JP2010071327A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン等から駆動力を使用せず潤滑油の量を調節し、ギヤによる撹拌抵抗を低減し、燃費の悪化を抑制できる変速機を提供する。
【解決手段】本発明の変速機は、潤滑油が貯油できるオイルパン20を底部にもつハウジング2と、ハウジング2内に回転可能に支承される1以上の回転軸31、32と、回転軸31、32に同軸で支承され、それらのうちの少なくとも一部が潤滑油に浸かる複数のギヤ40〜49、R1及びR2と、オイルパン20内の潤滑油を一時的に貯油できる貯油部51とオイルパン20に貯油されている潤滑油を貯油部51に流入させるポンプ部52と車輪に接続される被駆動軸33とポンプ部52との間で動力を断続するクラッチ53とクラッチ53を車両の減速時にのみ接続する切替部54とを備えハウジング20内部の油量を調節する油量調節装置5を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、変速機に関し、特に潤滑油の潤滑に関して特徴を有する変速機に関する。
自動車は、エンジンやモータ等の動力が変速機に伝達され、変速機で運転状況に応じた速度や駆動力に変換され、走行する。変速機として、動力を変換するために変速比の異なるギヤ列が配列されるものがあり、エンジンからの動力が入力される入力軸側と変換された動力を車輪に伝達する出力軸側とにギヤが配置されており、入力軸側及び出力軸側のギヤが噛み合っている。
ところで、ギヤの噛み合い損失の低減やギヤの歯の破損の防止等のために、ギヤが噛み合っている部分に潤滑油を供給する方法に、油浴跳ねかけ式等がある。油浴跳ねかけ式は、変速機のハウジング下方に貯油する潤滑油をギヤでかき上げて潤滑する方法で、ハウジング内部の潤滑油の量は、車両の速度等によって潤滑油がギヤでかき上げられ飛び散っても十分にギヤを潤滑することができる量である。
一般的に、低速走行時(発進時を含む)に比べ、高速走行時の方が潤滑油の需要が多い。そのため、変速機のハウジング内の潤滑油の量は、高速走行時の撹拌状況を基準に決定される。しかし、低速走行時では潤滑油が多すぎ、ハウジングの下方に位置したギヤが回転する際、撹拌抵抗によって変速機の伝達効率を低下させ、ひいては燃費を悪化させる要因の1つとなる。そこで、特定の変速段にあるときにハウジング内の潤滑油の量を低減することがある。例えば、特許文献1では、特定の変速段にあるときにハウジング内の潤滑油の量を低減し、特定の変速段にあるときの変速時における潤滑油の量を確保する発明について開示されている。
特開2007−303519号公報
上記の特許文献1に開示される発明は、特定の変速段においての撹拌抵抗が低減し、その分の燃費の悪化が抑制される。しかし、潤滑油を低減したり確保したりする装置を駆動する動力源をエンジン等から得ているため、結果として燃費の悪化が抑制されるとは言い難い。
本発明は、エンジン等から駆動力を使用せず潤滑油の量を調節し、ギヤによる撹拌抵抗を低減し、燃費の悪化を抑制できる変速機を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の構成上の特徴は、潤滑油が貯油できるオイルパンを底部にもつハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に支承される1以上の回転軸と、
前記回転軸に同軸で支承され、それらのうちの少なくとも一部が前記潤滑油に浸かる複数のギヤと、
を有する車両用の変速機であって、
前記オイルパン内の前記潤滑油を一時的に貯油できる貯油部と、前記オイルパンに貯油されている前記潤滑油を前記貯油部に流入させるポンプ部と、車輪に接続される被駆動軸と前記ポンプ部との間で動力を断続するクラッチと、前記クラッチを前記車両の減速時にのみ接続する切替部とを備え、前記ハウジング内部の油量を調節する油量調節装置を有することを特徴とすることである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記切替部は、前記被駆動軸と一体回転可能且つ前記被駆動軸の軸方向移動不能に前記被駆動軸に保持される第1はすば歯車と、前記回転軸と一体回転可能且つ前記回転軸の軸方向移動可能に前記回転軸に保持され前記第1はすば歯車と噛合する第2はすば歯車と、を有し、
前記クラッチは、移動不能に前記ポンプ部側に保持される一方の摩擦板と、前記車両の減速時における前記第2はすば歯車の前記軸方向移動により前記一方の摩擦板に押しつけられるように前記第2はすば歯車と一体的に移動可能に保持されている他方の摩擦板とを有することである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記切替部は前記クラッチを電気的に断続することである。
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、潤滑方法は油浴跳ねかけ式であることである。
また請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜4の何れか1項において、前記貯油部は、貯油した前記潤滑油が前記複数のギヤに油滴する油滴穴が底面に形成されることである。
また請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜5の何れか1項において、前記貯油部は、重力方向上方が開口している開口部を有することである。
また請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜6の何れか1項において、貯油した前記潤滑油が前記車両の加速時及び/又は減速時の慣性力によって前記複数のギヤに油滴する慣性力手段を有することである。
請求項1に係る発明においては、変速機のハウジング内の潤滑油の量を調節するための油量調節装置を車両の減速時に駆動する。一般的に潤滑油は、低速走行時(発進時を含む)に比べて高速走行時の方が需要が多く、高速走行時を基準に潤滑油量を決定する。そのため、低速走行時に多くの潤滑油を撹拌することとなり撹拌抵抗が大きくなる。そこで、減速時に油量調節装置のクラッチを繋ぎ、ポンプ部によって貯油部へと潤滑油を一時的に貯油することで、低速走行時に潤滑油量が低減するため、撹拌抵抗が低減する。そして、この油量調節装置のポンプ部の駆動源である減速時のエネルギーは、ブレーキで消費されるエネルギーなどの従来車両で利用されないうちに捨てられていたエネルギーであるため、潤滑油の量を調節するためにエンジン等の駆動力を用いない。
よって、エンジン等の駆動力を使用せず潤滑油の量を調節し、低速走行時に潤滑油の油面高さを低減させることができるため、かき上げ油量の減少により撹拌抵抗が低減し、燃費の悪化を抑制することができる。
請求項2に係る発明においては、第1及び第2はすば歯車は、回転することにより軸方向の力が発生し、第1はすば歯車は被駆動軸に軸方向移動不能に保持されているため、第2はすば歯車が軸方向に移動する。そして、クラッチの一方の摩擦板はポンプ側に移動不能に固定され、他方の摩擦板が第2はすば歯車の移動と共に移動するため、第2はすば歯車の移動によってクラッチが断続する。よって、クラッチの断続が機械的に行われる仕組みであり、それの噛み合う2つのはすば歯車で実現しているため構造が簡単である。
請求項3に係る発明においては、クラッチを電気的に断続するため、簡単な構造で油量調節装置を実現できる。
請求項4に係る発明においては、オイルパンの潤滑油を複数のギヤの回転による撹拌抵抗以外の付加を加えずにギヤなどに供給することができる。
請求項5に係る発明においては、オイルパンから一時的に貯油された潤滑油を油滴穴から油滴することで、エンジン等の動力を用いることなく、且つ貯油部より重力方向下方になる部材に潤滑油を適度に供給しながらオイルパン側に戻すことができる。
請求項6に係る発明においては、貯油部が開口部を有することで、貯油部が貯油できる油量を超えて潤滑油が流入した場合に、開口部から潤滑油が溢れ出ることでオイルパンに戻ることができるため、潤滑油の汲み上げすぎを防止でき、またポンプ部の駆動の制御が複雑にならない。
請求項7に係る発明においては、車両の加減速時に発生する慣性力によって潤滑油が油滴できる慣性力手段を有するため、貯油部に一時的に貯油された潤滑油をエンジン等の動力を用いることなく、オイルパン側に戻すことができる。
本発明の代表的な実施形態を図1〜図4を参照して説明する。本実施形態に係る変速機は、車両に搭載される。
(実施形態1)
本実施形態1の変速機11は、図1に示されるように、ハウジング2と、2つの回転軸31、32と、複数のギヤ40〜49、R1、R2と、油量調節装置5とを有する。
ハウジング2は、潤滑油が貯油できるオイルパン20を底部にもつ。オイルパン20には、高速走行時に必要な潤滑油の量を基準に潤滑油が供給されている。ハウジング内全ての潤滑油がオイルパン20に貯油された場合の底面からの高さはL1である。
回転軸31は、ハウジング内に回転可能に支承され、変速機11外部のエンジン(図示略)からの動力が伝達される。回転軸32は、ハウジング2内に回転軸31と並列に配置され、回転可能に支承され、車両の車輪側に接続される。回転軸32は回転軸31より下方に位置する。
複数のギヤ40〜49、R1及びR2は、ハウジング2内に収納され、ギヤ40〜43が回転軸31に、ギヤ49が回転軸32に回転自在に保持され、ギヤ44が回転軸31に、ギヤ45〜48が回転軸32に一体回転可能に保持されている。回転軸31に保持されるギヤ40は、回転軸32に保持されるギヤ45と常時噛合している。同様に、ギヤ41はギヤ46と、ギヤ42はギヤ47と、ギヤ43はギヤ48と、ギヤ44はギヤ49と常時噛合している。ギヤR1は、回転軸31に一体回転可能に保持されているクラッチハブ91の外周側に位置しスプライン嵌合しているスリーブ92の外周側に、スリーブ92と一体回転可能に保持されている。ギヤR2は、回転軸32に一体回転可能に保持されている。ギヤR1とギヤR2とは、図示されていないアイドラ軸に回転自在に保持されているアイドラギヤが選択摺動することで、アイドラギヤを介して噛合する。
油量調節装置5は、図2に示されるように、ハウジング2内に収納され、貯油部51と、ポンプ部52と、クラッチ53と、切替部54とを備える。
貯油部51は、オイルパン20内の潤滑油を一時的に貯油できる箱状で、ギヤ40〜44及びR1より上方に配置される。貯油部51の底面には、油滴穴511が複数開口しており、潤滑油が貯油部51に供給されると油滴穴511から下方に位置するギヤ40〜49、R1及びR2に油滴される。油滴穴511の大きさ(形状)、数、位置は、貯油部51の底面の広さや適用される変速機11の大きさ等によって決められる。そして、貯油部51は上方に開口した開口部512を有しており、低速走行時(発進時を含む)に必要な潤滑油の量を最低油量(オイルパン20の底面からの高さL2)とした場合、貯油部51に潤滑油を貯油できる最大油量は、オイルパン20に最低油量を確保する量である。ハウジング2内を飛散している潤滑油の量も考慮して、L1の高さの潤滑油からオイルパン20の最低油量とハウジング2に内飛散している潤滑油を引いた潤滑油の量が貯油部51の最大油量である。貯油部51の最大油量以上の潤滑油が貯油部51に流入しても、潤滑油は開口部512から溢れ出て、ギヤ40〜49、R1及びR2に油滴する。
ポンプ部52は、オイルパン20に貯油されている潤滑油を貯油部51に流入させるように汲み上げる手段で、貯油部51より下方に位置し、貯油部51と管55で繋がっている。ポンプ部52は、後述するクラッチ53の摩擦板541と連結している回転部材(図示略)が回転することで、オイルパン20の下方から管56を介して潤滑油を吸引する。ポンプ部52は、後述するクラッチ53が接続状態となり、回転軸32の回転が伝達されて駆動する。
クラッチ53は、回転軸32からの動力を車輪に伝達する被駆動軸33とポンプ部52との間で動力を断続する手段で、回転軸32の一端側に位置する。一方の摩擦板531がポンプ部52の回転部材に接続されており、他方の摩擦板532が後述する切替部54の補助部543に接続されている。
切替部54は、車両の減速時にのみクラッチ53を接続状態とする手段で、第1はすば歯車541と、第2はすば歯車542と、補助部543とを備える。第1はすば歯車541は被駆動軸33と一体回転可能且つ軸方向移動不能に保持されており、被駆動軸33に被駆動軸33と一体回転可能に保持されているドリブンギヤ61と同軸である。第2はすば歯車542は回転軸32に回転軸32と一体回転可能且つ回転軸32の軸方向にクラッチ53を断続する程度移動可能に保持されており、回転軸32に回転軸32と一体回転可能に保持されているドライブギヤ62と同軸で、ドライブギヤ62とクラッチ53との間に位置する。第2はすば歯車542とポンプ部52との間にクラッチ53が位置する。なお、ドリブンギヤ61とドライブギヤ62とは常時噛み合っており、エンジンからの動力は回転軸31に伝達され、ギヤ40〜49、R1及びR2を介して回転軸32に伝達され、ドライブギヤ62からドリブンギヤ61に伝達され、被駆動軸33が回転して車輪側へと伝達される。第1はすば歯車541と第2はすば歯車542とは常時噛み合っており、第1はすば歯車の歯スジの形成方向が右ねじで、第2はすば歯車542の歯スジの形成方向が左ねじである。補助部543は第2はすば歯車542と一体的に結合されている。補助部543は第2はすば歯車542と一体成形の部材あるいは補助部543を用いず、クラッチ53の摩擦板532を第2はすば歯車542の側面に密着させる又は第2はすば歯車542の側面に摩擦板が形成されている形状を採用することもできる。
次に、本発明の変速機11の作用について説明する。本実施形態の変速機11を搭載した車両は、回転軸32がクラッチ側から見た場合に反時計回りに回転し、被駆動軸33が時計回りに回転し、被駆動軸33を介して動力が車輪に伝達されて前進走行するとする。そして、回転軸32が、エンジンの動力によって回転する場合と、エンジンの動力ではなく車輪の回転によって回転する場合とについて説明する。
回転軸32がエンジンの動力によって回転する場合、第2はすば歯車542は回転軸32と同回転する。第2はすば歯車542と噛合している第1はすば歯車541は、第2はすば歯車542と逆回転し、被駆動軸33が回転軸32から伝達された動力で回転する。第1はすば歯車541と第2はすば歯車541とは、噛合している箇所に回転方向の力が働く。そして、第2はすば歯車541は軸方向でクラッチ52から離れる方向(以下「クラッチ切断方向」とする。図中矢印A方向)にスラスト力が発生し、第1はすば歯車541は軸方向でクラッチ切断方向の逆方向(以下「クラッチ接続方向」とする。図中矢印B方向)に力が発生する。第1はすば歯車541は被駆動軸32に軸方向移動不能に固定されているため、第2はすば歯車542がクラッチ切断方向に移動する。クラッチ53の摩擦板532は、第2はすば歯車542に結合されている補助部543に接続されており、第2はすば歯車542のクラッチ切断方向の移動により摩擦板531から離れるため、クラッチ53は切断状態となる。
回転軸32がエンジンの動力ではなく車輪の回転によって回転する場合(車両の減速時)、被駆動軸33は時計回りに回転し、第1はすば歯車541が同回転する。そして、第1はすば歯車541と噛合している第2はすば歯車542を介して、被駆動軸33の回転動力が回転軸32に伝達する。第1はすば歯車541の回転方向の力は、クラッチ接続方向に分力が発生し、第2はすば歯車542はクラッチ接続方向に力が発生する。第1はすば歯車541は軸方向移動不能に保持されているため、第2はすば歯車542がクラッチ接続方向に移動する。そして、第2はすば歯車542のクラッチ接続方向の移動により摩擦板532が摩擦板531と摩擦係合し、クラッチ53が接続状態となる。クラッチ53が接続状態となるとポンプ部52の回転部材が回転軸32の回転により回転し、管56から潤滑油を吸引して管55を介して貯油部51に汲み上げ流入させる。貯油部51に流入した潤滑油は一部が油滴穴51から適度に油滴する。また、貯油部51の貯油できる最大油量以上の潤滑油が流入した場合は、潤滑油は貯油部51から溢れ出て油滴する。したがって、オイルパン20から最低油量よりも潤滑油が減少することはない。
次に、本発明の変速機11の作用と効果について、従来の変速機における潤滑油の状態と比較しながら説明する。車両の車速(加減速状態)、油量調節装置5の稼働状態及び潤滑油の状態が図3に表されている。潤滑油の状態は、従来の変速機による状態と本発明の変速機11による状態との2つである。横軸が時間で、車速のグラフは縦軸に車速、油量調節装置5は「ON」と「OFF」を表す。そして、潤滑油の状態のグラフにおいて、縦軸は潤滑油の量を表しており、「E」は潤滑油がない空の状態、「F(L1)」は車両の高速走行時を基準に決められた満タンの潤滑油の量を表す。破線は、変速機11が必要とする設計上の潤滑油の最低量(設計上の必要量)である。停止時も遊転しているギヤ45〜49及びR2に少量の潤滑油が必要であるため、Eとはならない。実線はオイルパン20に貯油(沈殿)している潤滑油の量(沈殿量)を示す。実線と「F(L1)」の一点鎖線とで挟まされている斜線部分(図中α範囲)は、変速機11内で撹拌され飛散している潤滑油の量である。よって各時間において、基本的にはオイルパン20に貯油している潤滑油と飛散している潤滑油とを合わすと「F(L1)」になる。
(1)定速
車両が一定速度で安定して走行している場合、油量調節装置5は稼働しない(「OFF」)ため、従来の変速機の潤滑油と本発明の変速機の潤滑油の状態は同じである。よって、潤滑油はギヤ40〜49、R1及びR2の回転によって、撹拌され、かき上げられて変速機内を飛散している潤滑油とオイルパン20に貯油している潤滑油とである。
(2)減速〜停止
車両が加速せず停止するまでの減速時において、ギヤ40〜49、R1及びR2の回転が抑制されるため、撹拌され、かき上げられる潤滑油が減少していく。そのため、従来ではかき上げられて飛散していた潤滑油がオイルパン20に滴下し貯油される。よって、オイルパン20の貯油量が増加する(図中、実線が上昇している)。一方、本発明では減速時で停止するまで、油量調節装置5が稼働(「ON」)するため、オイルパン20から潤滑油を貯油部51に吸い上げ始める。そのため、飛散していた潤滑油がオイルパン20に滴下するが、オイルパン20に貯油される潤滑油の量は増加しない。このとき、貯油部51では潤滑油が油滴穴511から滴下しつつ徐々に貯油される。図中、「F(L1)」から「E」に傾斜している実線が、撹拌されて飛散している潤滑油の量を表しており、その量は減少している。オイルパン20にも貯油せず、撹拌されて飛散している潤滑油が減少した量が貯油部51に貯油される潤滑油の量である(図中β範囲)。図に示されている貯油部51の貯油量は、「F(L1)」からEに向かって増加していることを表す。なお、油量調装置5では、潤滑油が貯油部51の貯油できる量を超えて汲み上げられた場合、貯油部51から溢れ出てギヤ40〜49、R1及びR2に油滴する。
(3)発進〜加速
従来において、発進時はオイルパン20にほぼ全ての潤滑油が貯油された状態であり、加速することで、ギヤ40〜49、R1及びR2が回転し始め、オイルパン20に貯油していた潤滑油が撹拌されかき上げられる。本発明では、油量調節装置5が「OFF」となり、潤滑油を貯油部51に汲み上げなくなる。オイルパン20には発進〜低速走行時に必要な潤滑油の量を示す高さL2ほどの潤滑油が貯油されており、車両が加速するとともにギヤ40〜49、R1及びR2の回転によって撹拌されかき上げられる。そして、貯油部51に貯油していた潤滑油は徐々に油滴穴511から滴下し、ギヤ40〜49、R1及びR2に供給される。図中、撹拌され飛散する潤滑油の量が実線で表されており、徐々に増加している。一方、貯油部51の貯油量が減少している。変速機11内に供給されるべき潤滑油が、貯油部51に貯油された分、従来の撹拌によって潤滑していた分の減少分(図中γ範囲)は、油滴穴511からギヤ40〜49、R1及びR2に滴下することで補われる。
(4)定速
(1)定速と同様である。
(5)減速〜停止
(2)減速〜停止と同様である。
なお、車両の停止状態が続く場合、貯油部51に汲み上げられて一時的に貯油している潤滑油は、油滴穴511から徐々に油滴するため、貯油部51の潤滑油は全てオイルパン20に戻ることとなる。あるいは、油滴穴511が開閉可能になる構成を採用することができる。その場合は、通常は油滴穴511を開いており、車両の停止状態が続く際には、油滴穴511を閉じる。このように、停止状態がしばらく続いた後に発進する際には、オイルパン20の潤滑油の油面高さを低減できる。そして、発進後、油滴穴511を開く。
(効果)
従来の変速機では、(2)減速〜停止と(3)発進〜加速の時、実線と破線で囲まれた斜線で表される部分(図中δ範囲)が変速機にとって必要ない潤滑油の量である。本発明の変速機11では、その潤滑油を貯油部51に汲み上げることで、(3)発進〜加速の発進時、ギヤ40〜49、R1及びR2が従来に比べて潤滑油に浸からない。そのため、ギヤの撹拌抵抗が低減する。そして、潤滑油を汲み上げるための油量調節装置5の駆動力は、減速時のエネルギー(例えば、ブレーキエネルギーによって発生するエネルギー)を使用するため、エンジンの駆動力を使用しない。結果、確実に燃費向上となる。また、(2)減速〜停止の停止から(3)発進〜加速の発進において、従来では潤滑油の多くがオイルパン20に貯油されているため、上方に位置するギヤ40〜44及びR1には潤滑油がすぐには供給されない。しかし、本発明では、潤滑油が変速機11の上方に位置する貯油部51の油滴穴511からギヤ40〜44及びR1へと滴下しているため、発進の時点で各部に潤滑油を供給することができ、潤滑効率も向上する。
(実施形態2)
本発明の実施形態2の変速機11は、図4に示されるように、実施形態1の変速機11で用いられる油量調節装置5のクラッチ53と切替部54とが異なるだけで、基本的な作用・効果は実施形態1の変速機11と同様である。以下、異なる部分について詳しく説明する。
本実施形態2の変速機11で用いられる油量調節装置5は、クラッチ57の一方の摩擦板571がポンプ部52に接続され、他方の摩擦板572がドライブギヤ62が保持される出力軸32の一端に接続されている。クラッチ57は、切替部58が車両の減速時を検知したときに、2つの摩擦板571,572を摩擦係合させ、接続状態となる。油量調節装置5は、クラッチ57が接続状態となることで、ポンプ部52に回転軸32の回転が伝達され、オイルパン20の潤滑油を管56から吸い込み、管55を介して貯油部51に流入させる。切替部58は、車両の減速時を例えば車速の低下を検知したり、加速度センサにより検知したりすることで取得することが考えられる。
本実施形態2の変速機11は、車両の減速時のみエンジンの駆動状態を電気的に検知し、潤滑油をオイルパン20から貯油部51に汲み上げるための駆動力は、減速時の車輪の回転による駆動力を用いるため、エンジンの燃費を低下させることなく、ギヤの撹拌抵抗を低減させることができる。結果、確実に燃費向上となる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3の変速機11は、図5に示されるように、実施形態1及び実施形態2の変速機11で用いられる油量調節装置5の貯油部51が異なるだけで、基本的な作用・効果は実施形態1及び実施形態2の変速機11と同様である。以下、異なる部分について詳しく説明する。
本実施形態3の変速機11で用いられる油量調節装置5の貯油部51は、前後方向の中央部分から前後方向に高くなるように底面が傾斜している慣性力手段513を有する。車両の加減速時に潤滑油に慣性力が発生し、潤滑油が前後方向に流れる際、底面が前後方向に高くなるように傾斜している慣性力手段513を有するため、潤滑油が貯油部51から溢れ出やすい。
(実施形態4)
本発明の実施形態4の変速機11は、図6に示されるように、実施形態1及び実施形態2の変速機11で用いられる油量調節装置5の貯油部51が異なるだけで、基本的な作用・効果は実施形態1及び実施形態2の変速機11と同様である。以下、異なる部分について詳しく説明する。
本実施形態4の変速機11で用いられる油量調節装置5の貯油部51は、前後方向の側面に開閉可能な慣性力手段514を有する。慣性力手段514は、定速走行時及び停止時には閉じており、車両の加減速時に慣性力により開く。よって、車両の加減速時に慣性力手段514に慣性力が発生すると開き、貯油部51に貯油された潤滑油が流れ出ることで、複数のギヤ40〜49、R1及びR2に潤滑油が油滴する。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、油量調節装置5の貯油部51は、貯油できる油量を超えると溢れ出ることでギヤ40〜49、R1及びR2に油滴するが、車両の加減速時の慣性力によって潤滑油が溢れることで、ギヤ40〜49、R1及びR2に滴下し、潤滑することもできる。
また、貯油部51は油滴穴511を有さず、開口部512のみあるいは慣性力手段513のみ有することとすることもでき、また3つの機能のうち1つあるいは2つ以上組み合わせたものとすることも考えられる。
その他に、開閉可能な油滴穴511とし、オイルパン20から潤滑油を貯油部51に汲み上げ始めは閉じており、貯油部51の貯油量が一定量に達した場合、加速し始めた場合、所定速度の場合などに開け、ギヤ40〜49、R1及びR2に油滴することで、より精密な潤滑油の制御をすることで、ギヤによる撹拌抵抗を低減でき、燃費向上を図ることができる。なお、開閉のための駆動力は、エンジン等から得られる電気的エネルギーとしても、大きな電気を必要としないため、燃費に影響はないと考えられる。
本実施形態1の変速機11の構成を示す一部断面の説明図である。 本実施形態1の変速機11で用いられる油量調節装置5の模式図である。 従来の変速機と本実施形態1の変速機11による潤滑油の状態を車両の車速によって表した説明図である。 本実施形態2の変速機11で用いられる油量調節装置5の模式図である。 本実施形態3の変速機11で用いられる貯油部51の模式図である。 本実施形態4の変速機11で用いられる貯油部51の模式図である。
符号の説明
2:ハウジング、
5:油量調節装置、
11:変速機、
20:オイルパン、
31,32:回転軸、33:被駆動軸、
40〜49,R1,R2:複数のギヤ、
51:貯油部、52:ポンプ部、53,57:クラッチ、54,58:切替部、
55,56:管、
61:ドリブンギヤ、62:ドライブギヤ、
91:クラッチハブ、92:スリーブ、
511:油滴穴、512:開口部、513,514:慣性力手段、
531,532:摩擦板、
541:第1はすば歯車、542:第2はすば歯車、543:補助部。

Claims (7)

  1. 潤滑油が貯油できるオイルパンを底部にもつハウジングと、
    前記ハウジング内に回転可能に支承される1以上の回転軸と、
    前記回転軸に同軸で支承され、それらのうちの少なくとも一部が前記潤滑油に浸かる複数のギヤと、
    を有する車両用の変速機であって、
    前記オイルパン内の前記潤滑油を一時的に貯油できる貯油部と、前記オイルパンに貯油されている前記潤滑油を前記貯油部に流入させるポンプ部と、車輪に接続される被駆動軸と前記ポンプ部との間で動力を断続するクラッチと、前記クラッチを前記車両の減速時にのみ接続する切替部とを備え、前記ハウジング内部の油量を調節する油量調節装置を有することを特徴とする変速機。
  2. 前記切替部は、前記被駆動軸と一体回転可能且つ前記被駆動軸の軸方向移動不能に前記被駆動軸に保持される第1はすば歯車と、前記回転軸と一体回転可能且つ前記回転軸の軸方向移動可能に前記回転軸に保持され前記第1はすば歯車と噛合する第2はすば歯車と、を有し、
    前記クラッチは、移動不能に前記ポンプ部側に保持される一方の摩擦板と、前記車両の減速時における前記第2はすば歯車の前記軸方向移動により前記一方の摩擦板に押しつけられるように前記第2はすば歯車と一体的に移動可能に保持されている他方の摩擦板とを有する請求項1に記載の変速機。
  3. 前記切替部は前記クラッチを電気的に断続する請求項1に記載の変速機。
  4. 潤滑方法は油浴跳ねかけ式である請求項1〜3の何れか1項に記載の変速機。
  5. 前記貯油部は、貯油した前記潤滑油が前記複数のギヤに油滴する油滴穴が底面に形成される請求項1〜4の何れか1項に記載の変速機。
  6. 前記貯油部は、重力方向上方が開口している開口部を有する請求項1〜5の何れか1項に記載の変速機。
  7. 前記貯油部は、貯油した前記潤滑油が前記車両の加速時及び/又は減速時の慣性力によって前記複数のギヤに油滴する慣性力手段を有する請求項1〜6の何れか1項に記載の変速機。
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