JP2010073786A - プリント配線板 - Google Patents

プリント配線板 Download PDF

Info

Publication number
JP2010073786A
JP2010073786A JP2008237832A JP2008237832A JP2010073786A JP 2010073786 A JP2010073786 A JP 2010073786A JP 2008237832 A JP2008237832 A JP 2008237832A JP 2008237832 A JP2008237832 A JP 2008237832A JP 2010073786 A JP2010073786 A JP 2010073786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal line
speed signal
layer
wiring board
printed wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008237832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5292033B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
Kazutoki Tawara
和時 田原
Tsutomu Saga
努 佐賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2008237832A priority Critical patent/JP5292033B2/ja
Publication of JP2010073786A publication Critical patent/JP2010073786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5292033B2 publication Critical patent/JP5292033B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

【課題】高速信号線路を伝送される高周波信号の劣化が少なく、かつ高速信号線路以外の他の線路を伝導する高周波の伝導ノイズが抑制されたプリント配線板を提供する。
【解決手段】高周波信号が伝送される高速信号線路12と、高速信号線路12と離間して対向配置された導体層14と、高速信号線路12および導体層14と離間して対向配置された抵抗体層16とを有し、導体層16が高速信号線路12と抵抗体層16との間に配置されているプリント配線板10。
【選択図】図4

Description

本発明は、伝導ノイズ抑制機能付きプリント配線板に関する。
近年、情報処理機器、通信機器等にあっては、信号伝送速度が向上している。そして、信号伝送速度の向上に伴い、高速信号線路を伝送される電気信号が高周波化されている。しかし、高速信号線路に高周波信号を供給する半導体素子等で発生した不要な高周波電流、あるいは高速信号線路のインピーダンス不整合箇所での反射による共鳴等により発生した不要な高周波電流が、電源線路等の他の線路に流れ込み、これが高周波の伝導ノイズとなって、高速信号線路を伝送される高周波信号等に悪影響を及ぼしてしまうという問題がある。
伝導ノイズ抑制機能付きプリント配線板としては、例えば、下記のものが提案されている。
信号伝送層とグランド層との間、および/または電源層とグランド層との間に、抵抗体からなるノイズ抑制層を配置した多層回路基板(特許文献1)。
該多層回路基板においては、ノイズ抑制層によって各層を流れる高周波の伝導ノイズを減衰させている。しかし、前記信号伝送層が高周波信号を伝送する高速信号線路である場合、高速信号線路を伝送される高周波信号も、高周波の伝導ノイズとともにノイズ抑制層によって減衰してしまうおそれがある。
特開2006−295101号公報
本発明は、高速信号線路を伝送される高周波信号の劣化が少なく、かつ高速信号線路以外の他の線路を伝導する高周波の伝導ノイズが抑制されたプリント配線板を提供する。
本発明のプリント配線板は、高周波信号が伝送される高速信号線路と、前記高速信号線路と離間して対向配置された導体層と、前記導体層と離間して対向配置された抵抗体層とを有し、前記導体層が、前記高速信号線路と前記抵抗体層との間に配置されていることを特徴とする。
前記導体層は、前記高速信号線路と対向している領域(I)および前記高速信号線路と対向していない領域(II)とを有し、前記高速信号線路の長さ方向に直交する方向における前記領域(II)の幅Lと、前記高速信号線路の厚さ方向における前記高速信号線路と前記導体層との間隔tとは、下記式(1)を満足することが好ましい、
L≧3×t ・・・(1)。
本発明のプリント配線板は、さらに前記高速信号線路以外の他の線路を有し、前記他の線路が前記抵抗体層と対向し、かつ前記他の線路と前記抵抗体層との間に前記導体層は配置されていないことが好ましい。
本発明のプリント配線板は、高速信号線路を伝送される高周波信号の劣化が少なく、かつ高速信号線路以外の他の線路を伝導する高周波の伝導ノイズが抑制されたものとなる。
本明細書において「対向」しているとは、プリント配線板の表面に直交する方向から見たときに少なくとも一部が重なり合う状態をいう。
<プリント配線板>
図1は、本発明のプリント配線板の基本構成の一例を示す断面図である。なお、図1においては、絶縁体からなる層は省略している。該プリント配線板は、高周波信号が伝送される高速信号線路12と、高速信号線路12と離間して対向配置された導体層14と、導体層14と離間して対向配置された抵抗体層16とを有し、導体層14が、高速信号線路12と抵抗体層16との間に配置されているものである。
該プリント配線板においては、下記の理由から、導体層14が、高速信号線路12と対向している領域(I)および高速信号線路12と対向していない領域(II)とを有し、高速信号線路12の長さ方向に直交する方向における領域(II)の幅Lと、高速信号線路12の厚さ方向における高速信号線路12と導体層14との間隔tとが、下記式(1)を満足することが好ましい。
L≧3×t ・・・(1)。
高速信号線路12においては、高周波信号は表皮効果によって表面に集中して流れることから、図2に示すように、側面と上面または下面とが交わる稜部(エッジ部13)に高周波信号が集中して流れる。そのため、エッジ部13の周囲に電磁界変動が起きる。この電磁界変動、すなわちエッジ部13から生じる磁束18の密度に変化が起きると、この磁束密度の変化を妨げるように対向配置された抵抗体層16中に渦電流19が発生し(電磁誘導の原理)、抵抗損によりエネルギーは消費され、高速信号線路12を流れる高周波信号は減衰していくものと考えられる。
よって、上述の高周波信号の減衰のメカニズムからすれば、図1に示すように、エッジ部13から生じて抵抗体層16へ向かう磁束18を遮るように、導体層14を高速信号線路12と抵抗体層16との間に配置すればよい。そして、エッジ部13から生じる磁束18をできるだけ多く遮るためには、高速信号線路12のエッジ部13からはみ出した導体層14の幅、すなわち高速信号線路12と対向していない領域(II)の幅Lをできるだけ広くすればよい。
図3は、幅Lを間隔tのn倍ずつ変化させた場合の40GHzにおける高速信号線路12についてのS21パラメータ(透過減衰量)の変化を示すシミュレーション結果のグラフであり、抵抗体層16がある場合と、抵抗体層16がない場合の結果を示している。該シミュレーションは、シミュレーション3D電磁界シミュレータ(アジレント社製、製品名:EMDS)を用い、下記のデータを入力して行った。
高速信号線路12の幅:100μm、
高速信号線路12の厚さ:18μm、
間隔t:50μm、
導体層14の厚さ:18μm、
導体層14と抵抗体層16との間隔:10μm、
導体層14の両側にはみ出した抵抗体層16の幅:それぞれ500μm、
絶縁体の誘電率:3.3、絶縁体の誘電正接:0.008、
抵抗体層の表面抵抗:50Ω。
図3に示すように、幅Lが間隔tの3倍のとき、S21パラメータが約−1.5dBとなり、高周波信号の減衰が実用上問題のないレベルまで抑えられている。幅Lは、間隔tの5倍以上がより好ましく、10倍以上が特に好ましい。
図4は、本発明のプリント配線板の具体的構成の一例を示す断面図である。プリント配線板10は、基板22の一方の表面に高速信号線路12および高速信号線路12以外の他の線路24が形成され、他方の表面に導体層14が形成されたプリント配線板本体20と、カバーレイフィルム本体32の片面に抵抗体層16が形成されたカバーレイフィルム30とが、接着剤層40を介して貼り合わされたものである。
(プリント配線板本体)
プリント配線板本体20は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工して高速信号線路12、他の線路24および導体層14としたものである。
銅張積層板としては、基板22に銅箔を接着剤で貼り合わせたのもの;銅箔上に基板22を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。
銅箔の厚さは、18〜35μmが好ましい。
(基板)
基板22の材料としては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルサルファイド、シンジオタクチックポリスチレン等が挙げられる。
プリント配線板10がフレキシブルプリント配線板の場合、基板22としては、ポリマーフィルムが好ましい。
ポリマーフィルムの表面抵抗は、1×10Ω以上が好ましい。
ポリマーフィルムとしては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム等がより好ましい。
ポリマーフィルムの厚さは、5〜50μmが好ましく、屈曲性の点から、6〜25μmがより好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
(高速信号線路)
高速信号線路12は、1GHz以上の高周波信号を伝送する線路である。高周波信号の周波数は、3GHz以上が好ましく、10GHz以上がより好ましく、40GHz以上が特に好ましい。
高速信号線路12は、離間して対向配置されたグランド層および/またはグランド線路によって、伝送特性のよいマイクロストリップ構造またはコプレーナ構造となる。
(導体層)
導体層14は、面状に拡がる導体からなる層である。導体層14としては、高周波信号の伝送を目的としない導体、例えば、グランド層、電源層等が挙げられ、通常はグランド層である。
導体層14は、高速信号線路12と離間して対向配置される。
導体層14は、高速信号線路12が抵抗体層16の影響を受けないようにするために、高速信号線路12と抵抗体層16との間に配置される。
また、図5に示すように、プリント配線板が、絶縁体層50を介して複数のプリント配線板本体20を積層した多層配線板の場合、他のレイヤーの高速信号線路12’が抵抗体層16の影響を受けないようにするために、高速信号線路12’と抵抗体層16との間に導体層14’を設けてもよい。
導体層14の幅は、上述したように、高速信号線路12が抵抗体層16の影響を受けないようにするためには、できるだけ広いことが好ましい。ただし、図6に示すように、導体層14が配置されていない部分にスルーホール26や他の線路24を設けることによって、プリント配線板の面積を有効利用するためには、導体層14の幅は最小限にすることが好ましい。すなわち高速信号線路12と対向していない領域(II)の幅Lは、間隔tの20倍以下が好ましく、10倍以下がより好ましい。
(他の線路)
他の線路24は、高速信号線路12以外の線路である。他の線路32としては、電源線路、線路形状のグランド線路、高速信号線路12よりも低い周波数の信号を伝送する低速信号線路(バイアス電圧制御用線路、光パワーモニター用制御用線路等。)等が挙げられる。
他の線路24は、高速信号線路12、導体層14および抵抗体層16と離間して配置される。
他の線路24は、抵抗体層16による伝導ノイズ抑制効果を発揮させるため、抵抗体層16と対向し、かつ他の線路24と抵抗体層16との間に導体層14は配置されていない。
(カバーレイフィルム本体)
カバーレイフィルム本体32は、ポリマーフィルムである。
カバーレイフィルム本体32の表面抵抗は、1×10Ω以上が好ましい。
カバーレイフィルム本体32の材料としては、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
カバーレイフィルム本体32の厚さは、可とう性の点から、3〜25μmが好ましく、表面形状への追従性が高くなる点から、3〜10μmが特に好ましい。
(抵抗体層)
抵抗体層16は、高速信号線路12、他の線路24および導体層14と離間し、他の線路24および導体層14に対向配置されているが、他の線路24および導体層14とは電気的に接続していない。
他の線路24および導体層14においては、高周波電流(伝導ノイズ)は表皮効果によって表面に集中して流れることから、側面と上面または下面とが交わる稜部(エッジ部)に高周波電流が集中して流れる。そのため、エッジ部から電磁波ノイズが放射され、エッジ部の周囲に電磁界変動が起きる。この電磁界変動、すなわちエッジ部から生じる磁束の密度に変化が起きると、この磁束密度の変化を妨げるように近傍に配置された抵抗体層16中に渦電流が発生し(電磁誘導の原理)、抵抗損によりエネルギーは消費され、他の線路24および導体層14を流れる伝導ノイズは減衰していく(伝導ノイズが抑制される)ものと考えられる。
該ノイズ抑制のメカニズムからすれば、他の線路24および導体層14のエッジ部から生じる磁束を受ける抵抗体層16の有効面積が大きいことが好ましい。よって、プリント配線板10の表面に直交する方向から見たとき、抵抗体層16は、他の線路24および導体層14の端部から大きくはみ出していることが好ましい。具体的には、他の線路24および導体層14からはみ出した抵抗体層16の幅は、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、1.0mm以上がさらに好ましい。該幅が0.1mm以上であれば、有効に磁束を十分に受けることができ、渦電流を十分に発生できる。該幅の上限は、プリント配線板10の大きさに応じて決定される。伝導ノイズの周波数が、1GHz以上で、高くなればなるほど、伝導ノイズがエッジ部に集中しやすいため、該幅が小さくても、伝導ノイズを効率よく抑制できる。
抵抗体層16は、プリント配線板10の外部に露出していないことが好ましい。抵抗体層16がプリント配線板10の側面等からの外部に露出すると、抵抗体層16の劣化、抵抗体層16を構成している材料のマイグレーション等の問題が生じるおそれがある。
抵抗体層16の表面抵抗は、5〜500Ωが好ましい。抵抗体層16の表面抵抗が5Ω未満では、渦電流が発生しても十分な抵抗損を得にくく、伝導ノイズ抑制効果が小さくなる。抵抗体層16の表面抵抗が500Ωを超えると、渦電流が発生しにくくなり、効率よく伝導ノイズを抑制しにくくなる。
抵抗体層16の材料としては、金属、導電性セラミックス、炭素材料等が挙げられる。材料の固有抵抗が低い場合は、抵抗体層16を薄くすることで、表面抵抗を高く調整できるが、厚さのコントロールが難しくなるため、抵抗体層16の材料としては、比較的高い固有抵抗を有する材料が好ましい。
金属としては、強磁性金属、常磁性金属等が挙げられる。
強磁性金属としては、鉄、カルボニル鉄、鉄合金(Fe−Ni、Fe−Co、Fe−Cr、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Cr−Si、Fe−Cr−Al、Fe−Al−Si、Fe−Pt等。)、コバルト、ニッケル、これらの合金等が挙げられる。
常磁性金属としては、金、銀、銅、錫、鉛、タングステン、ケイ素、アルミニウム、チタン、クロム、タンタル、モリブデン、それらの合金、アモルファス合金、強磁性金属との合金等が挙げられる。
金属としては、酸化に対して抵抗力のある点から、ニッケル、鉄クロム合金、タングステン、クロム、タンタルが好ましく、実用的には、ニッケル、ニッケルクロム合金、鉄クロム合金、タングステン、クロム、タンタルがより好ましく、ニッケルまたはニッケル合金が特に好ましい。
導電性セラミックスとしては、金属と、ホウ素、炭素、窒素、ケイ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる1種以上の元素とからなる合金、金属間化合物、固溶体等が挙げられる。具体的には、窒化ニッケル、窒化チタン、窒化タンタル、窒化クロム、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、ホウ化クロム、ホウ化モリブデン、ケイ化クロム、ケイ化ジルコニウム等が挙げられる。
導電性セラミックスは、物理的蒸着法における反応性ガスとして、窒素、炭素、ケイ素、ホウ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる1種以上の元素を含むガスを用いることによって容易に得られる。
炭素材料としては、アモルファスカーボン、グラファイト、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等が挙げられる。
抵抗体層16は、例えば、カバーレイフィルム本体32の表面に、物理的蒸着法(EB蒸着法、イオンビーム蒸着法、スパッタ法等。)により形成された抵抗体蒸着膜を、公知の湿式法(湿式エッチング法)、乾式法(プラズマエッチング法、レーザーアブレーション法)等により所望のパターンに加工することによって形成される。
抵抗体層16の厚さは、可とう性の点から、5〜50nmが好ましい。
(接着剤層)
接着剤層40は、例えば、市販の接着剤シート(ボンディングシート)が硬化または固化したものである。従来のカバーレイフィルムの製法のように、カバーレイフィルム本体に湿式の接着剤を塗布、乾燥させて接着剤層を形成すると、(i)パターン状の抵抗体層が形成されたカバーレイフィルムがカールし、その後の位置あわせが困難になる、(ii)加熱によってパターニング寸法が変化してしまい位置あわせ精度が低下する、(iii)抵抗体層の劣化を促す、等の不具合がある。このような不具合を避けるためにも、ドライな接着剤シートを用いることが好ましく、さらに抵抗体層をエッチング加工した後、直ちにプリント配線板本体と積層プレスを行うことができ、非常に簡便に接着加工を行うことができる。
接着剤シートの材料としては、Bステージ(半硬化状態)のエポキシ樹脂、熱可塑性のポリイミド等が挙げられる。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシル変性ニトリルゴム等。)を含んでいてもよい。
接着剤シートは、離型性フィルム等の上に、所望の厚みになるよう前記材料をキャスティングすることにより形成され、その後、離型性フィルム等を剥離して連続シート状にしてもよく、あるいは、離型性フィルムまたは保護フィルム付きで貯留してもよい。
接着剤層40は、抵抗体層16と導体層14との絶縁性を高めるために、スペーサーとして絶縁性粉体を含むことが好ましい。該粉体が、流動性調整、難燃性等の別の機能を有していても構わない。絶縁性粉体としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト系、繊維状の粉体(炭酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー等。)等が挙げられる。
このうちアスペクト比が3以上の粉体を用いることにより、接着剤層の流動により、効果的に導体層14の稜部に配向し留まることが可能となるので好ましい。
絶縁性粉体の径は、接着剤層の厚みの1/2から1/20が好ましい。これより小さいと、絶縁性スペーサーの機能を果たせなくなり、これより大きいと接着阻害をもたらす恐れがある。
絶縁性粉体の配合量は、接着剤層100質量部中、おおよそ1〜30質量部である。これより少ないと十分な絶縁性を出せず、多いと接着阻害をもたらすほか、表面形状の追従性に問題が生じて来る。
接着剤層40の厚さは、1〜100μmが好ましい。
抵抗体層16への濡れは、接着剤層40の溶融によるものであり、溶剤を含んだ接着剤よりは粘度が高く、良く濡れないため、接着力が不足するが、抵抗体層16上に、接着促進剤として、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等の接着促進剤を塗布することが好ましい。
シラン系カップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が挙げられる。
以上説明したプリント配線板10にあっては、導体層14が高速信号線路12と抵抗体層16との間に配置されているため、高速信号線路を伝送される高周波信号の抵抗体層16による劣化が少ない。また、抵抗体層34が他の線路24および導体層14と離間して対向配置されているため、他の線路24および導体層14を伝導する伝導ノイズを抑制できる。
以下、実施例を示す。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(各層の厚さ)
透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H9000NAR)を用いてサンプルの断面を観察し、各層の5箇所の厚さを測定し、平均した。
(表面抵抗)
石英ガラス上に金を蒸着して形成した、2本の薄膜金属電極(長さ10mm、幅5mm、電極間距離10mm)を用い、該電極上に被測定物を置き、被測定物上から、被測定物の10mm×20mmの領域を50gの荷重で押し付け、1mA以下の測定電流で電極間の抵抗を測定し、この値を表面抵抗とした。
(伝導ノイズ抑制効果)
プリント配線板10の高速信号線路12および他の線路24のS21パラメータをネットワークアナライザー(アンリツ社製、37247D)で評価した。
〔例1〕
厚さ25μmのポリイミドフィルムと厚さ18μmの圧延銅箔とエポキシ系接着剤とからなる両面銅張積層板(20mm×20mm、厚さ86μm)の一方の表面をエッチング法にて加工し、線幅:0.1mm、線長:15mmの高速信号線路12および他の線路24を形成した。高速信号線路12および他の線路24の両端には、測定用の同軸リード線が半田付けできるように2mmΦのランド部分を形成した。前記両面銅張積層板の他方の表面で、かつ高速信号線路12と対向し、他の線路24と対向しない箇所に、エッチング法にて20mm×10mmの導体層14(グランド層)を形成し、図4に示すようなプリント配線板本体20を作製した。
20mm×20mm×厚さ10μmのポリイミドフィルムの表面の全体に、マグネトロンスパッタ法にて窒素ガス流通下にニッケルを物理的に蒸着させ、厚さ25nmの窒化ニッケル蒸着膜(表面抵抗:25Ω)を形成した。該蒸着膜を、レーザーアブレーション法にて加工して、20mm×3.2mmの抵抗体層16を形成し、図4に示すようなカバーレイフィルム30を作製した。
カバーレイフィルム30の抵抗体層16が形成された側の表面に、20mm×20mm×厚さ20μmのボンディングシート(ゴム成分を含むエポキシ樹脂と潜在硬化剤とからなるエポキシ系接着剤を成膜後、乾燥させBステージ状にしたもの、ボンディングシート100質量部中に絶縁性粉体として平均粒径5μmのシリカ粒子5質量部と平均繊維径1μm、平均繊維長20μmの炭酸カルシウム3質量部を含む。)を部分的に加熱し、接着した。ボンディングシートが仮止めされたカバーレイフィルム30には、ランド部分を避ける窓部が、打ち抜きにより形成されている。
プリント配線板本体20の導体層14が形成された側の表面に、ボンディングシートが仮止めされたカバーレイフィルム30を、プリント配線板本体20とカバーレイフィルム30との間にボンディングシートが位置するように、かつ抵抗体層16と導体層14および他の線路24とが対向配置されるように重ねた。
これらを熱プレスによって一体化させ、図4に示すようなプリント配線板10を得た。プリント配線板10においては、導体層14が、高速信号線路12と抵抗体層16との間に配置され、幅Lは、間隔tの12倍であった。また、導体層14と対向していない抵抗体層16の幅は、0.6mmであった。
プリント配線板10について、ランド部分に測定用の同軸リード線を半田付けし、グランド層44に外部導体を半田付けし、ネットワークアナライザーと接続した後、高速信号線路12および他の線路24のS21パラメータを評価した。結果を図7に示す。
〔例2〕
カバーレイフィルム30を、プリント配線板本体20の高速信号線路12が形成された側の表面に貼り合わせ、高速信号線路12と抵抗体層16とを直接対向させた以外は、例1と同様にして、プリント配線板を作製し、例1と同様にして評価した。結果を図7に示す。
本発明のプリント配線板は、光モジュール、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム器等の小型電子機器用のフレキシブルプリント配線板として有用である。
本発明のプリント配線板の基本構成の一例を示す断面図である。 抵抗体層による高速信号線路を流れる高周波信号の減衰のメカニズムを説明するための断面図である。 幅Lを間隔tのn倍ずつ変化させた場合の40GHzにおける高速信号線路についてのS21パラメータ(透過減衰量)の変化を示すグラフである。 本発明のプリント配線板の具体的構成の一例を示す断面図である。 本発明のプリント配線板の具体的構成の他の例を示す断面図である。 本発明のプリント配線板の具体的構成の他の例を示す断面図である。 例1および例2における伝導ノイズ抑制効果(S21パラメータ)を示すグラフである。
符号の説明
10 プリント配線板
12 高速信号線路
14 導体層
16 抵抗体層
24 他の線路

Claims (3)

  1. 高周波信号が伝送される高速信号線路と、
    前記高速信号線路と離間して対向配置された導体層と、
    前記導体層と離間して対向配置された抵抗体層とを有し、
    前記導体層が、前記高速信号線路と前記抵抗体層との間に配置されている、プリント配線板。
  2. 前記導体層が、前記高速信号線路と対向している領域(I)および前記高速信号線路と対向していない領域(II)とを有し、
    前記高速信号線路の長さ方向に直交する方向における前記領域(II)の幅Lと、前記高速信号線路の厚さ方向における前記高速信号線路と前記導体層との間隔tとが、下記式(1)を満足する、請求項1に記載のプリント配線板。
    L≧3×t ・・・(1)。
  3. さらに前記高速信号線路以外の他の線路を有し、
    前記他の線路が前記抵抗体層と対向し、かつ前記他の線路と前記抵抗体層との間に前記導体層は配置されていない、請求項1または2に記載のプリント配線板。
JP2008237832A 2008-09-17 2008-09-17 プリント配線板 Expired - Fee Related JP5292033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008237832A JP5292033B2 (ja) 2008-09-17 2008-09-17 プリント配線板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008237832A JP5292033B2 (ja) 2008-09-17 2008-09-17 プリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010073786A true JP2010073786A (ja) 2010-04-02
JP5292033B2 JP5292033B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=42205326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008237832A Expired - Fee Related JP5292033B2 (ja) 2008-09-17 2008-09-17 プリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5292033B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012059536A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Fujitsu Ltd コネクタ、光伝送装置およびコネクタ接続方法
US8585432B2 (en) 2010-09-09 2013-11-19 Fujitsu Limited Connector and optical transmission apparatus
JP2020170745A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 Tdk株式会社 磁石構造体、磁石構造体の製造方法、及びモータ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003198146A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Kyocera Corp 多層配線基板およびこれを用いた電子装置
JP2003283073A (ja) * 2002-03-27 2003-10-03 Kyocera Corp 配線基板
JP2005158916A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Aica Kogyo Co Ltd 多層プリント配線板
JP2006294967A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Shin Etsu Polymer Co Ltd プリント配線基板およびその製造方法
JP2007273511A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Nec Corp 半導体装置及びその製造方法
WO2008001897A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. Élément de câblage à suppression de bruit et planchette de câblage imprimé

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003198146A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Kyocera Corp 多層配線基板およびこれを用いた電子装置
JP2003283073A (ja) * 2002-03-27 2003-10-03 Kyocera Corp 配線基板
JP2005158916A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Aica Kogyo Co Ltd 多層プリント配線板
JP2006294967A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Shin Etsu Polymer Co Ltd プリント配線基板およびその製造方法
JP2007273511A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Nec Corp 半導体装置及びその製造方法
WO2008001897A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. Élément de câblage à suppression de bruit et planchette de câblage imprimé

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012059536A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Fujitsu Ltd コネクタ、光伝送装置およびコネクタ接続方法
US8585432B2 (en) 2010-09-09 2013-11-19 Fujitsu Limited Connector and optical transmission apparatus
US8721349B2 (en) 2010-09-09 2014-05-13 Fujitsu Limited Connector, optical transmission device, and connector connection method
JP2020170745A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 Tdk株式会社 磁石構造体、磁石構造体の製造方法、及びモータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5292033B2 (ja) 2013-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5292027B2 (ja) 光トランシーバ
EP2222144B1 (en) Noise suppressing structure and printed wiring board
JP5150534B2 (ja) カバーレイフィルム、その製造方法およびフレキシブルプリント配線板
WO2010021328A1 (ja) プリント配線板
JP5380355B2 (ja) プリント配線板およびその製造方法
JP5202377B2 (ja) カバーレイフィルムおよびフレキシブルプリント配線板
KR101081718B1 (ko) 전도 노이즈 억제 구조체 및 배선 회로 기판
JP4916803B2 (ja) 多層プリント回路基板
JP5193903B2 (ja) カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板および光トランシーバ
JP5103088B2 (ja) 伝導ノイズ抑制構造体および配線回路基板
JP5292033B2 (ja) プリント配線板
JP2006294967A (ja) プリント配線基板およびその製造方法
JP5657088B2 (ja) プリント配線板および光モジュール
JP2010153534A (ja) カバーレイフィルム、その製造方法およびフレキシブルプリント配線板
JP5439104B2 (ja) カバーレイフィルム、その製造方法およびフレキシブルプリント配線板
KR101197441B1 (ko) 프린트 배선판
JP5103131B2 (ja) 伝導ノイズ抑制構造体および配線回路基板
WO2021131227A1 (ja) 導波路構造及び導波路構造の製造方法
JP2006297628A (ja) プリント配線基板用樹脂付き金属箔およびプリント配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5292033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees