JP2010074950A - 整流制御装置、全波整流回路、受電装置、電子機器および無接点電力伝送システム - Google Patents

整流制御装置、全波整流回路、受電装置、電子機器および無接点電力伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】 同期整流方式の全波整流回路において、同期整流素子のオン/オフのタイミングを高精度に制御し、全波整流回路の損失や発熱の低減、エネルギー効率の改善を図る。
【解決手段】 整流制御装置に含まれるタイミング制御回路200は、第1のコンパレータ602(第1のヒステリシスコンパレータCMP1)と、ピークホールド回路604と、第2のコンパレータ606(第2のヒステリシスコンパレータCMP2)と、出力回路608と、を有する。第2のコンパレータ606は、ピークホールドコンデンサCpeakによってホールドされたピーク電圧Vpeakとリアルタイムの交流電圧VC1とを比較する。交流電圧VC1がピーク電圧Vpeakを下回ると、同期整流素子のオン/オフ制御信号TG1がアクティブレベルから非アクティブレベルになり、同期整流素子M1がオフする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、整流制御装置、全波整流回路、受電装置、電子機器および無接点電力伝送システム等に関する。
全波整流回路は一般に、整流ブリッジと、平滑コンデンサとにより構成される。整流方式としては、ダイオード整流方式と、同期整流方式とがある。
ダイオード整流方式は、複数のダイオード(例えば、PN接合ダイオード)を用いて構成される整流ブリッジにより、交流電圧を整流電圧(直流電圧)に変換する方式である。但し、ダイオード整流方式の場合、ダイオードに順方向電圧が発生し、ダイオード損失が生じる。
同期整流方式は、ダイオードの代わりに、低損失の能動素子(例えばパワーMOSFET)を使用すると共に、例えば、タイミング制御回路(制御IC等)が、その能動素子のオン/オフを適切なタイミングで切り換える。同期整流方式では、パワーMOSFETの他、例えば、パワー系バイポーラトランジスタを使用する場合もあり得る。
本明細書では、同期整流方式を実現するために使用される能動素子を、「同期整流素子」という。低損失であり、かつ、制御信号を制御ノードに入力することによってオン/オフを制御することが可能な能動素子であれば、その種類は問わない。なお、MOSFETの場合、ゲートが制御ノードであり、バイポーラトランジスタの場合、ベースが制御ノードである。但し、MOSFET(パワーMOSFET)は、省電力性に優れ、耐圧も高いため、同期整流素子として適している。
パワーMOSFETを用いた同期整流方式の整流回路は、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されている。
特許文献1に記載される整流回路は、整流回路の入力端子と出力端子との間の電位差を比較器により測定し、その比較器の出力信号によって、入力端子と出力端子との間に接続されているパワーMOSFETのオン/オフを制御する。
特許文献2に記載される整流回路(全波ブリッジ整流回路)は、4つのパワーMOSFETと、各パワーMOSFETのオン/オフを制御するための4つの比較器と、によって構成される。比較器は、入力端子の電圧と、直流出力電圧VDDあるいは接地電位GNDとを比較し、各比較器の出力信号によって、各パワーMOSFETのオン/オフを制御する。
特表昭60−502135号公報 特開平9−131064号公報
特許文献1および特許文献2に記載の同期整流方式の整流回路では、整流回路の入力端子の電圧(すなわち交流信号の電圧)と、整流回路の出力端子の電圧(すなわち整流電圧)とを比較器によって比較し、入力端子と出力端子との間に接続されるMOSFET(同期整流素子)のオン/オフを制御する。
しかし、同期整流素子がオンすると、同期整流素子のオン抵抗が低いことから、整流回路の入力端と出力端との電位差が微小(例えば、数mV程度)となる。すなわち、比較器に入力される2つの電圧の電位差がほとんどなくなることから、正確な電圧比較が困難になり、オン状態の同期整流素子をオフ状態に移行させるタイミングにかなりの遅延が生じる。同期整流素子のターンオフのタイミングが遅延すると、その遅延期間において、例えば、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流が生じて、整流回路のエネルギー効率が低下する。よって、同期整流素子のターンオフタイミングを、できるだけ正確に制御することが望ましい。
また、整流回路に入力される交流電圧にはノイズが重畳されるため、同期整流素子の、より正確なオン/オフ制御のためにはノイズ対策が必要となる。
また、例えば、無接点電力伝送システムの受電装置に整流回路が設けられる場合、無接点電力伝送システムでは高い伝送効率が求められることから、整流回路の損失の低減やエネルギー効率の改善は極めて重要な課題となる。したがって、従来にない、より高精度な同期整流素子のタイミング制御を実現することが重要である。
本発明の幾つかの態様によれば、例えば、同期整流素子のターンオフ遅延による、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流を確実に防止することができる。また、例えば、ノイズに影響されることなく、高精度の同期整流素子のオン/オフのタイミング制御が可能となり、整流回路の損失や発熱の低減、ならびにエネルギー効率の改善を図ることができる。
(1)本発明の整流制御装置の一態様は、複数の同期整流素子を含む整流ブリッジと、前記整流ブリッジに接続される平滑コンデンサと、を含む全波整流回路における、前記複数の同期整流素子の少なくとも一つのオン/オフを制御する整流制御装置であって、前記複数の同期整流素子のうちの少なくとも一つのオン/オフを、少なくとも一つのオン/オフ制御信号によって制御するタイミング制御回路を含み、前記タイミング制御回路は、前記少なくとも一つのオン/オフ制御信号の一つである第1のオン/オフ制御信号を生成するオン/オフ制御信号生成回路を含み、前記オン/オフ制御信号生成回路は、整流ブリッジに入力される交流電圧と、前記整流ブリッジから出力される整流電圧とを比較する第1のコンパレータと、前記交流電圧のピーク電圧をホールドするピークホールド回路と、前記ピークホールド回路によってホールドされたピーク電圧と、前記交流電圧とを比較する第2のコンパレータと、前記第1のコンパレータの出力信号と前記第2のコンパレータの出力信号とに基づいて、前記第1のオン/オフ制御信号を出力する出力回路と、を有する。
本態様では、交流電圧と整流電圧とを第1のコンパレータによって比較し、例えば、交流電圧が整流電圧を超えるタイミングで、同期整流素子のオン/オフ制御信号がアクティブレベルとなって同期整流素子がオンする。また、ピークホールド回路によって交流電圧のピーク電圧がホールドされる。また、第2のコンパレータによって、ピーク電圧とリアルタイムの交流電圧とが比較され、例えば、交流電圧がピーク電圧を下回るタイミングで、同期整流素子のオン/オフ制御信号が非アクティブレベルとなって同期整流素子がオフする。
整流電圧は微視的には、時間軸上で変動し、ノイズが重畳される場合もある。一方、ピークホールド回路によってホールドされたピーク電圧は、ノイズを含まない直流電圧である。よって、ピークホールドコンデンサにホールドされているピーク電圧とリアルタイムの交流電圧とを比較する本態様の方式では、リアルタイムの整流電圧とリアルタイムの交流電圧とを比較する従来方式に比べて、電圧比較の精度を高めることが可能である。よって、同期整流素子のターンオフタイミングを、より高精度に制御することができる。
また、上述のとおり、一旦、同期整流素子がオンすると、同期整流素子のオン抵抗が低いことから、整流回路の入力端と出力端との電位差が微小(例えば、数mV程度)となり、交流電圧と整流電圧との電位差がほとんどなくなることから、正確な電圧比較が困難になる。すなわち、通常のコンパレータは、比較対象の2つの信号の電位差が、ある程度大きくないと電圧比較ができず、従来の方式では、オン状態の同期整流素子をオフ状態に移行させるタイミングに遅延が生じ、その遅延期間において、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流が生じる。
本態様では、整流ブリッジに入力される交流電圧がピーク電圧よりも低下するタイミング(すなわち、整流回路の後段に設けられる負荷への電流が減り始めるタイミング)で、同期整流素子がオフすることができる。平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流は、交流電圧が整流電圧よりも低下すると生じるが、本態様の場合、逆流が生じる時点よりも前に同期整流素子が確実にオフするため、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流は確実に防止される。したがって、逆流に起因する整流回路のエネルギー効率の低下が生じない。
(2)本発明の整流制御装置の他の態様では、前記第1のコンパレータは第1のヒステリシスコンパレータによって構成され、前記第1のヒステリシスコンパレータの閾値電圧は、前記第1のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがLレベルのときは第1の閾値電圧であり、前記第1のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがHレベルのときは第2の閾値電圧であり、前記第1の閾値電圧と前記第2の閾値電圧との差電圧によって決まるヒステリシス幅は、前記交流電圧および前記整流電圧に重畳されるノイズに対して、前記第1のヒステリシスコンパレータが不感となる電圧に設定される。
第1のコンパレータとして、ヒステリシスコンパレータを用いることによって、細かなノイズに追従して、第1のコンパレータの出力信号の電圧レベルが瞬時的に何回も変動するような事態が防止される。
また、ヒステリシス幅を、例えば25mV程度に設定した場合、第1のコンパレータは、この程度の電位差は確実に検出できることから、交流電圧が第2の閾値電圧を下回るタイミングにて、ヒステリシスコンパレータの出力がアクティブレベル(例えばH)から非アクティブレベル(例えばL)に確実に変化する。すなわち、適切なヒステリシス幅を設定することによって、ノイズ対策が強化されると共に、ヒステリシス幅を積極的に利用して、より正確なターンオフのタイミング制御を実現することができる。よって、回路設計も従来に比べて、容易になる。
(3)本発明の整流制御装置の他の態様では、前記第2のコンパレータは第2のヒステリシスコンパレータによって構成され、前記第2のヒステリシスコンパレータの閾値電圧は、前記第2のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがLレベルのときは第3の閾値電圧であり、前記第2のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがHレベルのときは第4の閾値電圧であり、前記第3の閾値電圧と前記第4の閾値電圧との差電圧によって決まるステリシス幅は、前記交流電圧または前記整流電圧に重畳されるノイズに対して、前記第2のヒステリシスコンパレータが不感となる電圧に設定される。
第2のコンパレータとして、ヒステリシスコンパレータを用いることによって、細かなノイズに追従して、第2のコンパレータの出力信号の電圧レベルが瞬時的に何回も変動するような事態が防止される。
また、ヒステリシス幅を、例えば25mV程度に設定した場合、第2のコンパレータは、この程度の電位差は確実に検出できることから、交流電圧が第2の閾値電圧を下回るタイミングにて、ヒステリシスコンパレータの出力がアクティブレベル(例えばH)から非アクティブレベル(例えばL)に確実に変化する。すなわち、適切なヒステリシス幅を設定することによって、ノイズ対策が強化されると共に、ヒステリシス幅を積極的に利用して、より正確なターンオフのタイミング制御を実現することができる。よって、回路設計も従来に比べて、容易になる。
(4)本発明の整流制御装置の他の態様は、前記ピークホールド回路は、ピークホールドコンデンサと、前記交流電圧が前記ピークホールドコンデンサのホールド電圧より高い期間において、前記ピークホールドコンデンサのホールド電圧が前記交流電圧と同じ電圧になるように前記ピークホールドコンデンサを充電し、かつ、前記交流電圧が前記ピークホールドコンデンサのホールド電圧よりも低くなると前記ピークホールドコンデンサの充電を停止する充電回路と、前記ピーク電圧がホールドされている前記ピークホールドコンデンサをリセットするための放電回路と、を有する。
ピークホールド回路は、例えば、ピークホールドコンデンサと、充電回路と、放電回路とによって構成することができる。充電回路は、例えば、ピークホールドコンデンサのホールド電圧と交流電圧とを比較するコンパレータの働きと、ピークホールドコンデンサのホールド電圧が整流電圧に等しくなるように制御するボルテージフォロワの働きを兼ねる回路である(但し、この回路構成に限定されるものではない)。
リアルタイムの交流電圧がピークホールドコンデンサのホールド電圧を超えている期間では、例えば負帰還制御によって、ホールド電圧が交流電圧に一致するように制御される。そして、リアルタイムの交流電圧がホールド電圧を下回ると、充電が停止する。この動作によって、交流電圧のピーク電圧が、ピークホールドコンデンサに保持される。
また、ピーク電圧と交流電圧とが第2のコンパレータによって比較されて、その結果として同期整流素子がオフした後であって、その同期整流素子が再びオンする前の期間において、放電回路によってピークホールドコンデンサの電荷が放電され、ピークホールドコンデンサが初期状態に戻る。すなわち、ピークホールドコンデンサがリセットされた状態となる。以後、同様の動作が、例えば周期的に繰り返される。
(5)本発明の整流制御装置の他の態様は、前記タイミング制御回路は、前記整流電圧が所与の電圧レベル以上になるまで、前記少なくとも一つのオン/オフ制御信号の各々を非アクティブレベルに維持する出力保証回路を、さらに有する。
例えば、整流制御装置に含まれるタイミング制御回路が、全波整流回路から得られる整流電圧を電源電圧として動作する場合がある。例えば、全波整流回路および整流制御装置が、無接点電力伝送システムの受電装置に設けられる場合、整流制御装置は、全波整流回路の整流電圧を電源電圧として動作する。
この場合、電源電圧としての整流電圧の電圧レベルが所与の電圧レベルに達しない期間においてタイミング制御回路を動作させると、不十分な電源電圧に起因して回路動作が不安定となり、正常な、同期整流素子のオン/オフ制御ができない場合が生じ得る。例えば、第1および第2の整流素子が同時にオンして、大きな貫通電流が流れて、整流回路のエネルギー効率が低下するような事態が生じ得る。
そこで、本態様では、タイミング制御回路に出力保証回路を設ける。出力保証回路は、整流電圧が所与の電圧レベル以上になるまで、同期整流素子のオン/オフ制御信号を非アクティブレベルに維持する。これにより、複数の同期整流素子の各々は、電源電圧としての整流電圧が所与のレベルに上昇するまでオフ状態となり、その状態では、各同期整流素子に並列に接続される各ボディダイオード(寄生ダイオード)による整流動作が実行される。したがって、例えば、第1および第2の同期整流素子が同時にオンして大きな貫通電流が流れるような事態が生じない。出力保証回路は、タイミング制御回路から出力される、同期整流素子のオン/オフ制御信号が、正常な制御電圧であることを保証する。よって、整流制御装置による同期整流素子の制御の信頼性が向上する。
(6)本発明の整流制御装置の他の態様では、前記整流ブリッジは、第1ノードに第1の交流電圧が入力され、第2ノードに前記第1の交流電圧とは逆相の第2の交流電圧が入力され、第3ノードから前記整流電圧が出力され、第4ノードが基準電位に接続されると共に、前記第1ノードと第2ノードとの間に接続される第1の同期整流素子と、前記第3ノードと前記第4ノードとの間に接続される第2の同期整流素子と、前記第3ノードと前記第1ノードとの間に接続される第3の同期整流素子と、前記第3ノードと前記第4ノードとの間に接続される第4の同期整流素子と、を有する。
本態様では、整流ブリッジは4つの同期整流素子を含み、第1ノードおよび第2ノードに互いに逆相の交流電圧が入力され、第3ノードから整流電圧が出力され、第4ノードに基準電位(例えばGND)が接続される。但し、整流ブリッジの構成は、この回路構成に限定されるものではない。整流ブリッジは、「少なくとも一つの同期整流素子を含む同期整流要素回路」と言い換えることができる。
(7)本発明の整流制御装置の他の態様では、前記タイミング制御回路に含まれる前記オン/オフ制御信号生成回路は、前記第1の同期整流素子のオン/オフを制御するための前記第1のオン/オフ制御信号ならびに前記第2の同期整流素子のオン/オフを制御するための第2のオン/オフ制御信号の双方を生成し、前記第1のオン/オフ制御信号および前記第2のオン/オフ制御信号の双方を生成する前記オン/オフ制御信号生成回路は、前記第1のコンパレータとしての、前記第1のオン/オフ制御信号および前記第2のオン/オフ制御信号の双方を生成するために共通に使用される、第1の共通コンパレータと、前記第2のコンパレータとしての、前記第1のオン/オフ制御信号および前記第2のオン/オフ制御信号の双方を生成するために共通に使用される、第2の共通コンパレータと、前記ピークホールド回路としての、前記第1のオン/オフ制御信号および第2のオン/オフ制御信号の双方の生成のために共通に使用される共通ピークホールド回路と、前記第1の共通コンパレータに、前記第1の交流電圧あるいは前記第2の交流電圧のいずれを入力するかが、切り換え制御信号によって切り換えられる入力切り換えスイッチと、生成されたオン/オフ制御信号を、前記第1のオン/オフ制御信号として出力するか、前記第2のオン/オフ制御信号として出力するかを、前記切り換え制御信号に基づいて切り換えるセレクタと、前記整流ブリッジの第1ノードの電圧と前記第2ノードの電圧を比較して、前記切り換え制御信号を生成する比較回路と、を有する。
本態様では、第1のコンパレータ、第2のコンパレータならびにピークホールド回路の各々を、第1および第2のオン/オフ制御信号の各々の生成のために共通に使用する。各回路の共用によって、回路構成のさらなる簡素化、回路の占有面積のさらなる削減、ならびに、さらなる低消費電力化を実現することができる。すなわち、第1のオン/オフ制御信号の生成と第2のオン/オフ制御信号の生成とが同時に行われることはない。よって、各回路を時分割で使用することよって、第1および第2のコンパレータならびにピークホールド回路の共用化が実現される。
本態様では、第1の共通コンパレータに、第1ノードの交流電圧あるいは第2ノードの交流電圧のいずれを供給するかは、切り換えスイッチによって切り換えられる。切り換えスイッチの動作は、比較回路から出力される切り換え制御信号によって制御される。比較回路は、整流ブリッジの第1ノードの電圧と第2ノードの電圧とを比較して切り換え制御信号を生成する。
また、生成されたオン/オフ制御信号を、第1の同期整流素子用の第1のオン/オフ制御信号として出力するか、第2の同期整流素子用の第2のオン/オフ制御信号として出力するかは、セレクタによって制御される。セレクタの動作は、比較回路から出力される切り換え制御信号によって制御される。
(8)本発明の整流制御装置の他の態様では、整流制御装置は、前記整流ブリッジを含む。
本態様では、整流制御装置は、タイミング制御回路のみならず、整流ブリッジも内蔵する。例えば、整流ブリッジを比較的低耐圧のトランジスタで構成することができる場合には、整流ブリッジを整流制御装置(IC)に内蔵することが可能であり、これによって、無接点電力伝送システムの受電装置における部品点数を削減することができる。
(9)本発明の全波整流回路の一態様は、複数の同期整流素子を含む整流ブリッジと、前記整流ブリッジに接続される平滑コンデンサと、前記複数の同期整流素子の少なくとも一つのオン/オフを制御するための上記の整流制御装置と、を含む。
本態様の全波整流回路は、同期整流方式の整流ブリッジと、平滑コンデンサと、上記いずれかに記載の整流制御装置と、を含む。
本態様によれば、同期整流素子のオン/オフを適切なタイミングで制御することができ、例えば、ボディダイオードによる損失を低減できる。また、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流を効果的に防止することができる。よって、低損失かつエネルギー効率の高い、同期整流方式の全波整流回路を実現することができる。
(10)本発明の電子機器の一態様は、上記いずれかの整流制御装置を含む。
これによって、電子機器(例えば、携帯端末(携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なコンピュータ端末等を含む))に搭載される電源回路の損失が低減される。よって、電子機器の電源回路のエネルギー効率が向上する。
(11)本発明の電子機器の他の態様は、上記の全波整流回路を含む。
これによって、電子機器(例えば、携帯端末(携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なコンピュータ端末等を含む))に搭載される電源回路の損失が低減される。よって、電子機器の電源回路のエネルギー効率が向上する。
(12)本発明の受電装置の一態様は、2次コイルと、複数の同期整流素子を含む整流ブリッジと、前記整流ブリッジに接続される平滑コンデンサと、を含む全波整流回路と、前記複数の同期整流素子の少なくとも一つのオン/オフを制御するための上記いずれかの整流制御装置と、前記全波整流回路から得られる整流電圧に基づく、給電対象の負荷への給電を制御するための給電制御部と、を有する。
本態様の受電装置は、同期整流方式の全波整流回路と、整流制御装置と、給電制御部と、を有する。全波整流回路から出力される整流電圧によって受電装置が動作し、給電対象の負荷(例えば、2次電池)に電力が供給される。本態様によれば、全波整流回路における損失が少なく、発熱が低減され、かつ、高いエネルギー効率が実現されるため、無接点電力伝送システムの伝送効率が格段に向上する。
(13)本発明の無接点電力伝送システムの一態様は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて、送電装置から上記の受電装置に対して電力を伝送する。
本態様の無接点電力伝送システムによれば、受電装置に設けられる全波整流回路における損失が少なく、発熱が低減され、かつ、高いエネルギー効率が実現されるため、無接点電力伝送システムの伝送効率が格段に向上する。
このように、本発明の幾つかの態様によれば、例えば、同期整流素子のターンオフ遅延による、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流を確実に防止することができ、また、例えば、ノイズに影響されることなく、高精度の同期整流素子のオン/オフのタイミング制御が可能となる。よって、整流回路の損失や発熱の低減、ならびにエネルギー効率の改善を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
まず、全波整流回路の回路構成の一例について説明する。
(全波整流回路の構成例)
図1(A)〜図1(C)は、同期整流方式の全波整流回路ならびに整流制御装置の構成の一例について説明するための図である。
図1(A)において、1次コイルL1ならびに2次コイルL2はトランスを構成する。全波整流回路150は、同期整流方式の全波整流回路であり、少なくとも一つの同期整流素子を含む整流ブリッジ100と、平滑コンデンサC1と、を有する。この全波整流回路150は、2次コイルL2のコイル端(ノードNXおよびノードNY)に入力される交流電圧を整流して、整流電圧(直流電圧)Voutに変換する。なお、整流電圧Voutは、負荷LQに供給される。
また、整流制御装置(整流制御IC)250は、整流ブリッジ100を構成する少なくとも一つの同期整流素子のオン/オフのタイミングを制御する。この整流制御装置250は、少なくともタイミング制御回路200を有する。
タイミング制御回路200には、コイル端(ノードNX)に入力される交流電圧VC1と、コイル端(ノードNY)に入力される交流電圧VC2と、整流電圧Voutとが入力される。また、タイミング制御回路200は、同期整流素子のオン/オフ制御信号(タイミング制御信号)TGn(nは1〜4のいずれか)を生成する。このオン/オフ制御信号TGnによって、整流ブリッジ100に含まれる同期整流素子のオン/オフのタイミングが制御される。
タイミング制御回路200は、上述のオン/オフ制御信号TGnを生成するために、交流電圧VC1またはVC2と、整流電圧Voutまたは基準電位VSSとを比較して比較結果を示す信号を出力するオン/オフ制御信号生成回路(図1では不図示)を有する。このオン/オフ制御信号生成回路は、交流電圧(VC1,VC2)と整流電圧(Vout)または基準電位(VSS)とを、高精度に比較するための独自の回路構成(すなわち、サンプリング方式の回路構成)を有しており、このオン/オフ制御信号生成回路を用いると、ノイズに影響されることなく、高精度の電圧比較が可能である。この点については、後述する。
図1(B)は、整流ブリッジ100の回路構成の一例を示す図である。図1(B)の整流ブリッジ100は、同期整流素子としてのNMOSトランジスタ(M1〜M4)によって構成される。
整流ブリッジ100の第1ノードN1には、交流電圧VC1が入力され、第2ノードN2には、交流電圧VC2が入力される。交流電圧VC1の電圧極性(つまり、正極性であるか負極性であるか)は、交流電圧VC2の電圧極性とは反対である。
また、整流ブリッジ100の第3ノードN3からは整流電圧(直流電圧)Voutが得られる。また、第4ノードN4は、基準電位VSS(例えばGND)に接続される。
また、整流ブリッジの第1ノードN1と第3ノードN3との間に第1の同期整流素子(NMOSトランジスタ)M1が接続され、第2ノードN2と第3ノードN3との間に第2の同期整流素子(NMOSトランジスタ)M2が接続され、第1ノードN1と第4ノードN4との間に第3の同期整流素子(NMOSトランジスタ)M4が接続され、第2ノードN2と第3ノードN3との間に第4の同期整流素子(NMOSトランジスタ)M4が接続されている。
第1の同期整流素子M1のソース・ドレイン間には、第1ノードN1から第3ノードN3に向かう方向を順方向とするボディダイオード(寄生ダイオード)DP1が接続される。同様に、第2の同期整流素子M2のソース・ドレイン間には、第2ノードN2から第3ノードN3に向かう方向を順方向とするボディダイオード(寄生ダイオード)DP2が接続される。同様に、第3の同期整流素子M3のソース・ドレイン間には、第4ノードN4から第1ノードN1に向かう方向を順方向とするボディダイオード(寄生ダイオード)DP3が接続される。同様に、第4の同期整流素子M4のソース・ドレイン間には、第3ノードN3から第2ノードN2に向かう方向を順方向とするボディダイオード(寄生ダイオード)DP4が接続される。
図1(C)は、同期整流素子としてのNMOSトランジスタのデバイス構造を示す断面図である。NMOSトランジスタは、縦型のパワートランジスタであり、ドレイン電極1(D)と、ドレインを構成するN層2およびN層3と、Pウエル4と、ソースを構成するN層5と、ゲート絶縁膜6と、ポリシリコンゲート7(G)と、保護膜8と、ソース電極9(S)と、により構成される。
なお、同期整流素子は、能動素子からなる低損失のスイッチング素子であり、上述のように、同期整流素子としてMOSFETを使用することができるが、場合によっては、バイポーラトランジスタやその他の能動素子を使用する場合もあり得る。なお、本明細書においては、同期整流方式の「同期」という文言には特別な意味はなく、能動素子を適切なタイミングでスイッチング制御して、交流電圧を整流電圧に変換する整流方式は、すべて同期整流方式ということができる。
また、同期整流方式の整流ブリッジの構成としては、整流ブリッジを構成する第1〜第4の整流素子の全部を同期整流素子とする構成と、第1〜第4の整流素子の一部のみを同期整流素子とし、残りの整流素子としてダイオード(MOSダイオードならびにPN接合ダイオードを含む)を使用する構成とがある。整流回路における損失を低減するためには、第1〜第4の整流素子の全部を同期整流素子とするのが望ましい。
一方、第1〜第4の整流素子のうちの一部をダイオードした場合、同期整流素子のようにオン/オフ制御が不要となって、タイミング制御回路の負担が軽減される。また、交流電圧の極性が反転すれば、ダイオードが逆バイアスされて、平滑コンデンサに蓄積された電荷の逆流が自動的に阻止されるという利点もある。
整流ブリッジは、少なくとも第1および第2の整流素子(M1,M2)が同期整流素子で構成されるのが望ましい。すなわち、整流回路のエネルギー効率を向上させるという観点からは、少なくとも、平滑コンデンサC1に接続される第1および第2の整流素子(M1,M2)を同期整流素子で構成して、各同期整流素子のオン/オフを適切に制御することが望ましい。
(整流ブリッジを構成する4つの同期整流素子の各々のオン/オフタイミングを、4つのタイミング制御回路によって制御する例)
図2(A)および図2(B)は、整流制御装置に含まれるタイミング制御回路の内部構成の一例ならびに回路動作の一例を示す図である。図2(A)において、タイミング制御回路200は、第1〜第4の同期整流素子(M1〜M4)の各々のオン/オフを制御するために、第1〜第4のオン/オフ制御信号生成回路(すなわちTG1生成回路10a,TG2生成回路10b,TG3生成回路10c,TG4生成回路10d)を有している。
第1のオン/オフ制御信号生成回路(TG1生成回路)10aは、整流ブリッジ100の第1ノードN1に入力される交流電圧VC1と、第3ノードN3から得られる整流電圧Voutとを比較し、その比較結果に基づいて、第1の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM1のオン/オフを制御するためのオン/オフ制御信号TG1を生成する。オン/オフ制御信号TG1は、第1の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM1のゲート(制御端子)を駆動する。
すなわち、交流電圧VC1が整流電圧Voutを超えたことが第1のオン/オフ制御信号生成回路10aによって検出されると、第1のオン/オフ制御信号生成回路10aから出力されるオン/オフ制御信号TG1がHレベルに反転して、第1の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM1がオンする。また、交流電圧VC1が整流電圧Voutを下回ったことが第1のオン/オフ制御信号生成回路(TG1生成回路)10aによって検出されると、オン/オフ制御信号TG1がLレベルになり、第1の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM1がオフする。
同様に、第2のオン/オフ制御信号生成回路(TG2生成回路)10bは、整流ブリッジ100の第2ノードN2に入力される交流電圧VC2と、第3ノードN3から得られる整流電圧Voutとを比較し、その比較結果に基づいて、第2の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM2のオン/オフを制御するためのオン/オフ制御信号TG2を生成する。オン/オフ制御信号TG2は、第2の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM2のゲート(制御端子)を駆動する。
すなわち、交流電圧VC2が整流電圧Voutを超えたことが第2のオン/オフ制御信号生成回路10bによって検出されると、第2のオン/オフ制御信号生成回路10bから出力されるオン/オフ制御信号TG2がHレベルに反転して、第2の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM2がオンする。また、交流電圧VC2が整流電圧Voutを下回ったことが第2のオン/オフ制御信号生成回路(TG2生成回路)10bによって検出されると、オン/オフ制御信号TG2がLレベルになって、第2の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM2がオフする。
同様に、第3のオン/オフ制御信号生成回路(TG3生成回路)10cは、整流ブリッジ100の第1ノードN1に入力される交流電圧VC1と、第4ノードN4に接続される基準電位VSS(GND)とを比較し、その比較結果に基づいて、第3の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM3のオン/オフを制御するためのオン/オフ制御信号TG3を生成する。オン/オフ制御信号TG3は、第3の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM3のゲート(制御端子)を駆動する。
すなわち、交流電圧VC1が基準電位VSS(GND)よりも低下したことが第3のオン/オフ制御信号生成回路(TG3生成回路)10cによって検出されると、第3のオン/オフ制御信号生成回路10cから出力されるオン/オフ制御信号TG3がHレベルに反転して、第3の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM3がオンする。また、交流電圧VC1が基準電位VSS(GND)を超えたことが第3のオン/オフ制御信号生成回路10cによって検出されると、オン/オフ制御信号TG3がLレベルになり、第3の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM3がオフする。
同様に、第4のオン/オフ制御信号生成回路(TG4生成回路)10dは、整流ブリッジ100の第2ノードN2に入力される交流電圧VC2と、第4ノードN4に接続される基準電位VSS(GND)とを比較し、その比較結果に基づいて、第4の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM4のオン/オフを制御するためのオン/オフ制御信号TG4を生成する。オン/オフ制御信号TG4は、第4の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM4のゲート(制御端子)を駆動する。
すなわち、交流電圧VC2が基準電位VSS(GND)よりも低下したことが第4のオン/オフ制御信号生成回路(TG4生成回路)10dによって検出されると、第4のオン/オフ制御信号生成回路10dから出力されるオン/オフ制御信号TG4がHレベルに反転して、第4の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM4がオンする。また、交流電圧VC2が基準電位VSS(GND)を超えたことが第4のオン/オフ制御信号生成回路10dによって検出されると、オン/オフ制御信号TG4がLレベルになり、第4の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM4がオフする。
オン/オフ制御信号生成回路(TG1生成回路〜TG4生成回路)10a〜10dの各々は、比較対象の電圧を高精度に比較するための独自の回路構成(ピークホールド方式の回路構成)を有しており、これらのオン/オフ制御信号生成回路(TG1生成回路〜TG4生成回路)を用いると、ノイズの影響を受けずに、安定した、高精度の電圧比較が可能である。したがって、各同期整流素子(M1〜M4)を適切なタイミングでオン/オフすることができ、したがって、例えば、ボディダイオードの順方向電圧に起因するダイオード損失を抑制することができ、また、平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流を抑制することができ、全波整流回路の最適設計が可能となる。
(タイミング制御回路が、整流ブリッジを構成する4つの同期整流素子のうちの一部のみのオン/オフを制御する例)
図3(A)および図3(B)は、タイミング制御回路が、整流ブリッジを構成する4つの同期整流素子のうちの一部のみのオン/オフを制御する例の構成と動作を説明するための図である。
図3(A)のタイミング制御回路200は、第1および第2のオン/オフ制御信号生成回路10a,10b(すなわち、TG1生成回路10aとTG2生成回路10b)のみを有する。すなわち、タイミング制御回路200は、第1の同期整流素子M1および第2の同期整流素子M2の各々のオン/オフを制御するためのオン/オフ制御信号TG1,TG2のみを出力する。
また、図3(A)の全波整流回路では、第3の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM3は、第2の同期整流素子のオン/オフ制御信号TG2によって駆動され、第4の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM4は、第1の同期整流素子のオン/オフ制御信号TG1によって駆動される。
また、図3(B)の全波整流回路では、第3の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM3のゲート(制御ノード)は、第2ノード(N2)に接続され、第4の同期整流素子としてのNMOSトランジスタM4のゲート(制御ノード)は、第1ノードN1に接続される。
なお、第3の同期整流素子M3ならびに第4の同期整流素子M4をMOSダイオードとすることも可能であり、あるいは、PN接合ダイオードすることも可能である。
図3(B)の回路構成の場合、第3および第4の同期整流素子(M3,M4)のオン/オフは、整流ブリッジ100に入力される、極性の異なる交流電圧(VC1,VC2)の各々によって自動的に制御される。
図3(A)ならびに図3(B)に示される本実施形態では、タイミング制御回路200は、第1および第2の同期整流素子(M1,M2)に関するオン/オフ制御信号(TG1,TG2)を生成するだけでよい。よって、タイミング制御回路200の負担が軽減され、タイミング制御回路200の回路構成の簡素化を図ることができる。また、タイミング制御回路200の占有面積を低減することができる。
(タイミング制御回路の構成の具体例)
図4は、タイミング制御回路の具体的な回路構成の一例を示す図である。図4に示される回路例では、図3(A)に示される回路構成を採用している。すなわち、図4のタイミング制御回路200は、TG1生成回路10aおよびTG2生成回路10bを有している。TG1生成回路10aおよびTG2生成回路10bの回路構成は同じである。図5においては、同一の構成要素には共通の符号を付している。但し、TG2生成回路10bにおいては、各構成要素の符号にダッシュ(’)を付し、TG1生成回路10aの構成要素と区別している。以下、TG1生成回路10aの回路構成と動作を説明する(TG2生成回路10bの回路構成と動作も同様である)。
TG1生成回路10aは、抵抗R1aおよび抵抗R2aと、抵抗R1bおよび抵抗R2bと、第1のコンパレータ602(第1のヒステリシスコンパレータCMP1)と、ピークホールド回路604と、第2のコンパレータ606(第2のヒステリシスコンパレータCMP2)と、出力回路608と、を有する。
抵抗R1aおよびR2aは、交流電圧VC1(整流ブリッジの第1ノードN1の電圧)を分圧する分圧抵抗である。図4において、抵抗R1aおよびR2aによって分圧された交流電圧VC1は“QVC1”と表記される。また、抵抗R1bおよび抵抗R2bは、整流ブリッジの第3ノードN3から得られる整流電圧Voutを分圧する分圧抵抗である。抵抗R1bおよびR2bによって分圧された整流電圧Voutは“QVout”と表記される。
第1のヒステリシスコンパレータCMP1は、ヒステリシス幅Vhsが、例えば+25mVに設定される。図4では、ヒステリシスコンパレータの機能を明らかとするために、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の非反転端子に、仮想的な電池を接続している。例えば、ヒステリシスコンパレータCMP1の出力信号がLレベルのときは、仮想的な電池の起電力が0mVとなり、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力信号がHレベルのときは、仮想的な電池の起電力が+25mVとなる。この場合、ヒステリシス幅Vhsが25mVとなる。このヒステリシス幅Vhsは、交流電圧VC1や整流電圧Voutに重畳する平均的なノイズの振幅よりも十分に大きく設定するのが望ましい。ここで、H判定閾値(第1の閾値電圧)をVth(H)とし、L判定閾値(第2の閾値電圧)をVth(L)とした場合、Vth(L)=Vth(H)−Vhsが成立する。
第1のヒステリシスコンパレータCMP1を用いることによって、細かなノイズに追従して、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力信号の電圧レベルが瞬時的に何回も変動するような事態が防止される。また、ヒステリシス幅を、上述のように25mV程度に設定した場合、コンパレータは、この程度の電位差は確実に検出できることから、交流電圧が第2の閾値電圧を下回るタイミングにて、ヒステリシスコンパレータの出力がアクティブレベル(例えばH)から非アクティブレベル(例えばL)に確実に変化する。すなわち、適切なヒステリシス幅を設定することによって、ノイズ対策が強化されると共に、ヒステリシス幅を積極的に利用して、より正確なターンオフのタイミング制御を実現することができる。よって、回路設計も従来に比べて、容易になる。
また、ピークホールド回路604は、ピークホールドコンデンサCpeakと、交流電圧VC1がピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧より高い期間において、ピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧が交流電圧VC1と同じ電圧になるようにピークホールドコンデンサCpeakを充電し、かつ、交流電圧VC1がピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧よりも低くなるとピークホールドコンデンサCpeakの充電を停止する充電回路605(差動アンプAMP1およびNMOSトランジスタMS1によって構成される)と、ピーク電圧VpeakがホールドされているピークホールドコンデンサCpeakをリセットするための放電回路607(NMOSトランジスタMS2で構成される)と、を有する。
充電回路605は、ピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧と交流電圧VC1とを比較するコンパレータの働きと、ピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧が整流電圧VC1に等しくなるように制御するボルテージフォロワの働きを兼ねる回路である(但し、この回路構成は一例であり、この回路構成に限定されるものではない)。
リアルタイムの交流電圧VC1がピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧を超えている期間では、差動アンプAMP1の出力信号がHレベルとなってNMOSトランジスタMS1がオンし、負帰還制御によってホールド電圧が交流電圧VC1に一致するように制御される。そして、リアルタイムの交流電圧VC1がホールド電圧を下回ると、差動アンプAMP1の出力信号がLレベルとなってNMOSトランジスタMS1がオフし、ピークホールドコンデンサCpeakの充電が停止する。この結果、交流電圧VC1のピーク電圧Vpeakが、ピークホールドコンデンサCpeakに保持される。
また、ピーク電圧Vpeakと交流電圧VC1とが第2のコンパレータ(第2のヒステリシスコンパレータ)606によって比較されて、その結果として第1のオン/オフ制御信号TG1が非アクティブレベル(L)となって第1の同期整流素子M1がオフした後であって、その第1の同期整流素子M1が再びオンする前の期間において、放電回路607を構成するNMOSトランジスタMS2がオンし、これによってピークホールドコンデンサCpeakの電荷が放電され、ピークホールドコンデンサCpeakが初期状態に戻る。すなわち、ピークホールドコンデンサCpeakがリセットされた状態となる。以後、同様の動作が、例えば周期的に繰り返される。
図4の回路では、放電回路607を構成するNMOSトランジスタMS2のオン/オフは、TG2生成回路10bから出力される第2のオン/オフ制御信号TG2によって制御される。この回路構成を採用する場合には、NMOSトランジスタMS2のオン/オフ制御信号を別途、作成する必要がないため、回路構成上、有利となる。但し、この回路構成は一例であり、この回路構成に限定されるものではない。
第2のヒステリシスコンパレータCMP2は、ヒステリシス幅Vhsが、例えば+25mVに設定される。第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力信号がLレベルのときは、仮想的な電池の起電力が0mVとなり、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力信号がHレベルのときは、仮想的な電池の起電力が+25mVとなる。この場合、ヒステリシス幅Vhsが25mVとなる。このヒステリシス幅Vhsは、交流電圧VC1や整流電圧Voutに重畳する平均的なノイズの振幅よりも十分に大きく設定するのが望ましい。ここで、H判定閾値(第3の閾値電圧)をVth(H)とし、L判定閾値(第4の閾値電圧)をVth(L)とした場合、Vth(L)=Vth(H)−Vhsが成立する。
第2のヒステリシスコンパレータCMP2を用いることによって、細かなノイズに追従して、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力信号の電圧レベルが瞬時的に何回も変動するような事態が防止される。また、ヒステリシス幅を、上述のように25mV程度に設定した場合、コンパレータは、この程度の電位差は確実に検出できることから、交流電圧が第2の閾値電圧を下回るタイミングにて、ヒステリシスコンパレータの出力がアクティブレベル(例えばH)から非アクティブレベル(例えばL)に確実に変化する。すなわち、適切なヒステリシス幅を設定することによって、ノイズ対策が強化されると共に、ヒステリシス幅を積極的に利用して、より正確なターンオフのタイミング制御を実現することができる。よって、回路設計も従来に比べて、容易になる。
また、図4の出力回路608は、2入力のアンドゲートAND2によって構成される。アンドゲートAND2には、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力信号と、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力信号と、が入力され、これらの入力信号に基づいて、第1の同期整流素子M1をオン/オフするためのオン/オフ制御信号TG1が生成され、出力される。
図4に示されるTG1生成回路10aでは、交流電圧VC1と整流電圧Voutとを第1のヒステリシスコンパレータCMP1によって比較する。交流電圧VC1が整流電圧Voutを超えるタイミングで、第1の同期整流素子M1をオン/オフするための第1のオン/オフ制御信号TG1がアクティブレベル(H)となって、第1の同期整流素子M1がオンする。
また、ピークホールド回路604によって交流電圧VC1のピーク電圧Vpeakがホールドされる。また、第2のヒステリシスコンパレータCMP2によって、ピーク電圧Vpeakとリアルタイムの交流電圧VC1とが比較され、交流電圧VC1がピーク電圧Vpeakを下回るタイミング(具体的には、交流電圧VC1が、第2のヒステリシスコンパレータCMP2における第4の閾値電圧を下回るタイミング)で、第1のオン/オフ制御信号TG1が非アクティブレベル(L)となって、第1の同期整流素子M1がオフする。
整流電圧(Vout)は微視的には、時間軸上で変動し、ノイズが重畳される場合もある。一方、ピークホールド回路によってホールドされたピーク電圧Vpeakは、ノイズを含まない直流電圧である。よって、ピークホールドコンデンサCpeakにホールドされているピーク電圧Vpeakとリアルタイムの交流電圧VC1とを比較する本態様の方式では、リアルタイムの整流電圧Voutとリアルタイムの交流電圧VC1とを比較する従来方式に比べて、電圧比較の精度を高めることが可能である。よって、第1の同期整流素子M1のターンオフタイミングを、より高精度に制御することができる。
また、上述のとおり、一旦、第1の同期整流素子M1がオンすると、第1の同期整流素子M1のオン抵抗が低いことから、整流ブリッジの入力端(第1ノードN1)と出力端(第3ノードN3)との電位差が微小(例えば、数mV程度)となり、交流電圧VC1と整流電圧Voutとの電位差がほとんどなくなることから、正確な電圧比較が困難になる。すなわち、通常のコンパレータは、比較対象の2つの信号の電位差が、ある程度大きくないと電圧比較ができず、従来の方式では、オン状態の第1の同期整流素子M1をオフ状態に移行させるタイミングに遅延が生じ、その遅延期間において、平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流が生じていた。
これに対して、図4のTG1生成回路10aでは、整流ブリッジに入力される交流電圧VC1がピーク電圧Vpeakよりも低下するタイミング(すなわち、整流回路の後段に設けられる負荷(図1のLQ)への電流が減り始めるタイミング)で、同期整流素子がオフすることができる。
平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流は、交流電圧VC1が整流電圧Voutよりも低下すると生じるが、本実施形態の場合、逆流が生じる時点よりも前に第1の同期整流素子M1がオフするため、平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流は確実に防止される。よって、逆流に起因する整流回路のエネルギー効率の低下が生じない。
図5は、図4に示されるTG1生成回路の動作例を示すタイミング図である。図5において、時刻t1〜時刻t3の期間がピーク電圧Vpeakをサンプリングするためのサンプリング期間Tsampであり、時刻t3〜時刻t7の期間がピーク電圧Vpeakをホールドするためのホールド期間Tholdである。また、第1のヒステリシスコンパレータCMP1のヒステリシス幅をVhs(CMP1)とし、第2のヒステリシスコンパレータCMP2のヒステリシス幅をVhs(CMP2)とする。
図5において、CP011は、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力である。VM11は、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の非反転端子の見掛け上の電圧(ヒステリシス幅を考慮した電圧)である。A01は、差動アンプAMP1の出力である。CP012は、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力である。VM12は、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の非反転端子の見掛け上の電圧(ヒステリシス幅を考慮した電圧)である。
第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力CP011は、時刻t2〜時刻t5の期間においてHレベルになる。また、サンプリング期間T3(時刻t1〜t3)において、ピークホールドコンデンサCpeakのホールド電圧は、充電回路605による充電によって上昇する。時刻t3において、差動アンプAMP1の出力A01がHからLに変化し、これによって、ピークホールドコンデンサCpeakに、ピーク電圧Vpeakがホールドされる。
第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力CP011がLからHに変化するタイミング(時刻t2)において、第1のオン/オフ制御信号TG1が非アクティブレベル(L)からアクティブレベル(H)に変化し、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力CP012がHからLに変化するタイミング(時刻t4)において、第1のオン/オフ制御信号TG1がアクティブレベル(H)から非アクティブレベル(L)に変化する。
また、時刻t7において、第2のオン/オフ制御信号TG2が非アクティブレベル(L)からアクティブレベル(H)に変化し、このタイミングで、ピークホールドコンデンサCpeakに蓄積されている電荷が放電され、ピーク電圧Vpeakは初期状態の電圧レベル(0V)に戻る。
(ヒステリシス幅を設定することによる効果の説明)
図6(A),図6(B)は、第1および第2のコンパレータとして、ヒステリシスコンパレータを用いることによる効果を説明するための図である。なお、図6(A),図6(B)に示される波形図は、図5に示される波形図に対応している。
図6(A)において、Vth1(H)は第1の閾値電圧であり、Vth2(L)は第2の閾値電圧であり、Vhs(CMP1)は、第1のヒステリシスコンパレータCMP1のヒステリシス幅(25mV)である。
図6(A)に示されるように、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力CP011は、時刻t2にLからHに変化し、時刻t5にHからLに変化する。図6(A)の波形の場合、交流電圧QVC1にはノイズが重畳しており、交流電圧QVC1は整流電圧QVoutと複数回、交差するが(時刻t2の交差点J1,時刻t40の交差点J2,時刻t41の交差点J3)、ヒステリシス幅(Vhs(CMP1))が設けられていることから、第1のヒステリシスコンパレータCMP1の出力CP011は、ノイズに追従して変化しない。よって、第1のオン/オフ制御信号TG1の立ち上がりのタイミングは、ノイズに影響されることなく、時刻t2に正確に決まる。
また、図6(B)において、Vth2(H)は第3の閾値電圧であり、Vth2(L)は第4の閾値電圧であり、Vhs(CMP2)は、第2のヒステリシスコンパレータCMP2のヒステリシス幅(25mV)である。
また、図6(B)に示されるように、第2のヒステリシスコンパレータCMP2の出力CP012は、時刻t4にHからLに変化する。ヒステリシス幅が設けられない場合には、理想的には時刻tx(交流電圧QVC1がピーク電圧Vpeakを下回るタイミングJ4)において、信号CP012はHからLに変化するはずである。しかし、実際には、図6(B)に示すように、交流電圧QVC1にはノイズが重畳しており、ヒステリシス幅が設けられない場合には、信号CP012の電圧レベルは、ノイズの影響を受けて瞬時的に変化し、ピーク電圧のホールドタイミングを正確に決定できないことが懸念される。
本実施形態の場合、ヒステリシス幅が設定されていることから、信号CP012は、ノイズに関係なく、交流電圧QVC1が第4の閾値電圧Vth2(L)を下回るタイミングJ5(時刻t4)においてHからLに変化する。
また、ヒステリシス幅Vhs(CMP2)は既知であり、交流電圧QVC1がどのような波形になるかも設計段階で予測することができるため、時刻tx〜時刻t4までの期間(つまり、ヒステリシス幅を設定したことによって生じる遅延時間)は、設計段階において、正確に知ることができる。したがって、ヒステリシス幅Vhs(CMP2)を適切な値に設定することによって、ノイズ対策の効果と共に、信号CP012がHからLに変化するタイミングを正確に決定することができ、設計が容易化される。
また、平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流は、交流電圧QVC1が整流電圧QVoutよりも低下すると生じる。図6(B)において、逆流が開始されるタイミングはtyである。本実施形態の場合、逆流が生じる時点tyよりも前の時点(時刻t4:負荷への供給電流が減少に転じるタイミング)において、信号CP012がHからLに変化し、第1のオン/オフ制御信号TG1が非アクティブレベルになって、第1の同期整流素子M1がオフするため、平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流は確実に防止される。すなわち、図6(B)において、時刻t4と時刻tyとの間の期間はTEであり、必ず、TE>0が満足される。よって、逆流に起因する整流回路のエネルギー効率の低下が生じない。
(ヒステリシスコンパレータの具体的な回路構成例)
図7(A)および図7(B)は、ヒステリシスコンパレータの具体的な回路構成の一例を示す図である。
図7(A)に示される回路は、差動回路(4つのMOSトランジスタMP1,MP2,MN1,MN2ならびに定電流源I1によって構成される)と、ソース接地のMOSトランジスタMN3と、定電流源I2と、出力バッファ(6つのMOSトランジスタMP3,MP4,MN4,MN5,MP5,MP6と、電流制限抵抗Rk1およびRk2と、によって構成される)と、を有する。出力電圧Voutの電圧レベルに応じて、出力バッファを構成する2つのMOSトランジスタ(MP5,MN6)のいずれかがオンし、これによって、正帰還ループが形成される。
図7(B)に示される回路は、差動回路(4つのMOSトランジスタMP1,MP2,MN1,MN2ならびに定電流源I1によって構成される)と、正帰還ループを形成する
ためのMOSトランジスタMP10およびMN10と、ソース接地のMOSトランジスタMN3と、定電流源I2と、2段のCMOSインバータによって構成される出力バッファ(4つのMOSトランジスタMP11,MN11,MP12,MN12によって構成される)と、を有する。MOSトランジスタMN10がオンすることによって、正帰還ループが形成される。
(第2の実施形態)
図8は、タイミング制御回路の具体的な回路構成の他の例(出力保証回路を設ける例)を示す図である。本実施形態では、整流電圧Voutが所与の電圧レベル以上になるまで、同期整流素子(M1〜M4)のオン/オフ制御信号(TG1,TG2)を非アクティブレベル(L)に維持する出力保証回路350が設けられる。
整流制御装置250に含まれるタイミング制御回路200が、全波整流回路150から得られる整流電圧Voutを電源電圧として動作する場合がある。例えば、全波整流回路150および整流制御装置250が、無接点電力伝送システムの受電装置に設けられる場合、整流制御装置250は、全波整流回路150の整流電圧Voutを電源電圧として動作する。
この場合、電源電圧としての整流電圧Voutの電圧レベルが所与の電圧レベルに達しない期間においてタイミング制御回路200を動作させると、不十分な電源電圧に起因して回路動作が不安定となり、正常な、同期整流素子のオン/オフ制御ができない場合が生じ得る。例えば、第1および第2の整流素子(M1,M2)が同時にオンして、第1ノードN1から第2ノードN2に向けて大きな貫通電流が流れて、全波整流回路150のエネルギー効率が低下し、あるいは、素子の破損が生じるような事態が生じ得る。
そこで、本実施形態では、例えば、図8に示すように、オン/オフ制御信号生成回路10aに出力保証回路350を設ける。出力保証回路350は、タイミング制御回路200から出力される、同期整流素子M1のオン/オフ制御信号TG1が、正常な制御電圧であることを保証する。よって、整流制御装置250による同期整流素子の制御の信頼性が向上する。
出力保証回路350は、分圧抵抗R100およびR101と、ソース接地のNMOSトランジスタMN100と、負荷抵抗R100と、ドレイン接地のPMOSトランジスタ(ソースフォロワ)MP100と、出力バッファとして機能するCMOSインバータ(PMOSトランジスタMP101とNMOSトランジスタMN101とにより構成される)と、CMOSインバータの出力ノードをプルダウンするためのプルダウン抵抗R103と、を有する。
NMOSトランジスタMN100は、整流電圧Voutが所与の電圧レベル以上になるまでオンしない。NMOSトランジスタMN100がオフしている期間においては、CMOSインバータ(MP101,MN101)に電源電圧(Vout=VDD)が供給されず、CMOSインバータの出力ノードは、プルダウン抵抗R103によってLレベル(接地電位)に保持される。よって、オン/オフ制御信号TG1は、非アクティブレベル(L)に維持され、同期整流素子としてのNMOSトランジスタM1はオフ状態を維持する。
このように、電源電圧としての整流電圧Voutが所与のレベルに上昇するまで、全部の同期整流素子(例えばM1〜M4)がオフ状態となる。その状態では、各同期整流素子に並列に接続される各ボディダイオード(DP1〜DP4)による整流動作が実行される。したがって、例えば、第1および第2の同期整流素子(M1,M2)が同時にオンして大きな貫通電流が流れるような事態が生じない。よって、全波整流回路150のエネルギー効率の低下が防止される。また、素子の破損のおそれもないことから、全波整流回路が搭載される機器の信頼性も向上する。
なお、NMOSトランジスタMN100は、整流電圧Voutが正常な電圧レベルになるとオンする。これによって、第1のヒステリシスコンパレータ610の出力信号に基づいて、オン/オフ制御信号TG1(TG2)を、アクティブレベルにすることが可能となる。
(第3の実施形態)
図9は、タイミング制御回路の具体的な回路構成の他の例(ピークホールド回路およびヒステリシスコンパレータを共通に使用する例)を示す図である。
本実施形態では、第1のコンパレータ602(第1のヒステリシスコンパレータCMP1)、第2のコンパレータ606(第2のヒステリシスコンパレータCMP2)、ならびにピークホールド回路604の各々を、第1および第2のオン/オフ制御信号TG1,TG2の生成のために共通に使用する。各回路の共用によって、回路構成のさらなる簡素化、回路の占有面積のさらなる削減、ならびに、さらなる低消費電力化を実現することができる。
なお、図9において、前掲の図面と共通する部分には共通の参照符号を付してある。本実施形態の回路の基本的な構成や回路動作は、前掲の実施形態と同じである。また、図9において、共通使用される回路の参照符号の末尾には、(COM)という表記が追加されている。
図9のオン/オフ制御信号生成回路(TG1,TG2生成回路)10は、第1の共通コンパレータ602(COM)(具体的には第1のヒステリシスコンパレータCMP1(COM))と、第2の共通コンパレータ606(具体的には第2の共通ヒステリシスコンパレータCMP2(COM))と、共通ピークホールド回路604(COM)と、第1のコンパレータ602(COM)に、整流ブリッジ100の第1ノードN1の交流電圧VC1あるいは第2ノードN2の交流電圧VC2のいずれを入力するかが、切り換え制御信号PLによって切り換えられる入力切り換えスイッチSW2と、生成したオン/オフ制御信号を、第1のオン/オフ制御信号TG1として出力するか、第2のオン/オフ制御信号として出力するかを切り換えるかを、切り換え制御信号PLに基づいて切り換えるためのセレクタ13と、整流ブリッジの第1ノードN1の電圧(交流電圧VC1)と第2ノードN2の電圧(交流電圧VC2)を比較して、切り換え制御信号PLを生成する比較回路(CMP3)と、を有している。
セレクタ13は、2つのナンドゲート(NAND5,NAND6)ならびにインバータINV3と、によって構成される。また、共通ピークホールド回路604(COM)における放電回路607(NMOSトランジスタMS2)は、第1の共通コンパレータ602(COM)(具体的には第1のヒステリシスコンパレータCMP1(COM))の出力信号の電圧レベルを、インバータINV4によって反転した信号によって駆動される。
第1のオン/オフ制御信号TG1の生成と第2のオン/オフ制御信号TG2の生成とが同時に行われることはない。よって、各回路を時分割で使用することよって、各回路の共用化が実現される。
本実施形態では、第1の共通コンパレータ602(COM)(具体的には第1のヒステリシスコンパレータCMP1(COM))に、整流ブリッジの第1ノードN1の交流電圧VC1あるいは第2ノードN2の交流電圧VC2のいずれを供給するかは、切り換えスイッチSW2によって切り換えられる。切り換えスイッチSW2の動作は、比較回路CMP3から出力される切り換え制御信号PLによって制御される。すなわち、切り換えスイッチSW2がa端子側に切り換えられている状態では、交流電圧VC1が供給され、切り換えスイッチSW2がb端子側に切り換えられている状態では、交流電圧VC2が供給される。
また、生成したオン/オフ制御信号を第1のオン/オフ制御信号TG1として出力するか、第2のオン/オフ制御信号として出力するかは、セレクタ13によって切り換えられる。セレクタ13による信号の出力先は、比較回路CMP3から出力される切り換え制御信号PLによって制御され、切り換え制御信号PLがHレベルのときは、第1のオン/オフ制御信号TG1が出力され、切り換え制御信号PLがLレベルのときは、第2のオン/オフ制御信号TG2が出力される。
(第4の実施形態)
本実施形態では、本発明の整流制御装置および全波整流回路を搭載した受電装置、ならびに、その受電装置を用いて構成される無接点電力伝送システムについて説明する。
本実施形態では、先に説明した整流制御装置および全波整流回路は、無接点電力システムの受電装置に設けられる。全波整流回路から出力される整流電圧によって受電装置が動作し、給電対象の負荷(例えば、2次電池)に電力が供給される。全波整流回路における損失が少なく、高いエネルギー効率が実現されるため、無接点電力伝送システムの伝送効率が向上する。以下、具体的に説明する。
(無接点電力伝送に対応した電子機器の構成の例)
図10(A)〜図10(C)は、無接点電力伝送システムに対応した電子機器の構成の一例を示す図である。図10(A)には、送電装置11を内蔵する充電器(クレードル)500と、受電装置41を内蔵する携帯電話機510と、が示される。
携帯電話機510は、LCDなどの表示部512、ボタン等で構成される操作部514、マイク516(音入力部)、スピーカ518(音出力部)、アンテナ520を有する。
充電器500にはACアダプタ502を介して電力が供給され、この電力が、無接点電力伝送により送電装置11から受電装置41に送電される。これにより、携帯電話機510のバッテリ(不図示)を充電したり、携帯電話機510内のデバイスを動作させたりすることができる。
なお、本実施形態が適用される電子機器は携帯電話機510に限定されない。例えば腕時計、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピュータ、ハンディターミナル、携帯情報端末、電動自転車、或いはICカードなどの種々の電子機器に適用できる。
図10(B)に模式的に示すように、送電装置11から受電装置41への電力伝送は、送電装置11側に設けられた1次コイルL1(送電コイル)と、受電装置41側に設けられた2次コイルL2(受電コイル)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。
なお、図10(B)では1次コイルL1、2次コイルL2は、平面上でスパイラル状にコイル線を巻くことで形成された例えば空芯の平面コイルになっている。しかしながら、本実施形態のコイルはこれに限定されず、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて電力を伝送できるものであれば、その形状・構造等は問わない。
例えば図10(C)では、磁性体コアに対してX軸回りでコイル線をスパイラル状に巻くことで1次コイルL1が形成されている。携帯電話機510に設けられた2次コイルL2も同様である。図10(C)のようなコイルにも本実施形態は適用可能である。なお図10(C)の場合に、1次コイルL1や2次コイルL2として、X軸回りにコイル線を巻いたコイルに加えて、Y軸周りにコイル線を巻いたコイルを組み合わせてもよい。
(無接点電力伝送システムの構成例)
図11は、無接点電力伝送システムの構成の一例を示す図である。送電装置11は、1次コイルL1と、共振コンデンサCQと、送電制御装置(送電制御IC)50と、送電部53と、波形モニタ回路54と、を有する。送電制御装置50は、送電側制御回路51と、ドライバ制御回路52と、を有する。ドライバ制御装置52は、駆動クロックDRCKに同期して、1次コイルL1を交流駆動する。これによって、1次側から2次側に無接点で電力を供給することができる。1次コイルの駆動周波数は、例えば、120KHzである。
また、受電装置41は、2次コイルL2と、受電部140と、整流制御装置(整流制御IC)250と、負荷変調部60と、給電制御部62と、バッテリ装置70(充電制御装置71とバッテリ72とを有する)と、受電制御装置(受電制御IC)80と、を有する。
図11の左上において、太い点線で囲んで示されるように、1次側から2次側に信号を送信するための通信方式として、周波数変調方式(周波数f1,f2を切り換えて“1”と“0”を送信する方式)が採用される。
また、図11の左下において、太い点線で囲んで示されるように、2次側から1次側に信号を送信するための通信方式として、負荷変調方式が採用される。すなわち、2次側の負荷状態を切り換えることによって“0”と“1”が、2次側から1次側に送信される。1次側は、1次コイルL1のコイル端電圧GSGを、波形モニタ回路54によってモニタし、例えば、コイル端電圧の振幅の変化を検出し、あるいは、駆動クロックとコイル端電圧の位相関係を検出し、これによって、“0”または“1”を検出する。
図11に示される受電部140は、2次コイルL2のコイル端間に直列に接続される分圧抵抗RB1とRB2と、全波整流回路150と、整流電圧ノードN11と基準電位ノードN13との間に直列に接続される分圧抵抗RB4およびRB5と、を有する。
全波整流回路150は、整流ブリッジ100と、平滑コンデンサC1と、を有する。整流ブリッジ100は、同期整流素子としてのMOSFET(M1〜M4)を有する。
整流制御装置(整流制御IC)は、タイミング制御回路200を有する。タイミング制御回路200は、オン/オフ制御信号生成回路10(ここでは、図3(A)に示す回路構成が採用され、したがって、オン/オフ制御信号生成回路10には、TG1生成回路10a,TG2生成回路10bが含まれる)と、出力保証回路350(図8参照)と、レベルシフト回路(LS1〜LS4)ならびに出力バッファ(BM1〜BM4)を有する。
また、整流制御装置(整流制御IC)250は、複数の端子(E1〜E9)を有する。端子(E1〜E4)の各々は、同期整流素子のオン/オフ制御信号(TG1,TG3,TG2,TG4)を、整流ブリッジ100に供給するための出力端子である。
端子E5は、整流ブリッジ100の第2ノードN2の交流電圧VC2を、オン/オフ制御信号生成回路10に供給するための入力端子である。端子E6は、第1ノードN1に入力される交流電圧VC1を、オン/オフ制御信号生成回路10に供給するための入力端子である。端子E7は、第3ノードN3から得られる整流電圧Voutを、出力保証回路350に供給するための入力端子である。端子E8は、整流電圧Voutを、オン/オフ制御信号生成回路10に供給するための入力端子である。端子E9は、整流ブリッジ100における第4ノードN4に接続される基準電位VSSを、オン/オフ制御信号生成回路10に供給するための入力端子である。
また、出力保証回路350は、タイミング制御回路200から出力される、同期整流素子のオン/オフ制御信号(TG1〜TG4)が、正常な制御電圧であることを保証するための回路である。図11の受電装置41において、整流制御装置250(ならびに他の受電側の回路)は、全波整流回路150の整流電圧Voutを電源電圧として動作する。したがって、電源電圧としての整流電圧Voutの電圧レベルが所与の電圧レベルに達しない期間(例えば、無接点電力伝送システムの電源を投入した直後の期間)において、タイミング制御回路200を動作させると、不十分な電源電圧に起因して回路動作が不安定となり、正常な、同期整流素子(M1〜M4)のオン/オフ制御ができない場合が生じ得る。例えば、第1および第2の整流素子(M1,M2)が同時にオンして、大きな貫通電流が流れて、全波整流回路150のエネルギー効率が低下するような事態が生じ得る。
そこで、本実施形態では、タイミング制御回路200に出力保証回路350を設けている。出力保証回路350は、整流電圧Voutが所与の電圧レベル(つまり、タイミング制御回路が正常に動作し得る電圧レベル)になるまで、同期整流素子のオン/オフ制御信号(TG1〜TG4)を非アクティブレベル(具体的にはLレベル)に維持する。これにより、複数の同期整流素子(M1〜M4)の各々は、電源電圧としての整流電圧Voutが所与のレベルに上昇するまでオフ状態となり、その状態では、各同期整流素子(M1〜M4)に並列に接続される各ボディダイオード(DP1〜DP4)による整流動作が実行される。したがって、例えば、第1および第2の同期整流素子(M1,M2)が同時にオンして大きな貫通電流が流れるような事態が生じない。
また、負荷変調部60は、負荷変調トランジスタ(不図示)をスイッチングし、負荷変調信号を、送電装置11に送信する。給電制御部62は、例えば、シリーズレギュレータ(LDO)や給電制御トランジスタ等(不図示)を有し、それらの動作を制御することによって、給電対象の負荷(バッテリ)72への給電を制御する。また、バッテリ装置70に含まれる充電制御装置(充電制御IC)71は、バッテリ(2次電池)72の充電動作を制御する。
なお、給電対象の負荷は、バッテリ(2次電池)72に限定されない。例えば、整流電圧によって所与の回路を動作させる場合、その回路が給電対象の負荷として機能する。
また、受電装置装置(受電制御IC)は、受電側制御回路81と、位置検出回路82と、周波数検出回路83と、発振回路84と、を有する。受電側制御回路81は、受電装置41の動作を統括的に制御する。
位置検出回路82は、分圧抵抗RB4とRB5の共通接続点から得られる信号ADINに基づいて、受電側機器が、送電側機器に対して適正な位置にセットされているか否かを検出する。また、周波数検出回路83は、分圧抵抗RB1とRB2の共通接続点から得られる信号CCMPIに基づいて、1次側の駆動クロック(DRCK)を再生し、その駆動クロックの周波数を、発振回路84から出力される発振クロックCLKを用いて検出する。発振クロックCLKの周波数は、例えば5MHzである。
このように、本実施形態の受電装置41は、同期整流方式の全波整流回路150と、整流制御装置250と、給電制御部62と、を有しており、全波整流回路150から出力される整流電圧Voutによって受電装置41が動作し、給電対象の負荷(例えば、2次電池72)に電力が供給される。
本実施形態によれば、従来にない、安定した、高精度の同期整流素子のオン/オフのタイミング制御が実現される。よって、全波整流回路150における損失が少なく、発熱が低減され、かつ、高いエネルギー効率が実現され、無接点電力伝送システムの伝送効率が格段に向上する。
また、整流制御装置250は出力保証回路350を有しているため、システムの起動直後に不要な貫通電流が流れることが防止され、その貫通電流によって回路が破損する心配もない。よって、エネルギー効率が高く、かつ信頼性の高い無接点電力伝送システムが実現される。
また、図11の例では、全波整流回路150と整流制御装置250とは別の回路であるが、整流ブリッジ100を構成する同期整流素子(M1〜M4)が比較的低耐圧の素子である場合には、整流制御装置250に、整流ブリッジ100を内蔵する場合もあり得る。この場合、無接点電力伝送システムの部品点数を削減することができる。
また、平滑コンデンサC1の容量も比較的小容量ですむ場合、整流ブリッジ100と、平滑コンデンサC1と、整流制御装置250と、を一つのICに内蔵する場合もあり得る。この場合、整流制御装置付きの全波整流回路が実現される。平滑コンデンサC1に蓄積されている電荷の逆流が効果的に防止されることから、低損失かつエネルギー効率の高い、同期整流方式の全波整流回路を実現することができる。
(無接点電力伝送システムの動作例)
図12は、無接点電力伝送システムの動作の一例を示す図である。待機状態において、送電側機器(クレードル)500に内蔵される送電制御装置50は、受電側機器(携帯電話機)510の着地(セッティング)を、例えば、0.3秒に1回、検出し(ステップS1)、これによって、受電側機器の着地(セッティング)が検出される(ステップS2)。
次に、送電装置11と受電装置41との間で、種々の情報の交換(ネゴシエーション)が実行される(ステップS3)。ID認証によって、受電装置が適切な送電対象であることが確認された後に、通常送電(充電)が開始される。通常送電が開始されると、受電側機器(携帯電話機)510に設けられているLEDが点灯する。
通常送電中において、満充電が検出されると、満充電通知が受電装置から送電装置に送信され、これを受信した送電装置は、通常送電を停止する(ステップS4)。通常送電が停止されると、受電側機器(携帯電話機)510に設けられているLEDが消灯する。そして、満充電検出後の待機フェーズに移行する(ステップS5)。
満充電検出後の待機状態では、例えば、5秒に1回の取り去り検出が実行され、また、10分に1回、再充電の要否の確認が実行される。満充電後に受電側機器(携帯電話機)510が取り去られると、初期の待機フェーズに戻る(ステップS6)。また、満充電後に再充電が必要と判定されると、ステップS3に復帰する(ステップS7)。また、ステップ3の状態において、受電側機器(携帯電話機)510の取り去りが検出された場合には、初期の待機状態に復帰する(ステップS8)。
以上説明したように、本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、同期整流方式の全波整流回路を構成する同期整流素子のオン/オフのタイミングを、ノイズの影響を受けずに高精度に制御することが可能な整流制御装置を実現することができる。また、平滑コンデンサに蓄積されている電荷の逆流によるエネルギー効率の低下が生じない整流制御装置を提供することができる。したがって、全波整流回路の損失や発熱の低減、ならびにエネルギー効率の改善を図ることができる。
また、上記の整流制御装置ならびに全波整流回路を用いることによって、伝送効率が格段に向上した受電装置、ならびに無接点電力伝送システムを実現することができる。
なお、本発明の実施形態について詳述したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。
例えば、同期整流素子としては、種々のスイッチング素子を使用することができる。また、例えば、整流ブリッジの構成も、上述の実施例に限定されるものではなく、種々の回路構成を採用することができる。整流ブリッジは、「少なくとも一つの同期整流素子を含む同期整流要素回路」と言い換えることができる。
また、整流制御装置は、同期整流方式の半波整流回路における、同期整流素子のオン/オフ制御を実行することもできる。また、タイミング制御回路に含まれるオン/オフ制御信号生成回路の構成も、種々、変形または応用が可能である。
また、本発明の整流制御装置および全波整流は、回路構成が簡素化され、損失が少ないため、種々の電子機器に搭載することができる。
本発明は、例えば、整流制御装置、全波整流回路、受電装置、電子機器および無接点電力伝送システム等として有用である。
図1(A)〜図1(C)は、同期整流方式の全波整流回路ならびに整流制御装置の構成の一例について説明するための図 整流制御装置に含まれるタイミング制御回路の内部構成の一例を示す図 図3(A)および図3(B)は、整流制御装置に含まれるタイミング制御回路の内部構成の他の例を示す図 タイミング制御回路の具体的な回路構成の一例を示す図 図4に示されるタイミング制御回路(TG1生成回路,TG2生成回路)の動作を説明するためのタイミング図 図6(A),図6(B)は、第1および第2のコンパレータとして、ヒステリシスコンパレータを用いることによる効果を説明するための図 図7(A)および図7(B)は、ヒステリシスコンパレータの具体的な回路構成の一例を示す図 タイミング制御回路の具体的な回路構成の他の例(出力保証回路を設ける例)を示す図 タイミング制御回路の具体的な回路構成の他の例(ピークホールド回路および第1および第2のヒステリシスコンパレータを共通使用する例)を示す図である。 図10(A)〜図10(C)は、無接点電力伝送システムに対応した電子機器の構成の一例を示す図 無接点電力伝送システムの構成の一例を示す図 無接点電力伝送システムの動作の一例を示す図
符号の説明
L1 1次コイル、L2 2次コイル、M1〜M4 同期整流素子(MOSFET)、
10(10a〜10d) オン/オフ制御信号生成回路(TG1〜TG4生成回路)、
100 整流ブリッジ、LQ 負荷、C1 平滑コンデンサ、
オン/オフ制御信号生成回路(TG1生成回路〜TG4生成回路)、
150 全波整流回路、200 タイミング制御回路、
250 整流制御装置(例えばIC)、
602 第1のヒステリシスコンパレータ、604 ピークホールド回路、
606 第2のヒステリシスコンパレータ、608 出力回路、
DP1〜DP4 ボディダイオード、MS1 充電スイッチ、MS2 放電スイッチ、
Cpeak ピークホールドコンデンサ、VSS 基準電位、
VC1,VC2 交流電圧、Vout 整流電圧、
TG1〜TG4 第1〜第4の同期整流素子のオン/オフ制御信号

Claims (13)

  1. 複数の同期整流素子を含む整流ブリッジと、前記整流ブリッジに接続される平滑コンデンサと、を含む全波整流回路における、前記複数の同期整流素子の少なくとも一つのオン/オフを制御する整流制御装置であって、
    前記複数の同期整流素子のうちの少なくとも一つのオン/オフを、少なくとも一つのオン/オフ制御信号によって制御するタイミング制御回路を含み、
    前記タイミング制御回路は、前記少なくとも一つのオン/オフ制御信号の一つである第1のオン/オフ制御信号を生成するオン/オフ制御信号生成回路を含み、
    前記オン/オフ制御信号生成回路は、
    整流ブリッジに入力される交流電圧と、前記整流ブリッジから出力される整流電圧とを比較する第1のコンパレータと、
    前記交流電圧のピーク電圧をホールドするピークホールド回路と、
    前記ピークホールド回路によってホールドされたピーク電圧と、前記交流電圧とを比較する第2のコンパレータと、
    前記第1のコンパレータの出力信号と前記第2のコンパレータの出力信号とに基づいて、前記第1のオン/オフ制御信号を出力する出力回路と、
    を有することを特徴とする整流制御装置。
  2. 請求項1記載の整流制御装置であって、
    前記第1のコンパレータは第1のヒステリシスコンパレータによって構成され、前記第1のヒステリシスコンパレータの閾値電圧は、前記第1のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがLレベルのときは第1の閾値電圧であり、前記第1のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがHレベルのときは第2の閾値電圧であり、前記第1の閾値電圧と前記第2の閾値電圧との差電圧によって決まるヒステリシス幅は、前記交流電圧および前記整流電圧に重畳されるノイズに対して、前記第1のヒステリシスコンパレータが不感となる電圧に設定されることを特徴とする整流制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の整流制御装置であって、
    前記第2のコンパレータは第2のヒステリシスコンパレータによって構成され、前記第2のヒステリシスコンパレータの閾値電圧は、前記第2のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがLレベルのときは第3の閾値電圧であり、前記第2のヒステリシスコンパレータの出力信号の電圧レベルがHレベルのときは第4の閾値電圧であり、前記第3の閾値電圧と前記第4の閾値電圧との差電圧によって決まるステリシス幅は、前記交流電圧または前記整流電圧に重畳されるノイズに対して、前記第2のヒステリシスコンパレータが不感となる電圧に設定されることを特徴とする整流制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の整流制御装置であって、
    前記ピークホールド回路は、
    ピークホールドコンデンサと、
    前記交流電圧が前記ピークホールドコンデンサのホールド電圧より高い期間において、前記ピークホールドコンデンサのホールド電圧が前記交流電圧と同じ電圧になるように前記ピークホールドコンデンサを充電し、かつ、前記交流電圧が前記ピークホールドコンデンサのホールド電圧よりも低くなると前記ピークホールドコンデンサの充電を停止する充電回路と、
    前記ピーク電圧がホールドされている前記ピークホールドコンデンサをリセットするための放電回路と、
    を有することを特徴とする整流制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の整流制御装置であって、
    前記タイミング制御回路は、前記整流電圧が所与の電圧レベル以上になるまで、前記少なくとも一つのオン/オフ制御信号の各々を非アクティブレベルに維持する出力保証回路を、さらに有することを特徴とする整流制御装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の整流制御装置であって、
    前記整流ブリッジは、
    第1ノードに第1の交流電圧が入力され、第2ノードに前記第1の交流電圧とは逆相の第2の交流電圧が入力され、第3ノードから前記整流電圧が出力され、第4ノードが基準電位に接続されると共に、
    前記第1ノードと第2ノードとの間に接続される第1の同期整流素子と、前記第3ノードと前記第4ノードとの間に接続される第2の同期整流素子と、前記第3ノードと前記第1ノードとの間に接続される第3の同期整流素子と、前記第3ノードと前記第4ノードとの間に接続される第4の同期整流素子と、を有することを特徴とする整流制御装置。
  7. 請求項6記載の整流制御装置であって、
    前記タイミング制御回路に含まれる前記オン/オフ制御信号生成回路は、前記第1の同期整流素子のオン/オフを制御するための前記第1のオン/オフ制御信号ならびに前記第2の同期整流素子のオン/オフを制御するための第2のオン/オフ制御信号の双方を生成し、
    前記第1のオン/オフ制御信号および前記第2のオン/オフ制御信号の双方を生成する前記オン/オフ制御信号生成回路は、
    前記第1のコンパレータとしての、前記第1のオン/オフ制御信号および前記第2のオン/オフ制御信号の双方を生成するために共通に使用される、第1の共通コンパレータと、
    前記第2のコンパレータとしての、前記第1のオン/オフ制御信号および前記第2のオン/オフ制御信号の双方を生成するために共通に使用される、第2の共通コンパレータと、
    前記ピークホールド回路としての、前記第1のオン/オフ制御信号および第2のオン/オフ制御信号の双方の生成のために共通に使用される共通ピークホールド回路と、
    前記第1の共通コンパレータに、前記第1の交流電圧あるいは前記第2の交流電圧のいずれを入力するかが、切り換え制御信号によって切り換えられる入力切り換えスイッチと、
    生成されたオン/オフ制御信号を、前記第1のオン/オフ制御信号として出力するか、前記第2のオン/オフ制御信号として出力するかを、前記切り換え制御信号に基づいて切り換えるセレクタと、
    前記整流ブリッジの第1ノードの電圧と前記第2ノードの電圧を比較して、前記切り換え制御信号を生成する比較回路と、
    を有することを特徴とする整流制御装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の整流制御装置であって、
    前記整流制御装置は、前記整流ブリッジを含むことを特徴とする整流制御装置。
  9. 複数の同期整流素子を含む整流ブリッジと、
    前記整流ブリッジに接続される平滑コンデンサと、
    前記複数の同期整流素子の少なくとも一つのオン/オフを制御するための、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の整流制御装置と、
    を含むことを特徴とする全波整流回路。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の整流制御装置を含むことを特徴とする電子機器。
  11. 請求項9記載の全波整流回路を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 2次コイルと、
    複数の同期整流素子を含む整流ブリッジと、前記整流ブリッジに接続される平滑コンデンサと、を含む全波整流回路と、
    前記複数の同期整流素子の少なくとも一つのオン/オフを制御するための、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の整流制御装置と、
    前記全波整流回路から得られる整流電圧に基づく、給電対象の負荷への給電を制御するための給電制御部と、
    を有することを特徴とする受電装置。
  13. 1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて、送電装置から請求項12記載の受電装置に対して電力を伝送する無接点電力伝送システム。
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