JP2010078545A - パッケージ上の糸条幅測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージ上の糸条幅を、パッケージ上にて、自動かつ高精度に検出することができ、また糸条幅測定作業の時間短縮ならびに作業工数の削減を図ることができる糸条幅測定方法を提供する。
【解決手段】無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージ3を照明し、最外層の糸条5と最外層の糸条5の下に巻回されかつ表面に露出している糸条6から反射光を受光してパッケージ3の画像を撮像するとともに、得られた画像において高光量部を特定し、該高光量部の幅を測定することで前記糸条と糸条の少なくとも一方の糸条幅を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワインダ等で無撚りの繊維糸条を巻き取ることにより形成された糸条パッケージの外層に位置する糸条の幅を、パッケージ上において測定する、糸条幅測定方法に関する。本発明の糸条幅測定方法は、無撚りの糸条の製造工程において、その品質の検査に好ましく用いられる。
繊維糸条を織物などの製品に加工する場合、その糸条幅のバラツキが製品の品質に大きな影響を与えることがあり、よって糸条幅を測定し製品の品質管理指標として管理する場合がある。
このような品質管理を実施する場合、糸条幅を物差し等を用いることにより目視で測定することはできるが、測定対象の糸条数あるいは製品数が多い場合は全ての測定に多大な労力が必要となる他、目視検査では測定の個人差によるバラツキが生じ糸条幅のバラツキを正確に測定できないことがあるため、自動で糸条幅を測定する技術が求められている。
一方、糸条幅のバラツキは糸条の製造工程における、凝固・延伸・乾燥・巻取りなどさまざまな工程で発生する可能性があるが、中でも糸条の製造工程における最終部である巻き取り工程において、糸条を巻き取るワインダおよびトラバースガイド等の装置の異常などにより発生した糸条幅のバラツキについては、糸条が即座にパッケージに巻き取られるために、糸条の走行中に糸条幅を計測し、検知することが困難である。すなわち、一般的な糸条あるいはテープ状物の幅を測定する技術であり、走行するテープや糸条に所定の張力をかけて広げたうえで、レーザー測長器やカメラなどによりその幅を測定する技術(特許文献1、2参照)は、適用することができず、パッケージに巻き取られた後での、糸条幅を測定する技術が求められている。
糸条がパッケージに巻き取られた後での糸条幅測定方法としては、パッケージに巻かれた糸条の一部をパッケージから引き出した後に糸幅を測定する方法が一般的であるが、パッケージから糸条を引き出す際に糸条が捩れるなどして糸条幅が変化したり、また測定すべきパッケージが多数ある場合などは糸条を引き出す作業に多大な労力を費やすなどの問題があるため、パッケージに巻き取られた状態で糸条幅を簡易に測定する技術が求められている。
パッケージに巻き取られた状態での糸条幅の測定技術としては、幅を測定しようとする糸条に向かって、その長手方向に沿って光を照射し、その反射光をカメラなどで受光し、得られた画像に対して2値化処理をすることにより糸条の幅を測定する技術が知られている(特許文献3参照)。しかしながら、撮像して得られる画像中には測定対象である糸条以外のパッケージ上の糸条も存在するため、測定対象の糸条のみを自動で選択して、かつ測定対象の糸条のみの糸条幅を測定することが困難であり、またパッケージ上の糸条は常に同じ角度に巻かれているわけではなく、生産品種によっては綾角が変わるため、品種度に糸条の長手方向に沿うように照明の位置調整を実施しなければならず、手間がかかるという問題がある。
特開平8−327330号公報 特開2005−264405号公報 特開2008−2052公報
本発明の目的は、無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージの糸条幅を、パッケージ上にて、自動かつ高精度に検出することができ、また糸条幅測定作業の時間短縮ならびに作業工数の削減を図ることができる、パッケージ上での糸条幅測定方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(9)のいずれかに記載の構成を特徴とするものである。
(1)無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージにて糸条の幅を測定する糸条幅測定方法であって、パッケージを照明し、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光してパッケージの画像を撮像するとともに、得られた画像において高光量部(C)を特定し、該高光量部(C)の幅を測定することで前記糸条(A)と糸条(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出することを特徴とするパッケージ上の糸条幅測定方法。
(2)パッケージを面状に照明して、前記糸条(A)と前記糸条(B)とから正反射光を受光してパッケージの画像を撮像するとともに、得られた画像において、あらかじめ登録された高光量部の形状とのパターンマッチングを行うことにより、前記糸条(A)もしくは前記糸条(B)上の高光量部(C)を特定し、前記糸条(A)と特定された高光量部(C)もしくは前記糸条(B)と特定された高光量部(C)の幅を測定する、前記(1)に記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
(3)パターンマッチングを行った後、マッチングの相関度が所定値より高い高光量部(C)のみを前記糸条(A)もしくは糸条(B)として特定し、糸条幅の測定を行う、前記(2)に記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
(4)パターンマッチングにより特定された、前記糸条(A)もしくは前記糸条(B)上の高光量部(C)に関し、パッケージの軸方向において、反射光の光量が所定値より高い高光量部(C)と所定値以下である低光量部(D)との境界線を少なくとも一対検出し、該少なくとも一対の境界線から糸条幅を算出する、前記(2)または(3)に記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
(5)前記無撚りの糸条が炭素繊維糸条である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
(6)無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージを照明する照明手段と、前記パッケージの画像を撮像する撮像手段と、前記画像の画像処理手段とを備え、前記撮像手段は、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光する位置に配置されてなり、前記画像処理手段は、前記画像において高光量部(C)を特定し、該光量部(C)の幅を測定することで前記糸条(A)と糸条(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出するものであることを特徴とするパッケージ上の糸条幅測定装置。
(7)前記照明手段が、パッケージを面状に照明するものであり、前記撮像手段が、前記糸条(A)と前記糸条(B)とから正反射光を受光する位置に配置されてなり、前記画像処理手段が、得られた画像において、あらかじめ登録された高光量部の形状とのパターンマッチングを行うことにより、前記糸条(A)もしくは前記糸条(B)上の高光量部(C)を特定し、前記糸条(A)と認定された高光量部(C)もしくは前記糸条(B)と特定された高光量部(C)の幅を測定するものである、前記(6)に記載のパッケージ上の糸条幅測定装置。
(8)さらに、前記パッケージの位置決め手段と、パッケージ毎に算出した糸条幅データの記録手段とを備え、あらかじめ定めた基準値と前記糸条幅データとを比較することにより、基準値を満足する優良パッケージと基準値を満足しない欠陥パッケージとに分離する分離手段とを備えている、前記(6)または(7)に記載のパッケージ上の糸条幅測定装置。
(9)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法または前記(6)〜(8)のいずれかに記載の装置よりパッケージ上の糸条幅を算出し、該糸条幅をあらかじめ定めた基準値と比較することにより、基準値を満足する優良パッケージと基準値を満足しない欠陥パッケージとに分離することを特徴とする優良パッケージの製造方法。
本発明のパッケージ上の糸条幅測定方法によれば、無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージの糸条の幅を、パッケージ上にて、自動かつ高精度に検出することができ、また糸条幅測定作業の時間短縮ならびに作業工数の削減を図ることができる。また、本発明のパッケージ上の糸条幅測定方法を用いることにより、多数のパッケージが製造される工程においても、その品質管理を簡易かつ迅速に行うことができるようになる。
本発明の糸条幅測定方法(以下、単に、本発明の方法と云う場合がある)は、パッケージ上で糸条の幅を測定する方法であるが、適用されるパッケージを形成する糸条としては、例えば、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の合成繊維糸条、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維糸条がある。該糸条は、多数の連続した単繊維の束からなり、通常、10乃至1,000,000程度の本数の単繊維からなる。
本発明は、パッケージ表面に露出した糸条の表面における反射光および該反射光の光量、さらには形状の違いを利用するものである。したがって、パッケージを形成する糸条は無撚りであることが必要である。また素材自体および染色等の加工が施されていることにより明度が低い糸条であることが好ましい。中でも糸条が黒色でありかつ無撚りである炭素繊維糸条が特に好ましい。
上記糸条は無撚りの状態で綾角をなしてパッケージに巻回されてなるが、「綾角をなして巻回」とは、糸条をパッケージに巻き取る工程において、ワインダのトラバース等の装置により糸条が綾振りしてパッケージに巻き回されていることを言う。
本発明は、かかるパッケージにて糸条幅を測定するに際し、まず、パッケージを照明し、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光してパッケージの画像を撮像する。そして、得られた画像において高光量部(C)を特定し、該高光量部(C)の幅を測定することで前記糸条(A)と糸条(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出する。
ここで、「最外層の糸条(A)」とは、パッケージに対して最終の行路で綾振りされ巻回された糸条をいい、「最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)」とは、最外層のすぐ下の層の、パッケージに対して最終直前の行路かつ最終行路とは逆方向の行路で綾振り巻回された糸条を言う。また、本発明の方法の「糸条幅」とは、糸条の長手方向に直行する向きにおける両端間の距離のことを言う。
本発明の糸条幅測定方法は、パッケージの品質、すなわちパッケージに巻かれた糸条の幅異常の有無および糸条幅のバラツキの把握を必要とする種々の糸条の製造工程および検査工程において、使用することができる。そのような製造工程として、例えば、ワインダでの巻き取り工程、糸条・パッケージの検査工程、パッケージの梱包工程がある。
そして、このような糸条幅測定は、例えば、パッケージを照明する照明手段と、パッケージの画像を撮像する撮像手段と、得られた画像の画像処理手段などからなる。撮像手段は、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光する位置に配置されてなる。また、画像処理手段は、撮像手段により得られた画像において、高光量部(C)を特定し、該高光量部(C)の幅を測定する機能を備えている。
照明手段としては、パッケージの軸方向に糸条幅測定を実施する測定範囲を照明できるものであれば特に限定されないが、パッケージの軸方向と並行な方向に少なくとも100 mm以上の長さを照明できるものである場合、測定範囲を広く取ることができるため、パッケージの最外層に位置する糸条の幅を一度に複数の測定地点で測定することができ、好ましい。またその場合、各測定地点における糸条幅測定精度を一定とするため、パッケージの軸方向と並行な方向に20 %以内の光量差で測定範囲を均一に照明できるものが好ましい。
具体的に照明手段としては、発光部分がライン上である蛍光灯等が使用できるほか、ライン上に複数のLEDを並べた照明手段やハロゲンやメタルハラロイドランプなどの光源からからの光を複数の光ファイバを線状に配置したライトガイドで導く照明手段、あるいは前面にシリンドリカルレンズを設けた照明手段などを用いることができる。そして、コストや保守性の観点からは、前面に拡散板を有したLEDや蛍光灯を用いることが好ましい。
なお、照明手段は、パッケージ表面に露出した糸条の表面から十分な反射光量が得られるのであれば、照明光の強度、波長ともに限定されない。
撮像手段は、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光してパッケージの画像を撮像できればよく、光を受光するCCD等の受光素子(画素)が直線的に、あるいは2次元的に配置され、明るさ(濃淡値)に関するデータを得るセンサを言う。撮像手段の画素数は、必要な糸条幅測定分解能によるが、高精度に測定するために、CCDが直線的に配置されたラインセンサの場合は1,000画素以上、2次元的に配置されたエリアセンサの場合は、100 万画素以上であることが好ましい。また、撮像手段の受光感度としては、測定に必要な糸条表面からの反射光を受光可能とするため、10〜1,000 V/lx・s程度のものが好ましい。具体的には(株)キーエンス製のCCDエリアセンサカメラであるCV-200C等のメーカー製品が使用できる。
画像処理手段においては、得られた画像において高光量部(C)を特定し、該高光量部(C)の幅を測定することで、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出する。
ここで、得られた画像において高光量部(C)を特定し、糸条(A)、(B)の糸条幅を算出するということは次のような原理に基づくものである。すなわち、それぞれの糸条の反射光の撮像手段に入射する光量を利用する手法である。以下、図面を用いて説明する。なお、以下の説明においては、最外層の糸条(A)の層を「最外層」といい、最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)の層を「第2層」という。
図1は照明手段1、撮像手段2、およびパッケージ3のそれぞれの位置関係を示した模式図である。照明手段1より照射された光はパッケージ3の表面で反射するが、その際に
パッケージの軸方向に関して、最外層の糸条表面5と第2層の糸条表面6とでは、パッケージが円形であること、また最外層と第2層との照明からの距離に差があることから、光の正反射角度が異なり、撮像手段2に入射する光量が異なる。そのため、撮像手段によって得られる画像においては、パッケージの軸方向に関して最外層と第2層とで濃淡差が表れる。そこで、撮像手段で得られた画像において、他の部分より相対的に明るい高光量部(C)を特定し、該高光量部(C)の幅を測定すれば、糸条(A)、(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出することができる。
より詳細に説明するために、撮像手段により得られた画像の模式図を図3に示す。(a)は、パッケージにおける糸条の形態を模式的に示したものであるが、かかるパッケージをライン状の照明手段1で照明し、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光するとともに、最外層の糸条表面5からの正反射光を受光するように撮像手段2を配置し、画像を得ると、パッケージのパッケージ軸と垂直な方向における切断面が円形であることや、最外層と第2層とで照明光の正反射角度が異なることから、パッケージの軸方向に関して最外層の糸条表面5から受光する光の光量が他の部分に比べて相対的に大きくなり、最外層の糸条表面5は画像においては例えば(b)のように明部8となって表れる。したがって、かかる明部8(高光量部(C))の幅を測定すれば、糸条(A)の糸条幅を算出することができる。
また、例えば照明手段がパッケージ軸と垂直な方向の照明の幅も大きい面状の照明手段の場合などは、第2層の糸条表面からの正反射光も撮像手段に入光するため、結果図3(c)に示すような最外層の糸条表面5と第2層の糸条表面6の両者が明部8として表れることもある。しかしながら、この場合でも、最外層と第2層とでパッケージ表面上で照明光が正反射する位置が異なるために、図3(c)に示すように、最外層と第2層とで明部8はパッケージ軸に垂直な方向において異なる位置に出現する。その結果、後述するような方法で最外層と第2層との明部8を区別し、糸条(A)と特定された高光量部(C)もしくは糸条(B)と特定された高光量部(C)の幅を測定すれば、糸条幅を算出することができる。
ここで、パッケージに対する照明手段の位置およびパッケージに対する撮像手段の位置については、糸条幅の測定に十分な反射光量が得られる位置であれば特に限定されないが、パッケージ表面からの距離が近すぎると、測定の際のパッケージの位置決め作業等が行い難くなり、また距離が遠すぎると全体的に得られる反射光量が少なくなるため、パッケージ表面からの距離が50〜500 mm程度であることが望ましい。
また、パッケージ、照明手段および撮像手段の3者の位置関係については、図2に示すようにパッケージの軸と垂直な方向における切断面が円形であることから、照明光のパッケージ上の糸条表面における入射角度7が小さいほど、撮像手段に入射する最外層の糸条表面5での反射光と第2層の糸条表面6での反射光とに差が生じる。しかし、入射角度が小さすぎると照明手段、照明光および撮像手段が直線に近い構成となるため、照明光がパッケージを介さずに直接撮像手段に入光し、パッケージ表面の撮像に支障をきたす可能性がある。したがって、照明光のパッケージ上の糸条表面における入射角度7は10〜60°の範囲であることが好ましい。
パッケージを面状に照明して糸条(A)と糸条(B)とから正反射光を受光してパッケージの画像を撮像し、得られた画像中で最外層と第2層との明部8(高光量部(C))を区別する、すなわち糸条(A)と糸条(B)とを区別して特定するにあたっては、あらかじめ記録しておいた明部(高光量部)の形状に関する画像データと撮像手段により得られた画像とにおいて、濃淡の形状を比較するパターンマッチング処理を行い、得られた画像中で、登録された明部の形状に近い明部8(高光量部(C))を探索すれば、糸条(A)と糸条(B)の一方から他方を区別して特定することができる。すなわち、糸条(A)と糸条(B)とでは綾角が異なり、明部の形状も異なることになる(例えば互いに線対称の形状になる)ので、何れか一方の形状を登録し、かかる登録形状とのパターンマッチングを行うことで、糸条(A)と糸条(B)とを区別することができる。
具体的には、図3(b)に示すような、平行四辺形に近い形状である明部8(高光量部(C))のうち、いずれか、あるいは複数の明部8の形状をあらかじめ記録しておいた後、撮像手段により得られた画像中において、あらかじめ記録しておいた平行四辺形状の明部と同様の明部8の探索を行う。この方法を用いた場合、照明の光量や撮像手段の感度、またパッケージに巻きまわされる糸条の太さ等の一部の条件に変更があったとしても、あらかじめ登録される明部の形状を、新しい条件で再登録することにより、すぐに条件の変更に対応することができるため好ましい。
また、複数の明部(高光量部(C))を検出した場合、あらかじめ記録しておいた明部の形状に関する画像データと撮像手段により得られた画像とのパターンマッチングを行った後、パターンマッチングの相関度、すなわちあらかじめ記録しておいた明部(高光量部(C))の形状と撮像手段により得られた画像中の明部8(高光量部(C))との形状の相関度を算出し、相関度の高い明部のみを抽出しても良い。
相関度は、例えば、次のような式で求められる。
あらかじめ記録しておいた明部の形状に関する画像データの画素サイズをM×N、該画像データ中の画素位置(i,j)における濃淡値をT(i,j)、撮像手段により得られた画像の濃淡値を(i,j)としたとき、相関係数Rは、
Figure 2010078545
と表される。撮像手段により得られた画像中の明部8とあらかじめ記録しておいた明部との形状が完全に一致する場合、相関係数は最大値であるR=1となり、逆にまったく相関性がない場合はR=0となる。
この方法を用いた場合、画像上に複数の明部8が存在する場合はその明部8の形状によりそれぞれ大小さまざまの相関値が得られるが、相関係数が高い明部8のみを抽出することにより、あらかじめ登録された明部に近い形状の明部8のみが抽出される。そのため、例えばあらかじめ登録する明部を最外層の糸条と背景部分がはっきりと区別可能で高精度に糸条幅を測定可能な糸条のものとすることにより、より高精度な糸条幅の測定が行えるようになるため好ましい。
また、糸条幅の測定の際は、任意の値以上の相関値をもつ複数の明部の糸条についてそれぞれ行い、得られた複数の結果の平均値を糸条幅の測定値としても良い。この方法により、測定結果のバラツキを低減することができるのでより好ましい。
次に、上記のように特定された明部(高光量部(C))の幅を測定する方法を例示する。
上記のようにして特定されたパッケージ表面に露出した糸条表面における明部8について、図4に示すような、糸条長手方向に沿う、明部と背景部分である暗部との境界線9を検出する。このとき、各糸条に対して境界線9は対になっており、該対の境界線9間の最短距離から糸条幅を算出する。
対の境界線9を算出する手段としては、例えば明部と背景部分とを含んだ光量のデータを取得し、パッケージの軸方向において、反射光の光量値が急激に変化する部分を境界点とする。すなわち光量値が所定値より高い部分(高光量部(C))と所定値以下である部分(低光量部(D))との境界点を検出する。その後、上記の操作をパッケージ軸方向に交差する方向に場所をかえて複数回行い、それぞれで得られた境界点を繋ぎ合わせることで直線状の境界線9を求める。上記の方法によれば、あらかじめ最外層の糸条の綾振りの方向から、最外層の糸条の傾きをもとめ、その傾きに近い直線状の境界のみを抽出することにより、簡易に糸条長手方向に沿う境界線9が検出できるためより好ましい。
糸条長手方向に沿う対の境界線9が検出された後は、該対の境界線9の間の最短距離が糸条幅に相当するため、容易に糸条幅を算出することができる。
本発明の方法においては、さらに、パッケージを、パッケージ軸を軸として回転させることで、パッケージの外層全周に渡って表面に露出した外層の糸条幅を測定することができるため好ましい。パッケージ軸とは、円筒形状パッケージにおいて外形が回転対象となる軸を意味する。その回転速度は特に限定されるものではないが、回転速度が速すぎるとカメラのシャッター速度の限界から鮮明な画像を得難くなり、また許容される画像処理時間の制約もあるので、30 rpm以下、好ましくは10rpm以下とすることが好ましい。
また、本発明の方法においては、固定された照明と撮像手段に対して、無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージの位置決めを行う位置決め手段を設け、パッケージの位置決めを行った上で、パッケージ上の糸条幅測定を行うことも良い。パッケージの位置決め手段としては、固定された照明手段と撮像手段に対するパッケージの位置関係が適正となる位置に設けられた、台座やベルトコンベアなどの搬送手段を例示することができる。これらの手段を用いることにより、自動で簡易かつ高速にパッケージの糸条幅測定が行えるため、特に大量のパッケージの糸条幅を測定する必要がある場合などは好ましい。
また、上記のような方法や装置により得られたパッケージの糸条幅に関するデータと、あらかじめ定めた基準値とを比較することにより、パッケージの品質管理を行うことも良い。品質管理としては、具体的には、基準値を満足する優良パッケージと基準値を満足しない欠陥パッケージとに分離し、優良パッケージのみを取得、製造して顧客へ提供したり、糸条の製造工程の条件制御にフィードバックしたりすればよい。この手法により、糸条幅異常が発生したパッケージの顧客および後処理工程への流出を防ぐことができる他、自動で簡易かつ高速にパッケージの糸条幅測定が可能となるため、大量のパッケージの糸条幅を少ない労力で測定することが可能になるため、より確実なパッケージの品質管理を行うことができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
実施例では、照明手段、撮像手段、無撚りの炭素繊維糸条のパッケージを図1に示すように配置し、糸条をパッケージから巻き出さずパッケージ上で糸条幅を測定した。なお、本実施例において用いたパッケージの糸条幅測定装置の詳細構成は次の通りである。
照明手段: 面光源(40Wの蛍光灯、前面に拡散板を使用)
照明手段とパッケージ表面の糸条との距離: 500mm
撮像手段: CV-200C(200万画素エリアセンサ)
撮像手段とパッケージ表面の糸条との距離: 500mm
照明光のパッケージ上の糸条表面の接線に対する入射角度: 45°
上記構成にて、無撚りで黒色の炭素繊維糸条が巻き回されて形成されたパッケージを撮像したところ、図3(c)と同様の画像が得られた。よって、得られた画像中において、最外層の糸条表面における明部の中から一つの明部を選択し、その形状を記録した。
次に、同じ繊度・品種の炭素繊維糸条が巻き回されて形成された別のパッケージを同じ装置にて撮像したところ、前記同様の画像が得られたため、あらかじめ記録した明部の形状と得られた画像とのパターンマッチングを行ったところ、複数の類似した形状の明部を検出することができた。また、パターンマッチングの相関度が最も高かった明部について、パッケージの軸方向において、明部と暗部との境界線を一対検出し、該一対の境界線間の最短距離を測定した。その結果、パッケージ上の糸条幅を、ノギスを用いた人手による測定結果との誤差が5%以内である精度で、自動計測できることを確認した。
本発明によれば、無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージの糸条幅を、パッケージ上にて、自動かつ高精度に検出することができ、また糸条幅測定作業の時間短縮ならびに作業工数の削減を図ることができるほか、パッケージの品質管理を行うことができるため、糸条の製造工程および検査工程に好適に用いられるが、その応用範囲がこれに限られるものではない。
本発明の概略を示す構成模式図である。 本発明の概略を示す構成模式図である。 本発明において撮像手段により得られた画像の模式図である。 本発明において撮像手段により得られた画像の模式図である。
符号の説明
1:照明手段
2:撮像手段
3:パッケージ
4:パッケージ軸
5:最外層の糸条表面
6:第2層の糸条表面
7:照明光のパッケージ表面への入射角度
8:明部
9:明部と背景部分である暗部との境界線

Claims (9)

  1. 無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージにて糸条の幅を測定する糸条幅測定方法であって、パッケージを照明し、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光してパッケージの画像を撮像するとともに、得られた画像において高光量部(C)を特定し、該高光量部(C)の幅を測定することで前記糸条(A)と糸条(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出することを特徴とするパッケージ上の糸条幅測定方法。
  2. パッケージを面状に照明して、前記糸条(A)と前記糸条(B)とから正反射光を受光してパッケージの画像を撮像するとともに、得られた画像において、あらかじめ登録された高光量部の形状とのパターンマッチングを行うことにより、前記糸条(A)もしくは前記糸条(B)上の高光量部(C)を特定し、前記糸条(A)と特定された高光量部(C)もしくは前記糸条(B)と特定された高光量部(C)の幅を測定する、請求項1に記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
  3. パターンマッチングを行った後、マッチングの相関度が所定値より高い高光量部(C)のみを前記糸条(A)もしくは糸条(B)として特定し、糸条幅の測定を行う、請求項2に記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
  4. パターンマッチングにより特定された、前記糸条(A)もしくは前記糸条(B)上の高光量部(C)に関し、パッケージの軸方向において、反射光の光量が所定値より高い高光量部(C)と所定値以下である低光量部(D)との境界線を少なくとも一対検出し、該少なくとも一対の境界線から糸条幅を算出する、請求項2または3に記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
  5. 前記無撚りの糸条が炭素繊維糸条である、請求項1〜4のいずれかに記載のパッケージ上の糸条幅測定方法。
  6. 無撚りの糸条が綾角をなして巻回されたパッケージを照明する照明手段と、前記パッケージの画像を撮像する撮像手段と、前記画像の画像処理手段とを備え、前記撮像手段は、最外層の糸条(A)と最外層の糸条の下に巻回されかつ表面に露出している糸条(B)から反射光を受光する位置に配置されてなり、前記画像処理手段は、前記画像において高光量部(C)を特定し、該光量部(C)の幅を測定することで前記糸条(A)と糸条(B)の少なくとも一方の糸条幅を算出するものであることを特徴とするパッケージ上の糸条幅測定装置。
  7. 前記照明手段が、パッケージを面状に照明するものであり、前記撮像手段が、前記糸条(A)と前記糸条(B)とから正反射光を受光する位置に配置されてなり、前記画像処理手段が、得られた画像において、あらかじめ登録された高光量部の形状とのパターンマッチングを行うことにより、前記糸条(A)もしくは前記糸条(B)上の高光量部(C)を特定し、前記糸条(A)と認定された高光量部(C)もしくは前記糸条(B)と特定された高光量部(C)の幅を測定するものである、請求項6に記載のパッケージ上の糸条幅測定装置。
  8. さらに、前記パッケージの位置決め手段と、パッケージ毎に算出した糸条幅データの記録手段とを備え、あらかじめ定めた基準値と前記糸条幅データとを比較することにより、基準値を満足する優良パッケージと基準値を満足しない欠陥パッケージとに分離する分離手段とを備えている、請求項6または7に記載のパッケージ上の糸条幅測定装置。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法または請求項6〜8のいずれかに記載の装置よりパッケージ上の糸条幅を算出し、該糸条幅をあらかじめ定めた基準値と比較することにより、基準値を満足する優良パッケージと基準値を満足しない欠陥パッケージとに分離することを特徴とする優良パッケージの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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