JP2009074564A - オイル供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車機構の回転エネルギを利用して、歯車機構の回転方向にかかわらず安定してオイルを供給することのできるオイル供給装置を提供する。
【解決手段】底部2aにオイルが貯留されるケーシング2と、そのケーシング2に収容されるとともに少なくとも一部の歯先面10aが底部2aに貯留されたオイルに浸漬するように配置された歯車機構Gとを備え、歯車機構Gの回転エネルギを利用してオイルの液面よりも上方に配置された軸受6へ前記オイルを供給するオイル供給装置において、ケーシング2に、底部2aの歯先面10aと対向する位置Bに開口してオイルが圧入されるとともにオイルを軸受6へ圧送させる供給路13が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】底部2aにオイルが貯留されるケーシング2と、そのケーシング2に収容されるとともに少なくとも一部の歯先面10aが底部2aに貯留されたオイルに浸漬するように配置された歯車機構Gとを備え、歯車機構Gの回転エネルギを利用してオイルの液面よりも上方に配置された軸受6へ前記オイルを供給するオイル供給装置において、ケーシング2に、底部2aの歯先面10aと対向する位置Bに開口してオイルが圧入されるとともにオイルを軸受6へ圧送させる供給路13が設けられている。
【選択図】図2
Description
この発明は、歯車機構が駆動される際の回転エネルギを利用して被供給部へオイルを供給するオイル供給装置に関するものである。
例えば車両の変速機やハイブリッド車における動力分配装置などで用いられる歯車機構においては、歯車の歯面あるいは回転部材を支持している軸受などの摩耗や発熱を抑制するため、あるいは焼き付きを防止するために、その摩耗・発熱部位にオイルを供給して潤滑および冷却を行っている。その場合にオイルを供給する方式として、例えば、歯車機構の下方でケーシングなどの底部に溜められたオイルを、一部がオイル内に浸漬する位置に配置された歯車により掻き上げるとともに、掻き上げたオイルを潤滑および冷却の必要部位に供給するいわゆる掻き上げ潤滑方式がある。
その掻き上げ潤滑方式を採用した装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている変速機の潤滑装置は、底部に潤滑油が導入された変速機のケース内に設けられた軸端保持部の軸穴に一端が回り止めされた状態で固定された固定シャフトと、その固定シャフトに遊転可能に外装された遊転ギヤとを備え、遊転ギヤによって掻き上げられた潤滑油が落下する軸端保持部に、その軸端保持部の上半周面から軸穴内に貫通する貫通孔(逃げ孔)が設けられ、そして、固定シャフトの内部に、軸穴内に保持された端部上面に開口した縦孔と、その縦孔と連通して軸方向に延びる軸内油通路と、その軸内油通路から軸受け面に連通した下落ち通路とが設けられている。
したがって、この特許文献1に記載されている潤滑装置によれば、遊転ギヤの回転により掻き上げられた潤滑油が軸端保持部に集められ、その軸端保持部に集められた潤滑油が、逃げ孔を通って軸穴内に流入し、縦孔から軸内油通路および下落ち通路を通って、固定シャフトと遊転ギヤとの間の軸受け面に滴下して、その軸受け面を潤滑することができる、とされている。
また、特許文献2には、変速用ギヤによる潤滑オイル飛沫を捕集して所定部位まで案内する潤滑オイル供給樋部を入出力軸の軸方向と平行に設けた変速機の潤滑装置が記載されている。この特許文献2に記載されている潤滑装置は、出力軸の軸受け用オイルシール部の上部に潤滑オイル供給樋部により案内された潤滑オイルを一時的に貯留するオイル溜まり部と、このオイル溜まり部から溢れた潤滑オイルを回収してオイルパン内に戻す戻し孔部とが設けられている。
したがって、この特許文献2に記載されている潤滑装置によれば、ギヤによって掻き上げられた潤滑オイルをオイル溜まり部に一時的に貯留させ、このオイル溜まり部からオイルシール部に潤滑オイルを安定して供給することができる、とされている。
上記の各特許文献に記載されているいわゆる掻き上げ潤滑方式の装置は、例えばケーシングの底部やオイルパンなどのオイル溜めに貯留されているオイルを、歯車機構の回転エネルギを利用して上方に掻き上げて、軸受けや歯車の噛み合い部などのオイルの供給を必要とするオイルの被供給部よりも上方に設けたオイル受けに一旦貯留し、オイル受けから被供給部へ向けて設けられた油路等を通じてオイルを供給して、被供給部の潤滑および冷却を行うようになっている。そのため、オイルを掻き上げる歯車が通常の回転方向と反対の回転方向で回転する場合は、歯車が通常の回転方向で回転している状態と比較して、歯車によるオイルの掻き上げ量が減少する場合があり、そのため、オイルの供給を必要とする被供給部に、オイルを十分に供給できなくなる可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、歯車機構の回転エネルギを利用してオイルの供給を必要とする被供給部へオイルを供給する際に、歯車機構の回転方向にかかわらず安定してオイルを供給することのできるオイル供給装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、底部にオイルが貯留されるケーシングと、そのケーシングに収容されるとともに少なくとも一部の歯先面が前記底部に貯留されたオイルに浸漬するように配置された歯車機構とを備え、前記歯車機構の回転エネルギを利用して前記オイルの液面よりも上方に配置された被供給部へ前記オイルを供給するオイル供給装置において、前記ケーシングに、前記底部の前記歯先面と対向する位置に開口して前記オイルが圧入されるとともに該オイルを前記被供給部へ圧送させる供給路が設けられていることを特徴とするオイル供給装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記被供給部が、前記歯車機構の回転部材を支持する軸受を含むことを特徴とするオイル供給装置である。
そして、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記被供給部が、前記歯車機構の回転部材を支持する軸受よりも上方に配置されかつ前記オイルを貯留可能であるとともに貯留された前記オイルを前記軸受もしくは前記歯車機構の歯車に供給する流路が設けられたオイル受けを含むことを特徴とするオイル供給装置である。
したがって、請求項1の発明によれば、歯車機構の歯車が回転してケーシングの底部に貯留されたオイル内で歯車の歯先面が移動すると、オイルの粘性および歯先面に生じる遠心力などの作用により、オイルに、オイルをケーシングの底部の歯先面と対向する内壁面に押圧する圧力が発生する。すなわち、歯車の歯先面とそれに対向するケーシングの底部との間に介在するオイルに圧力が加えられる。圧力が加えられたオイルは、ケーシングの底部の歯車の歯先面と対向する位置に開口している供給路に圧入され、その供給路内を圧送させられて被供給部へ供給される。すなわち、ケーシングの底部に貯留されているオイルに油圧を発生させ、その油圧によりオイルを供給路内で圧送させて被供給部に供給することができる。歯車が回転している間は、その回転方向にかかわらず、歯先面とケーシングの底部との間に介在するオイルには実質的に連続して圧力が加えられることになるので、供給路には連続的にオイルが圧入される。そのため、歯車機構の回転方向にかかわらず、歯車機構の回転エネルギーを利用して、被供給部に安定してオイルを供給することができる。
また、請求項2の発明によれば、歯車機構の回転エネルギを利用して発生させた油圧により、歯車機構の軸受に安定してオイルを供給することができる。
そして、請求項3の発明によれば、例えば従来の掻き上げ潤滑方式によりケーシングの底部のオイルを掻き上げて貯留するオイル受けに、歯車機構の回転エネルギを利用して発生させた油圧によってオイルを供給することができる。そのため、例えば歯車機構の回転方向が変化することなどにより、従来の掻き上げ潤滑方式でオイル受けに掻き上げられるオイルの量が不足してしまう場合であっても、歯車機構の回転エネルギを利用して発生させた油圧によって、オイル受けにオイルを供給することができ、その結果、軸受や歯車の噛み合い部などのオイル必要部位に安定してオイルを供給することができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1,図2は、この発明のオイル供給装置を説明するための模式図であって、この発明のオイル供給装置を、例えば車両のトランスアクスル1に適用した例を示している。
図1において、トランスアクスル1は、ケーシング2を有し、このケーシング2は、例えばアルミニウム合金や鋳鉄などの金属材料により形成されている。ケーシング2の内部には、主軸3およびカウンタ軸4およびデファレンシャル軸5が設けられている。それら各軸3,4,5は、それぞれの軸線方向が互いに平行に、かつほぼ水平に配置され、それぞれ軸受によって回転自在にケーシング2に保持されている。例えば、図2に示すように、デファレンシャル軸5が軸受6によってケーシング2に回転自在に保持されている。なお、トランスアクスル1の高さ方向(図1の上下方向)において、カウンタ軸4よりも主軸3の方が低い位置に配置され、さらに主軸3よりもデファレンシャル軸5の方が低い位置に配置されている。
主軸3には、駆動力源の回転軸(図示せず)が動力伝達可能に連結されている。また、主軸3にギヤ7が取り付けられており、カウンタ軸4にギヤ8,9が取り付けられている。また、デファレンシャル軸5を中心として回転するリングギヤ10が設けられている。そして、ギヤ7とギヤ8とが噛み合わされていて、ギヤ9とリングギヤ10とが噛み合わされている。また、主軸3には、その他の各種ギヤ(例えば、プラネタリギヤ)により構成される変速機構(図示せず)が設けられている。そして、デファレンシャル軸5には、ドライブシャフト(図示せず)を介して車輪(図示せず)が連結されている。
ケーシング2の内部、具体的にはケーシング2内の底部(図1の下部)2aには、ケーシング2内のオイルが貯留されるオイル溜め2bが形成されている。そして、そのオイル溜め2bに貯留されたオイルに、リングギヤ10の一部が浸漬されている。言い換えると、リングギヤ10の一部が、具体的にはリングギヤ10の少なくとも一部の歯先面10aがオイル溜め2bに貯留されたオイルの液面Sよりも下方(図1の下方)に位置してオイルに浸漬するように、リングギヤ10およびデファレンシャル軸5、ならびにその他の各ギヤ7,8,9および各軸3,4などから構成される歯車機構Gが、ケーシング2の内部に配置されて保持されている。
また、ケーシング2の内部には、主軸3の上方から側方(図1の例では左側)にわたって、この発明のオイル受けに相当するオイルキャッチタンク11が設けられている。そしてこのオイルキャッチタンク11には、オイルキャッチタンク11から、例えば主軸3の軸受、カウンタ軸4の軸受、ギヤ7とギヤ8との噛み合い部、ギヤ9とリングギヤ10との噛み合い部(いずれも図示せず)などのオイルの被供給部へ向けて連通された油路12が設けられている。
上記のオイルキャッチタンク11は、従来のいわゆる掻き上げ潤滑方式によるオイルの供給の際に、オイル溜め2bから掻き上げられたオイルの飛沫を受け止めて貯留する部分である。図1に示す例では、リングギヤ10が回転することによってオイル溜め2bから掻き上げられて、図1の矢印Aで示すような方向に跳ね飛ばされたオイルを、オイルキャッチタンク11で受け止めて貯留するようになっている。そして、オイルキャッチタンク11に貯留されたオイルは、油路12を通って、上記のようなオイルの被供給部へ供給される。
上記のようないわゆる掻き上げ潤滑方式では、歯車機構Gの、具体的にはリングギヤ10の全ての回転方向を考慮して、すなわち車両の前進時および後進時の両方を考慮して、リングギヤ10により掻き上げられたオイルを受け止めるようにオイルキャッチタンク11を設けたとすると、ケーシング2すなわちトランスアクスル1の大型化や構造の複雑化を招いてしまう。そのため、通常は、後進時と比較して走行頻度が高い前進時におけるリングギヤ10の回転方向(図1の例では矢印Fで示す方向)だけを対象にして、オイルキャッチタンク11が設けられている。すなわち、通常は、車両が後進する場合にリングギヤ10により掻き上げられるオイルはオイルキャッチタンク11で受け止められない。したがって、車両の後進時など、歯車機構Gの回転方向が通常の方向から変化した場合に、オイルの被供給部へ十分にオイルを供給できなくなる可能性があった。
そこで、この発明のオイル供給装置では、いわゆる掻き上げ潤滑方式によるオイルの供給とは別に、歯車機構Gの回転エネルギを利用して、オイルの被供給部へオイルを供給できるように構成されている。すなわち、図1,図2において、ケーシング2の底部2aの、リングギヤ10の歯先面10aと対向する位置Bに、この発明の供給路に相当するオイル供給路13の吸入口13aが形成されている。具体的には、底部2aの歯先面10aと対向する位置Bに開口している吸入口13aを備えたオイル供給路13が、ケーシング2の壁部2cの内部に形成されている。
より具体的には、図2に示すように、吸入口13aが、底部2aの歯先面10aと対向する位置Bにおいて、壁部2cの板厚方向(図2の上下方向)にその板厚の途中までくり抜かれて形成されている。そして壁部2cの内部に、吸入口13aに接続してオイル供給路13が形成されている。オイル供給路13の吸入口13aと反対側の端部は、デファレンシャル軸5をケーシング2に支持している軸受6にオイルを供給する吐出口13bに接続されている。したがって、オイル供給路13は、吸入口13aから吐出口13bまでの間で気密が保たれている。そのため、オイル供給路13は、吸入口13aへ油圧を作用させることによって、吸入口13aに圧入させたオイルを吐出口13bまで圧送することができるようになっている。
つぎに、この発明のオイル供給装置の作用について説明する。駆動力源から主軸3にトルクが伝達されると、そのトルクは、ギヤ7およびギヤ8を経由してカウンタ軸4に伝達される。カウンタ軸4に伝達されたトルクは、ギヤ9およびリングギヤ10を経由してデファレンシャル軸5に伝達される。そしてデファレンシャル軸5に伝達されたトルクは、ドライブシャフト等を介して車輪に伝達される。
例えば車両の前進時における主軸3の回転方向が、図1での反時計回りの方向であるとすると、車両の前進時には、上記のようなトルクの伝達により、主軸3は図1での反時計回りの方向に回転し、カウンタ軸4は図1での時計回りの方向に回転し、リングギヤ10は図1での反時計回りの方向に回転する。
リングギヤ10が回転すると、前述したように、リングギヤ10はオイル溜め2bに溜まったオイルに浸漬されているため、歯溝にオイルが付着して保持された状態で回転する。その結果、オイル溜め2bに溜まっていたオイルが掻き上げられて上方へ飛ばされ、その一部がオイルキャッチタンク11に貯留される。そしてオイルキャッチタンク11に貯留されたオイルが、油路12を経由してオイルの被供給部へ供給される。すなわち、いわゆる掻き上げ潤滑方式による被供給部へのオイルの供給が行われる。
そして、この発明のオイル供給装置では、上記のような掻き上げ潤滑方式による被供給部へのオイルの供給に加えて、リングギヤ10が回転する際に発生する圧力により、被供給部へオイルを供給することができる。すなわち、オイル溜め2bに溜まったオイルに浸漬されているリングギヤ10が回転する場合、オイル溜め2bのリングギヤ10の歯先面10aとケーシング2の内壁面との間、すなわちリングギヤ10の歯先面10aとケーシング2の底部2aの位置Bとの間に溜まっているオイルが、回転するリングギヤ10の歯先で攪拌される。
オイルは所定の粘性を有しているため、オイル溜め2bの位置B付近のオイルはリングギヤ10の回転運動に対する抵抗となるとともに、リングギヤ10に押圧されて圧縮される。すなわち、オイル溜め2bの位置B付近のオイルに油圧が発生する。リングギヤ10が回転することによって上記の作用が繰り返し実行され、したがって、オイル溜め2bの位置B付近のオイルに実質的に連続して油圧が発生することになる。
オイル溜め2bの位置B付近のオイルに油圧が発生すると、オイルは、オイル溜め2bの位置Bに形成されたオイル供給路13の吸入口13aへ流入する。言い換えると、オイル供給路13の吸入口13aに所定の油圧を持ったオイルが圧入される。したがって、リングギヤ10の回転に伴って、吸入口13aに所定の油圧を持ったオイルが連続的に圧入されることになる。
前述したように、オイル供給路13は、吸入口13aから吐出口13bまでの間で気密が保たれているので、吸入口13aから連続的に圧入されたオイルは、オイル供給路13内を吐出口13bまで圧送される。そして、吐出口13bから軸受6のオイル必要部位にに吐出される。すなわち、リングギヤ10を含む歯車機構Gの回転エネルギが、オイル溜め2bの位置B付近のオイルの油圧に変換され、その油圧によりオイル供給路13内を流通させられる。そして、軸受6すなわちオイルの被供給部にオイルが供給される。
なお、ここでは、デファレンシャル軸5の軸受6に、オイル供給路13によりオイルが供給される例を示しているが、主軸3やカウンタ軸4などの他の軸の軸受に直接オイルを供給するように、オイル供給路13の供給経路を形成することもできる。また、前述の掻き上げ潤滑方式によるオイルの供給の際に用いられているオイルキャッチタンク11に、オイルを供給するようにオイル供給路13の供給経路を形成することもできる。
上記のように、リングギヤ10の回転に伴ってオイル溜め2bの位置B付近のオイルに発生する油圧により、軸受6やオイルキャッチタンク11などのオイルの被供給部にオイルを供給する機構は、リングギヤ10の回転エネルギを利用している。そのため、その際の回転エネルギの大小、すなわちリングギヤ10の回転数の大小により、発生する油圧の大きさが変化するが、リングギヤ10の回転方向には影響されない。したがって、車両の後進時であっても、前進時と同様に、オイル溜め2bの位置B付近のオイルに油圧を発生させて、オイルの被供給部にオイルを供給することができる。
以上のように、この発明のオイル供給装置によれば、歯車機構Gのリングギヤ10が回転してオイル溜め2bの位置B付近のオイル内でリングギヤ10が移動すると、オイルの粘性およびリングギヤ10の歯先面10aに生じる遠心力などの作用により、オイルに、オイルをケーシング2の底部2aの歯先面10aと対向する内壁面(すなわち位置B)に押圧する圧力が発生する。すなわち、リングギヤ10の歯先面10aとそれに対向するケーシング2の底部2aとの間に介在するオイルに油圧が発生する。油圧を持ったオイルは、ケーシング2の底部2aの位置Bに開口しているオイル供給路13に圧入され、そのオイル供給路13内を圧送させられて軸受6などの被供給部へ供給される。すなわち、歯車機構Gの回転エネルギを利用して、ケーシング2のオイル溜め2bに貯留されているオイルに油圧を発生させ、その油圧によりオイルをオイル供給路13内で圧送させて軸受6に供給することができる。リングギヤ10が回転している間は、その回転方向にかかわらず、歯先面10aとオイル溜め2bとの間に介在するオイルには実質的に連続して圧力が加えられることになるので、オイル供給路には連続的にオイルが圧入される。そのため、リングギヤ10の回転方向にかかわらず、歯車機構Gの回転エネルギーを利用して、軸受6に安定してオイルを供給することができる。
また、従来の掻き上げ潤滑方式によりオイル溜め2bのオイルを掻き上げて貯留するオイルキャッチタンク11に、上記のように歯車機構Gの回転エネルギを利用して発生させた油圧によってオイルを供給することができる。そのため、例えば車両が後進する場合に、掻き上げ潤滑方式でオイル受けに掻き上げられるオイルの量が不足してしまう場合であっても、歯車機構Gの回転エネルギを利用して発生させた油圧によって、オイルをオイル供給路13を経由させてオイルキャッチタンク11に供給することができ、その結果、歯車機構Gの各軸受や歯車の噛み合い部などの、オイルの供給を必要とする被供給部に安定してオイルを供給することができる。
なお、この発明は、上記の具体例に限定されない。例えば、具体例では、車両に搭載されるトランスアクスルに、この発明のオイル供給装置を適用した例を説明しているが、トランスアクスルに限らず、例えばデファレンシャルや四輪駆動車両のトランスファなど、歯車機構を備えた他の機械、装置にも適用することができる。さらに、車両に搭載される機械、装置に限らず、歯車機構を備えたその他の一般機械、装置にも適用することができる。
1…トランスアクスル、 2…ケーシング、 2a…底部、 2b…オイル溜め、 3,4,5…軸(回転部材)、 6…軸受(被供給部)、 10…リングギヤ、 10a…歯先面、 11…オイルキャッチタンク(オイル受け)、 12…油路(流路)、 13…オイル供給路(供給路)、 G…歯車機構。
Claims (3)
- 底部にオイルが貯留されるケーシングと、そのケーシングに収容されるとともに少なくとも一部の歯先面が前記底部に貯留されたオイルに浸漬するように配置された歯車機構とを備え、前記歯車機構の回転エネルギを利用して前記オイルの液面よりも上方に配置された被供給部へ前記オイルを供給するオイル供給装置において、
前記ケーシングに、前記底部の前記歯先面と対向する位置に開口して前記オイルが圧入されるとともに該オイルを前記被供給部へ圧送させる供給路が設けられていることを特徴とするオイル供給装置。 - 前記被供給部は、前記歯車機構の回転部材を支持する軸受を含むことを特徴とする請求項1に記載のオイル供給装置。
- 前記被供給部は、前記歯車機構の回転部材を支持する軸受よりも上方に配置されかつ前記オイルを貯留可能であるとともに貯留された前記オイルを前記軸受もしくは前記歯車機構の歯車に供給する流路が設けられたオイル受けを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のオイル供給装置。
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