JP2010075186A - 幹細胞の内胚葉および膵臓系統への分化 - Google Patents

幹細胞の内胚葉および膵臓系統への分化 Download PDF

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Abstract

【課題】分化を受けるヒト胚幹細胞の培養物注の内胚葉へと拘束された細胞及び膵臓系細胞の割合を増大させる。
【解決手段】発癌能力を有していない幹細胞由来細胞集団の産生方法であって、以下の工程:
(1)ヒト幹細胞を胚様体の形態に培養する工程;
(2)前記培養した細胞を懸濁する工程;および、
(3)前記懸濁細胞を、SSEA-3/4の発現が無く、SSEA-1の発現が無く及びEpCAMを発現する細胞について選択し、得られる細胞培養物が、免疫低下マウスに注入されたときに、奇形腫を形成しない工程、
を含む事を特徴とする産生方法。
【選択図】なし

Description

(関連出願との相互関連)
本出願は、2004年4月1日に出願した仮特許出願第60/559,209号からの優先権を主張する。
(政府援助研究または開発に関する声明)
未定。
(背景技術)
1型糖尿病は、膵島ベータ細胞の破壊によって生じるヒトの自己免疫疾患である。現在、この疾患は非可逆性であるが、その症状は外生インスリンの投与によって管理されている。1型糖尿病は、ヒト集団における最も一般的な自己免疫疾患の1つであり、主要な公衆衛生の懸念ごとである。
膵臓全体または分離島細胞の移植が、免疫抑制治療と併用したときに、インスリン非依存性を再生するための1型糖尿病の有効な治療であることは、以前に判明している。ヒト死亡提供者からの分離膵島による現在の治療法の成功は、ヒト糖尿病の細胞系治療法が成功であり得るという理論的根拠となっている。しかしながら、入手し得る臓器または島細胞の不足は、この治療法を極めて選択された患者のみに限定している。ヒト死亡者から採取し得る島細胞の量は、極めて限られている。従って、有意量の島細胞を産生し得る技術は、この疾患の有力な治療法に関連して大いに望まれ得るであろう。
霊長類およびヒトの胚幹細胞は、分離されて培養液中で増殖されている。胚幹細胞は、培養液中での自己再生および増殖により無限に維持し得る幹細胞であるが、多くの種々の系統の細胞へと自然に分化する能力も保持している。非選択性条件下においては、マウスおよびヒト胚幹細胞のような広範囲の幹細胞が、膵臓系を含む多くの系統の細胞へと自然に分化することが以前に実証されている。そのような分化細胞は、膵臓十二指腸ホメオボックス1 (PDX1)遺伝子、即ち、膵臓系統を特異化する転写因子を発現し得、さらにまたインスリンホルモンも発現し得ることが以前に証明されている。しかしながら、選択的条件でない場合、幹細胞は広範囲の種々の系統に自然に分化し、いずれの特定の系統にも小割合の細胞しか分化しないであろう。さらに、選択されていない幹細胞集団は発癌性であり、これらの幹細胞は、免疫不全動物においては、未分化細胞ES細胞が発現するのと同じ形で、奇形腫として知られる非悪性腫瘍を発現することを意味している。
(発明の開示)
本発明は、ヒト胚幹細胞の分化を膵島細胞系統に指向させる方法に関する。
また、本発明は、宿主に移植したときに奇形腫を形成しない細胞の内胚葉富化集団の誘導方法にも関する。
また、本発明は、内胚葉系統へ拘束(commit)され、さらに膵島細胞へと分化し得、且つ移植時に奇形腫を形成しない細胞培養物にも関する。
また、本発明は、細胞系選択をヒト胚幹細胞に由来する細胞培養物において使用して、細胞中に挿入する外来遺伝子を使用することなく発癌可能性を培養物から排除し得る最初の実証であると信じている。
本発明の特徴は、本発明が、多数量の内胚葉および膵臓細胞の産生を可能にするとともに、移植における幹細胞由来の細胞の利用可能性に対する最大の障害の1つ、即ち、未分化幹細胞の発癌特性を克服することである。
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の説明から明らかとなろう。
選別胚様体の特性を示す、各実施例からの幾つかの結果のグラフ図である。 PDX1に対して陽性である細胞の割合を示す、各実施例からの幾つかの結果のもう1つのグラフ図である。 細胞培養物中でのPDX1発現に対するFGF10の使用効果を示す結果のもう1つのグラフ図である。 Pdx1転写のQPCR分析を示すデータのもう1つのグラフ図である。 選別細胞の特性決定から得られた結果のグラフ図である。 選別細胞の発癌能力を示すグラフ図である。 前述した富化方法を使用して選別したマウスES細胞由来の島前駆体の特性を示す図および表である。
(発明を実施するための最良の形態)
以下、細胞集団が最終結果として内胚葉へ拘束された細胞(膵臓系統へと専念(dedicate)された細胞を含む)について富化(enrich)するように、霊長類およびヒトの胚幹細胞の分化を導く方法を説明する。換言すれば、該方法は、膵臓前駆細胞の割合を富化させた細胞混合物を生じさせる。以下、各々が、培養により産生させた膵臓前駆細胞の割合を富化させるように独立して作用する3つの個々の方法を説明する。全体的には、この3つの方法は、現在のところ、膵臓前駆細胞の最高の可能性ある寄与を有するヒト胚幹細胞から産生させた分化細胞培養物を富化させることが知られている最良の方法を代表する。また、本明細書においては、挿入外来遺伝子を関与させない方法を使用して、細胞表面抗原を結合させることによって細胞を選別して未分化細胞を除去することが、奇形腫形成を排除するのにこの細胞集団においては有効であり、ヒト患者にいつの日か導入する可能性のあるあらゆる細胞集団における極めて重要な属性であることを教示する。このことは、未分化ES細胞の発癌能力を選別基準の知的選択によりES細胞分化前駆体から有効に取除き得ることの最初の実証であると信じている。
膵臓前駆細胞をヒト胚幹細胞から産生させる本発明の標準方法の1つにおいては、単独未分化ES細胞を懸濁培養に供することにより、生体外で胚幹細胞を先ず分化させる。懸濁培養においては、ES細胞は、凝集し、2層型構造体いわゆる胚様体(EB)を形成し、この胚様体は、移植前段階胚芽に類似しており、且つ3つの胚芽層、即ち、中胚葉、外胚葉および内胚葉に部分的に拘束された細胞を有する。正常胚の研究によれば、多様な組織分化事象を促進させる早期胚誘導性相互作用は、この発生段階において始まる。これらの重要な組織誘導性相互作用の多くは、この段階および胚様体内で生じ得る。懸濁培養の7〜14日後に、EBを組織培養基質上に塗沫し、一般的な組織培養条件下で、さらに増殖させ分化せしめる。ある種の神経系および間葉細胞タイプの著しい分化がこの段階で自然に生じ、さらなる介入をほぼ必要としない。しかしながら、膵臓系統を生じさせる胚期内胚葉細胞の出現は、より複雑であり、古典的な発生研究によって部分的にしか明確にされていない多くの多面的な相互作用に関与しているようである。
本発明者等は、分化を生じる幹細胞培養において膵臓系統細胞の割合を増大させる3つの介入法を開発した。第1の方法は、明確な内胚葉細胞、即ち、膵臓細胞を誘導する系統へと発生するより大きな能力を有するEBを選択することを含む。第2の富化方法は、膵臓細胞タイプの増殖を促進させる増殖増進因子を使用する培地の使用を含む。第3の方法は、所望しない細胞を排除し且つ所望する系統の細胞を選択するための正および負選択双方の3段階方法を含む。これら3つの方法は、一緒にまたは個々に使用して、膵臓系統へと分化する培養物中の細胞の割合を増大させることができる。
以下で説明する手順の幾つかを、先ず、マウスES細胞により実施した。これらの手順は、ヒトES細胞における使用に容易に適応させ得る。マウスES細胞の細胞表面マーカーの由来等はヒトES細胞のそれと異なるものの、以下で説明する細胞選択方法はヒトES細胞に等しく応用し得、唯一の有意の変更は、選択において使用するマウス細胞に対するようなマーカーをヒト細胞に適するマーカーであるように変更しなければならないことである。例えば、未分化ES細胞に対する選択における選択基準は、マウスES細胞において細胞表面抗原SSEA-1に、ヒトES細胞においてはSSEA3/4マーカーに基づく。同様に、内臓卵黄嚢(VYS)細胞を培養物から除去するためには、マウス細胞培養物においてはSSEA-3の発現について、ヒト細胞培養物においてはSSEA-1の発現について選択する。マウスおよびヒト双方の内皮細胞は上皮細胞接着分子(EpCAMを)を発現させ、その発現は、正選択に使用して、内皮系統へ拘束されたマウスおよびヒト細胞を同定し得る。
これらの選択を実施するためには、概して大きめの粒子、とりわけEB全体を選択し得る装置が望ましい。1つのそのような装置はCOPAS装置(Union Biometrica社)であり、この装置は、蛍光活性化細胞選別機(FACS)装置の原理と同様な原理で作動するが、大きめのサイズの細胞粒子を受入れる。細胞凝集物を選別し得る任意の装置が、本発明の方法において使用するのに適応させ得るであろう。また、磁性活性化細胞選別法(MACS)も、この種の細胞選別手順において使用するのに同様に適応させ得る。
本明細書において説明する方法のもう1つの属性は、幹細胞培養物の発癌性向を選択によるだけで有効に排除し得るという知見である。免疫低下(immunocompromised)マウスに注入したとき、ES細胞は、貧弱に組織化された構造体内の多くの異なる組織タイプから構成された非悪性増殖物または腫瘍である奇形腫を形成させるであろう。奇形腫の発生は宿主にとって生命にかかわるものとはみなされていないが、奇形腫は、宿主にとって醜くて大きく、代謝エネルギーの浪費である。ヒトES細胞によって形成された奇形腫の特性決定は、Gertow et al., Stem Cells and Development, 13:421-435 (2004)において見出される。ヒトES細胞を最終的にヒト患者への細胞または組織移植において使用すべき場合、そのようにして導入する細胞は、おそらく発癌能力の無いのが好ましいであろう。当該技術においては、この能力を排除すると教示されている主たる方法は、外来遺伝子構築物をES細胞中に挿入し、次いで、導入遺伝子の発現特性に基づき分化細胞を選択することによっている。しかしながら、ヒトEB細胞培養物中へ挿入した外来遺伝子の使用は、最良に回避されるもう1つの1連の安全性問題を含む。本発明において、おそらくは初めて、細胞表面マーカーによる細胞選択が、発癌性でなく奇形腫を形成しない幹細胞由来細胞培養物を産生させるのに十分に実用レベルにあることが教示される。冗長性(redundancy)のリスクとして、さらに誤解を避けるために、発癌性(tumorigenic)なる用語の使用は、未分化ヒトES細胞の奇形腫形成特性に適用するものであって、如何なる種類の悪性腫瘍を意味するものではない;何故ならば、ES細胞は、マウスに注入したとき悪性腫瘍を発生させないからである。単純に選択による発癌特性の排除は、実験モデル由来の幹細胞の有用なヒト治療への進行過程におけるもう1つの重要なステップである。
(実施例)
一般的な培養条件
未分化マウスES細胞を、15% FCS、L-グルタミン、NEAA(非不可欠アミノ酸)、メルカプトエタノール(MES培地)およびLIFを加えたDMEM高グルコース培地中で、照射したフィーダーセル上で以前に開示されたようにして増殖させた(Kahan等、2003年)。EBを産生させるため、ES細胞単分子層を2%のニワトリ血清を含む2mM EDTAで15分間処理した。細胞をMES培地中に再懸濁させ、20μm Nitexフィルターで濾過して単独細胞懸濁液を得た。2×106細胞を、シリコーン処理非組織培養P60皿内で、10% CO2の5ml MES培地中に入れた。培養液を毎日新しくし、大きめの皿中に分割して培地酸性化を抑制した。7日目のEBを集め、計数し、免疫組織化学染色のための13mmガラスゼラチンコーティーングカバースリップを含む24ウェルプレート中に30〜50 ESの密度で、或いは定量PCR (QPCR)のような他の分析のためのゼラチン処理組織培養皿内に比例的に多めの数で入れた。EBは、5% CO2中で10%のFCSを含むDMEM高グルコース培地中に塗抹した。
ヒトES細胞の培養条件は、未分化細胞を、フィーダーセル上で、15%血清代替物(SR)、NEAA、L-グルタミン、メルカプトエタノールおよびbFGF (4nd/ml)を加えたDMEM/F12培地中で維持した以外は同様であった。ヒトEBは、単独細胞からよりはむしろES細胞のインタクトコロニーから、培養物を丁度コロニーが遊離するまでディパーゼ(dipase)およびコラーゲナーゼにより軽度に処理することによって開始させた。EBは、15%ウシ胎仔血清(FCS)を加え且つbFGFを含まない上述の培地中の懸濁液中に維持した。懸濁培養の14日後に、EBを5% CO2中で10%のFCSを含むDMEM/F12培地中に入れた。
1. 細胞表面抗原、段階特異性(Stage-Specific)胚抗原-3 (SSEA-3)を発現するインタクトEBの選択
全てではないES凝集物が、SSEA-3を発現する十分に分化した内臓卵黄嚢(VYS)細胞の外側細胞層を有するEBへと成功裏に成熟している。生存EBをモノクローナル抗-SSEA-3-抗体および蛍光標識化二次抗体と一緒に短時間インキュベートした後、集団中の高発現物を、COPAS装置(Union Biometrica社) (該装置は、蛍光活性化細胞選別機(FACS)装置の原理と同様な原理で作動する)を使用して分離した。しかしながら、COPAS装置は、大粒子細胞選別機として考えられ得、かなり大きめの開口を有し、膵島全体およびシー・エレガンス(C. elegans)線虫全体サイズ程度の存在物を選別し得る。上記装置により選択したEBを、組織培養ウェル中に選別して、さらに培養して分化せしめ、膵臓マーカーの発現について分析した。
SSEA-3染色
7日目EBを、10%のFCSを含むDMEM中で1:50希釈したモノクローナル抗-SSEA-3腹水(Developmental Studies Hybridoma Bank、Uアイオワ州)と一緒に40℃で15分間インキュベートし、次いで、20〜50倍過剰の10%FCSを含む低温DMEMで洗浄した。次に、EBを、10%FCSを含むDMEM中で、二次抗体(Alexa-fluor 488ヤギ抗-ラットIgM (1:1000) (Molecular Probes社))と一緒に40℃で15分間インキュベートし、上記のようにして洗浄した。COPAS選別において、染色EBを、Ca++、Mg++および1%FCSを含有する低温PBS中に懸濁させ、ゲンタマイシンを加えた培地を含むウェル中に選別した。
結果
選別後にさらに21日間分化させた後、最高5〜10% SSEA-3 EBを使用して開始させた培養物は、主としてSSEA-3陰性EBを含有する未選別培養物よりも、早期膵臓細胞のマーカーであるYYに対して染色するより多くの細胞(推定10倍)を示した。図1は、大粒子細胞選別機により選別したSSEA-3高細胞が、SSEA-3陰性または低細胞が含有するよりも多くの内胚葉転写物(Sox17およびPdx1)および島分化の指標(NGN3およびインスリン(Ins1))を含有していたことを例示している。これらの結果は、内胚葉および膵臓系統の細胞についての培養物の成功裏の富化を示唆している。
2. FGF10を加えた(supplement)培地による分化中の細胞の処理
線維芽増殖因子10 (FGF10)は、膵臓の正常な発生において必要であることが文献に報告されており、早期膵臓前駆体細胞の増殖を促進させることによって作用し得る(Bhushan等、2001年)。FGF10は、マウスおよびヒト胚において早期膵臓上皮を取巻いている間充組織中で発現する。この増殖因子のES細胞培養物の分化に対する効果を探求することを決定した。
FGF10を加えた培地中での培養
EBを上述のようにして発生させ、7日目に、10%のFCSを含むDMEM高グルコース中に塗沫した。2日後、この培地を、50ng/ml FGF10を含有する1%FCS含有DMEM高グルコース培地と交換した。FGF10を含有する培地は、さらなる5〜19日の間、細胞を免疫蛍光法および/または定量PCR法(QPCR)により膵臓マーカーについて分析するまで毎日交換した。
結果
得られた蛍光およびQPCR試験の分析は、膵臓前駆体を発現するPDX1の有意の増強を明らかにしていた。下記の表1は、未処理細胞それぞれと比較したとき、塗抹後7日および14日においてpdx1転写物の5倍および2.5倍の富化を示す裏付けQPCRデータを示している。同様に、FGF10の不存在下に増殖させた細胞と比較して、塗抹後14日までにインスリン転写物の2.5倍の増加があった。少なくとも50ng/mlの濃度で使用したFGF10が有効であった。
図2は、FGF10添加培地中で増殖させた12日後にPDX1に対しての染色細胞数の増大(2〜3倍以上)を例示している。表1は、裏付けQPCRデータを示している。図3は、FGF10処理細胞培養物中での増強されたpdx1転写物存在量を示すQPCRデータを例示している。未分化ヒトES細胞と対比して、50ng/ml FGF10に暴露させた分化誘導体は、70倍以上のpdx1転写物mRNAを示していた。FGF10効果は、細胞をEB培養後の期においてFGF10に暴露させたときに、より顕著であった。
表1:定量リアルタイムPCRを使用しての未分化D3 mES細胞と対比しての発現
Figure 2010075186
EBn1+n2 = D3胚様体、n1 = 懸濁液中での日数。n2 = ゼラチン上での日数;FGF10 = 50ng/ml;AP = 成熟膵臓;数値は、3回の手順繰返しの平均として報告している。
3. 磁性活性化細胞選別法(MACS)分離を使用しての膵臓前駆体細胞の富化および奇形発生の低減
以前に、ES子孫細胞が膵臓十二指腸ホメオボックス(PDX1、IPF1)、即ち、不可欠膵臓転写因子を発現することは証明されている。今回、本明細書において、PDX1を発現するES細胞由来細胞が、細胞表面抗原の上皮細胞接着分子(EpCAM)を発現した上皮様細胞のシート状物に混じってES細胞分化培養物内の独立した複数の座に存在することが判明したことを報告する。EpCAM発現細胞の大多数はPDX1陰性であるが、PDX1発現細胞の全てがEpCAMも共発現する。注目すべきことに、これらの培養物中の、神経細胞および間葉細胞のような他の細胞タイプの多くは、EpCAMに対して染色しなかった。従って、本発明者等は、EpCAM陽性細胞に対して選択することにより、PDX1陽性細胞の相対的割合を高め得る可能性があると判断した。しかしながら、ある種の未分化ES細胞および内臓卵黄嚢(VYS)細胞もEpCAMに対し共染色する。考え出した方法は、先ず、未分化ES細胞をその専らの細胞表面抗原SSEA-1(マウスES細胞における)およびSSEA3/4(ヒトES細胞における)の発現に基づき除去する
ことであった。その後、VYS細胞をその専らのマウス培養物におけるSSEA-3およびヒト培養物におけるSSEA-1の発現に基づき除去する。最後に、EpCAMを発現する内胚葉集団を、EpCAM陽性細胞に対する正選択を使用して選択的に分離する。使用するMACS法は、磁性ビーズを二次抗体に結合させ、その後、細胞を強永久磁石内に置いた分離カラムに通すことによる。磁性標識化細胞はカラム内に保持され、通り抜ける標識していない細胞から分離された。カラムを磁場から取出した後、残存画分を溶出させた。負および正選択方策は、保持細胞または通り抜け細胞のいずれかを保存させることによって双方とも可能である。
MACS分離プロトコールは、以下で説明する詳細なプロトコールであり、ESおよびVYS細胞を除去するための2本の負選択カラム(SSEA1次いでSSEA3一次抗体を使用する)、および最後のEpCAM発現のための3番目の正カラム選択を使用するマウスES細胞に対する方法に含まれる工程を概説する。ヒトES細胞培養物においては、上記の3通りの分離方策は同様であるが、1番目の負選択がSSEA3/4によって未分化ヒトES細胞を除去し、次いで、SSEA1負選択によってVYS細胞を除去し、その後、EpCAM正選択工程による。
MACS分離プロトコール
最初の負分離における細胞調製
手順を、3P60プレートEB7+nをPBSで2回洗浄することによって開始した。その後、プレートを1.5mlの2mM EDTA中で15分間インキュベートし、EDTAを吸引した。次いで、1.5mlの0.05%トリプシンを37℃、5分間で添加し、引続き、1.5mlのDMEM/HEPES + 10%FCSを添加し、細胞を緩やかに再懸濁させた。その後、追加のDMEM + 10%FCSを添加して総計で10〜15mlを調製した。次に、細胞を40μmフィルターにより50mlチューブ内に濾過し、20μm Nitexフィルターにより再濾過した。濾液をトルイジンブルー(TB)で1:5希釈し、細胞を計数した(50μl+150μl+50μl TB)。2×107細胞を2本の15mlチューブに加え、各チューブを臨床用遠心分離機内で速度#5で3分間遠心分離した。その後、各ペレットを、SSEA-1抗体を含有する100μlのDMEM/HEPES + 10%FCS中に再懸濁させ、冷蔵庫(4〜8℃)内で15分間インキュベートした。その後、5mlの低温DMEM/HEPES + 10%FCSをチューブ毎に添加し、21℃で3分間遠心分離した。次いで、上清を完全に除去した。細胞をチューブ当り160μlのDMEM/HEPES + 10%FCS中に再懸濁させ、40μlのラット抗-マウスIgM磁性ビーズを各チューブに添加した。この混合物を良く混合し、冷蔵庫(4〜8℃)内で15分間インキュベートした。これに、チューブ当り5mlの低温DMEM/HEPES + 10%FCSを添加し、次いで、21℃で3分間遠心分離した。上清を完全に除去した。各ペレットを0.5mlの低温脱ガスDMEM/HEPES + 10%FCS中に再懸濁させた。これを実施するためには、約40mlのDMEM/HEPES + 10%FCSを、真空を使用してRTで10分間脱ガスし、その後、混合物を冷却した。
最初の負選択
装置の準備のため、磁石をスタンドに取付け、LDカラムを、下に収集チューブを備えた磁石内に置いた。各カラムを、2mlの10%のFCSを含む低温脱ガスDMEM/HEPESを適用し、この培地を各カラムに流すことによって十分に洗浄した。培地を氷中の滅菌15ml収集チューブに移した。次に、細胞を培地に添加し、その後、1mlの細胞をLDカラムに加え、流出液を収集した。その後、カラムを2×1mlの脱ガス培地で洗浄し、欠損画分として流出液全体を収集した。その後、10μlの細胞を取出し、細胞を1:10希釈して計数し(10μl+40μl+50μl TB)、次いで21℃で3分間遠心分離した。
2番目の負分離における細胞調製
上述の手順からの細胞アリコートを160〜240μlのDMEM/HEPES + 10%FCS中に懸濁させた(80μl/107細胞)。これに、40〜60μlのヤギ抗-ラットIgG磁性ビーズを添加した(20μl/107細胞)。この混合物を良く混合し、冷蔵庫(4〜8℃)内で15分間インキュベートした。その後、5mlのDMEM/HEPES + 10%FCSを添加し、混合物を21℃で3分間遠心分離し、その後、上清を完全に除去した。ペレットを1mlの低温脱ガスDMEM/HEPES + 10%FCS中に再懸濁させた。
2番目の負分離カラム
2番目のLDカラムを、2mlの低温脱ガスDMEM/HEPES + 10%FCSを適用し、これを流し通すことによって洗浄した。培地を氷中の滅菌15ml収集チューブに移した。その後、細胞をLDカラムに適用し、流出液を収集した。カラムを2×1ml脱ガス培地で洗浄し、流出液全体を欠損画分として収集した。その後、細胞を計数し、1:4 = 10μl+10μl+20μlTB希釈した。次に、混合物を21℃で3分間遠心分離した。
正分離における細胞調製
上述の手順からのペレットを、抗-EpCAM抗体を含有する100μlのDMEM/HEPES + 10%FCS中に再懸濁させ、冷蔵庫(4〜8℃)内で15分間インキュベートした。これに、5mlの低温DMEM/HEPES + 10%FCSを添加し、混合物を21℃で3分間遠心分離した。上清を除去した。細胞を80〜160μlのDMEM/HEPES + 10%FCSに再懸濁させ、これに20〜40μlのヤギ抗-ラットIgG磁性ビーズを添加した。この混合物を良く混合し、冷蔵庫(4〜8℃)内で15分間インキュベートした。その後、5mlの低温DMEM/HEPES + 10%FCSを添加し、21℃で3分間遠心分離し、その後、上清を完全に除去した。細胞を1mlの低温脱ガスDMEM/HEPES + 10%FCS中に再懸濁させた。
正分離カラム
先ず、LSカラムを、3mlの低温脱ガスDMEM/HEPES + 10%FCSを適用し、これを流し通すことによって洗浄した。培地を15mlの収集チューブに移した。細胞をLSカラムに適用し、流出液を収集した。カラムを3×3ml DMEM/HEPES + 10%FCSで洗浄し、3ml全部をもう1回の添加前に流し通した。LSカラムを取出し、滅菌15ml遠心分離機チューブ内に入れた。カラムに5mlのDMEM/HEPES + 10%FCSを添加し、カラムと一緒に送り込んだプランジャーを使用して、付着した陽性画分を確実に流し出した。細胞を21℃で3分間遠心分離し、1〜2mlのDMEM/HEPES培地 + ゲンタマイシン中に再懸濁させた。その後、収集した細胞について細胞計数を行い、細胞をTBで1:2希釈した。細胞を24ウェルプレート中に1〜2×105細胞/ウェルで塗抹した。
抗体希釈は、以下のとおりであった:
負選択においては: SSEA-3:腹水-unkを使用し、4μlを200μlに加えて1:50希釈し、1:50の最終希釈とする。SSEA-1:40μlを200μlに加えて1:5希釈し、500μg/mlの原液を最終10μg/mlに希釈する。
正選択においては: EpCAM:1:50の希釈のために2μlを100μlに加えて500μg/mlの原液を10μg/mlに希釈する。
MACS選別法によって選択したEpCAM + 細胞(〜98%純粋)が内胚葉および膵臓系統について増強されたかどうかを試験するために、QPCR分析を、選別直後でなお且つDMEM + 15%SRおよびFGF10中での増殖4日後の細胞について実施した(選別後、4日目;図5)。この時点で、選別後細胞の膵臓分化のさらなる増強が、Matrigel基質並びにBSA、ITS、ベータ-メルカプトエタノール、NEAA、L-グルタミン、ニコチンアミド、エキセンジン4およびFGF10を含有するDMEM/F12培地からなるBonner-Weir等(2001年)の膵臓前駆体分化プロトコールの修正を示す条件に培養を切替えることによって達成された。選別後細胞を分化培地中での21日後のQPCRおよびIHCによりさらに分析した(選別後25日目、図5)。
上記選別法がES細胞の生体内増殖後に奇形腫形成を低減させているかどうかを試験するために、未分化マウスES細胞、分化未選別ES細胞由来細胞または分化新鮮選別ES子孫細胞のいずれかを免疫不全(NOD-SCID)マウスに移植した。段階的細胞数を腎被膜下および皮下に注射した。動物を10週間までの間腫瘍形成についてモニターし、皮下腫瘍を3日毎に測定し、組織検査を注射動物の腎臓において実施した。
結果
図4および図7は、QCPRによりアッセイしたときの選別集団におけるPDX-1発現細胞の富化を示している。図4においては、マウスES細胞をx軸上に示すような種々の段階まで培養し、次いで、上述したようにしてEpCAM+細胞について選別した。pdx1遺伝子発現は、QPCRによって評価し、未分化ES細胞(カラム1、1.0倍に標準化している)と比較した。また、データ全てをGAPDH対照レベルに対して標準化しており、データポイントは生物学的2回繰返しまたは3回繰返しサンプルを表している。これらのデータは、選別しない場合、pdx1転写物は、細胞が培養物中で分化するにつれて、経時的にほんの僅かしか増加せず、最終的には、pdx1発現はプラトーに達していることを示し、後の段階の培養物においてpdx1転写のさらなる相対的増加が無いことを示唆している。対照的に、pdx1転写物は、EpCAM + 細胞においては経時的に蓄積し続けている。最終的には、選別細胞は、未分化ES細胞と比較して>95倍のpdx1遺伝子発現の富化および未選別細胞と比較して4〜5倍の富化を示している。図7は、この選別法を使用して増強させた有意の経時的な内胚葉マーカーSox17の増加およびOct4、即ち、未分化幹細胞マーカーの減少を実証するもう1つの選別試験の結果を示している。この場合も、EpCAM + 選別細胞におけるpdx1発現は、未選別集団における発現を3〜10倍上回って増大していた。
およそ98%純粋であるEpCAM + 細胞を15%のSR(血清代替物)およびFGF10を含有する上述のような培養培地に4日間入れ、その後、ニコチンアミド、エキセジン4およびFGF10を含有する無血清培地中でさらなる21日間の培養のために培養した。図5は、選別後細胞におけるこの分化プロトコールが、より分化した島フェノタイプへと向う未分化細胞および内胚葉とはかけ離れた進行性向をもたらしていることを実証している。さらに詳細には、また前の試験において示されているように、選別は、pdx1およびYY転写物の有意の富化をもたらしている(選別後0日対未選別)。FGF10添加培地中での4日後、培養物は、Sox17転写の約300倍の増大を示した(選別後4日対選別後0日)。この増大には、pdx1またはEpcam転写の減少なしで4日目以降の総細胞数の約4〜5倍の増大も伴っており、この増大はおそらく増殖に基づいているようであった。本方法において示されるような21日間(選別後25日目まで)の無血清培地におけるこの増殖集団の引続く培養は、未分化幹細胞マーカー(Oct4)発現の劇的な低下をもたらしており、未分化幹細胞の拘束された分化を示唆していた。さらに、Sox17転写の低下に基づく内胚葉の成熟も存在していた。同時に、膵臓マーカー遺伝子発現レベル(pdx1、YYおよびインスリン)の一致および有意の増大を観察した。これらの分化条件下においては、細胞は、顕著な形でその形態を変化して、凝集し、事実上小管様または導管様構造を形成していた。全体として、未選別細胞と比較すると、さらなる増殖および分化を誘発させる上記選別方式および培養プロトコールは、膵臓前駆体細胞の増加、集団全体の0.07%から集団全体の0.9%までの推定12倍をもたらしていた。さらにまた、上記プロトコールは、インスリン発現細胞の50倍の増加も成功裏に生じ得るものと推定している。遺伝子発現および形態におけるそのような変化は、膵臓形成中の胚において生じる多くの細胞および分子変化を反映している。
Oct4発現の有意の低下に基づき、本発明者等は、EpCAM + 細胞は奇形腫をほぼ形成しないであろうと仮定した。従って、この仮説を試験する実験を設計した。先ず、0.5×106の未分化マウスES細胞または分化マウスES細胞の未選別集団を免疫不全8週齢NOD-SCIDマウスの腎被膜の下に移植した。腎臓を注入後3週間で採集した。そのような動物は、全てが肉眼で確認し得る腫瘍を発症していた。対照的に、0.5×106のSSEA1陰性、SSEA3陰性およびEpCAM陽性の細胞を注入した動物は、肉眼的にも或いは組織学的にも奇形腫を発症していなかった(5匹の動物の内で0匹)。従って、MACS選別細胞は、免疫不全マウスの腎被膜下に注入したとき奇形腫を発生させない。図6は、細胞を皮下に接種したもう1つの試験を示す。この試験ももう1つの対照細胞集団、SSEA1-、SSEA3-、およびEpCAM-選別細胞集団を含み、10週間までの間の増殖を試験した。皮下位置において、マウスに接種した未分化ES細胞は急速に大きな奇形腫(>10mm)に増殖し、分化選別細胞も腫瘍を容易に形成した(図6)。重要なことに、未分化ES細胞は、免疫応答性マウスにおいても奇形腫を一般的に形成する(データは示していない)。明らかに、三段階法によって前以って選別したEpCAM+分化細胞は、腫瘍を形成し得てなかった(図6)。大きさで3mm未満の安定な結節はEpCAM+選別細胞注入の全ての場合において形成していたが、接種後の10週間まで変化しないままであった。この結節の組織分析は、内胚葉誘導体を示唆し得る腺構造体の広がりを示していた。奇形腫において典型的に観察される他の胚細胞層の多数の多様な誘導体は、上記結節中には存在していなかった。選別細胞集団は生体内奇形腫を形成しなかったものの、細胞は、本出願において特定した特定の条件下に生体外で生存し、増殖しており、選別集団の死またはアポトーシスは奇形腫形成の無いことの理由でないことを示唆していた。生体外の細胞増殖条件が得られる細胞集団の腫瘍形成を同時に低減させながら考案されていることも示唆している。
上記で説明した3つの方法の全てが初期の未分化幹細胞培養物から内胚葉および膵臓系統に向う細胞集団の増加をもたらしていた。とりわけ、MACS選別法は、残留未分化ES細胞を除去することにより、膵臓分化も増強させ、分化ES細胞誘導体の発癌性も低減させていた。従って、MACS選別方式により選択したEcCAM陽性細胞は、内胚葉および膵臓系統を富化させる能力を授与させる以外にも、腫瘍形成性が低く、事実上の臨床治療応用にとっての重要な属性である。このことは、ES細胞への外来遺伝子の導入を含まないES子孫細胞における発癌能力の低減または排除の初めての実証であると信じている。
尚、本発明の具体的な態様を以下に示す。
〔1〕
下記の工程を含むことを特徴とする、内胚葉および膵臓系統の細胞のための幹細胞由来培養物の富化方法:
幹細胞を胚様体形成へと培養する工程;および、
胚様体の中から、種適性細胞表面段階特異性胚の発現について選択し、細胞表面段階特異性抗原を発現しない胚様体のみを、内胚葉および膵臓細胞への分化のために培養する工程。
〔2〕
前記幹細胞がヒト胚幹細胞であり、前記種適性表面抗原が段階特異性胚抗原-1である、〔1〕記載の方法。
〔3〕
SSEA-1の発現および上皮細胞表面抗原(EpCAM)の発現についての選択をさらに含む、〔2〕記載の方法。
〔4〕
前記選択を、磁気活性化細胞選別法によって実施する、〔3〕記載の方法。
〔5〕
下記の工程を含むことを特徴とする、内胚葉および膵臓系統の細胞へとヒト胚幹細胞由来培養物を富化する方法:
ヒト胚幹細胞を、幹細胞が分化を開始するのを可能にする条件下に培養する工程;および、
前記胚幹細胞培養物に線維芽細胞増殖因子10 (FGF10)を添加する工程。
〔6〕
SSEA-1の発現について選択する、SSEA-3の発現について選択する、および上皮細胞表面抗原(EpCAM)の発現について選択する工程をさらに含む、〔5〕記載の方法。
〔7〕
前記選択を、磁気活性化細胞選別法によって実施する、〔6〕記載の方法。
〔8〕
下記の工程を含むことを特徴とする、内胚葉および膵臓系統の細胞へと幹細胞由来培養物を富化する方法:
幹細胞を、幹細胞が分化を開始するのを可能にする条件下に培養する工程;および、
前記幹細胞を、段階特異性胚抗原-1 (SSEA-1)発現の欠如に対して、段階特異性胚抗原-3 (SSEA-3)発現の欠如について、および上皮細胞表面抗原(EpCAM)の発現について選択する工程。
〔9〕
前記選別を、磁気活性化細胞選別法によって実施する、〔8〕記載の方法。
〔10〕
前記幹細胞が、ヒト胚幹細胞である、〔8〕記載の方法。
〔11〕
前記幹細胞が分化を開始するのを可能にする前記幹細胞の培養工程が、幹細胞を培養して胚様体の形成を促進させることを含む、〔8〕記載の方法。
〔12〕
下記の工程を含むことを特徴とする、発癌能力を有していない幹細胞由来細胞集団の産生方法:
幹細胞を、幹細胞が分化を開始するのを可能にする条件下に培養する工程;および、
前記幹細胞を、未分化状態に関連する細胞表面マーカー発現の欠如について、および特定の分化系統への拘束を指標し得る細胞表面マーカー発現について選択する工程(得られる細胞培養物は、免疫低下マウスに注入したときに、奇形腫を形成しない)。
〔13〕
前記幹細胞が、ヒト胚幹細胞である、〔12〕記載の方法。
〔14〕
未分化状態に関連する細胞表面マーカーが、SSEA-1またはSSEA-3である、〔13〕記載の方法。
〔15〕
特定の分化系統への拘束を指標し得る細胞表面マーカーが、上皮細胞表面抗原(EpCAM)である、〔13〕記載の方法。
〔16〕
前記選択を、磁気活性化細胞選別法によって実施する、〔13〕記載の方法。

Claims (3)

  1. 発癌能力を有していない幹細胞由来細胞集団の産生方法であって、以下の工程:
    (1)ヒト幹細胞を胚様体の形態に培養する工程;
    (2)前記培養した細胞を懸濁する工程;および、
    (3)前記懸濁細胞を、SSEA-3/4の発現が無く、SSEA-1の発現が無く及びEpCAMを発現する細胞について選択し、得られる細胞培養物が、免疫低下マウスに注入されたときに、奇形腫を形成しない工程、
    を含む事を特徴とする産生方法。
  2. 前記ヒト幹細胞が、ヒト胚幹細胞である請求項1に記載の方法。
  3. 前記選択を、磁気活性化細胞選別法によって実施する、請求項1又は2記載の方法。
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