JP2005127739A - 高濃度試料中のイオン分離分析方法 - Google Patents

高濃度試料中のイオン分離分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を高濃度含む水溶液中に共存する10ppm以下の微量な陰イオン及び/又は陽イオンの分離分析に関して、1本の分離カラムと1種類の溶離液を用いて、迅速かつ簡便な分離分析方法を提供すること。
【解決手段】 酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液中の陰イオン及び/又は陽イオンを測定するに際し、イオンクロマトグラフィーにより、弱酸性の陽イオン交換分離カラムと、弱酸の溶離液を用いることを特徴とする高濃度試料中のイオン分離分析方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を高濃度含む水溶液中に共存する10ppm以下の微量な陰イオン及び/又は陽イオンを分離分析する方法に関するものである。
従来、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む高濃度の水溶液中に共存する陰イオン及び/又は陽イオンの分離分析には、イオンクロマトグラフィーにより、低交換容量の陰イオン分離カラムと希薄な塩基性水溶液の溶離液を用いて陰イオンを分離分析する方法と、低交換容量の陽イオン分離カラムと希薄な酸性水溶液の溶離液を用いて陽イオンを分離分析する方法が一般的である。しかしながら、酸解離定数が2以上の酢酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、フッ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の弱酸は、共存する陰イオンと近い時間帯に溶出されるため、極めて分離が困難である。そのため、酸解離定数が2以上の弱酸を含む水溶液を希釈して陰イオン分離カラムに供試し、分離分析する方法が一般的である。しかしながら、この方法では、酸解離定数が2以上の弱酸を含む水溶液中に共存する陰イオンも希釈されるため、微量な分析ができないなどの欠点を有している。また、その他の方法としては、陽イオン分離カラムを用いて、そのイオン排除作用を利用し、陰イオンと弱酸を粗分離する工程を経て、その溶出液を陰イオン分離カラムに導入し、そのイオン交換作用で分析する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、この方法は、2本の分離カラムと2種類の溶離液を必要とするため、測定装置が複雑になるなどの欠点を有している。さらに、陰イオンと陽イオンを同時に分離分析する方法が知られている(例えば、特許文献1)。この方法は、酸性雨中の陰イオンと陽イオンを測定した例であり、雨水中に共存する弱酸成分の濃度は、希薄であるため、陰イオンと陽イオンが同時に測定可能となっている。しかしながら、この方法は、弱酸、糖、アルコール、アミノ酸などの高濃度の水溶液中に共存する陰イオンや陽イオンの分離分析ができないなどの欠点を有している。
特開平5−223798(請求項1)
Separation Sciences 2000 講演要旨 95ページ(2000)
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を高濃度含む水溶液中に共存する10ppm以下の微量な陰イオン及び/又は陽イオンの分離分析に関して、1本の分離カラムと1種類の溶離液を用いて、迅速かつ簡便な分離分析方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、弱酸性の陽イオン交換分離カラムと、弱酸性の溶離液又は非水溶媒を含む弱酸性の溶離液を用いることにより、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を高濃度含む水溶液中に共存する10ppm以下の微量な陰イオン及び/又は陽イオンの分離分析法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を高濃度含む水溶液中に共存する10ppm以下の微量な陰イオン及び/又は陽イオンを分離分析するに際し、イオンクロマトグラフィーにより、弱酸性の陽イオン交換分離カラムと、弱酸性の溶離液又は非水溶媒を含む弱酸性の溶離液を用いることを特徴とする高濃度試料中のイオン分離分析方法である。
本発明は、上記のようなイオンクロマトグラフィーを用いて分離分析することにより、弱酸性の陽イオン交換分離カラムのイオン排除作用による陰イオンの分離と、イオン交換作用による陽イオンの分離が達成されると考えられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
イオンクロマトグラフィーを用いて、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を高濃度含む水溶液中に共存する陰イオン及び/又は陽イオンを分離分析する場合、低交換容量の陰イオン分離カラムと希薄な塩基性水溶液の溶離液を用いて陰イオンを分離分析する方法と、低交換容量の陽イオン分離カラムと希薄な酸性水溶液の溶離液を用いて陽イオンを分離分析する方法が一般的である。しかしながら、酸解離定数が2以上の弱酸、特に酢酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、フッ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の濃度が1重量%以上含む水溶液を分離分析する場合、共存する陰イオンと近い時間帯に溶出されるため、極めて分離が困難である。そのため、酸解離定数が2以上の弱酸を含む水溶液を希釈する必要がある。しかしながら、この希釈する方法では、酸解離定数が2以上の弱酸を含む水溶液中に共存する陰イオンも希釈されるため、微量な分析ができない。
本発明は、主要部が送液ポンプ、試料注入バルブ、弱酸性の陽イオン交換分離カラム、電気伝導度検出器の順に接続されているイオンクロマトグラフを用い、弱酸性の溶離液又は非水溶媒を含む弱酸性の溶離液を送液し、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を1重量%以上含む水溶液を注入することにより、その水溶液中に共存する10ppm以下の微量な陰イオン及び/又は陽イオンを良好に分離分析する方法である。
本発明において、分離分析する陰イオンとしては、例えば硫酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、ヨウ化物イオンなどが挙げられるが、特に硫酸イオン、塩化物イオン、硝酸イオンが良好に分離分析できる。
本発明において、分離分析する陽イオンとしては、例えばナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどが挙げられる。
本発明で用いる弱酸性の溶離液としては、酒石酸、酪酸、フタル酸、サリチル酸、クエン酸、スルホサリチル酸が挙げられる。又、これらの酸は、1種又は2種以上を用いることも可能である。又、陽イオン、特にアンモニウムイオンの分離選択性を変える目的で、弱酸性の溶離液に、クラウンエーテルの添加も可能である。
本発明で用いる溶離液中の非水溶媒としては、例えばアセトニトリル、グリセリン、エタノール、メタノール、テトラヒドロフランなどが挙げられるが、特にアセトニトリル、メタノール、エタノールが好ましい。
イオンクロマトグラフィーで用いる弱酸性の陽イオン交換分離カラムは、そのイオン排除作用を利用し、分離分析する陰イオンの価数、酸解離定数に基づいて分離できるものであれば、どのようなものでもよい。又、陽イオンの分離に関しては、弱酸性の陽イオン交換体に対する親和性に基づいて分離できるものであれば、どのようなものでもよい。
本発明で用いる電気伝導度検出器は、イオンクロマトグラフィー用の検出器として広く用いられているものである。この検出器は、イオン交換樹脂カラムから溶出してくる溶離液と試料中の各イオン種が検出器内の測定セル内に設置された一対の電極間を通過する際の電流値を測定するものであり、本発明で用いる酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸を含む高濃度の水溶液中の陰イオンと陽イオンを良好に検出できる。
本発明によれば、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を1重量%以上含む水溶液中に共存する10ppm以下の陰イオン及び/又は陽イオンを良好に分離分析できる。特に、酸解離定数が2以上の酢酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、フッ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を1重量%以上含む水溶液中に共存する10ppm以下の微量な硫酸イオン、塩化物イオン、硝酸イオンを良好に分離分析できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
イオンクロマトグラフィーの装置として、送液ポンプ、試料注入バルブ、電気伝導度検出器ポンプ、カラム恒温槽を含む一体型のイオンクロマトグラフ(東ソー株式会社製、商品名IC−2001)を用い、弱酸性の陽イオン交換分離カラムとして、内径6.0mm、長さ15cmのもの(東ソー株式会社製、商品名TSKgelSuperIC−A/C)を使用した。又、分離検出された各陰イオンのピーク面積の測定には、データ処理装置ワークステーションIC−WS(東ソー株式会社製)を用いた。
弱酸性の溶離液として、5.0mML-酒石酸、0.45mM5−スルホサリチル酸に、非水溶媒としてアセトニトリルを5容量%添加した水溶液を流速0.6mL/分で通液した。
試料として、硫酸イオン5ppm、塩化物イオン5ppm、硝酸イオン5ppmの混合水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、硫酸イオンは2.9分、塩化物イオンは3.1分、硝酸イオンは3.4のそれぞれの時間帯に溶出し、良好に分離検出することができた。又、ピーク面積は、硫酸イオン52.6μS・秒、塩化物イオン80.0μS・秒、硝酸イオン40.9μS・秒であった。
次に、試料として、硫酸イオン25ppm、塩化物イオン25ppm、硝酸イオン25ppmの混合水溶液と、硫酸イオン100ppm、塩化物イオン100ppm、硝酸イオン100ppmの混合水溶液のそれぞれ30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
実施例1で分離検出されたすべての陰イオンの濃度とピーク面積との間の関係について検討した結果、各陰イオンにおいて、0から100ppmの濃度範囲で良好な直線関係が得られた。
実施例1で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置、弱酸性の陽イオン交換分離カラム、弱酸性の溶離液を使用し、流速0.6mL/分で通液した。
試料として、硫酸イオン5ppm、塩化物イオン5ppm、硝酸イオン5ppmを添加した10重量%酢酸水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、得られたクロマトグラムを図1に示す。図1から明らかなように、該試料中の各陰イオンを良好に分離検出することができた。検出された各陰イオンのピーク面積は、硫酸イオン53.5μS・秒、塩化物イオン80.4μS・秒、硝酸イオン41.5μS・秒であった。
分離検出された各陰イオンのピーク面積と実施例1で得られた各陰イオンのピーク面積から計算した添加回収率は、硫酸イオン101.7%、塩化物イオン100.5%、硝酸イオン101.5%であった。この結果から、10重量%酢酸水溶液中の各陰イオンは良好に分離分析されていることがわかる。
実施例1で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置、弱酸性の陽イオン交換分離カラム、弱酸性の溶離液を使用し、流速0.6mL/分で通液した。
試料として、10重量%グリコール酸水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、硫酸イオンとして、3.1分の時間帯に溶出し、良好に分離検出することができた。実施例1で得られた各陰イオンの濃度とピーク面積との関係から、この硫酸イオンを定量した結果は、160ppbであった。
実施例1で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置、弱酸性の陽イオン交換分離カラムと、弱酸性の溶離液として、5.0mMο-フタル酸に、非水溶媒としてアセトニトリルを10容量%添加した水溶液を流速0.6mL/分で通液した。
試料として、硫酸イオン5ppm、塩化物イオン5ppm、硝酸イオン5ppmを添加した10重量%酢酸水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、硫酸イオンは2.9分、塩化物イオンは3.1分、硝酸イオンは3.3のそれぞれの時間帯に溶出し、良好に分離検出することができた。
実施例1で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置、弱酸性の陽イオン交換分離カラムと、弱酸性の溶離液として、5.0mML-酒石酸、0.45mM5−スルホサリチル酸、6mM18−クラウン6−エーテルに、非水溶媒としてアセトニトリルを5容量%添加した水溶液を流速0.6mL/分で通液した。
試料として、硫酸イオン5ppm、塩化物イオン5ppm、硝酸イオン5ppmの混合水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、硫酸イオンは2.9分、塩化物イオンは3.1分、硝酸イオンは3.4のそれぞれの時間帯に溶出し、良好に分離検出することができた。又、ピーク面積は、硫酸イオン53.0μS・秒、塩化物イオン79.7μS・秒、硝酸イオン42.7μS・秒であった。
次に、試料として、硫酸イオン25ppm、塩化物イオン25ppm、硝酸イオン25ppmの混合水溶液と、硫酸イオン100ppm、塩化物イオン100ppm、硝酸イオン100ppmの混合水溶液のそれぞれ30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
実施例5で分離検出されたすべての陰イオンの濃度とピーク面積との間の関係について検討した結果、各陰イオンにおいて、0から100ppmの濃度範囲で良好な直線関係が得られた。
実施例5で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置、弱酸性の陽イオン交換分離カラム、弱酸性の溶離液を使用し、流速0.6mL/分で通液した。
試料として、ナトリウムイオン2ppm、アンモニウムイオン2ppm、カリウムイオン2ppm、マグネシウムイオン2ppm、カルシウムイオン2ppmの混合水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、ナトリウムイオンは7.6分、アンモニウムイオンは8.3分、カリウムイオンは11.0分、マグネシウムイオンは14.2分、カルシウムイオンは17.6分のそれぞれの時間帯に溶出し、良好に分離検出することができた。又、ピーク面積は、ナトリウムイオン50.6μS・秒、アンモニウムイオン50.9μS・秒、カリウムイオン23.3μS・秒、マグネシウムイオン68.2μS・秒、カルシウムイオン40.5μS・秒であった。
次に、試料として、ナトリウムイオン50ppm、アンモニウムイオン50ppm、カリウムイオン50ppm、マグネシウムイオン50ppm、カルシウムイオン50ppmの混合水溶液と、ナトリウムイオン100ppm、アンモニウムイオン100ppm、カリウムイオン100ppm、マグネシウムイオン100ppm、カルシウムイオン100ppmの混合水溶液のそれぞれ30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
実施例6で分離検出されたすべての陽イオンの濃度とピーク面積との間の関係について検討した結果、各陽イオンにおいて、0から100ppmの濃度範囲で良好な直線関係が得られた。
実施例5で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置、弱酸性の陽イオン交換分離カラム、弱酸性の溶離液を使用し、流速0.6mL/分で通液した。
試料として、黒砂糖の5重量%水溶液30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、得られたクロマトグラムを図2に示す。図2のクロマトグラムにおいては、データ処理装置により、4.1分から検出器の極性を反転させ、負のピークを正のピークとして記録した。図2から明らかなように、該試料中の陰イオンと陽イオンを良好に分離検出することができた。
実施例5で得られた各陰イオンの濃度とピーク面積との関係、実施例6で得られた各陽イオンの濃度とピーク面積との関係のそれぞれの関係から、実施例7で分離検出された各陰イオン及び各陽イオンを定量した結果は、硫酸イオン12.1ppm、塩化物イオン9.7ppm、ナトリウムイオン1.2ppm、カリウムイオン18.5ppm、マグネシウムイオン1.4ppm、カルシウムイオン4.1ppmであった。
比較例1
実施例1で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置と、低交換容量の陰イオン分離カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgelSuperIC−AP(内径4.6mm、長さ15cm)を使用した。溶離液として、2.9mM炭酸水素ナトリウム、3.1mM炭酸ナトリウムの混合水溶液を用い、流速0.8mL/分で通液した。
実施例2で用いた試料30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、6分から14分の時間帯に酢酸イオンが溶出し、硫酸イオン、塩化物イオン、硝酸イオンは、分離検出できなかった。
比較例2
比較例1で用いたイオンクロマトグラフィー装置、データ処理装置と、低交換容量の陰イオン分離カラム、溶離液を使用し、流速0.8mL/分で通液した。
実施例3で用いた試料30μLを該装置に注入し、分離分析を行った。
その結果、6分から14分の時間帯にグリコール酸イオンが溶出し、硫酸イオンは、分離検出できなかった。
発明によれば、酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を1重量%以上含む水溶液中に共存する10ppm以下の陰イオン及び/又は陽イオンを良好に分離分析できる。酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液としては、食品関係の試料が多く、特に発酵工業、醸造工業、製糖工業などの分野への応用が期待できる。
実施例2により、硫酸イオン10ppm、塩化物イオン10ppm、硝酸イオン10ppmを添加した10重量%酢酸水溶液を分離分析して得られたクロマトグラムを示す。 実施例7により、黒砂糖の5重量%水溶液を分離分析して得られたクロマトグラムを示す。

Claims (7)

  1. 酸解離定数が2以上の弱酸、糖、アルコール、アミノ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液中の陰イオン及び/又は陽イオンを測定するに際し、イオンクロマトグラフィーにより、弱酸性の陽イオン交換分離カラムと、弱酸性の溶離液を用いることを特徴とする高濃度試料中のイオン分離分析方法。
  2. 弱酸性の溶離液が、酒石酸、酪酸、フタル酸、サリチル酸、クエン酸、スルホサリチル酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を用いることを特徴とする請求項1記載の高濃度試料中のイオン分離分析方法。
  3. 弱酸性の溶離液が、酒石酸、酪酸、フタル酸、サリチル酸、クエン酸、スルホサリチル酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上と、クラウンエーテルを混合して用いることを特徴とする請求項2に記載の高濃度試料中のイオン分離分析方法。
  4. 水溶液が、酸解離定数が2以上である酢酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、フッ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の弱酸を含む水溶液であることを特徴とする請求項1記載の高濃度試料中のイオン分離分析方法。
  5. 水溶液の濃度が1重量%以上であることを特徴とする請求項4記載の高濃度試料中のイオン分離分析方法。
  6. 非水溶媒を含む弱酸性の溶離液を使用することを特徴とする請求項1記載の高濃度試料中のイオン分離分析方法。
  7. 非水溶媒が、炭素数1から4のアルコール類、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドであることを特徴とする請求項6記載の高濃度試料中のイオン分離分析方法。
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