JP2015184268A - 光沢度測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維を含む測定対象物の光沢度を簡易かつ短時間で精度よく測定することが可能になる光沢度測定方法及び光沢度測定装置を提供する。【解決手段】複数の配向方向にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物を、複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向において湾曲させて、測定対象物の光沢の測定面を凸形状にする湾曲工程(ステップS1)と、湾曲させた測定対象物の測定面に光源装置から光を照射する光照射工程(ステップS2)と、光の照射された測定面を撮像装置で撮像して撮像画像を取得する撮像工程(ステップS3)と、撮像画像から複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向における輝度分布を検出する輝度分布検出工程(ステップS4)と、輝度分布に基づいて測定対象物の測定面の光沢度を算出する光沢度算出工程(ステップS5)と、を含む。【選択図】 図2

Description

本発明は、繊維を含む測定対象物の光沢度を簡易かつ短時間で精度よく測定することが可能になる光沢度測定方法及び装置に関する。
物体の質感を表わすモデルとして、BRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function:双方向反射分布関数)が知られている。BRDFは、任意の入射角の入射光に対する任意の反射角の反射光の比率を表わす。BRDFを測定するには、例えば、傾斜及び回転が自在なステージであるゴニオステージに測定対象物を置き、照明位置を少しずつ変えながら多方向から測定対象物の撮像を行い、演算を繰り返す。
特許文献1は、ウィーナー推定法を用いて、画素値ベクトルから物体のBRDFベクトルを推定する推定行列を作成し、線型演算により物体のBRDFを算出することを、開示している。
特許文献2は、印刷が施された被検査印刷媒体と、入射光を正反射する部材とを重ねて配置し、正反射する部材への光源の写り込みの位置により被検査印刷媒体の検査対象領域を特定することを、開示している。
特許文献3は、測定ではなくシミュレーションであるが、鏡面反射モデル及び拡散反射モデルに基づいて拡散反射輝度及び鏡面反射輝度を含む画像を生成し、この画像に基づいて拡散反射色、鏡面反射色及び表面粗さ成分を光沢感評価値として分離して取得することを、開示している。
特許文献4は、用紙の搬送方向において用紙に撓みを形成することにより用紙のばたつきを抑え、用紙に向かって発光部から光を照射して、用紙上のトナー画像で正反射された光の光量(正反射光量)を受光部で検知し、その正反射光量に基づいて画像の光沢を導出することを、開示している。
特開2005−259009号公報 特開2010−145197号公報 特開2011−196814号公報 特開2013−213746号公報
物体の質感を表わすモデルとしてBRDFを測定する場合、任意の入射角の入射光に対する任意の反射角の反射光の比率を求める必要があり、光源、受光素子あるいは測定対象物を少しずつ動かしながら多方向から撮影するため、非常に時間がかかり、測定装置が大掛かりになるという問題がある。
また、インターネット上のEC(Electronic Commerce)サイトで、衣服等の各種の商品の検索が行われており、商品の質感に基づいても容易に検索を行えることができるようにする必要がある。
例えば同じ色、同じ柄、同じサイズ、等を有する衣服であっても光沢感が異なるだけで、受ける印象が全く異なる場合がある。また使用場面に応じて求められる光沢感が異なる場合があり、例えば葬儀等の厳かな場で着用される礼服としては光沢感が抑えられたものが求められる傾向がある一方で、パーティー等のカジュアルな場で着用されるドレスとしては光沢感が強いものが求められる傾向がある。ユーザが商品の光沢感を指標として商品を検索することが可能になれば、ユーザが商品の購入決断をし易くなると考えられる。
しかしながら、実際にユーザがECサイト上において商品の光沢感の情報を得ようとする場合、ECサイト上で表示される「商品画像」や「商品の素材」等の他の情報から光沢感を類推する必要があり、非常に不便である。
そこで、上述のBRDFを用いて商品の光沢度を測定し、商品検索の指標として用いることも考えられるが、上述のように測定に非常に時間がかかり、測定装置が大掛かりになるという問題があるため、実際には光沢感による商品検索が可能なシステムの構築は、困難である。
また、簡易に短時間で光沢度を求める方法としては、単に商品画像から最高輝度を検出して光沢度を算出する方法や、商品の素材から一義的に光沢度を推定する方法などが考えられるが、これらの簡易な方法では、実際の商品の光沢の程度を示す指標である光沢度を求めることが困難である。
特に、繊維を含む衣服等の布製品では、繊維の織構造に応じて光沢が異なり、繊維の配向方向と光源装置及び撮像装置との位置関係が適切でないと、精度よく光沢度を測定することができない。
特許文献1の発明によれば、BRDFの推定行列を予め作成しておくことで線型演算により高速に物体のBRDFを推定可能ではあるが、BRDFの推定行列の作成にはやはり時間がかかり、実際には簡易でない。
特許文献2の発明は、被検査印刷媒体とは別に設けられた正反射する部材への光源の写り込みを利用して、被検査印刷媒体の検査対象領域を特定することは可能であるが、BRDFのような光沢度の指標を取得する構成ではない。
特許文献3の発明は、測定ではなくシミュレーションであり、鏡面反射モデル及び拡散反射モデルに基づいて拡散反射輝度及び鏡面反射輝度を含む画像を生成する必要があるため、画像生成も容易でなく、やはり時間がかかると考えられる。
特許文献4の発明は、搬送中の用紙の光沢度を測定するために、搬送中の用紙の位置が不安定とならないように用紙を撓ませているにすぎず、正反射光量に基づいて、どのように精度良く光沢度を算出するかについては文献に開示がない。
これらの特許文献1〜4は、繊維を含む布製品のような測定対象物について簡易かつ短時間で精度よく光沢度を測定する観点の記載がない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、繊維を含む測定対象物の光沢度を簡易かつ短時間で精度よく測定することが可能になる光沢度測定方法及び装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一の態様に係る光沢度測定方法は、複数の配向方向にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物を、複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向において湾曲させて、測定対象物の光沢の測定面を凸形状にする湾曲工程と、湾曲させた測定対象物の測定面に光源装置から光を照射する光照射工程と、光の照射された測定面を撮像装置で撮像して撮像画像を取得する撮像工程と、撮像画像から複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向における輝度分布を検出する輝度分布検出工程と、輝度分布に基づいて測定対象物の測定面の光沢度を算出する光沢度算出工程と、を含む。
本発明の一の態様によれば、複数の配向方向にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物を、複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向において湾曲させ、かつ湾曲させた方向である少なくともひとつの配向方向の直交方向における輝度分布を検出し、検出された輝度分布に基づいて測定対象物の測定面の光沢度を算出することにより、BRDF(双方向反射分布関数)を求める場合と比較して簡易かつ短時間で光沢度を測定でき、かつ測定対象物を湾曲させないで撮像した一枚の撮像画像から光沢度を求める場合と比較して精度よく光沢度を測定できる。
本発明の他の態様に係る光沢度測定方法において、光照射工程では、測定対象物の測定面に対して、少なくともひとつの配向方向に沿ったストライプ状の光を照射し、輝度分布検出工程では、撮像画像から、輝度分布として少なくとも測定面の反射光によるストライプ状の高輝度領域の幅方向に沿った輝度分布を検出する。これにより、光源装置としてストライプ状の光を照射する光源装置を用意するだけで、ストライプ状の反射光に対応する撮像画像中のストライプ状の高輝度領域に対応した輝度分布が検出され、その輝度分布に基づいて光沢度が算出されるので、光沢度を高精度で得ることが可能になる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定方法において、光照射工程では、測定対象物の測定面に対して、点光源又は面光源から光を照射し、輝度分布検出工程では、撮像画像から、相互に交わる二方向に沿った輝度分布を検出し、光沢度算出工程では、相互に交わる二方向に沿った輝度分布に基づいて光沢度を算出する。これにより、特別な光源装置を用意しなくても、点光源又は面光源を用いて光沢度を精度よく得ることが可能になる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定方法において、測定対象物湾曲工程では、測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具を用い、測定対象物を第1の方向において湾曲させて光照射工程及び撮像工程を行って第1の撮像画像を取得した後に、測定対象物を治具に対して相対的に回動させ、測定対象物を第2の方向において湾曲させて光照射工程及び撮像工程を行って第2の撮像画像を取得し、輝度分布検出工程では、第1の撮像画像から第1の方向における輝度分布である第1の輝度分布を検出して、第2の撮像画像から第2の方向における輝度分布である第2の輝度分布を検出し、光沢度算出工程では、第1の輝度分布及び第2の輝度分布に基づいて光沢度を算出する。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定方法において、測定対象物湾曲工程では、測定対象物を一回で同時に複数方向において湾曲させる治具を用い、輝度分布検出工程では、撮像画像から測定対象物を湾曲させた方向である複数方向の輝度分布を検出し、光沢度算出工程では、複数方向の輝度分布に基づいて光沢度を算出する。これにより、測定対象物を一回で同時に複数方向において湾曲させる治具が用いられ、湾曲させた方向にある複数方向の輝度分布が検出されるので、簡易かつ短時間で光沢度を得られることになる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定方法において、輝度分布検出工程では、測定対象物の第1の配向方向の直交方向における輝度分布である第1の輝度分布と、測定対象物の第2の配向方向の直交方向における輝度分布である第2の輝度分布とを検出し、光沢度算出工程では、第1の輝度分布及び第2の輝度分布に基づいて測定対象物の測定面の光沢度を算出する。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定方法において、光沢度算出工程では、輝度分布におけるピーク値、山形状部分の幅、面積、及び伝達関数のうちの少なくともひとつを算出する。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定方法において、測定対象物湾曲工程では、測定対象物の配向方向ごとに測定面への繊維の露出面積が異なる場合、少なくとも繊維の露出面積が最も大きい配向方向の直交方向において測定対象物を湾曲させる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定装置において、複数の配向方向にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物を、複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向において湾曲させて、測定対象物の光沢の測定面を凸形状にする治具と、湾曲させた測定対象物の測定面に光を照射する光源装置と、光の照射された測定面を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、撮像画像から複数の配向方向のうちでひとつの配向方向の直交方向における輝度分布を検出し、輝度分布に基づいて測定対象物の測定面の光沢度を算出する画像処理装置と、を備える。
本発明の他の態様に係る光沢度測定装置において、治具は、測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具である。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定装置において、治具として、棒形状の治具を用いる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定装置において、治具として、一方向に沿ってV字形状、U字形状又は凸形状を有する治具を用いる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定装置において、治具として、測定対象物を1回で同時に複数方向において湾曲させる治具を用いる。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定装置において、治具は、四脚の材料からなり、測定対象物を置いた場合に測定対象物を治具の頂点から同時に四脚のそれぞれに沿って傾斜させる治具である。
本発明の更に他の態様に係る光沢度測定装置において、治具は、測定対象物を載置する半球面を有する。
本発明によれば、繊維を含む測定対象物の光沢度を簡易かつ短時間で精度よく測定することが可能になる。
光沢度測定装置の構成例を示すブロック図 光沢度測定方法の概略を示すフローチャート 測定対象物の一例である布における繊維の配向方向の説明図 治具の例を示す図 四脚治具の平面図 四脚治具の側面図 光源装置の例を示す説明図 実施例1における湾曲、光照射及び撮像の説明に用いる説明図 実施例1における光沢度測定方法のフローチャート 実施例1における反射光の説明に用いる説明図 実施例1における撮像画像例を示す図 実施例1における輝度分布例を示す図 実施例1における光沢度算出例の説明に用いる説明図 実施例2における湾曲、光照射及び撮像の説明に用いる説明図 実施例2における光沢度測定方法のフローチャート 実施例2における反射光の説明に用いる説明図 実施例3における湾曲、光照射及び撮像の説明に用いる説明図 実施例3における光沢度測定方法のフローチャート 実施例3における輝度分布例を示す図
以下、添付図面に従って本発明に係る光沢度測定方法及び光沢度測定装置の実施の形態について説明する。
<光沢度測定装置>
本発明の光沢度測定装置について説明する。
図1は、測定対象物8の測定面の光沢度を測定する光沢度測定装置10の構成例を示すブロック図である。
治具12は、複数の配向方向D1、D2にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物8を、複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向(D1及び/又はD2)の直交方向において湾曲させて、測定対象物8の光沢の測定面Mを凸形状にする。尚、本実施形態では測定対象物8の繊維の「配向方向」がD1及びD2の二方向である場合を例にして説明するが、これに本発明は限定されず、測定対象物8の繊維の「配向方向」が三方向以上である場合にも本発明を適用可能である。測定対象物及び繊維の配向方向の具体例は、後に説明する。
光源装置14は、湾曲させた測定対象物8の測定面Mに光を照射する。
撮像装置15は、光の照射された測定面Mを撮像して撮像画像を取得する。
ユーザインタフェイス16は、各種の表示を行う表示部17と、ユーザの指示入力を受けつけるユーザ入力部18とを含んで構成される。
画像処理装置20は、光源装置14を制御する光源装置制御部21と、撮像装置15から撮像画像を入力する画像入力部22と、複数の配向方向のうちで撮像画像から少なくともひとつの配向方向(D1及び/又はD2)の直交方向における輝度分布を検出する輝度分布検出部23と、検出された輝度分布に基づいて測定対象物8の測定面Mの光沢度を算出する光沢度算出部24と、算出された光沢度を光沢度データとして外部に出力する外部入出力部25と、各種の情報を記憶する記憶部26と、画像処理装置20の各部21〜26を制御する制御部27を含んで構成される。
繊維の「配向方向」は、繊維の揃えられている方向(言い換えると、揃えられた繊維の長さ方向)をいう。
繊維の配向方向の「直交方向」は、繊維の配向方向に対して正確に90度である方向だけでなく、誤差範囲(一般的に配向方向に対して70度以上110度以下)を含む方向である。
光沢度は、測定対象物8の測定面の光沢の程度を示す指標である。
<光沢度測定方法>
本発明の光沢度測定方法について説明する。
図2は、光沢度測定方法の概略を示すフローチャートである。
まず、ステップS1(湾曲工程)において、治具12により、複数の配向方向D1、D2にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物8を、複数の配向方向D1、D2のうちで少なくともひとつの配向方向(D1及び/又はD2)の直交方向において湾曲させて、測定対象物8の光沢の測定面Mを凸形状にする。
次に、ステップS2(光照射工程)において、湾曲させた測定対象物8の測定面Mに、光源装置14から光を照射する。
ステップS3(撮像工程)において、光の照射された測定対象物8の測定面Mを撮像装置15で撮像して撮像画像を取得する。
ステップS4(輝度分布検出工程)において、画像処理装置20により、ステップS3で取得された撮像画像から複数の配向方向D1、D2のうちで少なくともひとつの配向方向(D1及び/又はD2)の直交方向における輝度分布を検出する。
ステップS5(光沢度算出工程)において、ステップS4で検出された輝度分布に基づいて測定対象物8の測定面Mの光沢度を算出する。
<測定対象物及び繊維の配向方向>
測定対象物8及び繊維の配向方向D1,D2の具体例について説明する。
図3は、測定対象物8の一例である布31、32、33の織構造を示す説明図である。符号31は「平織」の布であり、符号32は「綾織」の布であり、符号33は「朱子織」の布である。これらの布31、32、33のいずれも、二方向D1、D2にそれぞれ繊維が配向されている。
尚、本発明の光沢度測定方法における測定対象物8は、図示した布31〜33には限定されない。測定対象物8の繊維の織構造、繊維の断面形状は限定されない。また、図示した布は、撚糸で構成されているが、無撚糸で構成された物でもよい。
<治具>
治具12の具体例について、図4を用いて説明する。
符号41の治具は、棒形状の治具(以下「棒状治具」という)である。図中の棒状治具41は円柱であり、棒状治具41の長さ方向Lにおいて、一定の直径の円形状の断面が連続している。ここで「円形状」は、楕円形状を含む。尚、棒状治具の長さ方向に直交する断面形状は、「円形状」に限定されない。例えばU字形状の断面であってもよい。ただし、断面形状は、長さ方向に沿って一定である。即ち、測定対象物8が可撓自在の材料であって、測定対象物8を棒状治具41の外周面に掛けた場合、測定対象物8の凸形状(「湾曲形状」ともいう)を長さ方向Lにおいて、ほぼ一定にすることが可能である。
符号42の治具は、山形状の断面を有する治具(以下「山形状断面治具」という)である。言い換えると、山形状断面治具42は、ページを開いたまま伏した状態の本と同様な形状を有している。「山形状断面治具」の長さ方向Lに直交する断面形状は、長さ方向Lに沿って一定である。即ち、測定対象物8が可撓自在の材料であって、測定対象物8を山形状断面治具42の凸面に載置した場合、測定対象物8の凸形状を長さ方向Lに沿って、ほぼ一定にすることが可能である。尚、「山形状断面治具」の長さ方向Lに直交する断面形状は、図示の断面形状に限定されず、一方向に沿って、断面形状の少なくとも一部に、V字形状、U字形状、あるいはその他の凸形状があればよい。
符号43の治具は、四脚51、52、53、54の材料からなり、測定対象物8が載置された場合に測定対象物8を頂点50から同時に四脚51、52、53、54のそれぞれに沿って傾斜させる治具(以下「四脚治具」という)である。四脚治具43の平面図を図5として示し、四脚治具43の側面図を図6として示す。図5において、頂点50側から見たときの四脚51、52、53、54の脚間の角度は、90度が好ましい。この場合、測定対象物8を、四脚治具43の頂点50から同時に90度ずつ異なる四方のそれぞれに向けて傾斜させることが可能である。
尚、本発明において四脚治具43は、頂点50側から見た脚間の角度が90度でない場合を含む。例えば、第1の脚51と第2の脚52との間の角度及び第3の脚53と第4の脚54との間の角度が60度(あるいは45度)であって、第2の脚52と第3の脚53との間の角度及び第4の脚54と第1の脚51との間の角度が120度(あるいは135度)である場合でもよい。ただし、図5に示したように、頂点50側から見て第1の脚51と第3の脚53とが直線状に見え且つ第2の脚52と第4の脚54とが直線状に見える形状であることが好ましい。これにより、測定対象物8の測定面Mにおける少なくともひとつの配向方向を、二つの脚の長さ方向(具体的には第1の脚51及び第3の脚53の長さ方向L1、又は第2の脚52及び第4の脚54の長さ方向L2)に、揃えることが可能になる。
四脚51、52、53、54の脚間の角度が全て90度である場合には、図3に示した布31〜33のように二つの配向方向D1、D2が互いに直交する測定対象物を載置したとき、二つの配向方向D1及ぶD2の両方が四脚51〜54の傾斜の方向に揃えることが可能になり、好ましい。
符号44の治具は、測定対象物8を載置する半球面を有する治具(以下「半球面治具」という)である。言い換えると、半球面治具44は、いわゆるお椀(Bowl)の形状を有している。ここで「半球面」は、真半球(真球を切断して形成される半球である)の曲面と同じ場合には限定されず、半楕円球(楕円球を切断して形成される半球)の曲面と同じであってもよい。また、「半球面」とは、球を正確に二等分した半球の曲面を意味するのではなく、球の一部分の曲面を意味する。測定対象物8が可撓自在の材料であれば、測定対象物8を半球面治具44に載置した場合、測定対象物8を、頂点55を中心とした、いずれの方向(図中のいずれの矢印方向)に対しても弧形状とすることが可能である。つまり、半球面治具44は、測定対象物8を、半球面治具44の頂点55から同時に少なくとも90度ずつ異なる四方のそれぞれに向けて傾斜させることが可能である。
上述の棒状治具41及び山形状断面治具42は、「測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具」の一形態に相当する。棒状治具41あるいは山形状断面治具42に、測定対象物8として例えば図3に示した布31〜33を載置する場合、配向方向D1及びD2のうちのひとつの配向方向D1又はD2に沿って、布31〜33を一定の凸形状にすることが可能である。
上述の四脚治具43及び半球面治具44は、「測定対象物を一回で同時に複数の方向において湾曲させる治具」の一形態に相当する。
治具12の材料は特に限定されないが、測定対象物8の測定面の反射光に依存した撮像画像中の輝度分布に与える影響を小さくするため、光の反射率が表面において一定であり、且つ反射率の小さい材料とすることが好ましい。
<光源装置>
光源装置の具体例について、図7を用いて説明する。
点光源71は、点状の光源である。例えば、発光ダイオード(LED)、キセノン光源、ハロゲン光源、蛍光灯などが用いられる。
面光源72は、面状の光源である。例えば、発光ダイオードを二次元配列し、配列全体で面状とみなせる光源を用いる。
ストライプ光源73は、ストライプ状(「縞状」ともいう)の光を測定対象物8の測定面に照射する光源である。本例のストライプ光源73は、点光源71と、スリット73aを有するマスク73bを含んで構成される。つまり、点光源71から発光された光がマスク73bを通して測定対象物8に照射されることにより、ストライプ状の光が測定対象物8の測定面に照射される。
図では、スリット73aが3つの場合を例示したが、スリット73aの数は限定されない。スリットがひとつのストライプ光源73を用いてもよい。ただし、輝度分布の検出精度を向上させるためには、スリットを複数設けることが好ましい。
<撮像装置>
撮像装置15は、測定対象物8の測定面を被写体として撮像して、撮像画像をデジタルデータとして出力する装置である。撮像装置15は、デジタルカメラに限定されず、例えばスマートフォンを用いてもよい。例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor),CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を有する撮像装置を用いる。撮像装置15は、測定対象物8の測定面における光源装置14からの照射光の反射(「写り込み」ともいう)を撮像する。ダイナミックレンジ拡張機能を有した撮像装置が、より好ましい。
<光沢度測定方法の実施例>
用いる治具12の種類及び光源装置14の種類により、各種の実施例が考えられる。以下では、代表的な実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
<実施例1>
実施例1では、「測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具」を用い、測定対象物8の湾曲、光照射及び撮像をそれぞれ複数回行う。
図8は、実施例1における湾曲、光照射及び撮像の様子を示す。符号81(即ち図中左側)は、第1回目の湾曲、光照射及び撮像の様子を示す。符号82(即ち図中右側)は、第2回目の湾曲、光照射及び撮像の様子を示す。また、符号83を付した点線は、湾曲前の測定対象物8の形状を示す。
図中の測定対象物8は、図3を用いて説明した布31〜33のいずれかであり、繊維の配向方向がD1及びD2の二方向である。図中の治具12は、図4に示した棒状治具41であるが、これに限定されず、測定対象物8を一回で一方向において湾曲可能な治具を用いればよい。例えば図4に示した山形状断面治具42を用いてもよい。光源装置14として、例えば図7に示した点光源71又は面光源72を用いる。撮像装置15は、特に限定されない。
図9は、実施例1における光沢度測定方法のフローチャートである。
まず、図8の符号81で示すように、治具12により、測定対象物8を第1の配向方向D1の直交方向V1(「第1の方向」に相当する)において湾曲させる(ステップS12)。つまり、測定対象物8の繊維の二つの配向方向D1及びD2のうちでひとつの配向方向(図8では第1の配向方向D1)を、治具12の長さ方向Lに揃えて、測定対象物8を治具12に掛ける(言い換えると「載置する」)。そうすると、治具12により、符号85の矢印で示すように測定対象物8が湾曲する。即ち、測定対象物8が第1の配向方向D1の直交方向V1において湾曲する。本例では、「測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具」を用いているので、測定対象物8の光沢の測定面Mは、治具12の長さ方向L(即ち第1の配向方向D1)に沿ってほぼ一定の凸形状になる。
次に、光源装置14から、湾曲した測定対象物8の測定面Mに対して光を照射する(ステップS14)。図10の符号101は、ステップS14における測定対象物8の測定面Mの反射の様子を示す。
次に、測定対象物8の光の照射された測定面Mを、撮像装置15により撮像する(ステップS16)。この撮像により、例えば、図11に符号111で示す第1の撮像画像が取得される。
次に、ユーザインタフェイス16の表示部17により、第1の撮像画像を表示する(ステップS18)。
ここで、ユーザインタフェイス16のユーザ入力部18により、第1の撮像画像でよいか否かの入力を受け付け(ステップS20)、よいとのユーザ判定が入力された場合には次のステップS22に進み、よくないとのユーザ判定が入力された場合にはステップS12に戻る。尚、ユーザ判定の入力を受け付ける代わりに、画像処理装置20の制御部27で自動的に第1の撮像画像でよいか否かの判定を行うようにしてもよい。
表示された第1の撮像画像でよいとのユーザ判定が入力された場合、測定対象物8を治具12に対して測定面Mで回動させ、図8に符号82で示すように、治具12により、測定対象物8を第2の配向方向D2の直交方向V2(「第2の方向」に相当する)において湾曲させる(ステップS22)。つまり、測定対象物8の繊維の二つの配向方向D1及びD2のうちでひとつの配向方向(図8では第2の配向方向D2)を治具12の長さ方向Lに揃えて、測定対象物8を治具12に掛ける(言い換えると「載置する」)。そうすると、治具12により、符号86の矢印で示すように測定対象物8が湾曲する。即ち、測定対象物8が第2の配向方向D2の直交方向V2において湾曲する。本例では、「測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具」を用いているので、測定対象物8の光沢の測定面Mは、治具12の長さ方向L(即ち第2の配向方向D2)に沿ってほぼ一定の凸形状(「湾曲形状」ともいう)になる。
次に、光源装置14から、湾曲した測定対象物8の測定面Mに対して光を照射する(ステップS24)。図10の符号102は、ステップS24における測定対象物8の測定面Mの反射の様子を示す。測定対象物8は、繊維の配向方向に依存して異方性反射を行うため、図10の符号101の反射と図10の符号102の反射とは、異なる反射状態となる。
次に、測定対象物8の光の照射された測定面Mを、撮像装置15により撮像する(ステップS26)。この撮像により、例えば、図11に符号112で示す第2の撮像画像が取得される。
次に、ユーザインタフェイス16の表示部17により、第2の撮像画像を表示する(ステップS28)。
ここで、ユーザインタフェイス16のユーザ入力部18により、第2の撮像画像でよいか否かの入力を受け付け(ステップS30)、よいとのユーザ判定が入力された場合には次のステップS32に進み、よくないとのユーザ判定が入力された場合にはステップS12に戻る。尚、ユーザ判定の入力を受け付ける代わりに、画像処理装置20の制御部27で自動的に第2の撮像画像でよいか否かの判定を行うようにしてもよい。
表示された第2の撮像画像でよいとのユーザ判定が入力された場合、第1の撮像画像111から第1の配向方向D1の直交方向V1の輝度分布(例えば図12の121)を検出し、かつ第2の撮像画像112から第2の配向方向D2の直交方向V2の輝度分布(例えば図12の122)を検出する(ステップS34)。
次に、輝度分布121及び122に基づいて、測定対象物8の測定面Mの光沢度を算出し(ステップS36)、ユーザインタフェイス16の表示部17により、光沢度を表示する。
「光沢度」の簡易な表示としては、例えば、「強」/「中」/「弱」のように、光沢度を階級で表示することが考えられる。光沢度を例えば1〜100の数値に換算して表示してもよい。光沢度を数値とした後、その数値に対応する長さを有するバーを表示してもよい。
図13を用いて光沢度の算出例について説明する。
図13の符号131は、図12の輝度分布122における山形状部分の半値幅HWを、光沢度として算出する場合を示す。光沢度算出部24は、例えば、二方向の輝度分布121及び122のうちで山形状を有する輝度分布から、半値幅HWを算出する。ここで、「半値幅」は、輝度分布の山形状部分の広がりの程度を表す指標である。尚、図では半値全幅を例示しているが、半値半幅でもよい。二つの輝度分布の半値幅の比を、光沢度として算出してもよい。
図13の符号132は、図12の輝度分布122における輝度分布における面積Aを、光沢度として算出する場合を示す。ここで、「面積」は、輝度分布における輝度の積分値に相当する。尚、図では輝度分布の全範囲において各輝度の全てを積分した場合を例示しているが、このような場合に限定されない。閾値未満の輝度を除き、閾値以上の輝度を積分してよい。二つの輝度分布の半値幅の比を、光沢度として算出してもよい。
また、図12の輝度分布121におけるピーク値と、輝度分布122におけるピーク値との比を、光沢度として算出してもよい。
以上のように、実施例1では、測定対象物8を「一回で一方向において湾曲させる治具」12を用い、測定対象物8を第1の方向(例えば第1の配向方向D1の直交方向V1)において湾曲させて光照射及び撮像を行って第1の撮像画像を取得した後に、測定対象物8を治具12に対して相対的に回動させ、測定対象物8を第2の方向(例えば第2の配向方向D2の直交方向V2)において湾曲させて光照射及び撮像を行って第2の撮像画像を取得し、第1の撮像画像から第1の方向における輝度分布である第1の輝度分布を検出して、第2の撮像画像から第2の方向における輝度分布である第2の輝度分布を検出し、第1の輝度分布及び第2の輝度分布に基づいて光沢度を算出する。
尚、1回目は配向方向D1又はD2のいずれかの直交方向において湾曲及び輝度分布検出を行い、2回目は配向方向D1及びD2に対して非直交(例えば45度や60度)の方向において湾曲及び輝度分布検出を行って、光沢度を算出してもよく、このような場合を本発明は含む。
<実施例2>
実施例2では、「一回で同時に複数方向において湾曲させる治具」を用い、測定対象物8の湾曲、光照射及び撮像をそれぞれ一回のみ行う。
図14は、実施例2における湾曲、光照射及び撮像の様子を示す説明図である。
図中の測定対象物8は、図3を用いて説明した布31〜33のいずれかであり、繊維の配向方向がD1及びD2の二方向である。図中の治具12は、図4に示した四脚治具43であるが、これに限定されず、測定対象物8を一回で同時に複数方向において湾曲させる治具を用いればよい。例えば図4に示した半球面治具44を用いてもよい。光源装置14として、例えば図7に示した点光源71又は面光源72を用いる。撮像装置15は、実施例1と同様、特に限定されない。
図15は、実施例2における光沢度測定方法のフローチャートである。
まず、図14に示すように、治具12により、測定対象物8を一回で第1の配向方向D1の直交方向V1において湾曲されると同時に第2の配向方向D2の直交方向V2において湾曲させる(ステップS42)。つまり、測定対象物8の繊維の二つの配向方向D1及びD2の両方を、治具12の四脚51〜54に揃えて、測定対象物8を治具12に載置する。そうすると、治具12により、測定対象物8が治具12の頂点50から同時に四脚51〜54のそれぞれに向かって傾斜する。即ち、測定対象物8が、第1の配向方向D1の直交方向において湾曲すると同時に、第2の配向方向D2の直交方向において湾曲する。測定対象物8の光沢の測定面Mは、治具12の四脚51〜54に沿ってほぼ一定の凸形状になる。
次に、光源装置14から、湾曲した測定対象物8の測定面Mに対して光を照射する(ステップS44)。図16に、測定対象物8の測定面の反射の様子を示す。測定対象物8は互いに直交する二つの配向方向D1、D2に配向されているので、各配向方向に沿って反射光が強く反射される。
次に、測定対象物8の光の照射された測定面Mを、撮像装置15により撮像する(ステップS46)。この撮像により、一枚の撮像画像が取得される。即ち、図16の反射状態に対応した撮像画像が撮像装置15により取得される。
次に、ユーザインタフェイス16の表示部17により、一枚の撮像画像を表示する(ステップS48)。
ここで、ユーザインタフェイス16のユーザ入力部18により、表示された撮像画像でよいか否かの入力を受け付け(ステップS50)、よいとのユーザ判定が入力された場合には次のステップS52に進み、よくないとのユーザ判定が入力された場合にはステップS42に戻る。尚、ユーザ判定の入力を受け付ける代わりに、画像処理装置20の制御部27で自動的に撮像画像でよいか否かの判定を行うようにしてもよい。
表示された撮像画像でよいとのユーザ判定が入力された場合、撮像画像から、第1の配向方向D1の直交方向V1の輝度分布(例えば図12の121)を検出し、かつ第2の配向方向D2の直交方向V2の輝度分布(例えば図12の122)を検出する(ステップS52)。
つまり、図12に例示したような二つの輝度分布121、122が検出される。
次に、輝度分布121及び122に基づいて、測定対象物8の測定面Mの光沢度を算出し(ステップS54)、ユーザインタフェイス16の表示部17により、光沢度を表示する。光沢度算出及び光沢度表示は、実施例1で説明した例の通りに行えばよい。
以上のように、実施例2では、測定対象物8を「一回で同時に複数方向において湾曲させる治具」12を用い、撮像画像から測定対象物8を湾曲させた方向に対応する複数方向の輝度分布を検出し、検出された複数方向の輝度分布に基づいて光沢度を算出する。
尚、配向方向D1又はD2のいずれかに対して非直交(例えば45度や60度)の方向において湾曲及び輝度分布検出を行って、光沢度を算出してもよく、このような場合を本発明は含む。
<実施例3>
実施例3では、「ストライプ状の光」を測定対象物8に照射する。
図17は、実施例3における湾曲、光照射及び撮像の様子を示す説明図である。
図中の測定対象物8は、図3を用いて説明した布31〜33のいずれかであり、繊維の配向方向がD1及びD2の二方向である。図中の治具12は、図4に示した棒状治具41であるが、これに限定されず、測定対象物8を一回で一方向において湾曲可能な他の治具(例えば山形状断面治具42)でもよいし、測定対象物8を一回で同時に複数方向において湾曲させる治具43、44でもよい。撮像装置15は、実施例1と同様、特に限定されない。
測定対象物8の湾曲、光照射及び撮像は、それぞれ、少なくとも一回行う。図17に示したように棒状治具41を用いる場合、実施例1のように測定対象物8の湾曲、光照射及び撮像を複数回行ってもよいが、繊維の露出面積が最も大きい配向方向が予め分かっている場合には、その繊維の露出面積が最も大きい配向方向の直交方向において測定対象物8を1回のみ湾曲させるだけでも、精度よく光沢度を算出可能である。また、実施例2のように図7の四脚治具43又は半球面治具44を用いる場合、1回のみ湾曲させるだけでよい。
以下では、棒状治具41を用いて、第2の配向方向D2の直交方向に一回のみ湾曲させる場合を例に説明する。
図18は、実施例3における光沢度測定方法のフローチャートである。
まず、図17に示したように、治具12により、測定対象物8を第2の配向方向D2の直交方向V2において湾曲させる(ステップS62)。
次に、光源装置14から、湾曲した測定対象物8の測定面Mに対して光を照射する(ステップS64)。
次に、測定対象物8の光の照射された測定面Mを、撮像装置15により撮像する(ステップS66)。この撮像により、一枚の撮像画像が取得される。
次に、ユーザインタフェイス16の表示部17により、一枚の撮像画像を表示する(ステップS68)。
ここで、ユーザインタフェイス16のユーザ入力部18により、表示された撮像画像でよいか否かの入力を受け付け(ステップS70)、よいとのユーザ判定が入力された場合には次のステップS72に進み、よくないとのユーザ判定が入力された場合にはステップS62に戻る。尚、ユーザ判定の入力を受け付ける代わりに、画像処理装置20の制御部27で自動的に撮像画像でよいか否かの判定を行うようにしてもよい。
次に、撮像画像から、第2の配向方向D2の直交方向V2の輝度分布(例えば図19の輝度分布)を検出する(ステップS72)。
次に、検出された輝度分布に基づいて、測定対象物8の測定面Mの光沢度を算出する(ステップS74)。
図19に示す輝度分布は、ストライプ光源73のスリット73aの幅に依存した波形状であり、この輝度分布の波形状を利用して、光沢度を算出することが好ましい。本例では、輝度分布から伝達関数を算出する。伝達関数は、入射光の強度に対する反射光の強度(あるいは輝度)を示す。簡易な算出態様としては、例えば、入射光と同じ強度の反射光が反射される場合を「100%」として、輝度分布の波の振幅から実際の反射光の強度を求め、入射光に対する実際の反射光の比(例えば80%)を伝達関数として算出する。
以上、実施例1から実施例3に分けて説明したが、本発明はこれらの実施例には限定されず、各種の治具及び各種の治具を適宜組み合わせて行ってよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
8…測定対象物、10…光沢度測定装置、12…治具、14…光源装置、15…撮像装置、16…ユーザインタフェイス、20…画像処理装置、22…画像入力部、23…輝度分布検出部、24…光沢度算出部、25…外部入出力部、27…制御部

Claims (15)

  1. 複数の配向方向にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物を、前記複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向において湾曲させて、前記測定対象物の光沢の測定面を凸形状にする湾曲工程と、
    前記湾曲させた測定対象物の前記測定面に光源装置から光を照射する光照射工程と、
    前記光の照射された測定面を撮像装置で撮像して撮像画像を取得する撮像工程と、
    前記撮像画像から前記複数の配向方向のうちで少なくともひとつの前記配向方向の直交方向における輝度分布を検出する輝度分布検出工程と、
    前記輝度分布に基づいて前記測定対象物の測定面の光沢度を算出する光沢度算出工程と、
    を含む光沢度測定方法。
  2. 前記光照射工程では、前記測定対象物の測定面に対して、少なくともひとつの前記配向方向に沿ったストライプ状の光を照射し、
    前記輝度分布検出工程では、前記撮像画像から、前記輝度分布として前記測定面の反射光によるストライプ状の高輝度領域の幅方向に沿った輝度分布を検出する、
    請求項1に記載の光沢度測定方法。
  3. 前記光照射工程では、前記測定対象物の測定面に対して、点光源又は面光源から光を照射し、
    前記輝度分布検出工程では、前記撮像画像から、相互に交わる二方向に沿った輝度分布を検出し、
    前記光沢度算出工程では、前記相互に交わる二方向に沿った輝度分布に基づいて前記光沢度を算出する、
    請求項1に記載の光沢度測定方法。
  4. 前記湾曲工程では、前記測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具を用い、
    前記測定対象物を第1の方向において湾曲させて前記光照射工程及び前記撮像工程を行って第1の撮像画像を取得した後に、前記測定対象物を前記治具に対して相対的に回動させ、前記測定対象物を第2の方向において湾曲させて前記光照射工程及び前記撮像工程を行って第2の撮像画像を取得し、
    前記輝度分布検出工程では、前記第1の撮像画像から前記第1の方向における輝度分布である第1の輝度分布を検出して、前記第2の撮像画像から前記第2の方向における輝度分布である第2の輝度分布を検出し、
    前記光沢度算出工程では、前記第1の輝度分布及び前記第2の輝度分布に基づいて前記光沢度を算出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の光沢度測定方法。
  5. 前記湾曲工程では、前記測定対象物を一回で同時に複数方向において湾曲させる治具を用い、
    前記輝度分布検出工程では、前記撮像画像から前記測定対象物を湾曲させた方向である複数方向の輝度分布を検出し、
    前記光沢度算出工程では、前記複数方向の輝度分布に基づいて前記光沢度を算出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の光沢度測定方法。
  6. 前記輝度分布検出工程では、前記測定対象物の第1の配向方向の直交方向における輝度分布である第1の輝度分布と、前記測定対象物の第2の配向方向の直交方向における輝度分布である第2の輝度分布とを検出し、
    前記光沢度算出工程では、前記第1の輝度分布及び前記第2の輝度分布に基づいて前記測定対象物の測定面の光沢度を算出する、
    請求項4または5に記載の光沢度測定方法。
  7. 前記光沢度算出工程では、前記輝度分布におけるピーク値、山形状部分の幅、面積、及び伝達関数のうちの少なくともひとつを算出する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の光沢度測定方法。
  8. 前記湾曲工程では、前記測定対象物の配向方向ごとに前記測定面への繊維の露出面積が異なる場合、少なくとも繊維の露出面積が最も大きい配向方向の直交方向において前記測定対象物を湾曲させる、請求項1から7のいずれか1項に記載の光沢度測定方法。
  9. 複数の配向方向にそれぞれ繊維が配向されている測定対象物を、前記複数の配向方向のうちで少なくともひとつの配向方向の直交方向において湾曲させて、前記測定対象物の光沢の測定面を凸形状にする治具と、
    前記湾曲させた測定対象物の前記測定面に光を照射する光源装置と、
    前記光の照射された測定面を撮像して撮像画像を取得する撮像装置と、
    前記撮像画像から前記複数の配向方向のうちで少なくともひとつの前記配向方向の直交方向における輝度分布を検出し、前記検出された輝度分布に基づいて前記測定対象物の測定面の光沢度を算出する画像処理装置と、
    を備える光沢度測定装置。
  10. 前記治具は、前記測定対象物を一回で一方向において湾曲させる治具である、
    請求項9に記載の光沢度測定装置。
  11. 前記治具として、棒形状の治具を用いる、
    請求項10に記載の光沢度測定装置。
  12. 前記治具として、一方向に沿ってV字形状、U字形状又は凸形状を有する治具を用いる、
    請求項10に記載の光沢度測定装置。
  13. 前記治具として、前記測定対象物を一回で同時に複数方向において湾曲させる治具を用いる、
    請求項9に記載の光沢度測定装置。
  14. 前記治具は、四脚の材料からなり、前記測定対象物を置いた場合に前記測定対象物を前記治具の頂点から同時に前記四脚のそれぞれに沿って傾斜させる治具である、
    請求項13に記載の光沢度測定装置。
  15. 前記治具は、前記測定対象物を載置する半球面を有する、
    請求項13に記載の光沢度測定装置。
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