JP2010071836A - イオンクロマトグラフ測定装置およびイオンクロマトグラフ測定方法 - Google Patents

イオンクロマトグラフ測定装置およびイオンクロマトグラフ測定方法

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Abstract

【課題】分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去して高感度な分析を行うことができるイオンクロマトグラフ測定装置およびイオンクロマトグラフ測定方法を実現する。
【解決手段】 溶離液L1とともにサンプルSが導入される分離カラム2を備えたイオンクロマトグラフ測定装置において、
前記分離カラム2の前段に、前記分離カラム2に選択的に洗浄液L2を導入する六方バルブV2を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶離液とともにサンプルが導入される分離カラムを備えたイオンクロマトグラフ測定装置およびイオンクロマトグラフ測定方法に関する。
イオンクロマトグラフは、測定対象であるサンプル中に含まれる測定対象成分をイオンに分離し、さらにその量を測定する分析方法である。
図4は従来のイオンクロマトグラフ測定装置を示す図であり、サンプルSを送液するサンプルポンプP1、溶離液L1を送液する溶離液ポンプP2、サンプルSと溶離液L1の流路を切り換える六方バルブV1、イオン交換樹脂が充填された濃縮カラム1および分離カラム2、溶離液L1を導電率の低い組成に変換するサプレッサ3、分離されたイオン成分の検出を行う導電率計4から構成されている。
まず、サンプルポンプP1および六方バルブV1を介して濃縮カラム1にサンプルSを導入し、サンプルSに含まれる種々のイオン成分を濃縮する。このとき、分離カラム2には六方バルブV1および溶離液ポンプP2を介して溶離液L1が供給される。次に、六方バルブV1を切り換えて濃縮カラム1に溶離液L1を供給し、濃縮カラム1に濃縮されたイオン成分を溶離液L1とともに分離カラム2に導入する。
分離カラム2に導入されたイオン成分は、分離カラム2内でイオン交換樹脂表面のイオン交換基に対し吸着と剥離を繰り返しながら下流側へ移動する。イオン成分は、イオン交換基に対する吸着度の差に基づいて成分ごとに分離され、各成分に固有の保持時間をもって分離カラム2から導出される。分離カラム2から導出されたイオン成分は、導電率計4によって導電率が検出される。
サンプルSに含まれる陰イオンの測定においては、希薄な電解質溶液である水酸化ナトリウム(NaOH)が溶離液L1として使用される場合が多い。しかし、水酸化ナトリウムの水溶液自体の導電率が高いため、測定したいイオン成分を高感度に測定することは困難である。
そこで、導電率計4の前段にサプレッサ3を設け、溶離液L1を導電率の低い組成に変換する。たとえば、溶離液L1として水酸化ナトリウムを用いる場合には、サプレッサ3においてNa+をH+に変換し、溶離液L1を水(H2O)に変換する。これにより、導電率のバックグラウンドが低減する。バックグラウンドが低減すると、導電率計4でイオン成分の導電率を測定した際のベースラインBが低い値となり、イオン成分の分析感度(S/N比)が向上する。
図5は従来のイオンクロマトグラフ測定装置で検出される導電率測定結果の一例を示す図である。
サンプルSに含まれるイオン成分は、導電率計4において導電率の時間変化として検出される。各イオン成分は固有の保持時間をもって分離カラム2から導出されるため、導電率のピーク位置からサンプルSに含まれるイオン成分の種類が特定される。そして、ベースラインBに対するピークの大きさから各イオン成分の量が把握される。
下記特許文献1には、分離カラムを用いたイオンクロマトグラフィー測定方法とその装置が記載されている。
特開平5−232094号公報
しかしながら、上記のようなイオンクロマトグラフ測定装置では、溶離液L1に混入した非測定対象成分が測定前に分離カラム2のイオン交換基に吸着することによって、イオンクロマトグラフ測定装置の分析感度が低下するという問題がある。
溶離液L1に水酸化ナトリウムを用いる場合について説明する。水酸化ナトリウムの水溶液には、必ず微量の炭酸イオン(HCO3 -)が混入している。これは、水酸化ナトリウムの水溶液作成に用いる超純水に炭酸ガスが溶解してしまうことや、溶離液L1が空気に接触したときに空気中の炭酸ガスが水溶液中に溶解してしまうことに由来すると考えられる。
分離カラム2は、サンプルSのイオン成分が導入される前から、炭酸イオンを含む溶離液L1が供給された状態となっている。そのため、分離カラム2にサンプルSのイオン成分が導入される時点において、炭酸イオンはその濃度に応じたある割合で分離カラム2のイオン交換基に吸着し、平衡状態を作っている。すなわち、分離カラム2が本来有するイオン交換能力が阻害された状態となっている。
分離カラム2のイオン交換能力が炭酸イオンで阻害されることによって、イオン交換基がサンプルSのイオン成分を吸着できる割合が低下し、各成分の保持時間が短くなる。そのため、各イオン成分の導電率のピークが接近し、ピーク面積値による定量値に影響したり、イオン成分の種類の特定が困難となる場合がある。また、溶離液L1中の炭酸イオンの濃度は不定であるが、各イオン成分の保持時間の変化は炭酸イオンの濃度に影響されるため、各イオン成分の保持時間が安定しない。
さらに、炭酸イオンは導電率値を有しているが、上記のようなNa+をH+に変換するサプレッサ3では除去することができない。そのため、サプレッサ3通過後の溶離液L1中に炭酸イオンが残存してしまう。その結果、イオン成分の導電率を測定した際に、炭酸イオンに由来する導電率値がベースラインBとして表れ、イオン成分の分析感度を低下させてしまう。
なお、溶離液L1中の炭酸ガスを除去する方法として、多孔質膜を利用した脱気モジュールを利用することが考えられるが、溶離液L1中の微量の炭酸イオンを全て除去することは困難である。
本発明は、従来装置の問題をなくし、分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去して高感度な分析を行うことができるイオンクロマトグラフ測定装置およびイオンクロマトグラフ測定方法を実現することを目的とする。
上記のような目的を達成するために、請求項1の発明は、
溶離液とともにサンプルが導入される分離カラムを備えたイオンクロマトグラフ測定装置において、
前記分離カラムの前段に、前記分離カラムに選択的に洗浄液を導入する洗浄手段を備えたことを特徴とするイオンクロマトグラフ測定装置である。
請求項2の発明は、
請求項1に記載のイオンクロマトグラフ測定装置において、
前記洗浄手段は、
前記サンプルを前記溶離液とともに前記分離カラムに導入する第1の切替状態と、前記洗浄液を前記分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、
請求項1または2に記載のイオンクロマトグラフ測定装置において、
前記溶離液は水酸化ナトリウムであり、
前記分離カラムは炭酸イオンを保持可能なカラムであり、
前記洗浄液は水酸化ナトリウムの濃縮液であることを特徴とする。
請求項4の発明は、
サンプルの濃縮を行う濃縮カラムと、
前記サンプルを供給するサンプルポンプと、
溶離液を供給する溶離液ポンプと、
前記サンプルポンプから供給される前記サンプルを前記濃縮カラムに導入して前記濃縮カラム内に前記サンプルを濃縮させる第1の切替状態と、前記溶離液ポンプから供給される溶離液を前記濃縮カラムに導入して前記濃縮カラム内に保持された前記サンプルを導出する第2の切替状態とを有する第1のバルブと、
この第1のバルブを介して前記濃縮カラムから導出された前記サンプルが前記溶離液とともに導入される分離カラムと、
この分離カラムと前記第1のバルブの間に設けられ、前記第1のバルブから送出される前記サンプルおよび前記溶離液を前記分離カラムに導入する第1の切替状態と、前記分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去する洗浄液を前記分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えた第2のバルブと、
前記分離カラムを通過後の溶離液の導電率を下げるサプレッサと、
このサプレッサを通過後の前記サンプルの導電率を測定する導電率計と、
を備えたことを特徴とするイオンクロマトグラフ測定装置である。
請求項5の発明は、
溶離液を供給する溶離液ポンプと、
前記サンプルをサンプルループに導入する第1の切替状態と、前記溶離液ポンプから供給される溶離液を前記サンプルループに導入して前記サンプルループ内に保持された前記サンプルを導出する第2の切替状態とを有する第1のバルブと、
この第1のバルブを介して前記サンプルループから導出された前記サンプルが前記溶離液とともに導入される分離カラムと、
この分離カラムと前記第1のバルブの間に設けられ、前記第1のバルブから送出される前記サンプルおよび前記溶離液を前記分離カラムに導入する第1の切替状態と、前記分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去する洗浄液を前記分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えた第2のバルブと、
前記分離カラムを通過後の溶離液の導電率を下げるサプレッサと、
このサプレッサを通過後の前記サンプルの導電率を測定する導電率計と、
を備えたことを特徴とするイオンクロマトグラフ測定装置である。
請求項6の発明は、
溶離液とともにサンプルが導入される分離カラムを用いたイオンクロマトグラフ測定方法において、
前記分離カラムに前記サンプルを導入する前に、前記分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去する洗浄液を導入することを特徴とするイオンクロマトグラフ測定方法である。
請求項7の発明は、
請求項6に記載のイオンクロマトグラフ測定方法において、
前記溶離液は水酸化ナトリウムであり、
前記分離カラムは炭酸イオンを保持可能なカラムであり、
前記洗浄液は水酸化ナトリウムの濃縮液であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、
分離カラムの前段に、分離カラムに選択的に洗浄液を導入する洗浄手段を備えたことにより、分析前に分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去することができる。
これにより、導電率の測定の際にベースラインの値が下がり、S/N比が向上する。また、各成分の保持時間が長くなるとともに安定し、測定対象成分の分離および特定が容易となる。その結果、高感度な分析を行うことができるイオンクロマトグラフ測定装置を実現することができる。
請求項2の発明によれば、
洗浄手段を、サンプルを溶離液とともに分離カラムに導入する第1の切替状態と、洗浄液を分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えたバルブとしたことにより、分離カラムへのサンプルの導入と洗浄液の導入の切り換えを容易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、
溶離液として水酸化ナトリウムを用いた場合に、溶離液に含まれる炭酸イオンによる影響を除去することができる。
請求項4の発明によれば、
分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去して高感度な分析を行うことができる、濃縮法のイオンクロマトグラフ測定装置を実現できる。
請求項5の発明によれば、
分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去して高感度な分析を行うことができる、ループインジェクション法のイオンクロマトグラフ測定装置を実現できる。
請求項6の発明によれば、
分離カラムにサンプルを導入する前に洗浄液を導入することにより、分離カラム内に存在する非測定対象成分をサンプルの分析前に除去することができる。
これにより、導電率の測定の際にベースラインの値が下がり、S/N比が向上する。また、各成分の保持時間が長くなるとともに安定し、測定対象成分の分離および特定が容易となる。その結果、高感度な分析を行うことができる。
請求項7の発明によれば、
溶離液として水酸化ナトリウムを用いた場合に、溶離液に含まれる炭酸イオンによる影響を除去することができる。
図1は本発明によるイオンクロマトグラフ測定装置を示す図である。本実施例では、サンプルSに含まれる陰イオンを濃縮法により測定するイオンクロマトグラフ測定装置について説明する。濃縮法は、サンプルS中の測定対象成分を濃縮カラムで濃縮した上で分離カラムに導入するものであり、サンプルS中の測定対象成分の濃度が低い場合などに一般的に用いられる手法である。
本実施例のイオンクロマトグラフ測定装置は、サンプルSを送液するサンプルポンプP1、水酸化ナトリウムからなる溶離液L1を送液する溶離液ポンプP2、サンプルSと溶離液L1の流路を切り換える六方バルブV1、イオン交換樹脂が充填された濃縮カラム1および分離カラム2、溶離液L1の水酸化ナトリウムを水に変換するサプレッサ3、分離されたイオン成分の検出を行う導電率計4、分離カラム2に選択的に洗浄液L2を導入する六方バルブV2、これらの構成物を接続する複数の流路から構成されている。なお、分離カラム2は炭酸イオンを保持可能なカラムを用いる。
初期状態において、六方バルブV1,V2は実線側に切り換えられている。
濃縮カラム1に、サンプルポンプP1から六方バルブV1および流路R1を介してサンプルSが導入され、サンプルSに含まれる種々のイオン成分が濃縮される。溶離液L1は、溶離液ポンプP2から流路R2、六方バルブV1、流路R3、六方バルブV2、流路R5、再度六方バルブV2、流路R6を経由して分離カラム2に導入される。この初期状態においては、分離カラム2は、イオン交換樹脂表面のイオン交換基に炭酸イオンがある割合で吸着した平衡状態となっている。
次に、六方バルブV2が点線側に切り換えられる。溶離液L1は、六方バルブV2から流路R5を経由せずに分離カラム2に導入される。流路R5には、流路R4から供給される洗浄液L2が六方バルブV2を介して導入され、流路R5内の溶離液L1が洗浄液L2に置き換えられる。洗浄液L2は、溶離液L1の水酸化ナトリウムを数倍〜数百倍高濃度化したものを用いる。
六方バルブV1が点線側に切り替えられ、濃縮カラム1に溶離液L1が導入される。濃縮カラム1に濃縮されたサンプルSのイオン成分は、溶離液L1とともに濃縮カラム1から導出し、六方バルブV1を経由して流路R3内を六方バルブV2側へと移動する。
サンプルSのイオン成分を含む溶離液L1が六方バルブV2に到着する直前に、六方バルブV2が実線側に切り換えられる。六方バルブV2の切り換えによって、サンプルSのイオン成分を含む溶離液L1は、流路R5に導入される。流路R5内に保持されていた洗浄液L2は、サンプルSのイオン成分を含む溶離液L1によって流路R6に押し出され、分離カラム2に導入される。
分離カラム2に洗浄液L2が導入されると、分離カラム2は洗浄液L2に含まれる大量の水酸化イオン(OH-)で満たされる。すると、分離カラム2内のイオン全体に占める炭酸イオンの割合が相対的に小さくなり、イオン交換基に吸着していた炭酸イオンは水酸化イオンで置き換えられる。イオン交換基から剥離した炭酸イオンは、洗浄液L2とともに分離カラム2の外へ導出される。その結果、分離カラム2に炭酸イオンの洗浄効果が得られる。
流路R5に保持されていた洗浄液L2がすべて分離カラム2に導入されると、つづいてサンプルSのイオン成分を含む溶離液L1が分離カラム2に導入される。
この溶離液L1にも炭酸イオンが存在するが、分離カラム2は炭酸イオンの洗浄直後であるため、ほぼすべてのイオン交換基をサンプルSのイオン成分の分離に使用できる。
分離カラム2で分離されたイオン成分は、サプレッサ3を通過した後に導電率計4によって導電率が検出される。
なお、溶離液L1が分離カラム2に導入されるのに伴い、分離カラム2には新たに炭酸イオンが吸着してしまう。しかし、炭酸イオンよりも吸着力の弱いイオン成分は、分離カラム2内で炭酸イオンよりも先に下流側へ移動する。そのため、それらのイオン成分は、分離カラム2内で炭酸イオンの影響を受けることなく、分離カラム2が本来有するイオン交換能力を活用できる。
このようにして、炭酸イオンよりも吸着力の弱いイオン成分については、炭酸イオンの影響を排除した状態で分析することができる。
図2は本実施例のイオンクロマトグラフ測定装置で検出される導電率測定結果の一例を示す図であり、図2の(a)は従来例による導電率変化との比較、(b)は従来例による導電率変化とベースラインを合わせて表示したものである。点線は従来例による導電率変化、実線は本実施例の導電率変化である。
本実施例では、従来例と比較して、各イオン成分の導電率のピーク位置が全体的に後方となり、各イオン成分のピーク位置が離れる。これは、各イオン成分が分離カラム2を通過する際に炭酸イオンが除去されていることにより、各イオン成分の保持時間が長くなるためである。また、各イオン成分の保持時間が、溶離液L1中の炭酸イオンの濃度によらず、安定する。そのため、イオン成分の種類の特定が容易となる。
また、図2の(a)において、本実施例では、各イオン成分が分離カラム2を通過する際に炭酸イオンが除去されていることにより、導電率のベースラインB’が従来例のベースラインBと比較して低い値に抑えられている。これにより、図2の(b)のように、導電率のベースラインに対して各イオン成分のピークが際立ち、S/N比が大きく向上する。
本実施例によれば、
分離カラム2の前段に、分離カラム2に選択的に洗浄液L2を導入する六方バルブV2を備えたことにより、分析前に分離カラム2内に存在する炭酸イオンを除去することができる。
これにより、導電率の測定の際にベースラインの値が下がり、S/N比が向上する。また、各イオン成分の保持時間が長くなるとともに安定し、各イオン成分の分離および特定が容易となる。その結果、高感度な分析を行うことができるイオンクロマトグラフ測定装置を実現できる。
また、分離カラム2にサンプルSのイオン成分を導入する前に分離カラム2内に存在する炭酸イオンを除去する洗浄液L2を導入することにより、分析前に分離カラム2内に存在する炭酸イオンを除去することができる。
これにより、高感度な分析を行うことができるイオンクロマトグラフ測定方法を実現できる。
また、洗浄液L2の導入に六方バルブV2を用いたことにより、分離カラム2へのサンプルSのイオン成分の導入と洗浄液L2の導入の切り換えを容易に行うことができる。
なお、本実施例では、溶離液L1に水酸化ナトリウムを用いたが、水酸化カリウムを用いてもよい。
また、本実施例では、洗浄液L2に水酸化ナトリウムを高濃度化した水溶液を用いたが、溶離液L1に水酸化カリウムを用いる場合には、洗浄液L2として水酸化カリウムを高濃度化した水溶液を用いてもよい。また、分離カラム2に吸着した炭酸イオンの洗浄効果が得られる水溶液であれば、これらの水溶液以外のものを用いてもよい。
また、本実施例では、六方バルブV2を用いて洗浄液L2を分離カラム2に導入したが、分離カラム2に選択的に洗浄液L2を導入できる構成であれば、六方バルブ以外の構成を利用してもよい。
本実施例における六方バルブV1は請求範囲における第1のバルブに相当し、六方バルブV2は第2のバルブに相当する。また、本実施例では、六方バルブV2の切替により洗浄液を分離カラムへ導入する構成が洗浄手段を形成している。
本実施例は、先の実施例1に対して、サンプルSの注入方法をループインジェクション法に変更したものである。ループインジェクション法は、イオンクロマトグラフにおいて最も一般的なサンプル導入方法であり、サンプルを一定容量のループ(チューブ)内に導入し、バルブを用いて分離カラムに導入する手法である。
図3は、実施例2のイオンクロマトグラフ測定装置を示した図である。
初期状態において、六方バルブV1,V2は実線側に切り換えられている。
サンプルループ1’に六方バルブV1および流路R1を介してサンプルSが導入され、所定量のサンプルSが計量される。
次に、六方バルブV2が点線側に切り換えられる。溶離液L1は、六方バルブV2から流路R5を経由せずに分離カラム2に導入される。流路R5には、流路R4から供給される洗浄液L2が六方バルブV2を介して導入され、流路R5内の溶離液L1が洗浄液L2に置き換えられる。洗浄液L2は、溶離液L1の水酸化ナトリウムを数倍〜数百倍高濃度化したものを用いる。
六方バルブV1が点線側に切り替えられ、サンプルループ1’に溶離液L1が導入される。サンプルループ1’に保持されたサンプルSは、溶離液L1によってサンプルループ1’から押し出され、六方バルブV1を経由して流路R3内を六方バルブV2側へ移動する。
サンプルSが六方バルブV2に到着する直前に、六方バルブV2が実線側に切り換えられる。六方バルブV2の切り換えによって、サンプルSは流路R5に導入される。流路R5内に保持されていた洗浄液L2は、サンプルSによって流路R6に押し出され、分離カラム2に導入される。
分離カラム2は、洗浄液L2の導入により炭酸イオンが洗浄される。その後、サンプルSが分離カラム2に導入され、イオン成分ごとに分離される。分離カラム2で分離されたイオン成分は、サプレッサ3を通過した後に導電率計4によって導電率が検出される。
その他の構成は前記実施例1と同じである。
このように、本発明は、サンプルSの導入方法が濃縮法またはループインジェクション法のどちらであっても、適用可能である。
本発明の実施例1のイオンクロマトグラフ測定装置を示す図である。 実施例1のイオンクロマトグラフ測定装置による導電率測定結果を示す図である。 本発明の実施例2のイオンクロマトグラフ測定装置を示す図である。 従来のイオンクロマトグラフ測定装置の一例を示す図である。 従来のイオンクロマトグラフ測定装置による導電率測定結果を示す図である。
符号の説明
1 濃縮カラム
2 分離カラム
3 サプレッサ
4 導電率計
S サンプル
L1 溶離液
L2 洗浄液
V1,V2 六方バルブ
P1 サンプルポンプ
P2 溶離液ポンプ
R1〜R6 流路

Claims (7)

  1. 溶離液とともにサンプルが導入される分離カラムを備えたイオンクロマトグラフ測定装置において、
    前記分離カラムの前段に、前記分離カラムに選択的に洗浄液を導入する洗浄手段を備えたことを特徴とするイオンクロマトグラフ測定装置。
  2. 前記洗浄手段は、
    前記サンプルを前記溶離液とともに前記分離カラムに導入する第1の切替状態と、前記洗浄液を前記分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のイオンクロマトグラフ測定装置。
  3. 前記溶離液は水酸化ナトリウムであり、
    前記分離カラムは炭酸イオンを保持可能なカラムであり、
    前記洗浄液は水酸化ナトリウムの濃縮液であることを特徴とする請求項1または2に記載のイオンクロマトグラフ測定装置。
  4. サンプルの濃縮を行う濃縮カラムと、
    前記サンプルを供給するサンプルポンプと、
    溶離液を供給する溶離液ポンプと、
    前記サンプルポンプから供給される前記サンプルを前記濃縮カラムに導入して前記濃縮カラム内に前記サンプルを濃縮させる第1の切替状態と、前記溶離液ポンプから供給される溶離液を前記濃縮カラムに導入して前記濃縮カラム内に保持された前記サンプルを導出する第2の切替状態とを有する第1のバルブと、
    この第1のバルブを介して前記濃縮カラムから導出された前記サンプルが前記溶離液とともに導入される分離カラムと、
    この分離カラムと前記第1のバルブの間に設けられ、前記第1のバルブから送出される前記サンプルおよび前記溶離液を前記分離カラムに導入する第1の切替状態と、前記分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去する洗浄液を前記分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えた第2のバルブと、
    前記分離カラムを通過後の溶離液の導電率を下げるサプレッサと、
    このサプレッサを通過後の前記サンプルの導電率を測定する導電率計と、
    を備えたことを特徴とするイオンクロマトグラフ測定装置。
  5. 溶離液を供給する溶離液ポンプと、
    前記サンプルをサンプルループに導入する第1の切替状態と、前記溶離液ポンプから供給される溶離液を前記サンプルループに導入して前記サンプルループ内に保持された前記サンプルを導出する第2の切替状態とを有する第1のバルブと、
    この第1のバルブを介して前記サンプルループから導出された前記サンプルが前記溶離液とともに導入される分離カラムと、
    この分離カラムと前記第1のバルブの間に設けられ、前記第1のバルブから送出される前記サンプルおよび前記溶離液を前記分離カラムに導入する第1の切替状態と、前記分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去する洗浄液を前記分離カラムに導入する第2の切替状態とを備えた第2のバルブと、
    前記分離カラムを通過後の溶離液の導電率を下げるサプレッサと、
    このサプレッサを通過後の前記サンプルの導電率を測定する導電率計と、
    を備えたことを特徴とするイオンクロマトグラフ測定装置。
  6. 溶離液とともにサンプルが導入される分離カラムを用いたイオンクロマトグラフ測定方法において、
    前記分離カラムに前記サンプルを導入する前に、前記分離カラム内に存在する非測定対象成分を除去する洗浄液を導入することを特徴とするイオンクロマトグラフ測定方法。
  7. 前記溶離液は水酸化ナトリウムであり、
    前記分離カラムは炭酸イオンを保持可能なカラムであり、
    前記洗浄液は水酸化ナトリウムの濃縮液であることを特徴とする請求項6に記載のイオンクロマトグラフ測定方法。
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