JP2010076145A - 印刷装置、および、印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷処理時間が長くなるのを防止することを目的とする。
【解決手段】(1)ブラックの染料インクを吐出するノズルと、(2)ブラックの顔料インクを吐出するノズルと、(3)モノクロ印刷時に前記染料インクと前記顔料インクのどちらを前記ノズルから吐出するかを設定する制御部であって、設定したインクの残量が閾値以上の場合には、前記設定したインクを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせ、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合には、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる制御部と、を有することを特徴とする印刷装置。
【選択図】図9

Description

本発明は、印刷装置、および、印刷方法に関する。
カラー印刷装置では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのような複数色のインクがノズルから吐出される。また、インクには、染料インクや顔料インク等の種類があり、インクの種類によって性質が異なる。例えば、染料インクは、光沢感に優れているが滲み易いので、イラストや写真を印刷する場合に適している。一方、顔料インクは滲み難いが光沢感に劣るため、文字を印刷する場合に適している。
そこで、印刷データの内容に基づき、使用するインクの種類を選択する印刷装置が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
特開2003−182057号公報
ところで、上述の印刷装置では、例えば、文字の印刷時に顔料インクが無くなってしまった場合に、印刷の途中であってもインクを補充しなければならず、印刷処理時間が長くなってしまう。
そこで、印刷処理時間が長くなるのを防止することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、(1)ブラックの染料インクを吐出するノズルと、(2)ブラックの顔料インクを吐出するノズルと、(3)モノクロ印刷時に前記染料インクと前記顔料インクのどちらを前記ノズルから吐出するかを設定する制御部であって、設定したインクの残量が閾値以上の場合には、前記設定したインクを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせ、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合には、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる制御部と、を有することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、(1)ブラックの染料インクを吐出するノズルと、(2)ブラックの顔料インクを吐出するノズルと、(3)モノクロ印刷時に前記染料インクと前記顔料インクのどちらを前記ノズルから吐出するかを設定する制御部であって、設定したインクの残量が閾値以上の場合には、前記設定したインクを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせ、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合には、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる制御部と、を有することを特徴とする印刷装置を実現すること。
このような印刷装置によれば、印刷中にインク切れして印刷画像が劣化してしまうことを防止でき、また、インクを補充するために印刷を中断することがなく、印刷処理時間が長くなってしまうことを防止できる。
かかる印刷装置であって、前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合に、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせるか否かを、ユーザーの入力したデータに応じて判断すること。
このような印刷装置によれば、急ぎの印刷であれば、インクを補充するために印刷を中断することがなく、印刷処理時間が長くなってしまうことを防止できる。また、例えば、画像に適したインクにて印刷したい場合には、インクを補充することができ、高画質な画像が得られる。
かかる印刷装置であって、前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合に、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせること。
このような印刷装置によれば、設定したインクの消費を抑えられる。
かかる印刷装置であって、前記染料インクを吐出する複数の前記ノズルは所定方向に並び、前記顔料インクを吐出する複数の前記ノズルは前記所定方向に並び、前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少なく、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる場合に、ユーザーの入力したデータに応じて、前記所定方向と交差する方向に、前記染料インクと前記顔料インクを各前記ノズルから交互に吐出させて印刷を行わせること。
このような印刷装置によれば、印刷処理時間を短縮できる。
かかる印刷装置であって、前記染料インクを吐出する複数の前記ノズルは所定方向に所定間隔おきに並んで第1ノズル列を構成し、前記顔料インクを吐出する複数の前記ノズルは前記所定方向に前記所定間隔おきに並んで第2ノズル列を構成し、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列は前記所定方向に前記所定間隔よりも短い間隔でずれており、前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少なく、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる場合に、ユーザーの入力したデータに応じて、前記染料インクにより前記所定方向に並んで形成されるドットの間に前記顔料インクによるドットを形成させること。
このような印刷装置によれば、所定方向の印刷解像度を高めることができ、高画質な画像が得られる。
かかる印刷装置であって、前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少なく、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる場合に、画像データに文字データが含まれていれば、ユーザーの入力したデータに応じて、文字のフチ部分を前記顔料インクのドットにより形成させ、前記文字の内部を前記染料インクのドットにより形成させること。
このような印刷装置によれば、高画質なテキスト文書を印刷できる。
また、ブラックの染料インクを吐出するノズルと、ブラックの顔料インクを吐出するノズルと、カラーのインクを吐出するノズルと、を有する印刷装置の印刷方法であって、モノクロ印刷であるか、カラー印刷であるか、を判断することと、モノクロ印刷であれば、前記染料インクと前記顔料インクのどちらを前記ノズルから吐出するかを設定することと、設定したインクの残量が閾値以上の場合には、前記設定したインクを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせ、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合には、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせることと、を有する印刷方法である。
このような印刷方法によれば、印刷中にインク切れして印刷画像が劣化してしまうことを防止でき、また、インクを補充するために印刷を中断することがなく、印刷処理時間が長くなってしまうことを防止できる。
===インクジェットプリンタの構成===
以下、印刷装置として、シリアル式のインクジェットプリンタ(以下、プリンタ1)とコンピュータ(制御部に相当)が接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。図2Aは、プリンタ1の斜視図であり、図2Bは、プリンタ1の断面図である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、用紙S(媒体)に画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ60とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだ後、印刷時に搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送させるためのものであり、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。紙検出センサ51が、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sの先端の位置を検出すると、コントローラ10は搬送ローラ23を回転させ、用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、用紙Sと対向している。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのヘッド41を有する。ヘッド41の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられ、各ノズルには、インクが入ったインク室(不図示)と、インク室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。
図3は、ヘッド41の下面(ノズル面)におけるノズルの配列を示す説明図である。本実施形態のプリンタ1のヘッド41のノズルからは、ブラックの顔料インクと、ブラックの染料インクと、カラー(シアン、マゼンタ、イエロー)の染料インクと、がそれぞれ吐出される。そのため、ヘッド41の下面には、顔料のブラックインクノズル列Kpと、染料のブラックインクノズル列Kdと、染料のシアンインクノズル列Cdと、染料のマゼンタインクノズル列Mdと、染料のイエローインクノズル列Ydと、が形成されている。各ノズル列は180個のノズルを備え、下流側のノズルほど若い番号が付されている(#i=#1〜#180)。また、各ノズル列のノズルは、搬送方向(所定方向に相当)に沿って、一定の間隔D(例えば180dpi)でそれぞれ整列している。
このようなシリアル式のプリンタ1では、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙S上にドットを形成するドット形成処理と、用紙Sを搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返す。そうすることで、先のドット形成処理により形成されたドットとは異なる位置にドットが形成され、画像が完成する。
===インクの残量について===
印刷中にインクが無くなってしまと、完成した印刷画像の画質が劣化してしまう。そこで、プリンタ1のコントローラ10にインクの残量を管理させる。そして、あるインクの残量が少なくなり、例えば、そのインクの残量が閾値よりも少なくなった時に、インクカートリッジを交換するようにユーザーに通知することで、印刷画像の劣化を防止できる。
コントローラ10は、インクの種類ごと(顔料K、染料YMCK)にインクの残量を管理する。インクの残量の管理方法としては、印刷データに基づいてノズルから吐出されるインク滴の数をカウントし、実際に消費されたインク量に基づいてインクの残量を算出する方法がある。また、インクカートリッジ70内に液面検出センサを設け、液面検出センサが検知した結果に基づいて、インクの残量を管理してもよい。なお、コントローラ10は、インクカートリッジ70が交換されると、それまで管理していたインクの残量をリセットする。また、各インクの残量は、プリンタ1内のメモリ13に記憶され、その記憶はプリンタ1の電源を落としても損なわれないとする。
===インクの選択処理について===
<顔料インクと染料インクについて>
本実施形態のプリンタ1はブラックに関して顔料インクと染料インクを吐出する。顔料インクは、染料インクに比べて、滲み難く、耐水性や耐候性に優れている。しかし、色材である顔料成分が用紙上に残り、表面が凹凸形状となり光沢感が出難い。逆に、染料インクは、顔料インクに比べて、用紙に染み込むため光沢感は出易いが、滲み易く、耐水性や耐候性に劣る。
また、顔料のブラックインク(以下、顔料K)は染料のブラックインク(以下、染料K)に比べて、ブラックの濃度を濃く表現できる。そのため、例えば、モノクロのテキスト文書を「顔料K」にて印刷すると、黒文字の画質を高めることができる。一方、カラーの写真画像は「染料YMCK」にて印刷すると、光沢感のある画像が得られる。
図4Aは、染料Kのドット径と顔料Kのドット径の違いを示す図である。ノズルから同じインク量(Ypl)を吐出した場合、図4Aに示すように、顔料Kのドット径(d2)に比べて、染料Kのドット径(d1)の方が大きくなる。これは、染料Kは用紙Sに染み込みながら用紙Sの表面に広がるからである。言い換えれば、ノズルからの1つのインク滴のインク吐出量を少なくすることが可能ということであり、画像の印刷に必要な単位面積当たりのインク吐出量を、顔料Kよりも染料Kの方を少なくすることが可能である。そのため、インク消費量を節約したい場合には、顔料Kよりも染料Kを使用するとよい。ただし、顔料Kの方が染料Kに比べて、インクが広がらないこともあり、濃い黒に見え、ブラックの濃度を濃く表現できる。
図4Bは、染料Kを吐出する場合と顔料Kを吐出する場合のヘッド41の移動速度の違いを示す図である。図4Aに示すように、染料Kの方が顔料Kよりもドット径を大きく形成できる。言い換えれば、顔料インクを使用する場合と染料インクを使用する場合において、ノズルからの1つのインク滴のインク吐出量を同じにすると、染料Kのノズル方が顔料Kのノズルよりも、インク滴を吐出してから次にインク滴を吐出するまでの間にヘッド41が移動できる距離を長くすることが可能になる(d1>d2)。ここで、ヘッド41を移動しながらノズルからインク滴を吐出する時間間隔を変えないとすると、顔料Kを吐出する場合より染料Kを吐出する場合の方が、ヘッド41の移動方向への移動速度を速くすることができる。なお、このとき、染料Kのドット間隔の方が顔料Kのドット間隔よりも広くなる分、画像全体でみると、染料Kの方が顔料Kよりも、画像の印刷に必要な単位面積当たりのインク吐出量も少なくなる。そのため、印刷時間を短縮したい場合には、顔料Kよりも染料Kを使用するとよい。ただし、顔料Kの方が染料Kに比べてブラックの濃度を濃く表現できる。
<インクの選択処理について>
図5A及び図5Bは、印刷設定画面を示す図である。プリンタ1の外部装置であるコンピュータ60にインストールされたプリンタドライバによって、コンピュータ60の各アプリケーションプログラムからの画像データが、プリンタ1にて印刷可能な印刷データに変換される。プリンタドライバは、印刷設定画面によりユーザーから入力された情報に基づいて印刷データを作成し、プリンタ1に送信する。
本実施形態のプリンタ1は、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)に関しては染料インクのみを吐出するが、ブラックインクに関しては染料インクと顔料インクの両方を吐出する。そのため、ユーザーによってカラー印刷が設定された場合には、プリンタドライバは染料インクを使用すると設定できる。しかし、モノクロ印刷が設定された場合には、プリンタドライバは「染料K(染料のブラックインク)を使用する」のか、「顔料K(顔料のブラックインク)を使用する」のか、どちらかを選択して設定する必要がある。
そこで、本実施形態では、モノクロ印刷が設定された場合に、プリンタドライバは、ユーザーが印刷設定として入力したデータに基づいて、染料インク(染料K)を使用するのか、それとも、顔料インク(顔料K)を使用するのかを選択し、設定する。
ユーザーが印刷設定画面(図5A)において「モノクロ印刷」を選択した場合に、プリンタドライバは図5Bの画面を表示する。そして、ユーザーに「染料インク」と「顔料インク」のどちらを使用するのかを選択させるとよい。そして、プリンタドライバは、ユーザーに選択された方のインクを使用すると設定し、選択された方のインク(設定したインクに相当)に関する印刷データを作成する(後述)。
ユーザーにインクの種類を選択させる際に、図5Bに示すように染料インクと顔料インクの残量を表示するとよい。そうすることで、例えば、ユーザーは残量が多い方のインクを選択でき、印刷中にインク切れすることを防止でき、確実に印刷をすることができる。また、前述のように、顔料Kの方が染料Kに比べて、ブラックの濃度を濃く表現することができ、滲み難いため、テキスト文書を印刷するのに適している。そのため、ユーザーはテキスト文書を高画質に印刷したい場合に顔料インクを選択することができる。その一方で、テキスト文書を多く印刷するユーザーの場合、染料インクよりも顔料インクの消費量が多くなる。そこで、高画質なテキスト文書を印刷する必要がない場合に、ユーザーに染料インクの選択を可能にさせることで、顔料インクの寿命を長くできる。その結果、高画質なテキスト文書を印刷したい場合に、ユーザーは顔料インクを選択できる。
図6Aから図6Cは、別の印刷設定画面を示す図である。ユーザーがモノクロ印刷を選択した場合に、図5Bの設定画面によって、ユーザーに使用するインクの種類を選択させるに限らない。例えば、図6Aに示すように、「きれいモード」で印刷するのか、「はやいモード」で印刷するのか、をユーザーに選択させ、その選択結果に基づいて、プリンタドライバが、染料Kを使用するのか、それとも、顔料Kを使用するのかを設定してもよい。前述のように(図4A)、顔料Kよりも染料Kの方がドット径を大きくすることができ、顔料Kよりも染料Kを使用する方がヘッド41の移動方向への移動速度を速められる。一方、染料Kよりも顔料Kの方がブラックの濃度を濃く表現でき滲みにくいため、モノクロ画像(テキスト文書)を高画質に印刷できる。
そこで、プリンタドライバは、ユーザーによって「はやいモード」が選択された場合には「染料Kを使用する」と設定し、「きれいモード」が選択された場合には「顔料Kを使用する」と設定する。そうすることで、「はやいモード」ではヘッド41の移動速度を速められ、「きれいモード」では高画質な画像(テキスト文書)を印刷できる。なお、この「きれいモード」と「はやいモード」は、インクの種類の選択に用いられるだけでなく、印刷解像度などの決定に用いてもよい。
また、ユーザーが「試し印刷」をオンしたか否かによって、プリンタドライバが、染料Kを使用するのか、それとも、顔料Kを使用するのかを設定してもよい。「試し印刷(ドラフトモード)」は、例えば、プリンタ1が正常に稼動するのかを確認したり、印刷画像のレイアウトなどを確認したりするために用いられる。そのため、「試し印刷」では高画質な画像を印刷する必要がなく、「試し印刷」がオンになっていたら、プリンタドライバは「染料Kを使用する」と設定する。そうすることで、高速に印刷でき、また、単位面積当たりのインクの消費量も節約できる。一方、「試し印刷」がオフになっていたら、プリンタドライバは「顔料Kを使用する」と設定する。そうすることで、本番の印刷では高画質な画像(テキスト文書)が得られる。
また、ユーザーが「インク節約」をオンしたか否かによって、プリンタドライバが、染料Kを使用するのか、それとも、顔料Kを使用するのかを設定してもよい。顔料インクよりも染料インクの方が、単位面積当たりのインク消費量が少ない。そのため、「インク節約」がオンになっていたら、プリンタドライバは「染料Kを使用する」と設定する。そうすることで、インク消費量を節約できる。一方、「インク節約」がオフになっていたら、プリンタドライバは「顔料Kを使用する」と設定する。そうすることで、高画質な画像(テキスト文書)が得られる。また、この「インク節約」がオンされていた場合に、例えば印刷解像度を低くすることで、更にインク消費量を節約できる。
図7は、インクの選択処理のフローを示す図である。プリンタドライバは、アプリケーションプログラム等から印刷命令と共に画像データを受信すると(S001)、まず、ユーザーが入力した印刷設定のデータに基づいて、その画像をモノクロ印刷するのか、カラー印刷をするのかを判断する(S002)。カラー印刷する場合には(S002→NO)、プリンタ1は染料のカラーインク(YMCK)のみを吐出するため、プリンタドライバは使用するインクを「染料インクYMCK」に設定する(S003)。
一方、モノクロ印刷する場合には(S002→YES)、プリンタドライバは、顔料Kを使用するのか、それとも、染料Kを使用するのかを、判断する(S004)。顔料Kと染料Kのどちらを使用するのかの判断方法は、前述のように、ユーザーが入力した印刷設定のデータ(図5および図6)に基づいて判断する。そうして、プリンタドライバが顔料Kを使用すると判断すれば(S004→YES)、使用するインクを「顔料K」に設定する(S005)。逆に、プリンタドライバが染料Kを使用すると判断すれば(S004→NO)、使用するインクを「染料K」に設定する(S006)。プリンタドライバは、こうして使用するインクを設定したら、設定されたインクに基づく印刷データを作成する。
===印刷データの作成処理について===
<カラー印刷の印刷データ作成処理について>
図8は、カラー印刷における印刷データの作成処理のフローを示す図である。カラー印刷の場合には、前述の図7のフローにて示すように(S003)、染料のカラーインクYMCK(以下、染料YMCK)を使用することが設定されている。まず、プリンタドライバは、染料YMCKの各残量が閾値以上であるか否かを確認する(S101)。印刷中にインク切れしてしまうと印刷画像が劣化するため、インクの残量が閾値以上であり、印刷しても問題ないかを確認する。この閾値は、予め設定された値でもよいし、印刷ジョブごとに画像データに基づいてインク消費量を予測した値でもよい。
残量が閾値よりも少ない染料YMCKが1つでもあれば(S101→NO)、プリンタドライバは、ユーザーにインク残量が少ないことを報知し、印刷をこのまま続行させるか否かを選択させる(S102)。ユーザーが印刷を続行しないと選択すれば(S102→NO)、プリンタドライバは、染料YMCKのインク補充(インクカートリッジの交換)の警告をコンピュータ60のディスプレイ等に表示し、印刷データの作成処理を中断する。
一方、ユーザーが印刷を続行すると選択すれば(S102→YES)、染料YMCKの残量が閾値以上であった場合(S101→YES)と同様に、印刷データの作成処理を続行する。まず、プリンタドライバは各アプリケーションプログラムから受信した画像データを、用紙Sに印刷する印刷解像度に合わせて解像度変換する(S103)。なお、ここでは、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される高階調数のRGBデータ(例えば256階調のデータ)であるとする。
次に、プリンタドライバは、RGBデータをプリンタ1のインクに対応したYMCK色空間により表されるYMCKデータに色変換する(S104)。この色変換処理は、RGBデータの階調値とYMCKデータの階調値(染料YMCKの階調値)とを対応づけた色変換テーブル(不図示)をプリンタドライバが参照することによって行われる。
その後、プリンタドライバは、高階調数のデータ(256階調)を、プリンタ1が形成可能な階調数のデータ(例えば4階調)に変換するハーフトーン処理を行う(S105)。ここでは、プリンタ1は大中小の3種類のサイズのドットを形成可能とし、1つの画素が「大ドット形成」「中ドット形成」「小ドット形成」「ドットなし」の4階調で表されるとする。
これらの一連の処理により、画像データは、用紙S上に仮想的に定められた各画素に、どの色(YMCK)の、どのサイズ(大中小)のドットを形成するか、または、ドットを形成しないかを示す「ドットデータ」に変換される。
最後に、プリンタドライバは、マトリクス状のドットデータを、プリンタ1に転送すべきデータ順に並べ替える(ラスタライズ処理・S106)。プリンタドライバは、こうして作成されたドットデータを、印刷方式に応じたコマンドデータ(搬送量など)と共に「印刷データ」として、プリンタ1に送信する。
<モノクロ印刷の印刷データ作成処理:実施例1>
図9は、顔料のブラックインク(顔料K)に関する印刷データの作成処理の実施例1のフローを示す図である。次に、モノクロ印刷が選択され、顔料Kを使用すると設定された場合の印刷データの作成処理について説明する。まず、プリンタドライバは、顔料Kの残量と第1閾値とを比較する(S201)。そうして、印刷中にインク切れしないか否かを確認し、印刷画像が劣化することを防止する。「第1閾値」は、インクを補充せずに印刷を行うと、印刷中にインク切れしてしまう虞のあるインクの残量に相当する。なお、第1閾値は、予め設定された値でもよいし、印刷ジョブごとに画像データに基づいてインクの消費量を予測した値でもよい。
顔料Kの残量が第1閾値以上であれば(S201→YES)、顔料Kに関するドットデータを作成する(S202)。すなわち、顔料Kによって画像が印刷される。顔料Kに関するドットデータとは、各画素に、顔料のブラックインクノズル列Kpによって、どのサイズ(大中小)のドットを形成するか、または、ドットを形成しないかを示すデータである。そのために、例えば、アプリケーションプログラムから受信した画像データが、RGBデータの高階調のデータであれば、前述の図8のS103からS105と同様の処理をする必要がある。すなわち、プリンタドライバは、画像データを印刷解像度に解像度変換し、RGBデータの階調値とKデータの階調値(顔料Kの階調値)とを対応づけた色変換テーブルにより色変換処理し、ハーフトーン処理する。また、受信した画像データがKデータであれば、色変換処理する必要がなくなる。つまり、プリンタドライバは、受信した画像データに対して、設定したインクの種類に基づき、解像度変換処理や色変換処理やハーフトーン処理を必要に応じて行うことで、ドットデータを作成する。
一方、顔料Kの残量が第1閾値よりも少ない場合には(S201→NO)、プリンタドライバは、顔料Kの代わりに染料Kを使用するか否かを判断する(S203)。そのために、プリンタドライバは、顔料Kの残量が少ないことをユーザーに報知し、代わりに「染料Kで印刷する」か、それとも、「顔料Kを補充するか」をユーザーに選択させるとよい。また、これに限らず、例えば、ユーザーが図5A及び図5Bに示す印刷設定画面において、顔料インク(顔料K)を選択し、且つ、「はやいモード」を選択している場合には、ユーザーに選択させずに、プリンタドライバが染料Kで印刷することを選択してもよい。
そうして、プリンタドライバが顔料Kの代わりに染料Kを使用しないと判断した場合には(S203→NO)、プリンタドライバは「顔料Kのインク補充」の警告をコンピュータ60のディスプレイ等に表示し、印刷データの作成処理を中断する。一方、プリンタドライバが染料Kを使用すると判断した場合には(S203→YES)、染料Kの残量と第1閾値とを比較する(S204)。染料Kも顔料Kと同様に残量が第1閾値よりも少なければ(S204→NO)、印刷中にインク切れしてしまう虞があるため、プリンタドライバは「顔料Kのインク補充」の警告を表示する。
染料Kの残量が第1閾値以上であれば(S204→YES)、プリンタドライバは染料Kに関するドットデータを作成する。すなわち、染料Kによって画像が印刷される。そのために、プリンタドライバが必要に応じて、受信した画像データに対して、解像度変換処理などを行うことによって、染料のブラックインクノズル列Kdによって各画素にドットを形成するか否かを示すデータを作成する。なお、染料Kの印刷データの作成処理と顔料Kの印刷データの作成処理とでは、染料Kと顔料Kのドット径が異なるため、印刷解像度(画素の大きさ)が異なる場合がある。また、染料Kと顔料Kでは同じブラックでも色味が異なるため、色変換処理の際に用いるテーブル(RGBデータの階調値と、染料Kまたは顔料Kの階調値と、を対応付けた色変換テーブル)が異なる場合がある。
こうして、プリンタドライバは、顔料Kに関するドットデータ、または、染料Kに関するドットデータを作成した後に、ラスタライズ処理し(S206)、その他のコマンドデータと共に、プリンタ1へ送信する。そして、プリンタ1のコントローラ10は、顔料Kに関する印刷データを受信した場合には、顔料のブラックインクノズル列Kpからインクを吐出し、染料Kに関する印刷データを受信した場合には、染料のブラックインクノズル列Kdからインクを吐出する。
なお、染料Kに関する印刷データ作成処理も図9に示すフローと同様である。プリンタドライバは、まず、染料Kの残量と第1閾値とを比較する(図9のS201に相当)。そして、染料Kの残量が第1閾値よりも少ない場合には、プリンタドライバは、顔料Kで印刷するか否かを判断する(図9のS203に相当)。そうして、染料Kの残量が第1閾値以上であれば、染料Kに関するドットデータを作成し、染料Kの残量が第1閾値よりも少なければ、染料Kの代わりに顔料Kに関するドットデータを作成する。
つまり、この実施例1では、使用するインクとして設定された顔料K(または染料K)が第1閾値よりも少なかった場合に、直ぐにユーザーに「インク(顔料K)の補充」の警告を表示するのではなく、プリンタドライバは、設定された顔料Kではない染料K(または設定された染料Kではない顔料K)によって印刷するか否かを判断する。そうして、残量の少ない顔料Kの代わりに染料K(または残量の少ない染料Kの代わりに顔料K)にて印刷することで、印刷処理を中断することなく、印刷処理時間が長くなるのを防止できる。
また、残量の少ない顔料Kにて印刷しないことによって、印刷中にインク切れすることなく印刷画像の劣化を抑制できる。また、図9のフローのS203にて、顔料Kの代わりに染料Kを使用するかを、ユーザーの入力データに基づいてプリンタドライバが判断することで、ユーザーが印刷処理時間に関係なく、高画質な画像を取得したい場合には、顔料Kを補充して印刷することができる。なお、S203にてユーザーの入力したデータに基づいて、染料Kの使用の有無を判断するに限らず、顔料Kの残量が第1閾値よりも少なければ、染料Kを使用するとしてもよい。
<モノクロ印刷の印刷データ作成処理:実施例2>
図10は、顔料ブラックインク(顔料K)に関する印刷データの作成処理の実施例2のフローを示す図である。モノクロ印刷が設定され、顔料Kを使用すると設定された場合の印刷データ作成処理について説明する。まず、プリンタドライバは顔料Kの残量と第2閾値とを比較する(S301)。顔料Kの残量が第2閾値以上であれば(S301→YES)、顔料Kに関するドットデータ(顔料のブラックインクノズル列Kpによって各画素にドットを形成するか否かを示すデータ)を作成する(S302)。すなわち、顔料Kによって画像を印刷する。
一方、顔料Kの残量が第2閾値よりも少なければ(S301→NO)、プリンタドライバは、顔料Kと染料Kの両方を使用するか否かを判断する(S303)。そのために、プリンタドライバは顔料Kの残量が少ないことをユーザーに報知し、顔料Kだけでなく染料Kも用いて印刷するか否かを判断させるとよい。すなわち、顔料Kの残量が少なくなったときに、前述の実施例1(図9)では代わりに染料Kを使用するのに対して、この実施例2では顔料Kと染料Kの両方を使用する。ここでは、第2閾値を第1閾値よりも大きい値とする。すなわち、「第2閾値」は、残量が少なくなってきたが、インクを補充せずに顔料Kにて印刷を行っても、印刷中にインク切れしてしまう虞の少ないインクの残量に相当する。
そのため、ユーザーが顔料Kのみを使用することを選択した場合に(S303→NO)、プリンタドライバは、受信した画像データに基づいて、顔料Kの使用量の予測処理を行う(S304)。そして、顔料Kの予測量と顔料Kの残量とを比較し(S305)、顔料Kの残量の方が顔料Kの予測量以上であれば(S305→NO)、プリンタドライバは顔料Kに関するドットデータを作成する。すなわち、顔料Kの残量が第2閾値よりも少なくとも、顔料Kのみによって画像が印刷される。一方、顔料Kの残量が顔料Kの予測量よりも少なければ(S305→YES)、プリンタドライバは「顔料Kのインク補充」の警告をコンピュータ60のディスプレイ等に表示し、印刷データの作成処理を中断する。
そして、染料Kと顔料Kの両方を使用すると判断された場合には(S303→YES)、プリンタドライバは受信した画像データに文字データが含まれているか否かを判断する(S307)。画像データの中に文字データが含まれていなければ(S307→NO)、プリンタドライバは、染料Kのドットと顔料Kのドットが交互に配置されるドットデータを作成する(S309)。
図11Aは、顔料Kのみのドットデータによって形成されるドット配置を示す図であり、図11Bは、顔料Kのドットと染料Kのドットが交互に配置されるドットデータによって形成されるドット配置を示す図である。顔料Kのみによって画像を印刷する場合、顔料のブラックインクノズル列Kpのノズルに全ての画素が割り当てられる。これに対して、顔料Kと染料Kの両方のインクによって画像を印刷する場合、顔料のブラックインクノズル列Kpのノズルに割り当てられる画素と染料のブラックインクノズル列Kdのノズルに割り当てられる画素とが、それぞれ全体の画素の半分となる。そのため、顔料Kのみによって画像を印刷する場合に比べて、顔料Kと染料Kの両方のインクによって画像を印刷する場合には、顔料Kの消費量を抑えることができる。
すなわち、この第2例では、顔料Kの残量が少なくなってきたときに、顔料Kと染料Kの両方によって画像を印刷することで、顔料Kの消費を抑えられる。特に、テキスト文書を多く印刷するユーザーは染料Kに比べて顔料K消費量が多くなるため、顔料Kの寿命を長くすることができる。また、顔料Kが第2閾値よりも少なくなったときに、大量印刷や大判印刷を行う場合に、顔料Kだけでは印刷できない虞がある。この場合に、顔料Kと染料Kの両方を使用することで、顔料Kのインクを補充する時間を短縮でき、印刷処理時間が長くなるのを防止できる。
また、顔料Kのみによって画像を印刷する場合には、顔料ブラックノズル列Kpのあるノズルからインク滴が吐出されてから、次にそのノズルからインク滴が吐出されるまでの間Tに、ヘッド41は移動方向に1画素分だけ移動できる。これに対して、顔料Kのドットと染料Kのドットを交互に形成することで、顔料ブラックノズル列Kp(または染料ブラックノズル列Kd)のあるノズルからインク滴が吐出されてから、次にそのノズルからインク滴が吐出されるまでの間Tに、ヘッド41は移動方向に2画素分だけ移動できる。すなわち、顔料Kのドットと染料Kのドットを移動方向に(所定方向と交差する方向に相当)交互に形成することで、顔料Kのドットのみを形成する場合に比べて、印刷時間を短縮できる。
図12は、文字データ「A」を印刷する場合における顔料Kのドットと染料Kのドットの配置を示す図である。プリンタドライバが図10のフローS303にて、染料Kと顔料Kの両方を使用すると判断し、画像データに文字データが含まれる場合(S307→YES)には、プリンタドライバはユーザーが入力したデータに基づいて(例えば図5A)、「はやいモード」であるか否かを判断する(S308)。ユーザーによって「はやいモード」が選択されている場合(S308→YES)、プリンタドライバは、図11Bに示すように染料Kのドットと顔料Kのドットが交互に配置されるドットデータを作成する(S309)。そうすることで、顔料Kのみによって画像を印刷する場合に比べて、顔料Kの消費量を抑えつつ、高速印刷が可能となる。
一方、ユーザーによって「きれいモード」が選択されている場合(S308→NO)、プリンタドライバは、図12に示すように、文字のフチ部分を顔料Kのドットにて形成し、文字の内部を染料Kのドットにて形成するように、ドットデータを作成する(S310)。顔料Kは染料Kに比べて滲みにくいため、文字のフチ部分を顔料Kのドットにて形成することで、文字の形状がはっきりとし、高画質な文字を印刷することができる。一方、染料Kは顔料Kに比べてドット径が大きくなるため、文字の内部の埋まりをよくすることができ、媒体の地色を目立ち難くすることができる。このように、文字のフチ部分を顔料のドットにて形成し、文字の内部を染料Kのドットにて形成することで、顔料Kの消費量を抑えつつ、高画質なテキスト文書を印刷できる。
こうして、プリンタドライバは、顔料Kに関するドットデータ(S302・S306)、または、染料Kのドットと顔料Kのドットを交互に配置するドットデータ(S309)、または、文字のフチには顔料Kのドットが配置されて文字の内部には染料Kのドットが配置されるドットデータ(S310)を作成した後に、ラスタライズ処理し(S311)、その他のコマンドデータと共に、プリンタ1へ送信する。
なお、染料Kに関する印刷データ作成処理も図10に示すフローと同様である。プリンタドライバは、まず、染料Kの残量と第2閾値とを比較する(図10のS301に相当)。そして、染料Kの残量が第2閾値よりも少ない場合には、ユーザーが入力したデータに応じて、プリンタドライバは、顔料Kと染料Kの両方のインクで印刷する(図10のS303→YESに相当)。
つまり、この実施例2では、顔料K(または染料K)の残量が少なくなってきたときに、顔料Kと染料Kの両方を用いて印刷する。そうすることで、顔料Kの寿命を伸ばすことができる。そして、大量印刷などする際に、印刷中に顔料Kが無くなって印刷処理中にインクを補充することを防止でき、その結果、印刷処理時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、顔料Kと染料Kの両方を使用する場合に、図11Aに示すように顔料Kのドットと染料Kのドットを交互に配置することで、印刷処理時間を短縮できる。一方、図12に示すように、文字のフチ部分に顔料Kのドットを配置し、文字の内部に染料Kのドットを配置することで、高画質なテキスト文書を作成することができる。
また、顔料Kと染料Kの少なくとも一方が第2閾値よりも少なくなった際に、顔料Kと染料Kの両方を用いて印刷することで、染料Kと顔料Kが同時にインクエンドになるように調整してもよい。そうすることで、染料Kと顔料Kのどちらか一方だけ減ってしまうことを防止でき、インクを有効に利用できる。
また、前述の実施例1のフロー(図9)と実施例2のフロー(図10)の両方を実施してもよい。例えば、第2閾値の方が第1閾値よりも大きいとし、顔料K(または染料K)の残量が第2閾値に達したときには、ユーザーの入力データに応じて、染料Kと顔料Kの両方を使用する。そうすることで、顔料Kの寿命を伸ばすことができる。そうして、顔料Kの残量が更に少なくなり第1閾値に達したときには、ユーザーの入力データに応じて、染料Kのみを使用する。そうすることで、印刷中にインク切れしてしまうことを防止でき、また、インクを補充する時間分だけ印刷処理時間を短縮できる。
なお、図10のフローのS307では、プリンタドライバは、受信した画像データに文字データが含まれているか否かを確認しているがこれに限らない。例えば、染料Kと顔料Kの両方を使用することが決定したら(S303→YES)、プリンタドライバは、全ての画像データを、顔料Kのドットと染料Kのドットが交互に配置されるようにドットデータに変換してもよい(S309)。
===その他のノズルの配置について===
図13Aから図13Cは、ヘッド41の下面の別のノズル配列を示す図である。図3に示すノズル配列は、染料のブラックインクノズル列Kdと顔料のブラックインクノズル列Kpとの搬送方向の位置が等しい。これに限らず、図13Aと図13Bに示すように、染料のブラックインクノズル列Kd(第1ノズル列に相当)と顔料のブラックインクノズル列Kp(第2ノズル列に相当)が、搬送方向(ノズル列方向)に各ノズル列のノズルピッチD(所定間隔に相当)よりも短い間隔、例えばノズルピッチDの半分(例えば90dpi)、だけずれていてもよい。このようなノズル配列のヘッド41では、例えば、実施例2の図10のフローにおいて、顔料Kの残量が第2閾値よりも少なく、染料Kと顔料Kの両方を使用する場合において、図13Aのようにドットを配置するとよい。そうすることで、図11Bと同様にヘッド41の移動速度を2倍にすることができる。
また、染料のブラックインクノズル列Kdと顔料のブラックインクノズル列Kpが搬送方向にずれており、染料Kと顔料Kの両方を使用する場合において、図13Bに示すように染料Kのドットの間に顔料Kのドットを形成することで、搬送方向の印刷解像度を2倍にすることができる。例えば、実施例2の図10のフローのS307では文字データの有無を確認しているがこれに限らない。染料Kと顔料Kの両方を使用する場合において、プリンタドライバは、ユーザーの入力データが「はやいモード」であるのか、「きれいモード」であるのか、を判断するとよい。そして、「はやいモード」が選択されていれば、図13Aのようにドットが配置されるようにドットデータを作成するとよく、「きれいモード」であれば、図13Bのように印刷解像度を高くするか、または、図12のように文字のフチ部分を顔料Kのドットで印刷して文字の内部を染料Kのドットで印刷するか、いずれかを選択するとよい。
図13Cのように、顔料のブラックインクノズル列Kpと染料のブラックインクノズル列Kdがノズル列方向に1ノズル列分だけずれていてもよい。そうすることで、実施例2において染料Kと顔料Kの両方を使用して印刷する場合には、ヘッド41の1回の移動にて形成される搬送方向の画像幅を2倍にすることができ、印刷処理時間を短縮できる。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、インクの設定方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<インクの選択について>
前述の実施形態では、図7に示すインクの選択処理のフローにおいて、カラー印刷の場合には(S002→NO)、染料Kを使用すると設定されるが(S003)、これに限らない。例えば、カラー印刷であっても、プリンタドライバは、ユーザーに入力させたデータに基づいて、染料Kと顔料Kのうちのどちらを使用するのか選択してもよい。そして、カラー印刷において、選択され設定されたインク(例えば染料K)の残量が閾値よりも少ない場合に、設定されたインクではない方のインク(例えば顔料K)を少なくとも使用するとよい。そうすることで、印刷時間が長くなるのを防止したり、印刷中のインク切れを防止したりすることができる。
前述のプリンタ1は顔料に関するカラーインクを有していないが、これに限らない。例えば、顔料のカラーインクYMCと染料のカラーインクYMCを有するプリンタのであれば、カラー印刷が選択された場合に、プリンタドライバが、ユーザーに入力させたデータに基づいて、顔料のカラーインクYMCと染料のカラーインクYMCのどちらを使用するかを選択してもよい。そして、選択され設定されたインクの残量が閾値よりも少ない場合に、設定されたインクではない方のインクを少なくとも使用するとよい。そうすることで、印刷時間が長くなるのを防止したり、印刷中のインク切れを防止したりすることができる。
<ラインプリンタについて>
前述の実施形態では、ヘッド41がノズル列方向と交差する方向に移動しながら画像を形成する動作と、ノズル列方向に媒体を搬送させる動作と、を交互に繰り返すプリンタ1を例に挙げているがこれに限らない。例えば、ノズル列方向に長くノズルが並んだヘッドの下を搬送される用紙に向かって、ノズルからインクを吐出させるラインヘッドプリンタでもよい。
<印刷装置について>
印刷装置のノズルからの液体(インク)の吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
前述の実施形態では、コンピュータとプリンタが接続された印刷システムが印刷装置に相当するが、これに限らない。例えば、プリンタ1のコントローラ10(制御部に相当)がプリンタドライバの代わりに使用するインクを設定し、印刷データを作成する場合には、プリンタ1単体が印刷装置に相当する。
本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図である。 図2Aはプリンタの斜視図であり、図2Bはプリンタの断面図である。 ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 図4Aは染料Kのドット径と顔料Kのドット径の違いを示す図であり、図4Bはヘッドの移動速度の違いを示す図である 図5A及び図5Bは、印刷設定画面を示す図である。 図6Aから図6Cは、別の印刷設定画面を示す図である。 インクの選択処理のフローを示す図である。 カラー印刷における印刷データの作成処理のフローを示す図である。 顔料Kに関する印刷データの作成処理の実施例1のフローである。 顔料Kに関する印刷データの作成処理の実施例2のフローである。 図11Aは顔料Kのみのドット配置を示す図であり、図11Bは顔料Kのドットと染料Kのドットが交互に配置される様子を示す図である。 文字を印刷する場合の顔料Kと染料Kのドットの配置を示す図である。 図13Aから図13Cはヘッドの下面の別のノズル配列を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、
10 コントローラ、11 インターフェース部、12 CPU、13 メモリ、
14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、23 搬送ローラ、24 プラテン、
25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 紙検出センサ、60 コンピュータ

Claims (7)

  1. (1)ブラックの染料インクを吐出するノズルと、
    (2)ブラックの顔料インクを吐出するノズルと、
    (3)モノクロ印刷時に前記染料インクと前記顔料インクのどちらを前記ノズルから吐出するかを設定する制御部であって、
    設定したインクの残量が閾値以上の場合には、前記設定したインクを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせ、
    前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合には、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる制御部と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合に、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせるか否かを、ユーザーの入力したデータに応じて判断する、
    印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合に、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる、
    印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記染料インクを吐出する複数の前記ノズルは所定方向に並び、
    前記顔料インクを吐出する複数の前記ノズルは前記所定方向に並び、
    前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少なく、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる場合に、ユーザーの入力したデータに応じて、前記所定方向と交差する方向に、前記染料インクと前記顔料インクを各前記ノズルから交互に吐出させて印刷を行わせる、
    印刷装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記染料インクを吐出する複数の前記ノズルは所定方向に所定間隔おきに並んで第1ノズル列を構成し、
    前記顔料インクを吐出する複数の前記ノズルは前記所定方向に前記所定間隔おきに並んで第2ノズル列を構成し、
    前記第1ノズル列と前記第2ノズル列は前記所定方向に前記所定間隔よりも短い間隔でずれており、
    前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少なく、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる場合に、ユーザーの入力したデータに応じて、前記染料インクにより前記所定方向に並んで形成されるドットの間に前記顔料インクによるドットを形成させる、
    印刷装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少なく、前記染料インクと前記顔料インクとを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせる場合に、画像データに文字データが含まれていれば、ユーザーの入力したデータに応じて、文字のフチ部分を前記顔料インクのドットにより形成させ、前記文字の内部を前記染料インクのドットにより形成させる、
    印刷装置。
  7. ブラックの染料インクを吐出するノズルと、ブラックの顔料インクを吐出するノズルと、カラーのインクを吐出するノズルと、を有する印刷装置の印刷方法であって、
    モノクロ印刷であるか、カラー印刷であるか、を判断することと、
    モノクロ印刷であれば、前記染料インクと前記顔料インクのどちらを前記ノズルから吐出するかを設定することと、
    設定したインクの残量が閾値以上の場合には、前記設定したインクを前記ノズルから吐出させて印刷を行わせ、前記設定したインクの残量が前記閾値よりも少ない場合には、前記設定したインクではない方のインクを少なくとも前記ノズルから吐出させて印刷を行わせることと、
    を有する印刷方法。
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