JP2010069689A - 液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】内部空間を外部に連通させて大気開放することができ、且つ強度の向上および製品の信頼性の向上を図ることができる液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】流路が形成された流路形成基板201を含む積層された複数枚の基板218,215,210,201,207を具備し、各基板間に形成された内部空間と内部空間を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路230Aとを有する液体噴射ヘッドの製造方法であり、基板に大気開放連通路230Aの少なくとも一部を構成し基板の積層方向に沿って基板を貫通する大気開放貫通部222を形成する貫通部形成工程と、基板を積層した状態で大気開放貫通部222に棒状の位置決め部材500を挿入することで各基板の相対的な位置決めを行う位置決め工程と、各基板の相対的な位置決めをした状態で各基板をそれぞれ接合固定する固定工程とを有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクなどの液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドに関する。
従来から、圧電素子、あるいは発熱素子等の圧力発生手段によって液体に圧力を付与することで、ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドが知られており、その代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。
このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、圧力発生室を含む流路が形成された流路形成基板と、圧力発生室に対向して設けられた圧電素子と、流路形成基板の一方面側に接合され各圧力発生室の共通の液体室となるリザーバと圧電素子を収容する空間である圧電素子保持部が設けられたリザーバ形成基板と、リザーバ形成基板の流路形成基板とは反対側の面に接合されリザーバの開口部を封止する可撓部を備えたコンプライアンス基板と、流路形成基板の他方面側に接合され圧力発生室に連通するノズル開口が穿設されたノズルプレートとを備え、圧力発生室を圧電素子で加圧することで、ノズル開口から液滴を吐出するものが知られている。また、このようなインクジェット式記録ヘッドには、コンプライアンス基板に接合されコンプライアンス基板の可撓部の変形を阻害しない程度の空間である逃げ凹部(可撓部保持部)を備えるヘッドケースが接合されているものが知られている。
こうしたインクジェット式記録ヘッドでは、一般に、流路等とは別に、各部材に亘って貫通する位置決め用貫通孔が設けられ、位置決め用貫通孔に、治具に立設された位置決めピンを挿通させることで、各部材の相対的な位置決めを行っている。
ここで、上記のようなインクジェット式記録ヘッドには、位置決め用貫通孔の他に、ヘッドケースに、可撓部保持部を外部空間と連通させる連通路が形成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。つまり特許文献1では、コンプライアンス基板の可撓部の撓み変形に応じて、連通路から可撓部保持部内の空気を外部に放出し、或いは、外部の空気を貫通路から可撓部保持部内に流入させている。
特開2006−256006号公報
ところで、インクジェット式記録ヘッドは、従来から小型化が図られているが、さらなる小型化が望まれている。しかしながら、上述した特許文献1に記載されるような連通路が設けられたインクジェット式記録ヘッドは、位置決め用貫通孔の他に、各部材に亘る連通路が設けられた構成であるため、小型化を図るにつれて十分な強度が保持できない虞があった。特に、ヘッドケースは、可撓部保持部と外部空間とを連通する連通路が設けられる分だけ他の部材よりも貫通孔の数が多く、十分な強度が保持できない可能性が比較的高かった。こうした強度不足は、当然製品の信頼性を低下させる原因となってしまう。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク以外の液体を吐出する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、内部空間を外部に連通させて大気開放することができ、且つ強度の向上および製品の信頼性の向上を図ることができる液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体が流れる流路が形成された流路形成基板を含む積層された複数枚の基板を具備し、該基板間に形成された内部空間と、前記内部空間を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路とを有する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記基板に、前記大気開放連通路の少なくとも一部を構成し前記基板の積層方向に沿って該基板を貫通する大気開放貫通部を形成する貫通部形成工程と、前記基板を積層した状態で前記大気開放貫通部に棒状の位置決め部材を挿入することで前記各基板の相対的な位置決めを行う位置決め工程と、前記各基板の相対的な位置決めをした状態で前記各基板をそれぞれ接合固定する固定工程とを有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、大気開放貫通部を利用して位置決め工程を行うので、従来、各基板の相対的な位置決めを行うために必要だった位置決め用の貫通孔を省略することができる。よって、内部空間を外部に連通させて大気開放することができると共に、大気開放用の貫通孔と位置決め用の貫通孔とを設けていた従来の液体噴射ヘッドよりも、強度の向上および製品の信頼性の向上が図られた液体噴射ヘッドを製造することができる。
ここで、前記固定工程の後に、前記大気開放貫通部の一方の開口部を封止する封止工程をさらに有することが好ましい。これによれば、大気開放貫通部内が汚損され難くなり、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
また、本発明の他の態様は、液体が流れる流路が形成された流路形成基板を含む積層された複数枚の基板を具備すると共に、該基板間に形成された内部空間と、前記内部空間を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路とを有し、前記大気開放連通路は、前記基板の積層方向に沿って複数の前記基板を貫通して設けられた大気開放貫通部を少なくとも有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、製造時に大気開放貫通部を利用する、具体的には棒状の位置決め部材を大気開放貫通部に挿入することで、各基板の相対的な位置決めを行うことができるので、従来、各基板の相対的な位置決めを行うために必要だった位置決め用の貫通孔を省略することができる。よって、内部空間を外部に連通させて大気開放することができると共に、大気開放用の貫通孔と位置決め用の貫通孔とを設けていた従来の液体噴射ヘッドよりも、構造面での強度の向上および製品の信頼性の向上を図ることができる。
ここで、前記基板は、前記流路形成基板の一方面側に接合され液体を貯留するリザーバが形成されたリザーバ形成基板と、前記リザーバ形成基板の前記流路形成基板とは反対側に接合され前記リザーバに対向する領域に撓み変形可能な可撓部を有するコンプライアンス基板と、前記コンプライアンス基板の前記リザーバ形成基板とは反対側に接合され前記可撓部に対向する領域に該可撓部の変形を阻害しない程度の空間からなる可撓部保持部を有するヘッドケースとをさらに含み、前記可撓部保持部は、前記大気開放連通路の一部を構成し前記基板に設けられた第1の連通部によって前記大気開放貫通部に連通されていることが好ましい。これによれば、製造時において棒状の位置決め部材を大気開放貫通部に挿入することで各基板の相対的な位置決めを行う位置決め工程を行う際に、可撓部保持部に直接位置決め部材が接触することが確実に防止されるので、歩留まりを向上させることができる。
また、前記流路形成基板の前記リザーバ形成基板側の面には前記流路内の圧力を変動させる圧電素子が設けられ、前記リザーバ形成基板には前記圧電素子の変形を阻害しない程度の空間からなる圧電素子保持部が形成され、前記圧電素子保持部は、前記大気開放連通路の一部を構成し前記基板に設けられた第2の連通部によって前記大気開放貫通部に連通されていることが好ましい。これによれば、製造時において棒状の位置決め部材を大気開放貫通部に挿入することで各基板の相対的な位置決めを行う位置決め工程を行う際に、圧電素子保持部に直接位置決め部材が接触することが確実に防止されるので、歩留まりを向上させることができる。
また、前記大気開放貫通部の一方の開口部が、封止されていることが好ましい。これによれば、大気開放貫通部内が汚損され難くなり、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッドユニットを示す分解斜視図である。
本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド1は、カートリッジケース100と、記録ヘッド本体200と、記録ヘッド本体200の後述するノズルプレート207に接着されて記録ヘッド本体200が位置決め固定される接合部材としての固定板300と、カバーヘッド400とで構成されている。
カートリッジケース100は、インク供給手段(液体供給手段)であるインクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着される板状のカートリッジ装着部101を有する。また、カートリッジケース100には、一端が各カートリッジ装着部101に開口し、他端が記録ヘッド本体200側に開口する複数のインク連通路(図示なし)が設けられている。さらに、インク連通路のカートリッジ装着部101側の開口部分には、インクカートリッジに挿入されるインク供給針102が固定されている。
カートリッジケース100の底面側には、所定間隔で位置決めされた複数(本実施形態では4つ)の記録ヘッド本体200が固定されている。具体的には、記録ヘッド本体200は、各記録ヘッド本体200に対応する4つの開口部301を有する固定板300に、各記録ヘッド本体200の後述するノズル206が開口部301から露出する状態で、それぞれ位置決め固定されている。また、記録ヘッド本体200は、各記録ヘッド本体200に対応する4つの開口部401を有し固定板300の外側に設けられたカバーヘッド400によって、同様にノズル206が開口部401から露出する状態で、カートリッジケース100に固定されている。
以下、インクジェット式記録ヘッド1の記録ヘッド本体200について、図2および図3を参照して説明する。図2は、本実施形態の記録ヘッド本体の分解斜視図であり、図3は、記録ヘッド本体の短尺方向での断面図である。
図示するように記録ヘッド本体200を構成する流路形成基板201は、例えばシリコン単結晶基板からなり、その一方面には二酸化シリコンからなる弾性膜202が形成されている。この流路形成基板201には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の圧力発生室203が並設されている。例えば、本実施形態では、幅方向に並設された圧力発生室203の列が2列、流路形成基板201に形成されている。各圧力発生室203の列の外側には、後述するリザーバ形成基板に設けられるリザーバ部と連通し、各圧力発生室203の共通のインク室となるリザーバを構成する連通部204が形成されている。また、連通部204は、インク供給路205を介して各圧力発生室203の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
この流路形成基板201の開口面側には、圧力発生室203に連通するノズル206が穿設されたノズルプレート207が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。
一方、流路形成基板201の開口面とは反対側の弾性膜202上には、例えば、金属からなる下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜とを順次積層することで形成された圧電素子208が形成されている。
このような圧電素子208が形成された流路形成基板201上には、リザーバ部209を有するリザーバ形成基板210が接合されている。リザーバ部209は、本実施形態では、リザーバ形成基板210を厚さ方向に貫通して圧力発生室203の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板201の連通部204と連通されて各圧力発生室203の共通のインク室となるリザーバ211を構成している。なお、リザーバ形成基板210は、本実施形態では、シリコン単結晶基板で形成されている。また、リザーバ形成基板210の圧電素子208に対向する領域には、圧電素子208の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部212が設けられている。
さらに、リザーバ形成基板210上には、各圧電素子208を駆動するための駆動IC213が設けられている。この駆動IC213の各端子は、図示しないが、ボンディングワイヤ等を介して各圧電素子208の個別電極から引き出されたリード電極と接続されている。そして、駆動IC213の各端子には、フレキシブルプリント基板(FPC)等の外部配線214が接続され、この外部配線214を介して印刷信号等の各種信号が駆動IC213に送られるようになっている。
このようなリザーバ形成基板210上には、コンプライアンス基板215が接合されている。コンプライアンス基板215のリザーバ211に対向する領域には、リザーバ211にインクを供給するためのインク導入口216が形成されている。また、コンプライアンス基板215のリザーバ211に対向する領域のインク導入口216以外の領域は、厚さ方向に薄く形成され撓み変形可能に構成された可撓部217となっており、リザーバ211は、この可撓部217によって封止されている。
さらに、コンプライアンス基板215上にはヘッドケース218が接合されている。ヘッドケース218は、コンプライアンス基板215に設けられたインク導入口216に連通すると共にカートリッジケース100のインク連通路に連通するインク供給連通路219が設けられている。インク導入口216は、各リザーバ211に対応して設けられているため、インク供給連通路219も、各ヘッドケース218にそれぞれ二つ形成されている。またヘッドケース218のコンプライアンス基板215の接合面におけるリザーバ211の開口面に対応する領域(可撓部217に対応する領域)には、可撓部保持部220が厚さ方向に凹設されている。可撓部保持部220は、圧力発生室203を含むインクが流れる流路内の圧力変動に伴う可撓部217の撓み変形を許容可能な程度の大きさに設けられている。具体的には、可撓部保持部220は、記録ヘッド本体200の長手方向において、リザーバ211よりも外側に両端部が位置する程度の大きさに設けられている(図5参照)。また、ヘッドケース218には、リザーバ形成基板210上に設けられた駆動IC213に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部221が設けられており、外部配線214は、駆動IC保持部221を挿通して駆動IC213と接続されている。
このように構成された記録ヘッド本体200は、リザーバ211からノズル206に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC213からの記録信号に従い、圧力発生室203に対応するそれぞれの圧電素子208に電圧を印加し、弾性膜202および圧電素子208を撓み変形させて各圧力発生室203内のインクに圧力を付与することにより、ノズル206からインク滴を吐出させる。
ここで、図2に示すように、各基板、すなわちヘッドケース218、コンプライアンス基板215、リザーバ形成基板210、流路形成基板201、およびノズルプレート207の長手方向の両端部には、基板の積層方向に沿って各基板を貫通する大気開放貫通部222が設けられている。また大気開放貫通部222は、後述するが基板間に設けられた内部空間(本実施形態では、可撓部保持部220と圧電素子保持部212)を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路の一部を構成している。
ここで、大気開放連通路について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、上述した記録ヘッド本体の平面方向での概略図であり、図5は、そのA−A′線断面図、図6は、そのB−B′線断面図である。
図示するように、本実施形態では、大気開放連通路230Aは、可撓部保持部220に連通する、記録ヘッド本体200の長手方向において可撓部保持部の一方の端部側に設けられた第1の連通部223と、この第1の連通部223に連通する大気開放貫通部222とで構成されている。つまり、ヘッドケース218とコンプライアンス基板215との間に設けられた内部空間である可撓部保持部220は、記録ヘッド本体200の長手方向において、可撓部保持部220の一方の端部側に設けられた第1の連通部223によって一方の大気開放貫通部222に連通されている。また、図示するように、流路形成基板201とリザーバ形成基板210との間に設けられた内部空間である圧電素子保持部212は、記録ヘッド本体200の長手方向において、圧電素子保持部212の一方の端部側に設けられた第2の連通部224によって一方の大気開放貫通部222に連通されている。すなわち、第2の連通部224と大気開放貫通部222とにより大気開放連通路230Bが形成されている。また、図示するように、大気開放貫通部222のノズルプレート207側の開口部は、モールド材225によって封止されている。
第1の連通部223は、コンプライアンス基板215の、可撓部217の外側の厚膜部分であって、可撓部保持部220の一方の大気開放貫通部222側に対応する部分を厚さ方向に貫通する貫通部223aと、貫通部223aに連続してリザーバ形成基板のコンプライアンス基板215側の面に沿って溝状に大気開放貫通部222まで凹設された溝部223bとで構成されている。ここで、第1の連通部223の断面積は、大気開放貫通部222の断面積よりも小さい方が好ましい。リザーバ211内のインクは、時間の経過と共に溶媒が可撓部217から蒸発する場合があるが、可撓部保持部220から大気開放貫通部222に至るまでの経路(大気開放連通路230A)において一度断面積が絞られることで、溶媒の蒸発量を可及的に低減してインクの増粘を防止することができるからである。本実施形態では、第1の連通部223の断面積は、大気開放貫通部222の断面積よりも小さく形成されている。なお、第1の連通部223が、コンプライアンス基板215を貫通しリザーバ形成基板210の上面に沿った経路で設けられているのは、エッチングなどで、比較的簡単且つ精密に大気開放貫通部222よりも径を小さく形成することができるからである。なお、第1の連通部223は、ヘッドケース218に設けられていてもよい。このような第1の連通部223により、記録ヘッド本体200の内部空間である可撓部保持部220は、大気開放貫通部222に連通されて外部に大気開放されている。よって、可撓部217の変形に伴い、可撓部保持部220内の空気が外部に放出、あるいは、外部の空気が可撓部保持部220内に流入し、可撓部保持部220内の圧力は常に一定に保持される。したがって、例えば可撓部保持部220内の圧力が急激に変動することはなくなり、製品の信頼性が向上される。
一方、第2の連通部224は、リザーバ形成基板210に、圧電素子保持部212の一方の大気開放貫通部222側の端部からこの大気開放貫通部222に横穴状に連通して設けられている。そして、第1の連通部223と同様に、大気開放貫通部222と共に、内部空間を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路230Bを構成している。このような第2の連通部224により、記録ヘッド本体200の内部空間である圧電素子保持部212は、大気開放貫通部222に連通されて外部に大気開放されている。よって、圧電素子208の変形および弾性膜202の変形に伴い、圧電素子保持部212内の空気が外部に放出、或いは外部の空気が圧電素子保持部212内に流入し、圧電素子保持部212内の圧力は常に一定に保持される。したがって、例えば圧電素子保持部212内の圧力が急激に変動することはなくなり、製品の信頼性が向上される。
このような構成の記録ヘッド本体200は、図7及び図8に示すような製造工程で作製することができる。図7及び図8は、図4のA−A′線断面図である。まず、図7に示すように、大気開放貫通部222内以外の部分(各流路やリザーバ211等)を形成した各基板(ヘッドケース218、コンプライアンス基板215、リザーバ形成基板210、流路形成基板201、およびノズルプレート207)に、基板の積層方向に沿って該各基板を貫通する大気開放貫通部222を形成する貫通部形成工程を行う。次に、図8に示すように、各基板を積層した状態で、大気開放貫通部222に棒状の位置決め部材である位置決めピン500を挿入することで、各基板の相対的な位置決めをする位置決め工程を行い、各基板の相対的な位置決めをした状態で各基板をそれぞれ接合固定する固定工程を行う。ここで、位置決め工程においては、可撓部保持部220および圧電素子保持部212は、第1および第2の連通部223,224を介して大気開放貫通部222に連通されており、大気開放貫通部222とは対向する位置に存在しないので、可撓部保持部220および圧電素子保持部212に、直接位置決め部材が接触することが確実に防止され、歩留まりが向上される。なお、このとき用いる位置決めピン500の外径は、大気開放貫通部222の内径と同一であると好ましい。各基板が作業中ずれてしまうことが確実に防止されるからである。そして、最後に、図5に示すように、大気開放貫通部222のノズルプレート207側の開口部をモールド材225で封止する封止工程を行うことで製造することができる。
ここで、このような製造方法では、大気開放貫通部222を利用して位置決め工程を行うので、従来、各基板の相対的な位置決めを行うために必要であった位置決め用の貫通孔を省略することができる。よって、内部空間を外部に連通させて大気開放することができると共に、大気開放用の貫通孔と位置決め用の貫通孔とを設けていた従来の構造よりも、強度の向上および製品の信頼性を向上した記録ヘッド本体200(インクジェット式記録ヘッド1)を製造することができる。また、構造面での強度の向上を図ることができるので、さらなる小型化を実現することもできる。特にヘッドケース218は、従来、ステンレス鋼(SUS)など比較的強度が高い材料で形成されることが多いが、本実施形態によれば、形成される貫通孔の数が少なくなり、構造面での強度の向上が達成されるので、比較的強度が低く安価な樹脂材料などで形成することができ、製造コストを低減することができる。
また、上述したような封止工程により、大気開放貫通部222内がノズル206から吐出されるインクなどによって汚損され難くなり、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1の記録ヘッド本体200の構成によれば、製造時に大気開放貫通部222を利用することで、各基板の相対的な位置決めを容易に行うことができるので、従来、各基板の相対的な位置決めを行うために必要であった位置決め用の貫通孔を省略することができる。よって、内部空間を外部に連通させて大気開放することができると共に、大気開放用の貫通孔と位置決め用の貫通孔とを設けていた従来のインクジェット式記録ヘッドよりも、強度の向上および製品の信頼性の向上が図られたインクジェット式記録ヘッド1を実現することができる。
また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1の記録ヘッド本体200の構成によれば、内部空間である可撓部保持部220および圧電素子保持部212は、それぞれ第1および第2の連通部223,224を介して大気開放貫通部222に連通されており、大気開放貫通部222とは対向する位置に存在しない。したがって、製造時、特に棒状の位置決めピン500を挿入して各基板の相対的な位置決めを行う位置決め工程の際に、可撓部保持部220および圧電素子保持部212に、直接位置決め部材が接触することが確実に防止されるので、歩留まりが向上される。
また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1の記録ヘッド本体200の構成によれば、大気開放貫通部222のノズル206側の開口が封止されているので、大気開放貫通部222内がインクなどによって汚損され難くなり、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、大気開放貫通部222が全ての基板に亘って設けられていたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、ノズルプレート207以外の基板を位置決めして固定した後にノズルプレート207を接合するのであれば、特にノズルプレート207に大気開放貫通部222の一部が設けられていなくともよい。この場合は、後の封止工程を省略することができ、製造コストを低減することができる。
また、上述した実施形態では、第1の連通部223と第2の連通部224とが設けられた構成を示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、例えば圧力発生室203内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するタイプ、すなわち可撓部保持部220を有し、且つ圧電素子保持部212を有さない構造を具備するインクジェット式記録ヘッドにも適用することができる。
なお、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。さらに、本発明は、このような液体噴射ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置だけでなく、あらゆる装置に搭載されるアクチュエータ装置に適用することができる。例えば、アクチュエータ装置は、上述したヘッドの他に、センサー等にも適用することができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドユニットを示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の概略図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド本体の断面図である。
符号の説明
1 インクジェット式記録ヘッド、 100 カートリッジケース、 101 カートリッジ装着部、 102 インク供給針、 200 記録ヘッド本体、 201 流路形成基板、 202 弾性膜、 203 圧力発生室、 204 連通部、 205 インク供給路、 206 ノズル、 207 ノズルプレート、 208 圧電素子、 209 リザーバ部、 210 リザーバ形成基板、 211 リザーバ、 212 圧電素子保持部、 213 駆動IC、 214 外部配線、 215 コンプライアンス基板、 216 インク導入口、 217 可撓部、 218 ヘッドケース、 219 インク供給連通路、 220 可撓部保持部、 221 駆動IC保持部、 222 大気開放貫通部、 223 第1の連通部、 223a 貫通部、 223b 溝部、 224 第2の連通部、 225 モールド材、 230A,230B 大気開放連通路、 300 固定板、 301 開口部、 400 カバーヘッド、 401 開口部、 500 位置決めピン

Claims (6)

  1. 液体が流れる流路が形成された流路形成基板を含む積層された複数枚の基板を具備し、該基板間に形成された内部空間と、前記内部空間を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路とを有する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記基板に、前記大気開放連通路の少なくとも一部を構成し前記基板の積層方向に沿って該基板を貫通する大気開放貫通部を形成する貫通部形成工程と、
    前記基板を積層した状態で前記大気開放貫通部に棒状の位置決め部材を挿入することで前記各基板の相対的な位置決めを行う位置決め工程と、
    前記各基板の相対的な位置決めをした状態で前記各基板をそれぞれ接合固定する固定工程とを有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法において、
    前記固定工程の後に、前記大気開放貫通部の一方の開口部を封止する封止工程をさらに有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 液体が流れる流路が形成された流路形成基板を含む積層された複数枚の基板を具備すると共に、該基板間に形成された内部空間と、前記内部空間を外部に連通させて大気開放する大気開放連通路とを有し、
    前記大気開放連通路は、前記基板の積層方向に沿って複数の前記基板を貫通して設けられた大気開放貫通部を少なくとも有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記基板は、前記流路形成基板の一方面側に接合され液体を貯留するリザーバが形成されたリザーバ形成基板と、前記リザーバ形成基板の前記流路形成基板とは反対側に接合され前記リザーバに対向する領域に撓み変形可能な可撓部を有するコンプライアンス基板と、前記コンプライアンス基板の前記リザーバ形成基板とは反対側に接合され前記可撓部に対向する領域に該可撓部の変形を阻害しない程度の空間からなる可撓部保持部を有するヘッドケースとをさらに含み、
    前記可撓部保持部は、前記大気開放連通路の一部を構成し前記基板に設けられた第1の連通部によって前記大気開放貫通部に連通されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項4に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記流路形成基板の前記リザーバ形成基板側の面には前記流路内の圧力を変動させる圧電素子が設けられ、前記リザーバ形成基板には前記圧電素子の変形を阻害しない程度の空間からなる圧電素子保持部が形成され、
    前記圧電素子保持部は、前記大気開放連通路の一部を構成し前記基板に設けられた第2の連通部によって前記大気開放貫通部に連通されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項3〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記大気開放貫通部の一方の開口部が、封止されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9789862B2 (en) 2011-02-15 2017-10-17 Robert Bosch Gmbh Braking system and method for regulating a pressure of a brake medium in a braking system

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