JP2010077330A - 保存安定性に優れたビニルエーテル重合体 - Google Patents

保存安定性に優れたビニルエーテル重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れたビニルエーテル重合体を提供する。
【解決手段】ビニルエーテル系モノマー単位を主体とする重合体において、重合体の重合停止末端が下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基であることを特徴とするビニルエーテル重合体。

【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性に優れたビニルエーテル重合体に関するものである。
通常ビニルエーテル重合体は、カチオン重合法またはリビングカチオン重合法を用いて合成される(例えば非特許文献1)。これらの場合、重合停止剤としてメタノールが使用されることが多く、重合停止末端はメトキシ構造を有するアセタール基となる。
一般的にアセタール構造は、酸性条件下で加水分解しやすく、このことを利用してアセタール基末端を加水分解しホルミル基末端に変換したビニルエーテル重合体が報告されている(例えば特許文献1)。
換言すれば、重合停止末端にアセタール基を有するビニルエーテル重合体は、酸性条件下における保存安定性が低いことが予想される。実際に、重合停止末端にアセタール基を有するビニルエーテル重合体の保存安定性について確認を行ったところ、重量平均分子量(Mw)が大きく変化しており、重合体の劣化が確認された(本願比較例参照)。このことは、ビニルエーテル重合体を様々な用途で使用する際に重大な障害となる。
Matyjaszewskiら著 「Cationic Polymerizations」 Marcel Dekker社 1996年 特開2003−335816号公報
これまで、保存安定性に優れたビニルエーテル重合体に関する報告例は極めて少なく、保存安定性に優れるとともに汎用性の高いビニルエーテル重合体は存在しなかった。従って、本発明の目的は、保存安定性に優れ汎用性の高いビニルエーテル重合体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ビニルエーテル系モノマー単位を主体とする重合体において、重合体の重合停止末端が下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基であることを特徴とするビニルエーテル重合体が、保存安定性に優れることを見出した。
また、単一のビニルエーテル系モノマー単位を主体とする単独重合体、或いは少なくとも2種以上のビニルエーテル系モノマー単位を主体とする共重合体において、重合体の重合停止末端が下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基であることを特徴とするビニルエーテル重合体が、保存安定性に優れることを見出した。
また、前記ビニルエーテル系モノマーが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n―ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、(1―エチルプロピル)ビニルエーテル、ネオペンチルビニルエーテル、n―ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンメタノールビニルエーテル、2―エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ノルボルニルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、ノルボルニルメチルビニルエーテル、ノルボルネニルメチルビニルエーテル、2―アセトキシエチルビニルエーテル、4―アセトキシブチルビニルエーテル、アセトキシシクロヘキサンメタノールビニルエーテル、アセトキシジエチレングリコールビニルエーテル、アセトキシトリエチレングリコールビニルエーテルからなる群から選択されることを特徴とする前記ビニルエーテル重合体が、保存安定性に優れることを見出した。
さらに、前記ビニルエーテル重合体において、重量平均分子量が150〜100,000である重合体が、保存安定性に優れることを見出した。
本発明におけるビニルエーテル重合体は、保存安定性に優れ汎用性が高いものである。
(構造)
本発明におけるビニルエーテル重合体は、重合体の重合停止末端に、下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基を有するものである。また、本発明におけるビニルエーテル重合体は、単一のビニルエーテル系モノマー単位を主体とする単独重合体であっても良く、少なくとも2種以上のビニルエーテル系モノマー単位を主体とする共重合体であっても良く、何らこれらに限定されるものではない。
さらに、本発明におけるビニルエーテル重合体は、重合開始点が2個である場合に得られるテレケリックポリマー、3個以上である場合に得られるスターポリマー、デンドリマー形態の何れであっても良く、何らこれらに限定されるものではない。
上述した重合開始点が2個以上の重合体の核としては、1,4―ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
〔本発明におけるビニルエーテル重合体の合成方法〕
本発明におけるビニルエーテル重合体の合成方法としては、特に制限はなく、カチオン重合等、公知の合成法を用いることができる。また、重合度の制御が容易で、且つ、単分散に近い重合体が得られ、ブロック共重合体が得られることで知られるリビングカチオン重合法を用いても良い。
本発明におけるビニルエーテル重合体の合成に使用できるビニルエーテル系モノマーとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n―ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、(1―エチルプロピル)ビニルエーテル、ネオペンチルビニルエーテル、n―ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンメタノールビニルエーテル、2―エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ノルボルニルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、ノルボルニルメチルビニルエーテル、ノルボルネニルメチルビニルエーテル、2―アセトキシエチルビニルエーテル、4―アセトキシブチルビニルエーテル、アセトキシシクロヘキサンメタノールビニルエーテル、アセトキシジエチレングリコールビニルエーテル、アセトキシトリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明におけるビニルエーテル重合体の合成に使用するカチオン重合触媒としては、「講座重合反応論第3巻(東村敏延著、化学同人、1974年)」に記載されている、プロトン酸、金属酸化物、ハロゲン、ハロゲン化金属、有機金属化合物、安定カチオン等を利用することができる。すなわち、プロトン酸としては塩化水素、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、金属酸化物としては、酸化鉄、ハロゲンとしてはヨウ素、ハロゲン化金属としては、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、四塩化スズ、塩化鉄、四塩化チタン、有機金属化合物としては、エチルアルミニウムクロリドを使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、塩化水素、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化鉄を使用することが好ましい。
本発明におけるビニルエーテル重合体の合成に使用するリビングカチオン重合触媒としては、「実験化学講座第26巻(第5版、丸善、2005年)」に記載されている、開始剤、ルイス酸、塩基、塩等を利用することができる。すなわち、開始剤としてビニルエーテル―塩化水素付加体、ビニルエーテル―トリフルオロ酢酸付加体、ビニルエーテル―酢酸付加体、ルイス酸として、塩化亜鉛、四塩化スズ、塩化鉄、四塩化チタン、塩基として酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、塩として4級アンモニウム塩等を利用することができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、開始剤としてビニルエーテル―塩化水素付加体、ビニルエーテル―トリフルオロ酢酸付加体、ルイス酸として、塩化亜鉛、塩化鉄塩基として酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサンを使用することが好ましい。
開始剤、ルイス酸、添加塩基、添加塩の組み合わせとしては、開始剤に比較的弱いルイス酸を組み合わせた開始剤系、開始剤に比較的強いルイス酸を組み合わせた開始剤系にルイス塩基を添加する系、開始剤に比較的強いルイス酸を組み合わせた開始剤系に求核性アニオンの塩を添加する系が挙げられるが、何れを用いても良い。
本発明におけるビニルエーテル重合体を合成する重合反応では、適当な有機溶媒の存在下で行うことが好ましいが、非存在下で行っても良い。前記有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、デカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記有機溶媒は必要に応じて単独又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明におけるビニルエーテル重合体を合成する重合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。
本発明におけるビニルエーテル重合体の合成に使用する重合停止剤としては、アリルトリメチルシラン、(2−メチルアリル)トリメチルシラン、アリルリチウム、2−メチル−2−プロペニルリチウム、アリルマグネシウムクロリド、(2−メチル−2−プロペニル)マグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミド、(2−メチル−2−プロペニル)マグネシウムブロミド、アリルクロロ亜鉛、2−メチルアリルクロロ亜鉛、アリルブロモ亜鉛、2−メチルアリルブロモ亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。取扱いやすさを考慮すると、アリルトリメチルシラン、(2−メチルアリル)トリメチルシランを使用することが好ましい。
本発明におけるビニルエーテル重合体を合成する際の重合温度は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等に応じて適宜選択できるが、通常−80〜150℃であり、好ましくは−50〜100℃、特に好ましくは−20〜80℃である。
本発明におけるビニルエーテル重合体を合成する際の重合時間は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒、反応温度等に応じて適宜選択できるが、通常数秒〜100時間程度である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本明細書中において、「重量平均分子量(以下Mwと略す)」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、以下Mw/Mnと略す)」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略す)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出するものである。
(実施例1)
〔重合停止末端にアリル基を有するイソブチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
十分乾燥し窒素置換を行った重合管に、イソブチルビニルエーテル550mg(5.5mmol)、トルエン4.0mL、ジエチルエーテル0.23mLを仕込み、0℃に冷却した。20分後、トリフルオロ酢酸63mg(0.55mmol)を添加した。30分後、塩化亜鉛のジエチルエーテル溶液(1mol/L)0.22mL(0.22mmol)を添加して重合を開始した。1分後、アリルトリメチルシラン190mg(1.7mmol)を添加し、25℃で1時間、アリルトリメチルシランとの重合停止反応を行った。反応終了後、反応液をジエチルエーテルで希釈して、脱イオン水で3回洗浄し、溶媒の減圧除去を行って、目的物である重合停止末端にアリル基を有するイソブチルビニルエーテル単独重合体543mgを得た。
得られた重合体のHNMR測定を行ったところ、5.0−5.1ppmと5.8−5.9ppm付近にアリル基末端に由来するピークが認められ、アリル基を末端に有するイソブチルビニルエーテル重合体であることが確認された。また、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出した。結果を表1に示した。
(実施例2)
〔重合停止末端にアリル基を有するノルマルブチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルマルブチルビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有するノルマルブチルビニルエーテル単独重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例3)
〔重合停止末端にアリル基を有するシクロヘキシルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをシクロヘキシルビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有するシクロヘキシルビニルエーテル単独重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例4)
〔重合停止末端にアリル基を有するノルボルニルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルニルビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有するノルボルニルビニルエーテル単独重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例5)
〔重合停止末端にアリル基を有するノルボルネニルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルネニルビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有するノルボルネニルビニルエーテル単独重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例6)
〔重合停止末端にアリル基を有するノルボルニルメチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルニルメチルビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有するノルボルニルメチルビニルエーテル単独重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例7)
〔重合停止末端にアリル基を有するノルボルネニルメチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルネニルメチルビニルエーテルに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有するノルボルネニルメチルビニルエーテル単独重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例8)
〔重合停止末端にアリル基を有するシクロヘキシルビニルエーテルとノルボルネニルビニルエーテルの共重合体の合成〕
モノマーを、シクロヘキシルビニルエーテルとノルボルネニルビニルエーテルのモル組成比が90/10である混合モノマーに変更した以外は、実施例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。また、実施例1と同様に、HNMR測定を行い、重合停止末端にアリル基を有する、シクロヘキシルビニルエーテルとノルボルネニルビニルエーテルの共重合体の生成を確認した。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、その結果を表1に示した。
(実施例9)
〔重合停止末端にアリル基を有するテレケリックポリマー型イソブチルビニルエーテル重合体の合成〕
十分乾燥し窒素置換を行った重合管に、1,4―ブタンジオールジビニルエーテル78mg(0.55mmol)、トルエン4.0mLを仕込み、0℃に冷却した。20分後、トリフルオロ酢酸125mg(1.1mmol)を添加した。30分後、イソブチルビニルエーテル550mg(5.5mmol)、塩化亜鉛のジエチルエーテル溶液(1mol/L)0.44mL(0.44mmol)を添加して重合を開始した。1分後、アリルトリメチルシラン377mg(3.3mmol)を添加し、25℃下で1時間、アリルトリメチルシランとの重合停止反応を行った。反応終了後、反応液をジエチルエーテルで希釈して、脱イオン水で3回洗浄し、溶媒の減圧除去を行って、目的物である重合停止末端にアリル基を有するテレケリックポリマー型イソブチルビニルエーテル重合体501mgを得た。
得られた重合体のHNMR測定を行ったところ、5.0−5.1ppmと5.8−5.9ppm付近にアリル基末端に由来するピークが認められ、重合停止末端にアリル基を有するテレケリックポリマー型イソブチルビニルエーテル重合体であることが確認された。また、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出した。結果を表1に示した。
(比較例1)
〔重合停止末端にアセタール基を有するイソブチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
十分乾燥し窒素置換を行った重合管に、イソブチルビニルエーテル550mg(5.5mmol)、トルエン4.0mL、ジエチルエーテル0.23mLを仕込み、0℃に冷却した。20分後、トリフルオロ酢酸63mg(0.55mmol)を添加した。30分後、塩化亜鉛のジエチルエーテル溶液(1mol/L)0.22mL(0.22mmol)を添加して重合を開始した。1分後、アンモニアのメタノール溶液(1mol/L)0.25mLを添加し重合停止反応を行った。反応終了後、反応液をジエチルエーテルで希釈して、脱イオン水で3回洗浄し、溶媒の減圧除去を行って、目的物である重合停止末端にアセタール基を有するイソブチルビニルエーテル単独重合体514mgを得た。
得られた重合体のHNMR測定を行ったところ、4.6−4.7ppm付近にアセタール末端に由来するピークが認められ、重合停止末端にアセタール基を有するイソブチルビニルエーテル単独重合体であることが確認された。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出した。結果を表1に示した。
(比較例2)
〔重合停止末端にアセタール基を有するノルマルブチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルマルブチルビニルエーテルに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例3)
〔重合停止末端にアセタール基を有するシクロヘキシルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをシクロヘキシルビニルエーテルに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例4)
〔重合停止末端にアセタール基を有するノルボルニルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルニルビニルエーテルに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例5)
〔重合停止末端にアセタール基を有するノルボルネニルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルネニルビニルエーテルに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例6)
〔重合停止末端にアセタール基を有するノルボルニルメチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルニルメチルビニルエーテルに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例7)
〔重合停止末端にアセタール基を有するノルボルネニルメチルビニルエーテル単独重合体の合成〕
モノマーをノルボルネニルメチルビニルエーテルに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例8)
〔重合停止末端にアセタール基を有するシクロヘキシルビニルエーテルとノルボルネニルビニルエーテルの共重合体の合成〕
モノマーを、シクロヘキシルビニルエーテルとノルボルネニルビニルエーテルのモル組成比が90/10である混合モノマーに変更した以外は、比較例1と全く同じ触媒、溶媒を用いて、同一モル比、モル濃度とし、重合反応温度、重合反応時間、重合後の処理方法も同じ条件にて目的物を得た。GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出し、結果を表1に示した。
(比較例9)
〔重合停止末端にアセタール基を有するテレケリックポリマー型イソブチルビニルエーテル重合体の合成〕
十分乾燥し窒素置換を行った重合管に、1,4―ブタンジオールジビニルエーテル78mg(0.55mmol)、トルエン4.0mLを仕込み、0℃に冷却した。20分後、トリフルオロ酢酸125mg(1.1mmol)を添加した。30分後、イソブチルビニルエーテル550mg(5.5mmol)、塩化亜鉛のジエチルエーテル溶液(1mol/L)0.44mL(0.44mmol)を添加して重合を開始した。1分後、アンモニアのメタノール溶液(1mol/L)0.50mLを添加し重合停止反応を行った。反応終了後、反応液をジエチルエーテルで希釈して、脱イオン水で3回洗浄し、溶媒の減圧除去を行って、目的物である重合停止末端にアセタール基を有するテレケリックポリマー型イソブチルビニルエーテル重合体498mgを得た。
得られた重合体のHNMR測定を行ったところ、4.6−4.7ppm付近にアセタール末端に由来するピークが認められ、重合停止末端にアセタール基を有するテレケリックポリマー型イソブチルビニルエーテル重合体であることが確認された。さらに、GPC測定によりMwおよびMw/Mnを算出した。結果を表1に示した。
〔ビニルエーテル重合体の保存安定性の評価〕
実施例1〜8、比較例1〜8で得られた重合体を20℃、空気中、遮光下で15日間保存し、GPC測定によるMwとMw/Mnの増減変化により、保存安定性の評価を行った。その結果を表1に示した。
表1より、ビニルエーテル重合体の重合停止末端にアリル基を導入した実施例1〜9は、15日間保存してもMwおよびMw/Mn値がほとんど変化せず保存安定性に優れていることがわかる。一方、ビニルエーテル重合体の重合停止末端がアセタール基である比較例1〜9は、15日間保存するとMwおよびMw/Mn値が著しく変化しており、不安定な重合体であることがわかる。
本発明におけるビニルエーテル重合体は、保存安定性に優れるばかりでなく、透明性に優れるものである。従って、インクジェット用インク等のインク用材料、レンズ、液晶用フィルム等の光学用材料、各種コーティング用材料、接着剤用材料として有用である。さらに、本発明におけるビニルエーテル重合体は、有害性が極めて低く安全性に優れたものである。従って、医療用フィルムや医療用粘着剤等の高い安全性が要求される分野において有用である。

Claims (9)

  1. ビニルエーテル系モノマー単位を主体とする重合体において、重合体の重合停止末端が下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基であることを特徴とするビニルエーテル重合体。
  2. 単一のビニルエーテル系モノマー単位を主体とする単独重合体において、重合体の重合停止末端が下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基であることを特徴とするビニルエーテル重合体。
  3. 少なくとも2種以上のビニルエーテル系モノマー単位を主体とする共重合体において、重合体の重合停止末端が下記〔I〕式(Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される官能基であることを特徴とするビニルエーテル重合体。
  4. ビニルエーテル系モノマーが、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n―ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、(1―エチルプロピル)ビニルエーテル、ネオペンチルビニルエーテル、n―ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンメタノールビニルエーテル、2―エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ノルボルニルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、ノルボルニルメチルビニルエーテル、ノルボルネニルメチルビニルエーテル、2―アセトキシエチルビニルエーテル、4―アセトキシブチルビニルエーテル、アセトキシシクロヘキサンメタノールビニルエーテル、アセトキシジエチレングリコールビニルエーテル、アセトキシトリエチレングリコールビニルエーテルからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のビニルエーテル重合体。
  5. 重量平均分子量が150〜100,000であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のビニルエーテル重合体。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のビニルエーテル重合体を含有するインク組成物。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載のビニルエーテル重合体を含有する医療用粘着剤。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載のビニルエーテル重合体を含有する接着剤用組成物。
  9. 請求項1〜5の何れか一項に記載のビニルエーテル重合体を含有するコーティング用組成物。
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