JP2010068805A - 窒素同化の増加を示すトランスジェニック植物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窒素同化/利用経路で鍵となる重要な酵素の発現を改変すべく修飾される植物の遺伝子工学的操作を行い、天然のまたは修飾された窒素同化酵素の異所性過剰発現のための植物により達成される。
【選択図】なし
Description
本発明は、一般に、増強された窒素同化および利用能を示し、より大きく、より効率的に、より速く成長し、かつ/また、栄養および/または生殖に関係した植物部分の窒素含量および/または生物量(バイオマス)の増加を示す植物体を遺伝子工学的に作出することに関するものである。より詳細には、本発明は、遺伝子工学的手法により窒素同化/利用経路で鍵となる酵素の発現を改変させたトランスジェニック植物を作出することに関するものである。このように遺伝子工学的に作出された植物は、低い窒素肥料投入量の条件下でまたは窒素の乏しい土壌で生産的に栽培することができる。また、遺伝子工学的に作出された植物を用いると、理想的な栽培条件下でより速く成長または成熟する作物、より高い作物収穫量および/またはより栄養分の多い生産物を得ることが可能となる。
窒素はしばしば植物の成長の律速要因になり、基本的に野外作物はすべて無機窒素肥料に依存している。肥料は多くの種類の土壌から急速に枯渇してしまうので、生育期に2,3回、成長しつつある作物に肥料を施さなければならない。窒素肥料は、通常は硝酸アンモニウム、硝酸カリウムまたは尿素として供給され、一般にトウモロコシやコムギのような農作物に関連したコストの40%を占めている。北アメリカと西ヨーロッパの両地域では毎年約1100万トンの窒素肥料が使われており、そのために農業従事者は毎年22億ドルを出費していると概算された (Sheldrick, 1987, World Nitrogen Survey, Technical Paper no. 59, Washington, D.C.) 。さらに、世界銀行の試算では、1年間の窒素肥料の需要量が世界中で今後10年間に約9000万トンから1億3000万トン以上に増加するであろうと推論された。植物による窒素の使用効率を上げれば、より低い肥料投入量でまたは比較的やせた土地で作物を栽培することが可能となり、それゆえ、開発されたまたは開発されつつある農業システムに相当の経済的効果を及ぼすことができるだろう。
植物は窒素をその環境から無機化合物の形で、すなわち根から吸収される硝酸とアンモニア、そして窒素固定根粒でアンモニアに還元される大気中のN2の形で得ている。若干の硝酸とアンモニアが輸送道管(木部および篩部)において検出され得るが、大部分の窒素はまず有機体(例:アミノ酸)に同化されてから、植物体内に輸送される。
グルタミンおよびアスパラギンは主要な長距離窒素輸送化合物を代表するもので、篩部の液汁中に豊富に存在している。窒素担体としてのそれらの共通した役割のほかに、これら2つのアミノ酸は植物窒素代謝においてやや異なる役割を担っている。グルタミンは2つのアミノ酸のうちで代謝的により活性で、さまざまな同化反応で多数の基質にそのアミド窒素を直接供与することができる。その反応性ゆえに、一般的に植物は窒素の貯蔵のためにグルタミンを利用することはない。
植物の窒素同化/利用に係わる酵素をコードしている遺伝子の多くがクローン化され、研究されてきた。植物のグルタミンシンテターゼ (GS)遺伝子およびアスパラギンシンテターゼ(AS)遺伝子の論議については、Transgenic Plants, Vol. 1, Kung and Wu編, Academic Press, San Diego, CA, (1993) pp. 181-194(非特許文献6) 中の Tsai and Coruzzi による「アミノ酸生合成酵素をコードする遺伝子を研究するためのトランスジェニック植物」ならびにその中で引用された文献;アルファルファのアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子の論議については、Udvardi and Kahn, 1991, Mol. Gen. Genet. 231:97-105(非特許文献7) ;タバコのグルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(GOGAT、グルタミン酸シンテターゼとも言う)遺伝子の論議については、Zehnacker ら, 1992, Planta 187:266-274(非特許文献8);ハウチワマメ (lupin)のアスパラギナーゼ遺伝子の論議については、Lough ら, 1992, Plant Mol. Biol. 19:391-399(非特許文献9) および Dicksonら, 1992, Plant Mol. Biol. 20:333-336(非特許文献10) を参照されたい。
GSは植物の生育中に多くの器官で活発に機能している (McNally ら, 1983, Plant Physiol. 72:22-25(非特許文献11))。根において、それは土の中の水から得られたアンモニアを同化し (Oaks and Hirel, 1985, Ann. Rev. Plant Physiol. 36:345-365(非特許文献12)、また、マメ科植物の根粒ではGSが根粒菌により固定されたアンモニアを同化する (Cullimore ら, 1983, Planta 157:245-253(非特許文献13)) 。子葉にあっては、GSが発芽中に集められた窒素貯蔵物を再同化し (Recent Advances in Phythochemistry: Mobilization of Reserves in Germination, Nozolilloら編, Plenum Press, (1983) p. 77-109(非特許文献14)中の Lea and Joyによる「発芽種子におけるアミノ酸相互変換」)、そして葉では葉緑体GS2が光呼吸で放出されたアンモニアを同化する (Givan ら, 1988, TIBS 13:433-437(非特許文献15))。GSの多種多様な役割は、差次的に発現される異なる遺伝子から誘導されたさまざまのGSイソ型が担っている (Gebhardtら, 1986, EMBO J. 5:1429-1435(非特許文献16); Tingey ら, 1987, EMBO J. 6:1-9(非特許文献17))。
2つのAS遺伝子がエンドウからクローン化され(AS1およびAS2)、両方とも根粒と子葉で最高レベルに発現される。AS1およびAS2はともに根において発現される。AS2は構成的に根で発現され、一方、AS1は暗黒で育てた植物の根にのみ発現される (Tsai and Coruzzi, 1990, EMBO J 9:323-332(非特許文献28)) 。さらに、AS1とAS2は暗順応植物の成熟葉で発現されるが、その発現は光によって阻害される。暗黒でのこの高レベルのAS遺伝子発現は、光合成炭素の利用能が低下した条件下で合成される長距離窒素輸送化合物としてのアスパラギンの使用と合致している(アスパラギンはグルタミンより高いN:C比を有する)。トランスジェニック植物におけるAS1プロモーター−GUS融合体の研究から、AS1遺伝子もGS3A遺伝子と同様に篩部細胞でもっぱら発現されることが示された。細胞型および器官レベルでの厳密に制御された調節からすると、各種AS遺伝子も植物窒素代謝において異なる役割を果たしていると思われる。
植物では、窒素同化過程の遺伝子工学的操作がさまざまな結果をもたらした。一つの事例を挙げると、タバコにおいて原核生物のアンモニウム依存性アスパラギンシンテターゼ(ASN−A)遺伝子を発現させることが、種々のグルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤に対する耐性を付与した (Duditsら, Transgenic Plants expressing a prokaryotic ammonium dependent asparagine synthetase, WO 9111524, Aug. 8, 1991(特許文献1))。また、これらの同じ植物が成長速度の増加、植物発育の促進、早期開花、植物の新鮮重量および乾燥重量の増加を含めて多くの成長変化を示した。GS阻害剤処理は遺伝子工学的に作出した植物の成長を低下させるどころかむしろ高めたので、ASN−A発現の成長効果は理屈に合わないことになる。
本発明は、窒素の同化および利用に係わる主要な酵素(これら酵素のそれぞれの役割は図1に示される)の発現レベルおよび/または細胞特異的な発現パターンを変化させたトランスジェニック植物の作出に関するものであり、かくして、得られる植物は増強された窒素同化および/または利用能ならびに改良された農業特性を有するものである。本発明は、特に、グルタミンシンテターゼ、アスパラギンシンテターゼ、グルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼはグルタミン酸シンテターゼとしても知られている)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼおよびアスパラギナーゼの発現を変えることに関するものである(図1参照)。
本明細書に使用される、以下にリストされる用語は、示される意味を有する。
35S =35S転写のためのカリフラワーモザイクウイルスプロモーター
AS =アスパラギンシンテターゼ
AspAT =アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(またAAT として知られている)
CaMV =カリフラワーモザイクウイルス
cDNA =相補DNA
DNA =デオキシリボ核酸
GDH =グルタミン酸デヒドロゲナーゼ
遺伝子融合体=異種遺伝子に操作により連結されたプロモーターを含む遺伝子構築(前記プロモーターは異種遺伝子の転写を調節する)
GOGAT =グルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ
(また、グルタミン酸シンテターゼとして知られている)
Fd-GOGAT =フェレドキシン依存性グルタミン酸シンターゼ
NADH-GOGAT=NADH依存性グルタミン酸シンターゼ
GS =グルタミンシンテターゼ
異種遺伝子=遺伝子構築の状況において、異種遺伝子は、その遺伝子が前記遺伝子が自然に連結されていないプロモーターに連結されることを意味する。異種遺伝子は前記プロモーターを寄与する生物からのものであってもよく、またそうでなくてもよい。異種遺伝子はメッセンジャーRNA(mRNA)、アンチセンスRNAまたはリボザイムをコードし得る。
PCR =ポリメラーゼ連鎖反応
前駆植物 =形質転換されていない、野生型植物
RNA =リボ核酸
本発明は植物における窒素代謝の遺伝子操作に関する。特に、本発明は、良好な成長特性、強化された栄養特性、改良された栄養および収穫量および/または増進された種子の収穫量または品質を有する植物を操作するために、窒素同化に関係する酵素および/またはそれらの発現を変化することに関する。
(GS)、アスパラギンシンテターゼ(AS)、グルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(GOGAT) 、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AspAT) 、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH) およびアスパラギナーゼ(ANS) をコードする遺伝子が挙げられる。窒素同化および利用においてこれらの酵素により果たされる役割の線図につき図1を参照のこと。
本発明の一つの局面によれば、望ましい植物は、アミノ酸グルタミン、アスパラギンまたはグルタミン酸へのアンモニアの初期同化そして更にアスパラギン酸への変換に関係する酵素の異所性過剰発現を操作することにより得られる。異所性という用語は、特別な遺伝子または当該酵素に関する異常な細胞下の(例えば、オルガネラ局在化と細胞質ゾル局在化の間のスイッチ)、細胞型、組織型および/または発育的もしくは一時的な発現(例えば、明/暗所)パターンを意味するために本明細書で使用される。このような異所性発現は前記酵素の正常な組織または発育段階における発現を必ずしも排除するのではないが、前記酵素の正常ではない組織または発育段階における発現を伴う。過剰発現という用語は前記酵素につき特別な組織、全部および/または発育または一時的な段階における正常な発現レベルを上回ることを意味するために本明細書で使用される。
5.2.1. 核酸構築物
核酸配列の性質は、種々の潜在的な宿主植物細胞の遺伝子構造であるように変化される。本発明の好ましい実施態様は、当業者が絶対に必須ではないが、明らかに有利であると認識し得る幾つかの特徴を記載するであろう。これらは遺伝子構造の単離、合成または構築の方法、植物細胞に導入される遺伝子構築物の操作、遺伝子構築物の或る特徴、および遺伝子構築物と関連するベクターの或る特徴を含む。
本発明によれば、窒素同化または利用酵素の異所性過剰発現を有する植物は、所望の酵素をコードする配列と操作により関連された植物プロモーターを含む遺伝子構築物で植物細胞を形質転換することにより操作し得る。(操作により関連されたは“関連”プロモーターにより調節された転写が機能性メッセンジャーRNA(その翻訳が酵素を生産するであろう)を生産することを意味するために本明細書で使用される)。本発明の好ましい実施態様において、関連プロモーターは強力かつ非組織特異性または非発育特異性の植物プロモーター(例えば、多くまたは全ての組織型中で強く発現するプロモーター)である。このような強力な“構成的”プロモーターとして、CaMV 35Sプロモーター、T-DNAマンノピンシンテターゼプロモーター、およびそれらの種々の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明によれば、所望の植物は窒素同化/代謝においてGS活性またはその他の酵素の活性を抑制することにより操作し得る(図1)。実施態様において、抑制は成熟標的mRNAを含む、宿主標的RNA転写産物のセグメントまたは全部に相補性のアンチセンスRNAをコードする遺伝子構築物で植物細胞を形質転換することにより操作し得る。別の実施態様において、標的遺伝子(例えば、GSmRNA)抑制は宿主標的RNA転写産物(例えば、成熟GSmRNAを含む、GSRNA転写産物)を開裂するリボザイムをコードする遺伝子構築物で植物細胞を形質転換することにより操作し得る。
本発明の組換え構築物は、その構築物の伝播のための選択可能なマーカーを含んでもよい。例えば、細菌中で伝播される構築物は抗生物質耐性遺伝子、例えば、カナマイシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、またはクロラムフェニコールに対する耐性を与える遺伝子を含むことが好ましい。構築物を伝播するのに適したベクターとして、二三名を挙げると、プラスミド、コスミド、バクテリオファージまたはウイルスが挙げられる。
本発明によれば、望ましい植物は本明細書に記載された核酸構築物で植物細胞を形質転換することにより得られてもよい。幾つかの場合、植物または植物細胞を幾つかの異なる遺伝子構築物で操作することが望ましい場合がある。このような操作は植物または植物細胞を所望の構築物の全部で同時に形質転換することにより行い得る。また、操作は連続的に行われてもよい。それは、一つの遺伝子で形質転換し、選択およびスクリーニング後に所望の形質転換体を得、形質転換体を第二遺伝子構築物で形質転換すること、等である。好ましい実施態様において、それぞれの遺伝子構築物は、多重遺伝子インサートを含む植物形質転換体の同定を促進するように異なる選択可能なマーカー遺伝子またはスクリーニング可能なマーカー遺伝子に連結されるであろう。別の実施態様において、幾つかの異なる遺伝子がそれぞれの遺伝子につき操作された親系統を交雑することにより一種の植物にとり込まれ得る。
本発明によれば、所望の植物は、開示された遺伝子構築物をプロトプラスト、組織培養細胞、組織および器官外植体、花粉、胚、並びに植物全体を含むが、これらに限定されない種々の植物細胞型に操作することにより得られる。本発明の実施態様において、操作された植物体は下記のアプローチおよび方法に従って形質転換体(導入された一つ以上の遺伝子構築物をとり込み、または組込んだ形質転換体)につき選択またはスクリーニングされる。次に単離された形質転換体が植物中で再生し得る。また、操作された植物体は、誘導された植物または幼植物体をマーカー遺伝子形質につき選択またはスクリーニングにかける前に植物または幼植物体に再生し得る。一つ以上のマーカー遺伝子を選択またはスクリーニングする前または後に、植物を植物細胞、組織または器官から再生するための方法は当業者に公知である。
えDNAインサートの構造を検出し、測定するためのサザン分析またはPCR 増幅;
2)遺伝子構築物のRNA転写産物を検出し、試験するためのノーザンブロット、S1 RNase保護、プライマー伸長PCR 増幅または逆転写酵素PCR 増幅;3)このような遺伝子産物が遺伝子構築物によりコードされる場合、酵素またはリボザイム活性を検出するための酵素アッセイ;4)遺伝子構築産物がタンパク質である場合、タンパク質ゲル電気泳動、ウェスタンブロット技術、免疫沈殿、またはエンザイムリンクドイムノアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。更に別の技術、例えば、in situ ハイブリダイゼーション、酵素染色、および免疫染色がまた特定の植物器官および組織中の組換え構築物の存在または発現を検出するのに使用し得る。全てのこれらのアッセイを行う方法が当業者に公知である。
本発明によれば、改良された作物栽培学的特徴を有する植物を得るために、形質転換された植物が所望の生理学的変化を示す植物につきスクリーニングし得る。例えば、植物がGS酵素の異所性過剰発現につき操作された場合、形質転換された植物が所望のレベルで所望の組織および発育段階中にGS酵素を発現する植物につき試験される。植物が標的遺伝子の抑制につき操作された場合、形質転換された植物が種々の組織中で減少されたレベルで標的遺伝子産物(例えば、RNAまたはタンパク質)を発現する植物につき試験される。次に、所望の生理学的変化、例えば、異所性GS過剰発現またはGS抑制を示す植物が所望の作物栽培学的変化を有する植物につき続いてスクリーニングし得る。
本発明の遺伝子操作された植物は、野生型植物の成長を停止させたり、成長を小さくして野生型植物を実際に無用のものにする、窒素栄養素が欠乏した条件下(すなわち、土壌に窒素が少なく、また、窒素肥料の投入量が少ない)で生産的に栽培することができる。遺伝子操作された植物はまた、より早い成熟、より速い成長および/またはより高い収穫量の達成、および/または窒素無制限成長条件(すなわち、健康的な植物の成長を維持するのに充分な量の窒素栄養素を含むか受け取る土壌または培地)を使用して栽培するときのより栄養に富む食品および動物飼料の生産に有利に使用することができる。窒素無制限成長条件は、種同士の間および一つの種の亜種に対して変わる。しかし、当業者であれば、全部でなくても、ほとんどの重要な作物および観賞植物の栽培に対して、何が窒素無制限成長条件を構成するかを知っている。例えば、小麦の栽培に対しては、Alcozら、Agronomy Journal 85:1198-1203 (1993)、Rao および Dao, J. Am. Soc. Agronomy 84:1028-1032 (1992)、Howardおよび Lessman, Agronomy Jornal 83:208-211 (1991);トウモロコシの栽培に対しては、Tollenear ら、Agronomy Journal 85:251-255 (1993)、Straw ら、Tennessee Farm and Home Science: Progress Report, 166:20-24 (Spring 1993) 、Miles, S.R., J. Am. Soc. Agronomy 26:129-137 (1934) 、Daraら、J. Am. Soc. Agronomy 84:1006-1010 (1992)、Binford ら、Agronomy Journal 84:53-39 (1992); 大豆の栽培に対しては、Chenら、Canadian Journal of Plant Science 72:1049-1056 (1992) 、Wallace ら、Journal of Plant Nutrition 13:1523-1537 (1990); 米の栽培に対しては、Oritani および Yoshida, Japanese Journal of Crop Science 53:204-212 (1984); 亜麻仁の栽培に対しては、Diepenbrock および Porksen, Industrial Crops and Products 1:165-173 (1992); トマトの栽培に対しては、Grubinger ら、Journal of the American Society for Horticultural Science 118:212-216 (1993)、Cerne, M., Acta Horticulture 277:179-182 (1990); パイナップルの栽培に対しては、Magistadら、J. Am. Soc. Agronomy 24:610-622 (1992)、Asoegwu, S.N., Fertilizer Research 15:203-210 (1988)、Asoegwu, S.N., Fruits 42:505-509 (1987); レタスの栽培に対しては、Richardson および Hardgrave, Journal of the Science of Food and Agriculture 59:345-349 (1992); ミントの栽培に対しては、Munsi, P.S., Acta Horticulturae 306:436-443 (1992); カモミールの栽培に対しては、Letchamo, W., Acta Horticulturae 306:375-384 (1992); タバコの栽培に対しては、Sissonら、Crop Science 31:1615-1620 (1991); 馬鈴薯の栽培に対しては、Porterおよび Sisson, American Patato Journal, 68:493-505 (1991);アブラナ科の栽培に対しては、Rahnら、Conference "Proceedings, second congress of the European Society for Agronomy" Warwick Univ., p.424-425 (August 23-28 1992); バナナの栽培に対しては、Hegde および Srinivas, Tropical Agriculture 68:331-334 (1991) 、Langenegger および Smith, Fruits 43:639-643 (1988); イチゴの栽培に対しては、Human および Kotze, Communications in Soil Science and Plant Analysis 21:771-782 (1990);モロコシの栽培に対しては、Mahalle および Seth, Indian Journal of Agricultural Sciences 59:395-397 (1989); オオバコの栽培に対しては、Anjorin および Obigbesan, Conference "International Cooperation for Effective Plantain and Banana Research" Proceedings of the third meeting. Abidjan, Ivory Coast, p.115-117 (May 27-31, 1985); サトウキビの栽培に対しては、Yadav, R.L., Fertiliser News 31:17-22 (1986)、Yadav および Sharma, Indian Journal of Agricultural Sciences 53:38-43 (1983); テンサイの栽培に対しては、Draycottら、Conference "Symposium Nitrogen and Sugar Beet" International Institute for Sugar Beet Research - Brussels Belgium, p.293-303 (1983)参照。また、Goh および Haynes, "Nitrogen and Agronomic Practice" in Meneral Nitrogen in the Plant-Soil System, Academic Press, Inc., Orlando, Florida, p.379-468 (1986), Engelstad, O.P., Fertilizer Technology and Use, Third Edition, Soil Science Society of America, p.633 (1985), Yadav and Sharmna,
Indian Journal of Agricultural Sciences, 53:3-43 (1983) も参照。
ここでは、トランスジェニック植物において窒素使用効率を操作するための分子遺伝学法を記載する。その方法は、通常はGS発現が認められない細胞型および/またはレベルでGSを発現する、グルタミンシンテターゼの異所性発現に頼るものである。トランスジェニック植物における細胞特異的GS発現のパターンは、細胞質ゾルGS(通常は、篩部で発現するだけである。)を全細胞型で構成的に過剰発現することにより変えられる。GSのそのような異所性発現は、窒素同化酵素の区画化および細胞型特異性から生じる生理的制限を回避することができる。葉肉細胞での細胞質ゾルGSの異所性高レベル発現は、光呼吸によって失われたアンモニアの再同化に対して別のルートを提供すると考えられる。このことは、光呼吸によって失われるアンモニアの量が最初の窒素同化の10倍を超えるとき、成長の上での利点を与えると考えられる(Wallsgroveら、1983, Plant Cell Environ. 6:301-309; Keys ら、1978, Nature, 275:741-743 )。ここに開示する研究は、細胞質ゾルGSに対する異種GSサブユニットの構成的過剰発現がGS mRNA、GSタンパク質、全GS活性、天然のGSホロ酵素の増加ならびに一例においては新規GSホロ酵素の産生をもたらすことを示す。細胞質ゾルGSを過剰発現する形質転換された植物は、野生型と比較して、統計的に重要な成長上の利点を有する。形質転換された植物は、栄養成長期の際に、形質転換されていない前駆植物よりも速く成長し、最終の新鮮重量をより高くし、溶解性のより高いタンパク質を有する。しかし、場合によっては、細胞質ゾルGSおよび/または葉緑体GSの過剰発現が、内在遺伝子発現または共同抑制の下方調整を引き起こす。細胞質ゾルGS過剰発現構成体を含むいくつかの形質転換された植物および葉緑体GS2構成体を含む全ての形質転換された植物はGSを過剰発現しないで、むしろGS発現を抑制し、内在GS遺伝子の抑制も含む(すなわち、共同抑制)。そのようなGSが共同抑制された植物は、小さい成長特性を示す可能性があるが、窒素が他の窒素同化/代謝経路にそれて入ることによりアミノ酸およびタンパク質含量が変わると考えられる。
6.1.1. 植物発現ベクターの構築
植物発現ベクター pTEV 4 、5 、7 および 8を次のように構築した。カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の Strasbourg 株の 35Sプロモーターを含む、転写開始に対して -941 〜 +26まで伸びる HindIII−EcoRI 断片を、pBluescript KS II-(pT109) に挿入した(Hohnら、1982, Curr. Topics Microbiol. Immunol. 96:194-236 )。次いで、HindIII および XhoI 部位の間のポリリンカー配列を、XbaI、SstIおよび StuI 部位を含むように修飾した(pT145 )。こうして、pBIN19 (Clontech) 由来の、ノパリンシンターゼ転写ターミネーターを含むT4ポリメラーゼ処理したSstI−EcoRI 断片を StuI 部位に挿入することができ、pT161 を作った。このように構築された発現カセットは、隣がEcoRI 部位であり、修飾ポリリンカーを含む、pBIN19 (Bevan, 1984, Nucleic Acids Res. 12:8711-8721) 由来のプラスミドである pW3に移入された。プロモーターの5’末端がpW3の左端に隣接するように配向したクローンを選択し (pW63) 、プロモーターとターミネーターとの間に多数のクローニング部位を挿入した。こうして、列挙したユニークなクローニング部位を有する次のバイナリーベクターを作った(図3):pTEV4 (HindIII-XbaI-BamHI-XhoI) 、pTEV5 (HindIII-StuI-SstI-KpnI)、pTEV8 (HindIII-XhoI-BamHI-XbaI) 、pTEV9 (HindIII-KpnI-SstI-StuI)。
細胞質ゾルGS1およびGS3Aならびに葉緑体GS2のエンドウ遺伝子に対応するcDNAを pBluescriptから上記のバイナリー発現ベクターへ移入した(図4参照)。これらのcDNAは、以前は、各々GS299、GS341およびGS185として記載された(Tingeyら、1987, EMBO J. 6:1-9; Tingey ら、1988, J. Biol. Chem. 263:9651-9657)。葉緑体GS2に対しては、ゲノム配列の第一イントロンをcDNAの適切な位置に挿入して修飾cDNAを構築した(Z54)。これは、ポリメラーゼ連鎖反応法を使用してcDNAの5’末端からエキソン2内に位置する BsmI 部位(アミノ酸 43 )まで伸びる断片を増幅することにより行い、これは次いで、pBluescript におけるcDNAにクローン化することができた。細胞質ゾルGS3Aに対しては、ゲノムGS3Aクローンの BgIII-KpnI 断片を、pBluescript cDNAクローンに交換クローン化することにより修飾DNA(Z17)を構築し、全てのゲノムイントロン(アミノ酸6より前方)が挿入されたcDNA配列を作った。イントロンを入れてcDNAを構築することの目的は、単子葉植物で示されたように(Sinibaldi および Mettler, 1991)、トランスジェニック植物での発現を高めるために試みることであった。そのcDNAをpBluescript から下記のバイナリー発現ベクターに移入した。すなわち、GS1−pTEV4 を XbaI-XhoI部位に入れてpZ3(NRRL受理番号 B-21330)を作製し、GS3Aおよび修飾GS3A−pTEV4 を XbaI-XhoI部位に入れて、各々、pZ9(NRRL受理番号 B-21331)およびpZ17(NRRL受理番号 B-21332)を作製し、GS2および修飾GS2−pTEV5 を StuI-KpnI部位に入れて、各々、pZ41(NRRL受理番号 B-21333)およびpZ54(NRRL受理番号 B-21334)を作製した。
バイナリーベクター構築体を、以前に記載された方法を使用して三親交配することにより、無力のアグロバクテリウム (Agrobacterium)株 LBA4404に移入した (Bevan, 1984, Nucleic Acids Res. 12:8711-8721)。Nicotiana tabacum 系 SR1を、葉接種法により形質転換し (Horschら、1985, Science 227-1299-1231)、再生した苗条(shoot) を、 200μg/mlのカナマイシンを含む培地上で選択した。一次形質転換体を滅菌培地で保持し、次いで、成熟するまで土壌で成長させた。トランスジェニック種子を 10%次亜塩素酸ナトリウムで滅菌し、100 μg/mlカナマイシンを含む培地上で発芽させた。
可溶タンパク質を、以前に記載されたように、タバコおよびエンドウの葉の組織から抽出した(Tingeyおよび Coruzzi, 1987, Plant Physiol. 84:366-373)。タンパク質を変性し、12% アクリルアミドのSDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロース上に電気ブロットした。ウェスタン分析法を、Promega 製の ProtoBlotキットならびにタバコ葉緑体GS2および Phaseolus細胞質ゾルGSに対して高められた抗体の混合物を使用して行った (Hirel ら、1984, Plant Physiol. 74:448-450; Lara ら、1984, Plant Physiol. 76:1019-1023)。形質転換体における全GS活性を、以前に記載されたADP−依存トランスフェラーゼアッセイを使用して測定した (Shapiro および Stadtman, 1970, Methods Enzymol. 17A:910-922)。非変性ゲル電気泳動は、GSアイソザイム検出のためのADP−依存トランスフェラーゼアッセイと共に公知のプロトコール (Davis, 1964, Annals New York Acad. Sci. 121:404-427)に従った。
RNAを、Bio101製の「RNAマトリックス」を使用し、製造者の示唆する以下のプロトコールに従って単離した。全RNAを、40 mM のトリエタノールアミン、2 mMのEDTAおよび 3.2% のホルムアルデヒド/ 1.2% アガロースで電気泳動した (Thomas, 1983, Methods Enzymol. 100:255-266) 。ゲルを 10 mMのリン酸ナトリウムに浸漬し、Hybond-Nナイロン膜 (Amersham) 上にキャピラリーブロットした。cDNAを、NEN 製のランダムプライマーおよび拡張試薬標識システムを使用して標識化し、鎖特異的リボプローブを、StratageneRNA転写キットを使用して作った。水性ハイブリダイーションを、膜の製造者のプロトコールに従って行い、ブロットを 0.1xSSRE、0.1%xSDSで洗浄した。
先に高いレベルでGS1またはGS3Aを発現すると解析された一次形質転換体の子孫を、100 μg/mlのカナマイシンを含む Murashige-Skoog (MS) 培地で発芽させた。14日後、カナマイシン耐性苗を、白砂を入れた4インチのポットに移し、Saran Wrap (登録商標) で約1週間覆って、過剰な蒸散を防ぎ、苗が定着できるようにした。ポットを、唯一の窒素源として 10 mMの硝酸カリウムを含む過剰の 1X Hoagland溶液で定期的に湿らした。次いで、毎週、3〜7本の植物を切って新鮮重量を測定し、隣り合った植物の陰になるのが顕著になるまで4週間続けた。植物を、明−暗のサイクルを 16-8 時間とし、温度のサイクルを 24-18℃として成長させた。昼間の光の強さは 1000 lux であった。
6.2.1. トランスジェニック植物に導入したGS構築体
葉緑体GS2 (aka GS185 (Tingey ら、1988, J. Biol. Chem. 263:9651-9657))、細胞質ゾルGS1 (aka GS299 (Tingey ら、1988, J. Biol. Chem. 263:9651-9657))およびGS3A (aka GS341 (Tingey ら、1987, EMBO J. 6:1-9)) に対する Pisum sativum cDNAを pTEV バイナリー発現ベクターに挿入して(図3および4参照)、CaMV 35Sプロモーターの後ろを発現させ、トランスジェニックタバコに移入した。GS2(図4、構築体Z54)およびGS3A(図4、構築体Z17)に対しては、1個以上のイントロンを挿入したcDNAを構築し、CaMV 35Sプロモーターの後ろを発現させた。イントロンを挿入したcDNAを構成することの目的は、単子葉植物で示されたように(Sinibaldi および Mettler, 1991, Progress in Nucleic Acid Research and Molecular Biology 42:1991)、トランスジェニック植物での発現を高めるために試みることであった。さらに、未修飾の全長GS cDNAも、GS2(Z41)、G3A(Z9)およびGS1(Z3)に対して、35S-CaMVプロモーター下で発現させた(図4参照)。図4に詳述した 35S-CaMV-GS構築体の各々に対して、少なくとも8個の一次(T1)形質転換体を分析し、代表的サンプルを図5に示す。選択した一次形質転換体に対しては、4個のカナマイシン耐性T2子孫植物も分析した(図6)。以下に示すT1およびT2植物の分析は、ウェスタン分析法(図5および図6、パネルA);ノーザンブロット分析法(図6、パネルB)、GSホロ酵素分析(図6、パネルC)およびGS酵素活性分析(図6、パネルCならびに表1Aおよび1B)を含み、分析した全トランスジェニック系を代表している。
35S−GS2構築体(図4、Z41またはZ54)のいずれかを含むトランスジェニック植物を分析した。35S−GS2(Z41)および修飾した(イントロンを含む)35S−GS2構築体(Z54)は共に、一次T1形質転換体およびT2子孫植物の両方に対して同様の結果を与えた。全一次形質転換体のウェスタンブロット分析は、野生型タバコ(図5、レーンTL)と比較して、葉緑体GS2ポリペプチド(ctGS)の量がかなり減少したことを示した(図5、レーン3〜6)。ポリクローナルGS2抗体は、エンドウおよびタバコの両方のGS2を認識することが分かっているので(Tingeyおよび Coruzzi, 1987, Plant Physiol. 84:366-373; Tingey ら、1988, J. Biol. Chem. 263:9651-9657) 、この減少は、宿主のタバコGS2遺伝子およびエンドウGS2トランス遺伝子の両方の下方調整を表す。細胞質ゾルGSポリペプチド(cyGS)の量は、形質転換していない対照の野生型タバコ(図5、レーンTL)と比較して変わらないことがこれらの形質転換体(図5、レーン3〜6)で認められた。Z41の場合は、全部で14個の独立した一次形質転換体の全GS活性が下方調整され、高くて野生型の活性の85%、低い方は野生型GS活性の22%であった(表1Aおよび1B)。Z54構築体の場合は、再生された全部で9個の独立した一次形質転換体が野生型GS活性の50%以下に下方調整され、その範囲は49%〜11%であった(表1Aおよび1B)。これらのデータから、イントロンを含むZ54構築体がかなり共同抑制されたことは明らかである。対照的に、Z41構築体は、内在性タバコ葉緑体GS2の下方調整の点であまり有効でなく、これらの植物はより広い範囲の共同抑制表現型を示した(表1Aおよび1BのZ41の個体間のGS活性の変化を参照)。典型的には、GS2が共同抑制された植物は、野生型よりもゆっくり成長し、光呼吸中のアンモニアの蓄積と関連する毒性またはグルタミンの欠乏のいずれかにより、介在する黄白化を発生した(図10参照)。従って、これらの形質転換体は、以前に記載されたオオムギのGS2突然変異体に類似していた(Wallsgroveら、1987, Plant Physiol. 83:155-158)。高められた (1.2%) CO2 の雰囲気下(光呼吸の抑制のため)で成長させた、またはグルタミンを補足したZ41またはZ54型のいずれかの共同抑制された植物は、あまり重い症状を示さなかった。このことも、これらの植物がGS2欠乏であるという結果を支持するものである。
35S−GS3A構築体(Z17またはZ9;図4)のいずれかを含むトランスジェニック植物を分析した。Z17(イントロンを含む系)の場合、GS活性を分析した13個の独立した一次形質転換体のうち、6個はGS活性の過剰発現を示した (119 〜 145%)が、7個は、形質転換しなかった対照(100%)と比較して、共同抑制(52〜28%)を示した(表1Aおよび1B)。図5および6は、Z17の代表的な過剰発現体および共同抑制された系のデータを含む。形質転換体Z17−12は、GS酵素活性が共同抑制されており(野生型の27%)、葉緑体GS2および細胞質ゾルGSタンパク質の両方とも、野生型のタバコ(図5、レーンTL)と比較して低い(図5、レーン2)。対照的に、形質転換体Z17−6は、全GS活性レベルが高められ(127%)、細胞質ゾルGSタンパク質レベルが野生型のタバコ(図5、レーンTL)と比較して増加した(図5、レーン1)。他の独立形質転換体のT2子孫の分析では、細胞質ゾルGSタンパク質が下方調整された形質転換体がさらに示されたが(Z17−9BおよびZ17−10;図6、パネルA、レーン6および7)、他は、細胞質ゾルGSのレベルが高められた(Z17−7およびZ17−9A;図6、パネルA、レーン4および5)。Z17植物に対して認められた共同抑制現象(Z17−9B、Z17−10およびZ17−12)は、GS2形質転換体(Z54およびZ41)に対して認められた現象とは、葉緑体GS2および細胞質ゾルGSの両方がGS3A共同抑制植物において下方調整されるという点で明らかに異なる(図6、パネルA、レーン6〜8、レーン9〜14参照)。図6は、35S−GS3A(Z17−9B、Z17−10、Z17−12)によって引き起こされる共同抑制がGSの量の減少(ウェスタンおよびGS活性ゲル分析;図6、パネルAおよびC、レーン6〜8)およびGS3Aトランス遺伝子の本質的に検出できない転写(ノーザン分析法;図6、パネルB、レーン6〜8)を伴うことを示す。GS3A構築体を過剰発現する形質転換体(Z17−6、Z17−7およびZ17−9A)では、GS3A転写体が非常に多く(図6、パネルB、レーン3〜5)、このことは、ウェスタンブロット分析(図6、パネルA、レーン3〜5)およびGS活性分析(表1)によって検出可能な細胞質ゾルGSの量がより多いことを表す。細胞質ゾルGS3Aを過剰発現するこれらのZ17形質転換体の可溶タンパク質の非変性GS活性ゲル分析は、野生型タバコの葉において支配的な葉緑体GS2ホロ酵素(バンドB、図6、パネルC、レーンT)よりもゆっくり移動する新規GSホロ酵素の存在を示す(バンドA* 、図6、パネルC、レーン3〜5)。同じGS3Aトランス遺伝子構築体を有する個々のZ17形質転換体が二つの異なる表現型である共同抑制型(図6、レーン6〜8)および過剰発現型(図6、レーン3〜5)を与えるというのは興味深いことである。
35S−GS1構築体(Z3;図4参照)を含むトランスジェニック植物も分析した。独立した8個のZ3一次形質転換体のうち、5個は、ウェスタンおよびノーザンブロット分析から、明らかに過剰発現の表現型であり、共抑制型はなかった。これらのZ3形質転換体のうち二つのT2子孫を図6に示す。Z3−1およびA3−2のどちらも、細胞質ゾルGSタンパク質の量の増加を示し(図6、パネルA、レーン1および2)、これは、GS mRNAのレベルの増加によって表される(図6、パネルB、レーン1および2)。非変性活性ゲル分析は、タバコの葉の葉緑体GS2ホロ酵素(図6、パネルC、レーンT)よりも速く移動するGSホロ酵素(バンドC)(図6、パネルC、レーン1および2)を示した。このZ3植物中のより速く移動するGSホロ酵素(バンドC)は、天然のエンドウ細胞質ゾルGSと大きさが対応する。
細胞質ゾルGS3A(Z17)およびGS1(Z3)の異所性発現は、さらに、しかし、野生型タバコの葉に見られる葉緑体GS2(バンドB)と比較して異なるGSホロ酵素活性バンド(例えば、バンドA* およびC)を与えた。これらのトランスジェニック植物からの抽出物の電気泳動を非変性活性ゲルで繰り返した。該ゲルには、比較のために、細胞質ゾルGSホロ酵素(バンドC)に富むエンドウの根(PR)およびタバコの根(TR)のタンパク質のレーン(図7A、レーン2および4)、ならびに葉緑体GS3ホロ酵素(バンドB)に富む精製したエンドウの葉緑体(PC)およびタバコの葉緑体(TC)から得た抽出物(図7A、レーン1および3)を含めた。トランスジェニックタバコZ3−1の抽出物(図7A、レーン6)に見られる別のGS1ホロ酵素活性(バンドC)は、天然のエンドウの細胞質ゾルGSバンド(バンドC、図7A、レーン2および4)と共に移動する。対照してみると、Z17−7トランスジェニック植物の葉(図7A、レーン5)に見られる新規GS3A活性(バンドA* )は、細胞質ゾルGS(バンドC)とも、葉緑体GS2バンド(バンドB)とも一緒に移動しない。そして、大きさはより大きく、電荷はより酸性側である。GS活性バンドA* 、BおよびCのサブユニット組成物を決定するために、これらのバンドを調製ゲルから切り取り、変性SDSゲルに再び載せ、次いで、GSサブニットのウェスタンブロット分析を行った(図7B)。この分析は、GS活性バンドA* およびCが共に、もっぱら細胞質ゾルGSポリペプチドを含むことを示した(図7B、レーン2および4)。この知見では、より大きいGS3A活性バンドA* が、異種GS3A細胞質ゾルサブユニットと内在性タバコ葉緑体前駆体GS2サブユニットとの会合の結果であるという可能性は少なかった。GS活性バンドA* は、トランスジェニックGS3Aサブユニットとシャペロニン型タンパク質との集合を表すと考えられるが、該複合体をATPで解離するという試みは成功しなかった。その結果、新規GSホロ酵素の性質は不明のままである。
細胞質ゾルGS3A(Z17)または細胞質ゾルGS1(Z3)を異所的に過剰発現する2組の植物を選択して成長分析を行った。第一ラウンドの形質転換から(下記実験A参照)、植物Z3−1およびZ3−2をGS1高レベル発現体として選択し(図6、レーン1および2;図8、レーン1および2)、植物Z17−6およびZ17−7をGS3A高レベル発現体として選択した(図5、レーン1;図6、レーン3および4;図8、レーン3および4)。これらの形質転換体のカナマイシン耐性T2子孫を以下に記載する実験Aでの成長分析のために選択した。第二ラウンドの形質転換から、二つのさらに独立して形質転換したGS1−過剰発現植物(Z3−3およびZ3−4)(図8、レーン5および6)および二つのさらに独立して形質転換したGS3A−過剰発現植物(Z17−3およびZ17−11)(図8、レーン7および8)を選択して分析した。これらの植物のカナマイシン耐性T2子孫を、第二成長実験で分析した(下記実験B)。
植物成長分析を、図8でGSタンパク質およびRNAの分析を行ったT2子孫植物に対して行った。個々のT2植物を白砂中で成長させ、その成長を、タイムポイントごとに4〜7個の植物の新鮮重量を測定することにより評価した。新鮮重量の測定は、植物が急速に成長し、供給した窒素にもっぱら依存し、抽薹および開花中に生じる可能性のある窒素の大きな内部源を流動させることのない栄養成長期中のみ行った。植物は、窒素が無制限であり(すなわち、10 mM の硝酸塩の施肥が定期的に行われる。)、隣接する植物の光合成妨害が少ない条件下で成長させ、そのような妨害が現れたときに成長分析を終わらせた。分析した全ての植物は同じ週齢であり、0.1 〜0.3 g の新鮮重量で分析を開始し、植物が約6週齢で、隣接する植物の妨害が抽薹の開始時に現れるまで続けた。
表2に、Z3−1およびZ3−2の系(過剰発現GS1)ならびにZ17−6およびZ17−7の系(過剰発現GS3A)の全新鮮重量測定値の平均の結果を示す。これらの結果を、図9、パネルAでグラフにより示し、表3で統計的に分析した。トランスジェニック系の全4個の過剰発現するエンドウの細胞質ゾルGSは、コントロールよりも35% 〜 114% だけ大きくなった。これは、3個の系、すなわち、Z3−2(P=0.08)、Z17−6(P=0.0015)およびZ17−7(P=0.013 )に対して統計的に重要であった(表3)。
成長実験を、同じGS1(Z3)およびGS3A(Z17)構築物を有する種々のトランスジェニック系で繰り返して、上記で得られた結果を確認した。この実験は、統計的分析のために、より大きい植物集団を含む。表2は、トランスジェニック系Z3−3、Z3−4、Z17−3およびZ17−11ならびに2個のコントロール系(C1、C2)の4回のタイムポイントに対する平均データを示す。Z3−4を除く全ての系は、コントロールよりも 40%〜44% だけ大きくなり、6週目の新鮮重量の違いは、統計的に有意であった(表3)。これらの結果はまた、図9、パネルBにグラフにより示す。第二の成長実験は第一の実験結果を確証するものであることは明らかであり、これは、エンドウの細胞質ゾルGS1またはGS3Aのいずれかの異所性過剰発現がタバコの成長速度を高めたことを示唆するものである。テストした全ての系において、GS3A過剰発現は、非形質転換コントロールと比較して成長速度を増加させ、これは、トランスジェニックタバコに対して統計的に有意な成長速度の増加であった。
図10は、GSを過剰発現する植物の成長表現型(Z3−A1およびZ17−B7)のコントロール植物およびGSが共同抑制される植物(Z54−A2)の表現型に対する定性的比較を示す。その結果は、GS過剰発現のレベルがたとえ低くても、容易に認められる成長の改善が得られることを示す(図10、Z17−B7およびZ3−A1の成長をコントロール植物の成長と比較)。さらに、これらの結果は、成長の改善がGS過剰発現によるものであり、CaMV−35S GS構成体による植物の単なる遺伝子操作によるのではないことを示す。例えば、CaMV35S−GS2により遺伝子操作され、GS発現が共同抑制されたZ54−A1は、かなり小さい成長を示した。さらに、これらの結果は、GS活性が植物成長の律速段階であることを示す。というのは、この酵素の阻害により成長に対する重大な表現型の影響が引き起こされるからである。
GS遺伝子の異所性過剰発現または共同抑制と関連するGS活性の変化が、栄養成長期の終わりの「最終」の新鮮重量に対して影響があるかどうかを調べるための実験を行った。成長分析は、GS2によって共同抑制される系(Z54−4)、GS1を過剰発現する系(Z3−1)、GS3Aを過剰発現する系(Z17−7)および形質転換されていないタバコのコントロール(SR1)に対するT2世代植物において行った。植物を砂土で成長させ、10 mM のKNO3 を含む Hoagland 溶液で定期的に湿らした。指定のタイムポイントで、各系の8個のT2植物を秤量し、葉のGS活性を各々について測定した。このデータを分析すると、32日および43日の両日に測定した個々の全ての「最終」の新鮮重量とGS特異的活性との間には直線的関係があることが分かる(図11A)。例えば、GS活性が共同抑制されるZ54−4植物(野生型GS活性の 27%)はコントロールの半分の重量であり、GS3A(136 % GS活性)またはGS1(284 % GS活性)を過剰発現する植物は、各々、コントロールよりも1.5 倍および2倍重い。これらの同じT2植物の場合、葉の全タンパク質(μg タンパク質/ gm 新鮮重量)と葉のGS活性との間にも直線的関係が存在する。最も高いレベルのGS活性を発現する植物(284 % )は、可溶タンパク質レベル/ gm 新鮮重量が、コントロールと比較して 1.5倍高かった(図11B)。このデータの無対T−テスト分析は、GS過剰発現系(Z3−1、Z17−7)が、p<0.0001のときにかなり大きいGS活性、新鮮重量、および葉の可溶タンパク質を有することを示した。ただし、p値が 0.0007 であるZ17−7に対する新鮮重量は除く。同様に、GS2によって共同抑制される系(Z54−4)は、p<0.001 のときに、コントロールSR1よりもかなり小さいGS活性、新鮮重量、および葉の可溶タンパク質を有した。成長実験で使用されるGS過剰発現T2系(Z3、Z17)のGS活性プロフィルは、T2世代ではGS活性が一貫して高かったことを除き、親のT0系およびT1子孫に匹敵する。このことは、恐らく、GSトランス遺伝子と会合した KanR 表現型の分離が認められなかったので、トランス遺伝子のいくつかまたは全部が、T2世代でホモ接合体になったという事実によると考えられる。成長実験の終わりには、GSを過剰発現するトランスジェニック系は、コントロールよりも視覚的に緑が強くなり、劇的に大きくなった。
遺伝子工学が収穫のある植物の改善において重要であると考えられ始めるにつれて、選択した遺伝子の過剰発現において決定的なパラメータを理解することがますます重要になってくる。宿主植物相同体が存在する遺伝子の過剰発現が、ウイルスコートタンパク質およびBT毒性遺伝子などの相同体のない遺伝子の過剰発現より複雑であることは明らかである(Powell-Abel ら、1986, Science 232:738-743; Vacckら、1987, Nature 328:33-37)。これは、トランスジェニック植物が検出でき、宿主相同体が存在するトランス遺伝子を、恐らくフィードバック阻害またはいくつかの他の機構により抑えることができる共同抑制現象による(van der Krolら、1990, Plant Cell 2:291-299; Napoliら、1990, Plant Cell 2:279-289)。本発明では、同じ構成プロモーター(35S−CaMV)の後ろの葉緑体または細胞質ゾルGSに対する3種類のエンドウGS遺伝子をトランスジェニックタバコで異所的に過剰発現する試みを呈示する。その試みの結果、各GS遺伝子に対して異なる過剰発現および/または共同抑制が得られた。さらに、過剰発現に成功した細胞質ゾルGSに対する2種類の遺伝子(GS1およびGS3A)の場合、その過剰発現により、GS RNA、タンパク質および酵素の過剰産生だけでなく、窒素使用効率が改善された表現型が得られた。
以下の研究は、アスパラギン製造の増加及び植物成長に対する影響を試験するとを目的とする、植物中でのAS遺伝子発現の操作に係わる。窒素運搬/貯蔵化合物としてアスパラギンがグルタミンよりも好ましいいくつかの特徴があり、従ってアスパラギンへの窒素の同化の増加はin vivo で価値があり得る。アスパラギンは、グルタミンよりも高いN:C 比率を有する長距離窒素輸送化合物である。従って、それは窒素輸送のためのより経済的な化合物である。それに加えて、アスパラギンはグルタミンより安定であり、液胞中で高いレベルに蓄積することができる(Sieciechowicz et al., 1988, Phytochemistry 27:663-671; Lea and Fowden, 1975, Proc. R. Soc. Lond. 192:13-26)。エンドウの葉の分化の間にはアスパラギンが活発に代謝されるが、窒素を成長のためにもはや必要としない成熟した葉ではアスパラギンは容易には代謝されず、葉から活発な成長領域、例えば分化中の葉や種子に再輸送(師部中)される(Sieciechowicz et al., 1988, Phytochemistry 27:663-671; Ta et al., 1984, Plant Physiol 74:822-826)。ASは通常暗所でのみ発現され(Tsai and Coruzzi, 1990, EMBO J. 9:323-332) 、従って35-AS1は構成的に発現され、細胞型に関して異所的に発現されるだけでなく一時的発現についてもそうである。即ち、本明細書に示した研究は、あらゆる細胞型中での光非依存性形態のASの異所性過剰発現がアスパラギン製造を増加させるかどうかを調べるものである。増加されたアスパラギン製造がトランスジェニック植物の窒素使用効率と成長表現型において利点を与えるかどうかについても本明細書で試験する。
7.1.1. AS遺伝子構築物
以前にエンドウからクローン化されているAS1 cDNA(Tsai and Coruzzi, 1990, EMBO J 9:323-332)を、pTZ18UからpBluescript KS- (Stratagene)のEcoRI部位に移入した。 glnΔAS1欠失突然変異体を、「内部−外部」PCRを使用して構築した(Innis et al., 1990, PCR Protocols: A guide to Methods and Applications. New York, Academic Press pp.1-461) 。アミノ酸2-4(CGI)に対応するコード配列をAS1 cDNAのアミノ末端から削除し、開始メチオニンと非翻訳リーダーをそのまま残した。この欠失が、動物ASについて定義されたアミノ酸MCGIを含んでいるAS酵素の推定グルタミン結合ドメインに対応した(Pfeiffer et al., 1986,J. Biol. Chem. 261:1914-1919; Pfeiffer et al., 1987, J. Biol. Chem. 252:11565-11570)。野性型AS1及び glnΔAS1に対応するcDNAを次にpBluescript からバイナリ発現ベクターpTEV5へ移入した。このベクターは、CaMV 35Sプロモーター(-941から+26まで)、多回クローニングサイト、及びノパリンシンターゼターミネーターを含む。図12は、AS1 cDNA pZ127 (NRRL受託番号 B-21335) 及び glnΔAS1 cDNA pZ167 (NRRL受託番号 B-21336)を含むバイナリーベクター構築物の詳細を示し、これをタバコに形質転換した。
バイナリーベクター構築物を、安全化Agrobacterium 株LBA4404 に、その後Nicotiana tabacum SR1 に、他の文献に記載された標準的手順を使用して移入した(Bevan, 1984, Nucleic Acids Res. 12:8711-8721; Horsch et al., 1985, Science 227:1229-1231)。
Bio101からの「RNAマトリックス」を使用してRNAを単離し、全RNAをこれま
でに記載されたように電気泳動にかけた(Thomas, 1983, Methods Enzymol. 100:255-266)。ゲルを毛細管でHybond-Nナイロン膜(Amersham)上へブロットした。cDNAを、NEN により供給されるランダムプライマーと延長試薬標識システムを使用して標識した。ハイブリダイゼーションを水溶液中で行い、ブロットを0.1X SSPE, 0.1% SDS中で洗浄した。ノーザンブロットをエンドウAS1 cDNA, pAS1でプロービングした(Tsai and Coruzzi, 1990, EMBO J 9:323-332)。
タバコ葉組織試料を液体窒素中で凍結し、メタノール:クロロホルム:水(12:5:3、v/v/v)からなる抽出培地の10のml中で抽出した。ホモジネートを、12,000 X Gで15分間遠心分離した。ペレットを再び抽出し、上清を合わせた。上清へ2.5 mlのクロロホルム及び3.8 mlの蒸留水を添加すると分離した。メタノール:水相を集め、減圧下に乾燥し、1 mlの蒸留水中に再溶解した。その溶液を12,000 gで2分間遠心分離して0.45μm ナイロンフィルターマイクロ遠心分離チューブフィルターシステムを通しろ過した。
アミノ酸は、Microsorb Type OAA Analysis カラム(Rainin)上でDuPontのHPLC機器を使用してo-フタルジアルデヒド(OPA) 誘導体として測定した。試料(100μL)をOPA 作用試薬の100μl で誘導化した。2分の誘導化の後、誘導化された試料の50μlを注入した。この勾配は 2種の溶離液;A. 4.5% メタノール及び0.5%テトラヒドロフルオランを含む95% 0.1M酢酸ナトリウム(pH 7.2); B. 100 %メタノールを使用して生成した。溶離液をろ過し、使用の前にHeで脱気した。OPA誘導化アミノ酸の検出は、UV分光光度計で340 nmにおいて行った。各測定は二回行い、値はその平均値を表す。
高レベルのAS1 mRNAまたは変異 glnΔAS1 mRNAを発現するものとして特徴付けられる一次形質転換体の後代を、100 μg/mlのカナマイシンを含むMS培地上で生育させた。14日後、カナマイシン耐性苗木を白砂で満たした4インチの鉢に移し、約1週間サランラップで包んで過剰な蒸発を防ぎ、苗木が根付くようにした。鉢に唯一の窒素源として10mM硝酸カリウムを含む1X Hoagland溶液を定期的に与えた。その後、3〜7の植物を各週に新鮮重量を測定するために採取し、隣り合った植物の陰になるのが顕著になるまで4週間継続した。植物を16-8時間の光-暗所サイクルの下に24-18℃の温度サイクルで成長させた。昼間光度は1000ルクスであった。
7.2.1. エンドウAS1と glnΔAS1 を発現するトランスジェニック植物の構築
35S-CaMVプロモーターから発現されたエンドウAS1 cDNA (Tsai and Coruzzi,1990, EMBO J 9:323-332) をトランスジェニックタバコに移し(図12及び7.1 材料及び方法の項を参照) 、5つの独立した一次形質転換体(Z127; 1-5)が高いレベルのAS1 mRNAを発現することが示された(下記参照)。グルタミン結合ドメインに欠失を有するAS1 cDNA(glnΔAS1)を含む3つの独立したトランスジェニック系(Z167;1-3)もトランスジーンRNA の高いレベルを含むことが示された (下記参照)。
トランスジェニック植物から抽出されたRNA のノーザンブロット分析を行い、35S-AS1 トランスジーンが高いレベルで発現した植物を同定した(図13)。陽性対照として、ASのRNAを暗所で生育したエンドウ植物の葉中に検出した(図13、レーンPL)。これに対して、光中で生育した野性型タバコの葉にはAS mRNA は検出されなかった(図13、TL)。以前の研究により、タバコAS mRNA は暗所で生育した植物の組織中だけに発現されることが示されている(Tsai and Coruzzi, 1991, Mol Cell Biol 11:4966-4972)。AS1 を過剰発現する形質転換体(Z127-1、-3、-4及び-5)は全て、それらが光中で生育されたにもかかわらず、AS1 mRNAの高いレベルを含んでいた(図13)。このように、35S CaMVプロモーターは、エンドウAS1の構成的な発現を生成するのに対して、内因性AS mRNAは、光中ではタバコ葉中に発現されない。 glnΔAS1形質転換体も、タバコ対照と比較して高水準のmRNAの構成的な発現を示した(Z167-2、-3及び-4) (図13)。AS酵素のよく知られた不安定性のために、AS酵素を均質物にまで精製できず、植物ASの抗体をASタンパク分析のために使用できなかった。それに加えて、in vitroアッセイでは、酵素の不安定さのためにAS活性が検出されなかった。
ノーザン分析の結果に基づいて、AS1 mRNAの高いレベルを示した2つの独立のトランスジェニック系(Z127-1及びZ127-4)をさらに分析するために選択した。同様に、Z167-2及びZ167-4系を glnΔAS1 構築物の高発現体の代表として選択した。これらの植物のT2後代について、以下に記載するアミノ酸分析及び成長分析を行った。
選択した両方のZ127系(Z127-1及びZ127-4)は、アスパラギンの増加されたレベル(野性型対照より10〜100 倍高い)を示した(表4)。個々のT2植物の間で見られるばらつきは、個体のホモ接合性またはヘテロ接合性を反映している可能性が最も高く、中間レベル:高いアスパラギンレベルの約2:1 の比は、この考え方の証拠となるものである。しかし、すべての場合においてアスパラギンのかなりの増加は対照濃度のほぼ100 倍まで及んでいることが判る。面白いことには、これらの植物においてグルタミン濃度の対応する減少が存在し(Z127-4のデータは唯一高い値ではずれていたが)、これはAS反応における基質としてのグルタミンの使用を反映しており、同じく予測できるのは他の基質アスパルテートの濃度の減少である。しかし、Z127系中のグルタメートの低下した濃度はいくらか予想外である。生化学的予測とAS反応に関与する他の3つのアミノ酸について集めたデータから、グルタメートの増加が予測された。グルタメートの見かけ上の減少は、アミノ基転移のようないくつかの関連するプロセスにおける基質として使用されたために起こった高い代謝回転の結果であり得る。
glnΔAS1 を過剰発現する選択された二つの系において調べた問題は、ASのグルタミン結合ドメインの欠失がアスパラギン生合成に対して優勢−ネガティブ効果を有しているかどうかということである。これらの系(Z167-2及びZ167-4)について集めたデータはデータ値のばらつきのために解釈するのがやや困難である(表4)。しかし、ほとんど全ての場合において、野性型非トランスジェニックタバコと比較して3から19倍の範囲のアスパラギン濃度の実質的な増加が存在する。これらの結果は、トランスジェニック系がアスパルテート、グルタメートまたはグルタミンプールに対して殆ど影響を及ぼさずにアスパラギンを蓄積する能力を有することを示唆している。一つの可能性は、 glnΔAS1酵素がアンモニアとアスパルテートから直接アスパラギンを合成できるということである。
白砂中で生育された個体トランスジェニックT2植物を使用して成長分析を行った。これらの研究は、近隣の植物からの干渉を最小にした条件下に成長速度を調べることを目的とする。このため、生育の栄養成長段階(発芽後6週間まで)の間にのみ新鮮重量測定を行った。この間、植物は急速に成長し、供給された窒素にのみ依存し、薹立や顕花の間におこるように内部窒素源を移動させない。植物は、窒素について非制限的(即ち10 mM 硝酸塩の規則的な施肥)で隣接植物からの光合成干渉を減らすような条件下に生育された。その成長分析は、そのような干渉が顕著になったときに終了した。分析したすべての植物は各時点で同じ加齢を有し、 0.1〜0.3 gの新鮮重量/植物の間に分析を開始し、近隣の植物の干渉が顕著になり薹立が間近の約6週齢になるまで継続した。
本明細書に開示した研究では、ASをトランスジェニック植物中に異所的に過剰発現させ、この操作の一次窒素同化と植物成長に対する影響を試験するものであった。特に、ASの細胞特異的発現パターンを変更し、光に関してASの制御も改変した。野性型植物においては、ASは通常その師部中に発現されるだけであり(Tsai, 1991, Molecular Biology Studies of the Light-Repressed and Organ-Specific Expression of Plant Asparagine Synthetase Genes. Ph.D. Thesis, The Rockefeller University, New York, NY)、その発現は光合成及び非光合成組織の両方において光によって劇的に抑制される(Tsai and Coruzzi, 1990, EMBO J 9:323-332; Tsai and Coruzzi, 1991, Mol Cell Biol 11:4966-4972)。ここで、エンドウの野性型AS1及びAS1 の変異形態(glnΔAS1)は、構成的プロモーター(35S-CaMV)の制御下にトランスジェニックタバコ中に発現され、AS1 がすべての細胞型中に光から独立して発現される。それが通常は発現されない細胞において構成的に発現されるAS1の生理的な意義は、植物窒素代謝に対して重大な影響を有し得る。例えば、アスパラギンは光呼吸窒素リサイクルに関与しており(Givan et al., 1988, TIBS 13:433-437; Ta et al., 1984, Plant Physiol 74:822-826)、従って光合成細胞中のASの異所性発現は光呼吸に劇的な影響を与え得る。さらに、この点でアンモニア依存性AS酵素の発現は光呼吸アンモニアの再同化を助け得る。
野性型ASの異所性過剰発現に加えて、1つの試みにおいて植物グルタミン依存性ASを、そのアンモニア依存活性を増強するように改変した。特に、ASのグルタミン結合ドメインに対する抗体が同じASポリペプチドに存在しているグルタミン依存AS活性を抑制するが、アンモニア依存活性は増強することが動物中で示されている(Pfeiffer et al., 1986, J. Biol. Chem. 261:1914-1919; Pfeiffer et al., 1987, J. Biol. Chem. 252:11565-11570)。類推として、突然変異によりグルタミン結合のために必要とされる3つのアミノ酸を特異的に削除された部位特異的変異体(glnΔAS1)がエンドウAS1 cDNAに形成されている(Tsai and Coruzzi, 1990, EMBO J 9:323-332)。この glnΔAS1をトランスジェニック植物に導入することによって、アンモニア依存AS活性を増強すること及び/またはサブユニット活性低下及び野性型と突然変異サブユニットのヘテロダイマーの形成を通して内因性グルタミン依存AS活性を抑制することが可能であり得る。 glnΔAS1トランスジーンを過剰発現する2つの独立のトランスジェニック系、Z167-2及びZ167-4が非形質転換タバコ対照よりも約3〜19倍高いアスパラギンレベルを蓄積し得ることが見出された。アスパラギンの同化における glnΔAS1遺伝子の活性は、グルタミン以外の窒素基質(例えばアンモニア)を利用する能力を持っている改変酵素を示唆するものである。E.coli AsnA遺伝子と哺乳類ASの既知のアンモニア依存AS活性に対する類推から、突然変異植物 glnΔAS1酵素を発現するトランスジェニック植物におけるアスパラギンの高いレベルは、 glnΔAS1 酵素が直接アンモニアをアスパラギンに同化でき、従って一次窒素同化においてGSを迂回し得ることを示唆している。この提案が正しいならば、これらのトランスジェニック植物中のアスパラギンの相対レベル(Z167 対Z127) に基づいて、gln ΔAS1 遺伝子がアスパラギンの合成において過剰発現された野性型AS1ほどは効率的でないことは明らかである。
以下の微生物は、Agricultural Research Culture Collection, Northern Regional Research Center (NRRL), Peoria, Illinois寄託されており、以下の受託番号が付与されている。
株 プラスミド NRRL受託番号
Escherichia coli, Z3 pZ3 B-21330
Escherichia coli, Z9 pZ9 B-21331
Escherichia coli, Z17 PZ17 B-21332
Escherichia coli, Z41 pZ41 B-21333
Escherichia coli, Z54 pZ54 B-21334
Escherichia coli, Z127 pZ127 B-21335
Escherichia coli, Z167 pZ167 B-21336
本発明をその特異的態様を参照して詳細に記載したが、機能的に等価な改変は本発明の範囲の範囲内であることが理解されるであろう。実際、本明細書に示し記載したものに加えて本発明の種々の改変は、これまでの記載及び添付の図面から当業者に明らかであり、そのような改変は添付の請求の範囲に包含されることを意図するものである。
Form PCT/RO/134 (続き)
アグリカルチュラル リサーチ カルチャー コレクション (NRRL)
インターナショナル ディポジタリー オーソリティー
アメリカ合衆国 61604 イリノイ州
ペオリア,エヌ.ユニバーシティー ストリート 1815
受託番号 寄託日
B−21331 1994年 9月28日
B−21332 1994年 9月28日
B−21333 1994年 9月28日
B−21334 1994年 9月28日
B−21335 1994年 9月28日
B−21336 1994年 9月28日
NRRL B-21331
NRRL B-21332
NRRL B-21333
NRRL B-21334
NRRL B-21335
NRRL B-21336
Claims (18)
- 1種または数種の窒素同化/代謝酵素の異所性過剰発現のための植物の遺伝子工学的操作により改良された農業または栄養特性を有する植物を作出する方法であって、上記の改良された農業または栄養特性を有する植物が、同様に栽培した遺伝子操作されていない前駆植物と比べて、該植物と該前駆植物を窒素非限定生育条件下で栽培するときに次の特性:
i)より速い成長速度、
ii)より多い成熟時の新鮮または乾燥重量、
iii)より多い果実または種子の収穫量、
iv)より高い総植物窒素含量、
v)より高い果実または種子の窒素含量、
vi)より高い全植物の遊離アミノ酸含量、
vii)より高い果実または種子の遊離アミノ酸含量、
viii)より高い果実または種子のタンパク質含量、または
ix)より高い栄養組織のタンパク質含量、
を示すものであり;過剰発現される窒素同化/代謝酵素がアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、アスパラギナーゼ、真核生物アスパラギンシンテターゼまたは細胞質ゾルグルタミンシンテターゼであり;そして1種または数種の窒素同化/代謝酵素の異所性過剰発現のための遺伝子工学的操作が、
i)1種または数種の窒素同化/代謝酵素の異所性過剰発現を与える1個または数個の遺伝子融合体で植物を形質転換し、
ii)該遺伝子融合体に連結されたマーカー遺伝子により付与された形質に基づいて上記の形質転換植物を選択または同定し、
iii)上記の形質転換植物を窒素非限定生育条件下で栽培して、上記の改良された農業または栄養特性の1以上について該形質転換植物をスクリーニングし、そして
iv)1以上の改良された農業または栄養特性を有する形質転換植物を選別する、
ことを含んでなる、上記の方法。 - 遺伝子融合体が構成的に発現される強力な植物プロモーターに機能しうる状態で連結された窒素同化/代謝酵素をコードする遺伝子を含むものである、請求項1に記載の方法。
- 構成的に発現される強力な植物プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項2に記載の方法。
- 窒素同化/代謝酵素が真核生物アスパラギンシンテターゼまたは細胞質ゾルグルタミンシンテターゼである、請求項3に記載の方法。
- 窒素同化/代謝酵素が根−特異的グルタミンシンテターゼである、請求項4に記載の方法。
- 遺伝子融合体がpZ3、pZ9またはpZ17の35S−GS遺伝子融合体である、請求項1に記載の方法。
- 遺伝子融合体がpZ127の35S−AS遺伝子融合体である、請求項1に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により作出された植物。
- 1種または数種の窒素同化/代謝酵素の異所性過剰発現を与える1個または数個の上記遺伝子融合体を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により作出された植物の種子。
- 請求項9に記載の種子の植物。
- グルタミンシンテターゼ遺伝子の異所性過剰発現のための植物の遺伝子工学的操作により抑制されたグルタミンシンテターゼレベルを有する植物を作出する方法であって、上記の抑制されたグルタミンシンテターゼレベルが同様に栽培した遺伝子操作されていない前駆植物と比較してのことであり;そして植物の遺伝子工学的操作が、
i)グルタミンシンテターゼ遺伝子の異所性過剰発現を与えるようにデザインされた遺伝子融合体で植物を形質転換し、
ii)該遺伝子融合体に連結されたマーカー遺伝子により付与された形質に基づいて上記の形質転換植物を選択または同定し、
iii)異常に低いグルタミンシンテターゼレベルについて上記の形質転換植物をスクリーニングし、そして
iv)異常に低いグルタミンシンテターゼレベルを有する形質転換植物を選別する、
ことを含んでなる、上記の方法。 - グルタミンシンテターゼ遺伝子が葉緑体グルタミンシンテターゼをコードする遺伝子である、請求項11に記載の方法。
- 遺伝子融合体がpZ41またはpZ54の35S−GSである、請求項12に記載の方法。
- 不活性のアスパラギンシンテターゼの異所性過剰発現のための植物の遺伝子工学的操作により抑制されたアスパラギンシンテターゼレベルを有する植物を作出する方法であって、上記の抑制されたアスパラギンシンテターゼレベルが同様に栽培した遺伝子操作されていない前駆植物と比較してのことであり;そして植物の遺伝子工学的操作が、
i)不活性のアスパラギンシンテターゼの異所性過剰発現を与える遺伝子融合体で植物を形質転換し、
ii)該遺伝子融合体に連結されたマーカー遺伝子により付与された形質に基づいて上記の形質転換植物を選択または同定し、
iii)異常に低いアスパラギンシンテターゼレベルについて上記の形質転換植物をスクリーニングし、そして
iv)異常に低いアスパラギンシンテターゼレベルを有する形質転換植物を選別する、
ことを含んでなる、上記の方法。 - 遺伝子融合体がpZ167の35S−ASである、請求項14に記載の方法。
- 1種または数種の窒素同化/代謝酵素の異所性過剰発現を与える1個または数個の上記遺伝子融合体を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により作出された植物の子孫、クローン、細胞系または細胞。
- (a)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸2−オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、アスパラギナーゼ、真核生物アスパラギンシンテターゼまたは細胞質ゾルグルタミンシンテターゼをコードする遺伝子を異所的に過剰発現し、そして(b)同様に栽培した遺伝子操作されていない前駆植物と比べて、該植物と該前駆植物を窒素非限定生育条件下で栽培するときに、次の改良された農業または栄養特性:
i)より速い成長速度、
ii)より多い成熟時の新鮮または乾燥重量、
iii)より多い果実または種子の収穫量、
iv)より高い総植物窒素含量、
v)より高い果実または種子の窒素含量、
vi)より高い全植物の遊離アミノ酸含量、
vii)より高い果実または種子の遊離アミノ酸含量、
viii)より高い果実または種子のタンパク質含量、または
ix)より高い栄養組織のタンパク質含量、
の1以上を示すものである、遺伝子工学的に作出された植物。 - 細胞質ゾルグルタミンシンテターゼが根−特異的グルタミンシンテターゼである、請求項17に記載の遺伝子工学的に作出された植物。
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