JP2010063322A - 電力系統の需給制御装置、制御方法、制御プログラム及びその記録媒体 - Google Patents

電力系統の需給制御装置、制御方法、制御プログラム及びその記録媒体 Download PDF

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Katsutoshi Hiromasa
勝利 廣政
Koji Shioda
耕治 汐田
Yoshihiko Yoshimura
吉彦 吉村
Naohito Imaizumi
尚人 今泉
Kazuyuki Numa
一之 沼
Masayuki Kobayashi
正行 小林
Takao Nakajima
孝夫 中島
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Abstract

【課題】発電機の実態を推定し、推定した情報を用いて地域要求電力(AR)を効率よく且つ十分に配分し、地域要求電力(AR)の配分残しを防いで、制御残や過制御を低減させて制御性及び経済性の向上を図る。
【解決手段】現地の発電機側から得た発電機情報に基づいて現地発電機の実態を推定することにより、推定結果である各発電機の実態に適合した情報を用いて、地域要求電力(AR)を適切に配分する。
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)方式を用いた電力系統の需給制御技術に係り、特に、中央給電指令所に設備データとして設定された情報を利用するのではなく、各発電機の実態状況を反映した現地発電所の情報を用いて電力系統の需給制御を行う技術に関するものである。
電力系統の需要(負荷)は、季節的・時間的・瞬間的に時々刻々絶えず変動している。したがって、電力系統を効率良く運用するためには、電力系統の負荷変動に応じて電力供給を制御する需給制御技術が不可欠であり、電力系統の需給制御技術により、負荷変動を正確に捉え、常に適正な需給バランスをとることが肝要である。
電力系統の負荷変動については、変化幅の小さい種々の振動と周期を持った脈動成分や、不規則な変動成分が重畳したものであると考えられており、負荷変動の大きさに応じて次の3つの変動成分に分けられている。すなわち、数分周期までの微小変動分のサイクリック分、数分から10数分程度までの短周期変動分のフリンジ分、10数分以上の長周期変動分のサステンド分である。
サイクリック分のうち、20秒程度までの極めて短周期の負荷変動は、系統の負荷特性によって吸収することができる。また、20秒から数分程度までの負荷変動に関しては、ガバナフリー運転する発電所の調速機の特性を適正化することで、自動調整が可能である。
さらに、ガバナフリー制御だけでは調整しきれなくなると、発電所側での制御ではなく、電力会社の中央給電指令所において、それぞれの周期成分を対象とした制御分担が行われる。すなわち、フリンジ分のような変動周期が数分から十数分程度の負荷変動については、サイクリック分に比べて負荷変動量も大きくなるので、電力会社の中央給電指令所にてLFCを実施する。LFCの特徴は、周波数偏差や電力変動量を検出して発電機の出力を調整する点にあり、その目的は、電力会社間の連系線潮流及び系統全体の周波数を規定値に近づけて連系線潮流及び系統周波数を一定に維持することにある。
また、変動周期が伸びて十数分以上の長い負荷変動であるサステンド分となると、負荷変動もかなり大きくなるので、1日の負荷曲線によって支配される変化の一部であると考えることができる。したがって、上記LFCの適用だけでは発電所の出力変化能力が不足する事態も想定でき、複数の発電所間の経済的な負荷配分が問題となってくる。
そこで、長周期の負荷変動への対応は、発電所の経済運用が主体となり、経済負荷配分制御(ELD;Economic Load Dispatch)により給電調整を行っている。ELDでは、ELDスケジュール計算部にて経済負荷配分の計算結果であるELD値を求め、このELD値に基づいて最経済となる発電所の運用計画を行うことが最大の目的である。
これらのLFCやELDを実施する電力系統の需給制御技術は、電力会社の中央給電指令所における最重要機能であって、LFCにより連系線潮流及び系統周波数の安定化を図ると共に、ELDによって最経済の運用計画を行うことで、フリンジ分やサステンド分の負荷変動に対応するようになっている。
ここで、LFCの概要について詳しく説明する。LFCでは、系統の周波数や他系統との連系線潮流を検出し、その変化に応じて、出力の上げ指令又は下げ指令を、中央給電指令所から各発電機(発電ユニット)に出し、この指令によって各発電機の出力を調整するようになっている。
このとき、中央給電指令所側が、上げ指令を出すか、下げ指令を出すかといった判断は、中央給電指令所側に設備データとして予め設定された各発電機の情報(以下、発電機情報)に基づいて、なされる。発電機情報としては、最大出力や最小出力、バンド上下限、出力変化速度等の情報がある。
また、中央給電指令所と各発電所とは、物理的に距離があるため、中央給電指令所が指令を出してからその指令に基づいて実際に発電機が変化するまでの所要時間、いわゆる伝送遅れは、数十秒程度である(非特許文献1参照)。この伝送遅れは常に一定の値をとる現象ではなく、情報量の多寡や通信系の状況によって、その長さは変化する。
さらに、中央給電指令所から出される出力調整の指令は、系統に含まれる全ての発電機に対して出されるのではなく、指令を出して速い出力変動を行っても、問題とならない発電機に限定されている。より詳しくは、石油焚き火力発電ユニットや水力発電ユニットに対してのみ出力調整の指令を出しており、それ以外の発電ユニット、すなわち原子力発電ユニットや石炭焚き発電ユニットには出力調整の指令を出すことがない。また、運用上の何らかの理由で出力変動を避けたい発電ユニットに対しても、出力調整の指令を出すことはない。
また、LFCは、主として以下の3方式に分けることができる(非特許文献2参照)。第1に定周波数制御(FFC)方式がある。これは、連系線潮流とは無関係に周波数変化量(ΔF)を検出して、検出した周波数変化量(ΔF)を少なくするように発電機の出力を調整し、系統周波数のみを規定値に保とうとする方式である。
第2の方式は、定連系電力制御(FTC)方式と呼ばれている。この方式は、連系線潮流変化量ΔPTを検出して、これを少なくするように発電機の出力を調整し、連系線潮流のみを規定値に保とうとするものである。
第3には、周波数バイアス連係線電力制御(TBC)方式がある。これは、周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)の両方を検出し、これらから自系統に対応する地域内の負荷変動量を調整するために必要な需給調整量、すなわち地域要求電力(AR)を算出して、この地域要求電力(AR)の算出量に応じて発電機の出力を調整する方式である。
上記の3方式のうち、日本の殆どの電力会社はTBC方式を採用しており、従来技術として特許文献1〜3などが提案されている。以下、TBC方式の手順について具体的に説明する。TBCは、地域要求電力(AR)に応じて発電機出力の調整に際して、各電力会社の中央給電指令所から、各発電機に対し発電機出力の上げ指令又は下げ指令を行うものであって、下記の手順にしたがって行われている(非特許文献3参照)。
[手順1]地域要求電力(AR)の算出
まず、周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)とを用いて、次式(1)により地域要求電力(AR)を算出する。
(数1)
AR=−K・ΔF+ΔPT …(1)
ここで、
K:系統定数
ΔPT:自系統に流入する潮流がプラス方向
このとき、地域要求電力(AR)の値が正であれば、電力系統全体として発電機の出力を上げる必要がある。逆に、地域要求電力(AR)が負の値であれば、電力系統全体として発電機出力を下げる必要がある。
[手順2]地域要求電力(AR)のフィルタリング
続いて、算出した地域要求電力(AR)をフィルタリングする。その際には、過去の地域要求電力(AR)を用いて指数平滑等によってフィルタリングを行い、地域要求電力(AR)を、火力発電機と水力発電機にて分担する。
[手順3]地域要求電力(AR)の配分
さらに、フィルタリングした地域要求電力(AR)を各発電機に配分する。その際、火力、水力発電機別に負荷周波数制御が行われている全ての発電機に対し、その発電機の出力変化速度比あるいは出力余裕比等に応じて地域要求電力(AR)を配分する。
[手順4]目標指令値の算出
配分された各発電機の地域要求電力(AR)と、上記ELD方式にて算出された各発電機の負荷分担量であるELDスケジュールとを足し合わせる処理等を用いて、各発電機の目標指令値を算出する。また、目標指令値には、所定の基準値の範囲を逸脱しないように上下限値が設けられている。
[手順5]指令の判定
発電機毎に算出した目標指令値に関しては、前回の目標指令値に対し、ある一定基準値以上の差が生じたかどうかで、中央給電指令所が当該発電機に上げ指令又は下げ指令を出すか否かを判定し、その判定結果に基づき発電機に対して出力の上げ指令又は下げ指令を行う。
[手順6]発電機の出力変動
各発電機が中央給電指令所からの上げ指令又は下げ指令を受取り、各発電機の出力が変動する。その結果、系統周波数並びに連系線潮流が変化する。
[手順7]
手順1に戻る。
特開2002−209336号公報 特開2001−238355号公報 特開平10−155242号公報 「電気システム工学」 丸善 ISBN4-621-04636-5(P104) 「電気工学ハンドブック」 電気学会 ISBN4-88686-012-5(P970〜P975) 電気学会技術報告第869号 「電力系統における常時及び緊急時の負荷周波数制御」 電気学会 電力・エネルギー部門 電力系統技術委員会(P133〜P141)
ところで、地域要求電力(AR)を電力系統内の各発電機へ配分する処理を実行する場合に、従来では、電力会社の中央給電指令所側に予め設定された発電機出力に関する設定データに基づいて、地域要求電力(AR)の配分が行われている。発電機出力に関する設定データとは、具体的には、発電機の最大出力や最小出力、バンド上下限、出力変化速度等であり、これらは固定値である。このため、以下のような問題点が挙げられている。
すなわち、現地の各発電機の出力は、実際には、発電機を含む発電所側の都合や大気温度等の周辺環境の影響、さらには出力帯等によって、常に変動している。この発電機出力状況の変動に伴って、発電機の最大出力や最小出力、バンド上下限、出力変化速度等の諸データは、実態に基づいて変化することになる。したがって、固定値である中央給電指令所側の設定データと、様々な影響を反映した各発電機の実態から導かれるデータ(ここでは実態データと呼ぶ)とが、異なることが多かった。
具体的には、次のようなケースで、現地発電機側の実態データと、中央給電指令所側の設定データとが、不一致になっており、地域要求電力(AR)配分が残るといった問題が生じていた。まず、発電機出力の上限値が中央給電指令所側に設定された発電機の最大出力よりも低い値で張付いたまま留まってしまうことがあり、留まった値が実質的な上限値となってしまう。これは、発電機の最大出力に関して実態データが設定データと異なる場合に当たり、中央給電指令所側では最大出力まで発電機の出力増加が可能という判断を下して、発電機に対し上げ指令を行うことがある。しかし、実質的には現地発電機は出力上限値に到達しているので、中央給電指令所からの上げ指令にもかかわらず、出力増加が行えないといった状況に陥ることになる。
上記のケースとは反対に、現地発電機において、発電機出力の下限値が、中央給電指令所側に設定された発電機の最小出力よりも高い値で張付いたまま留まる場合(つまり、発電機の最小出力に関して実態データが設定データと異なる場合)には、中央給電指令所側では最小出力まで発電機出力を低減できるという判断の下で、発電機に対し下げ指令を行うが、実質的には現地発電機側は出力下限値に到達しているので、出力低減を実施できず、地域要求電力(AR)配分効率が低下することになる。
また、発電機の出力変化速度に関して、中央給電指令所側の設定データよりも実態データの方が遅くなっているというようなケースでは、中央給電指令所が発電機に対し出力調整の指令を行ったとしても、中央給電指令所側の設定データよりも現地発電機における実質的な出力変化速度が遅いため、中央給電指令所の指令に見合った量の出力変化を実施することができず、中央給電指令所からの指令に十分に応えることができないことがあった。
上述したような現地発電機側の実態データと、中央給電指令所側の設定データとが不一致であるという状況では、中央給電指令所は応動が期待できない上げ指令又は下げ指令を発電機に出していることになる。そのため、地域要求電力(AR)を配分しきれずに残るという事態を起きた。地域要求電力(AR)の配分が残ると、制御残や過制御が増大するおそれがあり、結果的に電力系統の制御性や経済性が低下していた。したがって、現地の各発電機から実態に則した情報を取り入れ、各発電機の実態を見極めた上で、地域要求電力(AR)を効率よく且つ十分に配分することが望まれていた。
また、前述したように、中央給電指令所から各発電機に出力調整の上げ指令又は下げ指令が行われる際、実際に現地の発電機側が変化するまでには伝送遅れが発生するが、この伝送遅れは、常に一定ではなく、情報量や通信系の状況によって異なる。そのため、伝送遅れを高い精度で把握することは非常に難しかった。そこで、このような伝送遅れを加味した上で、発電機の出力変動を捉え、各発電機の実態を示すデータを正確に把握して、発電機の出力調整を行うことが求められていた。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、現地の各発電機から実態に則した情報を直接取り入れて、発電機の実態を推定し、推定した情報を用いて地域要求電力(AR)を効率よく且つ十分に配分することにより、地域要求電力(AR)の配分残しを防止して、制御残や過制御を低減させて制御性及び経済性の向上を図った電力系統の需給制御方法、制御装置、制御プログラム及びその記録媒体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1は、電力系統における周波数変化量(ΔF)及び連系線潮流変化量(ΔPT)に応じて電力系統内の各発電機の出力調整を行う電力系統の需給制御方法において、前記周波数変化量(ΔF)を検出する周波数変化量検出ステップと、前記連系線潮流変化量(ΔPT)を検出する連系線潮流変化量検出ステップと、前記周波数変化量(ΔF)と前記連系線潮流変化量(ΔPT)を用いて地域要求電力(AR)を算出するAR計算ステップと、前記地域要求電力(AR)をフィルタリングするARフィルタステップと、フィルタリングした前記地域要求電力(AR)を電力系統内の発電機毎に配分するAR配分ステップと、経済負荷配分制御(ELD)にてELDスケジュールを算出するELDスケジュール計算ステップと、配分された前記地域要求電力(AR)と経済負荷配分制御(ELD)にて算出されたELDスケジュールとから前記発電機毎の目標指令値を算出する目標指令値作成ステップと、前記目標指令値に基づき前記発電機に対して上げ指令を出すか又は下げ指令を出すかを判定し、その判定結果に基づいて前記上げ指令又は前記下げ指令を前記発電機に送出する上げ/下げ判定ステップと、現在から過去に遡った一定期間中の前記発電機の発電機出力変化量を算出する発電機出力変化量算出ステップと、前記一定期間中において前記発電機に送出した前記上げ指令又は前記下げ指令の指令回数を累計し、前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値を求める指令回数累計ステップと、前記発電機出力変化量と前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値に基づいて前記発電機の出力状況に関する実態を推定する発電機実態推定ステップと、を行い、前記AR配分ステップでは、前記発電機実態推定ステップにより推定された結果に基づいて前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の電力系統の需給制御方法において、前記上げ指令又は前記下げ指令の1回の送出に対する前記発電機の発電機出力の出力変化量である単位出力変化量を算出する単位出力変化量算出ステップを含み、前記AR配分ステップでは、前記出力変化量算出ステップにて算出した前記単位出力変化量と、前記発電機実態推定ステップにおいて推定された結果に基づいて、前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする。
また、請求項5、7の発明は、上記請求項1の発明について、装置及びプログラムの観点から捉えたものである。さらに、請求項8の発明は、プログラムを記録したコンピュータに読取可能な記録媒体として把握したものである。
以上の構成を有する本発明では、発電機の実態とずれる可能性がある設定データを用いて発電機への地域要求電力(AR)の配分を行うのではなく、発電機の実態を推定した上で、この推定した情報を用いて、地域要求電力(AR)を配分している。このため、中央給電指令所から各発電機が応動できないような上げ指令又は下げ指令を発電機側に送るといった実態に見合わない出力調整指令を回避でき、地域要求電力(AR)を効率良く且つ十分に配分することができる。
以上述べたように、本発明の電力系統の需給制御装置、制御方法、制御プログラム及びその記録媒体によれば、現地の発電機側から得た発電機情報に基づいて現地発電機の実態を推定することにより、推定結果である各発電機の実態に適合した情報を用いて地域要求電力(AR)を適切に配分することが可能となり、これによって、制御残や過制御を確実に低減させて、電力系統の制御性及び経済性が大幅に向上する。
以下、本発明によるLFCを採用した実施形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態は、周辺装置を備えたコンピュータをプログラムで制御することで実現するが、この場合のハードウェアやプログラムの実現態様は各種変更可能であり、電力系統の需給制御装置及び制御方法に加えて、上記プログラム、さらには、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体としても把握可能である。
(1)第1の実施形態
[1−1]構成
図1〜図5を参照して第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態における各機能を実現する仮想的回路ブロックの構成図、図2は第1の実施形態において出力上下限到達時の判断を示すイメージ図、図3及び図4は第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート、図5は第1の実施形態のタイムスケジュールを示す図である。
[1−1−1]構成の概要
まず、図1を用いて、第1の実施形態の構成の概要について説明する。図1において、符号1は電力系統、符号2は計算機、符号5はMMI(マンマシンインターフェース)を示している。電力系統1の内部には複数の発電機G1、G2、…、Gnが設けられ、他系統3との間で連系線4を介して連系されている。
また、電力系統1の内部にはデータ検出部10が設けられている。データ検出部10は、電力系統1における周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)を検出する部分である。本実施形態は、このデータ検出部10にて検出した電力系統1の周波数変化量(ΔF)及び連系線潮流変化量(ΔPT)に応じて、電力系統1内の各発電機G1、G2、…、Gnの出力調整を行う装置である。
[1−1−2]計算機2内のAR配分関連部分
計算機2内には、AR配分を担う部分として、次のような機能を実行する手段が装備されている。すなわち、データ検出部10から周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)を取り入れて地域要求電力(AR)を計算するAR計算部24と、地域要求電力(AR)をフィルタリングするARフィルタ部25と、フィルタリングした地域要求電力(AR)を電力系統1内の発電機G1、G2、…、Gn毎に配分するAR配分部26が設けられている。AR計算部24はデータ検出部10と検出用の信号線13を介して設けられている。また、AR配分部26には、本実施形態の特徴である発電機実態推定部31が組み込まれている。
発電機実態推定部31は、発電機G1、G2、…、Gnの実質的な状態を推定する部分である。発電機実態推定部31は、上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して送出(伝送)される上げ指令及び下げ指令を現在から過去に遡って一定期間分(例えば、60秒間分)記憶する。そして、発電機実態推定部31は、この一定期間中に上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して送出される上げ指令及び下げ指令の指令回数を累計し得られる累計値と、後述する発電機情報入力部211、212、…、21nから入力される発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力変化量とから、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力が実質的に出力上限値又は出力下限値に到達したか否かを推定する。
より詳しくは、発電機実態推定部31は、発電機G1、G2、…、Gnの出力状況に関して、次のような推定を行っている。すなわち、地域要求電力(AR)が正の場合、発電機実態推定部31は、現在から過去に遡った一定期間中(例えば、60秒間中)に上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して出力された上げ指令の指令回数を累計し、その上げ指令の累計値が予め定められた上げ指令判定閾値以上(例えば、+5以上)になったか否か判断する。
この判断の結果、上げ指令の累計値が予め定められた上げ指令判定閾値以上(例えば、+5以上)になっても、次ぎに、発電機情報入力部211、212、…、21nから入力される同一期間中(即ち、上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して上げ指令の出力された現在から過去に遡った一定期間と同じ期間中)の発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力変化量が予め定められた上下限判定閾値以内(例えば、発電機定格容量の0.1%以内)であるか否かを判断し、その判断の結果、発電機出力変化量が予め定められた上下限判定閾値以内に留まっていれば、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力は出力上限値に張り付いたと見なし、実質的に出力上限値に到達していると推定する。ここで、上げ指令の指令回数を累計する際は、指令回数1回について+1を加算する。
例えば、図2のように、時刻t0以降、発電機に対して上げ指令を連続して出している時に、時刻t3までは発電機出力が所定の発電機出力変化量以上の割合で増加するものの、時刻t3以降は発電機出力が所定の発電機出力変化量以上の割合で増加せず、実態データとしての出力上限値付近でほぼ一定となっている。このような場合、発電機実態推定部31は、上記した判断により、時刻t3以降は、発電機出力が実質的に出力上限値に到達した状態であると推定することとなる。
また、発電機実態推定部31は、地域要求電力(AR)が負の場合には、現在から過去に遡った一定期間中(例えば、60秒間)に上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して出力された下げ指令の指令回数を累計し、その下げ指令の指令回数の累計値が予め定められた下げ指令判定閾値以下(例えば、−5以下)になっても、発電機情報入力部211、212、…、21nから入力される同一期間中(即ち、上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して下げ指令の出力された現在から過去に遡った一定期間と同じ期間中)の発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力変化量が予め定められた上下限判定閾値以内(例えば、発電機定格容量の0.1%以内)に留まっていれば、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力は出力下限値に張り付いたと見なして、実質的に実態データとしての出力下限値に到達していると推定するようになっている。ここで、下げ指令の指令回数を累計する際は、指令回数1回について−1を加算する。
なお、本実施形態の発電機実態推定部31では、発電機G1、G2、…、Gnの実態を推定する際に用いる閾値として、上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対する上げ指令又は下げ指令を出力する期間や、上げ指令又は下げ指令の累計値を示しているが、上記の60秒や5回といった数値は一例であって、適宜変更可能である。また、発電機G1、G2、…、Gnにおける発電機出力変化量に関する閾値も、発電機定格容量の0.1%に限らず、例えば10秒間の出力変化速度(nMW/10秒)を、目安としてもよい。
AR配分部26は、このような発電機実態推定部31により推定のされた結果に基づいて地域要求電力(AR)の配分を行うようになっている。この時、発電機実態推定部31によって発電機出力が実質的に実態データとしての出力上限値又は出力下限値に到達したと推定された発電機G1、G2、…、Gnに関しては、地域要求電力(AR)の配分対象から除外し、それ以外の発電機のみを配分対象として地域要求電力(AR)を配分している。本実施形態はこの点を特徴している。
[1−1−3]計算機2内のELD関連部分
また、計算機2内には、ELD制御を担う部分として、発電端総需要計算部27、オンライン予測需要部28、前日運転計画部29、ELDスケジュール計算部30が設けられている。このうち、発電端総需要計算部27は、後段で述べる発電機出力信号入力部201、202、…、20nから発電機出力信号を取り込んで発電端総需要を計算し、その計算結果をオンライン予測需要部28に送る部分である。また、オンライン予測需要部28は予測総需要を作成する部分、前日運転計画部29は前日運転計画を出力する部分である。
ELDスケジュール計算部30は、ARフィルタ部25からフィルタリングした地域要求電力(AR)を、オンライン予測需要部28から予測総需要を、前日運転計画部29から前日運転計画を、それぞれ取り込み、経済負荷配分制御(ELD)にてELDスケジュールを計算する部分である。
[1−1−4]計算機2内の出力調整指令関連部分
さらに、計算機2内には、各発電機G1、G2、…、Gnへの出力調整指令を担うべく、各発電機G1、G2、…、Gnと接続される部分として、発電機出力信号入力部201、202、…、20nと、発電機情報入力部211、212、…、21nと、目標指令値作成部221、222、…、22nと、上げ/下げ判定手段231、232、…、23nが設けられている。
このうち、発電機出力信号入力部201、202、…、20nは、検出用の信号線111、112、…、11nを介して各発電機G1、G2、…、Gnに接続されており、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力信号を入力して、この発電機出力信号を目標指令値作成部221、222、…、22n、及び、発電機情報入力部211、212、…、21nに伝送するように構成されている。
目標指令値作成部221、222、…、22nは、発電機出力信号入力部201、202、…、20nからの各発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力信号と、AR配分部26にて配分された地域要求電力(AR)と、ELDスケジュール計算部30にて計算されたELDスケジュールとを受け取り、各発電機G1、G2、…、Gnの目標指令値を作成する部分である。
上げ/下げ判定手段231、232、…、23nは、目標指令値作成部221、222、…、22nにて作成した目標指令値に基づき各発電機G1、G2、…、Gnに対して上げ指令を出すか又は下げ指令を出力するかを判定し、各発電機G1、G2、…、Gnに対し、制御用の信号線121、122、…、12nを介して、上げ指令又は下げ指令を出力する。
発電機情報入力部211、212、…、21nは、上記のAR配分部26及び発電機実態推定部31と併せて本実施形態の特徴的な構成要素であって、検出用の信号線111、112、…、11n、発電機出力信号入力部201、202、…、20nを介して各発電機G1、G2、…、Gnに接続されている。発電機情報入力部211、212、…、21nは、発電機出力信号入力部201、202、…、20nを介して入力される各発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力信号に基づいて、現在から過去に遡った一定期間中(例えば、60秒間中)の各発電機G1、G2、…、Gnにおける発電機出力変化量を算出し、この算出した発電機出力変化量を発電機情報として、AR配分部26に出力する部分である。
[1−2]動作
[1−2−1]地域要求電力(AR)の配分
続いて、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における各発電機G1、G2、…、Gnへの地域要求電力(AR)の配分について説明する。先ず、データ検出部10にて検出した電力系統1の周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)を、計算機2内のAR計算部24が入力し、ここで地域要求電力(AR)を計算する(ステップS201)。
次いで、ステップS202において、ARフィルタ部25が指数平滑等によって地域要求電力(AR)をフィルタリングし、ステップS203では、AR配分部26が各発電機G1、G2、…、Gnの出力変化速度比あるいは出力余裕比等に応じて、各発電機G1、G2、…、Gnに対する地域要求電力(AR)の配分量を求める。
ステップS204において、目標指令値作成部221、222、…、22nは、発電機出力信号入力部201、202、…、20nからの各発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力信号と、AR配分部26からの地域要求電力(AR)の配分量とを入力すると共に、後述するステップS208においてELDスケジュール計算部30にて計算されたELDスケジュールとを足し合わせる処理等を用いて、各発電機G1、G2、…、Gnの目標指令値を作成する。
その後、ステップS205では、上げ/下げ判定部231、232、…、23nは各発電機G1、G2、…、Gnの目標指令値を受け取り、発電機に上げ指令又は下げ指令を出すか否かを判定する。ステップS205にて発電機に上げ指令又は下げ指令を出力すると判定した場合(ステップS205のYes)、ステップS206にて、上げ/下げ判定部231、232、…、23nは制御用の信号線121、122、…、12nを介して各発電機G1、G2、…、Gnに上げ指令又は下げ指令を出すことになる。一方、ステップS205にて発電機に上げ指令又は下げ指令を出さないと判定した場合(ステップS205のNo)、上げ/下げ判定部231、232、…、23nは各発電機G1、G2、…、Gnに指令を出さない。
ELDスケジュール計算部30は、ステップS207にて、運用データとして、オンライン予測需要28から予測総需要を、前日運転計画部29から前日運転計画を、それぞれ取り込み、ステップS208において、取り込んだ予測総需要と前日運転計画に基づいてELDスケジュールを計算し、得られた経済負荷配分の計算結果(ELDスケジュール)を各目標指令値作成部221、222、…、22nに出力する。
[1−2−2]発電機実態推定部31による推定
次に、図4のフローチャート及び図5のタイムスケジュール図を参照して、本実施形態の発電機実態推定部31による推定に基づいて、AR配分部26における各発電機G1、G2、…、Gnへの地域要求電力(AR)の配分の可否判断に関して説明する。ここでは、地域要求電力(AR)が正の場合、ならびに負の場合に応じて条件分けを行う。
まず、発電機実態推定部31は、地域要求電力(AR)が正か負かを判断する(ステップS301)。地域要求電力(AR)が正の場合(ステップS301がYes)、発電機実態推定部31は、現在から過去に遡った一定期間中(例えば、60秒間中)に上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して出力された上げ指令の指令回数を累計し、その上げ指令の累計値が予め定められた上げ指令判定閾値以上(例えば、+5以上)になったか否か判断する(ステップS302)。
上げ指令の累計値が予め定められた上げ指令判定閾値以上(例えば、+5以上)である場合(ステップS302のYes)、次ぎに、発電機情報入力部211、212、…、21nから入力される当該期間中の発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力変化量(|PA0−PA6|)が予め定められた上下限判定閾値以内(例えば、発電機定格容量の0.1%以内)であるか否かを判断する(ステップS304)。この判断の結果、発電機出力変化量が予め定められた上下限判定閾値以内であれば、発電機実態推定部31は、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力は出力上限値に張り付いたと見なし、実質的に出力上限値に到達していると推定する(ステップS304のYes)。
上述した処理について図2の場合を例に説明する。なお、ここでは図5に示すように、60秒間に発電機に対する上げ指令又は下げ指令が合計6回(UD6からUD1)出力され、その期間中に発電機の発電機出力がPA6からPA0のように推移したとする。図2の時刻t1からt2までの期間は、発電機に対して出力される指令は全て上げ指令である。従って、この期間の上げ指令の指令回数の累計値は「+6」となり上げ指令判定閾値以上になる。しかし、この期間の発電機出力変化量|PA0−PA6|は大きく上下限定閾値以内とならないので、発電機出力は、実質的に出力上限値に到達したとは推定しない。時刻t3からt4までの期間も、発電機に対して出力される指令は全て上げ指令であるため、上げ指令の指令回数の累積値は「+6」となり上げ指令判定閾値以上となる。しかし、この期間の発電機出力変化量|PA0−PA6|は小さく上下限定閾値以内となるため、発電機の出力が実質的に出力上限値に到達したと推定する。
AR配分部26は、発電機実態推定部31の推定結果に基づいて、出力上限値に到達していると見なした発電機G1、G2、…、Gnに対しては地域要求電力(AR)の配分を行わないものとする(ステップS306)。これにより、中央給電指令所から発電機G1、G2、…、Gnに対して上げ指令を出したものの、実質的には現地発電機側は出力上限値に到達していて出力増加を実現できずに地域要求電力(AR)の配分残しが生じるといった不具合を確実に回避することができる。
また、発電機実態推定部31は、上げ指令の累計値(ΣUDi)が上げ指令判定閾値未満、すなわち累計値が+5未満だった場合(ステップS302のNo)、あるいは、一定期間の出力変化量(|PA0−PA6|)が上下限判定閾値を超えている、つまり発電機出力変化量が発電機定格容量の0.1%超(ステップS304のNo)の場合であれば、この発電機G1、G2、…、Gnは出力上限値に張り付いておらず、実質的に出力上限値に到達していないと推定する。この場合には、AR配分部26は、実質的に出力上限値に到達していないと推定した発電機G1、G2、…、Gnに対し、通常通り、地域要求電力(AR)の配分を行う(ステップS307)。
一方、地域要求電力(AR)が負の場合(ステップS301のNo)では、発電機実態推定部31は、現在から過去に遡った一定期間中(例えば、60秒間中)に上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して出力された下げ指令の指令回数を累計し、その下げ指令の累計値が予め定められた下げ指令判定値以上(例えば、−5以上)になったか否か判断する(ステップS303)。下げ指令の累計値が予め定められた下げ指令判定閾値以上(例えば、−5以上)である場合(ステップS303のYes)、次ぎに、発電機情報入力部211、212、…、21nから入力される当該期間中の発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力変化量(|PA0−PA6|)が予め定められた上下限判定閾値以内(例えば、発電機定格容量の0.1%以内)であるか否かを判断する(ステップS305)。この判断の結果、発電機出力変化量が予め定められた上下限判定閾値以内であれば、発電機実態推定部31は、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力は出力下限値に張り付いたと見なし、実質的に出力下限値に到達していると推定する(ステップS305のYes)。
その結果、AR配分部26はこの推定情報に基づいて、実質的に出力下限値に到達していると見なした発電機G1、G2、…、Gnに対しては地域要求電力(AR)を配分しないものとする(ステップS308)。これにより、中央給電指令所から発電機G1、G2、…、Gnに対して下げ指令を行うが、実質的には現地発電機側は出力下限値に到達しているので、出力低減を実施できず、地域要求電力(AR)の配分残しが生じて、地域要求電力(AR)配分効率が低下する心配がない。
また、発電機実態推定部31は、下げ指令の累計値(ΣUDi)が下げ指令判定閾値より大きい、すなわち累計値が−5より大きい(ステップS303のNo)場合、あるいは、一定期間の出力変化量(|PA0−PA6|)が上下限判定閾値を超えている、つまり発電機出力変化量が発電機定格容量の0.1%超(ステップS305のNo)の場合には、この発電機G1、G2、…、Gnは出力下限値に張り付いておらず、実質的に出力下限値に到達していないと推定する。そして、AR配分部26はこの推定結果に基づいて、出力下限値に到達していないと推定した発電機G1、G2、…、Gnに対して地域要求電力(AR)を配分する(ステップS309)。
[1−3]作用効果
以上述べたように、第1の実施形態では、発電機実態推定部31において、一定期間中に上げ/下げ判定手段231、232、…、23nから発電機G1、G2、…、Gnに対して出力される上げ指令及び下げ指令の指令回数の累計値と、発電機情報入力部211、212、…、21nから入力される発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力変化量とから、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力が実質的に実態データである出力上限値又は出力下限値に到達したか否かを推定する。
そして、AR配分部26が、発電機実態推定部31での推定結果に基づいて、地域要求電力(AR)の配分の可否を決定している。これにより、実質的に実態データである出力上限値又は出力下限値に到達していないと推定した発電機G1、G2、…、Gnに対してのみ、地域要求電力(AR)を配分しており、中央給電指令所からの応動が期待できない上げ指令又は下げ指令を、発電機G1、G2、…、Gnに出すことがなく、地域要求電力(AR)の配分残しといった事態を回避することができる。
このような第1の実施形態では、発電機G1、G2、…、Gnの実態とずれる可能性がある中央給電指令所側の設定データのみを用いて発電機G1、G2、…、Gnへの地域要求電力(AR)の配分を行うことがなく、発電機G1、G2、…、Gnの実態を反映した実態データを推定することで地域要求電力(AR)を適切に配分可能である。したがって、制御残や過制御を確実に低減させることができ、電力系統の制御性及び経済性が大幅に向上する。
(2)第2の実施形態
[2−1]構成
続いて、図6〜図8を参照して第2の実施形態について説明する。図6は第2の実施形態における各機能を実現する仮想的回路ブロックの構成図、図7は第2の実施形態において発電機の出力変化量を算出する際のイメージ図、図8は第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
前述したように、中央給電指令所の計算機2から各発電機に出力調整の上げ指令又は下げ指令が行われる際、実際に現地の発電機が変化するまでには伝送遅れが発生するが、この伝送遅れは、常に一定ではなく、情報量や通信系の状況によって異なる。第2の実施形態では、このような伝送遅れを加味した上で、発電機の出力変動を捉え、各発電機の実態を示すデータを正確に把握して、発電機の出力調整を行えるようにしたものである。このため、第2の実施形態では、中央給電指令所の計算機2からの上げ指令又は下げ指令が発電機G1、G2、…、Gnに届くまでの下り伝送遅れと、上げ指令又は下げ指令に対する発電機G1、G2、…、Gnの反応を示す発電機出力信号が中央給電指令所の計算機2に戻ってくるまでの上り伝送遅れとが反映された単位出力変化量を算出する単位出力変化量算出部321、322、…、32nを発電機情報入力部211、212、…、21nに設けた点に特徴がある(図6参照)。単位出力変化量は、上げ指令又は下げ指令の1回の送出(1パルスの送出)に対する各発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力の出力変化量を算出したものである。
単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、運用者の操作に応じて出力されるMMI5からの起動タイミング331、332、…、33nを受けた時、または、1日に1回等の予め設定された日時に定周期で自動的に学習モードを起動し、単位出力変化量を算出する。AR配分部26は、単位出力変化量算出部321、322、…、32nにて求められた各発電機G1、G2、…、Gnの上げ指令の単位出力変化量及び下げ指令の単位出力変化量と、第1の実施形態で説明した発電機実態推定部31での推定結果に基づいて、各発電機G1、G2、…、Gnに対する地域要求電力(AR)の配分量を求める。
[2−2]発電機の単位出力変化量算出
ここで、発電機の単位出力変化量の算出手順について、図7のイメージ図に記載したア〜サと、図8のフローチャートを用いて詳しく説明する。
ア.単位出力変化量算出部321、322、…、32nが、学習モードを起動する(ステップS401)。ここで、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、MMI5を介した運用者の操作に応じて学習モードを起動するか、または、1日に1回等の予め設定された日時に自動的に学習モードを起動する。
イ.単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、上げ/下げ判定部231、232、…、23nに算出対象である発電機G1、G2、…、Gnへの上げ指令及び下げ指令の送出を停止させる(ステップS402)。これにより、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を安定させるための安定時間を設定する。
ウ.続いて、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、算出対象である発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力が安定したかどうかを確認し(ステップS403)、発電機出力が安定したら(ステップS403のYes)、上げ/下げ判定部231、232、…、23nに連続で所定の数回(数パルス)、例えば4回(4パルス)の上げ指令を送出するよう指令する(ステップS404)。
エ.そして、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、発電機出力信号入力部201、202、…、20nを介して入力される発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を監視し、最初に送出された上げ指令に応動して発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力が増加を開始した応動開始時の出力点の時刻(開始点1)、及び、開始点1での発電機出力を確認する(ステップS405)。
オ.単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、上げ指令が所定の回数(たとえば4回)送出された後に、上げ/下げ判定部231、232、…、23nに算出対象である発電機G1、G2、…、Gnへの上げ指令の送出を停止させる(ステップS406)。これにより、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を安定させるための安定時間を設定する。
カ.そして、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を監視し、上げ指令の送出の停止に応動して発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力の増加が終了した応動終了時の出力点の時刻(終了点1)、及び、終了点1での発電機出力を確認する(ステップS407)。
キ.続いて、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、算出対象である発電機G1、G2、…、Gnの出力変動が安定したかどうかを確認し(ステップS408)、出力変動が安定したら(ステップS408のYes)、上げ/下げ判定部231、232、…、23nに連続で所定の数回(数パルス)、例えば4回(4パルス)、下げ指令を送出するよう指令する(ステップS409)。
ク.そして、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を監視し、最初に送出された下げ指令に応動して発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力が減少を開始した応動開始時の出力点の時刻(開始点2)、及び、開始点2での発電機出力を確認する(ステップS410)。
ケ.再度、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、下げ指令が所定の回数(たとえば4回)送出された後に、上げ/下げ判定部231、232、…、23nに算出対象である発電機G1、G2、…、Gnへの下げ指令の送出を停止させる(ステップS411)。これにより、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を安定させるための安定時間を設定する。
コ.そして、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力を監視し、下げ指令の送出の停止に応動して発電機G1、G2、…、Gnの発電機出力の減少が終了した応動終了時の出力点の時刻(終了点2)、及び、終了点2での発電機出力を確認する(ステップS412)。
サ.学習モードを終了する(ステップS413)。
そして、単位出力変化量算出部321、322、…、32nは、発電機G1、G2、…、Gnの上げ指令に対する応動期間(エ〜カ間)の応動期間出力変化量1を、終了点1の発電機出力から開始点1の発電機出力を引くことにより求める。また、発電機G1、G2、…、Gnの下げ指令に対する応動期間(ク〜コ間)の応動期間出力変化量2を、終了点2の発電機出力から開始点2の発電機出力を引くことにより求める。最終的に、上げ指令1回(1パルス)当たりの単位出力変化量1、及び、下げ指令1回(1パルス)当たりの単位出力変化量2を下記の式(2)、(3)から求める(ステップS414)。
上げ指令の単位出力変化量=応動期間出力変化量1/上げ指令のパルス回数…(2)
下げ指令の単位出力変化量=応動期間出力変化量2/下げ指令のパルス回数…(3)
[2−3]地域要求電力(AR)の配分
AR配分部26は、上述したように単位出力変化量算出部321、322、…、32nにて求められた各発電機G1、G2、…、Gnの上げ指令の単位出力変化量及び下げ指令の単位出力変化量と、第1の実施形態で説明した発電機実態推定部31での推定結果に基づいて、各発電機G1、G2、…、Gnに対する地域要求電力(AR)の配分量を求める。
[2−4]作用効果
以上のような第2の実施形態の作用効果は次の通りである。既に述べたように、LFCを行う場合、中央給電指令所にて設定されている設備データ(最大出力、最小出力、バンド上下限、出力変化速度、等)の情報に基づいて発電機G1、G2、…、Gnへの上げ指令又は下げ指令を出力しているが、発電機G1、G2、…、Gnの単位出力変化量は常時一定ではなく、出力帯や大気温度の影響により変化する。
そのため、中央給電指令所の計算機2では、例えば、10秒間上げ指令を出力することで発電機出力をA[MW/10秒]増加させることが可能という判断の下で、地域要求電力(AR)の配分を行ったとしても、実際の現地の発電機ではA[MW/10秒]の80%しか発電機出力を増加できないケースがある。この場合、A[MW/10秒]の20%が地域要求電力(AR)配分残となる。
そこで、第2の実施形態では、単位出力変化量算出部321、322、…、32nによって、実際の発電機G1、G2、…、Gnの単位出力変化量を算出して把握する方法を採用している。これによって、より正確な出力変化量x[MW/10秒]にて地域要求電力(AR)を配分することができ、地域要求電力(AR)の配分残を少なくすることを実現している。なお、ここで言う配分残とは、地域要求電力(AR)を各発電機に配分する際に使用する出力変化量が、実際の発電機G1、G2、…、Gnでの実態データと、中央給電指令所側に設定された設備データとの間で異なることで生じる配分残しを意味する。
また、上記第2の実施形態では、発電機の発電機出力の出力変化の開始タイミングと終了タイミングを確認しているため、中央給電指令所の計算機2からの上げ指令及び下げ指令が現地の発電機に届くまでの下り伝送遅れと、指令の反応が発電機から中央給電指令所の計算機2に戻ってくるまでの上り伝送遅れを加味した上で、発電機G1、G2、…、Gnの出力変動を捉えている。そのため、各発電機G1、G2、…、Gnの実態を正確に把握可能である。したがって、発電機G1、G2、…、Gnの出力調整を正確に制御することができる。これにより、電力系統における制御残がいっそう少なくなり、制御性能及び経済性能の向上に寄与することができる。
(3)他の実施形態
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、電力系統の需給制御装置としては、各機能部分を1台の計算機で実現してもよいし、データ通信可能な複数台の計算機で実現しても構わない。また、上記実施形態による処理を組み合わせて実施することも可能である。
本発明に係る第1の実施形態の構成図。 第1の実施形態において出力上下限到達時の判断を示すイメージ図。 第1の実施形態のAR配分処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施形態の推定処理を説明するためのフローチャート。 第1の実施形態のタイムスケジュールを示す図。 本発明に係る第2の実施形態の構成図。 第2の実施形態において発電機の単位出力変化量を算出する際のイメージ図。 第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
符号の説明
1…電力系統
2…計算機
3…他系統
4…連系線
5…MMI(マンマシンインターフェース)
111、112、…、11n、13…検出用の信号線
121、122、…、12n…制御用の信号線
201、202、…、20n…発電機出力信号入力部
211、212、…、21n…発電機情報入力部
221、222、…、22n…目標指令値作成部
231、232、…、23n…上げ/下げ判定手段
24…AR計算部
25…ARフィルタ部
26…AR配分部
27…発電端総需要計算部
28…オンライン予測需要部
29…前日運転計画部
30…ELDスケジュール計算部
31…発電機実態推定部
321、322、…、32n…単位出力変化量算出部
331、332、…、33n…起動タイミング
G1、G2、…、Gn…発電機

Claims (8)

  1. 電力系統における周波数変化量(ΔF)及び連系線潮流変化量(ΔPT)に応じて電力系統内の各発電機の出力調整を行う電力系統の需給制御方法において、
    前記周波数変化量(ΔF)を検出する周波数変化量検出ステップと、
    前記連系線潮流変化量(ΔPT)を検出する連系線潮流変化量検出ステップと、
    前記周波数変化量(ΔF)と前記連系線潮流変化量(ΔPT)を用いて地域要求電力(AR)を算出するAR計算ステップと、
    前記地域要求電力(AR)をフィルタリングするARフィルタステップと、
    フィルタリングした前記地域要求電力(AR)を電力系統内の発電機毎に配分するAR配分ステップと、
    経済負荷配分制御(ELD)にてELDスケジュールを算出するELDスケジュール計算ステップと、
    配分された前記地域要求電力(AR)と経済負荷配分制御(ELD)にて算出されたELDスケジュールとから前記発電機毎の目標指令値を算出する目標指令値作成ステップと、
    前記目標指令値に基づき前記発電機に対して上げ指令を出すか又は下げ指令を出すかを判定し、その判定結果に基づいて前記上げ指令又は前記下げ指令を前記発電機に送出する上げ/下げ判定ステップと、
    現在から過去に遡った一定期間中の前記発電機の発電機出力変化量を算出する発電機出力変化量算出ステップと、
    前記一定期間中において前記発電機に送出した前記上げ指令又は前記下げ指令の指令回数を累計し、前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値を求める指令回数累計ステップと、
    前記発電機出力変化量と前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値に基づいて前記発電機の出力状況に関する実態を推定する発電機実態推定ステップと、を行い、
    前記AR配分ステップでは、前記発電機実態推定ステップにより推定された結果に基づいて前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする電力系統の需給制御方法。
  2. 前記発電機実態推定ステップでは、
    前記地域要求電力(AR)が正の場合、現在から過去に遡った一定期間中に前記発電機に送出した前記上げ指令の指令回数が所定回数以上になっても、その期間中の前記発電機における発電機出力変化量が所定の範囲内に留まっていれば、前記発電機の発電機出力は出力上限値に到達していると推定し、
    前記地域要求電力(AR)が負の場合、現在から過去に遡った一定期間中に前記発電機に送出した前記下げ指令の指令回数が所定回数以上になっても、その期間中の前記発電機における発電機出力変化量が所定の範囲内に留まっていれば、前記発電機の発電機出力は出力下限値に到達していると推定し、
    前記AR配分ステップでは、前記発電機実態推定ステップによって発電機出力が出力上限値又は出力下限値に到達したと推定された前記発電機に関しては、前記地域要求電力(AR)の配分対象から除外して前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする請求項1に記載の電力系統の需給制御方法。
  3. 前記上げ指令又は前記下げ指令の1回の送出に対する前記発電機の発電機出力の出力変化量である単位出力変化量を算出する単位出力変化量算出ステップを含み、
    前記AR配分ステップでは、前記出力変化量算出ステップにて算出した前記単位出力変化量と、前記発電機実態推定ステップにおいて推定された結果に基づいて、前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力系統の需給制御方法。
  4. 前記単位出力変化量算出ステップでは、
    前記発電機への前記上げ指令及び前記下げ指令の送出を所定の安定時間の間停止して発電機出力を安定させる安定ステップと、
    前記安定時間の経過後に、前記上げ指令又は前記下げ指令を数回前記発電機に送出することにより、前記発電機の前記上げ指令又は前記下げ指令に対する応動開始時刻、応動終了時刻、前記応動開始時刻における前記発電機の発電機出力、前記応動終了時刻における前記発電機出力を確認する確認ステップと、
    前記応動開始時刻、前記応動終了時刻、前記応動開始時刻における前記発電機の発電機出力、前記応動終了時刻における前記発電機出力に基づいて、前記応動開始時刻から前記応動終了時刻に至るまでの前記発電機における応動時間出力変化量を求め、この応動時間出力変化量を前記上げ指令又は前記下げ指令の送出回数で除すことにより前記単位出力変化量を求めるステップ、
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の電力系統の需給制御方法。
  5. 電力系統における周波数変化量(ΔF)及び連系線潮流変化量(ΔPT)に応じて電力系統内の各発電機の出力調整を行う電力系統の需給制御装置において、
    前記周波数変化量(ΔF)を検出する周波数変化量検出手段と、
    前記連系線潮流変化量(ΔPT)を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
    前記周波数変化量(ΔF)と前記連系線潮流変化量(ΔPT)を用いて地域要求電力(AR)を算出するAR計算手段と、
    前記地域要求電力(AR)をフィルタリングするARフィルタ手段と、
    フィルタリングした前記地域要求電力(AR)を電力系統内の発電機毎に配分するAR配分手段と、
    経済負荷配分制御(ELD)にてELDスケジュールを算出するELDスケジュール計算手段と、
    配分された前記地域要求電力(AR)と経済負荷配分制御(ELD)にて算出されたELDスケジュールとから前記発電機毎の目標指令値を算出する目標指令値作成手段と、
    前記目標指令値に基づき前記発電機に対して上げ指令を出すか又は下げ指令を出すかを判定し、その判定結果に基づいて前記上げ指令又は前記下げ指令を前記発電機に送出する上げ/下げ判定手段と、
    現在から過去に遡った一定期間中の前記発電機の発電機出力変化量を算出する発電機情報入力手段を具備し、
    前記AR配分手段は、
    前記一定期間中において前記発電機に送出した前記上げ指令又は前記下げ指令の指令回数を累計し、前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値を求め、この求めた前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値と、前記発電機情報入力手段により算出された前記発電機出力変化量とに基づいて前記発電機の出力状況に関する実態を推定する発電機実態推定手段を備え、
    前記発電機実態推定手段により推定された結果に基づいて前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする電力系統の需給制御装置。
  6. 前記上げ指令又は前記下げ指令の1回の送出に対する前記発電機の発電機出力の出力変化量である単位出力変化量を算出する単位出力変化量算出手段を更に備え、
    前記AR配分手段は、前記出力変化量算出手段にて算出した前記単位出力変化量と、前記発電機実態推定ステップにより推定された結果に基づいて、前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを特徴とする請求項5記載の電力系統の需給制御装置。
  7. コンピュータを利用することにより、電力系統における周波数変化量(ΔF)及び連系線潮流変化量(ΔPT)に応じて電力系統内の各発電機の出力調整を行う電力系統の需給制御プログラムであって、
    前記周波数変化量(ΔF)を検出する周波数変化量検出機能と、
    前記連系線潮流変化量(ΔPT)を検出する連系線潮流変化量検出機能と、
    前記周波数変化量(ΔF)と前記連系線潮流変化量(ΔPT)を用いて地域要求電力(AR)を算出するAR計算機能と、
    前記地域要求電力(AR)をフィルタリングするARフィルタ機能と、
    フィルタリングした前記地域要求電力(AR)を電力系統内の発電機毎に配分するAR配分機能と、
    経済負荷配分制御(ELD)にてELDスケジュールを算出するELDスケジュール計算機能と、
    配分された前記地域要求電力(AR)と経済負荷配分制御(ELD)にて算出されたELDスケジュールとから前記発電機毎の目標指令値を算出する目標指令値作成機能と、
    前記目標指令値に基づき前記発電機に対して上げ指令を出すか又は下げ指令を出すかを判定し、その判定結果に基づいて前記上げ指令又は前記下げ指令を前記発電機に送出する上げ/下げ判定機能と、
    現在から過去に遡った一定期間中の前記発電機の発電機出力変化量を算出する発電機出力変化量算出機能と、
    前記一定期間中において前記発電機に送出した前記上げ指令又は前記下げ指令の指令回数を累計し、前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値を求める指令回数累計機能と、
    前記発電機出力変化量と前記上げ指令又は前記下げ指令の累計値に基づいて前記発電機の出力状況に関する実態を推定する発電機実態推定機能と、をコンピュータに実現させ、
    前記AR配分ステップ機能、前記発電機実態推定機能により推定された結果に基づいて前記地域要求電力(AR)の配分を行うことを、コンピュータに実現させることを特徴とする電力系統の需給制御プログラム。
  8. 上記請求項7に記載の電力系統の需給制御プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013060083A1 (zh) * 2011-10-23 2013-05-02 西安交通大学 抽凝式热电联产与纯凝汽火电联合调度系统与方法
JP2015154637A (ja) * 2014-02-17 2015-08-24 株式会社東芝 給電システム及びそのプログラム

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