JP2010070858A - 嵩高性を有するポリアミド繊維及び嵩高性を有するポリアミド繊維の製造方法。 - Google Patents

嵩高性を有するポリアミド繊維及び嵩高性を有するポリアミド繊維の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】地球環境に配慮した植物を原料とするポリマーからなるポリアミド繊維であって、顕在捲縮率と潜在捲縮率を合わせた捲縮率が高く、カーマットやカーペットへの使用に適した嵩高性を有するポリアミド繊維及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるマルチフィラメントであって、各フィラメントがランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合い、ループやタルミを有し、かつ潜在捲縮率が16〜20%、顕在捲縮率が2〜5%、全捲縮率が17〜24%であることを特徴とする嵩高性を有するポリアミド繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるマルチフィラメントであって、カーマットやカーペットを製造するのに適した嵩高性を有するポリアミド繊維及びその製造方法に関するものである。
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維を加熱流体を使って嵩高加工し、捲縮を付与した嵩高性合成繊維はカーマットやカーペット分野に幅広く利用され、様々な技術が開発されてきた。例えば、特許文献1にはポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性合成繊維の交絡嵩高糸が、特許文献2にはポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性合成繊維のマルチローバル捲縮糸が記載されている。
さらに、特許文献3には、ポリ乳酸系樹脂を芯成分、ナイロン6を鞘成分とする芯鞘構造を有するマルチフィラメントであって、各単フィラメントがランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合い、ループやタルミを有する嵩高性を有する複合繊維が記載されている。
また、近年、石油資源の減少や地球環境の温暖化が問題視されており、世界的規模で環境問題に対する取り組みが行われるようになってきた。そこで、石油を原料としない資源で、再生が可能である植物を原料とする繊維や繊維製品が提案されている。
中でも地球環境に配慮した植物を原料とするポリマーからなる繊維であって、捲縮率が高く、嵩高性に優れており、製編織してカーマットやカーペットを得るのに適した嵩高性を有する繊維が要望されている。
特開昭62−177251号公報 特開平9−310240号公報 特開2006−336125号公報
本発明者らは上記の問題点を解決し、地球環境に配慮した植物を原料とするポリマーからなるポリアミド繊維であって、顕在捲縮率と潜在捲縮率を合わせた捲縮率が高く、カーマットやカーペットへの使用に適した嵩高性を有するポリアミド繊維及びその製造方法を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は次の(1)、(2)を要旨とするものである。
(1)ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるマルチフィラメントであって、各フィラメントがランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合い、ループやタルミを有し、かつ潜在捲縮率が16〜20%、顕在捲縮率が2〜5%、全捲縮率が17〜24%であることを特徴とする嵩高性を有するポリアミド繊維。
(2)ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなる未延伸マルチフィラメントを2.0〜4.0倍に延伸後、加熱流体噴射処理ノズルへ供給し、続いて、放射状に配列した羽根板によって取り囲まれた圧縮室に温度240〜290℃の加熱流体とともにオーバーフィードの状態で押し込み、各フィラメントをランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合わせ、各フィラメントにループやタルミを形成し、マルチフィラメントに捲縮を付与した後、通気性を有する衝突壁に衝突させ、冷却して捲き取る請求項1又は2記載の嵩高性を有するポリアミド繊維の製造方法。
ナイロン11はヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたひまし油を元に、11-アミノウンデカン酸を生成、合成して得られるものであるため、本発明のポリアミド繊維は、再生が可能な植物を原料とする繊維であり、地球環境に配慮した繊維である。
そして、本発明のポリアミド繊維は、ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるマルチフィラメントであって、絡み合い、ループやタルミを有し、潜在捲縮率と顕在捲縮率の値が適切であるため、製品にする際の工程通過性に優れるともに、両捲縮率を合わせた全捲縮率が高く、嵩高性に優れている。さらには、嵩高性の耐久性に優れているので、カーマットやカーペットの製品にした場合に、長期間使用してもへたりの生じにくい製品とすることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるナイロン11は、11−アミノウンデカン酸を重縮合することにより得られるものである。そして、11−アミノウンデカン酸は、ヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたひまし油を元に生成されるものであるため、植物由来成分からなるものである。
なお、本発明のポリアミド繊維は、ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるものであるが、ナイロン11のみからなるポリアミド樹脂、もしくはナイロン11に他の成分を共重合もしくはブレンドしたポリアミド樹脂であってもよい。このようなポリアミド樹脂としては、ナイロン11中にε−カプロラクタムやヘキサメチレンジアンモニウムアジペートなどの他のポリアミド形成単量体を効果を損なわない範囲で共重合したものや、ナイロン6やナイロン66等の他のポリアミドを効果を損なわない範囲でブレンドしたもの等が挙げられる。
さらにはナイロン11中には、効果を損なわない範囲であれば、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、艶消剤、無機充填剤、補強剤、耐熱剤、着色剤、顔料等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の嵩高性を有するポリアミド繊維は、上記したようなナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるマルチフィラメントであって、各フィラメントがランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合い、ループやタルミを有しているものである。
つまり、本発明のポリアミド繊維は、マルチフィラメントを構成する各フィラメントに3次元的な捲縮がランダムに施されたものであり、このような捲縮により嵩高性を有するBCF(Bulked Continuous Filaments)である。
そして、本発明のポリアミド繊維は、後述するような本発明の製造方法により、押し込み捲縮加工を施して得ることが好ましいものである。
本発明のポリアミド繊維のマルチフィラメントの繊度、フィラメント数は特に限定するものではないが、カーマットやカーペット用途で用いる場合は、繊度500〜2500dtex、フィラメント数20〜150とすることが好ましい。また、フィラメントの断面は特に限定するものではなく、丸断面、Y型やT型等の異型断面、中空部を有する断面形状などのいずれでもよい。
そして、本発明のポリアミド繊維は、潜在捲縮率が16〜20%、顕在捲縮率が2〜5%、全捲縮率が17〜24%である。そして、全捲縮率とは顕在捲縮率と潜在捲縮率の和である。
本発明における潜在捲縮率は次式にて算出するものである。
潜在捲縮率(%)=〔(A−B)/A〕×100
A:マルチフィラメントを沸水中で30分間処理した後、繊度の1/11.1g倍の荷重を吊るした時の試料長
B:マルチフィラメントに繊度の1/1.82g倍の荷重を吊るした時の試料長
本発明における顕在捲縮率は次式にて算出するものである。
顕在捲縮率(%)=〔(C−D)/C〕×100
C:マルチフィラメントに繊度の1/11.1g倍の荷重を吊るした時の試料長
D:マルチフィラメントに繊度の1/1.82g倍の荷重を吊るした時の試料長
本発明のポリアミド繊維は、ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるものであるため、後述するような押し込み捲縮加工を施すことにより、顕在捲縮率は比較的低く、潜在捲縮率は高く、全捲縮率の高いマルチフィラメントとなるものである。このため、カーマットやカーペット等の製品にする際には、顕在捲縮が少ないことから加工がしやすく、工程通過性に優れるものであり、その後の熱処理により潜在捲縮が発現して、嵩高性に優れる製品を得ることが可能となるものである。
本発明のポリアミド繊維の潜在捲縮率が16%未満であると、カーマットやカーペットにした場合に発現する捲縮が不足し、パイルのボリューム感が不足する。一方、20%を超えると、発現する捲縮が多くなり、パイルの風合が硬くなり、品位が低下する。
顕在捲縮率が2%未満であると、カーマットやカーペットにした場合に十分な嵩高性に欠け、ボリューム感の乏しいものとなる。一方、5%を超えると、カーマットやカーペット等の製品を製造する際の工程通過性に劣るものとなる。
全捲縮率は17〜24%であり、全捲縮率が17%未満の場合、本発明のポリアミド繊維を用いてカーマットやカーペットを製造しても、十分な嵩高性を有するものとすることができない。一方、全捲縮率が24%を超えると、カーマットやカーペットにした場合、捲縮が多くなりすぎ、品位が低下する。
さらに、本発明のポリアミド繊維は、潜在捲縮の発現した後の捲縮形態の耐久性に優れるもの、すなわち、へたりの生じにくいものである。このような性能は、ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるものであることと、上記したような潜在捲縮率と顕在捲縮率のバランスによるものであると推定される。
このへたりの生じにくい性能を示す指標として、以下に示す圧縮率と回復率が高いものとなる。圧縮率は50%以上であることが好ましく、中でも55%以上であることが好ましい。回復率は10秒後の回復率が95%以上であることが好ましく、中でも99%以上であることが好ましい。また、5秒後の回復率が85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、さらには92%以上であることが好ましい。
本発明における圧縮率と回復率とは以下のようにして測定、算出するものである。
まず、本発明のポリアミド繊維を用いて筒編地(20cm)を作成し、100℃の熱水中で30分間熱処理を施す。この筒編地を6枚重ね、このときの厚さL0を測定する。次に6枚重の筒編地に底面積がポリアミド繊維の1/40×cm2/dtex、重さがポリアミド繊維の2g/dtexの荷重を載せ、1分後の厚さL1を測定する。次に荷重を外し、5秒後の厚さL5、10秒後の厚さL10を測定する。
そして、圧縮率(%)=(L1/L0)×100とし、5秒後の回復率(%)=(L5/L0)×100、10秒後の回復率(%)=(L10/L0)×100とするものである。
つまり、圧縮率が高いことは、荷重をかけた際の捲縮形態のつぶれ(へたり)が小さいことを示すものであり、回復率が高いことは、荷重を外した後の圧縮された捲縮形態の戻りが早いことを示すものである。
また、本発明のポリアミド繊維は、強度が2.0〜4.5cN/dtex、伸度が25〜45%であることが好ましい。強度が2.0cN/dtex未満であると、製糸性、次工程の工程通過性、製品の耐久性が劣る。一方、強度が4.5cN/dtexを超えると、カーマットやカーペットにした場合にパイルの風合が硬くなり、品位が低下する。
伸度が25%未満であると、製糸工程、次工程での糸切れが多発する。また、製品の毛羽を誘発し、品位が低下する。一方、伸度が45%を超えると、次工程での加工張力で糸条が伸びるため、工程通過性が悪くなったり、染色品位が低下する。
次に、本発明のポリアミド繊維の製造方法について説明する。まず、ナイロン11を溶融紡糸し、紡糸された糸条を冷風で冷却固化した後、ワインダーに捲き取り、未延伸マルチフィラメントを得る。捲取速度は特に限定するものではないが、500〜1500m/分の範囲が好ましい。このとき、溶融紡糸時の操業性を向上させるためには、ナイロン11の相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)は1.5〜3.0とすることが好ましく、中でも1.8〜2.7とすることが好ましい。
そして、未延伸マルチフィラメントを延伸、嵩高加工する。延伸倍率は2.0〜4.0倍とする。このような延伸倍率とすることで適度な分子配向、嵩高加工処理に耐える強度を有する繊維とすることができ、安定してマルチフィラメントに捲縮を付与することが可能となる。
延伸倍率が4.0より大きくなると、ナイロン11の分子鎖は十分に配向した硬い分子構造をとり、マルチフィラメントは脆くなる。この結果、延伸に続く嵩高加工処理において圧縮室へオーバーフィード状態で押し込まれた際、高配向のマルチフィラメントは容易に切断してしまい、フィラメント切れが発生しやすくなる。
一方、延伸倍率が2.0より小さいと、ナイロン11の配向は低く、マルチフィラメントの強度が弱くなる。その結果、嵩高加工処理工程でわずかな張力変動によって容易にマルチフィラメントが切断し、安定した製造が困難となる。また、嵩高加工処理で圧縮室へオーバーフィード状態で押し込まれた際にも各フィラメントは切断しやすく、フィラメント切れが発生し、目標とする嵩高性を有するポリアミド繊維を得ることができない。
次に、延伸・嵩高加工工程について図面を用いて説明する。
図1は本発明のポリアミド繊維の製造方法の一実施態様を示す一部概略工程図である。未延伸マルチフィラメント1を予熱ローラ2に供給し、続いて予熱ローラ2と加熱ローラ3の間で延伸する。このとき、予熱ローラ2の温度は30〜80℃、さらには40〜60℃の範囲が好ましい。30℃より低いとフィラメント切れが発生し、80℃を超えるとローラ上での糸揺れが激しくなり、操業上問題が発生しやすい。また、加熱ローラ3の温度は140〜190℃、さらには150〜180℃の範囲が好ましい。この範囲から外れるとフィラメント切れが発生しやすい。
延伸されたマルチフィラメントは加熱流体噴射処理ノズル4に供給され、供給口5から供給された加熱流体によって開繊・可塑化されながら、圧縮室6にオーバーフィードの状態で押し込まれる。圧縮室6は、放射状に配列した18から24枚の羽根板によって取り囲まれたものとすることが好ましい。
そして、圧縮室6に導入された加熱流体は各羽根板の隙間から捲縮付与装置の系外へ排気される。この結果、各フィラメントがランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合い、各フィラメントにループやタルミが形成され、マルチフィラメントに捲縮が付与される。
ここでいう加熱流体とは、高温に加熱された圧縮空気をいい、加熱流体の温度は240〜290℃、好ましくは250〜280℃とする。加熱流体の温度が290℃を超えると、フィラメント切れや融着が発生する。また、240℃より低いと十分な捲縮を付与することができない。加熱流体の圧力は加熱流体の温度によって決定されるが、加熱流体の温度が240〜290℃の場合、0.5〜0.8MPaとすることが好ましい。
さらに、加熱流体処理の時にマルチフィラメントをオーバーフィード状態で加熱流体噴射処理ノズルに供給する。オーバーフィード率は、得ようとする繊維の捲縮率や加熱流体の温度、加熱流体の圧力によって決定されるが、本発明においては、オーバーフィード率は15〜35%、さらには、20〜30%とすることが好ましい。オーバーフィード率が35%を超えると、マルチフィラメントが冷却ドラム上に巻き付き、操業上問題が生じる。また、オーバーフィード率が15%より低いと、十分な捲縮率が得られないばかりか、糸切れが発生しやすい。
続いて、捲縮を付与されたマルチフィラメントは、連接する冷却ドラム7のドラム上の通気性を有する衝突壁に衝突して冷却された後、引張ローラ8を経て、ワインダー9に捲き取られる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。なお、実施例におけるポリアミド繊維の特性値の測定及び評価は次の方法で行った。
(1)強度、伸度
JIS L−1013により、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引張速度30cm/分で測定した。
(2)潜在捲縮率、顕在捲縮率、全捲縮率
前記の方法で測定した。
(3)圧縮率、回復率
前記の方法で測定した。
(4)品位
得られたポリアミド繊維の品位について、糸切れの有無を目視で判断した。糸切れがあるものを×、糸切れがないものを○とした。
(5)嵩高加工性
嵩高加工処理時に糸切れが生じることなく加工できたものを○、糸切れが生じたものを×として評価した。
実施例1
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が2.49のナイロン11チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度265℃で溶融し、幅0.1mm、一辺の長さ0.55mmのY字型のスリットを有する紡糸口金(紡糸孔数48個)より吐出量190g/分で吐出し、溶融紡糸した。紡出したフィラメントを冷却固化し、油剤を付与してローラ間で165℃、延伸倍率3.2倍で熱延伸を行った後、加熱流体噴射処理ノズルへ供給した。続いて、放射状に配列した羽根板によって取り囲まれた圧縮室に温度270℃、0.6MPaの加熱流体とともにオーバーフィードの状態で押し込み、各フィラメントをランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合わせ、各フィラメントにループやタルミを形成し、マルチフィラメントに捲縮を付与した後、通気性を有する衝突壁に衝突させ、冷却して2100m/分の速度で捲き取り、ポリアミド繊維(1100dtex/48f)を得た。
実施例2
加熱流体の温度を250℃に変更した以外は実施例1と同様に行い、ポリアミド繊維を得た。
実施例3
延伸倍率を3.8倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、ポリアミド繊維を得た。
比較例1
加熱流体の温度を140℃に変更した以外は実施例1と同様に行い、ポリアミド繊維を得た。
比較例2
延伸倍率を4.5倍に変更した以外は実施例1と同様に行い、ポリアミド繊維を得た。
参考例1
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.1のナイロン6チップを用い、加熱流体の温度を250℃に変更した以外は実施例1と同様に行い、ポリアミド繊維を得た。
実施例1〜3、比較例1〜2、参考例1で得られたポリアミド繊維の特性値を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3のポリアミド繊維は、強度、伸度が適切な範囲のものであり、潜在捲縮率、顕在捲縮率、全捲縮率が本発明の範囲内のものであったため、嵩高性に優れていた。そして、ナイロン11からなるポリアミド繊維であるため、圧縮率と回復率も高く、捲縮形態の耐久性に優れ、へたりの生じにくいものであった。
なお、参考例1のポリアミド繊維は、ナイロン6からなるものであったため、圧縮率と回復率がひくく、捲縮形態の耐久性に劣るものであった。
比較例1のポリアミド繊維は、加熱流体の温度が低すぎたため、十分な捲縮が付与されず、潜在捲縮率、顕在捲縮率、全捲縮率ともに低いものとなり嵩高性に乏しいものであった。比較例2のポリアミド繊維は、延伸倍率が高すぎたため、潜在捲縮率、全捲縮率の低いものとなり、嵩高性に乏しいものであった。さらに比較例1と比較例2のポリアミド繊維は、圧縮率と回復率も低く、捲縮形態の耐久性に劣り、へたりの生じやすいものであった。

Claims (3)

  1. ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなるマルチフィラメントであって、各フィラメントがランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合い、ループやタルミを有し、かつ潜在捲縮率が16〜20%、顕在捲縮率が2〜5%、全捲縮率が17〜24%であることを特徴とする嵩高性を有するポリアミド繊維。
  2. 強度が2.0〜4.5cN/dtex、伸度が25〜45%である請求項1記載の嵩高性を有するポリアミド繊維。
  3. ナイロン11を主成分とするポリアミド樹脂からなる未延伸マルチフィラメントを2.0〜4.0倍に延伸後、加熱流体噴射処理ノズルへ供給し、続いて、放射状に配列した羽根板によって取り囲まれた圧縮室に温度240〜290℃の加熱流体とともにオーバーフィードの状態で押し込み、各フィラメントをランダム方向に屈曲、あるいは互いに絡み合わせ、各フィラメントにループやタルミを形成し、マルチフィラメントに捲縮を付与した後、通気性を有する衝突壁に衝突させ、冷却して捲き取る請求項1又は2記載の嵩高性を有するポリアミド繊維の製造方法。
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JP2012219386A (ja) * 2011-04-05 2012-11-12 Japan Vilene Co Ltd 難燃性繊維シート

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