JP2010066121A - X線回折装置およびx線回折方法 - Google Patents

X線回折装置およびx線回折方法 Download PDF

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Abstract

【課題】入射部での散乱X線の影響を極力排して試料で生じた回折X線を検出できる透過型のX線回折装置とX線回折方法とを提供する。
【解決手段】試料10を配置するための閉鎖された空間を構成する試料室100と、試料室100内の試料10を所定温度に加熱する加熱手段900と、X線が試料10に照射されて生じる回折X線を試料室100の外部で検出するX線検出部200とを備える透過型X線回折装置である。この装置は、試料室100の壁面にガラス製の入射部110と出射部150とを備え、試料室100内に第一遮蔽体300が配置される。第一遮蔽体300は、入射部110での散乱X線がX線検出部200の所定領域に達することを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線回折装置およびX線回折方法に関するものである。特に、試料室における入射部での散乱光がX線検出部に到達することを遮蔽できるX線回折装置に関するものである。
加熱雰囲気下での試料をX線回折装置により分析することが知られている。そのような分析に用いられるX線回折装置は、通常、分析試料をセットする試料室を備えている(類似の装置として特許文献1参照)。例えば、入射部と出射部を備える試料室内に試料をセットし、試料室外から入射部を介して試料にX線を照射して、試料から回折X線を発生させる。この回折X線は、出射部を介して試料室の外部に放射され、X線検出部に到達する。
また、特許文献2は、試料を所定温度に加熱する加熱手段を備えるX線回折装置を開示している。
特開平5-188016号公報 特開2008-58233号公報
しかし、上記のX線回折装置では、次のような問題があった。
第一に、入射部や出射部で生じた散乱X線などの影響を排して、試料で生じた回折X線を正確に検出することが難しい。一般に、試料周囲の雰囲気制御を行うには、閉鎖空間を形成できる試料室を用いることが好ましい。ところが、その場合、試料室内の雰囲気ガスや熱の散逸を防ぐため、試料室を構成する壁面に、X線が入射・出射される入射部および出射部が必要となる。X線回折装置に入射・出射部が形成された試料室を用いる場合、この入射・出射部の各々で散乱X線及び回折X線が発生する。この散乱X線がX線検出部に到達すると、試料で発生した回折X線と重なる。その結果、試料で発生した回折X線を的確に検出することができず、高精度の分析を行うことができない。
第二に、試料室内を清浄な状態に保持することが難しい。例えば、試料室内に金属材料があると、金属材料に吸着されている気体分子が試料室内に放出されることがある。特に、この気体分子の放出は、加熱雰囲気下で顕著になる。また、試料室内を加熱雰囲気として保温するために、多孔質の断熱材を試料室内に配置すると、断熱材の微細な孔内に吸着した気体分子が放出されることで、やはり試料室内を目的とする清浄な雰囲気にできないことがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、入射部での散乱X線の影響を極力排して試料で生じた回折X線を検出できる透過型のX線回折装置とX線回折方法とを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、出射部での散乱X線の影響を極力排して試料で生じた回折X線を検出できる透過型のX線回折装置とX線回折方法とを提供することにある。
本発明の他の目的は、加熱雰囲気下で高精度に試料を分析できる透過型のX線回折装置とX線回折方法とを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、清浄な雰囲気下で高精度に試料を分析できる透過型のX線回折装置とX線回折方法とを提供することにある。
本発明の透過型X線回折装置は、試料を配置するための閉鎖された空間を構成する試料室と、試料室内の試料を所定温度に加熱する加熱手段と、試料室の外部から内部にX線を透過させるガラス製の入射部と、入射部を透過したX線が試料に照射されて生じる回折X線を試料室の内部から外部に透過させるガラス製の出射部と、出射部を透過した回折X線を試料室の外部で検出するX線検出部とを備える。このX線回折装置は、前記試料室内に配置されて、前記入射部での散乱X線がX線検出部の所定領域に達することを防止する第一遮蔽体を備えることを特徴とする。
この構成によれば、入射部で発生する散乱X線を第一遮蔽体で遮蔽することで、X線検出部の所定領域に達しないようにすることができる。それにより、X線検出部の計測対象領域における回折縞の情報を、散乱X線の影響を極力排して検出することができ、X線回折による高精度の分析を行うことができる。また、入射部および出射部をガラス製とすることで、雰囲気や温度条件の制約を受け難いことに加え、ベリリウムなどの金属材料に比べて放出ガスの発生が少なくできる。それにより、試料室内の雰囲気の清浄性向上に寄与することができる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記試料室が円筒状で、その試料室の軸方向一端側に前記入射部を有することが挙げられる。
この構成によれば、試料室を円筒状とすることで、試料室内を均一に加熱することが容易にできる。特に、試料室の軸上およびその近傍に試料を設置するようにすれば、試料室の壁面から試料までの距離をほぼ均等にしやすいため、試料をむらなく加熱しやすい。また、試料室の端部に入射部を形成することで、X線の光軸に沿って試料室の軸方向を配することができ、その光軸を中心として第一遮蔽体を配置しやすい試料室内の空間を容易に形成できる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記試料室は、一端が開口され、他端が閉口されたガラス容器と、この容器の開口部を閉鎖する蓋部とを備えることが挙げられる。
この構成によれば、試料室のうち、少なくとも蓋部以外の部分をガラス容器とすることで、試料室を構成する壁面からの気体分子の放出を可及的に低減し、試料室内の雰囲気の清浄性向上に寄与することができる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記蓋部が金属又はガラスであることが好ましい。
蓋部が金属材料であれば、試料室内の温度測定手段のリード線などを蓋部に着脱自在に挿通させる構造を容易に加工できる。また、蓋部がガラスであれば、前記リード線を蓋部に貫通状態で封止することが容易にできる。特に、蓋部がガラス製であれば、蓋部からの気体分子の放出が少なく、試料室内の雰囲気の清浄化に寄与できる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記蓋部が金属製で、その蓋部に前記入射部が設けられていることも好ましい。
この構成によれば、蓋部を金属製とすることで試料室内の温度測定手段のリード線などを蓋部に着脱自在に挿通させる構造を容易に加工できる。加えて、その蓋部にガラス製の入射部を設けることで、入射部を含む蓋部の全てを金属製とした場合に比べて、X線の吸収が少なく、雰囲気や温度条件の制約を受け難い試料室を構築できる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記試料室は、その内部に所定の雰囲気ガスを導入する供給口と、試料室内の雰囲気ガスを試料室外に排出する排気口とを備えることが挙げられる。その場合、前記供給口と排気口とが、試料室の内部で互いに一端側と他端側に離れて配置する。
この構成によれば、試料室内における供給口と排気口の位置を離すことで、供給口から導入された雰囲気ガスを試料室内に均一に分散・流通させることができる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記加熱手段が、試料室の外部に設けられていることが挙げられる。
この構成によれば、試料室の外部に加熱手段を設けることで、試料室内に加熱手段を設けた場合の不具合を解消することができる。例えば、試料室内の空間の狭小化、加熱手段からの気体分子の放出に伴う試料室内の雰囲気状態の変動、および加熱手段にX線が照射された場合のX線回折結果の精度低下、といった種々の不具合を解消することができる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記加熱手段は、試料室における試料配置箇所の外周を取り囲むように配され、この加熱手段の外側を含む試料室の外側を覆う断熱材を備えることが挙げられる。そ場合、断熱材は、試料に照射されるX線の光軸に干渉しないように配する。
この構成によれば、試料室の外側を断熱材で取り囲むことにより、試料室内を所定温度に保持しやすくできる。特に、試料室内に断熱材を設けた場合に比べて、試料室内の雰囲気を清浄に保持しやすい。また、断熱材がX線の光軸に干渉しないように配されることで、加熱手段の回折X線がX線検出部で検知されることがない。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記試料室、加熱手段、入射部、出射部、及び第一遮蔽体を備えるX線回折装置の主要部が複数並列され、これら主要部群をX線の光軸に対して直交する方向に移動させることで、各主要部ごとに配された試料に順次X線が照射されるようにする移動機構を備えることが挙げられる。
この構成によれば、移動機構を動作することにより、複数の試料を順次効率的にX線回折で分析することができる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記X線検出部が一次元X線検出器又は二次元X線検出器であることが挙げられる
この構成によれば、回折X線を線状に検出する一次元X線検出器や、回折X線を面で検出する二次元検出器を用いることで、回折X線の分布を効果的に検出することができる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記第一遮蔽体が、入射部と試料の配置箇所との間に配されることが挙げられる。
入射部と試料の配置箇所との間に第一遮蔽体を配置すれば、入射部で発生する散乱X線を効果的に遮蔽することができる。また、この第一遮蔽体の配置によれば、X線検出部に到達すべき回折X線を第一遮蔽体が遮蔽することも容易に回避できる。
本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記試料室外に配置されて、出射部での散乱X線がX線検出部の所定領域に達することを防止する第二遮蔽体を備えてもよい。
この構成によれば、出射部での散乱X線による影響を排して、X線検出部に到達すべき回折X線を的確に検出することができる。
第二遮蔽体を備える本発明の透過型X線回折装置の一形態として、前記第二遮蔽体は、X線の光軸上でX線を遮蔽するダイレクトビームストッパと一体化されていることが好ましい。
この構成によれば、第二遮蔽体とダイレクトビームストッパとを一つの部材で構成でき、X線回折装置の部品点数を低減し、組み立ても容易にできる。
一方、本発明の透過型X線回折方法は、試料にX線を照射し、その照射に伴って試料から生じる回折X線を検出するX線回折方法であって、次の工程を備える。
ガラス製の入射部を有する試料室内に試料をセットする工程。
この試料を所定の温度に加熱する工程。
試料室外から試料室内の試料に前記入射部を介してX線を照射する工程。
この照射に伴って、試料から生じる回折X線をガラス製の出射部を介して試料室外のX線検出部で検出する工程。
そして、この回折X線をX線検出部で検出するのに際し、前記X線の照射に伴って入射部で生じる散乱X線を試料室内にて遮蔽して、散乱X線がX線検出部の所定領域に達しないようにすることを特徴とする。
この構成によれば、入射部で発生する散乱X線を試料室内で遮蔽することで、X線検出部の所定領域に達しないようにすることができる。それにより、X線検出部の計測対象領域における回折縞の情報を、散乱X線の影響を極力排して検出することができ、X線回折による高精度の分析を行うことができる。
本発明のX線回折装置およびX線回折方法によれば、入射部での散乱X線の影響を極力排して、試料で生じた回折X線を検出することができる。また、入射部および出射部をガラス製とすることで、試料室内の雰囲気の清浄性向上に寄与することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明装置の基本概念図である。
このX線回折装置は、試料室100、X線検出部200、及び第一遮蔽体300を備える。実際にX線回折により試料の分析を行う場合には、X線源400も必要となる。これらの構成要素は、X線源400、試料室100、X線検出部200の順に並列される。そして、試料室100の側壁には、入射部110及び出射部150が設けられ、試料室100内には第一遮蔽体300が設けられている。本例では、さらに試料室100の外側に第二遮蔽体600も設けている。そして、試料室の外側には、試料を所定温度に加熱する加熱手段900が設けられている。以下、各構成要件をより詳しく説明する。
X線源400は、試料10に照射されるX線を発生する。このX線源400は、所定線量のX線を発生できるものであれば良く、X線回折装置と一体に構成されているX線管球であってもよいし、試料室100とは独立した構成であってもよい。試料室100と独立したX線源400の具体例としては、放射光光源などが挙げられる。
試料室100は、閉鎖空間を形成して、その内部に試料10が配置される。この試料室100は、試料室100内の雰囲気温度、雰囲気圧力、雰囲気ガス種の少なくとも一つを調整できる程度に閉鎖された空間を形成できれば良い。試料室100の構成材料は、特に限定されないが、ガラスやステンレスなどが好適に利用できる。試料室100の形状も、特に限定されないが、円筒状や直方体状などが好適に選択される。このような試料室100の内部には、試料10が載置される試料台120を設けることが好ましい。
試料室100を構成する壁面の一部には、入射部110及び出射部150が形成される。入射部110は、X線源400から照射されたX線が透過されて、試料室100内の試料10にX線を到達させる。一方、出射部150は、試料室100内を透過したX線や、試料10へのX線の照射に伴って発生する回折X線を試料室100外に出射させる。通常、入射部110と出射部150は、X線の光軸20上で、かつ試料室100の対向する壁面の一部に窓状に形成される。例えば、円筒状の試料室100とした場合、試料室100の両端面に入射部110と出射部150とを設ければよい。その他、試料室100を構成する壁面自体が入射部110及び出射部150を構成してもよい。入射部110と出射部150の材質には、ガラスなどが好適に利用できる。本発明では、後に述べる第一遮蔽体300(第二遮蔽体600)により散乱X線を遮蔽する構成であるため、入射部110や出射部150の材質が特定のものに限定されることがない。つまり、入射部110や出射部150の材質の選択自由度が高く、雰囲気や温度条件の制約を受け難い材料の選択や、入射部110や出射部150でのX線の吸収が少ない材料も選択できる。
第一遮蔽体300は、入射部110での散乱X線を遮蔽し、その散乱X線がX線検出部200に到達することを防止する。この第一遮蔽体300の材質及び厚さは、照射されるX線の強度や入射部110の材質・厚さに伴って変わる散乱X線の強度に応じて、十分に散乱X線が遮蔽できるものを選択する。例えば、Ni、Ta、W、Mo、Pbやこれら各元素をベースとする合金、或いはガラスやステンレスを第一遮蔽体300に利用できる。
第一遮蔽体300の形状・サイズは、入射部110で発生する散乱X線がX線検出部200の所定領域に到達しないようにできればよく、種々の形態が選択できる。例えば、平板状、円弧面状、円筒状などが挙げられる。前記X線検出部200の所定領域とは、X線検出部200のうち、検出すべき回折X線が到達する領域である。検出すべき回折X線の到達する領域に散乱X線が到達しなければ、散乱X線の影響を排した状態で精度よく回折X線を検出することができる。回折X線は、入射部110から光軸20を中心とするコーン状に広がり、X線検出部200において円弧状のパターンとなって検出される。この円弧状の回折縞のうち、例えば内周側の回折縞を形成する回折X線を検出するのであれば、X線検出部に200おけるX線の光軸位置から内周側の領域に散乱X線が到達しないようにすれば良い。逆に、円弧状の回折縞のうち、外周側の回折縞を形成する回折X線を検出するのであれば、X線検出部200におけるX線の光軸位置から外周側の領域に散乱X線が到達しないようにすれば良い。つまり、X線検出部200におけるどの領域の回折X線を検出するかによって、散乱X線を遮蔽する第一遮蔽体300の形状やサイズを適宜選択すればよい。
また、散乱X線は、入射部110のうち、X線源400から照射されたX線が透過する箇所を散乱源とする。そのため、第一遮蔽体300は、入射部110と試料10の設置箇所(試料台120)との間に配置することが好ましい。特に、散乱源の近くに第一遮蔽体300を設けることで、散乱X線が広がる前に効果的に遮蔽することができる。
第一遮蔽体300は、X線の光軸20と実質的に平行に配置したり、X線の光軸20に対して交差する向き、例えば直角に配置しても良い。試料室100内の閉鎖空間には、雰囲気ガスが供給されることがあるが、X線の光軸20と実質的に平行に第一遮蔽体300を配置すれば、試料室100内での雰囲気ガスの循環を妨げることが少なく好ましい。例えば、図1に示すように、平板状の第一遮蔽体300を試料室100内に設ける場合、試料室100の底面に対して適宜な脚部(図示略)で第一遮蔽体300を支持し、この第一遮蔽体300がX線の光軸20と平行となるようにしても良い。この脚部は、X線の光軸20に干渉しない構成とする。或いは、入射部110が設けられた試料室100の壁面に対して平板状の第一遮蔽体300を片持ち支持しても良い。
入射部110での散乱X線は強度が高いため、この散乱X線を第一遮蔽体300で遮蔽することにより、回折X線を的確にX線検出部200で検出することができる。
入射部110での散乱X線を遮蔽するだけでも、X線回折法による高精度の試料分析には相当程度の効果がある。その一方で、散乱X線は出射部150でも発生する。そのため、この出射部150で生じる散乱X線も第二遮蔽体600で遮蔽することが好ましい。第一遮蔽体300と第二遮蔽体600の双方を用いれば、入射部110での散乱X線と出射部150での散乱X線の双方を遮蔽することができ、より高精度の試料分析が期待できる。
第二遮蔽体600も、第一遮蔽体300と同様の材質で構成できる。また、配置箇所が試料室100の外側である点を除き、第一遮蔽体300と同様に、X線検出部200におけるどの領域の回折X線を検出するかによって、散乱X線を遮蔽する第二遮蔽体600の形状やサイズを選択すれば良い。さらに、第二遮蔽体600の設置構造については、試料室100における出射部150の形成された壁面に一体に設けることや、試料室100の外側に試料室100とは独立した支持体(図示略)で支持することが挙げられる。
この第二遮蔽体600は、ダイレクトビームストッパ(図示略)と一体化することが好ましい。X線検出部200のX線の光軸20に対応する位置には、強度の高い透過X線(ダイレクトビーム)が到達する。そのため、このダイレクトビームによる検出器飽和を避けるため、出射部150とX線検出部200との間でX線の光軸20と交差する位置には、鉛などの金属板からなるダイレクトビームストッパが設けられる。このダイレクトビームストッパと第二遮蔽体600とを一体化すれば、単一部材で出射部150の散乱X線の遮蔽とダイレクトビームの遮蔽とを行うことができる。例えば、光軸20に平行に伸びる水平片を第二遮蔽体600とし、その水平片に対して直角に設けられて光軸20に交差する垂直片をダイレクトストッパとする。垂直片におけるX線の光軸20と対応する位置には、座ぐりを設け、より効果的にダイレクトビームを遮蔽できるようにしてもよい。
X線検出部200は、回折X線を検出し、その強度を電気信号として出力できるものが好適に利用できる。この検出部200は、一次元検出器でも、二次元検出器でも良い。特に、二次元的に回折X線を検出できる検出部が望ましい。具体的には、イメージングプレート(IP)、フラットパネルディテクタ(FPD)、及びイメージインテンシファイヤ(I.I.)とTVカメラの組み合わせ等が挙げられる。IPは検出した回折X線を電気信号として出力するのに、読取装置による信号の読み出しが必要であるが、FPDやI.I.とTVカメラとの組み合わせは読取装置を用いなくても回折X線を電気信号として出力できる。出力された回折X線の強度信号は、試料の分析に供することができる。
その他の構成として、試料10を加熱雰囲気で分析するために、試料室100に加熱手段900を設けても良い。加熱手段900は、試料室100内を所定温度に加熱できる構成であれば、試料室100の内部に設けても外部に設けても構わない。例えば、試料室100を構成する壁面の少なくとも一つにヒータを設けることが挙げられる。より具体的には、円筒状の試料室100の場合、その円筒面の側壁全体を外側から覆うようにシート状のヒータを配置すれば、試料室100内を均等に加熱できて好ましい。また、ヒータを試料室100外に設ければ、試料室100内でのX線がヒータに遮蔽されることがない上、加熱時にヒータ自体から生じるガス成分により試料室100内の雰囲気が影響を受けることがない。試料室100内を減圧雰囲気として試料分析を行う場合、試料室100内が真空状態となるため、試料室100外からの熱伝導による試料10の加熱は非効率的である。そのため、例えば石英ガラスなどの赤外線透過性材料で試料室100の壁面を構成し、その試料室100の外部に赤外線放射ランプを設けることで試料10を加熱するようにしても良い。その他、試料室内に加熱手段を設ければ、試料10に加熱手段を近接して配置させることが容易にでき、効率的な試料10の加熱が期待できる。
(X線回折装置の全体構成)
SPring-8をX線源に利用した本発明X線回折装置を図2、図3に示す。図2は同装置の模式側面図、図3はその模式平面図である。
この装置は、鉛カバー700と光学ベンチ800を備える。鉛カバー700内には、SPring-8から得られるX線のうち、所定エネルギーのX線を選択的に反射させて、光学ベンチ側に導くミラー710が設けられている。このミラー710は、いわばローパスフィルタとして機能する。
一方、光学ベンチ800上には、レール810が支持され、そのレール810上に、それぞれジャッキ812、814、816を介して、光学系820、試料室100、イメージングプレート210が支持されている。光学系820は、ジャッキ812上に設けられた別のレール818に支持され、ミラー710側から試料室100側に向かって順次、真空パス821、シャッター822、4象限スリット823、イオンチャンバー824、コリメータ825を備える。真空パス821は、空気散乱防止とX線減衰防止機能を有する。シャッター822は、X線の試料に対する露光時間を制御する。4象限スリット823は、X線の照射サイズを制御する絞りである。イオンチャンバー824は、X線の強度を検出する。コリメータ825は、空気中でのX線の散乱を抑制する機能を有する。そして、各レール810、818は、各々その上部の支持対象を図の左右方向にスライドさせる。
次に、試料室100は、その内部に試料がセットされる。この試料室100の具体的な構成については後述する。この試料室100と前記光学系820のコリメータ825は、各々ジャッキ812、814上のX-Zステージ826、160を介して支持され、紙面前後方向及び上下方向に移動自在に構成する。
次に、イメージングプレート210は、X線検出部200に相当し、試料へのX線の照射に伴って生じる回折X線が入射される。入射された回折X線は、イメージングプレート210の輝尽性蛍光体を励起する。そして、このイメージングプレート210を読取装置にかけ、レーザで蛍光体を走査することにより、蛍光体に蓄積されたエネルギーが放射される。この放射エネルギーを光電子変換素子で電気信号に変換して出力する。
さらに、試料室100とイメージングプレート210との間には、光学ベンチのレール810上に設けられた上下一軸のステージを介してダイレクトビームストッパ650が設けられている。このダイレクトビームストッパ650は、イメージングプレート210におけるX線の光軸上の位置に強度の高いダイレクトビームが到達することを抑制する。
(入射部の散乱X線の遮蔽)
上記の試料室100を、入射部110のみあって出射部のない構成とし、入射部110での散乱X線が回折X線の検出に及ぼす影響を検討した。図4(A)に示すように、試料室100はX線源側(図の左側)に入射部110が設けられているが、X線検出部200側は開放されて出射部が設けられていない。また、試料室100の内部にはガラス製のブロック状支持台130が設けられ、その支持台130上にステンレス製の容器型試料台120が載置される。試料10は、この試料台120にセットされる。
試料室100内には、第一遮蔽体300が配置される。本例では、入射部110の試料室内側に矩形平板状の第一遮蔽体300をX線の光軸20と実質的に平行となるように直付けした。
このような試料室100を有するX線回折装置を用いて、試料10にX線を照射し、X線検出部200で検出されるX線の露光状態を調べた。分析条件は次の通りである。なお、第一遮蔽体300にガラスを用いたものを実施例1-1とし、同遮蔽体300にNiを用いたものを実施例1-2とする。そして、第一遮蔽体300にNiを用いた試験では、矩形板の第一遮蔽体300とし、その矩形板は幅方向に厚みが3段階に異なる構成とした。
X線エネルギー:25keV
試料室の構成
材質:合成石英ガラス
形状:円筒形
入射部
材質:合成石英ガラス 厚さ:1mm
試料
材種:Bi2223系酸化物超電導テープ線材
サイズ:幅 4mm、厚さ 0.2mm
温度:常温
第一遮蔽体
形状:矩形板
材質:ガラス又はNi
厚さ:ガラス=1mm、Ni=0.1、0.2、0.3mmの3段階
X線検出部:イメージングプレート
また、比較のため、図4(B)に示すように、同図(A)の試料室100から第一遮蔽体300を除去して、同様にX線検出部200の露光状態を調べた(比較例1)。
イメージングプレート210で検出されたX線回折図形を図5〜7に示す。図5は実施例1-1、図6は実施例1-2、図7は比較例1の検出結果を示す。また、図6は、図の左側から右側に向かってほぼ等間隔で厚さ0.1mm、0.2mm、0.3mmの第一遮蔽体の検出結果を示している。
まず、比較例1(図7)では、試料台及び試料の影の周辺に散乱X線による広い扇状の露光領域が認められ、その露光領域における回折X線の回折縞は全く判別できない。これに対し、実施例1-1(図5)及び実施例1-2(図6)では、散乱X線による露光領域が殆どなく、回折X線による回折縞が明瞭に認められる。
また、Niで第一遮蔽体を構成した場合、図6を左右方向に三分割する境界が認められず、厚みが0.1、0.2、0.3mmのいずれであっても、ほぼ同等の遮蔽効果が認められると考えられる。つまり、Niで第一遮蔽体を構成した場合、今回の分析条件下では、厚さが0.1mmあれば十分であることがわかる。
(出射部の散乱X線の遮蔽)
次に、図2、3の装置において、試料室100を、出射部150のみあって入射部のない構成とし、出射部150での散乱X線が回折X線の検出に及ぼす影響を検討した。図8(A)に示すように、試料室100はX線源側に出射部150が設けられているが、X線検出部200側は開放されて入射部が設けられていない。試料室100の内部にブロック状支持台130、容器型試料台120が載置され、試料10が試料台120にセットされることは実施例1と同様である。
試料室100の外側で、出射部150とイメージングプレート210との間には、第二遮蔽体600が配置される。本例では、第二遮蔽体600とダイレクトビームストッパ650を一体化した構成とした。つまり、平板状の水平片610と平板状の垂直片655からなるL型の遮蔽部材を用い、その水平片610を第二遮蔽体600とし、垂直片655をダイレクトビームストッパ650とした。より具体的には、各々厚さ1mmのL型のアルミ板とL型の鉛板を接合して遮蔽部材を構成し、水平片610がX線の光軸20と平行で、かつ水平片610の上部がアルミ板、下部が鉛板となるように配置した。
このような試料室100を有するX線回折装置を用いて、試料10にX線を照射し、X線検出部200で検出されるX線の露光状態を調べた。分析条件は、第一遮蔽体がないことと、第二遮蔽体600を有すること以外は実施例1と同様である。
また、比較のため、図8(B)に示すように、同図(A)の装置から第二遮蔽体600を除去して、同様にX線検出部200の露光状態を調べた(比較例2)。
イメージングプレートで検出されたX線の回折縞を図9、10に示す。図9は実施例2、図10は比較例2の検出結果を示す。まず、比較例2(図10)では、比較例1ほどではないが、試料台及び試料の影の周辺に散乱X線による扇状の露光領域が認められ、その露光領域及び近傍における回折X線の回折縞を判別することが難しい。これに対し、実施例2(図9)では、散乱X線による露光領域が殆どなく、回折X線による回折縞が明瞭に認められる。従って、出射部側に第二遮蔽体を設けることにより、出射部での散乱X線の影響を除去して回折X線を検出できることがわかる。そして、実施例1、実施例2の結果を総合的に考察すれば、入射部側と出射部側の双方に散乱X線の遮蔽体を設ければ、より高精度のX線回折が可能になることが十分に期待できる。
(移動機構付きX線回折装置)
次に、本発明のX線回折装置の一例を図11、図12に基づいて説明する。この装置は、ガラス容器102と、ステンレス製の蓋部104とを有する試料室100を備える。
図11に示すように、ガラス容器102は、一端が開口し、他端が閉口した円筒容器である。このガラス容器102の開口部には、蓋部104が当接されるフランジ部が形成されている。また、ガラス容器102の閉口側の端面は、円盤状の平面ガラスで構成され、回折X線の出射部150となる。
一方、蓋部104は、ステンレス製の円盤部材で、ガラス容器102のフランジ部に図示しない取付具で固定される。また、蓋部104の中心部には、ガラス製の窓が形成され、その窓がX線の入射部110となる。
また、この試料室100には、試料室100内に雰囲気ガスを導入する供給口106Aと、試料室100内の雰囲気ガスを試料室100外に排出する排気口108Aが設けられている。具体的には、ガラス容器102の開口側の周壁に雰囲気ガスの導入パイプ106を貫通させ、その導入パイプ106を試料室100内でガラス容器102の軸方向沿いに伸ばし、同パイプ106の端部をガラス容器102の閉口側に位置させている。この導入パイプ106の端部が供給口106Aとなる。一方、排気口108Aは、蓋部104のステンレス部分に雰囲気ガスの排気パイプ108を貫通させ、その排気パイプ108の試料室内側の端部に形成されている。つまり、この試料室100では、試料室100内に位置する供給口106Aと排気口108Aが互いに試料室100の一端側と他端側に離れて配され、供給口106Aと排気口108Aの間に試料10の配置箇所が位置することになる。この構成により、供給口106Aから導入された雰囲気ガスを閉口側から開口側に向かって確実に流通させることができ、試料10の周辺を均一な雰囲気ガスとすることができる。
さらに、この試料室100の周壁の外側には、試料10を所定温度に加熱するヒータ910および試料室100内を所定温度に保持する断熱材950が設けられている。ヒータ910は、試料室100の周壁のうち、試料10の設置箇所の外周を覆うように配置されている。試料室100の外側のうち、ガラス容器102の軸方向中間部、つまりヒータ910の設置箇所周辺は、ケース960で覆われている。そして、ケース960の外側で試料室100の開口側及び閉口側の各々、並びにケース960内に断熱材952、954、956が配置されている。いずれの断熱材952、954、956にも、アルミナを用いた。
試料室100の開口部側の断熱材952は、蓋部104の外周面及びガラス容器102のフランジ部に嵌合するリング状に形成され、雰囲気ガスの導入パイプ106に貫通されている。ケース960内の断熱材956は、ヒータ950を覆う環状に形成されている。試料室100の閉口部側の断熱材954は、ケース960から突出するガラス容器102の周壁及び端面を覆う蓋状に形成されている。但し、この断熱材954のうち、回折X線が透過する出射部150に対応する箇所にはスリット954Sが設けられ、回折X線が断熱材954で減衰されないようにすると共に、ガラス容器102の露出箇所を最小限に抑えて、試料室100内の保温性を高めている。この構成より、より少ないヒータ出力で試料室100内を所定の温度に保持することができる。
その他、図示していないが、蓋部104のステンレス部分には、試料室100内の温度を測定する熱電対の補償銅線が貫通されている。この蓋部104のうち、補償銅線に貫通される部分は、蓋部104の残部に対して着脱自在に構成され、補償銅線の断線時に、貫通部分を残部から取り外すことで、補償銅線の交換が容易にできるようにされている。
そして、試料室100内に試料台120や第一遮蔽体300が設けられ、試料室の外部にX線検出部200が配置されている点は、図1や図4のX線回折装置と同様である。この第一遮蔽体300は、一対の短冊板からなる脚部115を、第一遮蔽体300の両側縁から同遮蔽体300と直交する方向に突出させ、この脚部115と第一遮蔽体300で囲まれる空間内にX線の光軸が位置するようにした。第一遮蔽体300が試料室100の壁面と一体化していなければ、X線回折装置の分析条件に応じて第一遮蔽体300を交換しやすい。
このような試料室100は、図12に示すように、4つ並列され、一つのケース960で一纏めにされている。図12(A)は試料室の蓋部(開口部)側を示し、同(B)はその閉口部側を示している。すなわち、図11の試料室100、ヒータ910、入射部110、出射部150、及び第一遮蔽体300をX線回折装置の主要部とし、この主要部が4つ並列されてケース960で一体にされ、かつそのケース960を各試料室100の軸方向と直交する方向にスライドさせる移動機構970が設けられている。移動機構970は、ケース960の下面をスライダ972を介して台座974に支持しており、図示しないモータなどで移動機構970を駆動することでケース960を移動することができる。
X線回折を行う場合、まず、図11のいずれかの試料室100の軸方向をX線の光軸と合致させ、試料室100内に所定の雰囲気ガスを導入すると共に、ヒータ910で試料を所定温度に加熱する。次に、その試料室100の入射部110を介して試料10にX線を照射する。試料10へのX線の照射に伴って生じる回折X線は、出射部150および断熱材954に設けられたスリット954Sを通ってX線検出部200に到達する。この回折X線の検出に際して、入射部110で生じた散乱X線は、第一遮蔽体300により遮蔽されて、X線検出部200の所定領域に到達しないようにされる。続いて、ある試料室100内の試料10に対する分析が終了すると、図12の移動機構970を駆動してケース960を移動させ、既に分析が終了した試料10を収納する試料室100と隣接する試料室100の軸方向にX線の光軸を合致させる。そして、以下同様に各試料室100内の試料10についてX線回折による分析を順次行う。
本例の装置によれば、複数の主要部をまとめて移動機構970でスライド自在に構成することで、順次複数の試料10を連続的に分析することができ、効率的なX線回折を行うことができる。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
本発明のX線回折装置及びX線回折方法は、X線回折法による分析に好適に利用できる。特に、加熱雰囲気下での試料分析に好適に利用できる。より具体的には、各種材料の熱処理中にどのような現象が起こっているかを分析することが期待できる。
本発明の実施形態に係るX線回折装置の基本概念図である。 本発明の実施例1に係るX線回折装置の模式側面図である。 本発明の実施例1に係るX線回折装置の模式平面図である。 (A)は実施例1に係るX線回折装置の試料室を示す模式構成図、(B)は比較例1に係るX線回折装置の試料室を示す模式構成図である。 実施例1-1に係る分析結果を示す説明図である。 実施例1-2に係る分析結果を示す説明図である。 比較例1に係る分析結果を示す説明図である。 (A)は実施例2に係るX線回折装置の試料室を示す模式構成図、(B)は比較例2に係るX線回折装置の試料室を示す模式構成図である。 実施例2に係る分析結果を示す説明図である。 比較例2に係る分析結果を示す説明図である。 実施例3に係るX線回折装置の試料室を示す断面図である。 実施例3に係るX線回折装置を示し、(A)は試料室の蓋部(開口部)側の模式斜視図、(B)は閉口部側の模式斜視図である。
符号の説明
10 試料
20 光軸
100 試料室
102 ガラス容器 104 蓋部 106 導入パイプ 106A 供給口
108 排気パイプ 108A 排気口
110 入射部 115 脚部 150 出射部
120 容器型試料台 130 支持台 160 X-Zステージ
200 X線検出部 210 イメージングプレート
300 第一遮蔽体
400 X線源
600 第二遮蔽体
610 水平片
650 ダイレクトビームストッパ
655 垂直片
700 鉛カバー 710 ミラー
800 光学ベンチ
810 レール 812、814、816 ジャッキ 818 レール
820 光学系 821 真空パス 822 シャッター
823 4象限スリット 824 イオンチャンバー 825 コリメータ
826 X-Zステージ
900 加熱手段 910 ヒータ
950、952、954、956 断熱材 954S スリット
960 ケース
970 移動機構 972 スライダ 974 台座

Claims (14)

  1. 試料を配置するための閉鎖された空間を構成する試料室と、
    試料室内の試料を所定温度に加熱する加熱手段と、
    試料室の外部から内部にX線を透過させるガラス製の入射部と、
    入射部を透過したX線が試料に照射されて生じる回折X線を試料室の内部から外部に透過させるガラス製の出射部と、
    出射部を透過した回折X線を試料室の外部で検出するX線検出部とを備える透過型X線回折装置であって、
    前記試料室内に配置されて、前記入射部での散乱X線がX線検出部の所定領域に達することを防止する第一遮蔽体を備えることを特徴とする透過型X線回折装置。
  2. 前記試料室が円筒状で、その試料室の軸方向一端側に前記入射部を有することを特徴とする請求項1に記載の透過型X線回折装置。
  3. 前記試料室は、一端が開口され、他端が閉口されたガラス容器と、この容器の開口部を閉鎖する蓋部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の透過型X線回折装置。
  4. 前記蓋部が金属又はガラスであることを特徴とする請求項3に記載の透過型X線回折装置。
  5. 前記蓋部が金属製で、その蓋部に前記入射部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の透過型X線回折装置。
  6. 前記試料室は、その内部に所定の雰囲気ガスを導入する供給口と、試料室内の雰囲気ガスを試料室外に排出する排気口とを備え、
    前記供給口と排気口とが、試料室の内部で互いに一端側と他端側に離れて配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透過型X線回折装置。
  7. 前記加熱手段が、試料室の外部に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透過型X線回折装置。
  8. 前記加熱手段は、試料室における試料配置箇所の外周を取り囲むように配され、
    この加熱手段の外側を含む試料室の外側を覆う断熱材を備え、その断熱材は、試料に照射されるX線の光軸に干渉しないように配されていることを特徴とする請求項7に記載の透過型X線回折装置。
  9. 前記試料室、加熱手段、入射部、出射部、及び第一遮蔽体を備えるX線回折装置の主要部が複数並列され、
    これら主要部群をX線の光軸に対して直交する方向に移動させることで、各主要部ごとに配された試料に順次X線が照射されるようにする移動機構を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の透過型X線回折装置。
  10. 前記X線検出部が一次元X線検出器又は二次元X線検出器であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の透過型X線回折装置。
  11. 前記第一遮蔽体が、入射部と試料配置箇所との間に配されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の透過型X線回折装置。
  12. 前記試料室外に配置されて、前記出射部での散乱X線がX線検出部の所定領域に達することを防止する第二遮蔽体を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の透過型X線回折装置。
  13. 前記第二遮蔽体は、X線の光軸上でX線を遮蔽するダイレクトビームストッパと一体化されていることを特徴とする請求項12に記載の透過型X線回折装置。
  14. 試料にX線を照射し、その照射に伴って試料から生じる回折X線を検出する透過型X線回折方法であって、
    ガラス製の入射部を有する試料室内に試料をセットする工程と、
    この試料を所定の温度に加熱する工程と、
    試料室外から試料室内の試料に前記入射部を介してX線を照射する工程と、
    この照射に伴って、試料から生じる回折X線をガラス製の出射部を介して試料室外のX線検出部で検出する工程とを備え、
    この回折X線をX線検出部で検出するのに際し、前記X線の照射に伴って入射部で生じる散乱X線を試料室内にて遮蔽して、散乱X線がX線検出部の所定領域に達しないようにすることを特徴とする透過型X線回折方法。
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