JP2010065807A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents
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Abstract
【効果】 上記凹凸状係合部21を介してシリンダヘッドとシリンダブロックとを強固に連結することができるので、エンジンの爆発圧力によるシリンダブロックの変形を抑制することができ、それによってシール性の低下を防止することができる。
【選択図】 図2
Description
この弾性変形は、シリンダブロックの隣接するボア間において相対的に大きくなり、最悪の場合には亀裂が生じる危険性があった。
そして、上述した従来周知のシリンダヘッドガスケットを、シリンダボア周囲の弾性変形が相対的に大きなエンジンに適用すると、その弾性変形によってシリンダヘッドガスケットとシリンダブロックとの間や、シリンダヘッドガスケットとシリンダヘッドとの間、あるいは積層重合されたシールプレート、厚さ調整板およびシムプレートの間にこすれが生じ、その部分のシール性が低下するという問題があった。
本発明はそのような事情に鑑み、上記シリンダブロックの弾性変形を可及的に抑制して、良好なシール性を長期間維持することができシリンダヘッドガスケットを提供するものである。
上記積層したシールプレートと厚さ調整板とシムプレートとに亘って、上記燃焼室孔の周囲においてシリンダヘッドガスケットの表裏面に突出する凹凸状係合部を形成し、該係合部によって上記積層したシールプレートと厚さ調整板とシムプレートとを相互に一体的に連結したことを特徴とするものである。
これによりエンジンの爆発圧力によるシリンダブロックの変形を抑制することができるので、その変形によるシリンダブロックの亀裂を防止することができるとともに、シリンダヘッドガスケットとシリンダブロックとの間や、シリンダヘッドガスケットとシリンダヘッドとの間のこすれが生じることを抑制することができる。
これと同時に、上記積層したシールプレートと厚さ調整板とシムプレートとは係合部によって相互に一体的に連結されているので、それらの間にこすれが生じることも抑制することができ、したがってそのこすれに起因するシール性の低下を防止することができる。
上記シリンダブロック3は、図1に示す実施例では、一直線上に直列に配置された4つのシリンダボア4を備えており、各シリンダボア4の周囲にそれらを囲繞するようにウォータージャケット5が形成され、このウォータージャケット5は、シリンダブロック3の上面に開口している。
また、図1に示すように、上記厚さ調整板10と各シールプレート11〜13には、図示しない締結ボルトを挿通するための複数のボルト孔15と、ブローバイガスを流通させるブローバイ孔16をそれぞれ穿設してある。
上記各シリンダボア4毎に配置したリング状のシムプレート17は、各シリンダボア4の中間位置で相互に一体的に連結してあり、それによって組み立ての容易性を向上させている。しかしながらシムプレート17は、それぞれ別体に製造してもよい。
他方、厚さ調整板10に当接されるシリンダヘッド2側の第2シールプレート12に形成したフルビード12aは、厚さ調整板10に向けて突出するように形成してある。
そして、厚さ調整板10のシリンダブロック3側に配置した第3シールプレート13にも厚さ調整板10に向けて突出するフルビード13aを形成してあり、上記各フルビード11a〜13aは、それぞれ各燃焼室孔14を無端状に囲むように形成してある。
上記コーティング材18は、それぞれ相手材との密着性、シール性を向上させる目的で設けたものであるが、さらに必要に応じて、すべり性や非粘着性を確保するために、上記コーティング材18の表面にグラファイトやワックスなどのトップコートを施してもよい
上記係合部21は、図1に示すように、上記ウォータージャケット5よりも内側の位置で、4つの燃焼室孔14を共通に囲むように無端状に形成してあり、該シリンダヘッドガスケット1をシリンダヘッド2とシリンダブロック3との間に挟持した際には、この係合部21の凸部21aがシリンダヘッド2とシリンダブロック3とに接触するようにしてある。
これにより、特にウォータージャケット5よりも内側となるシリンダブロック3がシリンダボア4側の爆発圧力によってボア4の半径方向外方に湾曲されるのを抑制することが可能となる。
また、上記厚さ調整板10及びプレート11〜13、17は、凹凸状係合部21を介して相互に一体的に連結されるよになるので、それら厚さ調整板10や各プレート11〜13、17間の相対的なズレも抑制されるようになる。
そして、シリンダブロック3の局部的な変形を効果的に抑制することができれば、それに起因して生じるシリンダブロック3と第3シールプレート13との間のこすれや、シリンダヘッド2と第1シールプレート11との間のこすれ、或いは第1シールプレート11と第2シールプレート12との間、第2シールプレート12と厚さ調整板10との間、厚さ調整板10と第3シールプレート13との間などのこすれを抑制することができ、そのこすれに起因して生じるシール性の低下を防止することができる。
その他の構成は、第1実施例と同様に構成してあり、同一又は相当部分には同一の符号を付して示してある。
上述したようにスポット溶接を施せば、上記厚さ調整板10及び各プレート11〜13、17をより強固に一体に連結することができるので、それらの間のこすれをより確実に防止することができる。
なお、本実施例の説明から理解されるように、上記凹凸状係合部21は必ずしも燃焼室孔14を無端状に囲むように形成する必要はない。但し、凹凸状係合部21を形成する位置は、上述したようにシリンダブロック3の弾性変形は隣接するボア4、4間において相対的に大きくなるので、それを抑制するためにその隣接するボア4、4に近接した位置であることが望ましい。
他方、スポット溶接を施す際には、凹凸状係合部21を形成した位置に重ねて該スポット溶接を施しても良く、また上記スポット溶接の代わりに、ポリイミド系、無機質系などの耐熱性を有する接着剤を用いてもよい。
その他の構成は、第1実施例又は第2実施例と同様に構成してあり、同一又は相当部分には同一の符号を付して示してある。
本実施例のように、第1実施例の構成にさらに第4シールプレート34を追加すれば、よりシール効果を向上させることができる。
すなわち本実施例では、上述した第3実施例からシリンダヘッド2側の第1シールプレート11を省略し、かつシムプレート17は第2シールプレート12と厚さ調整板10との間に介在させて、厚さ調整板10とシムプレート17とを直接積層させている。
その他の構成は第3実施例と同様に構成してあり、同一又は相当部分には同一の符号を付して示してある。
本実施例においては、第3実施例の第1シールプレート11を省略してあるが、シールプレート12、13、34の枚数は第1実施例と同一であり、第1実施例と同等のシール性能を確保することができる。
3 シリンダブロック 4 シリンダボア
5 ウォータージャケット 10 厚さ調整板
11〜13、34 シールプレート 14 燃焼室孔
11a〜13a、34a フルビード 17 シムプレート
21 凹凸状係合部
Claims (8)
- シリンダヘッドとシリンダボアを有するシリンダブロックとの間に挟持され、上記シリンダボアの位置に燃焼室孔を穿設したシールプレートと、シリンダヘッドガスケットの厚さを調整する厚さ調整板と、燃焼室孔の周囲の面圧を増加させるシムプレートとを積層したシリンダヘッドガスケットにおいて、
上記積層したシールプレートと厚さ調整板とシムプレートとに亘って、上記燃焼室孔の周囲においてシリンダヘッドガスケットの表裏面に突出する凹凸状係合部を形成し、該係合部によって上記積層したシールプレートと厚さ調整板とシムプレートとを相互に一体的に連結したことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。 - 上記積層したシールプレートと厚さ調整板とシムプレートとは、さらに溶接又は接着剤によって相互に一体的に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドガスケット。
- 上記係合部は、シリンダブロックの表面に開口するウォータージャケットよりもシリンダボア側に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダヘッドガスケット。
- 上記係合部よりも燃焼室孔側のシールプレートに、フルビードが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
- 上記係合部におけるシリンダヘッドとの接触面とシリンダブロックとの接触面とに、摩擦係数の高いコート材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
- 上記シールプレートは厚さ調整板の一側に少なくとも2枚積層重合されて配置されるとともに、これらシールプレートの間に上記シムプレートが介在されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
- 上記シールプレートは厚さ調整板の両側のそれぞれで2枚積層重合されて配置されるとともに、少なくとも一方の相互に積層された2枚のシールプレートの間に上記シムプレートが介在されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
- 上記厚さ調整板とシムプレートは直接積層されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
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