JP2003138468A - 織物検査装置 - Google Patents

織物検査装置

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JP2003138468A
JP2003138468A JP2001331538A JP2001331538A JP2003138468A JP 2003138468 A JP2003138468 A JP 2003138468A JP 2001331538 A JP2001331538 A JP 2001331538A JP 2001331538 A JP2001331538 A JP 2001331538A JP 2003138468 A JP2003138468 A JP 2003138468A
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Koji Kitayama
綱次 北山
Hiroyuki Yoshida
浩之 吉田
Masahiko Yamashita
真彦 山下
Kanshin Kashiwabara
寛親 柏原
Masuji Oshima
満寿治 大嶋
Masahiro Fukamoto
昌宏 深本
Takatoshi Sekihara
孝俊 関原
Takahiro Kimura
栄宏 木村
Kazuhiko Yoshida
和彦 吉田
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Toyota Boshoku Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Boshoku Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検査織物の特徴が異なる複数種類の不具合を
単一の検査装置で簡易かつ確実に検出する。 【解決手段】青色波長光(B光)で織物を照明するB光
照明装置28、緑色波長光(G光)で織物を照明するG
光照明装置30、及び赤色波長光(R光)で織物を照明
するR光照明装置32を設け、各照明装置から異なる波
長域の光を同時に照射して織物10を照明する。B,
G,R光で同時に照明された織物は、カラーカメラ34
で撮影され、織物の表面画像が得られる。得られた画像
から、青色成分画像、緑色成分画像、赤色成分画像が分
離され、各画像を解析して目飛び、糸抜け、糸吊り等を
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織物検査装置に関
し、特に、組織柄を有する織物の外観検査(検反)を光
学的手法で行なう織物検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、織物の製造工程で繰り返し行なわ
れる検反作業は、作業者が走行中の織物について目視で
不具合を検出するものであり、作業者の負担が重い、不
慣れな作業者では製品の品質がばらつく、という問題が
あった。このため、近年のファクトリ・オートメーショ
ンの時流に従い、検反作業の自動化が推進されている。
しかしながら、糸の配列等により組織された組織柄を有
する織物の検反作業では、織り柄と不具合部とを機械的
に区別するのが難しく、組織柄を有する織物の自動化さ
れた検反作業は以下の例を除いて殆ど報告されていな
い。
【0003】愛知県尾張繊維技術センターから発表され
た論文「検反作業の自動化技術に関する研究―先染織物
組織柄画像処理検査技術―」には、組織柄を有する織物
の検反作業において画像処理を利用して織り柄と不具合
部とを区別する自動認識技術が開示されている。この技
術は、織物表面の正常な画像と検査時における実画像と
をテンプレートマッチング法や各種相関法、周波数解析
法等により比較して不具合を抽出することを主たる特徴
としている。この正規の柄(正常な柄)とは異なる画像
情報を抽出して織物表面における不具合を検出する技術
を利用すれば、正規の織りの状態とは異なる異常な織
り、即ち、不具合を検出することができる。
【0004】上記の技術では、基準となる正常な織物の
表面画像と検査時の画像とをテンプレートマッチング
法、各種の相関法、周波数解析法等により比較して不具
合を抽出しているので、織物の織り柄について明確な画
像情報が不可欠となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、起伏に富んだ織物や不具合により起伏を生じた
織物に対しては、特徴が明確でない画像情報を処理する
ことになるので、光の照射条件または観察する方向の相
違によって織り柄を明確に認識できない場合がある。こ
の結果、不具合の種類、程度等によって抽出結果が大き
く左右されることになる。
【0006】また、テンプレートマッチング法はノイズ
に弱く処理に時間を要する、画像相関法は検査対象の傾
きや大きさ等による補正が不可欠となる、周波数解析法
は画像全体の周期性を解析するために処理に時間を要す
る等、画像の比較・解析方法の各々についても固有の課
題を有している。
【0007】このため、本発明者らは先に、検出する不
具合、特に織り状態の異常の種類に応じてその特徴を抽
出し易い画像情報が得られるようにした専用の織物検査
装置を提案している。例えば、特願2000−2348
74号には織物の側端部から突出して発生する耳毛羽の
検査装置が開示されており、特願2000−24504
6号にはよこ糸の抜けにより発生する織段の検査装置が
開示されており、特願2000−278799号には織
物表面に発生した目飛びや糸浮きの検査装置が開示され
ている。これらの検査装置では、不具合の種類に応じて
光を照射する方向及び角度を特定して織物表面をカメラ
等で撮像することにより、その特徴を明確にした画像情
報を得ることができる。この結果、類似する特徴を有す
る不具合をその特徴の抽出に必要な比較的簡易な画像処
理によって同時に検出することができる。
【0008】しかしながら、特徴が異なる不具合毎に異
なる条件で光を照射する必要があるため、特徴が異なる
不具合毎に専用の検査装置が必要となり、単一の検査装
置では特徴が異なる複数種類の不具合を検出できない、
という問題があった。
【0009】本発明は上記従来技術の問題点を解消する
ためになされたもので、組織柄を有する織物等の外観検
査を光学的手法で行なう織物検査装置において、特徴が
異なる複数種類の不具合を単一の検査装置で簡易かつ確
実に検査することができる織物検査装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の織物検査装置
は、面状に密であり起伏を有する織物の各織り目の形状
特性に着目してなされたものである。つまり、織物にお
ける目飛び、糸抜け等の織りの状態、幅変形、耳欠け等
の形状の状態、毛羽、毛羽玉、結び目等の糸の解れ・固
まり、樹脂剤等の固形物の付着等の様々な不具合は、発
生した形状により目視で観察する方向を変えるとその特
徴の認識がし易くなることに着目したものである。
【0011】上記の特性に着目すると、不具合をその特
徴が認識し易くなる観察方向毎に分類し、その観察条件
を模擬する光の照射と反射光の受光系とを構築すれば、
分類した不具合の特徴を反映した画像情報を得ることが
できる。この時、反射光を受光するカメラ等の撮像系
(画像取得手段)を一つにし、分類した不具合の観察条
件毎に照射方向及び照射角度の少なくとも一方を異なら
せた光源を設けて、光の照射条件を異ならせた画像を順
次または同時に取得して画像解析処理することよって一
つのシステムで特徴の異なる複数の不具合の検査が可能
となる。
【0012】そこで、上記目的を達成するために本発明
は、被検査対象織物に対して光を照射する方向及び光を
照射する角度の少なくとも一方が異なる複数の光を照射
して被検査対象織物を照明する照明手段と、照明された
被検査対象織物を撮像して被検査対象織物の表面画像を
取得する画像取得手段と、被検査対象織物の表面画像の
明るさに応じて前記光の照射強度を制御する照射制御手
段と、少なくとも被検査対象織物の側端部に対応する部
位において鏡面特性または無反射特性を有する被検査対
象載置台と、前記被検査対象織物の表面画像を解析して
被検査対象織物の外観の検査を行う画像解析手段と、を
含んで構成したものである。
【0013】本発明の複数の光には、被検査対象織物の
織り方向から被検査対象織物表面に対して低い角度で被
検査対象織物を照明する第1の光と、被検査対象織物の
織り方向と交差する方向から被検査対象織物表面に対し
て低い角度で被検査対象織物を照明する第2の光と、被
検査対象織物の織り方向と交差する方向から被検査対象
織物表面に対して高い角度で被検査対象織物を照明する
第3の光と、を含めることができる。
【0014】本発明では、照射制御手段によって、被検
査対象織物の表面画像の明るさに応じて光の照射強度を
制御しているので、反射強度が一定になるように光の照
射強度を制御することにより、被検査対象織物の色等が
変化しても反射強度を一定にして適正な画像を取得する
ことができる。この照射強度の制御は、被検査対象織物
の外観の検査を行うための画像を取得する前、すなわち
織物の検査を開始する前に実行するのが好ましい。
【0015】また、本発明では、被検査対象織物の側端
部に対応する部位において鏡面特性または無反射特性を
有する被検査対象載置台を用いているので、被検査対象
織物の側端部の形状変化を正確に検査することができ
る。
【0016】本発明において、高速に検査する場合に
は、光の照射条件の切り替え、及び画像の取得等時間を
要する課題が残される。そこで、上記の複数の光の波長
を異ならせて照射条件毎に波長(色)の異なる光を適用
し、カラーカメラ等で撮像することによって同時に照射
して得られたカラー画像から、各照射条件で得られるべ
き画像を分離して解析処理することができ、光の照射条
件の切り替え及びその際に画像の取得等を省略すること
ができる。
【0017】さらには、同時に照射して得られたカラー
画像を任意の波長(色)成分画像の組合せ、つまり、異
なる照射条件での合成画像を解析処理することも可能に
なる。また、波長(色)成分毎に分離された画像の解析
結果を相互に活用することによって、特定の照射条件あ
るいは合成した照射条件では無し得ない検査も可能とな
る。
【0018】この場合、例えば、第1の光を青色波長
光、第2の光を緑色波長光、第3の光を赤色波長光とす
るとができる。なお、第1の光及び第2の光の被検査対
象織物表面に対する照射角度を20°または20°付近
の角度、第3の光の被検査対象織物表面に対する照射角
度を70°または70°付近の角度とすることができ
る。
【0019】画像解析手段では、被検査対象織物の表面
画像を照明した光毎の画像に分離するか、または照明し
た複数の光毎の画像を合成し、被検査対象織物の外観の
検査を行うことができる。
【0020】また、画像解析手段には、前記被検査対象
織物の表面画像の輝度分布から被検査対象織物の織り目
の形状を抽出し、抽出した織り目の形状に基づいて前記
被検査対象織物の目飛び、糸緩み、及び織り段等の織り
状態を検出する手段と、前記織り目の輝度分布に基づい
て擦れ等の光沢異常を検出する手段と、を設けることが
できる。
【0021】また、画像解析手段には、被検査対象織物
の表面画像の輝度分布から被検査対象織物の織り目の隙
間を抽出し、抽出した織り目の隙間に基づいて前記被検
査対象織物の織り柄変化位置を抽出する手段と、抽出し
た織り柄変化位置に基づいて織り柄幅を算出する手段
と、を設けることができる。
【0022】この場合、画像解析手段は、前記織り目の
隙間の大きさ、周期、位置、濃度ヒストグラムのパター
ン、及び特徴量の少なくとも1つに基づいて、被検査対
象織物の糸抜け、糸吊り、キズすじ、及び異常柄の少な
くとも1つを検出することができる。
【0023】画像解析手段には、被検査対象織物の表面
画像の輝度分布から被検査対象織物の側端部の輪郭線を
抽出する手段と、抽出した側端部の輪郭線の長さ方向に
おける分布情報を算出する手段と、前記輪郭線の分布情
報に基づき前記被検査対象織物の幅を算出する手段と、
を設けることができる。
【0024】また、画像解析手段には、被検査対象織物
の表面画像の輝度分布から被検査対象織物の側端部の輪
郭線を抽出する手段と、前記側端部の輪郭線を時間−周
波数領域へ変換する手段と、前記変換された周波数成分
の信号強度に基づいて前記被検査対象織物の幅変形、耳
欠け、耳緩み、耳毛羽等の側端部の形状異常を判定する
判定指標を算出し、前記判定指標としきい値とを比較し
て前記側端部の形状異常を判定する手段と、を設けるこ
とができる。
【0025】画像解析手段には、被検査対象織物の表面
画像の輝度分布から被検査対象織物の側端部の輪郭線を
抽出する手段と、前記側端部の輪郭線から前記被検査対
象織物の位置情報を算出する手段と、前記被検査対象織
物の位置情報に基づいて、前記被検査対象織物の外観の
状態を検査するための検査領域を生成する検査領域生成
手段と、前記被検査対象織物の側端部の位置情報と幅情
報に基づいて、柄幅及び柄変化位置を含む検査結果情報
を修正する手段と、を設けることができる。
【0026】画像解析手段では、被検査対象織物の表面
画像の輝度分布から被検査対象織物の表面に突出した
糸、糸の固まり、表面に付着した異物、または圧痕に関
する情報を抽出し、抽出した情報の長さ、面積、及び周
囲長の少なくとも1つに基づいて、前記被検査対象織物
の表面における毛羽、毛羽玉、結び目を含む糸の解れ・
糸の固まり、樹脂かすを含む付着物、及びスリップすじ
を含む圧痕の少なくとも1つを検出することができる。
【0027】そして、本発明では、被検査対象織物の表
面が起伏しないように可変可能な所定の長さで間欠搬送
する搬送手段を更に設け、画像解析手段は、前記被検査
対象織物の長さ方向に対して連続して検査するようにす
ることができる。
【0028】本発明では、毛羽、毛羽玉、結び目を含む
糸の解れ・糸の固まり、樹脂かすを含む付着物、及びス
リップすじを含む圧痕は、第1の光(例えば、青色波長
光)で検出し、糸抜け、糸吊り、キズすじ、及び異常柄
は、第2の光(例えば、緑色波長光)で検出し、目飛
び、糸緩み、織り段等の織り状態は、第3の光(例え
ば、赤色波長光)で検出するのが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、
被検査対象織物として自動車用シートベルトウェビング
を用いている。 (第1の実施の形態)図1には、本発明の第1の実施の
形態に係る織物検査装置の概略が示されている。ベルト
状の織物(ウェビング)10は、詳細な図示を省略した
織物搬送装置12により、矢印Aで示す織物10の長手
方向(織り方向)に沿って搬送される。織物搬送装置1
2は、織物10を所定の長さ(例えば、4cm)だけ搬
送した時点で画像取込みタイミング信号を出力する。ま
た、織物搬送装置12は、搬送制御装置11によって、
織物10を所定の長さだけ搬送した画像取り込みタイミ
ングで一旦停止し、再度搬送を開始する(間欠搬送す
る)ように、搬送動作と停止動作とが制御される。
【0030】織物10上方の所定位置には、織物10に
対して異なる方向から織物表面に対して所定角度で光を
照射して織物10を照明するように、第1の照明装置1
4、第2の照明装置15、及び第3の照明装置16から
なる照明手段が配置されている。
【0031】第1の照明装置14は、織物の織り方向か
ら織物表面に対して低い角度(例えば、20°またはこ
の付近の角度)で織物を照明する第1の光を照射するよ
うに配置され、第2の照明装置15は、織物の織り方向
と交差する方向、好ましくは織物の幅方向から織物表面
に対して低い角度(例えば、20°またはこの付近の角
度)で織物を照明する第2の光を照射するように配置さ
れ、第3の照明装置16は、織物の織り方向と交差する
方向、好ましくは織物の幅方向から織物表面に対して高
い角度(例えば、70°またはこの付近の角度)で織物
を照明する第3の光を照射するように配置されている。
照明装置14、15、及び16は、同一の構成であり、
同じ波長の光を照射する。
【0032】これらの照明装置14、15、及び16か
らの光の照射方向及び織物表面に対する照射角度は、検
査対象の不具合の種類に応じて任意に変更することがで
きる。照明装置14、15、及び16は、点滅制御及び
照射強度制御を行なう照射制御装置26に接続されてい
る。
【0033】織物10上方の所定位置には、織物10で
反射された反射光を受光するように、光軸を織物表面に
対して略直交させて撮像装置(以下、「カメラ」とい
う)18が配置されている。この織物検査装置では、照
明装置14、15、及び16の各々から織物10の表面
に対して順次光を照射し、織物10の表面で反射した光
によって織物の表面画像をカメラ18で撮像する。これ
により、織物10の所定範囲の2次元表面画像を得るこ
とができる。カメラ18としては、例えばCCDエリア
センサカメラ等を用いることができる。
【0034】織物10は、固定配置された図示しない載
置台に載置されている。織物10全体が載置台上に載置
されている必要はなく、少なくともカメラで撮影される
部分が載置されていればよい。載置台表面は鏡面特性ま
たは無反射特性を備えており、照明装置14、15、及
び16の各々からの光が載置台に照射されると、載置台
表面が鏡面の場合には入射した光は入射角度と同一角度
で反射し、無反射面の場合には入射した光は反射されず
に吸収される。
【0035】照明装置14、15、及び16の各々は照
射方向が織物12表面、即ち載置台表面に対して直交す
ることなく所定角度を成すように配置されているのに対
し、カメラ18は光軸が織物12表面に略直交するよう
に配置されているので、載置台からの反射光がカメラ1
8により受光されることはない。一方、織物12表面は
凹凸を有しているので、照射光が織物12表面で散乱
し、主として散乱光がカメラ18により受光される。
【0036】また、織物10を固定配置された載置台上
に載置して間欠搬送しているので、織物10が上下に振
動せず、搬送に伴って織物自体に起伏が発生するのが防
止される。これにより、織物表面での反射特性を利用す
る場合にも充分な検査精度を確保することができる。
【0037】本実施の形態では、織物における光の反射
特性を利用しているため、織物自体に搬送等に伴う起伏
が生じると充分な検査精度を確保するのが困難であるた
め、織物搬送装置には特に織物が上下に振動しないよう
にガイドを設けて搬送するのが好ましい。
【0038】織物搬送装置12から搬送制御装置11に
画像取込みタイミング信号が入力されると、搬送制御装
置11により織物搬送装置12による織物10の搬送が
停止され、画像取込みタイミング信号が画像入力装置2
0にも入力され、さらに画像解析装置22を介して照明
制御装置26に入力される。画像取込みタイミング信号
が入力されると、照明制御装置26は、照明装置14、
15、及び16の各々を単独で順次点滅させて照明装置
各々によって織物10を順次照明し、画像入力装置20
は、照明装置が点灯する都度(織物が照明される都度)
カメラ18を制御して織物10を撮影し、織物の表面画
像を順次入力する。
【0039】これにより、照明装置14、15、及び1
6に各々対応する3つの画像を得ることができる。同じ
織物10の表面から得られた画像でも、光を照射する方
向及び照射する角度が異なるため、3つの画像の各々か
ら異なる情報を得ることができる。
【0040】画像入力装置20に入力された画像は、画
像解析装置22に供給されて時系列に解析処理される。
そして、画像解析装置22での解析結果は結果判定装置
24に入力され、結果判定装置24で不具合の発生の有
無、不具合の種類、及びその発生位置が検出されて結果
判定が終了する。結果判定が終了すると、織物搬送装置
12により織物10が所定長さ搬送されて再度停止さ
れ、上記で説明したように照明、撮影、解析、及び結果
判定の一連の検査が繰り返されて、織物の長さ方向に対
して連続した自動検査が行われる。なお、解析処理の方
法及び結果判定の方法については後述する。
【0041】また、織物の種類、特に織物の色に応じて
その反射特性(明るさ情報)が異なるため、画像解析装
置22では、画像取込みタイミング信号が入力される
と、上記の3つの画像を取得する前に、各画像の明るさ
が抽出されて照射制御装置26に入力される。照射制御
装置26は、同一の照明条件下では略同一の反射光強度
が得られるように、織物の反射特性に応じて照射光強度
を制御する。これにより、画像解析処理時に織物の反射
特性の相違による影響が発生するのを防止することがで
き、織物の色に関係なく不具合の特徴を反映した画像情
報を安定に取得することができる。照射光強度の制御
は、検査開始時に各照明条件毎の画像の明るさを求め
て、所定の範囲に収まるように照射光強度をフィードバ
ック制御することにより実現することができる。また、
織物の色毎に照射光強度の制御量を予め実験的に求めて
おいて、織物の色が変化する毎にこの制御量を利用して
照射光強度を制御するすることも可能である。
【0042】図2(A)〜(C)に、照明装置14、1
5、及び16の各々に対応して得られた画像の例を示
す。(A)に示す画像は、照明装置14から織物10の
搬送方向に沿って斜め上方から低い角度で光を照射して
得られた画像であり、織り目の情報は不鮮明であるが、
表面に突出した毛羽または毛羽玉のように糸の解れや固
まりの認識が極めて容易である。(B)に示す画像は、
照明装置15から織物10の幅方向に沿って斜め上方か
ら低い角度で光を照射して得られた画像であり、織り目
と織り目の隙間が明確になり糸抜け等の認識が容易であ
る。(C)に示す画像は、照明装置16から織物10の
幅方向に沿って斜め上方から高い角度で光を照射して得
られた画像であり、各織り目の輪郭形状が明確となり目
飛び及び糸緩み等の認識が容易である。
【0043】ここで(B)に示す画像と(C)に示す画
像の何れにおいても織り目とその隙間とを認識すること
ができるが、隙間の場合、(B)に示す画像の方がより
認識し易い。その反面、織り目が連結して認識される。
織り目の場合には、(C)に示す画像の方が各織り目を
分離し易い。
【0044】以上の通り、第1の実施の形態に係る織物
検査装置では、照明条件(照射方向及び照射角度)が異
なる複数の照明装置を配置して織物を照明し、不具合の
特徴を反映した複数の画像を得て、各画像を画像解析装
置で解析処理することによって、組織柄を有する織物の
外観検査において、表面に突出した毛羽または毛羽玉の
ような糸の解れや固まり、糸抜け、目飛び及び糸緩み等
の特徴が異なる複数種類の不具合を単一の検査装置で検
出することができる。また、検査を光学的手法で行なう
ので、作業者が目視や手触り等で検査する場合に比べ
て、不具合を簡易かつ確実に検出することができる。
(第2の実施の形態)図3には、第2の実施の形態に係
る織物検査装置の全体構成が示されている。なお、本実
施の形態において、第1の実施の形態と対応する部分に
は同一符号を付して、詳細な説明は省略する。本実施の
形態の織物検査装置には、青色波長光(B光)で織物を
照明するB光照明装置28、緑色波長光(G光)で織物
を照明するG光照明装置30、及び赤色波長光(R光)
で織物を照明するR光照明装置32が設けられており、
各照明装置から異なる波長域の光を同時に照射して織物
10を照明する。B光照明装置28は、第1の実施の形
態の第1の照明装置14と同じ位置に配置され、第1の
照明装置14と同じ方向から同じ角度でB光を照射し、
G光照明装置30は、第2の照明装置15と同じ位置に
配置され、第2の照明装置15と同じ方向から同じ角度
でG光を照射し、R光照明装置32は、第3の照明装置
16と同じ位置に配置され、第3の照明装置16と同じ
方向から同じ角度でR光を照射する。
【0045】B,G,R光で同時に照明された織物の表
面画像を取得する撮影装置は、カラー撮像用の撮像装置
34で構成されている。撮像装置(以下、「カラーカメ
ラ」という)34としては、例えば、3板式のカラーカ
メラを用いることができる。照明装置28、30、及び
32各々の照明光の波長域(色)の各々は、カラーカメ
ラ34の分光感度に応じて、カラーカメラ34の対応す
る色の分光感度の幅以内で、かつカラーカメラ34の隣
合う色の分光感度にオーバラップしないように定められ
ている。
【0046】図4に、カラーカメラ34の分光感度と照
明装置28、30、及び32各々の照明光の波長帯域と
の具体的関係を示す。本実施の形態において、カラーカ
メラ34は、青色波長域の470nm付近、緑色波長域
の530nm付近、赤色波長域の590nm付近の各々
にピーク感度を有している。このため、図4に示すよう
に、照明装置28の照明光(青色波長光)の波長域を波
長領域、照明装置30の照明光(緑色波長光)の波長
域を波長領域、照明装置32の照明光(赤色波長光)
の波長域を波長領域とし、各照明装置の照明光の波長
域の各々が、カラーカメラ34の対応する色の分光感度
の幅以内で、かつカラーカメラ34の隣合う他の色の分
光感度のオーバラップ領域に重ならないように制限され
ている。
【0047】照明装置28、30、及び32は、ハロゲ
ンランプ等の白色光源や発光ダイオードを多数配列させ
たアレイ光源と、これらの光源から照射されてた光の内
必要な波長域の光だけを透過する光学フィルタとで構成
することができる。光学フィルタとしては、波長域を精
度よく制限して必要な波長域の光だけを安定に取り出す
ために、遮断したい光を吸収する光吸収型の光学フィル
タが好ましい。
【0048】光吸収型の光学フィルタを使用する場合に
は、発光ダイオード等のように波長域が制限された光源
を使用することが好ましい。白色光源を用いると光学フ
ィルタで吸収されるエネルギーが大きくなり、熱負荷が
増大して光学フィルタの劣化が促進されたり、二次放射
が発生するので好ましくない。しかしながら、波長域が
制限された光源を用いると白色光源と比較して光学フィ
ルタで吸収するエネルギーは極めて小さくなり、熱によ
る劣化が防止される。また、波長域が制限された光源に
は、照明光強度の制御が容易になる、ちらつきが無い、
寿命が長い等の利点がある。
【0049】図5に、発光ダイオードアレイを用いた照
明装置の一例を示す。この照明装置は、同一方向に光を
出射するように同一色の発光ダイオード45が複数個配
列された光源アレイ46と、青色波長光を透過する青色
フィルタ54B、緑色波長光を透過する緑色フィルタ5
4G、及び赤色波長光を透過する赤色フィルタ54Rを
備えた円盤状のターレット48とを備えている。光源ア
レイ46はパッケージ50内に保持されており、光源ア
レイ46を構成する複数個の発光ダイオード45の各々
は照明制御装置26に接続されている。ターレット48
は中心軸の周りに回転可能にパッケージ50に保持され
ており、図示しない駆動装置を介して照明制御装置26
に接続されている。
【0050】照明制御装置26によりターレット48が
回転されて、青色フィルタ54B、緑色フィルタ54
G、及び赤色フィルタ54Rのいずれかが光源アレイ4
6の出射光の光路に配置されて、発光ダイオード45の
各々が点灯されと、配置されたフィルタに応じた波長域
の光が照射される。
【0051】この図5に示す照明装置では、自動的に光
学フィルタを変更することができるので、照明条件の
(照明光の波長帯域、照射方向及び照射角度の組合せ)
選択の自由度が大きくなる、という利点がある。
【0052】本実施の形態の画像解析装置は、2つの波
長光に対応する表面画像を合成した合成画像(例えば、
緑色波長光による緑色成分画像と赤色波長光による赤色
成分画像とを合成した合成画像)に基いて画像解析を行
なう合成化画像解析装置36、青色波長光による青色成
分画像に基いて画像解析を行なう青色画像解析装置3
8、緑色波長光による緑色成分画像に基いて画像解析を
行なう緑色画像解析装置40、赤色波長光による赤色成
分画像に基いて画像解析を行なう赤色画像解析装置4
2、及び検査開始時等に抽出された共有情報が蓄積され
る解析情報共有装置44が設けられている。
【0053】カラーカメラ34で得られた原画像は、画
像入力装置20に入力され、合成画像解析装置36、青
色画像解析装置38、緑色画像解析装置40、及び赤色
画像解析装置42に各々供給され、各々の装置で解析処
理が行なわれる。図6に、合成画像、青色成分画像、緑
色成分画像、赤色成分画像の例を示す。各色の成分画像
に応じて画像情報が異なり、不具合を検出し易い波長域
が存在するのが理解できる。
【0054】また、原画像の明るさ情報は、照射制御装
置26にも入力され、第1の実施の形態で説明したよう
に、検査前に織物の反射特性に応じた照射光量の制御が
行なわれる。なお、これら合成画像解析装置36、画像
解析装置38、40、及び42での解析処理は並列に行
なわれる。
【0055】以下、図7を参照して本実施の形態の検反
処理ルーチンを説明する。搬送制御装置11は、織物搬
送装置12を制御して織物の搬送を開始し(ステップ1
00)、画像取込みタイミング信号が入力されたか否か
を判断する(ステップ102)。画像取込みタイミング
信号が入力されると、搬送制御装置11は、織物搬送装
置12を制御して織物の搬送を停止する(ステップ10
4)。
【0056】また、画像取込みタイミング信号が入力さ
れると、画像入力装置20は、照明装置28、30、及
び32を同時に点灯させて織物10を照明して、カラー
カメラ34により織物10を撮影させる。得られた原画
像は、画像入力装置20を介して、照明制御装置26に
入力される。照明制御装置26では、画像の明るさが予
め定められた値から変化したか否かを判断し、画像の明
るさが変化した場合には、同一の照明条件下では略同一
の反射光強度が得られるように照射装置28〜32をフ
ィードバック制御して照明条件を変更し(ステップ10
8)、織物の色が変化しても略同一の反射光強度が得ら
れるように照射光強度を制御する。これにより、画像解
析処理時に織物の反射特性の相違による影響の発生を防
止することができる。
【0057】照射光強度が制御された後、照明装置が同
時に点灯され、画像入力装置20は、カラーカメラ34
により織物10を撮影し、原画像を取得する(ステップ
110)。得られた原画像は、画像入力装置20から画
像解析装置36〜42の各々に入力される。
【0058】各画像解析装置では、後述するように、こ
の原画像から、青色成分画像、緑色成分画像、赤色成分
画像、異なる色成分の画像を複数合成した合成画像が抽
出され、各成分画像等の画像解析処理により織物表面の
検査が行なわれ(ステップ112)、処理結果の各々は
解析情報共有装置44を介して結果判定装置24に入力
され、結果判定装置24で不具合の発生の有無、不具合
の種類、及びその発生位置が検出されて結果判定が表示
される(ステップ114)。検反処理判定を継続する場
合には(ステップ116)、織物搬送装置12により織
物10が所定長さ搬送されて再度静止状態に置かれ、照
明、撮影、解析、及び結果判定の一連の検査が繰り返さ
れて、連続した自動検査が行われる。
【0059】以上のように、第2の実施の形態に係る織
物検査装置では、第1の実施の形態と同様に、照明条件
(照射方向及び照射角度)が異なる複数の照明装置を配
置して織物を照明し、不具合の特徴を反映した複数の画
像を得て、各画像を画像解析装置で解析処理することに
よって、組織柄を有する織物の外観検査において、特徴
が異なる複数種類の不具合を単一の検査装置で検出する
ことができる。また、検査を光学的手法で行なうので、
作業者が目視や手触り等で検査する場合に比べて、不具
合を簡易かつ確実に検出することができる。
【0060】また、第2の実施の形態では、3つの照明
装置から異なる波長域の光を照射して織物を同時に照明
し、カラーカメラで撮像して得られたカラー画像から各
々の照明光に応じた画像を抽出し、得られた画像を並列
に解析処理するので、得られた画像を時系列に解析処理
する場合と比較すると、画像の処理時間が短縮され、高
速に検査を実施することができる。加えて、異なる波長
域の光で織物を同時に照明するので、照明光を順次切り
替えて画像を取得する場合と比較すると、照明光の切り
替え時間が不要になり、更に高速に検査を実施すること
ができる。
【0061】更に、第2の実施の形態では、カラーカメ
ラで撮像して得られたカラー画像から各々の照明光に応
じた画像を抽出した後、任意の抽出画像を合成して、合
成画像を解析処理することも可能になる。即ち、実際の
照明光とは異なる照明光を照射して得られる画像を合成
して解析処理することができる。また、波長(色)ごと
に分離された画像の解析結果を相互に活用することによ
って、特定の照射条件あるいは合成した照射条件では無
し得ない検査も可能となる。
【0062】なお、第2の実施の形態では、数種の原色
ではない単色(例えば、灰色)に染色されている織物を
使用することが好ましい。織物が赤、緑、青等波長が制
限された色に染色されている場合には十分に性能を発揮
できない。即ち、例えば赤色の織物では、波長帯域が制
限された緑色または青色の光を照射した場合に反射光が
得られないが、原色ではない単色に染色された織物は、
波長帯域が制限された光を照射した場合においても反射
光を得ることができる。但し、織物の色に応じてその反
射特性が異なるため、本実施の形態においても第1の実
施の形態と同様に、照射光強度を制御している。
【0063】次に、第2の実施の形態の織物検査装置を
用いて織物の不具合を検出する具体的な検出方法につい
て、不具合の種類毎に説明する。なお、各々の照明装置
に対応して抽出された画像は所定色成分の画像である
が、便宜上、白黒の濃淡画像に変換した画像を用いて説
明する。合成画像についても同様である。以下では第2
の実施の形態について説明するが、青色波長光を第1の
光、緑色波長光を第2の光、赤色波長光を第3の光に置
き換えて順次画像を取得すれば、第1の実施の形態にお
いても以下で説明するのと同様に織物の不具合を検出す
ることができる。 (1)目飛び、糸緩みの検出方法 まず、目飛び及び糸緩みの検出原理について説明する。
図8には、織物表面の反射特性が模式的に示されてい
る。織物表面には、平坦部分とこの平坦部分に連続する
傾斜部分とで形成された多数の織り目が配列されてい
る。この織物に対して、赤色波長光を織物の幅方向、す
なわち織り方向と直交す方向から、織物表面に対して高
い角度で照射すると、光学的に上方への反射光は、平坦
部で強く、平坦部に前後した織り目の境界、隣合う織り
目の境界等傾斜した部分では弱くなる。すなわち、光軸
が織物表面と直交するように配置されたカメラで撮影し
た画像は、各織り目の平坦部が明るく、この平坦部の周
囲が薄暗い画像となり、図9に示すように、各織り目の
平坦部の輪郭形状が認識し易くなる。図9には、織り目
の2倍以上の長さを持つ目飛びの例を示すが、図から明
らかなように、目飛びの場合、織り方向の長さが正常な
織り目の長さより長いことを容易に認識することができ
る。
【0064】なお、異常な場合に長さが正常な織り目の
長さより長くなる現象を利用すれば、製織時におけるた
て糸の張力不足によって、長さが正常な織り目の長さよ
りやや長くなる糸緩み(糸浮き)の現象も、目飛びと同
様に検出することができる。
【0065】次に、上記の原理に基いて目飛びを検出す
る赤色成分画像解析装置の目飛び判定ルーチンを図10
を参照して説明する。まず、画像入力装置20から取り
込んだ原画像から赤色成分画像のみを抽出する(ステッ
プ120)。次に、抽出した赤色成分画像について、平
滑化等のフィルタリング処理によりノイズ等を除去した
後(ステップ122)、織り目の平坦部が明るく、かつ
織り目間の隙間である境界部が暗くなるように、所定の
2値化レベルを基準に赤色成分画像を2値化し(ステッ
プ124)、各織り目を分離する。この2値化レベル
は、例えば、画素の濃度ヒストグラムを作成し、この濃
度ヒストグラムから対象(織り目)の明るさと背景(境
界部)の明るさとの境界を示す境界値として求めること
ができる。また、織物の種類に応じて予め最適な2値化
レベルを算出して赤色成分画像解析装置に設定しておい
て2値化してもよい。
【0066】次に、境界部における多重反射等の影響で
境界部と織り目とが連結する部分が生じて、正常な織り
目を誤って目飛びと判定するのを防止するために、上記
で得られた2値化画像に対して膨張収縮処理を行なう
(ステップ126)。この膨張収縮処理によって、図1
1に示すように、明確に織り目が分離された2値化画像
を得ることができる。
【0067】次の処理では、正常な織り目より長さが長
い目飛び及び糸緩みを検出する。この目飛び及び糸緩み
は、特願2000−278799号に記載されているよ
うに、分離した各織り目の画像毎にラベル付け(ラベリ
ング処理)を行ない、ラベル付けされた織り目の画像毎
に、長さ、周囲長、及び面積を求めて、正常な織り目の
長さ、周囲長、及び面積と比較し、長さ、周囲長、及び
面積が所定値以上大きい画像を検出することで判定する
ことができる。
【0068】しかしながら、この判定方法では、自動車
用シートベルトウェビングでは、品種による強度等の相
違によって、織り目の密度が異なっているため、品種毎
に正常な織り目の形状情報を予めデータベース化してお
いて、検反毎に参照する必要がある。さらに、同一の品
種においても許容される幅のばらつきがあるため、この
形状情報は時系列的に変化するので、予めデータベース
化しておいても検出誤差が生じる。
【0069】そこで、本実施の形態では、各織り目の画
像毎にラベル付けした後(ステップ128)、ラベル付
けされた各織り目の画像の織り目の長さと織り目の個数
とを特徴量として、図12に示す分布図を作成する(ス
テップ130)。この分布図は、織り目の長さと織り目
の個数とを特徴量としているため、正常な織り目の画像
は、織り目の長さが短くかつ織り目の個数が多い領域に
分布し、目飛び及び糸緩みの画像は、織り目の長さが長
くかつ織り目の個数が少ない領域に分布する。このた
め、織り目の長さが長くかつ織り目の個数が少ない領域
に分布した画像を目飛び及び糸緩みの画像として判定す
る(ステップ134)。
【0070】これによって、織物の品種に拘らず検査時
の画像から直接目飛び等の判定指標を得ることができる
ため、安定な検査が可能となる。 (2)光沢異常の検出方法 画像の濃度むらを補正して照明強度が均一になるように
制御した場合、各織り目の平坦部は略同一の明るさにな
る。一方、製織時における織物表面の擦れ等により織り
目の平坦部に光沢(てかり)が発生した光沢異常では、
光沢により平坦部での反射が正常な織り目の平坦部より
強くなる。従って、正常な織り目より明るい部分を検出
することにより、光沢異常を検出することができる。
【0071】すなわち、本実施の形態では、織り目の明
るさに着目し、図10で説明したのと同様に、平滑化等
のフィルタリング処理により赤色成分画像の画像データ
からノイズ等を除去した図13(A)に示す画像を得た
後、所定の明るさを基準に2値化し、2値化画像に対し
て膨張収縮処理等を実施して図13(B)に示す画像を
得る。この画像の白色部分の面積、及び長さ等の指標と
しきい値とを比較し、しきい値以上の領域を光沢異常と
して判定する。 (3)織り段の検出方法 織物に織り段が発生した場合、織り段による画像の特徴
量から特願2000−245046号に記載されている
方法で検出することができる。この方法では、織物の織
り方向に対して斜め上方から織物を照明する方法と、織
物の織り方向に垂直な方向に対して斜め上方から織物を
照明する方法とがある。織物の織り方向に垂直な方向に
対して斜め上方から織物を照明する方法では、織り目の
長さまたは織り目間の隙間を連結させて織り段を検出判
定している。しかしながら、上記の目飛びで説明したよ
うに、品種の相違や変形の度合いによる織り目の長さ等
のばらつきによる検出の不安定さが問題となる。
【0072】このため、本実施の形態では、上記の目飛
びの検出で説明したように、赤色成分画像から得られか
つラベル付けされた2値画像に基いて、織り目の長さと
織り目の個数とを特徴量とする分布図を作成し、この分
布図から安定して織り段を検出するようにする。 (4)糸抜け、糸吊りの検出方法 まず、緑色成分画像から糸抜け及び糸吊りを検出する原
理について説明する。緑色成分画像を得るためのG光照
明装置30は、赤色成分画像を得るためのR光照明装置
32と同様に、織り目方向に対して直交する方向から光
を照射するが、織物表面に対してR光照明装置32の照
射角度より低い角度で光を照射している。R光照明装置
32のように織物表面に対して高い角度で光を照射した
場合には、織り目の平坦部分からの反射光よりは弱い
が、織り目の隙間における平坦な部分からも反射光が生
じる。これに対して、G光照明装置30は、織物表面に
対して低い角度で光を照射しているため、照射された光
は隣合う織り目に遮断されて織り目の隙間には殆ど光が
照射されない。この結果、R光照明装置を用いる場合と
比較して、織り目の表面(平坦部)と織り目の隙間とが
より強調された画像を得ることができる。
【0073】R光照明装置32を用いる場合とG光照明
装置30を用いる場合とを比較すると、G光照明装置3
0を用いる場合には、織り目の傾斜部からの反射光も強
くなることから、織り目自体の輪郭が明確に現れる効果
は、R光照明装置32を用いる場合の方が大きい。R光
照明装置32を用いる場合とG光照明装置30を用いる
場合との大きな相違は、製織時におけるたて糸の過剰張
力により発生する糸吊りの認識性である。この糸吊りが
生じた場合、織物表面は正常な場合より凹んだ状態にな
るが、織り目は存在する。このため、主に平面(平坦
部)からの反射光を利用するR光照明装置32を用いる
場合では、糸吊りが生じた場合であっても織り目として
観察される場合が非常に多い。
【0074】一方、G光照明装置30を用いる場合は、
凹んだ平坦部からの反射光が殆ど無いため、図14
(B)に示す糸吊りを、図14(A)に示す糸抜けと同
様に認識することが可能となる。
【0075】次に、上記の原理に基いて糸抜け及び糸吊
りを検出する緑色成分画像解析装置の判定ルーチンを図
15を参照して説明する。
【0076】図14に示した緑色成分画像において、織
り目の隙間を抽出するにはいくつかの手法が考えられ
る。通常の2値化処理により織り目の平坦部と隙間を分
離しようとすると、本実施の形態で検反処理の対象とし
ている織物は、織り柄特有の隙間(図14参照)が存在
するので、この隙間も同時に検出されてしまう。また、
各織り目間における小さい隙間も検出され、ノイズが非
常に多い状態となる。
【0077】このため、本実施の形態では、画像入力装
置20から取り込んだ原画像から緑色成分画像を抽出し
(ステップ140)、濃淡の膨張収縮処理を施した後に
(ステップ142)、上記で説明したように濃度ヒスト
グラムを作成してこの濃度ヒストグラムから2値化レベ
ルを設定して2値化する(ステップ144)。この結
果、図16(A)に示す例では、図16(B)に示すよ
うに糸吊り部分だけが暗部になる。この画像から、白黒
の反転処理を行い(ステップ146)、糸吊りにより残
された連結した各白い画素群を解析することで不具合と
して検出判定する(ステップ148)。
【0078】この判定指標として、各画素群の長さ、周
囲の長さ、及び面積等を用い、この判定指標としきい値
とを比較し、上述した膨張収縮処理等だけでは除去でき
なかった小さいノイズを除去する。
【0079】また、糸抜けまたは糸吊りが発生すると、
糸抜けまたは糸吊りの特性から周期的な位置に凹んだ部
分(不具合画像)が存在する。従って、この周期性をさ
らなる判定指標として付加し、周期的な位置に不具合画
像が存在するか否かを判定すれば、安定な検出を可能と
することができる。
【0080】さらに、本実施の形態における織物特有の
織り柄が変化する位置における織り目の隙間の大きさの
ばらつき等によっては、これらの隙間が周期的なノイズ
として残存する場合も予想される。そこで、後述する織
り柄の変化位置の抽出結果をさらなる判定指標として付
加し、織り柄の変化位置を糸抜けまたは糸吊りとして判
定しないようにすれば、より安定に検出することができ
る。 (5)キズすじの検出方法 織物の製造工程において、織物がガイドなどに乗り上げ
て発生する図14(C)に示すようなキズすじも糸吊り
と同様に緑色成分画像を用いて検出することができる。
すなわち、このキズすじは、極端に程度が大きいものは
目視によっても容易に認識することができるが、程度が
低いものは目視による認識は極めて困難である。しかし
ながら、キズすじの発生形態から織り目と織り目との隙
間が広がった状態になるので、糸吊りと同様に検出する
ことができる。すなわち、上記で説明した糸抜けまたは
糸吊りの検出手法を適用すれば、基本的にはキズすじも
検出することが可能である。しかしながら、極めて程度
が低いキズすじの場合、織り目と織り目の隙間は、正常
な場合よりもわずかに大きいにすぎないので、キズすじ
を正確に検出できない場合が予想される。
【0081】そこで、本実施の形態では、図17に示す
ように、図15と同様に緑色成分画像を抽出した後(ス
テップ140)、濃淡の膨張収縮処理を施した結果から
求めた濃度ヒストグラムから2値化処理を行う(ステッ
プ142、144)。この処理によって、正常な織り目
の隙間よりも大きいキズすじによる隙間が複数個発生す
る。このため、この画像に対してさらに膨張収縮処理を
施して連結させ(ステップ156)、その画像の面積等
の特徴量としきい値とを比較し、しきい値より大きい部
分をキズすじとして判定する(ステップ158)。
【0082】また、キズすじにより生じる複数個の画像
は、正常な場合には存在しないことに着目すると、その
隙間画像の数を用い、数が所定値以下の場合は正常、数
が所定値以上の場合はキズすじとして判定することがで
きる。
【0083】画像の面積等の特徴量や隙間画像の数を用
いてもノイズ等の影響を確実に避けることは困難であ
り、さらなる手法としては濃度(輝度値)ヒストグラム
の特徴を解析する手法がある。この手法は、キズすじの
発生による濃淡画像を処理すると、その隙間に依存した
中間的な明るさを持つ画素が増大することに着目したも
のである。
【0084】図18に濃度ヒストグラムによるキズすじ
の判定例を示す。図18(A)に示すように正常な場合
には、織り目の平坦部による明るい画素にピークを持つ
濃度ヒストグラムとなる。一方、キズすじを有する場合
は、図18(B)に示すように暗い部分から明るい部分
へ移行する分布の傾きが緩やかになる。この特徴を濃度
ヒストグラムの傾きの変化として検出し、傾きが緩やか
な場合をキズすじとして判定する。この手法において、
ヒストグラムそのものをニューラルネット等により正常
な場合と異常な場合とを学習させておいて、ニューラル
ネットを用いて判定することもできる。 (6)異常柄の検出方法 緑色成分画像を用いた異常柄の検出方法を筒単に説明す
る。図14に示したよう本実施の形態で適用している織
物は、織り柄の変化位置に織り柄特有の隙間が存在す
る。製織機において何らかの異常が発生した場合に、こ
の隙間の位置が変動する場合がある。このような異常な
柄に対しても、先の糸抜け等の検出において織り目の隙
間と平坦部を分離するように2値化処理を行い、抽出さ
れた織り目の隙間の位置関係から判定することができ
る。 (7)織り柄の変化位置の検出方法 緑色成分画像を用いて、織り目の隙間を抽出した画像か
ら織り柄の変化位置を検出する方法について述べる。従
来は特願2000−278799号に示されるように、
織り柄の位置によって織り目が異なる傾きを持つことに
着目して、織り目の傾きに平行して光を照射することに
よって織り柄による濃淡を明確化していた。
【0085】しかしながら、この従来手法では、織り柄
の変化位置または織り柄幅を検出するためだけの専用の
光学系が必要になる、という大きな課題がある。そこ
で、本実施の形態では、G光照明装置30により得られ
る画像から織り柄の変化位置を抽出する。
【0086】ここで、本実施の形態で検査対象としてい
る織物においては、上述したように織り柄が変化する位
置において、各織り目間における隙間よりも大きな隙間
が形成されている。この点に着目し、異常柄の検出手法
と同様に織り柄特有の隙間を抽出し、その位置を織り柄
変化位置とする。このためには、抽出された隙間の位置
を簡易に求める手法が考えられるが、ノイズ等との分離
を考慮して、織り柄特有の隙間が織り柄変化位置におい
て織り方向に周期的に存在することを利用する。
【0087】その簡易な処理ルーチンを図19を参照し
て説明すると、2値化画像を生成して織り目を抽出した
後、抽出された織り目の隙間を検査対象となる画像の範
囲において連結するように織り方向に膨張処理を繰り返
し(ステップ160)、その後織り方向に収縮処理を繰
り返す(ステップ162)。この結果、図20に示すよ
うにノイズ成分は、織り方向への連絡性が遮断され、織
り柄変化位置の隙間だけによる織り方向へ連結した候補
画像が容易に得られる。
【0088】上記の各候補画像の織物の幅方向の重心位
置を求めることによって織り柄変化位置が特定される
(ステップ164)。この織り柄変化位置の検出は、柄
や幅が同一の品種においては、織り柄変化位置が基本的
に同じであるため、随時実施する必要はなく、その検査
開始時に限定して実施してもよい。実際の検査において
は、幅が徐々に変化したり、織物の位置がずれる等の問
題が存在するが、これらの問題に関しては、後述する幅
等の検査時の情報に基いて、織り柄変化位置を自動補正
し、糸抜け等の判定に影響を与えないようにしている。
また、織り柄幅の算出に関しても幅等の検査方法の説明
時に併せて説明する。
【0089】次に、B光照明装置28によって得られる
青色成分画像から、糸の解れや固まりによる不具合(織
物表面における毛羽、毛羽王、結び目)、樹脂かす等の
付着物、スリップすじ等の圧痕を検出する方法を説明す
る。 (8)毛羽、毛羽玉、結び目等の検出方法 まず、毛羽、毛羽玉、結び目等の検出原理について説明
する。B光照明装置28により織物10の織り方向に沿
って低い角度(例えば、20度)で織物を照明すると、
その効果として、織物の表面に突出した毛羽、毛羽玉、
結び目等糸の解れや固まりによる光の散乱が生じる。ま
た、表面に付着した樹脂かす等と織物表面との反射率の
相違から付着物による明暗が生じる。さらには、製造工
程において織物を搬送する機構であるローラのすべり等
による微妙な織物表面への圧力変動に基づく糸の損傷部
(非常に細かい糸の解れ)においても光の散乱が生じ
る。
【0090】一方、正常な織物表面においては、織り方
向に前後する織り目と織り目が成す逆三角形の領域にお
いて主に反射する。この結果、織物表面と対向する上方
に設置したカメラによって取得された青色成分画像は、
図21(A),(B)に示すように、正常な場合の反射
光以外に表面に突出した糸等による散乱光、または付着
した異物による明暗が観察されることになる。従って、
この散乱光による画像や明暗画像から上記の不具合を検
出することができる。
【0091】次に、毛羽、毛羽玉、結び目の具体的な検
出ルーチンを図22に基いて説明する。ここでは、毛羽
玉、結び目は、毛羽よりもその形状が大きく、より散乱
するため、毛羽を代表事例として説明する。
【0092】図21(A)に示した織物表面から僅かに
突出した細い毛羽を検出するには、その明るさに着目し
て2値化処理を行うことが考えられるが、正常な部位と
の反射成分によるノイズとの分離等問題が多く残され
る。このため、本実施の形態では、原画像から青色成分
画像を抽出した後(ステップ170)、エッジ情報を残
しつつ雑音の除去能力に優れたメディアンフィルタによ
る平滑化を行い(ステップ172)、さらにエッジの強
調処理を施した後に(ステップ174)、2値化処理を
行う(ステップ176)。
【0093】この結果、図23に示すように毛羽に基づ
く成分が抽出される。この抽出画像に対して、さらに微
小なノイズとの分離を図るために、その長さ、周囲の長
さ、面積等の特徴量としきい値とを比較して毛羽を判定
する(ステップ178)。
【0094】毛羽玉や結び目等に対しても上記と同様の
処理が有効であるが、その大きさ等を考慮すると単純な
2値化処理と抽出結果に対する特徴解析に基づいた簡易
な検査も可能である。 (9)樹脂かす等の付着物の検出方法 次に、樹脂かす等の織物表面への付着物の検出ルーチン
を図24を参照して説明する。本実施の形態における織
物は、耐候性やすべり特性を考慮して表面にシリコンや
アクリル系の樹脂が薄くコーティングされている。この
コーティング時に樹脂剤が固形化し異物として織物表面
に付着する場合がある。この固形化した樹脂剤は表面が
ざらざらしており、上記の毛羽と同様に光が散乱する。
ただし、毛羽の場合と異なりカメラで撮影した画像の明
るさは、暗いものである。
【0095】このような織物表面とは濃淡の差が認識で
きる樹脂かすに関しては、濃淡の強調と平滑化処理を行
った後に(ステップ180)、2値化処理を行ない(ス
テップ182)、さらに織り方向に前後する織り目と織
り目の境界部により生じるノイズを除去するために膨張
収縮処理を行い(ステップ184)、図25に示すよう
に付着物として抽出する(ステップ186)。この抽出
結果に対しても長さ、周囲の長さ、面積等の特徴量をし
きい値と比較してノイズとの分離を図り不具合を判定す
る。 (10)スリップすじ等の圧痕の検出方法 次に、青色成分画像を用いて、織物の搬送時のローラの
スリップ等で生じる糸への微小な損傷であるスリップす
じを検出する方法について説明する。スリップすじは、
織物の幅方向に細い幅で糸が損傷するこのにより発生す
るため、織物の幅方向に細い幅で発生する。このため、
通常の目視では観察することが困難であるが、蛍光灯直
下で織り方向の低い角度で観察すると、すじ状の細い線
を目視することができる。
【0096】本実施の形態は、この目視による観察手法
において照明と観察する方向とを反対にしたものであ
り、青色成分画像としては図26(A)に示すような画
像情報が得られる。この画像情報からスリップすじを検
出するには、図27に示すように、上述した樹脂かすの
検出と同様に濃淡の強調・平滑化処理を行った後に(ス
テップ190)、2値化する(ステップ192)。
【0097】2値化した画像には、織り方向に前後する
織り目と織り目との境界部における反射成分が大きなノ
イズとして存在する。このため、上述した樹脂かすの検
出と同様に2値化した画像に対して膨張収縮等の処理を
加えると、スリップすじが細いためスリップすじはノイ
ズと共に消去されてしまう。
【0098】そこで、発生形態からスリップすじが織物
の幅方向に連続することに着目し、幅方向だけに膨張収
縮の処理を加え(ステップ194)、スリップすじの画
素を幅方向に連結さる。これによって、図26(B)に
示すような織物の幅方向に細長いスリップすじが抽出さ
れる。この幅方向だけの膨張収縮の処理の結果、織り目
の境界部も幅方向に連結されるが、スリップすじと織り
目の境界部とは幅方向の長さが大きく異なり、スリップ
すじの幅方向の長さは織り目の境界部よりも長くなる。
このため、抽出結果画像の織物の幅方向の長さを特徴量
として、スリップすじを判定する。
【0099】また、2値化された画像に対して織物の幅
方向に明るさを積分したプロファイルを作成し、その変
化からスリップすじを検出することも可能である。
【0100】上記では、波長を異ならせた光を同時に照
明して原画像を取得し、原画像を色成分画像毎に分離し
た画像から織物の不具合を検出する例について説明し
た。以下では、任意に選択した複数の色成分画像の組合
せに基く画像(合成画像)から不具合を抽出する方法に
ついて説明する。 (11)合成画像からの不具合検出方法 合成画像解析装置36において、画像入力装置20に入
力された原画像から緑色成分の画像及び赤色成分の画像
を合成した合成画像が抽出される。ここでは、図の見易
さを考慮し、合成画像を濃淡画像に変換した画像を用い
て説明する。本実施の形態における織物は、その端部に
細かい凹凸が存在している。この凹凸、すなわち織物端
部の形状は、図28に示す合成画像のように、G光照明
装置30及びR光照明装置32による合成光を照射した
場合に認識し易くなる。
【0101】本実施の形態において検査対象とした織物
においては、その端部の形状として、全体の幅(全
幅)、その幅が局部的に変形した幅変形、耳欠け、端部
の糸の緩み(耳緩み)、糸の解れ(耳毛羽)等がある。
特に、耳毛羽等を明確化して検出するためには、発明者
らによる先願である特願2000−234874号に示
すように織物の背景、すなわち載置台を鏡面特性あるい
は無反射特性とすると効果的である。
【0102】最初に織物の全幅の検出方法について図2
9を参照して説明する。原画像から緑色成分の画像及び
赤色成分の画像を合成した合成画像を抽出し(ステップ
200)、図28に示すような合成画像を取得する。図
28に示した画像において、織物表面と背景とを分離す
るように2値化する(ステップ202)。
【0103】この2値化画像の幅を求めることによって
織物の全幅が検出できる。上述したように検反対象とし
ている織物の端部が細かい凹凸形状を有しているため、
検出する位置によっては、全幅の検出結果が大きく異な
る。そこで、2値化した画像から、図30(A)に示す
ように、端部の輪郭線を抽出し(ステップ204)、そ
の輪郭情報に基づいて以下に説明するように全幅を決定
する。
【0104】本実施の形態では、全幅を決定する際に、
簡易かつ具体的な以下の方法を採用してる。すなわち、
抽出した左右の輪郭線を各々織り方向において積算した
輪郭線の分布図を作成し(ステップ206)する。すな
わち、輪郭線の長さ方向における分布情報を算出する。
この分布図の拡大図を図30(B)に示す。
【0105】次に、左右の各輪郭線の分布図の中心を算
出し(ステップ208)、左側の輪郭線の分布図の中心
を織物の左端位置、右側の輪郭線の分布図の中心を織物
の右端位置とし、その間の距離を全幅と定義して、この
全幅を演算する(ステップ210)。この全幅は、上記
で説明した中心位置に限定することなく内側の分布の立
ち上がり間の距離等目的に応じて定義することができ
る。この手法で求めた全幅及び織物の左右端の位置情報
の活用方法については、後述する。
【0106】次に、全幅の検出において抽出した織物の
左右の端部の輪郭線を利用し、端部における幅変形等の
様々な形状に起因する織物の不具合を同時に検出する場
合について説明する。本実施の形態における織物は、た
て糸とよこ糸とを交互に交差させて製織される。この場
合、よこ糸の張力変動等によって、端部に幅変形、耳欠
け等の局部的なくびれが生じる場合がある。また、端部
の糸の緩みによる耳緩み、糸の解れによる耳毛羽等が発
生する場合がある。これらに関しては、各々の不具合部
の特徴が明確な画像情報、もしくは光の透過法等による
計測結果から検出することが可能である。
【0107】しかしながら、簡易な構成で一括して検出
することが織物検査装置として重要な場合がある。そこ
で、本実施の形態では、図29に示すように上記で説明
した方法で抽出した輪郭線を解析する手法を用いてい
る。すなわち、端部に耳緩み、または耳毛羽が発生して
も、その糸(繊維)は端部と連結しているため、幅変
形、耳欠け等が発生した場合と同様に端部の輪郭線に反
映される。従って、この輪郭線を解析すれば端部の形状
に起因する不具合が一括して検出可能になる。
【0108】この輪郭線を解析するには、その輪郭線情
報を横軸を織り方向の位置とし、かつ縦軸を輪郭線の幅
方向の位置とする時系列情報に変換する(ステップ21
2)。この時系列情報には、織物の端部における細かい
凹凸の成分も含まれている。
【0109】このような時系列情報の解析において、正
常な端部の凹凸による情報と、幅変形、耳欠け、耳緩
み、耳毛羽等による輪郭線の変形を安定に分離すること
が重要であり、本実施の形態では、織物の性質上端部の
凹凸に周期性があることに着目して周波数解析手法を用
いている。
【0110】具体的には時系列情報に変換した信号をウ
ェーブレット変換により複数の周波数帯域に分離して
(ステップ214)、輪郭線情報を時間−周波数領域に
変換することにより、各周波数帯域における信号強度を
算出し、この信号強度の特徴から幅変形等の輪郭線の変
形を判定する(ステップ216)。例えば、端部の周期
的な凹凸が局部的に存在する幅変形の場合は、図31
(A)に示すように、端部の凹凸による周期よりも低い
周波数成分が生じ、周波数成分の信号強度が高くなる。
この現象を利用し、周波数成分の信号強度を判定指標と
して、図31(B)に示すようにこの判定指標がしきい
値より高いくなる部位を幅変形部位として判定する。
【0111】以上では、複合した照明条件で得られる複
数の色成分画像を合成した合成画像から、織物における
不具合を検出する例を説明したが、この複数の色成分画
像を合成する組み合わせは、本実施の形態で説明した例
だけではなく目的に応じて選択できるものである。 (11)次に、各照明装置の各々に応じた画像と合成画
像とに基づく検査結果の情報から、更に高精度の検査を
実施する方法について説明する。まず、照明装置32を
用いて織物の他の情報を更に抽出する例について説明す
る。
【0112】本実施の形態における織物は、その品種に
よって様々な柄を有している。この柄の変化位置の主た
る検出手法に関しては上記の(7)で説明した通りであ
る。
【0113】以下では、図32(A)に示すように、織
り構造が異なる左右2つの部位を抽出する場合に関して
説明する。この織りの構造が異なる2つの部位において
は、織り目の形状(長さ、幅)が上述した検出手法にお
ける織り目と若干異なっており、画像処理等の条件(膨
張収縮等の回数)を変更する必要が生じる場合がある。
すなわち、実際の検査においては、この部位を分離して
抽出し、その部位毎に画像処理を行うことが望ましい。
【0114】そこで、照明装置32による赤色成分画像
から図32(A)における変化織り部を抽出すれば、変
化織り部は全ての柄において共通しているので、全ての
柄の変化位置を分離して抽出し、その部位毎に画像処理
を行うことができる。
【0115】この変化織り部は織り目の幅が太いので、
図33に示すように、原画像から赤色成分画像を抽出し
(ステップ240)、この赤色成分画像から各織り目を
抽出した後に(ステップ242)、膨張収縮処理によっ
て図32(B)に示すように変化織り部の織り目を主と
して抽出する(ステップ244)。この抽出結果画像か
ら、上述した照明装置30による織り柄変化位置の検出
と同様に、織り方向への膨張収縮処理、または、先の全
幅の検出と同様に織り方向への積算による分布図の算出
を行って変化織り部の織り目を抽出し(ステップ24
6)、抽出した変化織り部の織り目から変化織り部の左
右端位置を検出する(ステップ248)。この変化織り
部の位置検出は、上述した織り柄変化位置の場合と同様
に、主として検査の開始時に実行する。検査の開始時に
検出した織物の左右端、全幅、織り柄変化位置、変化織
り部位置等の情報を解析情報共有装置44で共有し、所
定の長さで間欠的に搬送される織物の検査毎に、これら
の共有情報を利用した織物の外観の状態を検査するため
の検査領域の生成、及び位置補正等を実施する。
【0116】この解析情報共有装置44での共有情報か
ら、検査領域を生成する方法及び他の検査に関して、以
下に説明する。まず、図33を参照して柄幅の検査に関
して説明する。本実施の形態における織物には、上述し
たように柄が変化している。この柄の変化位置は、左右
対称に存在しており、各柄部分は所定の幅を有するが、
製織時における何らかの要因によりその幅が変動する場
合がある。このため、上記で説明した各検査情報に基づ
いて、織り柄の各幅を算出する。この折柄の幅及び変化
織り部の幅は、以下のように隣り合う位置情報の幅方向
での差の絶対値として求められる。
【0117】・織物の端部(左側)の織り柄の幅 =
(左端部の位置―左側の変化織り部の左端)の絶対値 ・織物の左側の変化織り部の幅 =(変化織り部の左端
一変化織り部の右端)の絶対値 これらの算出結果を所定の幅あるいは左右で対称な織り
柄同士で比較判定する。特に、左右で対称な織り柄同士
における幅の相違は、意匠性を損ねるために異常として
検出する。このような対称性を損ねる異常な柄幅の変動
は、織り方向に連続するために、主にその織物の検査の
開始時に実行する。
【0118】次に、図34を参照して共有情報から検査
領域の生成及びその位置補正を行なうルーチンについて
説明する。なお、図34において図7と対応する部分に
は同一符号を付して説明を省略する。各織り柄の幅の異
常は、上述したように主として検査の開始時に実行する
(ステップ230)が、織物は全幅に所定の許容範囲内
の変動を持って製造されている。また、搬送される織物
は、左右への位置ずれ等が生じる。このため、許容範囲
内における幅の変動が生じた場合、上記のように各織り
柄の幅を算出すると、所定の基準幅と相違する。また、
左右への位置ずれ等が生じた場合、各織り柄の変化位置
が予め求めた基準情報と相違する。この2つの基準幅及
び基準情報との相違は、特に織り柄の部位毎に画像処理
等の手法を替えて検査する必要がある場合や糸抜け等と
織り柄変化位置における織り目の隙間を位置情報から分
離する際に大きな影響を与える。
【0119】そこで、本実施の形態では、織物の全幅及
びその左右端に関して、所定の長さで間欠搬送される織
物毎に常時検出を行い(ステップ232)、その情報を
解析情報共有装置44に格納して共有する。全幅が変化
した場合は、織物の性質上、全ての部位において均等に
幅が変形する。このため、検出した全幅が変化したか否
かを判断し(ステップ234)、全幅が変化した場合に
は検出した全幅の情報に基づいて、各織り柄の幅を均等
に変化させる。また、左右端の位置が変化した場合は
(ステップ234)、その位置情報から各織り柄変化位
置、変化織り部位置等をシフトさせる。これらの位置情
報の補正結果に基づいて検査領域の再設定を行うことが
可能になり(ステップ234)、幅の変動や位置ずれに
影響されない安定な検査が可能となる。
【0120】さらには、上述した幅変形あるいは耳欠け
等端部の形状に不具合が検出された場合には、位置情報
等の補正を行わず、次ぎに搬送されてくる正常な織物の
情報に基づいて補正する。また、この際に検査の開始時
に検出した基準となる織り柄変化位置、変化織り部位置
等を再検出して情報を更新する。
【0121】上記では、特に織物における織りの状態、
及び形状の状態を判定する例について述べてが、織物表
面に汚れ等が発生した場合には、織物表面と汚れとで光
の反射率が異なるため、前述した光沢以上と同様に、特
に赤色成分画像から濃淡の差を検出して判定することが
できる。
【0122】また、織物が赤、緑、青等の波長が制限さ
れた色に染色されている場合には、本実施の形態で説明
した波長を異ならせた光を同時に照射する方法では、充
分に性能を発揮できない場合がある。すなわち、赤色成
分だけの織物では波長が制限された緑色または青色の光
を照射しても光の反射が生じないことになる。しかしな
がら、本実施の形態で検反対象としている織物は、原色
でない灰色等の数種の単色に染色されているが、赤、
緑、青色の染料を混合して灰色等に染色されており、本
実施の形態で説明した波長を異ならせた光を同時に照射
する場合においても反射光を得ることができる。本実施
の形態では、検査開始時に各照射条件毎の画像の明るさ
を求めて、織物の色毎に同一の照明条件で得られる反射
光の強さが略同じになるように光の照射強度をフィード
バック制御しているので、織物の色毎に反射特性が異な
っても略同一の反射強度を得ることができる。
【0123】本実施の形態によれば、従来困難とされて
いた織物表面の目飛び、糸緩み、糸抜け、糸吊り、キズ
すじ等の織りの状態、幅変形、耳欠け、耳緩み、耳毛
羽、全幅等の形状の状態、毛羽、毛羽玉、結び目等の糸
の解れ・固まり、樹脂剤等の回形物の付着、織り柄の
幅、織り柄の変化位置等織りの構造、擦れによる織り目
の光沢異常、圧痕等を総合的に簡易かつ確実に検査でき
る、という効果が得られる。また、目視や手触り等で検
査する検査員の体調等に依存する見逃しの防止、省人化
が実現できる、という効果が得られる。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検査織物における特徴が異なる複数種類の不具合を単
一の検査装置で簡易かつ確実に検出することができる、
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る織物検査装置
の概略図である。
【図2】(A)、(B)、(C)は、第1の実施の形態
の各照明装置の照明により得られた画像の例を示す図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る織物検査装置
の概略図である。
【図4】カラーカメラの分光感度と照明装置各々の照明
光の波長域との関係を示す線図である。
【図5】発光ダイオードアレイを用いた照明装置の一例
を示す概略図である。
【図6】(a)〜(d)は合成画像、青色成分画像、緑
色成分画像、赤色成分画像の例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の検反処理ルーチンを示す流
れ図である。
【図8】織物表面の反射特性を示す模式図である。
【図9】各織り目の平坦部の輪郭形状が認識し易くなる
ようすを示した図である。
【図10】目飛びを検出する赤色成分画像の目飛び判定
ルーチンを示す流れ図である。
【図11】膨張収縮処理によって明確に織り目が分離さ
れた2値化画像を示す図である。
【図12】織り目の長さと織り目の個数とを特徴量とし
て作成した分布図である。
【図13】(A)はフィルタリング処理により得られた
画像を示す図、(B)は2値化画像に対して膨張収縮処
理を実施して得られた画像を示す図である。
【図14】(A)は糸抜けの画像を示す図、(B)は糸
吊りの画像を示す図、(C)はキズすじの画像を示す図
である。
【図15】糸抜け及び糸吊りを検出する緑色成分画像解
析装置の判定ルーチンを示す流れ図である。
【図16】(A)は糸吊り画像を示す図、(B)は
(A)の反転画像を示す図である。
【図17】キズすじを判定するルーチンを示す流れ図で
ある。
【図18】濃度ヒストグラムによるキズすじの判定例を
示す線図である。
【図19】織り柄変化位置を判定するルーチンを示す流
れ図である。
【図20】織り柄変化位置の検出事例の画像を示す図で
ある。
【図21】B光照明装置によって照明された織物の見え
方を示す図である。
【図22】毛羽、毛羽玉、結び目の検出ルーチンを示す
流れ図である。
【図23】毛羽に基づく成分の抽出画像を示す図であ
る。
【図24】樹脂かす等の織物表面への付着物の検出ルー
チンを示す流れ図である。
【図25】織物表面における樹脂かすの抽出画像を示す
図である。
【図26】スリップすじの抽出画像を示す図である。
【図27】スリップすじを検出するルーチンを示す流れ
図である。
【図28】G光照明装置及びR光照明装置による合成画
像を示す図である。
【図29】織物の全幅及び幅変形等を検出するルーチン
そ示す流れ図である。
【図30】織物の全幅の検出画像を示す図である。
【図31】周波数解析を利用した幅変形の検出を説明す
る線図である。
【図32】織り構造が異なる左右の変化織り部の抽出画
像を示す図である。
【図33】変化織り部の抽出ルーチンを示す流れ図であ
る。
【図34】共有情報を抽出して検査領域の再設定等を行
うルーチンの流れ図である。
【符号の説明】
10 織物 28 B光照明装置 30 G光照明装置 32 R光照明装置 34 カラーカメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山下 真彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 柏原 寛親 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大嶋 満寿治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 深本 昌宏 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地豊田紡織 株式会社内 (72)発明者 関原 孝俊 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地豊田紡織 株式会社内 (72)発明者 木村 栄宏 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地豊田紡織 株式会社内 (72)発明者 吉田 和彦 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地豊田紡織 株式会社内 Fターム(参考) 3B154 AB20 AB27 BA53 BB18 BB47 BC42 CA02 CA03 CA13 CA16 CA22 CA29 CA43 DA30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査対象織物に対して光を照射する方向
    及び光を照射する角度の少なくとも一方が異なる複数の
    光を照射して被検査対象織物を照明する照明手段と、 照明された被検査対象織物を撮像して被検査対象織物の
    表面画像を取得する画像取得手段と、 被検査対象織物の表面画像の明るさに応じて前記光の照
    射強度を制御する照射制御手段と、 少なくとも被検査対象織物の側端部に対応する部位にお
    いて鏡面特性または無反射特性を有する被検査対象載置
    台と、 前記被検査対象織物の表面画像を解析して被検査対象織
    物の外観の検査を行う画像解析手段と、 を含む織物検査装置。
  2. 【請求項2】前記複数の光は、 被検査対象織物の織り方向から被検査対象織物表面に対
    して低い角度で被検査対象織物を照明する第1の光と、 被検査対象織物の織り方向と交差する方向から被検査対
    象織物表面に対して低い角度で被検査対象織物を照明す
    る第2の光と、 被検査対象織物の織り方向と交差する方向から被検査対
    象織物表面に対して高い角度で被検査対象織物を照明す
    る第3の光と、 を含む請求項1に記載の織物検査装置。
  3. 【請求項3】前記複数の光の波長を異ならせた請求項1
    または2に記載の織物検査装置。
  4. 【請求項4】前記画像解析手段は、被検査対象織物の表
    面画像を照明した光毎の画像に分離するか、または照明
    した複数の光毎の画像を合成し、被検査対象織物の外観
    の検査を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物
    検査装置。
  5. 【請求項5】前記画像解析手段は、 前記被検査対象織物の表面画像の輝度分布から被検査対
    象織物の織り目の形状を抽出し、抽出した織り目の形状
    に基づいて前記被検査対象織物の織り状態を検出する手
    段と、 前記織り目の輝度分布に基づいて光沢異常を検出する手
    段と、 を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の織物検査装
    置。
  6. 【請求項6】前記画像解析手段は、 被検査対象織物の表面画像の輝度分布から被検査対象織
    物の織り目の隙間を抽出し、抽出した織り目の隙間に基
    づいて前記被検査対象織物の織り柄変化位置を抽出する
    手段と、 抽出した織り柄変化位置に基づいて織り柄幅を算出する
    手段と、 を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物検査装
    置。
  7. 【請求項7】前記画像解析手段は、前記織り目の隙間の
    大きさ、周期、位置、濃度ヒストグラムのパターン、及
    び特徴量の少なくとも1つに基づいて、被検査対象織物
    の糸抜け、糸吊り、キズすじ、及び異常柄の少なくとも
    1つを検出する請求項6に記載の織物検査装置。
  8. 【請求項8】前記画像解析手段は、 被検査対象織物の表面画像の輝度分布から被検査対象織
    物の側端部の輪郭線を抽出する手段と、 抽出した側端部の輪郭線の長さ方向における分布情報を
    算出する手段と、前記輪郭線の分布情報に基づき前記被
    検査対象織物の幅を算出する手段と、 を含む請求項1〜7のいずれか1項記載の織物検査装
    置。
  9. 【請求項9】前記画像解析手段は、 被検査対象織物の表面画像の輝度分布から被検査対象織
    物の側端部の輪郭線を抽出する手段と、 前記側端部の輪郭線を時間−周波数領域へ変換する手段
    と、前記変換された周波数成分の信号強度に基づいて前
    記被検査対象織物の側端部の形状異常を判定する判定指
    標を算出し、前記判定指標としきい値とを比較して前記
    側端部の形状異常を判定する手段と、 を含む請求項1〜7のいずれか1項記載の織物検査装
    置。
  10. 【請求項10】前記画像解析手段は、 被検査対象織物の表面画像の輝度分布から被検査対象織
    物の側端部の輪郭線を抽出する手段と、 前記側端部の輪郭線から前記被検査対象織物の位置情報
    を算出する手段と、 前記被検査対象織物の位置情報に基づいて、前記被検査
    対象織物の外観の状態を検査するための検査領域を生成
    する検査領域生成手段と、 前記被検査対象織物の側端部の位置情報と幅情報とに基
    づいて、柄幅及び柄変化位置を含む検査結果情報を修正
    する手段と、 を含む請求項1〜7のいずれか1項記載の織物検査装
    置。
  11. 【請求項11】前記画像解析手段は、 被検査対象織物の表面画像の輝度分布から被検査対象織
    物の表面に突出した糸、糸の固まり、表面に付着した異
    物、または圧痕に関する情報を抽出し、抽出した情報の
    長さ、面積、及び周囲長の少なくとも1つに基づいて、
    前記被検査対象織物の表面における毛羽、毛羽玉、結び
    目を含む糸の解れ、糸の固まり、樹脂かすを含む付着
    物、及びスリップすじを含む圧痕の少なくとも1つを検
    出する請求項1〜10のいずれか1項記載の織物検査装
    置。
  12. 【請求項12】被検査対象織物の表面が起伏しないよう
    に可変可能な所定の長さで間欠搬送する搬送手段を更に
    含み、画像解析手段は、前記被検査対象織物の長さ方向
    に対して連続して検査を行なう請求項1〜11のいずれ
    か1項記載の織物検査装置。
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