JP2010065663A - 2サイクルエンジン - Google Patents

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淳一 上村
Shinki Otsu
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俊徳 安富
Shigetoshi Ishida
茂敏 石田
Naoki Tsuruoka
直記 鶴岡
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Abstract

【課題】
掃気ガスが未燃焼ガスのまま排出される現象を抑制すると共に、燃焼効率を向上させて排気ガスをクリーンにした2サイクルエンジンを提供する。
【解決手段】
クランク室と、シリンダ2と、シリンダ2内に開口する掃気口(22a)と、掃気口とクランク室を接続する掃気通路(22)を有する2サイクルエンジンにおいて、掃気通路(22)は、通路の途中に通路断面を絞った絞り部(22d)を有し、絞り部(22d)の掃気口側は最絞部からテーパ状に広がる形状(22e)とした。排気通路は、シリンダ2に2組ずつ設けられ、排気口に近い側に位置する組の掃気口(第1掃気口)は、シリンダ内を往復移動するピストンによって、排気口に遠い側に位置する組の掃気口(第2掃気口)よりも先に開口する。絞り部(22d)は、第1掃気口に接続される掃気通路内に設けられる。
【選択図】図9

Description

本発明は2サイクルエンジンに関し、特に、掃気口に接続される掃気通路の形状を改良した2サイクルエンジンに関する。
携帯可能なエンジン動力機械として、草刈り用の刈払機、エンジンチェーンソー、エンジンヘッジトリマ、エンジンブロワ等が知られており、これらエンジン動力機械においては、2サイクルエンジンが広く使われている。2サイクルエンジンは構造がシンプルで軽量であるが、4サイクルエンジンに比べて未燃ガスの問題など、クリーンな排気ガスとするために解決すべき課題が多い。従来の2サイクルエンジンでは、例えば特許文献1のように掃気行程時の未燃ガスの吹き抜けを防止するために掃気口または排気口の数や形状を工夫したものがあり、その中には掃気口、排気口の断面積を小さくする構造もあり、それらにより吹き抜けの防止の効果が見られる。しかし、燃焼室の残留燃焼ガスが増加する、または混合気量が減少し2サイクルエンジンの特徴である高出力特性が損なわれるという相反する問題が生じていた。
特開2000−179346号公報
特許文献1のエンジンでは、クランク室内の混合気がクランクケース側掃気通路を通ってシリンダ側掃気通路へ流入することで、混合気がシリンダへ急激に流入することを抑制して徐々に供給され、混合気の供給が掃気時間帯の後半まで低下することなく持続される。その結果、混合気の供給がスムーズに行えるだけでなく、排気ガスの混入を抑えて、排気ガスと共に排出される未燃焼ガスの量を従来の量に比較して半分以下に低下させることができる。
しかしながら、特許文献1のエンジンは、独立した掃気通路を2つずつ設ける、いわゆる四流掃気方式においてどのように掃気通路を配置するかという点については言及されておらず、また、未燃ガスの吹き抜けを防止する点については言及されていなかった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、掃気ガスが未燃焼ガスのまま排出される現象を抑制すると共に、燃焼効率を向上させて排気ガスをクリーンにした2サイクルエンジンを提供することにある。
本発明の別の目的は、四流掃気方式の2サイクルエンジンにおいて、第1と第2の掃気通路に流れる掃気流の流速を変えることにより掃気特性を改善することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
本発明の一つの特徴によればクランク室と、シリンダと、シリンダ内に開口する掃気口と、掃気口とクランク室を接続する掃気通路を有する2サイクルエンジンにおいて、掃気通路は、通路の途中に通路断面を絞った絞り部を有し、絞り部の掃気口側は最絞部からテーパ状に広がる形状とした。絞り部のクランク室側は最絞部からテーパ状に広がる形状ではなく、例えば、掃気の流れ方向にほぼ垂直な面が形成される。
本発明の他の特徴によれば、排気口は、シリンダの中心軸と排気口の中心点を通る線に対称な両側に2組設けられ、2組の掃気口のうち、排気口に近い側(排気口側)に位置する組の掃気口は、シリンダ内を往復移動するピストンによって、排気口に遠い側(反排気口側)に位置する組の掃気口よりも先に開口され、絞り部は、排気口側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路に設けられる。
本発明のさらに他の特徴によれば、排気口は、シリンダの中心軸と排気口の中心点を通る線に対称な両側の内壁に2組設けられ、絞り部は、2組の排気口に接続される掃気通路にそれぞれ設けられ、排気口側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路に設けられる絞り部の絞り率は、反排気口側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路に設けられる絞り部の絞り率よりも高いように構成した。
本発明のさらに他の特徴によれば、2サイクルエンジンは、クランク室を画定するクランクケースを有し、掃気通路はシリンダからクランクケース内に延在するように形成され、絞り部はクランクケース内に形成される。絞り部は、掃気通路のクランク室への開口部に形成される。絞り部は、シリンダとクランクケースの接合部に形成される。
請求項1の発明によれば、掃気通路は通路の途中に通路断面を絞った絞り部を有し、絞り部の掃気口側は最絞部からテーパ状に広がる形状であるので、燃焼室からクランク室側への排気ガスの逆流を絞り部によって効果的に阻止できる。また、掃気ガスを燃焼室に送出する際は、クランク室からの掃気流がテーパ部によって逆流した排気ガスを効果的に押し返すので、燃焼効率を及び出力を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、絞り部のクランク室側は、掃気の流れ方向にほぼ垂直な面が形成されるので、排気ガスの逆流を防止して掃気ガスを効果的に押し返す構成を、掃気通路内だけで実現でき、クランク室側の形状をなんら変えずに実現できる。
請求項3の発明によれば、排気口側掃気口は、シリンダ内を往復移動するピストンによって、反排気口側掃気口よりも先に開口されることにより、反排気口側掃気口よりも先に燃焼室と通じるので、排気ガスの戻りを積極的に排気口側掃気通路に戻すことができ、その排ガスを掃気通路内に留めておくことが可能となり、クランク室内への燃焼ガスの逆流を防止することができる。また、絞り部は、排気口側掃気口に接続される掃気通路に設けられるので、反排気口側掃気口の流速を速くすることができ、この流速の差を利用して反排気側からの壁面に沿った掃気効果を実現できる。
請求項4の発明によれば、絞り部は2組の排気口に接続される掃気通路にそれぞれ設けられ、排気口側掃気口に接続される掃気通路に設けられる絞り部の絞り率は、反排気口側掃気口に接続される掃気通路に設けられる絞り部の絞り率よりも高いので、反排気口側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路の流速を高めることができる。
請求項5の発明によれば、掃気通路はシリンダからクランクケース内に延在するように形成され、絞り部はクランクケース内に形成されるので、燃焼室容積に対する適正な掃気通路の容積を確保することができ、その排ガスを掃気通路に留めておくことが可能となり、クランク室内の燃焼ガスと混合ガスとの混合を抑制することが可能となる。
請求項6の発明によれば、絞り部は掃気通路のクランク室への開口部に形成されるので、掃気通路全体を、排ガスを掃気通路に留めるための空間として有効に利用することができる。
請求項7の発明によれば、絞り部は、シリンダとクランクケースの接合部に形成されるので、絞り部を形成するための加工が容易になり、低コストで本発明を実現できる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の機能を有する部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。図1は、本発明の実施形態に係るエンジンを用いたチェーンソーの外観を示す斜視図、図2はチェーンソーの断面図である。
図1において、チェーンソー101は、2サイクルエンジンを搭載し、本体部の前方にガイドバー111が突出する。ガイドバー111の周縁には、ソーチェーン(図示せず)が巻回され、ソーチェーンを高速で回転させることによって木や枝などの切断が可能となる。後述する2サイクルエンジンは、横置きでハウジング内に収納される。チェーンソー101の上方には、メインハンドル103が設けられ、メインハンドル103の前端付近から横及び下方向にフロントハンドル106が延びるように設けられる。
メインハンドル103は、作業者が右手で把持するためのハンドルであり、フロントハンドル106は作業者が左手で把持するためのハンドルである。メインハンドル103の上部付近には、セーフティトリガ107aが設けられ、前端付近にはイグニッションスイッチ107bが設けられる。メインハンドル103の前方側には、ハンドガード112が設けられる。ハンドガード112は、作業者の手に、枝や切断物などがあたらないように保護する役割をする。ハウジングの上部には、本体カバー104で覆われる。本体カバー104の内側には、エンジンを始動するためのリコイル式のスタータ(図示せず)が収容され、本体カバー104を貫通してスターターハンドル113が取り付けられる。
ハウジングの右側はガイドバー111が2本のボルト(図示せず)とナット117a、117bによって固定される。さらにハウジングの右側には、ソーチェーンへの駆動力伝達機構が取り付けられ、それを覆うライトカバー105が設けられる。ライトカバー105の後方には、エンジンのマフラー166の熱からガードするため、表面の大部分にメッシュ状の通風口が設けられたマフラーガード108が取り付けられる。チェーンソー101の後端には、リアカバー109が設けられる。リアカバー109は、固定ネジ118により着脱可能に本体カバー104に固定される。固定ネジ118の右側には、引き出し式のフック120が設けられる。
次に、図2に示す断面図を用いて、チェーンソー101の内部構造を説明する。チェーンソー101のハウジング102の内部には、エンジン1がほぼ横置きで収容される。エンジン1は、クランク29にコンロッド32を介して取り付けられるピストン31が往復運動をしながら、吸気−圧縮−燃焼−排気の行程を行う。エンジン1は、上側からボルト132によって、下側からボルト134によってハウジング102に固定される。ハウジング102の前方側(ガイドバー111側)には、エンジン1用の燃料タンク114と、ソーチェーンに給油するためのチェーンオイルタンク115が設けられる。
ハウジング102は、例えばプラスチックの一体成型により構成される。ここで、本実施形態によるエンジン1は、キャブレター121につながる吸気口(上側に配置)とマフラー166につながる排気口(右側に配置)が、シリンダ2の中心軸基準で約90度の間隔で配置される。このように、キャブレター121を上方に配置したのは、エアクリーナー125を配置する空間を確保するためである。吸気通路3からキャブレター121へはインテークマニホールド151で接続される。
図3は、エンジン1の外観を示す斜視図である。エンジン1のクランクケース7は、右側クランクケース7aと左側クランクケース7bとからなる2分割式であり、その分割面はクランク軸8の軸線と鉛直な面である。右側クランクケース7aからはクランク軸8の出力軸側が突出し、左側クランクケース7bからはクランク軸8の先端にフライホイール15が取り付けられる。右側クランクケース7aと左側クランクケース7bは、それらの間に図示しないガスケットを介して3つのボルト(図では9a、9bだけ表示)によって固定される。これらボルト9a、9bと螺合するために、右側クランクケース7aには、雌ねじ部が形成される。
シリンダ2は、ピストン31のストローク領域を覆う部分(シリンダ部)と、ヘッド部がアルミニウム合金によって一体に形成され、その外側には多数の冷却用のフィンが形成される。シリンダ2は、4本のボルト19にてクランクケース7に固定される。シリンダ2の側面には吸気通路3と、排気通路4(図4参照)、掃気通路アクセス口5(図4参照)が設けられる。掃気通路アクセス口5は、掃気通路カバー6にて覆われる。
クランクケース7には、エンジン1をハウジング102に固定するための片側に2つずつボルト穴18が形成される。1つのボルト穴18は左側クランクケース7bに設けられ、もう一つのボルト穴18右側クランクケース7aに設けられる。同様にして、2つのボルト穴がエンジン1の下側に設けられる。フライホイール15は、フィンと一体に構成され、外周側の一部には、点火コイル11によって点火用の高圧電気を発生させるための永久磁石が設けられ、ボルト17によってクランク軸8に固定される。フィンの内周側には、スタータと接続するための、クラッチ爪16が設けられる。点火コイル11で発生された高圧電気は、点火コイル11から伸びる高圧コード12によってプラグキャップ13に伝達され、プラグキャップ13を介して点火プラグ14に供給される。
図4は、シリンダ2の排気通路4のある側方からみた側面図である。シリンダ2の上方には、上側に伸びる冷却フィン2aが複数形成され、ピストン31の移動方向と鉛直な側方には、横方向に伸びる冷却フィン2bが複数形成され、冷却フィン2bの間には、吸気通路3(図3参照)、排気通路4、2つの掃気通路アクセス口5が形成される。シリンダ2とクランクケース7との接合面にはフランジ部2cが形成される。
図5は、図4のA−A部の断面であり、本実施形態のエンジン1においては、吸気通路3と排気通路4は180度離れた箇所に設けられるのではなく、シリンダ2の外周部において約90度はなれた位置に設けられる。このため、排気通路4はシリンダ中心軸を通る線に沿ってシリンダ2内に開口した排気口4aに接続するよう形成され、吸気通路3はシリンダ軸線と略垂直な方向に沿って同じくシリンダ内に開口した吸気口3aに接続するよう形成される。これにより、シリンダに対する排気方向と吸気方向が略直交し、キャブレター121がエンジン1の上部、マフラー166がエンジン1の側部に90度離れて配置されるため、エンジン1の対角位置にキャブレター121、マフラー166を配置した構成に比べて上下方向、或いは横方向の寸法を小型化することができる。
また、排気通路4および吸気通路3がエンジン1の対角位置にありながらキャブレター167とマフラー166を90度の位置に配置した場合、排気通路4とマフラー166、若しくは吸気通路3とキャブレター121を比較的長い連通部を回り込ませて連通させる必要があるが、本願ではそのような必要が無く、組立性の向上及び連通部によるエンジンの大型化を抑制することができる。さらに、従来の排気口4aと吸気口3aが180度離れているエンジンと比べて、4つの掃気口21a、22a、23a、24aの配置がクランク軸の軸方向に対称となるように配置されるのではなく、シリンダの中心軸と排気口4aの中心点を通る線に対称な両側に設けられる。さらに、排気口4aと吸気口3aを結ぶ線が、クランク軸線に対して略45度離れた位置に対向してある。
図6は、図4のB−B部の断面図である。本実施形態のシリンダ2は、ヘッド部分も含めてダイカストにより構成されるので、4つの掃気口に対応する掃気通路、特に上下方向から横方向に曲げられる部分は、2つの掃気通路カバー6を用いて形成される。掃気通路カバー6は、ボルト20によって、シリンダ2の掃気通路アクセス口5に固定される。
図7は、エンジン1からシリンダ2をはずした状態を上から見た上面図である。クランクケース7は、右側クランクケース7bと左側クランクケース7bに分割される。この図から理解できるように、本実施形態によるクランクケース7においては、クランク室から掃気のために伸びる経路を、独立して設けたことを特徴とする。この経路たる掃気通路は、いわゆる第1掃気口(排気口側掃気口)用の掃気通路21、22と、いわゆる第2掃気口(反排気口側掃気口)用の掃気通路23、24が形成される。通常の2サイクルエンジンでは、クランクケースの分割面35に対して面対称に設けられる第1掃気口と第2掃気口が、本実施形態においては、クランクケース7の分割面35に対して面対称でない状態で配置されている。
このようにオフセットさせて配置した結果として、掃気通路のクランク室側の入口の位置が、クランク室の幅の内側に入る掃気通路と入らない掃気通路に分かれてしまう。即ち、掃気口21、24は幅内に入らない。23はほとんど入らない。22は完全に入る。このため、これらの掃気通路のクランク室側の入口付近の形状に工夫を施した。
図8は、エンジン1のクランク軸8及びピストン31の中心を通る断面図である。クランク軸8及びクランク29は一体に製造される。クランク軸8は、クランクケース7a、7bに取り付けられた2つのボールベアリング34により回転可能に保持される。クランク軸8には、コンロッド32を介してピストンピン33によってピストン31が取り付けられ、ピストン31は燃焼室25内で上死点と下死点の間を往復移動する。本図から理解できるように、燃焼室25内において、掃気口21a(第1掃気口)と掃気口23a(第2掃気口)の高さが異なる。
ここで、掃気口21aは、上端部が第2掃気口23aの開口位置よりも高くなるように形成され、掃気通路21の容積に対する掃気通路23の容積の比率を20%〜60%とした。これによって掃気口21aが掃気口23aよりも先に燃焼室25と通じることで燃焼ガスの逆流が積極的に行われ、掃気口23aへの逆流が少なくて済む。
図9は、図7のC−C部の断面図であり、シリンダ2を取り付けた状態を示す。燃焼室25内において、掃気口22a(第1掃気口)と掃気口24a(第2掃気口)の高さが異なる。掃気通路22は、クランク室において上下方向に掃気通路の開口部22cを有し、中央付近の流路断面、例えばシリンダ2と左側クランクケース7bとの接続面付近で断面が広くなっており、約90度方向に曲げられて掃気口22aにて燃焼室25内に開口する。掃気通路22のクランク室側の開口部22cには、通路を絞るための絞り部22dが形成され、絞り部22dの燃焼室25側にはテーパ部22eが形成される。この絞り部22dとテーパ部22eの形状を拡大したのが図10である。
図10において、絞り部22dは掃気口22aに比べて40〜80%くらいの流路断面となるように絞られている。40%未満では掃気時にクランク室からの混合気が絞り部22dの断面積が小さいため抵抗になり、燃焼室25への混合気の供給の障害となり、適正な燃焼が困難となってしまう。一方、80%を越えると逆に抵抗が無くなり、燃焼ガスの逆流がクランク室まで容易に到達してしまう。また、絞りを設けることによって、クランク室側から掃気通路22内部に流れる混合気の流速が、絞りがないときに比べて遅くなる。従って、この絞りの大きさを調整することによって、掃気通路22からの混合気の流速を遅く、掃気通路24からの混合気の流速を速くすることができ、掃気口22a(第1掃気口)と掃気口24a(第2掃気口)の開くタイミングの相違と相まって、燃焼室内に理想的な混合気の流れを形成することができる。また、絞りによって流速を調整しつつ、中央付近の流路断面を大きくとることにより十分な容量の掃気通路22が実現できる。さらに、燃焼室25からクランク室側への排気戻りを絞り部22dによって効果的に阻止できるため、排気ガス特性を良くすることができる。
また、絞り部22dとテーパ部22eを設けたことにより、別の効果も有する。図11は、絞り部22dにおける掃気ガスの流れを説明するための図である。(1)は本実施形態における逆流排気ガス26と掃気ガス(混合気)27の流れを示す。燃焼した後のガスは、ピストン31が下降するに従い、燃焼室25の圧力が低下し、まず排気口4aより排出されるが、完全に大気圧になる前に掃気口21a、22aが開口し、燃焼ガスが逆流排気ガス26として、掃気通路22に逆流し始める。逆流排気ガス26は、掃気通路22の絞り部22d付近まで逆流するが、絞り部22dによってクランク室側まで逆流することが阻止される。その後、ピストン31の下降に伴いクランク室側の圧力の方が高くなり、掃気ガス27が逆流排気ガス26を燃焼室側に押し上げながら、燃焼室25に流入する。本実施形態では、絞り部22dの上側(燃焼室25側)に、テーパ部22eを設けたので、クランク室側から絞り部22dを通過した掃気ガス27は、壁面に沿って半径方向に効果的に広がり、逆流排気ガス26を漏れなく押し戻していく。
図11(2)は、比較のために、絞り部122dだけ形成してテーパ部を設けない例を示したもので、テーパ部がないと、絞り部122dを通過した掃気ガス127の外周部で渦をまいたり(127a)、逆流排気ガス126の一部(126a)と混合してしまって(127b)、逆流排気ガス126をきれいに燃焼室25側に押し戻すことができない。従って、燃焼効果が悪くなり、また、排気ガス特性も低下する。
図12は、図7のD−D部の断面図であり、シリンダ2を取り付けた状態を示す。第2掃気口である掃気通路23、24は、掃気口23a、24aにおいて燃焼室25に開口し、下方はクランク室に開口する。掃気通路23のクランク室側は、縦方向の溝のみで、横方向には連通していないように見えるが、これは断面を取った場所の関係上横方向の通路が見えないだけで、掃気通路23は掃気通路24と同様にクランク室内に横向きに開口する。掃気通路24は、燃焼室25内の掃気口24aから、縦方向(ピストン31の移動方向と平行な方向)に曲げられ下方に延び、左側クランクケース7b内の通路から、横方向(クランク軸8と平行な方向)に延び、開口部(図示せず)でクランク室に開口する。本実施形態で特徴的なことは、この掃気通路24を形成するに当たって、左側クランクケース7bにも通路を延長して形成したことである。このように掃気通路24の形成に、左側クランクケース7bの部分まで利用したので、十分長い掃気通路24が実現できる。
開口部24c付近には、図13に示すように、通路を絞るための絞り部24dが形成され、絞り部24dの燃焼室25側はテーパ部24eが形成される。絞り部24dは、掃気口24aの40〜80%くらいの断面となるように絞られている。尚、第1の掃気通路(22)と第2の掃気通路(24)の絞り率は同じでなく、第2の掃気通路23、24を流れる混合気の流速は、第1の掃気通路21、22の流速よりも速くすると良い。そのように構成すると、第1の掃気口21a、22aからの掃気ガス(図5のa)の流速が遅いことで、第2の掃気口23a、24aからの速い流速の掃気ガス(図5のb)に引き寄せられ、第1の排気口21a、22aから及び第2の掃気口23a、24aからの流体は一緒にシリンダ壁面に沿って上昇することになる。これにより、流速の遅い高濃度の混合気が第2の掃気口の壁面付近を通り、燃焼室25の上面に移動し、点火プラグ14により燃焼される。
図14は、掃気通路22の絞り部の形状に関する代案変形例である。図14(1)は掃気通路の途中に、絞り部41aと、なめらかに広がる形状のテーパ部41bが形成される。この絞り部41aとテーパ部41bの基本構造は、図10、11で説明した絞り部22dと22eと基本的に同じであるが、その設ける位置は、クランクケース7とシリンダ2の分割面付近であって、左側クランクケース7b側である。この図14(1)の形状では、絞り部41aとテーパ部41bが分割面付近にあるので、これらの製造が容易になる。図14(2)は、(1)に比べて絞り部43aを設置する場所は同じであるものの、製造上の便宜を考えて部材44を着脱可能に設け、その部材44上に小径部43aとテーパ部43aを形成した。
図14に示した絞り部とテーパ部の形状は、いずれも掃気通路の途中からクランク室側のいずれかの位置に設けられるので、燃焼室からクランク室側への排気戻りを絞り部によって効果的に阻止でき、さらに、第1及び第2掃気通路の流速に差を設けることができるので、燃焼効率を及び出力を向上させることができる
以上、本発明を示す実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態ではすべての掃気通路に小径部を設けたが、第2掃気口側の掃気通路23、24には小径部を設けないようにしても良い。
本実施形態による2サイクルエンジンでは、掃気口が2組ある四流掃気方式の例をもとに説明したが、これに限られず掃気口が1組または3組以上の2サイクルエンジンでも同様に適用できる。また、本実施形態では、チェーンソーに適用した2サイクルエンジンについて説明したが、本発明を適用する機器は任意の機器で良く、他の動力機械にも同様に広く適用できる。
本発明の実施形態に係る2サイクルエンジンを用いたチェーンソーの外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る2サイクルエンジンを用いたチェーンソーの断面図である。 本発明の実施形態に係る2サイクルエンジンの外観を示す斜視図である。 シリンダ2の排気通路4のある側方からみた側面図である。 図4のA−A部の断面図である。 図4のB−B部の断面図である。 エンジン1からシリンダ2をはずした状態を上から見た上面図である。 エンジン1のクランク軸8及びピストン31の中心を通る断面図である。 図7のC−C部の断面図であり、シリンダ2を取り付けた状態を示す。 図9の絞り部22dとテーパ部22eの形状を示す拡大図である。 絞り部22dにおける掃気ガスの流れを説明するための図である。 図7のD−D部の断面図であり、シリンダ2を取り付けた状態を示す。 図12の絞り部24c付近の形状を示す拡大図である。 掃気通路22の絞り部の形状の代案変形例である。
符号の説明
1 エンジン 2 シリンダ 2a、2b (シリンダの)冷却フィン
2c (シリンダの)フランジ部 2d (シリンダの)ボルト穴
3 吸気通路 3a 吸気口 4 排気通路 4a 排気口
5 掃気通路アクセス口 6 掃気通路カバー 7 クランクケース
7a 右側クランクケース 7b 左側クランクケース
8 クランク軸 9a、9b ボルト
11 点火コイル 12 高圧コード 13 プラグキャップ
14 点火プラグ 15 フライホイール 16 クラッチ爪
17 ボルト 18 ボルト穴 19 ボルト 20 ボルト
21、22 掃気通路(第1掃気口用)
23、24 掃気通路(第2掃気口用)
21a、22a 掃気口(第1掃気口)
23a、24a 掃気口(第2掃気口)
22c、24c (掃気通路のクランク室側の)開口部
22d、24d 絞り部 22e、24e テーパ部
25 燃焼室 26 逆流排気ガス 27 掃気ガス
29 クランク 31 ピストン 32 コンロッド
33 ピストンピン 34 ボールベアリング
35 (クランクケースの)分割面
41a、43a 絞り部 41b、43b テーパ部
44 部材
101 チェーンソー 102 ハウジング 103 メインハンドル
104 本体カバー 105 ライトカバー 106 フロントハンドル
107a セーフティトリガ 107b イグニッションスイッチ
108 マフラーガード 109 リアカバー
111 ガイドバー 112 ハンドガード
113 スターターハンドル 114 燃料タンク
115 チェーンオイルタンク 117a、117b ナット
118 固定ネジ 120 フック 121 キャブレター
125 エアクリーナー 132、134 (エンジン固定用)ボルト
151 インテークマニホールド 166 マフラー

Claims (7)

  1. クランク室と、シリンダと、シリンダ内に開口する掃気口と、前記掃気口と前記クランク室を接続する掃気通路を有する2サイクルエンジンにおいて、
    前記掃気通路は、通路の途中に通路断面を絞った絞り部を有し、
    前記絞り部の掃気口側は最絞部からテーパ状に広がる形状であることを特徴とする2サイクルエンジン。
  2. 前記絞り部のクランク室側は、掃気の流れ方向にほぼ垂直な面が形成されることを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジン。
  3. 前記排気口は、前記シリンダの中心軸と排気口の中心点を通る線に対称な両側に2組設けられ、
    前記2組の掃気口のうち、排気口に近い側に位置する組の掃気口は、前記シリンダ内を往復移動するピストンによって、排気口に遠い側に位置する組の掃気口よりも先に開口され、
    前記絞り部は、前記排気口に近い側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の2サイクルエンジン。
  4. 前記排気口は、前記シリンダの中心軸と排気口の中心点を通る線に対称な両側の内壁に2組設けられ、
    前記絞り部は、前記2組の排気口に接続される掃気通路にそれぞれ設けられ、
    前記排気口に近い側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路に設けられる絞り部の絞り率は、前記排気口に遠い側に位置する組の掃気口に接続される掃気通路に設けられる絞り部の絞り率よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の2サイクルエンジン。
  5. 前記2サイクルエンジンは、前記クランク室を画定するクランクケースを有し、
    前記掃気通路は前記シリンダから前記クランクケース内に延在するように形成され、
    前記絞り部は前記クランクケース内に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の2サイクルエンジン。
  6. 前記絞り部は、前記掃気通路の前記クランク室への開口部に形成されることを特徴とする請求項5に記載の2サイクルエンジン。
  7. 前記絞り部は、前記シリンダと前記クランクケースの接合部に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の2サイクルエンジン。
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