JP2010070748A - 表面保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】保護フィルム剥離後の被着体表面に、目視確認できる糊残し等の汚染が無く、かつ、基材層と粘着層とが密着し、固まりが生ずるブロッキングがなく耐ブロッキング性に優れ、さらに、表面保護フィルムとして実用的な粘着力を有しながら、粘着面同士の互着が生じても、粘着面同士の粘着力が小さく、互着部剥離後の粘着面に白化、面荒れ等の汚染が極めて少なく、ハンドリング性が良好な表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】基材層(A)と粘着層(B)とを有する表面保護フィルムであって、該粘着層(B)が結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)10〜50質量%と、プロピレン系重合体(B2)10〜50質量%と、密度が0.880〜0.938g/cm である直鎖状低密度ポリエチレン(B3)10〜70質量%と、を混合したものであることを特徴とする表面保護フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築資材、電気・電子分野等で用いられる各種樹脂版、ガラス版、金属板等の表面を保護する目的でその表面に貼着して、保管、運搬、後加工の際に被着体を傷付き、汚染等から守る表面保護フィルムに関する。特に、被着体への保護フィルムの貼着時や被着体から保護フィルムを一度剥がし、再度保護フィルムを貼着する際に、粘着面同士の互着が生じても、互着部の剥離後の粘着面に白化、面荒れ等の汚染が極めて少なく、ハンドリング性が良好な表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムに対する基本的な要求性能としては、前記した各種被着体に対し、シワや空気を巻き込むことなく一様に貼り付けられる貼着作業性に優れること、被着体の保管、搬送等の間に浮きや剥がれが生じない適度な粘着力を有すること、被着体の保管中の環境変化や後加工による粘着力の経時変化が少なく、容易に剥離可能で剥離後に被着体の表面を汚染することがない等が挙げられる。
従来の表面保護フィルムとしては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなるフィルムを基材として、その片面にウレタン系、アクリル系、ゴム系等の粘着剤を塗工したものが知られている。しかしながら、これらの表面保護フィルムは、基材であるフィルムと粘着剤との密着性に劣る場合があったり、粘着剤自体の凝集力の低さが原因で被着体から剥離した際に粘着剤の一部が被着体の表面に残留したりする問題があった。また、フィルムに粘着剤を塗工して製造する表面保護フィルムは、基材であるフィルムの製造工程と粘着剤の塗工工程との最低2工程を必要とするため製造コストが高くなる問題、粘着剤の塗工工程で大量の溶剤を除去する必要があり環境負荷が高くなる問題等があった。
上記の問題点を改善する方法として共押出積層法により、基材のフィルム層と粘着剤層とを同時に押出、積層した自己粘着型の表面保護フィルムが提案されている。このような表面保護フィルムとしては、例えば、非晶性オレフィン共重合体(a);20〜80質量部、結晶性オレフィン系重合体(b);3〜30質量部および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c);10〜50質量部〔(a)(b)および(c)の合計で100質量部とする〕からなる粘着層を有することを特徴とする粘着フィルムが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1で提供された表面保護フィルムをアクリル板等に粘着した場合には、その初期粘着力が高いことに起因して被着体からの剥離が困難になることがあり、また被着体に糊残しが生じたりする等の問題があった。
更に、実際に使用される現場において、表面保護フィルムを各種被着体に貼着した状態で保管、運搬された後に、被着体から当該保護フィルムを一度剥がし、被着体の表面状態等を検査してから、再度該表面保護フィルムを貼着して後加工等に供される場合がある。この様な使用現場において前記特許文献1で提供された粘着フィルムを用いたとき、粘着面同士が互着すると粘着面同士の接着性が強固であるため、該互着部を剥離しようとすると粘着面に白化、面荒れが生じることがあり、容易に互着部を剥離し、再度被着体に表面保護フィルムを貼着し得るハンドリング性が劣る等の新たな問題が生じている。
特開2006−257247号公報
本発明が解決しようとする課題は、保護フィルム剥離後の被着体表面に、目視確認できる糊残し等の汚染が無く、かつ、ロール状に巻き取った後、再び繰り出して使用する際、基材層と粘着層とが密着して固まりが生ずる、いわゆるブロッキングがなく、表面保護フィルムとして実用的な粘着力を有しながら、粘着面同士の互着が生じても粘着面同士の粘着力が小さく、互着部の剥離後の粘着面に白化、面荒れ等の汚染が極めて少なく、ハンドリング性が良好な表面保護フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、表面保護フィルムの粘着層に結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体とプロピレン系重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとの3つの成分を、特定の配合比率で混合した樹脂を主成分として用いると、被着体への低汚染性、耐ブロッキング性、表面保護フィルムとして実用的な粘着力、粘着面同士の互着が生じても容易に剥離し粘着面の白化・面荒れが生じない、ハンドリング性が良好な表面保護フィルムを提供し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材層(A)と粘着層(B)とを有する表面保護フィルムであって、該粘着層(B)が結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)10〜50質量%と、プロピレン系重合体(B2)10〜50質量%と、密度が0.880〜0.938g/cm である直鎖状低密度ポリエチレン(B3)10〜70質量%と、を混合した樹脂混合物を主成分とすることを特徴とする表面保護フィルムを提供するものである。
本発明の表面保護フィルムは、各種樹脂版、ガラス版、金属板等に貼着された後、高温環境にさらされたりしても、粘着力の経時変化が少なく、かつ、被着体からの浮きや剥がれがなく、被着体に反りを発生させることがない等の耐熱性に優れ、また、剥離後の被着体表面に目視確認できる糊残しが無く、さらに、ロール状に巻き取った後、再び繰り出して使用する際のブロッキングがなく、耐ブロッキング性にも優れる。また、表面保護フィルムとして実用的な粘着力を有しながら、粘着面同士の互着が生じても、粘着面同士の粘着力が小さく、互着部の剥離後の粘着面に白化、面荒れ等の汚染が極めて少ない。したがって、本発明の表面保護フィルムは、各種樹脂版、ガラス版、金属板等の表面を保護するフィルムとして有用である。特に、被着体に貼着後、乾燥、加熱成形、加熱処理等の後加工工程で被着体の表面状態等を確認する工程が含まれる場合や、保護フィルム剥離後に印刷等の二次加工を施される用途等に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の表面保護フィルムは、少なくとも基材層と粘着層とを有する共押出積層法により形成した多層フィルムである。尚、本発明において、「主成分とする」とは、各層を形成させるために使用する樹脂、或いは添加剤等を含む樹脂混合物において、本発明で規定する特定の樹脂又は樹脂混合物の、全体質量に対する質量割合が65質量%以上であることを示すものであり、好ましくは80質量%以上であることをいうものである。
本発明で表面保護フィルムの基材層(A)に用いる樹脂は、特に限定されないが、オレフィン系重合体(A1)を主成分として用いることが好ましく、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンーエチレンーブテン−1共重合体等のプロピレン系重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のエチレン系重合体等が挙げられる。これらのオレフィン系重合体(A1)は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、本発明の表面保護フィルムを各種樹脂版、ガラス版、金属板等に貼着された後、乾燥、加熱成型等の後加工に供されて高温環境下にさらされる用途で用いる場合や、ロール状に巻き取られ長期間保管する場合は、結晶性プロピレン系重合体を用いることが好ましく、表面保護フィルムの耐熱性を向上できる点でプロピレン単独重合体を用いることがより好ましい。なお、本願において結晶性とはDSC(示差走査熱量測定)において95〜250℃の範囲で0.5J/g以上のピークを有することを言うものである。
また、上記のプロピレン系重合体は、メルトフローレート(以下、「230℃のMFR」という。;JIS K7210:1999に準拠して、230℃、21.18Nで測定した値)が0.5〜30.0g/10分で、融点が120〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、230℃のMFRが2.0〜15.0g/10分で、融点が125〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、被着体に貼着された後の乾燥、加熱成形等によって高温環境にさらされてもフィルムの収縮が少ないため、浮きや剥がれがなく、被着体に反りを発生させることもなく、また、積層フィルムの成膜性も向上する。
一方、前記(A1)の中でも、表面保護フィルム剥離後に印刷等の二次加工を施す場合や、被着体に表面保護フィルムが貼着された状態で被着体を切断加工する場合は、低汚染性に優れる点や、表面保護フィルムがきれいに切断し、糸引き、毛羽立ち等の外観不良を生じない切断性を有する点でエチレン系重合体を用いるのが好ましく、更に耐熱性が良好な点で低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとの混合樹脂を用いることがより好ましい。
また、上記のエチレン系重合体は、メルトフローレート(以下、「190℃のMFR」という。;JIS K7210:1999に準拠して、190℃、21.18Nで測定した値)が0.5〜30.0g/10分であるものが押出成形が容易となることから好ましく、より好ましくは、190℃のMFRが2.0〜15.0g/10分のものである。さらにこれらのエチレン系重合体は融点が90〜135℃のものであることが好ましく、より好ましくは、融点が105〜130℃のものである。融点がこの範囲であれば、被着体に貼着された後の乾燥、加熱成形等によって高温環境に置かれてもフィルムの収縮が少ないため、被着体からの浮きや剥がれ、被着体の反りを抑制することができる。
本発明の表面保護フィルムの粘着層(B)に用いる結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)は、結晶性ポリオレフィンからなるブロック(I)と結晶性を有さないその他のブロック(II)とを有する共重合体であり、好ましくは、当該その他のブロック(II)として共役ジエン系重合体からなるブロックを有するものである。また、該共重合体の構成としては、後述するプロピレン系重合体(B2)と直鎖状低密度ポリエチレン(B3)とを組み合わせて粘着層(B)用樹脂として用いた際に得られる表面保護フィルムの粘着性・糊残り性・ハンドリング性の性能バランスに特に優れる点から、(I−II)n1又は(I−II)n2−(I)(n1、n2は1以上の整数である。)で表される、ポリマー鎖の少なくとも1つの末端が結晶性オレフィンブロック(I)からなるものであることが好ましい。
この様な結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)としては、例えば、特開平3−128957号公報や特開平8−231786号で提供されているものが挙げられる。具体的には、1,2−ビニル結合含有率の低い(例えば25%以下)ポリブタジエン重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体であって1,2−及び3,4−結合含有率が高い(例えば50%以上)重合体ブロックとからなる共重合体を合成し、これを水素添加することによって該ポリブタジエン部分をポリエチレンと類似の構造とすることで結晶性の重合体ブロックとしたもの等が挙げられる。
前記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられ、工業的入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンを用いることが好ましい。この様な結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体として好ましく用いることができる市販品としては、例えば、結晶性オレフィン−エチレン・ブチレン共重合体−結晶性オレフィンの構成を有するブロック共重合体(以下、CEBCと略記する。)JSR株式会社製「ダイナロン 6200P」等が挙げられる。
本発明の表面保護フィルムの粘着層(B)に用いるプロピレン系重合体(B2)は、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、これらのプロピレン系重合体(B2)は、230℃のMFRが0.5〜30.0g/10分で、融点が120〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、230℃のMFRが2.0〜15.0g/10分で、融点が125〜162℃のものである。230℃のMFR及び融点がこの範囲であれば、被着体に貼着された後の乾燥、加熱成形等によって高温環境にさらされてもフィルムの収縮が少ないため、浮きや剥がれがなく、被着体に反りを発生させることもなく、また、積層フィルムの成膜性も向上する。
また、前記粘着層(B)に用いるプロピレン系重合体(B2)の中でも、メタロセン触媒系ポリプロピレンが好ましい。メタロセン触媒系ポリプロピレンは、従来のチーグラー・ナッタ系触媒に代え、メタロセン系触媒を用いて重合したポリプロピレンである。このメタロセン系触媒としては、例えば、メタロセン化合物とアルミノキサンとを含むメタロセン均一混合触媒、微粒子状の担体上にメタロセン化合物が担持されたメタロセン担持型触媒等が挙げられる。メタロセン担持型触媒については、特開平5−155931号公報、特開平8−104691号公報、特開平8−157515号公報及び特開平8−231621号公報等に開示されている。メタロセン触媒系ポリプロピレンは、分子量分布及び組成分布の均一性が高く、低分子量成分の含有量が少ないため、前記プロピレン系重合体(B2)にメタロセン触媒系ポリプロピレンを用いることで、低分子量成分のブリードによる被着体表面の汚染を防止することができる。また、メタロセン触媒系ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体でも、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体でも良く、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体の例として、プロピレン−エチレン共重合体が挙げられる。
本発明の表面保護フィルムの粘着層(B)に用いる直鎖状低密度ポリエチレン(B3)は、密度が0.880〜0.938g/cmであるものであり、密度が0.898〜0.925g/cmのものがより好ましい。また、その190℃のMFRは、0.5〜30.0g/10分であるものが好ましく、2.0〜15.0g/10分であるものがより好ましい。直鎖状低密度エチレン(B3)の密度及び190℃のMFRがこの範囲であれば、結晶性オレフィンブロックを有する共重合体(B1)との相溶性が良好で、積層フィルムの成膜性が向上する。
本発明の粘着層(B)は、結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)10〜50質量%と、プロピレン系重合体(B2)10〜50質量%と、密度が0.880〜0.938g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン(B3)10〜70質量%と、を混合したもの〔各成分の割合は、(B1)と(B2)と(B3)の合計質量を100質量%としたときの質量割合である〕を主成分とする。成分(B1)の配合比率が10質量%未満であると保護フィルムの粘着力が十分でなく、50質量%を超えると保護フィルムの粘着力が強すぎるため取り扱いが困難になったり、糊残しが発生したりする等の問題がある。また、成分(B2)の配合比率が10質量%未満であると粘着面同士の互着が生じた場合に粘着面同士の接着力が強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れが生じるなどの問題があり、50質量%を超えると保護フィルムの粘着力が十分でない問題がある。また、成分(B3)の配合比率が10質量%未満であると粘着面同士の互着が生じた場合に粘着面同士の接着力が強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れが生じるなどの問題があり、70質量%を超えると保護フィルムの粘着力が十分でない問題がある。さらに、成分(B2)又は成分(B3)が全く配合されていない場合は、粘着面同士の互着が生じた場合に粘着面同士の接着力が強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れが生じるなどの問題がある。成分(B1)と成分(B2)と成分(B3)との配合比率を、前記の範囲で調整することで、被着体への低汚染性、耐ブロッキング性、表面保護フィルムとして実用的な粘着力を有しながら、粘着面同士の互着が生じても粘着面同士の粘着力を0.05〜1.65N/25mm程度に調整することが容易となり、ハンドリング性が良好な粘着性を有する表面保護フィルムを提供できる。
本発明の粘着層(B)は、前述した成分(B1)と成分(B2)と成分(B3)とを前記配合比率で用いることを必須とするものである。しかしながら、本発明の効果である、被着体への低汚染性、耐ブロッキング性、表面保護フィルムとして実用的な粘着力、ハンドリング性とを兼備させる手法として、前記成分(B1)と成分(B2)とを用いることでも達成可能であることが判っている。この場合は、成分(B1)と成分(B2)との使用割合を厳密に管理する必要があり、工業的生産における自由度が狭く、実用的ではない点を鑑みた結果、さらに成分(B3)を併用することで工業的生産が容易となることを見出した。この結果として、粘着層(B)には更に本発明の効果を損なわない範囲でその他の樹脂や各種添加剤等を併用した混合物とすることもできるようになった。その他の樹脂類としては、本発明の効果を損なわない範囲で、従来、共押出積層法でフィルムを得る場合に使用される樹脂を用いることが可能であり、特にオレフィン系の各種重合体が使用できる。
本発明の表面保護フィルムは、上記のように基材層(A)と粘着層(B)との少なくとも2層から構成されるが、さらに基材層(A)の上に表面層(C)を設けても構わない。表面層(C)に用いる樹脂としては、特に限定はないが、基材層(A)との親和性が良好である点からオレフィン系重合体を用いることが好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1−エチレン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、積層フィルムの成膜性が向上することから低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びプロピレン単独重合体がより好ましい。
また、表面層(C)に用いる樹脂を上記に挙げた樹脂と、プロピレン−エチレンブロック共重合体との混合樹脂を主成分とし、表面層の表面を梨地状に改質してもよい。表面層の表面を梨地状とすることで粘着力を強く設計した際に起こりやすい、ロール状で保管した際のブロッキングを軽減できる。ここでプロピレン−エチレンブロック共重合体は、プロピレンとエチレンとをブロック重合した樹脂であって、表面層(C)に用いた場合に、該樹脂層の表面が梨地状になるものであればよく、特に限定されない。例えば、ポリプロピレン単独重合体の存在下で、エチレンの重合、又はエチレン及びプロピレンの重合を行って得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの中でも、表面を梨地状にすることが容易であることから、エチレン由来成分含有率が8〜20質量%であるプロピレン−エチレンブロック共重合体を用いることが好ましく、エチレン由来成分の含有率が10〜15質量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体であることが好ましい。また、プロピレン−エチレンブロック共重合体との混合樹脂の230℃のMFRは4〜12g/10分であることが押出加工しやすい点で好ましく、6〜10g/10分であることがより好ましい。密度は0.890〜0.910g/cmであることが好ましく、0.895〜0.905g/cmであることがより好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、全フィルム厚さが20〜120μmのものが好ましい。全フィルムの厚さがこの範囲であれば、被着体の保護性、被着体の保管、搬送等の間に浮きや剥がれが生じない粘着特性、及び貼着・剥離等の作業性が良好となる。また、粘着層(B)の厚さは、3〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜25μmである。粘着層(B)の厚さがこの範囲であれば、被着体の保管、搬送等の間に浮きや剥がれが生じない粘着特性及び積層フィルムの成膜性が良好となる。さらに、本発明の表面保護フィルムに前記表面層(C)を設ける場合は、表面層(C)の厚さは3〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。表面層(C)の厚さがこの範囲であれば、耐熱性及び積層フィルムの成膜性が良好となる。
本発明の表面保護フィルムの製造方法としては、共押出積層法であれば特に限定されるものではないが、例えば、2台以上の押出機を用いて各樹脂層に用いる樹脂を溶融し、共押出ダイス法、フィードブロック法等の共押出法により溶融状態で積層した後、インフレーション、T−ダイ・チルロール法等の方法を用いてフィルム状に加工する方法が挙げられる。T−ダイ・チルロール法の場合、ゴムタッチロールやスチールベルト等とチルロール間で、溶融積層されたフィルムをニップして冷却してもよい。
さらに、本発明の表面保護フィルムは、少なくとも1軸方向に延伸されていてもよい。延伸方法としては、縦あるいは横方向の1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、あるいはチューブラー法2軸延伸等の種々の方法を採用することができる。また、延伸工程はインラインでもあっても、オフラインであってもよい。1軸延伸の延伸方法としては、近接ロール延伸法でも圧延法でもよい。1軸延伸の延伸倍率としては、縦あるいは横方向に1.1〜80倍が好ましく、より好ましくは3〜30倍である。一方、2軸延伸の延伸倍率としては、面積比で1.2〜70倍が好ましく、より好ましくは縦4〜6倍、横5〜9倍、面積比で20〜54倍である。
また、縦あるいは横方向の延伸工程としては、必ずしも1段延伸に限らず、多段延伸であってもよい。特に、逐次2軸延伸における縦1軸ロール延伸、縦1軸圧延延伸等の縦1軸延伸においては、厚み、物性の均一性等の点で多段延伸とすることが好ましい。さらに近接ロール延伸においては、フラット法、クロス法のいずれでも構わないが、幅縮みの低減が図れる多段の近接クロス延伸がより好ましい。延伸温度は、1軸延伸の場合、いずれの延伸方法においても80〜160℃が好ましく、1軸延伸でテンター延伸を使用する場合は、90〜165℃が好ましい。また、より好ましい延伸温度としては、それぞれ110〜155℃、120〜160℃である。一方、2軸延伸の場合、いずれの方法においても1軸延伸の場合と同様な延伸温度範囲が好ましい。また、延伸工程前に予熱部、延伸工程後に熱固定部を適宜設けてもよい。この場合、予熱部の温度は60〜140℃、熱固定部の温度は90〜160℃の範囲が好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、少なくとも1軸方向への延伸し、熱固定により構造安定化を図ることで、オレフィン系重合体(A1)を主成分とした基材層(A)の配向結晶化により、さらに耐熱性が向上し、粘着力の経時変化が小さくなるので好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐電防止剤、防曇剤等、着色剤等を適宜添加してもよい。これらの添加剤としては、オレフィン系重合体用の各種添加剤を使用することが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
基材層用樹脂として、高密度ポリエチレン(密度:0.960g/cm、MFR(190℃、21.18N):13g/10分;以下「HDPE」)と低密度ポリエチレン(密度:0.902g/cm、MFR(190℃、21.18N):4g/10分;以下「LDPE」)とを質量比で50/50になるように混合し、粘着層用樹脂として、結晶性オレフィンブロックを有する結晶性オレフィン−エチレン・ブテン共重合体−結晶性オレフィンブロック共重合体(CEBC;JSR株式会社製「ダイナロン6200P」)40質量部とメタロセン触媒系プロピレン−エチレンランダム共重合体(密度:0.900g/cm、MFR(230℃、21.18N):7.0g/10分、エチレン単量体単位の含有率:3.5質量%;以下、「メタロセン触媒系COPP」)20質量部及び直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.920g/cm、MFR(190℃、21.18N):3g/10分;以下「LLDPE(1)」)40質量部の混合物を用いて、基材層用押出機(口径50mm)及び粘着層用押出機(口径40mm)にそれぞれ供給し、共押出法により押出温度250℃でT−ダイから基材層の厚さが64μm、粘着層の厚さが16μmになるように押出し、40℃の水冷金属冷却ロールで冷却した後、ロールに巻き取り、表面保護フィルムを得た。得られたフィルムは、物理的性質を安定化するため、35℃の熟成室で48時間熟成させた。
(実施例2)
表面層用樹脂として、LDPEとプロピレン−エチレンブロック共重合体とを質量比で95/5となるように混合し、基材用樹脂として、HDPEとLDPEとを質量比で50/50になるように混合して用い、粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で40/25/35の混合物を用いて、表面層用押出機(口径50mm)、基材層用押出機(口径50mm)及び粘着層用押出機(口径40mm)にそれぞれ供給し、共押出法により押出温度250℃でT−ダイから表面層の厚さが16μm、基材層の厚さが48μm、粘着層の厚さが16μmになるように押出した以外は実施例1と同様にして、実施例2の表面保護フィルムを得た。
(実施例3)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で40/30/30の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして実施例3の表面保護フィルムを得た。
(実施例4)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で35/25/40の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして実施例4の表面保護フィルムを得た。
(実施例5)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPと直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.902g/cm、MFR(190℃、21.18N):6g/10分;以下「LLDPE(2)」という。)とを質量比で25/30/45の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして実施例5の表面保護フィルムを得た。
(実施例6)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(2)とを質量比で25/25/50の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして実施例6の表面保護フィルムを得た。
(実施例7)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で40/50/10の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして、実施例7の表面保護フィルムを得た。
(実施例8)
表面層用樹脂として、プロピレン単独重合体(密度:0.900g/cm 、MFR(230℃、21.18N):8.0g/10分;以下、「HOPP」という。)とプロピレン−エチレンブロック共重合体とを質量比で95/5の混合物を用い、基材層にHOPPを用いた以外は実施例2と同様にして、実施例8の表面保護フィルムを得た。
(実施例9)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で40/30/30の混合物を用いた以外は実施例8と同様にして実施例9の表面保護フィルムを得た。
(実施例10)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(2)とを質量比で25/25/50の混合物を用いた以外は実施例8と同様にして、実施例10の表面保護フィルムを得た。
(実施例11)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で15/20/65の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして実施例11の表面保護フィルムを得た。
(実施例12)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で30/10/60の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして実施例12の表面保護フィルムを得た。
(比較例1)
粘着層用樹脂として、CEBCとLLDPE(1)とを質量比で30/70の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の表面保護フィルムを得た。
(比較例2)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(1)とを質量比で30/60/10の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして比較例2の表面保護フィルムを得た。
(比較例3)
粘着層用樹脂として、CEBCとLLDPE(2)とを質量比で5/95の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして比較例3の表面保護フィルムを得た。
(比較例4)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPと非晶性オレフィン共重合体とを質量比で40/10/50の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして比較例4の表面保護フィルムを得た。
(比較例5)
粘着層用樹脂として、CEBCとLLDPE(1)とを質量比で30/70の混合物を用いた以外は実施例8と同様にして比較例5の表面保護フィルムを得た。
(比較例6)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとを質量比で70/30の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして比較例6の表面保護フィルムを得た。
(比較例7)
粘着層用樹脂として、CEBCとメタロセン触媒系COPPとLLDPE(2)とを質量比で25/5/70の混合物を用いた以外は実施例2と同様にして比較例7の表面保護フィルムを得た。
上記の実施例1〜12及び比較例1〜7で得られた表面保護フィルムを用いて、以下の測定及び評価を行った。
(1)粘着面同士の粘着力測定
23℃、50%RHの恒温室において、JIS Z0237:2000に準拠した方法で、縦15cm×巾25mmからなる2枚の表面保護フィルムの粘着面同士を貼着した。貼着されたフィルムを23℃恒温室中で30分間静置した後、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー社製)を用いて、300mm/分の速度で180°方向に剥離して粘着面同士の接着力を測定した。
(2)粘着面同士の接着、剥離後の粘着面状態
23℃、50%RHの恒温室において、JIS Z0237:2000に準拠した方法で、縦15cm×巾25mmからなる2枚の表面保護フィルムの粘着面同士を貼着した。貼着されたフィルムを23℃恒温室中で30分間静置した後、高速で手剥がしし、粘着面の状況を目視で確認し、以下の基準で粘着面状態を評価した。
○:粘着面に白化、面荒れがないもの
△:粘着面に白化、もしくは面荒れが生じたが実用使用には耐えられるもの
×:粘着面に白化及び面荒れがみられ、実用には不適であるもの
(3)粘着力の測定
23℃、50%RHの恒温室において、JIS Z0237:2000の粘着力評価方法に準拠して、表面保護フィルムを厚さ2mmのアクリル板(鏡面仕上げ、三菱レイヨン株式会社製「アクリライト」)に貼着した。フィルムが貼着されたアクリル板を23℃恒温室中で30分間静置した後、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー社製)を用いて、300mm/分の速度で180°方向に剥離して初期粘着力を測定した。又、フィルムを貼着したアクリル板を50℃の乾燥機中に1日静置した後、同様に粘着力を測定した。
(4)糊残り性の評価
23℃、50%RHの恒温室において、JIS Z0237:2000に準拠した方法で、表面保護フィルムを縦15cm×巾5cmのアクリル板(鏡面仕上げ、三菱レイヨン株式会社製「アクリライト」)の全面に貼着した。フィルムが貼着されたアクリル板を60℃の乾燥機中で3日間静置後、23℃恒温室中で1時間冷却した。冷却された試験片から、フィルムを180°方向に高速で手剥がしし、アクリル板表面の汚染状況を目視で確認し、以下の基準にて糊残り性の評価を行った。
○:アクリル板表面にくもり、白スジ、異物等の汚れ無し。
△:アクリル板表面にくもり、白スジ、異物等の何れかの汚れがあるが実用使用には耐えられるもの
×:アクリル板表面にくもり、白スジ、異物等のいずれかの汚れが有り、実用には不適であるもの
(5)耐ブロッキング性の評価
得られた表面保護フィルムを、A4のサイズ(縦297mm×横210mm)で切り出した。この際、フィルム成膜時の押し出し方向(MD方向)とA4縦方向が一致するように切り出した。切り出したフィルムを10枚重ねた後、その上下をA4サイズ、厚さ3mmの塩化ビニル製の板で挟み、重さ5kgの錘を載せ、40℃の乾燥機中で14日間保管後、23℃、50%RHの恒温室内で1時間保管した。次いで、そのフィルムをMD方向に25mm幅で切り出し、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー社製)を用いて、300mm/分の速度で180°方向に剥離してブロッキング力を測定した。得られたブロッキング力から、以下の基準によって耐ブロッキング性を評価した。
○:ブロッキング力が0.8N/25mm未満
×:ブロッキング力が0.8N/25mm以上
上記で作製した表面保護フィルムの層構成及びこれらの表面保護フィルムを用いて得られた評価結果を表1〜3に示した。なお、実施例1と比較例1については、表面層を設けていないので空欄としている。
Figure 2010070748
Figure 2010070748
Figure 2010070748
Figure 2010070748
Figure 2010070748
実施例1〜11の結果から、本発明の表面保護フィルムは、アクリル板に対する粘着力が適切であり、表面保護フィルムとして実用的な微粘着の粘着力を有することがわかった。また、アクリル板に貼着した後、50℃で1日間放置しても粘着力の変化量がわずかであり、アクリル板からフィルムを剥離した際に、被着体表面に目視確認できる糊残しが無く、異物等の汚染は認められないことがわかった。さらに、ブロッキングすることなく良好な取り扱いが可能で、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が0.05〜1.65N/25mm程度の粘着力を有し、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがないか、または実用上問題のないレベルに収まっており、粘着面同士が互着してもハンドリング性が良好な表面保護フィルムであることがわかった。
比較例1は、実施例1と基材層は同一であるが、粘着層にCEBCとLLDPE(1)とを30/70の混合物を用い、成分(B2)を配合していない表面保護フィルムの例である。この比較例1の表面保護フィルムでは、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が2.46N/25mmと強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがあることがわかった。
比較例2は、実施例2と表面層、基材層は同一であるが、粘着層の成分(B1)の配合比率が30質量部と成分(B3)の配合比率が10質量部であるのに対し、成分(B2)の配合比率を上限の50質量部を超える60質量部とした表面保護フィルムの例である。この比較例2の表面保護フィルムでは、アクリル板に対する粘着力が、0.03N/25mm程度しかなく、粘着力が不十分となることがわかった。
比較例3は、実施例2と表面層、基材層は同一であるが、粘着層にCEBCとLLDPE(2)とを質量比で5/95の混合物を用い、成分(B2)を配合していない表面保護フィルムの例である。この比較例3の表面保護フィルムでは、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が2.90N/25mmと強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがあることがわかった。
比較例4は、実施例2と表面層、基材層は同一であるが、粘着層に成分(B3)に変えて、非晶性オレフィン共重合体を用い、CEBCとメタロセン触媒系COPPと非晶性オレフィン共重合体とを40/10/50の混合物を用いた表面保護フィルムである(特許文献1参照。)。この比較例4の表面保護フィルムでは、アクリル板に対する粘着力が、4.00N/25mm程度と強く、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が5.40N/25mmと強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがあることがわかった。
比較例5は、実施例8と表面層、基材層は同一であるが、粘着層にCEBCとLLDPE(1)とを質量比で30/70の混合物を用い、成分(B2)を配合していない表面保護フィルムの例である。この比較例5の表面保護フィルムでは、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が2.40N/25mmと強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがあることがわかった。
比較例6は、実施例2と表面層、基材層は同一であるが、粘着層にCEBCとメタロセン触媒系COPPとを質量比で70/30の混合物を用い、成分(B3)を配合していない表面保護フィルムの例である。この比較例6の表面保護フィルムでは、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が4.80N/25mmと強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがあることがわかった。
比較例7は、実施例2と表面層、基材層は同一であるが、粘着層のプロピレン系重合体(B2)成分の使用割合を5質量%にした表面保護フィルムの例である。この比較例7の表面保護フィルムでは、粘着面同士を互着させたときの粘着面同士の粘着力が2.50N/25mmと強く、互着部を剥離した後の粘着面に白化、面荒れがあることがわかった。

Claims (7)

  1. 基材層(A)と粘着層(B)とを有する表面保護フィルムであって、該粘着層(B)が結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)10〜50質量%と、プロピレン系重合体(B2)10〜50質量%と、密度が0.880〜0.938g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン(B3)10〜70質量%と、を混合した樹脂混合物を主成分とすることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 前記基材層(A)がオレフィン系重合体(A1)を主成分とするものである請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 前記オレフィン系重合体(A1)が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びポリプロピレン単独重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の表面保護フィルム。
  4. 前記結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(B1)が結晶性オレフィン−エチレン・ブチレン共重合体−結晶性オレフィンブロック共重合体(CEBC)である請求項1〜3のいずれか1項記載の表面保護フィルム。
  5. 前記プロピレン系重合体(B2)がメタロセン触媒系ポリプロピレンである請求項1〜4のいずれか1項記載の表面保護フィルム。
  6. オレフィン系重合体を主成分とする表面層(C)を、前記粘着層(B)の反対面の基材層(A)上に設けた請求項1〜5のいずれか1項記載の表面保護フィルム。
  7. 前記表面層(C)の主成分であるオレフィン系重合体が、エチレン系重合体(C1)又は結晶性プロピレン系重合体(C2)である請求項6記載の表面保護フィルム。
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