JP2010070427A - リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。 - Google Patents

リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2010070427A
JP2010070427A JP2008241491A JP2008241491A JP2010070427A JP 2010070427 A JP2010070427 A JP 2010070427A JP 2008241491 A JP2008241491 A JP 2008241491A JP 2008241491 A JP2008241491 A JP 2008241491A JP 2010070427 A JP2010070427 A JP 2010070427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
particles
composite oxide
containing composite
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008241491A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5162388B2 (ja
Inventor
Koji Tatsumi
功司 巽
Yuki Nakura
勇気 名倉
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Seimi Chemical Ltd
Original Assignee
AGC Seimi Chemical Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AGC Seimi Chemical Ltd filed Critical AGC Seimi Chemical Ltd
Priority to JP2008241491A priority Critical patent/JP5162388B2/ja
Publication of JP2010070427A publication Critical patent/JP2010070427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5162388B2 publication Critical patent/JP5162388B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】充填密度、体積容量密度及び安全性が高く、充放電サイクル耐久性に優れたリチウムイオン二次電池用正極材料用のリチウム含有複合酸化物の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式Liで表されるリチウム含有複合酸化物の製造方法であって、一次粒子の平均粒子径が1μm以下の粒子からなる平均粒子径が10〜40μmの少なくともN元素を含有する造粒粒子と、平均粒子径が6μm以下の少なくともN元素を含有する晶析粒子と、リチウム化合物との混合物において、造粒粒子と晶析粒子との重量比が、造粒粒子/晶析粒子=10/90〜90/10の割合であり、該混合物の粉末を酸素含有雰囲気下、750〜1250℃で焼成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池の正極に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法、該製造方法により得られる正極材料を含むリチウム二次電池正極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
近年、パソコン、携帯電話等の情報関連機器や通信機器の急速な発達が進むにつれて、小型、軽量でかつ高エネルギー密度を有するリチウム二次電池等の非水電解液二次電池に対する要求が高まっている。かかる非水電解液二次電池用の正極材料として用いられる正極活物質には、LiCoO、LiNiO、LiNi0.8Co0.2、LiMnなどのリチウムと遷移金属の複合酸化物(本発明において、リチウム含有複合酸化物ともいう)が知られている。
なかでも、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を正極活物質として用いて、リチウム合金、グラファイト、カーボンファイバー等のカーボンを負極として用いたリチウム二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高エネルギー密度を有する電池として広く使用されている。
上記したリチウム含有複合酸化物の製造方法として、コバルト化合物を溶解した溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、水酸化コバルト粒子を析出させた後、ろ過、洗浄して、水酸化コバルトの晶析粒子を得て、次いでこの晶析粒子を分散させたスラリーを、噴霧乾燥して、造粒粒子を合成し、さらに、この得られた造粒粒子とリチウム化合物とを混合した後、焼成して、リチウム含有複合酸化物を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。また、コバルト化合物などを粉砕して、分散させたスラリーをスプレードライヤーで乾燥させ、次いで焼成することでリチウム含有複合酸化物を得る方法が提案されている(特許文献2参照)。
他の製造方法としては、コバルト、マグネシウム、ジルコニウムなどの化合物が溶解した溶液に、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液を滴下して、晶析させた晶析粒子を、ろ過、洗浄、乾燥させて、マグネシウム、ジルコニウムなどを含むコバルト化合物を合成し、この得られたコバルト化合物とリチウム化合物とを混合した後、焼成して、リチウム含有複合酸化物を得る方法が提案されている。また、この際に数種の元素を同時に晶析させることで、数種の元素を共沈させた晶析粒子を得ることが提案されている(特許文献3、4参照)。
さらに他の製造方法としては、粒径が大きくかつ粒径分布がシャープなリチウムコバルト複合酸化物と、その隙間に充填される、粒径が小さなリチウムコバルト複合酸化物とを所定の割合で含む正極活物質が提案されている。また、平均粒径D50が7〜20μmであり、体積基準累積径D10が平均粒径D50の50%以上で、体積基準累積径D90が平均粒径D50の150%以下である大粒径の水酸化コバルト又は四三酸化コバルトと、該大粒径の平均粒径D50の10〜30%の平均粒径D50を有する小粒径の水酸化コバルト又は四三酸化コバルトとを、コバルト原子比で9:1〜1:2の比率で混合した後、焼成して、リチウム含有複合酸化物を得る方法が提案されている(特許文献5参照)。
特開2002−060225号公報 特開2003−229124号公報 特開2004−047437号公報 特開2005−129489号公報 国際公開WO2004/030125号明細書
しかしながら、上記した従来の方法により得られるリチウム含有複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極は、下記するように、充填密度、体積容量密度、加熱した際の熱に対する安定性(本発明において、単に安全性ということがある)、充放電サイクル耐久性などの各特性を必ずしも全て満足するものではなく、各特性の性能をさらに向上させたリチウム含有複合酸化物が要求されている。
例えば、特許文献1には、コバルト化合物を分散させたスラリーを、噴霧乾燥した後、得られる造粒粒子を所定の温度にて焼成して、リチウムコバルト複合酸化物を製造している。この場合、噴霧するスラリーの濃度が100g/lであり、固形分濃度が低いスラリーを噴霧しており、造粒粒子を製造しているが、得られた造粒粒子は、密な部分と疎な部分が混在して、充填密度が低く、嵩高い粉末であり、粒子内部の平均細孔径が大きく、気孔率が低くかった。そのため、得られた造粒粒子から得られるリチウムコバルト複合酸化物は、充填密度及び体積容量密度も低く、更なる改良が望まれていた。
また特許文献2には、一次粒子が比較的小さい原料を用いることで得られる造粒粒子もまた、密な部分と疎な部分が混在して、充填密度が低く、嵩高い粉末であり、粒子内部の平均細孔径が大きく、気孔率が低く、生産性が低いものであった。さらに、この方法は、造粒粒子を得る際に、湿式ジェットミルにて長時間の粉砕を数回行う必要があり、手間がかかるため、製造コストが高くなり、生産効率が悪くなる傾向があった。そのため、得られた造粒体粒子から得られるリチウムコバルト複合酸化物は、充填密度及び体積容量密度も低く、特性の向上が望まれていた。
さらに、特許文献3及び4に記載の方法では、粒径が大きい晶析粒子を作製するのに、粒子を成長させる必要があるため、長い時間が必要である。また長い時間をかけて粒子を成長させたとしても、粒子形状がいびつになり球状の晶析粒子を得ることが難しい。そのため、一般的に充填密度、体積容量密度が高い、粒径の大きな粒子を得ることができなかった。さらに、粒径が大きい晶析粒子を作製する場合、粒子を成長させた際に、硫酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオンなどの不純物が粒子内部に取り込まれ、洗浄しても完全に除去できないため、不純物が粒子内部に残存する。このような不純物を含む晶析粒子を原料に用いて、リチウム含有複合酸化物を製造すると、組成を厳密に制御することが困難になる。また、得られるリチウム含有複合酸化物にコバルトの金属原子の生成によりショートしたり、不純物の存在により充放電が妨害され電池特性の悪化したりするため、安全性及び充放電サイクル耐久性に優れるリチウム含有複合酸化物を得ることはできなかった。
特許文献5には、粒径分布がシャープなリチウムコバルト複合酸化物と、その隙間に充填されたリチウムコバルト複合酸化物とを所定の割合で含む正極活物質が記載されているが、各々のリチウムコバルト複合酸化物の粒子内部には、空隙が存在しており、充填密度と体積容量密度が不十分であった。また、特許文献5には、大粒径の水酸化コバルト又は四三酸化コバルトと、該大粒径の平均粒径D50の10〜30%の平均粒径D50を有する小粒径の水酸化コバルト又は四三酸化コバルトとを所定の割合で混合することで得られるリチウム含有複合酸化物が記載されているが、混合した大粒径と小粒径との混合物を所定の温度にて焼成すると、小粒径が凝集した状態で焼結が進み、大きな粒子となる。そのため、得られるリチウム含有複合酸化物の粒子は、大粒子が凝集したリチウム含有複合酸化物であり、充填密度と体積容量密度とが満足できるものではなかった。
そこで、本発明は、生産性が高く、かつ充填密度が高く、体積容量密度が大きく、安全性が高く、充放電サイクル耐久性に優れたリチウムイオン二次電池用正極材料用のリチウム含有複合酸化物と、このリチウム含有複合酸化物を含むリチウム二次電池の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を続けたところ、一次粒子の平均粒子径が特定範囲の非常に小さな粒子からなる大粒径の造粒粒子と、平均粒子径が特定範囲の小粒径の晶析粒子とを特定の比率で含み、かつ、リチウム化合物を含む混合物の粉末を焼成することによって、生産性、充填密度、体積容量密度が高く、かつリチウム二次電池正極材料とした場合、安全性が高く、充放電サイクル耐久性に優れた特性を有する極めて有用なリチウム含有複合酸化物が得られることを見出した。
かくして、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
(1)一般式Li(但し、Nは、Ni、Co及びMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Mは、Ni、Co及びMn以外の遷移金属元素、Al、Sn並びにアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、かつ0.9≦w≦1.3、0.9≦x≦2、0≦y≦0.1、1.9≦z≦4.1、0≦a<0.05を満たす)で表されるリチウム含有複合酸化物の製造方法であって、一次粒子の平均粒子径が1μm以下の粒子からなる平均粒子径が10〜40μmの少なくともN元素を含有する造粒粒子と、平均粒子径が6μm以下の少なくともN元素を含有する晶析粒子とを、造粒粒子/晶析粒子の重量比が10/90〜90/10で含み、かつリチウム化合物を含む混合物の粉末を、酸素含有雰囲気で750〜1250℃で焼成することを特徴とするリチウム含有複合酸化物の製造方法。
(2)造粒粒子の気孔率が60%以上である上記(1)に記載の製造方法。
(3)造粒粒子の平均細孔径が1μm以下である上記(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)晶析粒子の嵩密度が0.5g/cm以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)造粒粒子及び晶析粒子のX線回折スペクトルの半価幅が、造粒粒子においては0.21°以上で、晶析粒子においては0.20°以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)晶析粒子の比表面積が20m/g以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)焼成温度が1000〜1100℃である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)得られるリチウム二次電池用正極材料用のリチウム含有複合酸化物の気孔率が50%以下である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法で得られるリチウム含有複合酸化物、導電剤、バインダー及び溶媒を混合して、得られるスラリーを金属箔に塗布した後、加熱により溶媒を除去して、得られるリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
(10)上記(9)の製造方法で得られる正極に、セパレータ、負極を積層して、電池ケースに収納した後、電解質の溶解する電解液を注入して、得られるリチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明によれば、生産性、充填密度、体積容量密度及び安全性が高く、充放電サイクル耐久性に優れた、リチウム二次電池正極材料として極めて有用なリチウムコバルト複合酸化物などのリチウム含有複合酸化物と、そのリチウム含有複合酸化物を含む正極及びリチウムイオン二次電池が提供される。
本発明の製造方法により、何故に上記効果を奏するリチウム含有複合酸化物が得られるのかについては、必ずしも明確ではないか、以下のように推定される。すなわち、非常に小さな粒子からなる大粒径の造粒粒子と、小粒径の晶析粒子とを混合した混合物を焼成することで、まず大粒径の造粒粒子とリチウム化合物との反応が斑なく均一に進行して、造粒粒子の内部及び外部を問わず、全体として均一に緻密に焼き締まる。その上、その造粒粒子の隙間に小粒径の晶析粒子が、小粒子の形状を維持した状態で、入り込むため、充填密度、体積容量密度が高いリチウム含有複合酸化物を得ることができると考えられる。
本発明に係る造粒粒子は、焼成時のリチウム化合物との反応において、高い反応性を示し、全体として均一に緻密に焼き締まったリチウム含有複合酸化物が得られる。該造粒粒子がリチウム化合物との高い反応性を示すのは、結晶性が低く、気孔率が高く、比表面積が大きいなどの物性を、一般的に、造粒粒子が有するためであると考えられる。また本発明に係る晶析粒子は、リチウム化合物との反応性が低いため、焼成時に、晶析粒子同士、又は晶析粒子と造粒粒子とが焼結して、大きな粒子となることなく、小さな粒子形状が保持されるため、小粒径のリチウム含有複合酸化物が形成される。この晶析粒子がリチウム化合物との低い反応性を示すのは、結晶性が高く、気孔率が低く、比表面積が小さいなどの物性を、一般的に、晶析粒子が有するためであると考えられる。その結果、非常に焼き締まりやすいため、緻密で、高い充填密度、体積容量密度を実現できる大きな粒子径を有する造粒粒子と、さらにその造粒粒子の隙間に、焼成後においても小さな粒子径を維持できる晶析粒子とを用いることで、従来のリチウム含有複合酸化物と比べて、充填密度、体積容量密度が顕著に向上したリチウム含有複合酸化物を得ることができると考えられる。
さらに、造粒粒子は嵩密度が低いため、造粒粒子を単独で使用する場合、焼成容器への充填量が少なくなる。しかし、造粒粒子と晶析粒子とを用いると、造粒粒子を単独で原料に用いる場合と比べて、晶析粒子の嵩密度が高いために、焼成容器に入る原料粉末の充填量を増やすことができるため、生産性が向上する。
本発明の製造方法で得られるリチウム含有複合酸化物は、上記したとおり、一般式Liで表される。w、x、y、z及びaはそれぞれ上記のとおりに定義されるが、なかでも下記の範囲が好ましい。0.95≦w≦1.3、0.925≦x≦1.0、0≦y≦0.075、1.9≦z≦2.1、0≦a≦0.03。さらに、w、x、y、z及びaは、それぞれ、下記がより好ましい。0.97≦w≦1.1、0.95≦x≦0.9995、0.0005≦y≦0.05、1.95≦z≦2.05、0.001≦a≦0.01。
本発明の製造方法で得られるリチウム含有複合酸化物がフッ素を含まない場合は、フッ素を含む場合と比べて、放電容量が高くなる傾向があり、容量を重視するときはa=0が好ましい。また、本発明のリチウム含有複合酸化物がフッ素を含む場合は、酸素の一部がフッ素で置換された正極活物質となり、安全性がさらに向上する傾向が見られるため、安全性を重視するときはaが上記の範囲内になるように、フッ素を含むことが好ましい。
上記一般式において、N元素は、Ni、Co及びMnからなる群から選ばれる少なくとも1種である。N元素は、なかでも、Co単独、Ni単独、CoとNiの組み合わせ、MnとNiの組み合わせ、又はCoとNiとMnの組み合わせである場合が好ましく、Co単独又はCoとNiとMnの組み合わせである場合がより好ましく、Co単独が特に好ましい。
上記一般式において、M元素は、Ni、Co及びMn以外の遷移金属元素、Al、Sn並びにアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。ここで、上記の遷移金属元素は、周期表の4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、又は12族の遷移金属を表す。なかでも、M元素は、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mg、Sn及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。特に、放電容量、安全性、充放電サイクル耐久性などの見地より、M元素は、Al、Ti、Zr、Nb及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
本発明の製造方法で使用される少なくともN元素を含有し、必要に応じてM元素を含有する造粒粒子及び晶析粒子は、両者の材料が必ずしも同じである必要はないが、両者は同じ材料を使用するのが好ましく、なかでも、水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。さらに、水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物及び炭酸塩の少なくとも1種がより好ましく、水酸化物又はオキシ水酸化物がより好ましく、水酸化物が特に好ましい。
本発明において、造粒粒子とは、スプレードライなどの粒子の造粒工程を経て得られる、一次粒子が凝集して形成される二次粒子をいう。造粒粒子を形成する一次粒子の平均粒子径は1μm以下であり、なかでも0.5μm以下が好ましく、さらには0.3μm以下がより好ましい。また、平均粒子径は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。造粒粒子を形成する一次粒子の平均粒子径がこの範囲にある場合、緻密で充填密度が高く、体積容量密度の高いリチウム含有複合酸化物を得ることができる。造粒粒子を形成する一次粒子の平均粒子径が1μmよりも大きい場合、得られるリチウム含有複合酸化物の充填密度と体積容量密度が低くなる。
なお、本発明において、造粒粒子を形成する一次粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(本発明においてSEMということがある)で観察することで求めることができる。超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(本発明においてFE−SEMということがある)を用いるとより高解像度の画像が得られるので、より好ましい。造粒粒子の表面をSEMで観察したり、また造粒粒子をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に包埋して、それを研磨して、粒子の断面をSEMで観察したりすることによって求めることができる。SEMの倍率は一次粒子の粒径によって観察しやすい倍率を選ぶことができるが、1万倍〜5万倍の倍率で観察した画像を用いると好ましい。観察した画像から、画像解析ソフト(例えば、マウンテック社製画像解析ソフトMacview ver3.5)を用い、50個以上の粒子を計測し、それらの円相当径の平均値から、一次粒子の平均粒子径が得られる。
また、本発明で使用される造粒粒子の平均粒子径は、10〜40μmである。平均粒子径が10μm未満であると、得られるリチウム含有複合酸化物の粒径が小さく、充填密度が低くなる傾向がある。平均粒子径が40μm超の場合、電極加工工程でアルミニウム箔などの集電体に正極活物質を塗工する際に、均一に塗工できない、又は正極活物質が集電体から剥離したりするため、集電体への塗工が難しくなる。なお、平均粒子径は、より好ましくは35μm以下であり、更に好ましくは30μm以下である。なお、本発明における平均粒子径とは、レーザー散乱粒度分布測定装置(例えば、日機装社製マイクロトラックHRAX−100などを用いる)により得られた体積粒度分布の累積50%の値を意味する。本発明においてこの平均粒子径を平均粒子径D50又は単にD50ということがある。また、後述するD10は累積10%の値、D90は累積90%の値を意味する。このとき、溶媒は造粒粒子が溶解しない、かつ再分散しない溶媒を選択する必要がある。本発明においては、造粒粒子を測定する際には、溶媒にアセトンを使用した。
本発明で使用される造粒粒子は、結晶性が低い粒子であると好ましい。造粒粒子のCuKα線を用いたX線回折スペクトルの回折ピークの半価幅が0.21°以上であると好ましく、なかでも0.21〜0.35°の範囲にあるとより好ましく、0.22〜0.3°がさらに好ましく、0.23〜0.28°が特に好ましい。なお、半価幅の測定の対象となる回折ピークは、10°〜50°に現れる回折スペクトルのうち、最も強度の強い回折ピークを測定対象に選ぶ。
例えば、造粒粒子が水酸化コバルトである場合、CuKα線を用いたX線回折スペクトルの2θ=38±1°の回折ピークから半価幅を求める。すなわち(101)面に由来する回折ピークから、半価幅を求める。また、造粒粒子がオキシ水酸化コバルトである場合は2θ=20°±1°の回折ピークを、造粒粒子が炭酸コバルトである場合は2θ=32.5±1°の回折ピークを、造粒粒子が四酸化三コバルトである場合は2θ=37±1°の回折ピークを半価幅の測定対象とする。さらに、造粒粒子が水酸化ニッケル、又はニッケル−コバルト−マンガンの共沈水酸化物、ニッケル-マンガンの共沈水酸化物である場合は2θ=19±1°の回線ピークを半価幅の測定対象とする。
本発明において、X線回折スペクトルの測定には、リガク社製RINT2200Vを用いて、Cu管球、CuKα線を用いて、加速電圧40KV、電流40mA、サンプリング間隔0.020°、スキャンスピード2.000°/minとして、X線回折スペクトルを測定した。
本発明で使用される造粒粒子の平均細孔径は、1μm以下であることが好ましい。なかでも平均細孔径は、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、なかでも0.1μm以上が特に好ましい。一方、平均細孔径は0.8μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらに好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。平均細孔径が上記範囲であると、焼成反応において、粒子の緻密化が進むため、特に充填密度が高く、体積容量密度の高いリチウム含有複合酸化物が得られる。上記平均細孔径が1μmよりも大きいと、リチウム含有複合酸化物の製造時に、粒子の緻密化が進まず、リチウム含有複合酸化物の充填密度と体積容量密度が低くなる傾向があり、好ましくない。
なお、本発明において、平均細孔径とは、水銀ポロシメーターによる、水銀圧入法によって、0.1kPa〜400MPaの圧力で水銀を圧入して細孔分布を測定し、その累積細孔体積の半数となる細孔径の数値を意味する。
本発明で使用される造粒粒子は、高い気孔率を有しており、気孔率は60%以上が好ましい。気孔率は、なかでも65%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。また、気孔率は、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましい。気孔率が高いと、リチウム原子が造粒粒子の内部に浸透しやすく、均一に反応を進めることができ、粒子全体が緻密なリチウム含有複合酸化物を得ることができる。しかしながら、気孔率が高すぎると、造粒粒子粉末が嵩高くなり、ハンドリングが難しくなることがある。一方、気孔率が低く、60%未満の場合には、粒子内の空隙が少なく、リチウム含有複合酸化物の合成時に表面と内部で反応に偏りができ、粒子の緻密化が均一に進まず、リチウム含有複合酸化物の充填密度が低く、体積容量密度が低くなる傾向が見られる。
本発明において、気孔率は、0.1kPa〜400MPaの圧力で、測定する粉末の二次粒子中に、水銀を圧入する水銀ポロシメーターを用いて求めることができる。本発明においては、カルロ・エルバ社製のPascal140及びPascal440を使用した。気孔率は、水銀が圧入される前のコバルト化合物二次粒子の嵩体積(V)に対する水銀ポロシメーターにより求めた細孔容積(V)の百分率を意味し、次式により算定される。
気孔率(%)=(V/V)×100
また、本発明で使用される造粒粒子の比表面積は、4〜100m/gが好ましく、より好ましくは8〜80m/g、さらには10〜60m/gが好ましい。比表面積がこの範囲にある場合、リチウム含有複合酸化物の合成反応が均一に起こり、緻密で、充填密度が高く、体積容量密度の高いリチウム複合酸化物が得られる。比表面積が4m/g以下の場合、合成反応の反応性が悪く、緻密なリチウム含有複合酸化物が得られにくく、充填密度、体積容量密度が低くなる傾向がある。比表面積が100m/g以上の場合、合成反応の反応性が高すぎ、均一な反応を進めることが難しく、いびつな形状で、充填密度が低く、体積容量密度が低いリチウム複合酸化物が得られる傾向がある。なお、本発明において、比表面積はBET法によって測定した。
また、本発明で使用される造粒粒子は、嵩密度が0.2g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.3g/cm以上、特には0.4g/cm以上が好ましい。嵩密度が0.2g/cm未満である場合、粉体が嵩高くなるため、リチウム化合物との混合及び焼成する際、生産性が低くなる傾向がある。一方、上限は、特に限定されないが、1.5g/cmが好ましく、より好ましくは1.2g/cm、特には1.0g/cmが好ましい。嵩密度が1.5g/cm超である場合、焼成において粒子が焼き締まり難くなる傾向がある。なお、本発明において、嵩密度及びは、セイシン企業社製「タップデンサー KYT−4000」を用い、目開き710μmの篩を通して、20mlのシリンダに粉体を入れてすり切り、入った粉体の重量とシリンダの容積から嵩密度を計算して得られる。
本発明で使用される造粒粒子は、実質上球状の粒子が好ましい。実質上球状とは、必ずしも真球である必要はなく、高い球状性を有することを意味する。したがって、アスペクト比は1〜1.20が好ましく、なかでも1〜1.15がより好ましく、さらには1〜1.10が特に好ましい。アスペクト比が1〜1.20である場合、合成したリチウム含有複合酸化物の球状性が高いため、充填密度が高く、体積容量密度が高くなる傾向がある。本発明において、アスペクト比は、SEMで写真観察して求めることができる。具体的には、造粒粒子を、エポキシ熱硬化性樹脂に包埋して、次いで粒子を切断した後、その切断面を研磨して粒子の断面を観察する。SEMで500倍の倍率で100〜300個の造粒粒子断面を測定する。このとき画像に写る全ての粒子が粒径測定の対象となるようにする。アスペクト比とは各々の粒子の最長径を、最長径の垂直径で割った値であり、それらの平均値が、本発明におけるアスペクト比である。なお、本発明においてはマウンテック社製画像解析ソフトMacview ver3.5 を使用して測定した。
本発明で使用される造粒粒子の製造方法は特に限定されないが、ニッケル、コバルト及びマンガンなどの元素を含む化合物の粒子を分散させたスラリーを噴霧乾燥して造粒粒子を得る方法が好ましい。なかでも、スラリー中に分散する各化合物の粒子の分散平均粒子径が1μm以下であり、該スラリー中の各化合物の固形分濃度が35重量%以上であり、かつ該スラリーの粘度が2〜500mPa・sであると好ましい。
本発明において、スラリーの固形分濃度は35重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、45重量%以上がさらに好ましい。また、スラリーの固形分濃度は、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。スラリーの固形分濃度が35〜80重量%にある場合、噴霧する液滴のサイズを調整することができ、得られる造粒粒子の粒径を容易に調整できる。またスラリー中の水分が少ないため、噴霧乾燥の際に、乾燥に必要なエネルギーも少なくなるため好ましい。
本発明で使用される造粒粒子を製造するにあたり、スラリーの粘度は、2mPa・s以上が好ましく、なかでも4mPa・s以上がより好ましく、6mPa・s以上がさらに好ましい。一方、スラリーの粘度は、500mPa・s以下が好ましく、なかでも400mPa・s以下がより好ましく、300mPa・s以下がさらに好ましく、100mPa・s以下が特に好ましい。スラリーの粘度が2〜500mPa・sである場合、造粒粒子の粒径を制御しやすく、かつ球状で均一な粒子を得やすく、さらにスラリーの流動性が保たれるため、溶液の搬送が容易で、かつ噴霧乾燥時にノズルの閉塞などが生じないため好ましい。スラリーの粘度は、一般に回転式粘度計や振動式粘度計によって測定されるが、粘度計の形式、測定条件により大きく値が変わる場合がある。本発明においては、ブルックフィールド社製デジタル回転粘度計DV−II+のLV型で少量サンプルユニットを用い、25℃、30rpmの条件にて測定し、粘度が100mPa・s以下の場合にはスピンドルNo.18を用い、100mPa・s以上の場合にはスピンドルNo.31を用いて測定する。
スラリーの噴霧乾燥においては、ディスクを高速に回転させて液滴を作製して、乾燥する噴霧乾燥装置や、二流体ノズル、四流体ノズルなどを用いてスラリーを噴霧して液滴を作製して、乾燥する噴霧乾燥装置を用いることができる。また、それぞれの装置の運転条件を調整することによって、任意の粒径を作製することができる。なお、噴霧乾燥機は特に限定しないが、なかでも噴霧エア量を調節することで、より粒径の作り分けが容易である、四流体ノズルを用いた噴霧乾燥機が好ましい。
一方、本発明において、晶析粒子とは、化合物が溶解した溶液から、アルカリ溶液を加えて、結晶を析出させることで、得られる粒子をいう。
また、本発明の製造方法で使用される晶析粒子の平均粒子径は、6μm以下であり、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。また、晶析粒子の平均粒子径は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。晶析粒子の平均粒子径が、0.5〜6μmである場合、得られるリチウム複合酸化物の粒度分布において、小粒径の成分として存在し、また、大粒子との粒径の差が大きくなることで、高い密度を有する正極材料が得られる。一方、小粒径の晶析粒子が6μm超である場合、合成後のリチウム含有複合酸化物の粒度分布において、小粒径の成分が少なくなり、また、大粒径との粒径の差が小さくなり、正極材料の密度が上がらない。また、晶析粒子の平均粒子径が0.5μm未満である場合、粒子の反応性が高くなるため、焼成工程において、周囲の粒子と焼結し、かつ粒成長する傾向があり、得られるリチウム含有複合酸化物の粒度分布において、小粒径の成分が少なくなり、かつ大粒径との粒径の差が小さくなり、正極材料の密度が低くなるため、好ましくない。なお、晶析粒子の平均粒子径を測定には、測定時の溶媒に水を用いた以外は、造粒粒子の平均粒子径の測定と同様の方法で測定した。
また、本発明で使用される晶析粒子は、0.1μmから5μmの一次粒子が単分散している粒子と、0.1μmから5μmの数個の一次粒子が凝集する二次粒子とからなり、これらが混合された状態が好ましい。
また、本発明で使用される晶析粒子は、結晶性が高い粒子であると好ましく、CuKα線を用いたX線回折スペクトルの回折ピークの半価幅が0.20°以下であると好ましく、なかでも0.18°以下がより好ましく、0.15°以下が特に好ましい。また、晶析粒子の半価幅は、0.05°以上が好ましい。なお、半価幅を測定する回折ピークは、化合物により異なり、上記した造粒粒子において、X線回折スペクトルの回折ピークの半価幅を求める場合と同様に、最も強い強度の回折ピークを測定対象に選び、半価幅を求める。例えば、晶析粒子が水酸化コバルトである場合、X線回折スペクトルの2θ=38±1°、すなわち(101)面の回折ピークから半値幅を求める。他の化合物についても、上記にて、造粒粒子のX線回折スペクトルの回折ピークの半価幅について説明したとおりである。なお、半価幅の値は粒子の結晶性と相関があり、半価幅の値が0.20°以下であると、晶析粒子の結晶性が高くなるため、晶析粒子の反応性が低くなり、焼成時におけるリチウム化合物との反応に伴う粒子の成長を抑制して、かつ周囲の粒子との焼結により粒子が大きくなることを抑制でき、粒径を維持したまま、小粒径のリチウム含有複合酸化物粒子が得られる。そのため、造粒粒子から形成される大粒径のリチウム含有複合酸化物粒子の隙間に、晶析粒子から形成される小粒径のリチウム含有複合酸化物粒子が入り込み易くなり、得られる電極の密度が高くなるため好ましい。
本発明で使用される晶析粒子には細孔がほとんど存在しない。実施例2で合成した晶析粒子の断面を撮影したSEM像である図4に示したとおり、粒子内部に、隙間がほとんど存在しない、すなわち細孔がほとんど存在しないことがわかる。このため、晶析粒子の反応性が低いことがわかる。
また、晶析粒子の気孔率は60%以下が好ましい。なかでも59%以下がより好ましく、58%以下がさらに好ましい。晶析粒子の気孔率は、50%以上が好ましく、53%以上がより好ましい。気孔率が低い粒子であると反応性が低いため、小さな粒子からなる晶析粒子が、粒径を維持したまま、焼成反応が進行するため、小さな粒子からなるリチウム含有複合酸化物が生成して、得られるリチウム含有複合酸化物の充填密度、及び体積容量密度が高くなる傾向が見られるため、好ましい。
また、晶析粒子の嵩密度は0.5g/cm以上が好ましく、0.6g/cm以上がより好ましく、0.7g/cm以上が特に好ましい。また、晶析粒子の嵩密度は、特に限定されないが、2.0g/cm以下が好ましく、1.8g/cm以下がより好ましく、1.5g/cm以下が特に好ましい。嵩密度が2.0g/cm以下である場合、造粒粒子、晶析粒子及びリチウム化合物を混合した混合物の粉末を、焼成サヤに多量に充填することができ、生産性が高くなるので好ましい。嵩密度がより小さいときには、焼成サヤに充填できる量が少なく、生産性が落ちるので好ましくない。また、嵩密度がより高い場合には、リチウム化合物や造粒粒子と嵩密度が大きく異なるために、混合粉が分離し、不均一な焼成となることがある。
また、晶析粒子の比表面積は、20m/g以下が好ましく、より好ましくは10m/g以下が、さらには8m/gが、特には5m/gが好ましい。また、該比表面積は、0.5m/g以上が好ましく、1.0m/g以上がより好ましい。比表面積が20m/g以下であると、小粒径の晶析粒子の反応性が低いため、焼成時の粒子の成長が抑制され、かつ周囲の粒子との焼結により粒子が大きくなることを抑制でき、粒径を維持したまま、小粒径のリチウム含有複合酸化物粒子が得られる。そのため、造粒粒子から形成される大粒径のリチウム含有複合酸化物粒子の隙間に、晶析粒子から形成される小粒径のリチウム含有複合酸化物粒子が入り込み易くなり、得られる電極の密度が高くなるため好ましい。
また、本発明で使用される晶析粒子の製造方法は、特に限定されないが、なかでもニッケル、コバルト及び/又はマンガンを含む化合物を溶解した水溶液を調製して、その水溶液に水酸化ナトリウムなどを溶解したアルカリ水溶液を滴下して、ニッケル、コバルト及び/又はマンガンを含む粒子を析出させ、その粒子をろ過、洗浄、乾燥させることで得られる。また、水に、ニッケル、コバルト及び/又はマンガンを含む化合物を溶解した水溶液と、アルカリ水溶液を滴下して、晶析粒子を合成することもできる。
この反応系において、5〜60重量%の濃度の溶液で、反応系の温度を30〜70℃の範囲でほぼ一定温度とし、pH10〜13の範囲内でほぼ一定値に保持した状態で0.5〜30時間の条件で反応させると、気孔率、平均細孔径、又は嵩密度などが好適な範囲となる傾向があり、好ましい。
本発明のリチウム含有複合酸化物の製造方法では、上記の造粒粒子、晶析粒子及びリチウム化合物を含む混合物を形成するが、ここで、使用されるリチウム化合物としては、特に限定されないが、炭酸リチウム、水酸化リチウム及び硝酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、なかでも炭酸リチウムがより好ましい。リチウム化合物の平均粒径は2〜25μmが好ましく、粉末状で使用される。また、上記混合物における、造粒粒子と晶析粒子との含有割合は、造粒粒子/晶析粒子の重量比が、好ましくは10/90〜90/10であり、更には、30/70以上がより好ましく、50/50以上がさらに好ましく、60/40以上が特に好ましく、また、85/15以下が好ましく、80/20以下がより好ましく、75/25以下が特に好ましい。
本発明において、上記造粒粒子、晶析粒子、及びリチウム化合物を含む混合物を得る手段は特に制限されず、3者を同時に混合してもよく、また、順次混合してもよい。
本発明において、上記混合物中における造粒粒子、晶析粒子及びリチウム化合物の含有量は、該混合物を焼成した後のリチウム含有複合酸化物が上記した一般式で表される組成になるように調整される。造粒粒子、晶析粒子及びリチウム化合物を含む混合物を焼成する際には、好ましくは大気中において、酸素含有雰囲気で、焼成温度を750〜1250℃とすることで、本発明のリチウム含有複合酸化物を好適に得られる。なかでも焼成温度は、1000〜1100℃が好ましく、1010〜1080℃がより好ましく、1030〜1070℃が特に好ましい。焼成する時間については、30分以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、3時間以上がさらに好ましい、また120時間以下が好ましく、60時間以下がより好ましく、30時間以下がさらに好ましい。焼成雰囲気における酸素含量は体積%で10〜40%が好ましい。上記条件下にて焼成する場合、造粒粒子は均一に焼き締まり、球状で、かつ緻密な粒径が大きいリチウム含有複合酸化物にでき、また晶析粒子は粒子の成長を抑えられ、小粒径のリチウム含有複合酸化物となる。そのため、緻密な大粒子と小粒子との双方を含む、高密度なリチウム含有複合酸化物が得られるので好ましい。こうして得られるリチウム含有複合酸化物は、リチウムイオン二次電池用の正極用途に適する。
本発明で得られるリチウム含有複合酸化物のプレス密度は好ましくは3.2〜3.6g/cm、特に好ましくは3.3〜3.5g/cmである。なお、本発明におけるプレス密度とは、粒子粉末5gを0.32t/cmの圧力でプレスしたときの見かけのプレス密度をいう。また、本発明に係るリチウム含有複合酸化物の平均粒子径は、10〜40μmが好ましく、12〜30μmがより好ましい。リチウム含有複合酸化物の平均粒子径を測定は、晶析粒子の平均粒子径の測定方法と同一の方法で測定した。なお、本発明で得られるリチウム含有複合酸化物の気孔率は、50%以下であると好ましく、なかでも48%以下であるとより好ましい。また、下限は40%が好ましく、43%であるとより好ましい。また本発明に係るリチウム含有複合酸化物の充放電電圧範囲2.5〜4.3Vにおける体積容量密度は510mAh/cm以上が好ましく、520mAh/cm以上がより好ましい。上限は特に規定されないが、750mAh/cm以下が好ましい。
本発明の製造方法で得られるリチウム含有複合酸化物が、大粒径の造粒粒子と小粒径の晶析粒子からなることが、本発明の製造方法により得られるリチウム含有複合酸化物の粒子を0.32t/cmの圧力でプレス加工した正極活物質の断面を撮影したSEM像である図1から確認できる。特に小粒径の晶析粒子が、焼成時に焼結が進み、小さな粒子が凝集して大きな粒子となったり、大きな粒子との焼結により小さな粒子が消失したりすることなく、小粒径の状態で維持されていることがわかった。さらに、本発明に係るリチウム含有複合酸化物は、造粒粒子は非常に球状性が高く、焼成により、良く焼き締まり、緻密で、密度の高い粒子となっており、さらに大粒径の造粒粒子の隙間に小粒径の晶析粒子が入り込んでおり、充填性が極めて高く、かつ充填密度が高いことがわかる。粒子の断面のSEM像は次のようにして撮影できる。まず、測定対象の粒子を、エポキシ熱硬化性樹脂に包埋して、次いで粒子を切断した後、その切断面を研磨して、その粒子の断面を撮影することで、粒子断面のSEM像が得られる。
本発明に関するリチウム含有複合酸化物を用いて、リチウム二次電池用の正極を得る方法は、常法に従って実施できる。例えば、本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック等のカーボン系導電材と、結合材とを混合することにより正極合剤が形成される。結合材には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂等が用いられる。
上記の正極合剤を、N−メチルピロリドンなどの分散媒に分散させたスラリーをアルミニウム箔等の正極集電体に塗工・乾燥及びプレス圧延せしめて正極活物質層を正極集電体上に形成する。
本発明の正極活物質を正極に使用するリチウム二次電池において、電解質溶液の溶質としては、ClO 、CFSO 、BF 、PF 、AsF 、SbF 、CFCO 、(CFSO等をアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上を使用することが好ましい。上記の電解質溶液又はポリマー電解質は、リチウム塩からなる電解質を前記溶媒又は溶媒含有ポリマーに0.2〜2.0mol/Lの濃度で添加するのが好ましい。この範囲を逸脱すると、イオン伝導度が低下し、電解質の電気伝導度が低下する。より好ましくは0.5〜1.5mol/Lが選定される。セパレータには多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンフィルムが使用される。
また、電解質溶液の溶媒としては炭酸エステルが好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれも使用できる。環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)等が例示される。鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が例示される。
上記炭酸エステルは単独でも2種以上を混合して使用してもよい。また、他の溶媒と混合して使用してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖状炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電特性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合がある。
また、これらの有機溶媒にフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(例えばアトケム社製カイナー)、フッ化ビニリデン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体を添加し、下記の溶質を加えることによりゲルポリマー電解質としても良い。
本発明の正極活物質を正極に使用するリチウム電池の負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料である。負極活物質を形成する材料は特に限定されないが、例えばリチウム金属、リチウム合金、炭素材料、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物、周期表14、15族の金属を主体とした酸化物等が挙げられる。
炭素材料としては、有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等を使用できる。また、酸化物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用できる。負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔等が用いられる。
本発明における正極活物質を使用するリチウム二次電池の形状には、特に制約はない。シート状(いわゆるフイルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用途に応じて選択される。
以下に実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはもちろんである。なお、以下の例1〜例5が本発明の実施例であり、例6〜例9が比較例である。
(例1)
30kgの水に水酸化コバルト粒子20kgを分散させて、スラリーを調製した。スラリーに分散させた水酸化コバルトの分散平均粒子径D50は0.3μmであり、D90は0.5μmであり、スラリーの粘度は9mPa・sであった。スラリーの粘度は、ブルックフィールド社製デジタル回転粘度計DV−II+のLV型、スピンドルNo.18を用いて、25℃、30rpmの条件にて、測定することにより求めることができる。また、スラリーを分取して、100℃で乾燥して測定した固形分濃度は40重量%であった。次いで、4粒体ノズルを装着したスプレードライヤー(藤崎電機株式会社製、MDP−050)を用いて、乾燥室の入り口温度を200℃、エア流量を500L/min、送液量を500ml/minの条件で、得られたスラリーを噴霧乾燥して、水酸化コバルトからなる造粒粒子を得た。
得られた造粒粒子を、レーザー回折式粒度分布計で、アセトン溶媒中にて粒度分布を測定したところ、造粒粒子の平均粒子径D50は21.0μm、D10が6.9μm、D90が42.0μmであった。水銀ポロシメーターを用いて、その造粒粒子の平均細孔径と気孔率を測定した結果、平均細孔径は0.13μm、気孔率は78%であった。造粒粒子の比表面積は22.1m/g、嵩密度は0.51g/cm、コバルトの含量は62.5重量%であった。また、X線回折により測定した(101)面の半価幅が0.265°であった。さらに、造粒粒子をエポキシ熱硬化性樹脂に包埋して、切断して、研磨処理をした後、SEMで粒子断面の写真を撮影した。画像解析ソフトを用いて、粒子形状を観察した結果、造粒粒子のアスペクト比は1.08であり、一次粒子の平均粒子径は0.3μmだった。また、得られた造粒粒子を、別途、エポキシ熱硬化性樹脂に包埋して、切断して、研磨処理をして、SEMで粒子断面を撮影して、得られたSEM像を図3に示す。得られた造粒粒子が、非常に小さい一次粒子が凝集して、形成された二次粒子であることがわかる。
また、コバルト含量が20.96重量%の硫酸コバルト7水和物7.5kgを、35kgの水に加えて、撹拌することで、硫酸コバルト7水和物が均一に溶解した、濃度が18重量%のコバルト水溶液を調製した。次いで、水2kgにpH11になるように、水酸化ナトリウム水溶液と、前記コバルト水溶液とを連続的に滴下して、水酸化コバルトの粒子を析出させ、pHを維持しつつ、さらに50℃で2時間攪拌させ、得られた水酸化コバルト粒子をろ過、水洗処理、及び乾燥を順次行い、水酸化コバルトからなる晶析粒子を得た。この晶析粒子は、平均粒子径が1.3μmであり、比表面積が4.5m/g、嵩密度が0.72g/cmであり、気孔率が58.6%であった。X線回折により測定した(101)面の半価幅が0.139°であった。また晶析粒子のコバルト含量は62.7重量%であった。
この水酸化コバルトからなる造粒粒子2242gと、水酸化コバルトからなる晶析粒子745gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.6g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に330g充填することができた。残った混合粉を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物(本発明において、単にLiCoOと表すことがある)の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は15.4μm、D10は6.7μm、D90は29.8μmであり、比表面積は0.34m/g、気孔率は45.4%、プレス密度は3.29g/cmであった。また、プレス密度測定後のLiCoOペレットを樹脂包埋して、断面を研磨して、その断面を撮影したSEM像を図1に示す。図1からわかるように、粒径が大きな粒子の隙間に、粒径が小さな粒子が入り込んでおり、本発明の製造方法により得られるリチウム含有複合酸化物が高い充填密度、体積容量密度を示すことがわかる。
さらに、このLiCoOの粉末と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデン粉末とを90/5/5の重量比で混合して、さらにN−メチルピロリドンを添加して、作成したスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔に、ドクターブレードを用いて、片面塗工した。アルミニウム箔に塗工したスラリーを乾燥した後、ロールプレス圧延を5回行うことにより、リチウム電池用の正極体シートを作製した。そして、上記正極体シートを打ち抜いたものを正極に用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極に用い、負極集電体にニッケル箔20μmを使用し、セパレータには厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用い、さらに電解液には、濃度1MのLiPF/EC+DEC(1:1)溶液(LiPFを溶質とするECとDECとの重量比(1:1)の混合溶液を意味する。後記する溶媒もこれに準じる)を用いてステンレス製簡易密閉セル型リチウム電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
上記の電池について、25℃にて正極活物質1gにつき75mAの負荷電流で4.3Vまで充電し、正極活物質1gにつき75mAの負荷電流にて2.5Vまで放電して初期放電容量を測定した。また、この電池について、引き続き充放電サイクル試験を30回行った。その結果、25℃、2.5〜4.3Vにおける初期放電容量は、162mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は97.7%であった。また、体積容量密度は533mAh/cmであった。なお、体積容量密度はプレス密度と放電容量の値を乗じたものである。
さらに同様の電池をもうひとつ作製した。この電池については、4.3Vで10時間充電し、アルゴングローブボックス内で解体し、充電後の正極体シートを取り出し、その正極体シートを洗浄後、直径3mmに打ち抜き、ECとともにアルミニウム製カプセルに密閉し、走査型差動熱量計にて5℃/分の速度で昇温して発熱開始温度を測定した。その結果、4.3V充電品の発熱開始温度は161℃であった。
(例2)
コバルト水溶液の濃度を25重量%のコバルト水溶液を調製して、反応系の温度を60℃にして、pHを10.5とした以外は例1と同様にして、水酸化コバルト粒子からなる晶析粒子を得た。この晶析粒子は、平均粒子径が4.5μmであり、比表面積が4.2m/g、嵩密度が0.74g/cmであり、(101)面の半価幅が0.129°であり、気孔率が57.3%であった。また、晶析粒子のコバルト含量が62.5重量%であった。また、得られた晶析粒子を、エポキシ熱硬化性樹脂に包埋して、切断して、研磨処理をして、SEMで粒子断面を撮影して、得られたSEM像を図4に示す。得られた晶析粒子の内部に、隙間がほとんど存在しない、すなわち細孔がほとんど存在しないことがわかる。
例1で作製した水酸化コバルト造粒粒子2242gと、該晶析粒子745gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウムを1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.6g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に340g充填することができた。残った粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は15.6μm、D10は7.5μm、D90は26.5μmであり、比表面積は0.28m/g、気孔率は49.3%、プレス密度は3.23g/cmであった。
初期放電容量は162mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は95.6%であり、体積容量密度は523mAh/cmであった。また発熱開始温度は162℃であった。
(例3)
例1と同様にして作製した水酸化コバルト造粒粒子1943gと、例2と同様にして作製した晶析粒子1046gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.7g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に370g充填することができた。残った粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は14.4μm、D10は6.8μm、D90は26.3μmであり、比表面積は0.29m/g、気孔率は48.0%、プレス密度は3.26g/cmであった。
初期放電容量は161mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は96.1%であり、体積容量密度は525mAh/cmであった。また発熱開始温度は161℃であった。
(例4)
37.1kgの水に水酸化コバルト粒子20kgを分散させ、スラリーを調製した。スラリーに分散させた水酸化コバルトの分散平均粒子径は0.3μmであり、スラリーの粘度は6mPa・sであり、固形分濃度は35重量%であった。エア流量を400L/minとした以外は例1と同様の条件で噴霧乾燥して、水酸化コバルトからなる造粒粒子を得た。
得られた造粒粒子の平均粒子径D50は27.4m、D10が9.1μm、D90が50.9μmであった。また、造粒粒子について、例1と同様にして物性を測定した結果、平均細孔径は0.14μm、気孔率は75%であり、比表面積は21.0m/g、嵩密度は0.52g/cm、アスペクト比は1.08であり、一次粒子の平均粒子径は0.3μm、コバルトの含量は62.2重量%、X線回折により測定した(101)面の半価幅は0.274°であった。であった。
得られた造粒粒子2252gと、例2と同様にして得られた晶析粒子747gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウムを1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.6g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に340g充填することができた。残った粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は19.1μm、D10は8.2μm、D90は33.7μmであり、比表面積は0.29m/g、気孔率は47.0%、プレス密度は3.27g/cmであった。
初期放電容量は161mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は95.5%であり、体積容量密度は526mAh/cmであった。また発熱開始温度は161℃であった。
(例5)
アルミニウム含量が4.4重量%の乳酸アルミニウム水溶液198gと、ジルコニウム含量が14.6重量%の炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液100gとを、水500gに加えて撹拌したのち、さらに水を加えて2kgのアルミニウム及びジルコニウムを溶解させた水溶液(以下、単にAlZr溶液という)を作製した。
さらに、35.1kgの水に、マグネシウム含量が41.6重量%であり、平均粒子径が0.3μmの水酸化マグネシウムの粉末18.6gを加え、撹拌して分散させ、さらにコバルト含量が62.5重量%である、20kgの水酸化コバルトを分散させた後、2kgのAlZr溶液を加えて撹拌してスラリーを作製した。スラリーに分散させた水酸化コバルトの分散平均粒子径は0.3μmであり、スラリーの粘度は21mPa・sであり、固形分濃度は35重量%であった。エア流量を375L/minとした以外は例1と同様の条件で、スラリーを噴霧乾燥して、水酸化コバルトからなる造粒粒子を得た。
得られた造粒粒子の平均粒子径D50は27.6μm、D10が8.9μm、D90が53.2μmであった。また、造粒粒子について、例1と同様にして物性を測定した結果、平均細孔径は0.13μm、気孔率は73%であり、アスペクト比は1.13、一次粒子径は0.3μmであり、比表面積は23.0m/gであり、嵩密度は0.50g/mであり、コバルトの含量は62.1重量%であり、X線回折により測定した(101)面の半価幅は0.253°であった。
また、硫酸コバルト、乳酸アルミニウム、硫酸マグネシウム及び塩化ジルコニルを均一に溶解して、モル比で、コバルト:アルミニウム:マグネシウム:ジルコニウム=99.75:0.1:0.1:0.05の割合で各元素を含む金属元素含有水溶液を調製した。次いで、pH11になるように、水酸化ナトリウム水溶液を、金属元素含有水溶液に滴下して、コバルト、アルミニウム、マグネシウム及びジルコニウムを含む水酸化物の粒子を析出させ、pHを維持しつつ、さらに60℃で6時間攪拌させ、得られた水酸化物の粒子をろ過、水洗処理、及び乾燥を順次行い、コバルト、アルミニウム、マグネシウム及びジルコニウムを含む水酸化物からなる晶析粒子を得た。晶析粒子のコバルト含量は62.4重量%、平均粒子径は3.3μm、気孔率は57.1%、比表面積は4.8m/g、嵩密度は0.70g/cm、(101)面の半価幅が0.145°であった。
得られた造粒粒子2252gと、得られた晶析粒子748gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1173gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.6g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に330g充填することができた。残った混合物の粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCo0.9975Al0.001Mg0.001Zr0.0005の組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このリチウム含有複合酸化物の平均粒子径D50は17.5μm、D10は7.2μm、D90は33.4μmであり、比表面積は0.38m/g、気孔率は44.2%、プレス密度は3.28g/cmであった。
初期放電容量は161mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は99.0%であり、体積容量密度は528mAh/cmであった。また発熱開始温度は163℃であった。
(例6)
例1と同様にして作製した水酸化コバルト造粒粒子2989gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.5g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に280g充填することができた。残った混合物の粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は17.7μm、D10は8.9μm、D90は28.2μmであり、比表面積は0.27m/g、気孔率は51.9%、プレス密度は3.05g/cmであった。また、プレス密度測定後のLiCoOペレットを樹脂包埋、断面を研磨して、その断面を撮影したSEM像を図2に示す。この図2と、例1で得られたLiCoOのSEM像である例1とを比較すると、LiCoOの粒子の間に、多数の隙間が存在していることがわかる。このため、充填密度、体積容量密度が低くなることがわかる。
また、初期放電容量は158mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は97.1%であり、体積容量密度は482mAh/cmであった。また発熱開始温度は160℃であった。
(例7)
例2と同様にして作製した水酸化コバルト晶析粒子2994gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は1.0g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に460g充填することができた。残った混合物の粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は5.9μm、D10は3.8μm、D90は9.2μmであり、比表面積は0.78m/g、気孔率は69.5%、プレス密度は2.94g/cmであった。
初期放電容量は160mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は94.6%であり、体積容量密度は470mAh/cmであった。また発熱開始温度は158℃であった。
(例8)
コバルト含量が20.96重量%の硫酸コバルト7水和物7.5kgを、35kgの水に加えて、撹拌することで、硫酸コバルト7水和物が均一に溶解した、濃度が18重量%のコバルト水溶液を調製した。次いで、水2kgにpH11になるように、水酸化ナトリウム水溶液と、前記コバルト水溶液とを連続的に滴下して、水酸化コバルトの粒子を析出させ、pHを維持しつつ、さらに30℃で18時間攪拌させ、得られた水酸化コバルト粒子をろ過、水洗処理、及び乾燥を順次行い、水酸化コバルトからなる晶析粒子を得た。
得られた晶析粒子は、平均粒子径が17.6μmであり、気孔率が56%であり、アスペクト比が1.20、比表面積が1.78m/gであり、嵩密度が1.7g/cm、コバルト含量が62.3重量%、X線回折により測定した(101)面の半価幅が0.185°であった。であった。得られた晶析粒子2249gと、例2と同様にして作製した晶析粒子748gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は1.1g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に470g充填することができた。残った混合物の粉末を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は17.2μm、D10は9.8μm、D90は25.3μmであり、比表面積は0.27m/g、気孔率は53.4%、プレス密度は3.08g/cmであった。
初期放電容量は160mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は96.0%であり、体積容量密度は493mAh/cmであった。また発熱開始温度は160℃であった。
(例9)
80kgの水に水酸化コバルト粒子20kgを分散させ、スラリーを調製した。スラリーに分散させた水酸化コバルトの分散平均粒子径は0.3μmであり、スラリーの粘度は2mPa・sであり、固形分濃度は20重量%であった。このスラリーを、エア流量を1000L/minで噴霧乾燥して水酸化コバルト造粒粒子を得た。
得られた造粒粒子の平均粒子径D50は5.7m、D10が3.1μm、D90が11.6μmであった。得られた造粒粒子の平均細孔径は0.12μm、気孔率は80%であり、アスペクト比は1.10、一次粒子の平均粒子径は0.3μmであり、比表面積は24.3m/g、嵩密度は0.43g/cm、コバルトの含量は62.1重量%、また、X線回折により測定した(101)面の半価幅は0.283°であった。
この造粒粒子752gと、例1と同様にして作製した水酸化コバルトからなる造粒粒子2242gと、リチウム含量が18.7重量%の炭酸リチウム1171gとを混合して、混合物の粉末を作製した。この混合物の粉末の嵩密度は0.5g/cmであり、内寸97mm×97mm×47mmの焼成容器に270g充填することができた。残った混合粉を300mm×300mm×50mmの焼成容器に入れ、大気雰囲気中、1030℃で14時間焼成した後、解砕してLiCoOの組成で表されるリチウム含有複合酸化物の粉末を得た。このLiCoOの平均粒子径D50は15.6μm、D10は7.9μm、D90は28.4μmであり、比表面積は0.38m/g、気孔率は55.0%、プレス密度は3.15g/cmであった。
初期放電容量は160mAh/gであり、30回充放電サイクル後の容量維持率は94.8%であり、体積容量密度は504mAh/cmであった。また発熱開始温度は160℃であった。
本発明によれば、充填密度、体積容量密度及び安全性が高く、充放電サイクル耐久性に優れたリチウムイオン二次電池用正極材料用のリチウム含有複合酸化物の製造方法、並びに該製造方法により得られたリチウムコバルト複合酸化物を含むリチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池の製造方法を提供できる。
例1で得られたリチウム含有複合酸化物を0.32t/cmの圧力でプレス成形したペレットの断面を撮影したSEM像。 例6で得られたリチウム含有複合酸化物を0.32t/cmの圧力でプレス成形したペレットの断面を撮影したSEM像。 例1で合成した造粒粒子の粒子断面を撮影したSEM像。 例2で合成した晶析粒子の粒子断面を撮影したSEM像。

Claims (10)

  1. 一般式Li(但し、Nは、Ni、Co及びMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Mは、Ni、Co及びMn以外の遷移金属元素、Al、Sn並びにアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、かつ0.9≦w≦1.3、0.9≦x≦2、0≦y≦0.1、1.9≦z≦4.1、0≦a<0.05を満たす)で表されるリチウム含有複合酸化物の製造方法であって、一次粒子の平均粒子径が1μm以下の粒子からなる平均粒子径が10〜40μmの少なくともN元素を含有する造粒粒子と、平均粒子径が6μm以下の少なくともN元素を含有する晶析粒子とを、造粒粒子/晶析粒子の重量比が10/90〜90/10で含み、かつリチウム化合物を含む混合物の粉末を、酸素含有雰囲気で750〜1250℃で焼成することを特徴とするリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  2. 造粒粒子の気孔率が60%以上である請求項1に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  3. 造粒粒子の平均細孔径が1μm以下である請求項1又は2に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  4. 晶析粒子の嵩密度が0.5g/cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  5. 造粒粒子及び晶析粒子のX線回折スペクトルの半価幅が、造粒粒子においては0.21°以上であり、晶析粒子においては0.20°以下である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  6. 晶析粒子の比表面積が20m/g以下である請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  7. 焼成温度が1000〜1100℃である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  8. 得られるリチウム含有複合酸化物の気孔率が50%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られるリチウム含有複合酸化物、導電剤、バインダー及び溶媒を混合して、得られるスラリーを金属箔に塗布した後、加熱により溶媒を除去して、得られるリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  10. 請求項9の製造方法で得られる正極に、セパレータ、負極を積層して、電池ケースに収納した後、電解質の溶解する電解液を注入して、得られるリチウムイオン二次電池の製造方法。
JP2008241491A 2008-09-19 2008-09-19 リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。 Expired - Fee Related JP5162388B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008241491A JP5162388B2 (ja) 2008-09-19 2008-09-19 リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008241491A JP5162388B2 (ja) 2008-09-19 2008-09-19 リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010070427A true JP2010070427A (ja) 2010-04-02
JP5162388B2 JP5162388B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=42202572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008241491A Expired - Fee Related JP5162388B2 (ja) 2008-09-19 2008-09-19 リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5162388B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013531602A (ja) * 2010-06-25 2013-08-08 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 元素のリチウム、マンガン、ニッケル、及びコバルトを含有する混合酸化物粉末、及び当該粉末の製造方法
JP2014506723A (ja) * 2011-02-25 2014-03-17 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド リチウムイオンセル設計装置および方法
US8980125B2 (en) 2009-05-07 2015-03-17 Sony Corporation Active material, battery, and method for manufacturing electrode
WO2016108386A1 (ko) * 2014-12-31 2016-07-07 삼성에스디아이 주식회사 리튬이온 이차전지용 양극 활물질, 그의 제조방법 및 이것을 포함하는 리튬이온 이차전지
WO2017150055A1 (ja) * 2016-03-04 2017-09-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
WO2017208894A1 (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 日立金属株式会社 リチウムイオン二次電池用正極活物質及びそれを使用したリチウムイオン二次電池
US10193150B2 (en) 2014-07-07 2019-01-29 Hitachi Metals, Ltd. Lithium ion secondary battery cathode material, lithium ion secondary battery cathode and lithium ion secondary battery that use same, and method for manufacturing lithium ion secondary battery cathode material
CN112599742A (zh) * 2020-12-14 2021-04-02 宁德新能源科技有限公司 电化学装置和电子装置
WO2022080108A1 (ja) * 2020-10-13 2022-04-21 国立大学法人信州大学 リチウムイオン二次電池およびその正極
US20220140338A1 (en) * 2020-10-29 2022-05-05 Samsung Sdi Co., Ltd. Nickel-based active material, positive electrode including the same, and lithium secondary battery employing the positive electrode
WO2023074427A1 (ja) 2021-10-28 2023-05-04 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
WO2023167235A1 (ja) * 2022-03-03 2023-09-07 株式会社Gsユアサ 蓄電素子及び蓄電装置
JP7405929B1 (ja) 2022-10-03 2023-12-26 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003077459A (ja) * 2001-08-30 2003-03-14 Mitsubishi Cable Ind Ltd リチウム二次電池用の正極活物質および正極、並びにリチウム二次電池
WO2004023583A1 (ja) * 2002-09-03 2004-03-18 Seimi Chemical Co., Ltd. リチウム二次電池正極用のリチウムコバルト複合酸化物の製造方法
JP2004119218A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Seimi Chem Co Ltd リチウム二次電池用の正極活物質及びその製造方法
JP2004296093A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Nippon Shokubai Co Ltd 固体酸化物形燃料電池用アノード支持基板およびその製法
WO2008084679A1 (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Agc Seimi Chemical Co., Ltd. リチウム含有複合酸化物及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003077459A (ja) * 2001-08-30 2003-03-14 Mitsubishi Cable Ind Ltd リチウム二次電池用の正極活物質および正極、並びにリチウム二次電池
WO2004023583A1 (ja) * 2002-09-03 2004-03-18 Seimi Chemical Co., Ltd. リチウム二次電池正極用のリチウムコバルト複合酸化物の製造方法
JP2004119218A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Seimi Chem Co Ltd リチウム二次電池用の正極活物質及びその製造方法
JP2004296093A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Nippon Shokubai Co Ltd 固体酸化物形燃料電池用アノード支持基板およびその製法
WO2008084679A1 (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Agc Seimi Chemical Co., Ltd. リチウム含有複合酸化物及びその製造方法

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8980125B2 (en) 2009-05-07 2015-03-17 Sony Corporation Active material, battery, and method for manufacturing electrode
JP2013531602A (ja) * 2010-06-25 2013-08-08 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 元素のリチウム、マンガン、ニッケル、及びコバルトを含有する混合酸化物粉末、及び当該粉末の製造方法
JP2014506723A (ja) * 2011-02-25 2014-03-17 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド リチウムイオンセル設計装置および方法
US10193150B2 (en) 2014-07-07 2019-01-29 Hitachi Metals, Ltd. Lithium ion secondary battery cathode material, lithium ion secondary battery cathode and lithium ion secondary battery that use same, and method for manufacturing lithium ion secondary battery cathode material
WO2016108386A1 (ko) * 2014-12-31 2016-07-07 삼성에스디아이 주식회사 리튬이온 이차전지용 양극 활물질, 그의 제조방법 및 이것을 포함하는 리튬이온 이차전지
US10347933B2 (en) 2014-12-31 2019-07-09 Samsung Sdi Co., Ltd. Cathode active material for lithium-ion secondary battery, manufacturing method therefor and lithium-ion secondary battery comprising same
WO2017150055A1 (ja) * 2016-03-04 2017-09-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
JP7022940B2 (ja) 2016-03-04 2022-02-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
US10910631B2 (en) 2016-03-04 2021-02-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
JPWO2017150055A1 (ja) * 2016-03-04 2019-01-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
US10461328B2 (en) 2016-05-30 2019-10-29 Hitachi Metals, Ltd. Cathode active material used for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery using same
JPWO2017208894A1 (ja) * 2016-05-30 2018-08-02 日立金属株式会社 リチウムイオン二次電池用正極活物質及びそれを使用したリチウムイオン二次電池
WO2017208894A1 (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 日立金属株式会社 リチウムイオン二次電池用正極活物質及びそれを使用したリチウムイオン二次電池
WO2022080108A1 (ja) * 2020-10-13 2022-04-21 国立大学法人信州大学 リチウムイオン二次電池およびその正極
JP2022064294A (ja) * 2020-10-13 2022-04-25 国立大学法人信州大学 リチウムイオン二次電池およびその正極およびその正極の製造方法
JP7148937B2 (ja) 2020-10-13 2022-10-06 国立大学法人信州大学 リチウムイオン二次電池の正極の製造方法
US20220140338A1 (en) * 2020-10-29 2022-05-05 Samsung Sdi Co., Ltd. Nickel-based active material, positive electrode including the same, and lithium secondary battery employing the positive electrode
CN112599742A (zh) * 2020-12-14 2021-04-02 宁德新能源科技有限公司 电化学装置和电子装置
WO2023074427A1 (ja) 2021-10-28 2023-05-04 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
WO2023167235A1 (ja) * 2022-03-03 2023-09-07 株式会社Gsユアサ 蓄電素子及び蓄電装置
JP7405929B1 (ja) 2022-10-03 2023-12-26 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
WO2024075551A1 (ja) * 2022-10-03 2024-04-11 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5162388B2 (ja) 2013-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5162388B2 (ja) リチウムイオン二次電池に適したリチウム含有複合酸化物の製造方法。
JP7400033B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質
JP5460329B2 (ja) リチウム二次電池正極活物質の原料用の遷移金属化合物造粒体の製造方法
JP4943145B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質粉末
JP5132360B2 (ja) リチウムイオン二次電池正極活物質用リチウムコバルト複合酸化物の製造方法
JP4318313B2 (ja) リチウム二次電池用の正極活物質粉末
KR101842823B1 (ko) 니켈 복합 수산화물과 그의 제조 방법, 비수계 전해질 이차 전지용 정극 활물질과 그의 제조 방법, 및 비수계 전해질 이차 전지
KR100629129B1 (ko) 리튬 2차 전지용 양극활물질 분말
WO2009099158A1 (ja) リチウムイオン二次電池正極活物質用の造粒体粉末の製造方法
JP4276442B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質粉末
JP2010067614A (ja) リチウム二次電池正極用のリチウム含有複合酸化物の製造方法
JP2004119218A (ja) リチウム二次電池用の正極活物質及びその製造方法
JP6760620B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の製造方法および前記正極活物質を含むリチウム二次電池
WO2012020769A1 (ja) ニッケル含有複合化合物の製造方法
JP4329434B2 (ja) リチウム二次電池用正極及びそれを用いたリチウム二次電池
WO2009099156A1 (ja) リチウムイオン二次電池正極活物質用の造粒体粉末の製造方法
JP2004006277A (ja) リチウム二次電池用正極材料およびそれを用いた二次電池ならびにリチウム二次電池用正極材料の製造方法
JP4199506B2 (ja) リチウム二次電池用の正極活物質の製造方法
JP4209646B2 (ja) 二次電池正極用のリチウムコバルト複合酸化物の製造方法
JP4472430B2 (ja) リチウム二次電池正極用のリチウム複合酸化物の製造方法
WO2012147877A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質用の表面修飾リチウム含有複合酸化物及びその製造方法
JP5354112B2 (ja) 非水系二次電池用正極活物質の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees