を削減することができる。
このように、前記洗浄手段は水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアームを有し、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記洗浄手段の位置決めを行うことができるものであれば、洗浄位置を予め特定して洗浄工程を自動化することができ、工程時間を削減することができる。
またことのき、前記被洗浄物の表面上の輝点を検出するパーティクルカウンタと接続され、前記パーティクルカウンタで検出した前記被洗浄物上の輝点の座標データを受取る受信手段と、該受信した輝点の座標を前記被洗浄物上の座標に変換する座標変換手段とを具備し、該変換した前記被洗浄物上の座標が洗浄位置となるように前記テーブルと前記洗浄手段の相対位置を位置決めし、前記被洗浄物の前記洗浄位置を超音波洗浄するものであることができる(請求項8)。
このように、前記被洗浄物の表面上の輝点を検出するパーティクルカウンタと接続され、前記パーティクルカウンタで検出した前記被洗浄物上の輝点の座標データを受取る受信手段と、該受信した輝点の座標を前記被洗浄物上の座標に変換する座標変換手段とを具備し、該変換した前記被洗浄物上の座標が洗浄位置となるように前記テーブルと前記洗浄手段の相対位置を位置決めし、前記被洗浄物の前記洗浄位置を超音波洗浄するものであれば、より確実に異物の付着位置を洗浄して効率的に異物を除去することができ、より確実に工程時間を削減することができる。
また、本発明によれば、被洗浄物の表面を圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって伝搬させて超音波洗浄する超音波洗浄方法であって、前記被洗浄物をテーブル上に載置して保持し、前記超音波伝搬体として、前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成されたものを用い、前記圧電振動子の振動を前記被洗浄物にガス雰囲気下で前記超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄することによって無接触でドライ洗浄することを特徴とする超音波洗浄方法を提供する(請求項9)。
このように、前記被洗浄物をテーブル上に載置して保持し、前記超音波伝搬体として、前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成されたものを用い、前記圧電振動子の振動を前記被洗浄物にガス雰囲気下で前記超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄することによって無接触でドライ洗浄すれば、洗浄薬液を用いることなく被洗浄物上の異物を簡便かつ効果的に除去することができる。また、除去した異物を浮上させ異物が再付着するのを抑制することができる。さらに、ガス雰囲気下で超音波を伝搬するので被洗浄物への超音波によるダメージを抑制することができる。
このとき、前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは不活性ガスを用いることが好ましい(請求項10)。
このように、前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは不活性ガスを用いることで、被洗浄物を雰囲気ガスで汚染することなく超音波を伝搬して効果的に洗浄することができる。
このように、前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは不活性ガスを用いることで、被洗浄物を雰囲気ガスで汚染することなく超音波を伝搬して効果的に洗浄することができる。
またこのとき、前記被洗浄物にガスを噴射して補助洗浄を行うことが好ましい(請求項11)。
このように、前記被洗浄物にガスを噴射して補助洗浄を行うことで、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。
このように、前記被洗浄物にガスを噴射して補助洗浄を行うことで、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。
またこのとき、前記超音波伝搬体からガスを噴射することができる(請求項12)。
このように、前記超音波伝搬体からガスを噴射することで、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。
このように、前記超音波伝搬体からガスを噴射することで、被洗浄物の洗浄効果をより一層向上することができる。また、除去した異物が再付着するのをより確実に抑制することができる。
またこのとき、前記テーブルを軸周りに回転させ、前記洗浄手段を前記被洗浄物の外周部から中心部まで相対的に移動させて前記被洗浄物の全面を超音波洗浄することが好ましい(請求項13)。
このように、前記テーブルを軸周りに回転させ、前記洗浄手段を前記被洗浄物の外周部から中心部まで相対的に移動させて前記被洗浄物の全面を超音波洗浄することで、簡単に被洗浄物の全面を洗浄することができる。
このように、前記テーブルを軸周りに回転させ、前記洗浄手段を前記被洗浄物の外周部から中心部まで相対的に移動させて前記被洗浄物の全面を超音波洗浄することで、簡単に被洗浄物の全面を洗浄することができる。
またこのとき、パーティクルカウンタで前記被洗浄物上の輝点を検出し、該検出した前記被洗浄物上の輝点の座標を前記被洗浄物上の座標に変換し、該変換した前記被洗浄物上の座標が洗浄位置となるように前記テーブルと前記洗浄手段の相対位置を位置決めした後、前記被洗浄物の前記洗浄位置を超音波洗浄することが好ましい(請求項14)。
このように、パーティクルカウンタで前記被洗浄物上の輝点を検出し、該検出した前記被洗浄物上の輝点の座標を前記被洗浄物上の座標に変換し、該変換した前記被洗浄物上の座標が洗浄位置となるように前記テーブルと前記洗浄手段の相対位置を位置決めした後、前記被洗浄物の前記洗浄位置を超音波洗浄することで、より確実に異物の付着位置を洗浄して効率的に異物を除去することができ、より確実に工程時間を削減することができる。
本発明では、超音波洗浄装置において、被洗浄物にガス雰囲気下で圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄する洗浄手段と、洗浄手段の圧電振動子に高周波電圧を印加する超音波発振器とを具備し、超音波伝搬体の被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成され、洗浄手段で被洗浄物の表面に超音波振動を伝搬させて無接触でドライ洗浄するので、洗浄薬液を用いることなく被洗浄物上の異物を簡便かつ効果的に除去することができる。また、除去した異物を浮上させ異物が再付着するのを抑制することができる。さらに、ガス雰囲気下で超音波を伝搬するので被洗浄物への超音波によるダメージを抑制することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来、超音波を用いた被洗浄物の洗浄において、超音波を印加した洗浄液をノズルから被洗浄物に向けて吐出し、超音波を伝搬して被洗浄物を超音波洗浄するという方法が用いられている。
従来、超音波を用いた被洗浄物の洗浄において、超音波を印加した洗浄液をノズルから被洗浄物に向けて吐出し、超音波を伝搬して被洗浄物を超音波洗浄するという方法が用いられている。
しかし、このような洗浄液に印加された超音波を用いた被洗浄物の洗浄では、ノズルより噴射された洗浄液中において超音波のエネルギーが高密度で集束するため、例えば近年パターンの微細化が進む半導体基板のような被洗浄物に対して、パターン倒壊等のダメージを引き起こす原因となってしまうという問題があった。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、液体と体積弾性率の異なるガス雰囲気下で超音波を伝搬させて洗浄することにより、被洗浄物へのダメージを抑制することができることに想到した。そして、超音波を伝搬するための超音波伝搬体として、超音波伝搬体の被洗浄物に超音波を伝搬する側の端面がその逆側の圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成されたものを用いることによって、より大きい振幅の超音波を伝搬させることができ、この超音波を用いてガス雰囲気下で洗浄することにより、被洗浄物へのダメージを抑制しつつ効果的に異物を除去できることに想到し、本発明を完成させた。
図1は本発明に係る超音波洗浄装置の一例を示す概略図である。
図1に示すように、超音波洗浄装置1は、被洗浄物7を保持するためのテーブル6、被洗浄物7に超音波を伝搬して洗浄する洗浄手段2、圧電振動子5に高周波電圧を印加する超音波発振器4等を具備している。
図1に示すように、超音波洗浄装置1は、被洗浄物7を保持するためのテーブル6、被洗浄物7に超音波を伝搬して洗浄する洗浄手段2、圧電振動子5に高周波電圧を印加する超音波発振器4等を具備している。
テーブル6には被洗浄物7が載置されその側面を保持するようになっている。ここで、テーブル6の構造は特に限定されず、被洗浄物7を載置して保持することができれば良い。例えば、図1に示すように、テーブル6に設けられたピン18により被洗浄物7の側面を支持するような構成とすることができる。また、テーブル6はその軸周りに回転可能となっており、上下左右に移動することができるようになっている。
また、テーブル6の上方に洗浄手段2が配置されている。
また、テーブル6の上方に洗浄手段2が配置されている。
また、洗浄手段2には圧電振動子5、超音波伝搬体3、冷却エア注入口13、冷却エア排出口14が備えられており、超音波伝搬体3の片側の端面(図1U)に圧電振動子5が配設されている。そして、超音波発振器4によって印加された高周波電圧により圧電振動子5が振動し、その振動を超音波伝搬体3の端面Uとは逆側のUより小さい端面(図1T)から照射して被洗浄物7に伝搬するようになっている。
ここで、圧電振動子5として、例えばボルト締めランジュバン型超音波振動子を用いることができる。
ここで、圧電振動子5として、例えばボルト締めランジュバン型超音波振動子を用いることができる。
このとき、被洗浄物7に伝搬する超音波の振動周波数は、特に限定されるわけではないが例えば10〜100kHzの範囲内から適宜設定することができる。
また、冷却エア注入口13から、洗浄手段2を冷却するためのエアが注入され、冷却エア排出口14から排出することができるようになっている。
また、超音波伝搬体3の被洗浄物7に超音波振動を伝搬する側の端面Tが、その端面の逆側の圧電振動子5が配置される端面Uより先細の形状に形成されるものとなっている。
また、冷却エア注入口13から、洗浄手段2を冷却するためのエアが注入され、冷却エア排出口14から排出することができるようになっている。
また、超音波伝搬体3の被洗浄物7に超音波振動を伝搬する側の端面Tが、その端面の逆側の圧電振動子5が配置される端面Uより先細の形状に形成されるものとなっている。
ここで、超音波伝搬体3の端面Tの表面積をS1、端面Uの表面積をS2、端面Tから照射される超音波の振幅をV1、圧電振動子5の振動の振幅をV2とした時、
V1=(S2×V2)/S1
の関係を満たし、表面積S2に対して表面積S1を小さくすれば振幅V1を大きくすることができる。すなわち、超音波伝搬体3の形状を上記したような形状とすることにより、圧電振動子5で発した振動をより大きい振幅の振動にしてより強力な圧力が発生するものとすることができる。
V1=(S2×V2)/S1
の関係を満たし、表面積S2に対して表面積S1を小さくすれば振幅V1を大きくすることができる。すなわち、超音波伝搬体3の形状を上記したような形状とすることにより、圧電振動子5で発した振動をより大きい振幅の振動にしてより強力な圧力が発生するものとすることができる。
図2(A)(B)は本発明に係る超音波洗浄装置で使用することができる超音波伝搬体3を例示する概略図である。図2(A)に示す超音波伝搬体3のように、側面をテーパ形状として、圧電振動子5が配置される側の端面(図2(A)U)より超音波振動を伝搬する側の端面(図2(A)T)が先細になるような形状とすることができる。また、図2(B)に示す超音波伝搬体3のように、端面(図2(B)T)の径が端面(図2(B)U)の径より小さいような円柱状の先端を有した形状とすることもできる。
また、超音波伝搬体3の材質は、特に限定されることはなく、例えばSUS、またはチタンとすることができる。あるいは石英としても良い。
超音波洗浄装置1はこのように構成され、圧電振動子5の振動をガス雰囲気下で洗浄手段2によって雰囲気ガスを介して被洗浄物7の表面に伝搬させて無接触でドライ洗浄するものとなっている。
ここで、被洗浄物7の洗浄面と超音波伝搬体3の超音波振動を伝搬する側の端面(図1T)との距離をλ/2の整数倍とし、定在波の腹の位置が被洗浄物7の洗浄面となるようにすれば、効果的に洗浄することができる。ここでλは超音波の波長である。
ここで、被洗浄物7の洗浄面と超音波伝搬体3の超音波振動を伝搬する側の端面(図1T)との距離をλ/2の整数倍とし、定在波の腹の位置が被洗浄物7の洗浄面となるようにすれば、効果的に洗浄することができる。ここでλは超音波の波長である。
このとき、洗浄手段2はその軸が被洗浄物7に対して垂直になるように配置すれば定在波が発生し易く好ましい。あるいは少し傾けるようにして配置しても良い。
またこのとき、被洗浄物7の洗浄面と端面Tとの距離を、特に限定されることはないが、例えば1〜90mmの範囲内で適宜設定することができる。これらは洗浄の目的に応じて適宜決定すれば良い。
またこのとき、被洗浄物7の洗浄面と端面Tとの距離を、特に限定されることはないが、例えば1〜90mmの範囲内で適宜設定することができる。これらは洗浄の目的に応じて適宜決定すれば良い。
この際、除去した異物は定在波の節の位置まで移動して浮上した状態のまま保持される。この異物を例えばパルス発振によって飛ばすことにより異物が被洗浄物に再付着するのを抑制することができる。あるいは、洗浄手段2を斜めに傾けることにより定在波を発生しにくくして音圧により異物を吹き飛ばすこともできる。
このように、本発明に係る超音波洗浄装置は、洗浄薬液を用いることなく被洗浄物7上の異物を簡便に除去することができ、図2(A)(B)に示すような形状の超音波伝搬体3を用いて液体と体積弾性率が異なるガス雰囲気下で超音波洗浄することにより、被洗浄物7への超音波によるダメージを抑制しつつ、効果的に異物を除去することができるものとなっている。また、除去された異物を浮上させ異物が再付着するのを抑制することができるものとなっている。
このとき、洗浄をクリーンルーム内で行い、超音波振動を伝搬する媒体である雰囲気ガスをクリーンエアーとすることが好ましい。または、窒素ガス、アルゴンガス等のような不活性ガスを用いることが好ましい。
このように、超音波振動を伝搬する媒体である雰囲気ガスがクリーンエアーまたは不活性ガスであれば、被洗浄物7を雰囲気ガスで汚染することなく超音波を伝搬して効果的に洗浄することができる。
このように、超音波振動を伝搬する媒体である雰囲気ガスがクリーンエアーまたは不活性ガスであれば、被洗浄物7を雰囲気ガスで汚染することなく超音波を伝搬して効果的に洗浄することができる。
また、図1に示すように、被洗浄物7にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段8を具備することもできる。
そして、このように被洗浄物7にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段8を具備し、超音波とガス噴射と併用して洗浄するようなものであれば、被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができるものとすることができる。特に、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をガスを噴射してより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができるものとすることができる。
そして、このように被洗浄物7にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段8を具備し、超音波とガス噴射と併用して洗浄するようなものであれば、被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができるものとすることができる。特に、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をガスを噴射してより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができるものとすることができる。
また、図3に示すように、超音波伝搬体3はガスを噴射するための貫通孔9を有するものであり、この超音波伝搬体3から噴射するガスと超音波を併用して洗浄するものであっても良い。
このように、超音波伝搬体3はガスを噴射するための貫通孔9を有するものであれば、ガスを噴射するための機構を別途独立して設ける必要もなく、簡単な構成で被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができ、また、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をガスを噴射してより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができるものとすることができる。
このように、超音波伝搬体3はガスを噴射するための貫通孔9を有するものであれば、ガスを噴射するための機構を別途独立して設ける必要もなく、簡単な構成で被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができ、また、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をガスを噴射してより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができるものとすることができる。
ここで、図4に本発明に係る超音波洗浄装置における洗浄位置の位置決めを行うための構成についての1例を示す。図4に示すように、テーブル6は軸周りに回転可能なものであり、洗浄手段2を少なくとも被洗浄物7の外周部から中心部まで往復移動可能なものとなっている。そして、このような構成にして、テーブル6を回転させながら、洗浄手段2を被洗浄物7の外周部と中心部の間で移動させることによって簡単な構成で被洗浄物7の全面を洗浄位置として位置決めし洗浄することができる。
また、図5に本発明に係る超音波洗浄装置における洗浄位置の位置決めを行うための構成についての別の一例を示す。図5に示すように、テーブル6は水平面内でXY方向に移動可能なXYテーブルとして構成され、被洗浄物7上の任意の座標位置が洗浄位置となるようにテーブル6の位置決めを行うことができるものとなっている。
このように、テーブル6が水平面内でXY方向に移動可能なXYテーブルであり、被洗浄物7上の任意の座標位置が洗浄位置となるようにテーブル6の位置決めを行うことができるものであれば、被洗浄物7の全面を洗浄するのではなく洗浄する位置を限定して洗浄時間を短縮したり、特定の位置での洗浄を集中して行うことにより効果的に洗浄することができるものとすることができる。
この場合、図5に示すように、洗浄手段2が水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアーム10を有し、被洗浄物7上の任意の座標位置が洗浄位置となるように洗浄手段2の位置決めを行うことができるものとすることもできる。
このように、洗浄手段2が水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアーム10を有し、被洗浄物7上の任意の座標位置が洗浄位置となるように洗浄手段2の位置決めを行うことができるものであれば、洗浄位置を予め特定して洗浄工程を自動化することができ、工程時間を削減することができる。
このように、洗浄手段2が水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアーム10を有し、被洗浄物7上の任意の座標位置が洗浄位置となるように洗浄手段2の位置決めを行うことができるものであれば、洗浄位置を予め特定して洗浄工程を自動化することができ、工程時間を削減することができる。
さらに、被洗浄物7の表面上の異物の位置を検出し、その検出した異物の位置を洗浄することができるものとすることもできる。
例えば、被洗浄物7上の異物の位置を輝点として検出するパーティクルカウンタを用いて以下のようにして洗浄するものとすることができる。すなわち、図5に示すように、超音波洗浄装置1は被洗浄物7上の輝点を検出するパーティクルカウンタ11と接続される。また、パーティクルカウンタ11で検出した被洗浄物7上の輝点の座標データを受取る受信手段15と、その受信した輝点の座標を被洗浄物7上の座標に変換する座標変換手段16とを有した制御装置12を具備するものとなっている。
例えば、被洗浄物7上の異物の位置を輝点として検出するパーティクルカウンタを用いて以下のようにして洗浄するものとすることができる。すなわち、図5に示すように、超音波洗浄装置1は被洗浄物7上の輝点を検出するパーティクルカウンタ11と接続される。また、パーティクルカウンタ11で検出した被洗浄物7上の輝点の座標データを受取る受信手段15と、その受信した輝点の座標を被洗浄物7上の座標に変換する座標変換手段16とを有した制御装置12を具備するものとなっている。
そして、座標変換手段16で変換した被洗浄物7上の座標が洗浄位置となるようにテーブル6と洗浄手段2の相対位置を位置決めし、被洗浄物7の洗浄位置を超音波洗浄するように構成することができる。
このような構成とすれば、より確実に異物の付着位置を洗浄して効率的に異物を除去することができ、より確実に基板を高精浄度に出来るとともに工程時間を削減することができる。
このような構成とすれば、より確実に異物の付着位置を洗浄して効率的に異物を除去することができ、より確実に基板を高精浄度に出来るとともに工程時間を削減することができる。
このとき、テーブル6をXYテーブルとして構成してテーブル6を移動させて位置決めしても良いし、洗浄手段2にロボットアームを設けた構成にして洗浄手段2を移動させて位置決めしても良い。もちろん、これら両方とすることもできる。
ここで、パーティクルカウンタ11で検出した輝点の座標データを、例えば被洗浄物7上のノッチ17のような基準点からの相対位置として記録しておけば、座標変換手段16で複雑な処理を行う必要もなく容易に被洗浄物7上の座標に変換することができる。
ここで、パーティクルカウンタ11で検出した輝点の座標データを、例えば被洗浄物7上のノッチ17のような基準点からの相対位置として記録しておけば、座標変換手段16で複雑な処理を行う必要もなく容易に被洗浄物7上の座標に変換することができる。
次に、本発明に係る超音波洗浄方法について説明する。
ここでは図1に示すような本発明に係る超音波洗浄装置を用いた場合の超音波洗浄方法について説明する。
まず、テーブル6に被洗浄物7を載置して保持する。そして、超音波発振器4によって圧電振動子5に高周波電圧を印加し、圧電振動子5を振動させる。さらに、その振動を超音波伝搬体3によって被洗浄物7に伝搬する。
ここでは図1に示すような本発明に係る超音波洗浄装置を用いた場合の超音波洗浄方法について説明する。
まず、テーブル6に被洗浄物7を載置して保持する。そして、超音波発振器4によって圧電振動子5に高周波電圧を印加し、圧電振動子5を振動させる。さらに、その振動を超音波伝搬体3によって被洗浄物7に伝搬する。
ここで、超音波伝搬体3として図2(A)(B)に示すような、被洗浄物7に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の圧電振動子5が配置される側の端面より先細の形状に形成されたものを用いる。このような超音波伝搬体3を用いれば、圧電振動子5で発した振動をより大きい振幅の振動にしてより強力な圧力が発生するものとすることができガス雰囲気下であっても超音波による洗浄効果を向上することができる。
このように本発明では、洗浄はガス雰囲気下で行い、超音波を超音波伝搬体3により雰囲気ガスを介して伝搬させる。このようにして伝搬された超音波によって洗浄を行うことで無接触でドライ洗浄する。ここで、被洗浄物7の表面と超音波伝搬体3の超音波振動を伝搬する側の端面(図1T)との距離をλ/2の整数倍とし、定在波の腹の位置が被洗浄物7の洗浄面となるようにすれば、効果的に洗浄することができる。
このとき、被洗浄物7に伝搬する超音波の振動周波数は、特に限定されるわけではないが例えば10〜100kHzの範囲内から適宜設定することができる。
このとき、被洗浄物7に伝搬する超音波の振動周波数は、特に限定されるわけではないが例えば10〜100kHzの範囲内から適宜設定することができる。
またこのとき、洗浄手段2をその軸が被洗浄物7に対して垂直になるように配置して洗浄することができる。あるいは少し傾けるようにして配置して洗浄しても良い。
またこのとき、被洗浄物7の表面と端面Tとの距離を、特に限定されることはないが、例えば1〜90mmの範囲内で適宜設定することができる。
またこのとき、被洗浄物7の表面と端面Tとの距離を、特に限定されることはないが、例えば1〜90mmの範囲内で適宜設定することができる。
このように、被洗浄物7をテーブル6上に載置して保持し、超音波伝搬体3として、被洗浄物7に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の圧電振動子5が配置される端面より先細の形状に形成されたものを用い、圧電振動子5の振動を被洗浄物7にガス雰囲気下で超音波伝搬体3によって雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄することによって無接触でドライ洗浄すれば、洗浄薬液を用いることなく被洗浄物上の異物を簡便かつ効果的に除去することができる。
また、除去した異物は定在波の節の位置まで移動して浮上した状態のまま保持され、この異物を例えばパルス発振によって飛ばすことにより異物が被洗浄物7に再付着するのを抑制することができる。あるいは、洗浄手段2を斜めに傾けることにより定在波を発生しにくくして音圧により異物を吹き飛ばすこともできる。
さらに、液体と体積弾性率が異なるガス雰囲気下で超音波を伝搬するので近年の高集積化された被洗浄物7への超音波によるダメージを抑制することができる。
さらに、液体と体積弾性率が異なるガス雰囲気下で超音波を伝搬するので近年の高集積化された被洗浄物7への超音波によるダメージを抑制することができる。
このとき、超音波振動を伝搬する媒体である雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは例えば窒素ガスやアルゴンガス等のような不活性ガスを用いることが好ましい。
このように、超音波振動を伝搬する媒体である雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは不活性ガスを用いることで、被洗浄物7を雰囲気ガスで汚染することなく効果的に洗浄することができる。
このように、超音波振動を伝搬する媒体である雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは不活性ガスを用いることで、被洗浄物7を雰囲気ガスで汚染することなく効果的に洗浄することができる。
またこのとき、被洗浄物7にガスを噴射して補助洗浄を行うことが好ましい。
このように、超音波による洗浄と被洗浄物7にガスを噴射することによる補助洗浄を併用して行うことで、被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができる。また、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をガスを噴射してより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができる。
このように、超音波による洗浄と被洗浄物7にガスを噴射することによる補助洗浄を併用して行うことで、被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができる。また、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をガスを噴射してより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができる。
またこのとき、超音波伝搬体3からガスを噴射するようにしても良い。
このように、超音波伝搬体3からガスを噴射することで、被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができ、また、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができる。
このように、超音波伝搬体3からガスを噴射することで、被洗浄物7の洗浄効果をより一層向上することができ、また、被洗浄物7から除去され定在波の節の位置まで移動した異物をより効果的に吹き飛ばし、被洗浄物7に再付着するのをより確実に抑制することができる。
またこのとき、テーブル6を軸周りに回転させ、洗浄手段2を被洗浄物7の外周部から中心部まで相対的に移動させて被洗浄物7の全面を超音波洗浄することが好ましい。
このように、テーブル6を軸周りに回転させ、洗浄手段2を被洗浄物7の外周部から中心部まで相対的に移動させて被洗浄物7の全面を超音波洗浄することで、簡単な構成で被洗浄物7の全面を洗浄することができる。
このように、テーブル6を軸周りに回転させ、洗浄手段2を被洗浄物7の外周部から中心部まで相対的に移動させて被洗浄物7の全面を超音波洗浄することで、簡単な構成で被洗浄物7の全面を洗浄することができる。
さらに、被洗浄物7の表面上の異物の位置を検出し、その検出した異物の位置を洗浄するようにすることもできる。
この場合、例えば、被洗浄物7上の異物の位置を輝点として検出するパーティクルカウンタを用いて以下のようにして行うことができる。まず、パーティクルカウンタ11で被洗浄物7上の輝点を検出し、該検出した被洗浄物上の輝点の座標を記録する。そして、その記録した座標データを被洗浄物7上の座標に変換する。
この場合、例えば、被洗浄物7上の異物の位置を輝点として検出するパーティクルカウンタを用いて以下のようにして行うことができる。まず、パーティクルカウンタ11で被洗浄物7上の輝点を検出し、該検出した被洗浄物上の輝点の座標を記録する。そして、その記録した座標データを被洗浄物7上の座標に変換する。
この際、パーティクルカウンタ11で検出した輝点の座標データを、例えば被洗浄物7上のノッチ17のような基準点からの相対位置として記録しておけば、複雑な処理を行う必要もなく容易に被洗浄物7上の座標に変換することができる。
次に、その変換した被洗浄物7上の座標が洗浄位置となるようにテーブル6と洗浄手段2の相対位置を位置決めした後、被洗浄物7の洗浄位置を超音波洗浄する。
このとき、テーブル6を移動させて位置決めしても良いし、洗浄手段2を移動させて位置決めしても良い。あるいはその両方とすることもできる。
次に、その変換した被洗浄物7上の座標が洗浄位置となるようにテーブル6と洗浄手段2の相対位置を位置決めした後、被洗浄物7の洗浄位置を超音波洗浄する。
このとき、テーブル6を移動させて位置決めしても良いし、洗浄手段2を移動させて位置決めしても良い。あるいはその両方とすることもできる。
そして、全ての輝点の位置を上記のようにして繰り返し洗浄していく。
このように、パーティクルカウンタ11で被洗浄物7上の輝点を検出し、該検出した被洗浄物7上の輝点の座標を被洗浄物7上の座標に変換し、該変換した被洗浄物7上の座標が洗浄位置となるようにテーブル6と洗浄手段2の相対位置を位置決めした後、被洗浄物7の洗浄位置を超音波洗浄することで、より確実に異物の付着位置を洗浄して効率的に異物を除去することができ、より確実に基板を高精浄度に出来るとともに工程時間を削減することができる。
このように、パーティクルカウンタ11で被洗浄物7上の輝点を検出し、該検出した被洗浄物7上の輝点の座標を被洗浄物7上の座標に変換し、該変換した被洗浄物7上の座標が洗浄位置となるようにテーブル6と洗浄手段2の相対位置を位置決めした後、被洗浄物7の洗浄位置を超音波洗浄することで、より確実に異物の付着位置を洗浄して効率的に異物を除去することができ、より確実に基板を高精浄度に出来るとともに工程時間を削減することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような本発明に係る超音波洗浄装置を用い、本発明に係る超音波洗浄装置を用いた超音波洗浄方法で基板の洗浄を行い、洗浄後の基板の洗浄不良及びパターンダメージ(パターン倒壊等)について評価した。
この際、基板と超音波伝搬体の端面(図1T)までの距離を6mmとし、超音波の発振振動数を28kHzとした。また、テーブルと洗浄手段は図4に示すようなものを用い、被洗浄物の全面の洗浄を行った。
図1に示すような本発明に係る超音波洗浄装置を用い、本発明に係る超音波洗浄装置を用いた超音波洗浄方法で基板の洗浄を行い、洗浄後の基板の洗浄不良及びパターンダメージ(パターン倒壊等)について評価した。
この際、基板と超音波伝搬体の端面(図1T)までの距離を6mmとし、超音波の発振振動数を28kHzとした。また、テーブルと洗浄手段は図4に示すようなものを用い、被洗浄物の全面の洗浄を行った。
そして、パターンダメージの評価には、PoSi(ポリシリコン)のパターンが形成された評価用基板を用いた。そのパターン幅は65nmとした。また、洗浄性能評価には、約100nmのSiO2(二酸化ケイ素)粒子にて強制汚染を行った評価用基板を用いた。
その結果、洗浄後の基板の表面に洗浄不良は発生せず、またパターンの倒壊等は観察されなかった。
その結果、洗浄後の基板の表面に洗浄不良は発生せず、またパターンの倒壊等は観察されなかった。
(比較例)
図6に示すような、従来の洗浄液に超音波を印加させて洗浄する超音波洗浄装置を用いた以外、実施例と同様な条件で基板を洗浄し、実施例と同様な評価を行った。
その結果、洗浄不良は発生していなかったが、パターンの倒壊が確認された。
図6に示すような、従来の洗浄液に超音波を印加させて洗浄する超音波洗浄装置を用いた以外、実施例と同様な条件で基板を洗浄し、実施例と同様な評価を行った。
その結果、洗浄不良は発生していなかったが、パターンの倒壊が確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、パーティクルカウンタで被洗浄物上の輝点を検出してその位置を洗浄する例を示したが、パーティクルカウンタを用いるのではなく、他の方法を用いて被洗浄物上の異物の位置を検出するようにすることもできる。
例えば、パーティクルカウンタで被洗浄物上の輝点を検出してその位置を洗浄する例を示したが、パーティクルカウンタを用いるのではなく、他の方法を用いて被洗浄物上の異物の位置を検出するようにすることもできる。
1…超音波洗浄装置、2…洗浄手段、3…超音波伝搬体、
4…超音波発振器、5…圧電振動子、6…テーブル、
7…被洗浄物、8…補助洗浄手段、9…貫通孔、10…アーム、
11…パーティクルカウンタ、12…制御装置、13…冷却エア注入口、
14…冷却エア排出口、15…受信手段、16…座標変換手段、
17…ノッチ、18…ピン。
4…超音波発振器、5…圧電振動子、6…テーブル、
7…被洗浄物、8…補助洗浄手段、9…貫通孔、10…アーム、
11…パーティクルカウンタ、12…制御装置、13…冷却エア注入口、
14…冷却エア排出口、15…受信手段、16…座標変換手段、
17…ノッチ、18…ピン。
Claims (14)
- 超音波洗浄装置であって、少なくとも、被洗浄物を載置して保持するテーブルと、該テーブルによって保持された前記被洗浄物にガス雰囲気下で圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段の圧電振動子に高周波電圧を印加する超音波発振器とを具備し、前記超音波伝搬体の前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成され、前記洗浄手段で前記被洗浄物の表面に超音波振動を伝搬させて無接触でドライ洗浄するものであることを特徴とする超音波洗浄装置。
- 前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスはクリーンエアーまたは不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
- 前記被洗浄物にガスを噴射して洗浄する補助洗浄手段を具備するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波洗浄装置。
- 前記超音波伝搬体はガスを噴射するための貫通孔を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
- 前記テーブルは軸周りに回転可能であり、前記洗浄手段は、少なくとも前記被洗浄物の外周部から中心部まで往復移動可能なものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
- 前記テーブルは水平面内でXY方向に移動可能なXYテーブルであり、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記テーブルの位置決めを行うことができるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
- 前記洗浄手段は水平面内で任意の方向に移動可能なロボットアームを有し、前記被洗浄物上の任意の座標位置が洗浄位置となるように前記洗浄手段の位置決めを行うことができるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の超音波洗浄装置。
- 前記被洗浄物の表面上の輝点を検出するパーティクルカウンタと接続され、前記パーティクルカウンタで検出した前記被洗浄物上の輝点の座標データを受取る受信手段と、該受信した輝点の座標を前記被洗浄物上の座標に変換する座標変換手段とを具備し、該変換した前記被洗浄物上の座標が洗浄位置となるように前記テーブルと前記洗浄手段の相対位置を位置決めし、前記被洗浄物の前記洗浄位置を超音波洗浄するものであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の超音波洗浄装置。
- 被洗浄物の表面を圧電振動子の振動を超音波伝搬体によって伝搬させて超音波洗浄する超音波洗浄方法であって、前記被洗浄物をテーブル上に載置して保持し、前記超音波伝搬体として、前記被洗浄物に超音波振動を伝搬する側の端面が、該端面の逆側の前記圧電振動子が配置される端面より先細の形状に形成されたものを用い、前記圧電振動子の振動を前記被洗浄物にガス雰囲気下で前記超音波伝搬体によって前記雰囲気ガスを介して伝搬させて超音波洗浄することによって無接触でドライ洗浄することを特徴とする超音波洗浄方法。
- 前記超音波振動を伝搬する媒体である前記雰囲気ガスとしてクリーンエアーまたは不活性ガスを用いることを特徴とする請求項9に記載の超音波洗浄方法。
- 前記被洗浄物にガスを噴射して補助洗浄を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の超音波洗浄装方法。
- 前記超音波伝搬体からガスを噴射することを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 前記テーブルを軸周りに回転させ、前記洗浄手段を前記被洗浄物の外周部から中心部まで相対的に移動させて前記被洗浄物の全面を超音波洗浄することを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
- パーティクルカウンタで前記被洗浄物上の輝点を検出し、該検出した前記被洗浄物上の輝点の座標を前記被洗浄物上の座標に変換し、該変換した前記被洗浄物上の座標が洗浄位置となるように前記テーブルと前記洗浄手段の相対位置を位置決めした後、前記被洗浄物の前記洗浄位置を超音波洗浄することを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008244693A JP2010080531A (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2008244693A Pending JP2010080531A (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 |
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2008
- 2008-09-24 JP JP2008244693A patent/JP2010080531A/ja active Pending
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